JP2016151120A - 貫入杭および貫入杭の貫入方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】螺旋状の部分を備えた杭でありながら、杭に回転力を加えることなく地盤に貫入することのできる貫入杭および貫入杭の貫入方法を提供する。
【解決手段】構造物の基礎として用いられる杭は、貫入方向に向けて漸次縮径する先細りの杭先端部2aを有する棒状の杭本体部2と、前記杭本体部2の外周面のうち少なくとも前記杭先端部2aの一部または全部の外周面に沿って螺旋状に形成され、前記杭本体部2が地盤に貫入する際の前記地盤からの反力を受けると前記反力を前記杭本体部2の回転力に変換する螺旋面3aを有する螺旋部3と、を備え、前記杭の杭頭4を貫入方向へ打撃または押圧すると自律的に回転しながら地盤に貫入する。
【選択図】図1

Description

本発明は、貫入杭および貫入杭の貫入方法に関する。
土木や建築の分野では、構造物や工作物を支える基礎の構築が行われる。構造物や工作物を支える基礎としては、例えば、現場でコンクリートを打設して構築するものや、既製の杭を地盤に貫入して構築するものがある。コンクリートを打設する場合、掘削残土が発生し、コンクリートを打設した後の養生に時間を要するため、施工を開始してから供用開始に至るまでに時間がかかる。そこで、近年では、掘削残土の抑制や、施工時間の短縮、早期の供用開始が可能な杭が多用され、各種の改良を施したものが提案されている(例えば、特許文献1−3を参照)。
特開2006−283424号公報 特許第3593070号公報 特開平9−287139号公報
構造物や工作物を支える杭の一種に螺旋状の羽根を備えた杭がある。螺旋状の羽根を備えた杭としては各種のものが提案されているが、例えば、中高層のビルディングや人工島といった各種構造物の基礎に用いる螺旋状の羽根を備えた杭の場合、杭に押圧力と回転力とを加えながら地盤に貫入する工法が採られる。しかし、この工法を採る場合は回転貫入機が必要となるが、回転貫入機は大がかりな装置でコストも高く、施工に時間を要するという問題点がある。また、螺旋状の羽根を備えた杭を回転させながら地盤に貫入すると、杭に多大なねじり力が作用するため、例えば、鋼管杭の場合には鋼管の板厚を厚くする等の対策が必要となる場合がある。
そこで、本願は、螺旋状の部分を備えた杭でありながら、杭に回転力を加えなくても地盤に貫入することのできる貫入杭および貫入杭の貫入方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明では、貫入方向に向けて漸次縮径する先細りの杭先端部を有する棒状の杭本体部の外周面のうち、少なくとも杭先端部の一部または全部の外周面に沿って、杭本体部が地盤を貫入する際の地盤からの反力を受けると、当該反力を杭本体部の回転力に変換する螺旋面を設けることにした。
詳細には、構造物の基礎として用いられる杭であって、貫入方向に向けて漸次縮径する先細りの杭先端部を有する棒状の杭本体部と、前記杭本体部の外周面のうち少なくとも前記杭先端部の一部または全部の外周面に沿って螺旋状に形成され、前記杭本体部が地盤に貫入する際の前記地盤からの反力を受けると前記反力を前記杭本体部の回転力に変換する螺旋面を有する螺旋部と、を備え、前記杭の杭頭を貫入方向へ打撃または押圧すると自律的に回転しながら地盤に貫入することを特徴とする。
本実施形態に係る貫入杭は、杭先端部が貫入方向に向けて漸次縮径する先細りの形状となっているため、高い貫入性を有している。そして、杭の杭頭を打撃または押圧した際の
地盤からの反力を受けた螺旋部が杭全体を回転させる。よって、先端が先細り形状になっていない杭に比べると、杭に加える打撃力あるいは押圧力が比較的小さくて済み、しかも杭に回転力を加えなくても自律的に回転しながら地盤に貫入する。したがって、この貫入杭であれば、例えば、支持層が地表から少々深いところにあっても、貫入杭を支持層へ容易に到達させることができ、且つ、杭に回転力を加えなくても、貫入方向の支持力および引抜抵抗力を発揮する螺旋部を支持層に埋め込むことができる。
なお、前記杭本体部は、軸径が一定の一定軸部を更に有しており、前記螺旋部は、前記杭先端部の一部または全部の外周面、または前記杭先端部の全部の外周面および前記一定軸部の一部または全部の外周面に沿って螺旋状に形成されていることが好ましい。軸径が一定の一定軸部があれば、一定軸部の長さを増減したり、一定軸部に鋼管等の延長軸部を接合して一定軸部の長さを長くしたりするだけで貫入杭の全長を適宜の長さにすることができる。延長軸部には、鋼等の金属やコンクリートなどを用いることができ、中空の棒状(パイプ)のものや、中実の棒形状のものでもよい。
また、前記螺旋部は、前記杭本体部の中心軸に沿って同一のピッチで螺旋状に形成されていることが好ましい。螺旋部が杭本体部の中心軸に沿って同一のピッチであることから周辺の地盤を掻き崩すことなく地盤内を螺旋状に突き進みやすい。
また、前記杭先端部は、前記杭先端部の外周面が前記杭本体部の中心軸に対し10度以下の傾斜角となるように前記貫入方向に向けて漸次縮径していることが好ましい。杭先端部の外周面が杭本体部の中心軸に対し10度以下の傾斜角となるように貫入方向に向けて漸次縮径していれば、概ねどのような性状の地盤であっても周辺地盤を掻き崩すことなく土を貫入方向に対し側方へ押しよけながら地盤内を突き進むことができる。
また、前記螺旋部は、前記螺旋部の直径の最大値の1.3倍以上のピッチで形成されていることが好ましい。螺旋部が直径の最大値の1.3倍以上のピッチで形成されていれば、貫入開始初期から貫入完了に至るまでの1回転あたりの貫入量が、概ねピッチと同じ貫入量となる。
また、前記螺旋部は、前記杭先端部の外周面において少なくとも2巻以上形成されていることが好ましい。螺旋部の巻き数が2巻よりも少ないと、杭本体部を回転させる力や貫入方向の支持力、引抜抵抗力が小さく、杭の性能が効率よく発揮されないと考えられる。
また、前記貫入杭は、地盤に貫入された状態において、前記杭頭が少なくとも前記杭本体部の中心軸を中心に回転不能な状態で前記構造物に連結されることが好ましい。貫入杭が回転しないように杭頭と構造物とが連結されることにより、その後、貫入杭に押圧力または引抜力が作用しても回転しないので、螺旋部により強固な貫入方向の支持力および引抜抵抗力が発揮される。
また、本発明は、方法の側面から捉えることもできる。本発明は、例えば、前記貫入杭の前記杭頭を前記貫入杭の貫入方向へ打撃または押圧しながら前記貫入杭を地盤に貫入する貫入方法であってもよい。
上記貫入杭および貫入杭の貫入方法であれば、貫入杭の杭頭を貫入方向へ打撃または押圧すると自律的に回転しながら地盤に貫入することができる。
図1は、実施形態に係る貫入杭を示した図である。 図2は、本実施形態の変形例に係る貫入杭を示した図である。 図3は、本実験で用いた比較例に係る貫入杭を示した図である。 図4は、実施例と比較例のそれぞれについて、1回転あたりの貫入量と深度との関係を示したグラフである。 図5は、螺旋部のピッチを変えた幾つかの実施例について、1回転あたりの貫入量と深度との関係の実験結果を示したグラフである。
以下、本願発明の実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態は、本願発明の一態様であり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。
<実施形態>
図1は、実施形態に係る貫入杭を示した図である。本実施形態に係る貫入杭1は、構造物の基礎として用いられる貫入杭であり、杭本体部2と螺旋部3とを備えている。杭本体部2は、貫入方向に向けて漸次縮径する先細りの杭先端部2aと軸径が一定である一定軸部2bとを有する棒状の部分であり、貫入杭1の杭頭4が貫入方向へ打撃または押圧される。また、螺旋部3は、杭本体部2の外周面に沿って螺旋状に形成され、杭本体部2が地盤に貫入する際の地盤からの反力を受けると、当該反力を杭本体部2の回転力に変換する螺旋面3aを有している。
杭先端部2aは、貫入方向に向けて漸次縮径する先細りの形状となっているため、貫入杭1の杭頭4を打撃または押圧すると、杭先端部2aは、地盤を構成する土を貫入方向の側方へ押しよけながら周辺地盤を掻き崩すことなく地盤内を突き進むことができる。貫入杭1を打ち込む地盤の性状や貫入杭1の材質、貫入杭1が支える構造物の種類にもよるが、杭先端部2aは、例えば、杭先端部2aの外周面が杭本体部2の中心軸に対し10度以下の傾斜角となるように貫入方向に向けて漸次縮径していれば、概ねどのような性状の地盤であっても周辺地盤を掻き崩すことなく土を貫入方向に対し側方へ押しよけながら地盤内を突き進むことができる。
螺旋部3は、貫入杭の杭頭4を打撃または押圧した際の地盤からの反力を受ける螺旋面3aが当該反力を杭本体部2の回転力に変換することにより、貫入杭1を回転させる。また、螺旋部3は、貫入された状態において貫入方向の支持力および引抜抵抗力を発揮する。よって、螺旋部3は、貫入杭1の杭頭4を打撃した際の地盤からの反力を受けても塑性変形しない程度の強度を有している。また、螺旋部3は、杭本体部2が回転する程度の巻き数を有している。螺旋部3の強度は、螺旋部3の肉厚や形状、材質等に支配される。したがって、例えば、螺旋部3の肉厚は、貫入杭1の杭頭4を打撃または押圧する力の大きさや、貫入杭1の材質、地盤の性状、杭本体部2の外周面から螺旋面3aの外縁までの長さ、螺旋部3のピッチ、杭本体部2の全長に対する螺旋部3の巻き数の割合、その他各種の事項を勘案して適宜決定される。また、螺旋部3の巻き数は、地盤の性状、杭本体部2の外周面から螺旋面3aの外縁までの長さ等にもよるが、少なくとも2巻以上とすることで、杭の性能が効率よく発揮されると考えられる。
螺旋部3は、杭本体部2の上端側から下端側へ向かうに従って、杭本体部2の外周面から螺旋面3aの外縁までの長さが漸次長くなり、螺旋面3aの外径が一定になっている(図1において符号3Mで示す範囲を参照)。また、杭本体部2の下端部分については、螺旋部3が地盤の中に入りやすいよう、杭本体部2の外周面から螺旋面3aの外縁までの長さが、貫入方向へ向かうに従って漸次短くなっている(図1において符号3Sで示す範囲を参照)。螺旋部3の各部のうち、杭本体部2の杭頭4側から下端側へ向かうに従って、杭本体部2の外周面から螺旋面3aの外縁までの長さが漸次長くなり、螺旋面3aの外径が一定になっている部分を、以下、主螺旋部3Mと呼ぶことにする。また、螺旋部3の各
部のうち、貫入方向へ向かうに従って螺旋面3aの外径が漸次縮径している部分を、以下、先端螺旋部3Sと呼ぶことにする。
貫入杭1は、例えば、太陽光パネルや柵、標識などの基礎に用いる比較的小さなものとしても、中高層のビルディングや人工島といった各種構造物の基礎に用いることが可能な大きさとしてもよく、これらの構造物の基礎として用いることが可能である。貫入杭1は、例えば、鋼管や鋼板を組み合わせて溶接することによって製作されてもよいし、杭本体部2および螺旋部3を鋳造によって一体的に製作してもよい。この場合には、鋼管や鋼板を鋳包みすることによって製作されてもよい。さらに、コンクリートや樹脂などによって製作されてもよい。貫入杭1は、各種の地盤に貫入され、構造物の基礎として構造物を支える支持力を発揮するとともに、強風や地震発生時にも耐えうる引抜抵抗力を発揮する。
本実施形態に係る貫入杭1は、打撃やバイブロ、押圧工法等の各種工法で貫入杭1の杭頭4を打撃または押圧することにより、地盤に貫入することができる。貫入杭1がほとんど埋まっていない貫入初期においては、貫入方向へ向かうに従って直径が漸次縮径している先端螺旋部3Sが徐々に地盤へ埋まることにより、貫入杭1の杭頭4を打撃または押圧した際の地盤からの反力を受けた螺旋部3が貫入杭1を回転させる回転力を徐々に発揮し始める。そして、先端螺旋部3Sが地盤に埋まった後は、主螺旋部3Mが地盤に埋まり始める。先端螺旋部3Sおよび主螺旋部3Mが地盤からの反力を受けることにより、杭本体部2を回転させる回転力が十分に得られるため、地盤に埋まることにより杭本体部2を十分に回転させることができる。
本実施形態に係る貫入杭1であれば、打撃やバイブロ、押圧工法等の各種工法で貫入杭1の杭頭4を打撃または押圧すれば、自律的に回転しながら地盤に貫入するため、杭を押圧および回転させながら地盤に貫入する回転貫入機を用いる必要が無い。すなわち、本実施形態に係る貫入杭1であれば、大がかりな回転貫入機を使用する必要が無いため、施工性の向上やコストの低減が可能である。また、貫入杭1が回転しないように杭頭4と構造物とが連結されることにより、その後、貫入杭1に押圧力や引抜力が作用しても自律的な回転が阻害され、螺旋部3により強固な押圧方向の支持力、引抜抵抗力が発揮される。
また、本実施形態に係る貫入杭1は、杭先端部2aが貫入方向に向けて漸次縮径する先細りの形状となっているため、高い貫入性を有している。よって、先端が先細り形状になっていない杭に比べると、杭に加える打撃力あるいは押圧力が比較的小さくて済む。したがって、例えば、本実施形態に係る貫入杭1であれば、支持層が地表から少々深いところにあっても、貫入杭1を支持層へ容易に到達させることができる。
ところで、螺旋部3は、図1に示されるように、杭本体部2の中心軸に沿って同一のピッチで螺旋状に形成されている。螺旋部3が杭本体部2の中心軸に沿って同一のピッチで螺旋状に形成されていれば、貫入杭1を地盤に貫入する際、螺旋部3が周辺地盤を掻き崩すことなく地盤内を螺旋状に突き進みやすい。しかし、螺旋部3は、杭本体部2の中心軸に沿って完全に同一のピッチで形成されるものに限定されるものでなく、例えば、先端付近のピッチが他の部分と少々異なっていてもよい。
また、図1には、軸径が一定の一定軸部2bを有する杭本体部2が図示されていたが、本実施形態に係る貫入杭1は、一定軸部2bを有するものに限定されるものではない。貫入杭1は、杭本体部2の大部分が貫入方向へ向けて漸次縮径しており、一定軸部2bが省略されていてもよい。
また、図1には、杭先端部2aの外周面および一定軸部2bの外周面に沿って螺旋状に形成された螺旋部3が図示されていたが、本実施形態に係る貫入杭1は、このような形態
に限定されるものではない。螺旋部3は、杭先端部2aの外周面の全部または一部にのみ形成され、一定軸部2bの外周面については省略されていてもよい。
図2は本実施形態の変形例に係る貫入杭を示した図である。本実施形態の変形例では、螺旋部3は、杭本体部2の上端側から下端側まで、杭本体部2の外周面から螺旋面3aの外縁までの長さ(張出し幅)が一定になっている(図2において符号3M’で示す範囲を参照)。また、杭本体部2の下端部分については、螺旋部3が地盤の中に入りやすいよう、杭本体部2の外周面から螺旋面3aの外縁までの長さ(張出し幅)が、貫入方向へ向かうに従って漸次小さくなっている(図2において符号3S’で示す範囲を参照)。螺旋部3の各部のうち、杭本体部2の上端側から下端側まで、杭本体部2の外周面から螺旋面3aの外縁までの長さ(張出し幅)が一定になっている部分を、以下、主螺旋部3M’と呼ぶことにする。また、螺旋部3の各部のうち、貫入方向へ向かうに従って杭本体部2の外周面から螺旋面3aの外縁までの長さ(張出し幅)が漸次小さくなっている部分を、以下、先端螺旋部3S’と呼ぶことにする。
本実施形態の変形例に係る貫入杭1は、打撃やバイブロ、押圧工法等の各種工法で杭頭4を打撃または押圧することにより、地盤に貫入することができる。貫入杭1がほとんど埋まっていない貫入初期においては、貫入方向へ向かうに従って螺旋面3aの外縁までの長さ(張出し幅)が漸次小さくなっている先端螺旋部3S’が徐々に地盤へ埋まることにより、貫入杭1の杭頭4を打撃または押圧した際の地盤からの反力を受けた螺旋部3が杭本体部2を回転させる回転力を徐々に発揮し始める。そして、先端螺旋部3S’が地盤に埋まった後は、主螺旋部3M’が地盤に埋まり始める。先端螺旋部3S’および主螺旋部3M’が地盤からの反力を受けることにより、杭本体部2を回転させる回転力が十分に得られるため、地盤に埋まることにより杭本体部2を十分に回転させることができる。本実施形態の変形例によれば、杭本体部2の外周面から螺旋部3aの外縁までの長さ(張出し幅)が一定となっているため、螺旋部3aの破損等を抑制することができる。
<実験結果>
本実施形態に係る貫入杭1の効果を実験で検証したので、その結果を以下に示す。
図3は、本実験で用いた比較例に係る貫入杭を示した図である。比較例に係る貫入杭101は、実施形態に係る貫入杭1と同様、杭本体部102と螺旋部103とを備えている。しかし、比較例に係る貫入杭101の杭本体部102は、貫入方向に向けて漸次縮径する先細りの杭先端部を有しておらず、杭頭104から貫入方向へ向けて一定の外径を有する円筒状または円柱状の一定軸部102bで形成された部材である。したがって、杭本体部102の外周面を取り巻くように螺旋状に形成されている螺旋部103も、杭本体部102の外周面から螺旋面103aの外縁までの長さが杭頭104から貫入杭101の先端まで一定になっている。
図4は、実施例と比較例のそれぞれについて、1回転あたりの貫入量と深度との関係を示したグラフである。実施例と比較例ともに螺旋部3,103のピッチを30mmとし、地盤条件も同一として貫入試験を行った。
図4のグラフを見ると明らかなように、実施例に係る貫入杭1は、貫入開始初期の深度が浅い段階(深度約70mm)から貫入終了に至るまで、1回転あたりの貫入量が螺旋部3のピッチと同じ30mmで概ね一定である。これに対し、比較例に係る貫入杭101は、貫入開始初期は1回転あたりの貫入量が極めて大きく、貫入終了に近づくにつれて1回転あたりの貫入量が減少していく。実施例に係る貫入杭1と比較例に係る貫入杭101の何れも、螺旋部3,103のピッチは30mmで一定なので、理想的な貫入状態は、杭の貫入深度と回転量が螺旋部3,103のピッチに則している状態である。しかし、比較例
に係る貫入杭101は、1回転あたりの貫入量が一定でない。よって、比較例に係る貫入杭101では、貫入中に周辺地盤を掻き崩していると考えられるため、地盤からの支持力を十分に得られていないと推察される。
図5は、本実施形態に係る貫入杭の螺旋部3のピッチの異なる幾つかの実施例について、1回転あたりの貫入量と深度との関係の実験結果を示したグラフである。図5(A)のグラフは、主螺旋部3Mの外径をDとした場合の螺旋部3のピッチを、Dの1.1倍にした場合の実験結果である。また、図5(B)のグラフは、螺旋部3のピッチをDの1.25倍にした場合の実験結果である。また、図5(C)のグラフは、螺旋部3のピッチをDの1.3倍にした場合の実験結果である。また、図5(D)のグラフは、螺旋部3のピッチをDの1.4倍にした場合の実験結果である。図5の(A)から(B)までのグラフを見比べると判るように、螺旋部3のピッチがDの1.1倍あるいは1.25倍の場合には、貫入開始初期の深度が浅い段階(深度約70mm)から貫入終了に至るまでの1回転あたりの貫入量が、ピッチの30mmに比べてばらついている。一方、図5の(C)から(D)までのグラフを見比べると判るように、螺旋部3のピッチがDの1.3倍あるいは1.4倍の場合には、貫入開始初期の深度が浅い段階(深度約70mm)から貫入終了に至るまでの1回転あたりの貫入量が、ピッチの30mmに概ね沿っている。よって、この実験結果より、螺旋部3は、螺旋部3の直径の最大値の1.3倍以上のピッチで形成されていれば、貫入開始初期から貫入終了に至るまでの1回転あたりの貫入量を、ピッチに概ね沿った大きさにできることが判る。
1,101・・貫入杭
2,102・・杭本体部
2a・・杭先端部
2b,102b・・一定軸部
4,104・・杭頭
3,103・・螺旋部
3M,3M’・・主螺旋部
3S,3S’・・先端螺旋部
3a、103a・・螺旋面

Claims (8)

  1. 構造物の基礎として用いられる杭であって、
    貫入方向に向けて漸次縮径する先細りの杭先端部を有する棒状の杭本体部と、
    前記杭本体部の外周面のうち少なくとも前記杭先端部の一部または全部の外周面に沿って螺旋状に形成され、前記杭本体部が地盤に貫入する際の前記地盤からの反力を受けると前記反力を前記杭本体部の回転力に変換する螺旋面を有する螺旋部と、を備え、
    前記杭の杭頭を貫入方向へ打撃または押圧すると自律的に回転しながら地盤に貫入することを特徴とする
    貫入杭。
  2. 前記杭本体部は、軸径が一定の一定軸部を更に有しており、
    前記螺旋部は、前記杭先端部の一部または全部の外周面、または前記杭先端部の全部の外周面および前記一定軸部の一部または全部の外周面に沿って螺旋状に形成されている、
    請求項1に記載の貫入杭。
  3. 前記螺旋部は、前記杭本体部の中心軸に沿って同一のピッチで螺旋状に形成されている、
    請求項1または2に記載の貫入杭。
  4. 前記杭先端部は、前記杭先端部の外周面が前記杭本体部の中心軸に対し10度以下の傾斜角となるように前記貫入方向に向けて漸次縮径している、
    請求項1から3の何れか一項に記載の貫入杭。
  5. 前記螺旋部は、前記螺旋部の直径の最大値の1.3倍以上のピッチで形成されている、
    請求項1から4の何れか一項に記載の貫入杭。
  6. 前記螺旋部は、前記杭先端部の外周面において少なくとも2巻以上形成されている、
    請求項1から5の何れか一項に記載の貫入杭。
  7. 前記貫入杭は、地盤に貫入された状態において、前記杭頭が少なくとも前記杭本体部の中心軸を中心に回転不能な状態で前記構造物に連結される、
    請求項1から6の何れか一項に記載の貫入杭。
  8. 請求項1から7の何れか一項に記載の貫入杭の前記杭頭を前記貫入杭の貫入方向へ打撃または押圧しながら前記貫入杭を地盤に貫入する、
    貫入杭の貫入方法。
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