JP2020193374A - 耐サワーラインパイプ用溶接鋼管及びその製造方法 - Google Patents
耐サワーラインパイプ用溶接鋼管及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020193374A JP2020193374A JP2019100484A JP2019100484A JP2020193374A JP 2020193374 A JP2020193374 A JP 2020193374A JP 2019100484 A JP2019100484 A JP 2019100484A JP 2019100484 A JP2019100484 A JP 2019100484A JP 2020193374 A JP2020193374 A JP 2020193374A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- formula
- represented
- temperature
- pipe
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
Description
[1]質量%で、C:0.03〜0.06%、Si:0.5%以下、Mn:0.8〜1.6%、P:0.008%以下、S:0.0015%以下、Al:0.08%以下、Mo:0.05〜0.50%、Nb:0.005〜0.050%、Ti:0.005〜0.020%、Ca:0.0010〜0.0040%、N:0.008%以下、及びO:0.0030%以下を含有し、式(1)で示されるCeqが0.32以上であり、式(2)で示されるPHICTが1.05以下であり、式(3)で示されるACRMが1.0以上であり、Ca/Oが2.5以下であり、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有し、
式(4)で示されるAr3Oが780以下であり、
管厚方向で、内表面から深さ2mmの位置から外表面から深さ2mmの位置までのミクロ組織が、面積分率で95%以上のベイナイトと、面積分率で1%以下の島状マルテンサイトを含み、
中心偏析部を除く箇所のビッカース硬さHV10が230以下であり、
中心偏析部のビッカース硬さHV0.05が250以下であり、
X線回析により得られる管厚中心位置での圧延面の(211)面の集積度が1.5以上であり、
引張強さが535MPa以上である
ことを特徴とする耐サワーラインパイプ用溶接鋼管。
前記スラブを、式(5)を満足する温度Tに再加熱する工程と、
その後、前記スラブを、未再結晶温度域での全圧下率が50〜90%、及び式(4)で示されるAr3Oを用いて、最終圧延温度が(Ar3O+50)℃以下の条件で熱間圧延して、厚鋼板を得る工程と、
前記厚鋼板を、冷却開始温度:鋼板表面温度でAr3O℃以上、冷却停止温度:鋼板表面温度で200〜500℃、板厚方向で表面から深さ1mmの位置から深さ3/16tの位置までの領域の700℃から600℃までの平均冷却速度:150℃/s以下、及び板厚中心における700℃から600℃までの平均冷却速度:20℃/s以上の条件で制御冷却する工程と、
その後、前記厚鋼板を、表層部温度:400〜720℃、及び板厚中心温度:350〜550℃の条件で再加熱する工程と、
その後、前記厚鋼板を筒状に冷間加工し、その突合せ部を溶接して、溶接鋼管を得る工程と、
を有し、
前記溶接鋼管のAr3Oが780以下であることを特徴とする耐サワーラインパイプ用溶接鋼管の製造方法。
式(1)
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5
式(2)
PHICT=(4.46C+0.395Mn+0.116Cu+0.113Ni+0.236Cr+0.390Mo+0.348V+22.36P)[{7396.2(C+0.0023Si+0.0344Mn−0.2652P+2.5275S−0.0616Al+0.02Cu+0.06Ni+0.02Cr−0.02Mo−0.04Nb−0.04V+0.021Si・Mn−1.525Mn・S)−8.9423}/700]2
式(3)
ACRM={Ca−(1.23O−0.000365)}/(1.25S)
式(4)
Ar3O=910−310C−80Mn−20Cu−55Ni−15Cr−80Mo+0.35(t−8)
式(5)
6780/(2.26−log(Nb(C+12N/14)))−293≦T≦6780/(2.26−log(Nb(C+12N/14)))−223
ここで、上記式(4)中のtは管厚又は板厚(mm)であり、上記式(1)〜(5)及び上記Ca/O中の元素記号は、前記成分組成における各元素の含有量(質量%)を表し、該元素が含有されていない場合には0とする。
以下、本発明の耐サワーラインパイプ用の厚鋼板及び溶接鋼管について説明する。なお、溶接鋼管は溶接部とそれ以外の鋼管母材とを有するところ、以下の説明では、特に断らない限り、溶接部ではなく鋼管母材を対象とする。
まず、本発明の厚鋼板及び溶接鋼管の成分組成とその限定理由について説明する。なお、成分組成における元素の含有量の単位はいずれも「質量%」であるが、以下、特に断らない限り単に「%」で示す。
Cは、中心偏析部に濃化する元素であり、さらに中心偏析部での他の元素の偏析を助長する元素であるため、耐HIC性能確保の観点からは低減した方がよい。この観点から、C量は0.06%以下とし、好ましくは0.05%以下とする。一方で、Cは、安価かつ高強度化に非常に寄与する元素であるため、強度を確保する観点からは添加することが望ましい。よって、所定の強度を得る観点から、C量は0.03%以上とする。
Siは、脱酸に用いる元素であり、介在物を低減するためにはある程度の含有は避けられない。また、高強度化に寄与する元素であり、耐HIC性能に対してそれほど大きな影響はないため、Si量は0.05%以上とすることが好ましい。一方で、Si量が0.5%を超えると、溶接熱影響部(Heat Affected Zone;HAZともいう)の靭性が著しく劣化し、溶接性も劣化する。このため、Si量は0.5%以下とし、好ましくは0.4%以下とする。
Mnは、中心偏析部に顕著に濃化するため、耐HIC性能確保の観点からは低減する方が望ましい。Mn量が1.6%を超えると、他の合金元素の調整を行なっても中心偏析部の硬さが高くなり、耐HIC性能が確保できない。よって、Mn量は1.6%以下とし、好ましくは1.5%以下とする。一方で、Mnは、安価でかつ高強度化に非常に寄与する元素であり、なおかつ、冷却中のフェライトの生成を抑制する元素である。これらの効果が得る観点から、Mn量は0.8%以上とし、好ましくは1.0%以上とする。
Pは、中心偏析部に顕著に濃化する元素であり、中心偏析部の硬さを著しく増加させることで耐HIC性能を劣化させる。このため、P量は0.008%以下とし、好ましくは0.006%以下とする。ただし、製鋼コストの観点から、P量は0.001%以上とすることが好ましい。
Sは、中心偏析部に顕著に濃化する元素であり、中心偏析部でMnSを形成し、耐HIC性能を顕著に劣化させる。このため、S量は0.0015%以下とし、好ましくは0.0008%以下とする。ただし、製鋼コストの観点から、S量は0.0001%以上とすることが好ましい。
Alは脱酸により介在物を低減するために必須の元素である。よって、Al量は0.01%以上とすることが好ましい。一方で、Al量が0.08%を超えると、HAZ靭性の劣化、溶接性の低下、さらには連続鋳造時の浸漬ノズルのアルミナ詰りなどの問題が生じる。このため、Al量は0.08%以下とし、好ましくは0.05%以下とする。
Moは、高強度化に寄与する元素であり、中心偏析部への濃化も少ない元素である。厚肉の耐サワー材において、強度、耐HIC性能及びDWTT性能を全て得るために添加は必須である。よって、Mo量は0.05%以上とし、好ましくは0.10%以上とする。一方で、Mo量が0.50%を超えると、溶接性及びHAZ靭性の劣化を招く。よって、Mo量は0.50%以下とし、好ましくは0.35%以下とする。
Nbは、固溶Nbとして存在すると制御圧延時の未再結晶温度域を拡大し、靭性確保に寄与する。その効果を得るため、Nb量は0.005%以上とし、好ましくは0.010%以上とする。一方で、Nbは中心偏析部に濃化し、凝固時に粗大なNbCN又はNbTiCNを晶出し、これがHICの起点となって耐HIC性能を劣化させる。このため、Nb量は、0.050%以下とし、好ましくは0.040%以下とする。
Tiは、TiNとして溶接熱影響部の組織を微細化するため、高強度ラインパイプ用途の溶接部性能を確保するためには、添加が必須の元素となる。Ti量0.005%未満ではTiNが十分に生成しないため、Ti量は0.005%以上とする。また、Ti量が0.020%を超えると、生成したTiNが粗大化して、溶接熱影響部の十分な靭性が得られないため、Ti量は0.020%以下とする。
Caは、中心偏析部に生成するMnSを抑制し、耐HIC性能を向上させる。その効果を得るためには、Ca量は0.0010%以上とする。一方で、Caを過剰に添加すると、表層近傍や介在物集積帯でCaクラスタが生成し、耐HIC性能を劣化させるため、Ca量は0.0040%以下とする。
Nは、不純物元素であるが、N量が0.008%以下であれば、靭性や耐HIC性能を劣化させない。よって、N量は0.008%以下とする。ただし、HAZ靭性確保のため、N量は0.002%以上とすることが好ましい。
Oは、不純物元素であり、Al2O3やCaOSの生成量が増えることによって、表層や介在物集積帯での耐HIC性能を劣化させる。よって、O量は0.0030%以下とし、好ましくは0.0020%以下とする。ただし、製鋼コストの観点から、O量は0.0001%以上とすることが好ましい。
Cuは、高強度化に寄与する元素であるが、中心偏析部に濃化する元素でもあるので過度な添加は控えるべきである。また、Cu量が0.50%を超えると、溶接性及びHAZ靭性の劣化を招くため、Cuを添加する場合、Cu量は0.50%以下とする。
Niは、高強度化に寄与する元素であるが、中心偏析部に濃化する元素でもあるので過度な添加は控えるべきである。また、Ni量が1.00%を超えると、溶接性の劣化を招き、またNiは高価な元素であるため、Niを添加する場合、Ni量は1.00%以下とする。
Crは、高強度化に寄与する元素であるが、中心偏析部に濃化する元素でもあるので過度な添加は控えるべきである。また、Cr量が0.50%を超えると、溶接性及びHAZ靭性の劣化を招くため、Crを添加する場合、Cr量は0.50%以下とする。
Vは、高強度化に寄与する元素であるが、中心偏析部に濃化する元素でもあるので過度な添加は控えるべきである。また、V量が0.060%を超えると、溶接性およびHAZ靭性の劣化を招くため、Vを添加する場合、V量は0.060%以下とする。
上記式(1)で示されるCeqは、強度を確保するために必要な合金元素量を表す指標である。所望の強度を確保する観点から、Ceqは0.32以上とする。Ceqの上限は特に限定しないが、溶接性の観点からCeqは0.40以下とすることが好ましい。
上記式(2)で示されるPHICTは、中心偏析部の硬さを定量化するために本発明者らが創出したパラメータである。中心偏析部の硬さを定量化する式は、過去に様々提案されているが、いずれも成分の硬度に及ぼす影響と成分の偏析部での濃化度に基づいて定式化されている。一方で、PHICTは、これまでに考慮されていなかった形成される偏析粒の大きさに及ぼす成分の影響を考慮しており、従来の式よりもより高精度に中心偏析の硬さが予測可能となった。この値が大きいほど中心偏析部の硬さが高くなり、管厚中心でのHIC発生を助長する。このPHICTが1.05以下であれば、中心偏析部の硬さHV0.05を250以下にでき、耐HIC性能を確保できるため、本発明ではPHICTを1.05以下とし、好ましくは1.02以下とする。PHICTの下限は特に限定しないが、強度確保のため、PHICTは0.50以上とすることが好ましい。
上記式(3)で示されるACRMは、CaによるMnSの形態制御を定量化するための指標である。ACRMが1.0以上であれば、中心偏析部でのMnSの生成が抑制されて、管厚中心での耐HIC性能が改善される。よって、ACRMは1.0以上とする。一方、ACRMが4.0を超えると、CaOクラスタが生成しやすくなり、HICが発生しやすくなるため、ACRMは4.0以下とする。
Ca/Oは、CaによるCaクラスタ発生限界を定量化するための指標である。Ca/Oが2.5を超えるとCaクラスタが生成しやすくなり、表層近傍や介在物集積帯での耐HIC性能が劣化する。よって、Ca/Oは2.5以下とし、好ましくは2.3以下とする。Ca/Oの下限は特に限定しないが、耐HIC性能の確保のため、Ca/Oは0.5以上とすることが好ましい。
上記式(4)で示されるAr3Oは、鋼材のAr3点に及ぼす成分の影響を数式化したものであり、計算された数値がその鋼材の推定Ar3点(℃)を示す。鋼材のAr3点が低いほど、同じ圧延条件で圧延したときの厚鋼板の靭性が向上し、780以下にすることで所望のDWTT性能が得られるため、Ar3Oは780以下にする。Ar3Oは、好ましくは770以下であり、より好ましくは760以下である。Ar3Oの下限は特に限定しないが、耐HIC性能確保のため、Ar3Oは730以上とすることが好ましい。
ベイナイトの面積分率:95%以上
本発明の厚鋼板及び溶接鋼管のミクロ組織は、耐HIC性能確保の観点から、単相組織にすることが望ましく、所望の強度を得るためには、ベイナイト単相にする必要がある。ベイナイトの面積分率は100%とすることが望ましいが、フェライト、セメンタイト、及びMAの1種以上からなるその他の組織が面積分率で5%以下含まれていても、耐HIC性能は確保される。よって、ベイナイトの面積分率は95%以上とする。なお、ベイナイトラス内に含まれるセメンタイトはベイナイトの一部とみなす。
MAは、鋼材のバウシンガー効果を大きくして、圧縮強度を低下させる。高圧縮強度を得る観点から、MAの面積分率は0%以上1%以下とし、好ましくは0.5%以下とする。
中心偏析部を除く箇所のビッカース硬さHV10:230以下(溶接鋼管)
厚肉高強度ラインパイプでは、表層近傍のHICが問題となるため、表層近傍など中心偏析部を除く箇所の硬さは低い方が望ましい。Caクラスタの発生を抑制した前提においては、中心偏析部を除く箇所のビッカース硬さを230以下にすることで、耐HIC性能が確保可能である。よって、本発明の溶接鋼管において、中心偏析部を除く箇所のビッカース硬さHV10は230以下とし、好ましくは220以下とする。中心偏析部を除く箇所のビッカース硬さHV10の下限は特に限定されないが、本発明では、当該硬さは概ね180以上となる。なお、本発明において「鋼管の中心偏析部以外の硬さ」は、荷重10kgのビッカース硬さ試験機により、圧延方向に直角な断面を、内表面から深さ1mmの位置から外表面から深さ1mmの位置にかけて厚さ方向に1mmピッチ(ただし、管厚中央の中心偏析部は除く)で測定し、その最大値を用いる。
厚肉高強度ラインパイプでは、表層近傍のHICが問題となるため、表層近傍など中心偏析部を除く箇所の硬さは低い方が望ましい。厚鋼板を溶接鋼管にするために冷間で曲げると、曲げの付加に伴って鋼管表面近傍の硬さが20程度増加する。よって、ラインパイプ用厚鋼板ではそれを見越した硬さに制御する必要がある。Caクラスタの発生を抑制した前提においては、厚鋼板の中心偏析部を除く箇所の硬さを210以下にすることで、造管後の耐HIC性能が確保可能である。よって、本発明の厚鋼板において、中心偏析部を除く箇所のビッカース硬さHV10は210以下とし、好ましくは200以下とする。中心偏析部を除く箇所のビッカース硬さHV10の下限は特に限定されないが、本発明では、当該硬さは概ね150以上となる。本発明において「厚鋼板の中心偏析部以外の硬さ」は、前段落に記載の方法に準じて測定する。
中心偏析部の硬さが上昇すると、耐HIC性能が劣化する。MnSの生成をCaで抑制し、NbやTiを本発明の範囲まで抑制した鋼であれば、中心偏析部のビッカース硬さを250以下にすることで、耐HIC性能が確保できる。よって、本発明の溶接鋼管及び厚鋼板において、中心偏析部のビッカース硬さHV0.05は250以下とする。中心偏析部のビッカース硬さHV0.05の下限は特に限定されないが、本発明では、当該硬さは概ね200以上となる。なお、本発明において「中心偏析部の硬さ」は、荷重50gの微小ビッカース硬さ試験機により中心偏析部の硬さを20点測定し、その最大値を用いる。
ラインパイプで要求されるDWTT性能などの母材靭性は、鋼材のミクロ組織や集合組織の影響を受ける。本発明者らは、オーステナイトからベイナイトに変態する際に発達する、管厚中心位置又は板厚中心位置での圧延面の(211)面の集積度と母材靭性との間に良好な相関があることを見出した。上記集積度が1.5以上になると、母材靭性が良好になる。よって、上記集積度は1.5以上とし、好ましくは1.7以上とする。上記集積度の上限は特に限定されないが、本発明では、概ね3.0以下となる。
本発明の厚鋼板及び溶接鋼管は、API 5LのX65MSの範囲である、535MPa以上760MPa以下の引張強さを有する。
表層下での耐HIC性能及びDWTT性能の両立が問題となるのは、厚肉材の場合である。板厚及び管厚は、本発明では特に規定しないが、好ましくは28.6mm以上とし、より好ましくは30mm以上とする。
本発明の厚鋼板の製造方法は、上記成分組成を有するスラブを連続鋳造にて製造する工程と、前記スラブを所定の温度に再加熱する工程と、その後、前記スラブを、所定条件下で熱間圧延して、厚鋼板を得る工程と、前記厚鋼板を所定条件下で制御冷却する工程と、その後前記厚鋼板を所定条件下で再加熱する工程と、を有する。そして、本発明の溶接鋼管の製造方法は、前記制御冷却の後に、前記厚鋼板を筒状に冷間加工し、その突合せ部を溶接して、溶接鋼管を得る工程を有する。以下、各工程について説明する。
スラブ再加熱温度T:式(5)を満たすものとする。
式(5) X−293≦T≦X−223
ただしX=6780/[2.26−log{Nb(C+12N/14)}]である。
未再結晶温度域での全圧下率:50〜90%
未再結晶温度域での圧下は、ミクロ組織を偏平化し、靭性を向上させる効果がある。その効果を得るために、全圧下率は50%以上とし、好ましくは60%以上とする。一方で、全圧下率が90%を超えると、耐HIC性能を劣化させることになる。よって、全圧下率は90%以下とし、好ましくは85%以下とする。
最終圧延温度が低いほど、DWTT性能が向上する。所望のDWTT性能を得るために、最終圧延温度は(Ar3O+50)℃以下とすることが重要であり、好ましくは(Ar3O+40)℃以下とする。最終圧延温度の下限は特に限定されないが、耐HIC性能確保のため、最終圧延温度はAr3O℃以上とすることが好ましい。
冷却開始温度:鋼板表面温度でAr3O℃以上
耐HIC性能を確保するためには、均一なベイナイト組織にする必要がある。そのためには、冷却開始温度をAr3O℃以上にする必要があり、好ましくは(Ar3O+10)℃以上とする。冷却開始温度の上限は特に限定されないが、DWTT性能確保のため、冷却開始温度は850℃以下とすることが好ましい。
冷却停止温度は低いほど高強度化が可能となる。一方で、冷却停止温度が200℃未満になると、ベイナイトのラス間がMAに変態し、さらには、中心偏析部がマルテンサイト変態することにより耐HIC性能が劣化する。よって、冷却停止温度は200℃以上とし、好ましくは300℃以上とする。ただし、冷却停止温度が500℃を超えると、未変態オーステナイトの一部がMAに変態し、耐HIC性能を劣化させる。よって、冷却停止温度は500℃以下とし、好ましくは450℃以下とする。
表層部における冷却速度が速いと、表層硬さが上昇して耐HIC性能が劣化する。加速冷却後に表層を400℃以上に焼き戻す前提で、造管後の表層硬さを230以下にするためには、表層部の平均冷却速度を150℃/s以下にする必要がある。表層部の平均冷却速度の下限は特に限定されないが、耐HIC性能確保のため、表層部の平均冷却速度は10℃/s以上とすることが好ましい。なお、ここで言う「表層部」とは、板厚方向で表面から深さ1mmの位置から深さ3/16tの位置までの領域(一対の領域)である。
板厚中心の冷却速度が速いほど高強度が実現できる。厚肉材において所望の強度を得るために、板厚中心の平均冷却速度を20℃/s以上とする。板厚中心の平均冷却速度の上限は特に限定されないが、耐HIC性能確保のため、板厚中心の平均冷却速度は60℃/s以下とすることが好ましい。
表層部温度:400〜720℃、板厚中心温度:350〜550℃
表層硬さの低減や島状マルテンサイトの面積分率の低減のために、加速冷却後ただちに再加熱を実施する。表層部は、硬さ低減の観点からより高温の方が望ましく、所望の硬さを得るために、表層部温度は400℃以上とし、好ましくは500°以上とする。しかし、表層部温度が720℃を超えると、表層部が逆変態し耐HIC性能が劣化するため、表層部温度は720℃以下とし、好ましくは650℃以下とする。なお、ここで言う「表層部」とは、板厚方向で表面から深さ1mmの位置から深さ3/16tの位置までの領域(一対の領域)である。板厚中心温度は、加速冷却により生じたMAを分解するために350℃以上とし、好ましくは400℃以上する。一方で、強度、DWTT性能確保の観点から、板厚中心温度は550℃以下とする。
制御冷却後の厚鋼板を、プレスベンド成形、ロール成形、UOE成形等で筒状に冷間加工した後、その突合せ部を溶接することにより、溶接鋼管を得ることができる。また、鋼管の真円度を改善するために、溶接鋼管を拡管することが可能である。
既述の方法で、ベイナイト及び島状マルテンサイトの面積分率を求めた。結果を表3に示す。
既述の方法で「中心偏析部以外のビッカース硬さHV10」と「中心偏析部のビッカース硬さHV0.05」を測定した。結果を表3に示す。
既述の方法で、管厚中心位置での圧延面の(211)面の集積度を求めた。結果を表3に示す。
引張試験は、API 5Lに規定される全厚試験片を溶接鋼管の周方向に採取し、API 5L X65MSの引張強度範囲である、535−760MPaを合格とした。結果を表3に示す。
鋼管周方向の圧縮強度は、シーム溶接部から周方向に90°又は270°で、内表面深さ1mmから21mmの位置になるように、ASTM E9準拠の直径20mm、長さ60mmの丸棒試験片を採取して測定した。圧縮降伏応力は、各条件で2本ずつ測定した0.5%耐力の平均値で評価した。合格値は、同じ採取位置、試験片直径で試験した引張試験の降伏応力の0.85倍以上とした。結果を表3に示す。
DWTT性能は、試験片厚19mmに加工した減厚DWTT試験片によって行った。API−5Lに準拠した長手方向がC方向となるプレスノッチ型DWTT試験片を採取し、管厚28.6〜35.0mmの溶接鋼管は−37℃、管厚35.0mm超の溶接鋼管は−27℃で、各2本試験し、破断した破面の延性破面率(SA)を求めた。延性破面率の平均が85%になるものを合格とした。結果を表3に示す。
HIC試験は、NACE TM0284−2003の溶液Aを用いて各3本実施(管厚が32mm超のものは規格規定に準じて、板厚方向から30mm厚の試験片を採取)し、鋼管の割れ長さ率(CLR)評価で最大値が10%以下のものを合格とした。結果を表3に示す。
Claims (4)
- 質量%で、
C :0.03〜0.06%、
Si:0.5%以下、
Mn:0.8〜1.6%、
P :0.008%以下、
S :0.0015%以下、
Al:0.08%以下、
Mo:0.05〜0.50%、
Nb:0.005〜0.050%、
Ti:0.005〜0.020%、
Ca:0.0010〜0.0040%、
N :0.008%以下、及び
O :0.0030%以下
を含有し、
式(1)で示されるCeqが0.32以上であり、
式(2)で示されるPHICTが1.05以下であり、
式(3)で示されるACRMが1.0以上であり、
Ca/Oが2.5以下であり、
残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有し、
式(4)で示されるAr3Oが780以下であり、
管厚方向で、内表面から深さ2mmの位置から外表面から深さ2mmの位置までのミクロ組織が、面積分率で95%以上のベイナイトと、面積分率で1%以下の島状マルテンサイトを含み、
中心偏析部を除く箇所のビッカース硬さHV10が230以下であり、
中心偏析部のビッカース硬さHV0.05が250以下であり、
X線回析により得られる管厚中心位置での圧延面の(211)面の集積度が1.5以上であり、
引張強さが535MPa以上である
ことを特徴とする耐サワーラインパイプ用溶接鋼管。
式(1)
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5
式(2)
PHICT=(4.46C+0.395Mn+0.116Cu+0.113Ni+0.236Cr+0.390Mo+0.348V+22.36P)[{7396.2(C+0.0023Si+0.0344Mn−0.2652P+2.5275S−0.0616Al+0.02Cu+0.06Ni+0.02Cr−0.02Mo−0.04Nb−0.04V+0.021Si・Mn−1.525Mn・S)−8.9423}/700]2
式(3)
ACRM={Ca−(1.23O−0.000365)}/(1.25S)
式(4)
Ar3O=910−310C−80Mn−20Cu−55Ni−15Cr−80Mo+0.35(t−8)
ここで、上記式(4)中のtは管厚(mm)であり、上記式(1)〜(4)及び上記Ca/O中の元素記号は、前記成分組成における各元素の含有量(質量%)を表し、該元素が含有されていない場合には0とする。 - 前記成分組成が、Cu:0.50%以下、Ni:1.00%以下、Cr:0.50%以下、及びV:0.060%以下からなる群から選ばれる1種以上をさらに含有する、請求項1に記載の耐サワーラインパイプ用溶接鋼管。
- 質量%で、
C :0.03〜0.06%、
Si:0.5%以下、
Mn:0.8〜1.6%、
P :0.008%以下、
S :0.0015%以下、
Al:0.08%以下、
Mo:0.05〜0.50%、
Nb:0.005〜0.050%、
Ti:0.005〜0.020%、
Ca:0.0010〜0.0040%、
N :0.008%以下、及び
O :0.0030%以下
を含有し、
式(1)で示されるCeqが0.32以上であり、
式(2)で示されるPHICTが1.05以下であり、
式(3)で示されるACRMが1.0以上であり、
Ca/Oが2.5以下であり、
残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有するスラブを連続鋳造にて製造する工程と、
前記スラブを、式(5)を満足する温度Tに再加熱する工程と、
その後、前記スラブを、
未再結晶温度域での全圧下率が50〜90%、及び
式(4)で示されるAr3Oを用いて、最終圧延温度が(Ar3O+50)℃以下
の条件で熱間圧延して、厚鋼板を得る工程と、
前記厚鋼板を、
冷却開始温度:鋼板表面温度でAr3O℃以上、
冷却停止温度:鋼板表面温度で200〜500℃、
板厚方向で表面から深さ1mmの位置から深さ3/16tの位置までの領域の700℃から600℃までの平均冷却速度:150℃/s以下、及び
板厚中心における700℃から600℃までの平均冷却速度:20℃/s以上
の条件で制御冷却する工程と、
その後、前記厚鋼板を、
表層部温度:400〜720℃、及び
板厚中心温度:350〜550℃
の条件で再加熱する工程と、
その後、前記厚鋼板を筒状に冷間加工し、その突合せ部を溶接して、溶接鋼管を得る工程と、
を有し、
前記溶接鋼管のAr3Oが780以下であることを特徴とする耐サワーラインパイプ用溶接鋼管の製造方法。
式(1)
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5
式(2)
PHICT=(4.46C+0.395Mn+0.116Cu+0.113Ni+0.236Cr+0.390Mo+0.348V+22.36P)[{7396.2(C+0.0023Si+0.0344Mn−0.2652P+2.5275S−0.0616Al+0.02Cu+0.06Ni+0.02Cr−0.02Mo−0.04Nb−0.04V+0.021Si・Mn−1.525Mn・S)−8.9423}/700]2
式(3)
ACRM={Ca−(1.23O−0.000365)}/(1.25S)
式(4)
Ar3O=910−310C−80Mn−20Cu−55Ni−15Cr−80Mo+0.35(t−8)
式(5)
6780/(2.26−log(Nb(C+12N/14)))−293≦T≦6780/(2.26−log(Nb(C+12N/14)))−223
ここで、上記式(4)中のtは管厚(mm)であり、上記式(1)〜(5)及び上記Ca/O中の元素記号は、前記成分組成における各元素の含有量(質量%)を表し、該元素が含有されていない場合には0とする。 - 前記成分組成が、Cu:0.50%以下、Ni:1.00%以下、Cr:0.50%以下、及びV:0.060%以下からなる群から選ばれる1種以上をさらに含有する、請求項3に記載の耐サワーラインパイプ用溶接鋼管の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019100484A JP7215332B2 (ja) | 2019-05-29 | 2019-05-29 | 耐サワーラインパイプ用溶接鋼管の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019100484A JP7215332B2 (ja) | 2019-05-29 | 2019-05-29 | 耐サワーラインパイプ用溶接鋼管の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020193374A true JP2020193374A (ja) | 2020-12-03 |
JP7215332B2 JP7215332B2 (ja) | 2023-01-31 |
Family
ID=73547777
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019100484A Active JP7215332B2 (ja) | 2019-05-29 | 2019-05-29 | 耐サワーラインパイプ用溶接鋼管の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7215332B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023162571A1 (ja) * | 2022-02-24 | 2023-08-31 | Jfeスチール株式会社 | 鋼板およびその製造方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH042719A (ja) * | 1990-04-19 | 1992-01-07 | Kawasaki Steel Corp | 耐硫化水素割れ性の優れた高靭性高張力鋼板の製造方法 |
WO2013190750A1 (ja) * | 2012-06-18 | 2013-12-27 | Jfeスチール株式会社 | 厚肉高強度耐サワーラインパイプおよびその製造方法 |
WO2016051727A1 (ja) * | 2014-09-30 | 2016-04-07 | Jfeスチール株式会社 | 溶接鋼管および厚鋼板ならびにそれらの製造方法 |
JP6460297B1 (ja) * | 2018-06-29 | 2019-01-30 | 新日鐵住金株式会社 | 鋼管及び鋼板 |
-
2019
- 2019-05-29 JP JP2019100484A patent/JP7215332B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH042719A (ja) * | 1990-04-19 | 1992-01-07 | Kawasaki Steel Corp | 耐硫化水素割れ性の優れた高靭性高張力鋼板の製造方法 |
WO2013190750A1 (ja) * | 2012-06-18 | 2013-12-27 | Jfeスチール株式会社 | 厚肉高強度耐サワーラインパイプおよびその製造方法 |
WO2016051727A1 (ja) * | 2014-09-30 | 2016-04-07 | Jfeスチール株式会社 | 溶接鋼管および厚鋼板ならびにそれらの製造方法 |
JP6460297B1 (ja) * | 2018-06-29 | 2019-01-30 | 新日鐵住金株式会社 | 鋼管及び鋼板 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023162571A1 (ja) * | 2022-02-24 | 2023-08-31 | Jfeスチール株式会社 | 鋼板およびその製造方法 |
TWI826257B (zh) * | 2022-02-24 | 2023-12-11 | 日商Jfe鋼鐵股份有限公司 | 鋼板及其製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7215332B2 (ja) | 2023-01-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6344538B1 (ja) | 鋼管及び鋼板 | |
KR101247089B1 (ko) | 라인 파이프용 강판 및 강관 | |
CA2749409C (en) | Thick high-tensile-strength hot-rolled steel sheet having excellent low-temperature toughness and manufacturing method thereof | |
JP6369658B1 (ja) | 鋼管及び鋼板 | |
JP5776377B2 (ja) | 耐サワー性に優れたラインパイプ用溶接鋼管向け高強度熱延鋼板およびその製造方法 | |
EP3276026B1 (en) | Thick steel sheet for structural pipe, method for manufacturing thick steel sheet for structural pipe, and structural pipe | |
JP6299935B2 (ja) | 高強度・高靭性鋼管用鋼板およびその製造方法 | |
JP5782827B2 (ja) | 高圧縮強度耐サワーラインパイプ用鋼管及びその製造方法 | |
WO2013190750A1 (ja) | 厚肉高強度耐サワーラインパイプおよびその製造方法 | |
JP5884201B2 (ja) | 引張強さ540MPa以上の高強度ラインパイプ用熱延鋼板 | |
WO2013089156A1 (ja) | 低温靭性に優れた高強度h形鋼及びその製造方法 | |
WO2018179512A1 (ja) | 耐サワーラインパイプ用高強度鋼板およびその製造方法並びに耐サワーラインパイプ用高強度鋼板を用いた高強度鋼管 | |
WO2020003499A1 (ja) | 鋼管及び鋼板 | |
JP6123713B2 (ja) | 厚肉熱延鋼帯およびその製造方法 | |
JP6015602B2 (ja) | 高靭性高延性高強度熱延鋼板及びその製造方法 | |
WO2014010150A1 (ja) | 厚肉高強度耐サワーラインパイプおよびその製造方法 | |
JP2012241273A (ja) | 耐圧潰性および耐サワー性に優れた高強度ラインパイプおよびその製造方法 | |
CN104937125B (zh) | 高强度管线钢管用热轧钢板 | |
WO2016157863A1 (ja) | 高強度・高靭性鋼板およびその製造方法 | |
WO2014175122A1 (ja) | H形鋼及びその製造方法 | |
JP5803270B2 (ja) | 耐圧潰性に優れた高強度耐サワーラインパイプ及びその製造方法 | |
JP2020066747A (ja) | ラインパイプ用電縫鋼管、及び、ラインパイプ用熱延鋼板 | |
WO2021144953A1 (ja) | 鋼板および鋼管 | |
JP5521484B2 (ja) | 低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板およびその製造方法 | |
JP7215332B2 (ja) | 耐サワーラインパイプ用溶接鋼管の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210208 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220114 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220208 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220408 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20220823 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221026 |
|
C60 | Trial request (containing other claim documents, opposition documents) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60 Effective date: 20221026 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20221118 |
|
C21 | Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21 Effective date: 20221122 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221220 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230102 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7215332 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |