JP2020193431A - ブレース材 - Google Patents

ブレース材 Download PDF

Info

Publication number
JP2020193431A
JP2020193431A JP2019097580A JP2019097580A JP2020193431A JP 2020193431 A JP2020193431 A JP 2020193431A JP 2019097580 A JP2019097580 A JP 2019097580A JP 2019097580 A JP2019097580 A JP 2019097580A JP 2020193431 A JP2020193431 A JP 2020193431A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel pipe
core material
pipe core
brace
welded
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019097580A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7116008B2 (ja
Inventor
智裕 木下
Tomohiro Kinoshita
智裕 木下
光寿 吉永
Mitsutoshi Yoshinaga
光寿 吉永
和明 宮川
Kazuaki Miyagawa
和明 宮川
涼太 戸張
Ryota Tobari
涼太 戸張
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
JFE Civil Engineering and Construction Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
JFE Civil Engineering and Construction Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp, JFE Civil Engineering and Construction Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2019097580A priority Critical patent/JP7116008B2/ja
Priority to PCT/JP2020/019824 priority patent/WO2020241385A1/ja
Priority to KR1020217037666A priority patent/KR102649590B1/ko
Priority to TW109117044A priority patent/TWI764156B/zh
Publication of JP2020193431A publication Critical patent/JP2020193431A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7116008B2 publication Critical patent/JP7116008B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E04BUILDING
    • E04HBUILDINGS OR LIKE STRUCTURES FOR PARTICULAR PURPOSES; SWIMMING OR SPLASH BATHS OR POOLS; MASTS; FENCING; TENTS OR CANOPIES, IN GENERAL
    • E04H9/00Buildings, groups of buildings or shelters adapted to withstand or provide protection against abnormal external influences, e.g. war-like action, earthquake or extreme climate
    • E04H9/02Buildings, groups of buildings or shelters adapted to withstand or provide protection against abnormal external influences, e.g. war-like action, earthquake or extreme climate withstanding earthquake or sinking of ground
    • E04H9/021Bearing, supporting or connecting constructions specially adapted for such buildings
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E04BUILDING
    • E04BGENERAL BUILDING CONSTRUCTIONS; WALLS, e.g. PARTITIONS; ROOFS; FLOORS; CEILINGS; INSULATION OR OTHER PROTECTION OF BUILDINGS
    • E04B1/00Constructions in general; Structures which are not restricted either to walls, e.g. partitions, or floors or ceilings or roofs
    • E04B1/38Connections for building structures in general
    • E04B1/58Connections for building structures in general of bar-shaped building elements
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E04BUILDING
    • E04HBUILDINGS OR LIKE STRUCTURES FOR PARTICULAR PURPOSES; SWIMMING OR SPLASH BATHS OR POOLS; MASTS; FENCING; TENTS OR CANOPIES, IN GENERAL
    • E04H9/00Buildings, groups of buildings or shelters adapted to withstand or provide protection against abnormal external influences, e.g. war-like action, earthquake or extreme climate
    • E04H9/02Buildings, groups of buildings or shelters adapted to withstand or provide protection against abnormal external influences, e.g. war-like action, earthquake or extreme climate withstanding earthquake or sinking of ground

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Architecture (AREA)
  • Business, Economics & Management (AREA)
  • Emergency Management (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Civil Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Abstract

【課題】鋼管芯材の局部座屈又はき裂などの損傷を目視で直接確認することができ、且つ接合部材と芯材との接合部の耐力を簡易な構造で高めることができる、ブレース材を提供する。【解決手段】ブレース材は、鋼管芯材と、座屈拘束材と、十字形断面の接合部材と、を有している。鋼管芯材の両端部には、接合部材の一端が割り込み挿入される複数の第1切り欠き部が軸方向に所定の長さで形成されている。接合部材は、十字の各辺の寸法が鋼管芯材の外径よりも大きくなるように形成されており、第1切り欠き部の内端面まで挿入されて溶接される挿入部と、挿入部の端面から軸方向に向かって延伸され、鋼管芯材の外面に溶接される延伸部と、を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、建築建造物に設置されるブレース材に関するものである。
従来、圧縮軸力作用時に座屈することを防止した座屈拘束ブレースは、種々開発されており、耐震又は制振ブレース材として広く適用されている。ブレース材は、例えば特許文献1に開示された座屈拘束ブレースのように、曲げモーメントを負担する管状の座屈拘束材と、座屈拘束材の内部に設けられ、軸力を負担する芯材と、を有し、芯材の外側から座屈拘束する構成が主流である。座屈拘束材の曲げ耐力、すなわち降伏曲げモーメント又は全塑性曲げモーメントを大きくするためには、座屈拘束材の外径を大きくすることが合理的だからである。
また、一般に、座屈拘束ブレースは、芯材の両端部に、建築構造物の躯体に設けられたガセットプレート等に接合するための接合部材が設けられている。例えば特許文献1に開示された座屈拘束ブレースの接合部材は、芯材の両端部に溶接接合された接合管と、一端が接合管に溶接接合され、他端が躯体に設けられたガセットプレートに接合される十字プレートと、で構成されている。この十字プレートは、接合管との接合箇所の耐力を高めるために、接合管を嵌め込んで溶接接合するための凹部が形成されている。
特開2008−223415号公報
特許文献1に開示された座屈拘束ブレースでは、芯材が座屈拘束材に覆われているので、地震等の被災後に芯材の局部座屈又はき裂などの損傷を目視で直接確認し難く、継続利用が可能であるかの判断がすぐにはできないという課題があった。また、この座屈拘束ブレースは、接合部材が、芯材の両端部に溶接接合された接合管と、接合管に溶接接合された十字プレートと、で構成されているので、部材点数が多くなり、複数個所の溶接作業が必要となるので、製造に手間とコストが掛るおそれがある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、鋼管芯材の局部座屈又はき裂などの損傷を目視で直接確認することができ、且つ接合部材と鋼管芯材との接合部分の耐力を簡易な構造で高めることができる、ブレース材を提供することを目的とする。
本発明に係るブレース材は、軸力を負担する鋼管芯材と、前記鋼管芯材の管内に挿入された座屈拘束材と、一端が前記鋼管芯材の端部に溶接され、他端が建築構造物の躯体に接合される十字形断面の接合部材と、を有し、前記鋼管芯材の両端部には、前記接合部材の一端が割り込み挿入される複数の第1切り欠き部が軸方向に所定の長さで形成されており、前記接合部材は、十字の各辺の寸法が前記鋼管芯材の外径よりも大きくなるように形成されており、前記第1切り欠き部の内端面まで挿入されて溶接される挿入部と、前記挿入部の端面から軸方向に向かって延伸され、前記鋼管芯材の外面に溶接される延伸部と、を有していることを特徴とする。
本発明によれば、鋼管芯材と、鋼管芯材の管内に挿入された座屈拘束材と、十字形断面の接合部材と、を有する構成なので、地震等の被災後に鋼管芯材の局部座屈又はき裂などの損傷を、作業者が外部から目視で直接確認することができる。また、部材点数が少なくて済むので簡易な構造となり、製造の手間とコストを軽減することができる。また、接合部材は、挿入部の端面から軸方向に向かって延伸され、鋼管芯材の外面に溶接される延伸部を有している。そのため、挿入部の端面と第1切り欠き部の内端面との間にスリットによる断面欠損が生じても、延伸部における溶接箇所の先端部と断面欠損部分と間に物理的に距離を設けることができる。よって、地震等が生じて延伸部の溶接部分に延性き裂が生じても、き裂が断面欠損部分に直線的に繋がることがなく、早期の脆性破断を抑制することができるので、接合部材と鋼管芯材との接合部分の耐力と変形性能を高めることができる。
本発明の実施の形態1に係るブレース材を示した正面図である。 図1に示したA−A線矢視断面図である。 図1に示したB−B線矢視断面図である。 図1に示したC−C線矢視断面図である。 本発明の実施の形態1に係るブレース材であって、接合部材と鋼管芯材とを組み合わせる前の段階を示した斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るブレース材であって、接合部材と鋼管芯材とを組み合わせた状態を示した斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るブレース材であって、鋼管芯材と座屈拘束材を角形鋼管で構成した場合の断面図である。 本発明の実施の形態1に係るブレース材であって、接合部材に延伸部を設けていない構成と、接合部材に延伸部を設けた構成とを比較して示した説明図である。 接合部材に延伸部を設けていない試験体の裁荷軸力−軸歪関係と、接合部材に延伸部を設けた試験体の裁荷軸力−軸歪関係と、を比較して示したグラフである。 本発明の実施の形態2に係るブレース材を示した正面図である。 図10に示したD−D線矢視断面図である。 本発明の実施の形態2に係るブレース材であって、接合部材と鋼管芯材とを組み合わせる前の段階を示した斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略または簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
実施の形態1.
先ず、実施の形態1に係るブレース材100を図1〜図9に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係るブレース材を示した正面図である。図2は、図1に示したA−A線矢視断面図である。図3は、図1に示したB−B線矢視断面図である。図4は、図1に示したC−C線矢視断面図である。図5は、本発明の実施の形態1に係るブレース材であって、接合部材と鋼管芯材とを組み合わせる前の段階を示した斜視図である。図6は、本発明の実施の形態1に係るブレース材であって、接合部材と鋼管芯材とを組み合わせた状態を示した斜視図である。図7は、本発明の実施の形態1に係るブレース材であって、鋼管芯材と座屈拘束材を角形鋼管で構成した場合の断面図である。
実施の形態1に係るブレース材100は、建築構造物に設置され、耐震及び制振筋交いとして用いられる座屈拘束ブレースである。このブレース材100は、地震又は風応答に対して圧縮軸力が作用しても座屈することなく耐力を発揮するとともに、塑性変形しても安定したエネルギー吸収能力を発揮するものである。実施の形態1のブレース材100では、図1に示すように、軸力を負担する鋼管芯材1と、鋼管芯材1の管内に挿入されて曲げモーメントを負担する座屈拘束材2と、一端が鋼管芯材1の端部に溶接され、他端が建築構造物の躯体に接合される十字形断面の接合部材3と、を有している。
鋼管芯材1は、図2〜図6に示すように、円形鋼管である。鋼管芯材1の軸方向の両端部には、図5に示すように、接合部材3の一端部が割り込み挿入されるスリット状の第1切り欠き部10が軸方向に所定の長さで形成されている。第1切り欠き部10は、接合部材3の十字形状に適合するように、鋼管芯材1の周方向に沿って等間隔で4か所に形成されている。実施の形態1のブレース材100では、鋼管芯材1を座屈拘束材2の外側に設けているので、地震等の被災後に鋼管芯材1の局部座屈又はき裂などの損傷を、作業者が目視で直接確認することができ、継続利用が可能であるかの判断を素早く行うことができる。
座屈拘束材2は、図2〜図6に示すように、円形鋼管である。座屈拘束材2の外面と鋼管芯材1の内面とは、1箇所から3箇所程度で溶接されており、座屈拘束材2が鋼管芯材1の内部で動かないように固定されている。
なお、鋼管芯材1及び座屈拘束材2は、図7に示した角形鋼管で構成してもよいし、その他の形状でもよい。また、座屈拘束材2は、必ずしも鋼管である必要はなく例えば鋼棒でもよい。
接合部材3は、建築構造物の躯体に設けられたガセットプレート等に高力ボルト接合又は溶接接合されるものである。図1に示すように、接合部材3に複数設けられた貫通孔3aは、ガセットプレート等にボルト接合するためのボルト孔である。接合部材3は、図1〜図6に示すように、十字の各辺の寸法Bjが鋼管芯材1の外径よりも大きくなるように形成されており、第1切り欠き部10の内端面10aまで挿入されて溶接される挿入部30と、挿入部30の端面から軸方向に向かって延伸され、鋼管芯材1の外面に溶接される延伸部31と、を有している。
挿入部30と第1切り欠き部10との溶接は、例えば隅肉溶接又は部分溶け込み溶接である。挿入部30の端面と、該端面と対向する第1切り欠き部10の内端面10aとの間には、例えば施工誤差又は溶接による溶け落ちによって、若干のスリット4(断面欠損)が存在している。なお、第1切り欠き部10の軸方向の長さは、ブレース材100の設計用軸力に対して接合部材3と鋼管芯材1との溶接部分が降伏しないという条件で決定される。つまり、鋼管芯材1の降伏軸力が大きい場合であっても、溶接箇所の溶接長を調整したり、部分溶け込み溶接としたりすることで容易に適切な耐力を確保することが可能である。
延伸部31は、第1切り欠き部10から径方向に突出している各部分における挿入部30の軸方向の端面から該軸方向に向かって延伸させて形成され、鋼管芯材1の外面に溶接されている。各延伸部31と鋼管芯材1の外面との溶接も、例えば隅肉溶接又は部分溶け込み溶接である。
次に、図8に基づいて、接合部材3に延伸部31を設ける理由について説明する。図8は、本発明の実施の形態1に係るブレース材であって、接合部材に延伸部を設けていない構成と、接合部材に延伸部を設けた構成とを比較して示した説明図である。図中の(A)は、接合部材3に延伸部31を設けていない構成を示し、図中の(B)は、接合部材3に延伸部31を設けた構成を示している。図8の(A)に示したように、接合部材3に延伸部31を設けていない構成では、挿入部30の端面と第1切り欠き部10の内端面10aとの間に存在するスリット4(断面欠損)が溶接部分5に位置することになる。更に、溶接部分5は、接合部材3と間で形状が不連続となる箇所であるから、局所的に応力が大きくなりやすい。そのため、地震等が生じて溶接部分5に延性き裂が生じると、断面欠損により耐力が低下して塑性変形が集中し、鋼管芯材1がスリット4から早期に破断するおそれがある。
一方、図8の(B)に示したように、接合部材3に延伸部31を設けた構成では、延伸部31の溶接部分5とスリット4との間に、物理的に距離がある。そのため、地震等が生じて溶接部分5に延性き裂が生じても、直ちに脆性的に鋼管芯材1が破断する危険性が小さい。なお、溶接部分5と接合部材3と間で形状が不連続となり、局所的に応力が大きくなりやすいが、グラインダー処理等によって平滑化することで歪集中を緩和することができる。因みに、鋼管芯材1に低降伏点鋼又はSN490等の建築構造用鋼材を使用している場合には、鋼材の靱性・延性も高い値が確保されているため、脆性的に破断し難い。
実施の形態1のブレース材100では、図1に示すように、延伸部31が位置する範囲に、座屈拘束材2の軸方向の端部が位置するように構成されている。鋼管芯材1は、接合部材3に延伸部31を設けることによって当該部分の断面積が大きくなり、長手方向の中心部と比べて塑性化し難くなる。そのため、延伸部31が位置する範囲に、座屈拘束材2の軸方向の端部を位置させることで、座屈拘束材2の曲げ変形を拘束することができ、結果的に鋼管芯材1の局所的な曲げ変形が生じ難くなる。なお、座屈拘束材2の全長は、軸縮みも考慮した上で、延伸部31が位置する範囲に、軸方向の端部が位置するように構成することが望ましい。
次に、図9に基づいて、実施の形態1に係るブレース材100の効果を実証するための実験結果について述べる。図9は、接合部材に延伸部を設けていない試験体の裁荷軸力−軸歪関係と、接合部材に延伸部を設けた試験体の裁荷軸力−軸歪関係と、を比較して示したグラフである。図中の(A)は、接合部材3に延伸部31を設けていない試験体の裁荷軸力−軸歪関係を示したグラフである。図中の(B)は、接合部材3に延伸部31を設けた試験体の裁荷軸力−軸歪関係を示したグラフである。図中の縦軸は、ブレース材100に作用する軸力Nを鋼管芯材1の降伏軸力Nyで除した値である。軸力Nは、圧縮を正、引張りを負とする。図中の横軸は、材軸方向の伸縮量を鋼管芯材1の長さで除した軸歪である。以下の実証では、鋼管芯材1の外面へ延伸部31を溶接して設けたことによる効果を確認し、鋼管芯材1と接合部材3とがエンドプレートを介して突合せ溶接された既往の二重鋼管形式の座屈拘束ブレースによる実験結果と比較したものである。
本実験では、鋼管芯材1と座屈拘束材2とが共に円形鋼管であり、ブレース材100の材軸方向に圧縮及び引張の荷重を繰り返し与えた。また、いずれの試験体も鋼管芯材1は、断面寸法がφ114.3mm×8.6mm、鋼種がSTKN490Bである。本実験は、軸歪±0.5%で2サイクル(圧縮から引張りの順)、軸歪±1.0%で2サイクル(圧縮から引張りの順)、軸歪±1.5%で2サイクル(圧縮から引張りの順)、・・・と、±0.5%刻みで軸歪を漸増させ、±2.5%で終局に至るまで繰り返した。図9の(A)及び(B)に示す紡錘形のグラフが囲む面積の総和を降伏歪で除した値が累積塑性変形倍率と呼ばれ、ブレース材100のエネルギー吸収能力を表す指標、すなわち耐震性の大小を表す指標となる。つまり、紡錘形のグラフが囲む面積の総和が大きい方が、エネルギー吸収能力が大きいことになる。図9に示すように、ブレース材100は、接合部材3に延伸部31を有することにより、エネルギー吸収能力が向上していることが明確にわかり、本発明の効果が実証されている。
次に、延伸部31の軸方向の長さlについて説明する。延伸部31は、施工誤差又は溶接による溶け落ちを勘案し、軸方向に30mm以上の長さで形成されている。この延伸部31の軸方向の長さlは、以下の根拠に基づいて算出される。
第1切り欠き部10に挿入した挿入部30の溶接部分は、側面隅肉溶接であり、鋼管芯材1の設計軸力Njを接合部材3に伝達する。この側面隅肉溶接の溶接線は8線あり、延伸部31とスリット4(断面欠損)を無視すると、ブレース材100の軸方向に作用する軸力に対するこの溶接部分の降伏耐力(せん断耐力)wsは、式(1)で求められる。
Figure 2020193431
したがって、側面隅肉溶接のせん断降伏防止条件である設計条件は、式(2)で与えられる。
Figure 2020193431
そして、鋼管芯材1の欠損部に相当する部分であるスリットが保持していた軸力は、延伸部31の隅肉溶接のせん断抵抗によって材軸方向に伝達されていると仮定する。このとき、延伸部31の隅肉溶接が降伏しないという条件より、延伸部31の長さlの必要値は、式(3)で表される。
Figure 2020193431
以上のように、実施の形態1に係るブレース材100は、鋼管芯材1と、鋼管芯材1の管内に挿入された座屈拘束材2と、十字形断面の接合部材3と、を有する構成なので、地震等の被災後に鋼管芯材1の局部座屈又はき裂発生等の損傷を、作業者が外部から目視で直接確認することができ、継続利用が可能であるかの判断を素早く行うことができる。また、ブレース材100は、上記構成により、部材点数が少なくて済むので簡易な構造となり、製造の手間とコストを軽減することができる。
また、実施の形態1に係るブレース材100は、十字の各辺の寸法Bjが鋼管芯材1の外径よりも大きくなるように形成されており、第1切り欠き部10の内端面10aまで挿入されて溶接される挿入部30と、挿入部30の端面から軸方向に向かって延伸され、鋼管芯材1の外面に溶接される延伸部31と、を有している。つまり、挿入部30の端面と第1切り欠き部10の内端面10aとの間にスリットによる断面欠損が生じても、延伸部31における溶接箇所の先端部と断面欠損部分との間に物理的に距離を設けることができる。よって、ブレース材100は、地震等が生じて延伸部31の溶接部分に延性き裂が生じても、き裂が断面欠損部分に直線的に繋がることがなく、早期の脆性破断を抑制することができるので、接合部材3と鋼管芯材1との接合部分の耐力と変形性能を高めることができる。
実施の形態2.
次に、図10〜図12に基づいて、本発明の実施の形態2に係るブレース材101を説明する。図10は、本発明の実施の形態2に係るブレース材を示した正面図である。図11は、図10に示したD−D線矢視断面図である。図12は、本発明の実施の形態2に係るブレース材であって、接合部材と鋼管芯材とを組み合わせる前の段階を示した斜視図である。なお、実施の形態1で説明したブレース材100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
実施の形態2のブレース材101は、図10〜図12に示すように、座屈拘束材2の軸方向の両端部に、接合部材3の形状に適合する第2切り欠き部20が所定の長さで形成されている。接合部材3の挿入部30は、第1切り欠き部10と第2切り欠き部20に挿入されている。挿入部30は、座屈拘束材2に溶接されておらず、第2切り欠き部20に単に挿入されているだけである。
第2切り欠き部20は、想定する最大軸縮みが座屈拘束材2に生じても、挿入部30が挿入された状態を維持できる長さに設計されている。なお、第2切り欠き部20は、座屈拘束材2と接合部材3とが軸方向にスムーズに伸縮できるように、接合部材の板厚に対してやや過大に形成することが望ましい。
実施の形態2のブレース材101では、座屈拘束材2の両端部に、挿入部30を挿入させる第2切り欠き部20が形成されているので、座屈拘束材2と鋼管芯材1とを溶接等で固定する必要がなく、製造の手間とコストを軽減できる。また、実施の形態2のブレース材101では、地震等による鋼管芯材1の縮代を考慮して第2切り欠き部20を形成することにより、座屈拘束材2に軸力が伝達されない信頼性の高い構造を実現できる。
以上に本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。ブレース材100及び101は、上述した内容に限定されるものではなく、設置する建築構造物に応じた他の構成要素を含んでもよい。要するに、本発明は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含むものである。
1 鋼管芯材、2 座屈拘束材、3 接合部材、3a 貫通孔、4 スリット、5 溶接部分、10 第1切り欠き部、10a 内端面、20 第2切り欠き部、30 挿入部、31 延伸部、100、101 ブレース材。

Claims (5)

  1. 軸力を負担する鋼管芯材と、
    前記鋼管芯材の管内に挿入された座屈拘束材と、
    一端が前記鋼管芯材の端部に溶接され、他端が建築構造物の躯体に接合される十字形断面の接合部材と、を有し、
    前記鋼管芯材の両端部には、前記接合部材の一端が割り込み挿入される複数の第1切り欠き部が軸方向に所定の長さで形成されており、
    前記接合部材は、十字の各辺の寸法が前記鋼管芯材の外径よりも大きくなるように形成されており、前記第1切り欠き部の内端面まで挿入されて溶接される挿入部と、前記挿入部の端面から軸方向に向かって延伸され、前記鋼管芯材の外面に溶接される延伸部と、を有していることを特徴とする、ブレース材。
  2. 前記延伸部は、軸方向に30mm以上の長さで形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のブレース材。
  3. 前記鋼管芯材及び前記座屈拘束材は、角形鋼管又は円形鋼管であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のブレース材。
  4. 前記延伸部が位置する範囲に、前記座屈拘束材の軸方向の端部が位置するように構成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のブレース材。
  5. 前記座屈拘束材の両端部には、前記接合部材の十字形状に適合する第2切り欠き部が所定の長さで形成されており、
    前記接合部材の前記挿入部は、前記第1切り欠き部と前記第2切り欠き部に挿入されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のブレース材。
JP2019097580A 2019-05-24 2019-05-24 ブレース材 Active JP7116008B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019097580A JP7116008B2 (ja) 2019-05-24 2019-05-24 ブレース材
PCT/JP2020/019824 WO2020241385A1 (ja) 2019-05-24 2020-05-19 ブレース材
KR1020217037666A KR102649590B1 (ko) 2019-05-24 2020-05-19 브레이스재
TW109117044A TWI764156B (zh) 2019-05-24 2020-05-22 撐桿材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019097580A JP7116008B2 (ja) 2019-05-24 2019-05-24 ブレース材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020193431A true JP2020193431A (ja) 2020-12-03
JP7116008B2 JP7116008B2 (ja) 2022-08-09

Family

ID=73545816

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019097580A Active JP7116008B2 (ja) 2019-05-24 2019-05-24 ブレース材

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP7116008B2 (ja)
KR (1) KR102649590B1 (ja)
TW (1) TWI764156B (ja)
WO (1) WO2020241385A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7495252B2 (ja) 2020-03-16 2024-06-04 大和ハウス工業株式会社 座屈拘束ブレース

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09122906A (ja) * 1995-10-30 1997-05-13 Sakurada:Kk スリットに継手金具を挿込み溶着する継手強度を増加させる補強方法
JP2007186893A (ja) * 2006-01-13 2007-07-26 Jfe Steel Kk 二重鋼管型ブレース部材
JP2016182641A (ja) * 2015-03-25 2016-10-20 日立造船株式会社 鋼管接合体の製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3334526B2 (ja) * 1995-12-11 2002-10-15 日本鋼管株式会社 ブレース材およびブレース材の建築物への取り付け構造
JP6546427B2 (ja) * 2015-03-30 2019-07-17 株式会社熊谷組 ブレース

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09122906A (ja) * 1995-10-30 1997-05-13 Sakurada:Kk スリットに継手金具を挿込み溶着する継手強度を増加させる補強方法
JP2007186893A (ja) * 2006-01-13 2007-07-26 Jfe Steel Kk 二重鋼管型ブレース部材
JP2016182641A (ja) * 2015-03-25 2016-10-20 日立造船株式会社 鋼管接合体の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7495252B2 (ja) 2020-03-16 2024-06-04 大和ハウス工業株式会社 座屈拘束ブレース

Also Published As

Publication number Publication date
JP7116008B2 (ja) 2022-08-09
KR20210151970A (ko) 2021-12-14
TW202100848A (zh) 2021-01-01
WO2020241385A1 (ja) 2020-12-03
KR102649590B1 (ko) 2024-03-19
TWI764156B (zh) 2022-05-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI504800B (zh) 補強構件
WO2017037833A1 (ja) 座屈拘束ブレース及び座屈拘束ブレースの製造方法
Zhao et al. Hysteretic behaviour of overlapped tubular k-joints under cyclic loading
WO2020241385A1 (ja) ブレース材
Davaran et al. Experimental behavior of low-ductility brace connection limit states
JP5579582B2 (ja) 座屈補剛ブレースの接合方法及び座屈補剛ブレース
TWI651453B (zh) 柱梁接合構造及鋼骨鋼筋混凝土柱
JP6681277B2 (ja) 柱梁接合構造の接合部耐力評価方法、柱梁接合構造の設計方法、及び柱梁接合構造
TW201116688A (en) Seismic-resistant steel framed structure and design method thereof
Zhao et al. Experimental study on overlapped CHS K-joints with hidden seam unwelded
Becque et al. Experimental investigation of the static capacity of grade C450 RHS T and X truss joints
JP2005207016A (ja) 座屈拘束筋かい部材
JP2014173223A (ja) 補強構造
Cho et al. Ultimate strength and shear-lag effect of aluminum alloy (6063-T5) bolted angle connections
Egloff et al. Finite element analysis of ductile fuses for W-shape steel bracing members
JP5648569B2 (ja) Cft柱用鋼管の設計方法
JP6250461B2 (ja) ダンパーブレース
Volynkin-Ewens et al. Experimental testing and design of high performance shear links for eccentrically braced frames
WO2018012495A1 (ja) 柱梁接合構造
JP2020094478A (ja) 既存構造物の耐震改修方法
JP2017203378A (ja) 鉄筋コンクリート壁柱の補強構造、及び鉄筋コンクリート梁部材の補強構造
Packer HSS Truss Connections with Three Branches
JP5012039B2 (ja) 開口を有するコンクリート梁の補強構造、開口を有するコンクリート梁の製造方法、梁構造、開口を有するコンクリート梁の開口補強用鋼管
Kitlpornchai et al. Welded-Tee End Connections for Circular Hollow Tubes
JP3752616B2 (ja) ダイヤフラム付き冷間成形角形鋼管

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220325

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220719

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220728

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7116008

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150