JP2020192798A - 既設管状体の更生方法及び更生構造 - Google Patents

既設管状体の更生方法及び更生構造 Download PDF

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Abstract

【課題】既設管状体の曲がり部の外まわり部分や劣化の激しい部分などにおける螺旋管状の更生管の所要強度を確保する。【解決手段】合成樹脂製の主帯材11と金属製の補強帯材12を含む帯状部材10を既設管状体1の内壁1bに沿って螺旋状に巻回することによって、螺旋管状の更生管9を作製する。更生管9に設定したピッチ調整領域9c,9dにおける帯状部材10から主帯材11を剥がして撤去する。ピッチ調整領域9c,9dにおける残置された補強帯材12の螺旋ピッチを縮める。既設管状体1におけるピッチ調整領域との対応領域1c,1dの内壁1bに充填材層4を形成して、残置された補強帯材12を充填材層4の内部に埋める。【選択図】図4

Description

本発明は、下水道管、トンネルなどの既設管状体を更生する方法及び更生構造に関し、特に合成樹脂製の主帯材と金属製の補強帯材を含む帯状部材からなる螺旋管状の更生管を既設管状体の内壁にライニングすることによる更生方法及び更生構造に関する。
老朽化した下水道管等の既設管の内壁に沿って更生管をライニングすることによって、前記既設管を更生する方法は公知である(特許文献1,2等参照)。例えば更生管は、一定断面の帯状部材(プロファイル)によって構成されている。帯状部材は、ポリ塩化ビニル(PVC)等の合成樹脂製の主帯材と、スチール等の金属製の補強帯材を含む。例えば自走式の製管機を用いて、前記帯状部材を既設管の内壁に沿って螺旋状に巻回し、互いに一周ずれて隣接する縁部どうしを凹凸嵌合により接合することによって、更生管が作製される。
特開2016−43555号公報 特開2017−165079号公報
既設管は、管路方向に真っ直ぐとは限らず、曲がり部がある場合がある。曲がり部の内壁に沿って帯状部材を螺旋状に巻回して製管すると、外まわり側における螺旋ピッチが広くなる。具体的には、伸縮部の無い帯状部材の場合、外まわり側における隣接縁部どうしの凹凸嵌合部が目開きされることで、螺旋ピッチが広くなる。ベローズ状の伸縮部が有る帯状部材の場合(前掲特許文献1の図3(b)、特許文献2の図1等参照)、外まわり側における伸縮部が伸びることで、螺旋ピッチが広くなる。このため、曲がり部の内まわり部と外まわり部とには補強帯材の配置度合いに疎密ができ、外まわり側においては必要な強度を発現することができない可能性がある。また、既設管の劣化が激しい部分では、通常の螺旋ピッチで製管した場合、強度を満足することができない可能性がある。
本発明は、かかる事情に鑑み、下水道管、トンネルなどの既設管状体を螺旋管状の更生管によって更生する際、曲がり部の外まわり部分や強度劣化部などにおける更生管の所要強度を確保することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明方法は、既設管状体を更生する更生方法であって、
合成樹脂製の主帯材と金属製の補強帯材を含む帯状部材を前記既設管状体の内壁に沿って螺旋状に巻回することによって、螺旋管状の更生管を作製する製管工程と、
前記更生管に設定したピッチ調整領域における帯状部材から主帯材を剥がして撤去する撤去工程と、
前記ピッチ調整領域における残置された補強帯材の螺旋ピッチを縮めるピッチ調整工程と、
前記既設管状体における前記ピッチ調整領域との対応領域の内壁に充填材層を積層して、前記残置された補強帯材を前記充填材層の内部に埋める埋設工程と、
を備えたことを特徴とする。
ピッチ調整領域においては補強帯材の螺旋ピッチを縮めることによって更生管の強度が高まる。
前記製管工程は、自走式製管機によって行われることが好ましい。自走式製管機は、更生管の延伸方向の先端部に配置され、製管に伴って自走(推進)される。
前記ピッチ調整領域を管路の曲がり部に設定し、
前記ピッチ調整工程において、前記曲がり部の外まわり部分における前記残置された補強帯材の螺旋ピッチを、非ピッチ調整領域における螺旋ピッチと同等又はそれ以下となるよう調整することが好ましい。
これによって、曲がり部の外まわり部分の所要強度を確保できる。
前記ピッチ調整領域を前記既設管状体の強度劣化部と対応するように設定し、
前記ピッチ調整工程において、前記強度劣化部と対応するピッチ調整領域に残置された補強帯材の螺旋ピッチを、非ピッチ調整領域における螺旋ピッチより小さくすることが好ましい。
これによって、強度劣化部を所要強度が確保されるよう更生できる。
前記更生管が前記ピッチ調整領域を超えて数巻き製管されたとき、製管を一時停止して前記ピッチ調整領域の主帯材の撤去を行った後、前記更生管の前記数巻きの部分を前記ピッチ調整領域へ向けてずらすことが好ましい。
これによって、ピッチ調整領域における補強帯材の螺旋ピッチを縮めることができる。
本発明構造は、既設管状体の内壁に沿って螺旋状に巻回された帯状部材からなる螺旋管状の更生管を備え、前記帯状部材が、合成樹脂製の主帯材と、金属製の補強帯材を含み、
前記更生管にはピッチ調整領域が設定され、前記ピッチ調整領域においては、前記帯状部材の主帯材及び補強帯材のうち補強帯材のみ存置され、
かつ存置された補強帯材の螺旋ピッチが非ピッチ調整領域における螺旋ピッチと同等又はそれ以下であり、
更に前記既設管状体における前記ピッチ調整領域との対応領域の内壁に積層された充填材層の内部に、前記存置された補強帯材が埋まっていることを特徴とする。
本発明によれば、既設管状体の曲がり部の外まわり部分や劣化の激しい部分などにおける螺旋管状の更生管の所要強度を確保することができる。
図1は、本発明の一実施形態を示し、更生済の既設管状体(既設管状体更生構造)の平面断面図である。 図2は、前記既設管状体を更生する更生管を構成する帯状部材の一例を示す断面図である。 図3は、図1の円部IIIの詳細断面図である。 図4は、更生施工中の既設管状体を、強度劣化部を越えて更生管を製管した状態で示す平面断面図である。 図5は、更生施工中の既設管状体を、前記強度劣化対応部分の主帯材を撤去した状態で示す平面断面図である。 図6(a)は、前記更生管の強度劣化対応部分の主帯材を撤去する一態様を示す詳細断面図である。図6(b)は、前記撤去する他の態様を示す詳細断面図である。 図7は、更生施工中の既設管状体を、前記強度劣化対応部分の補強帯材をピッチ調整した状態で示す平面断面図である。 図8は、更生施工中の既設管状体を、曲がり部を越えて更生管を製管した状態で示す平面断面図である。 図9は、図8の円部IXの詳細断面図である。 図10は、更生施工中の既設管状体を、曲がり部の主帯材を撤去した状態で示す平面断面図である。 図11は、更生施工中の既設管状体を、前記曲がり部の補強帯材をピッチ調整した状態で示す平面断面図である。 図12は、更生施工中の既設管状体を、更生領域の全域にわたって更生管を製管した状態で示す平面断面図である。 図13は、帯状部材の他の態様を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は、更生済の既設管状体1(既設管状体更生構造)を示したものである。老朽化した既設管状体1の内壁1bに沿って更生管9がライニングされることで、既設管状体1が更生されている。更生対象の既設管状体1は、例えば地中の老朽化した下水道管である。なお、既設管状体は、下水道管に限られず、上水道管、農業用水管、水力発電導水管、ガス管、ダム通水路などの既設管の他、既設のトンネルであってもよい。
更生管9は、帯状部材10(プロファイル)によって形成されている。
図2に示すように、帯状部材10は、主帯材11と、補強帯材12とを備えている。主帯材11は、帯長方向(図2の紙面直交方向)へ長く延びるとともに、帯長方向と直交する断面が一定形状に形成されている。主帯材11の材質は、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂である。主帯材11の帯幅方向の一端側(図2において右)の縁部には、凹溝状の第1嵌合部13が形成されている。主帯材11の帯幅方向の他端側(同図において左)の縁部には、凸条状の第2嵌合部14が形成されている。主帯材11における嵌合部13,14どうしの間の中間部にはT字断面のリブ15,16,17が形成されている。
主帯材11の背面側部(更生管9の外周部となる部分、図2において下側部)には、補強帯材12が付設されている。補強帯材12の材質は、スチールなどの金属である。補強帯材12は、例えばW字状の断面に形成され、主帯材11と平行に帯幅方向(図2の紙面直交方向)へ延びている。補強帯材12の帯幅方向の両端部が、主帯材11のT字リブ15,16の先端部に係止されている。補強帯材12の幅寸法W12は、主帯材11の有効幅W11(嵌合部13,14どうし間の距離)より小さい。
図1に示すように、前記帯状部材10が既設管状体1の内壁1bに沿って螺旋状に巻回されて、螺旋管状の更生管9に製管されている。図3に示すように、更生管9において、螺旋状に巻かれた帯状部材10における互いに一周違いに対向する嵌合部13,14どうしが凹凸嵌合されている。
老朽化した既設管状体1には、腐食やひび割れなどによる強度劣化が他の箇所と比べ激しい強度劣化部1dが存在し得る。
また、既設管状体1は、管路がまっすぐな直線部1aだけでなく、管路が曲がる曲がり部1cを有し得る。この場合、更生管9には、直線部1a内における管路がまっすぐな直線部9aと、曲がり部1c内において管路が曲がる曲がり部9cとが設けられる。
更生管9における、強度劣化部1dと対応する部分9d及び曲がり部9cは、ピッチ調整領域として設定されている。ピッチ調整領域9c,9dにおいては、帯状部材10の主帯材11及び補強帯材12のうち、補強帯材12のみが存置されている。ピッチ調整領域9c,9dの帯状部材10には主帯材11が無い。
更生管9の強度劣化対応部分9dを除く直線部9aは、非ピッチ調整領域9a’となっている。非ピッチ調整領域9a’の帯状部材10は主帯材11及び補強帯材12を有している。非ピッチ調整領域9a’における螺旋ピッチP9aは、主帯材11の有効幅W11と更生管9の製管径から一義的に定まる。
ピッチ調整領域9c,9dにおける存置された補強帯材12の螺旋ピッチは、更生管9の非ピッチ調整領域9a’における帯状部材10の螺旋ピッチP9aと同等又はそれ以下である。
詳しくは、曲がり部9c(ピッチ調整領域)の外まわり部分9hにおける補強帯材12の螺旋ピッチP9hは、非ピッチ調整領域9a’における螺旋ピッチP9aと同等である(P9h≒P9a)。曲がり部9cの内まわり部分9gにおける補強帯材12の螺旋ピッチP9gは、外まわり部9h及び非ピッチ調整領域9a’における螺旋ピッチP9h,P9aより小さい(P9g<P9h、P9g<P9a)。
強度劣化対応部分9d(ピッチ調整領域)における補強帯材12の螺旋ピッチP9dは、非ピッチ調整領域9a’における螺旋ピッチP9aより小さい(P9d<P9a)。強度劣化対応部分9dの管路方向(図3において左右方向)に沿う長さは、強度劣化部1dの同方向の長さと同等でもよく、それ以上でもよい。
図1及び図3に示すように、既設管状体1における曲がり部1c及び強度劣化部1d(ピッチ調整領域との対応領域)の内壁1bには、充填材層4が積層されている。充填材層4の内部に、前記残置された補強帯材2が埋まっている。充填材層4は、モルタルによって構成されている。充填材層4の内周面(図3において下面)は、更生管9の非ピッチ調整領域9a’の内周面(図3において下面)と面一になっている。これら内周面どうしが、段差無く滑らかに連続している。ピッチ調整領域9c,9dにおいては、充填剤層4によって更生管9の内周面が画成されている。
老朽化した既設管状体1は、次のようにして更生される。
<ピッチ調整領域の設定工程>
更生前の既設管状体1の状況を事前に調査し、ピッチ調整領域を設定しておく。
具体的には、既設管状体1に強度劣化部1dが有った場合、これと対応する更生管9の区間を強度劣化対応部分9d(ピッチ調整領域)として設定する。
そして、強度劣化対応部分9dの所要強度を担保し得る補強帯材12の所要帯長L及び調整後の螺旋ピッチP9dを強度計算によって求めておく。補強帯材12を鉄筋に見立て、鉄筋量及び充填剤層4(モルタル)の強度を鉄筋コンクリートの強度計算式に当てはめてもよい。
既設管状体1の管路に曲がり部1cが有った場合、これと対応すべき更生管9の曲がり部9cをピッチ調整領域として設定する。該曲がり部9cにおける内まわり部分9gの製管時の螺旋ピッチP9g0を非ピッチ調整領域9a’の螺旋ピッチP9aと等しいものとし、該螺旋ピッチP9g0(=P9a)と曲がり部1cの角度、曲率などから外まわり部分9hの製管時の螺旋ピッチP9h0(>P9g0)を計算する。また、曲がり部9cにおける帯状部材10の製管時の帯長Lを求め、さらに外まわり部分9hの螺旋ピッチを非ピッチ調整領域9a’の螺旋ピッチP9aまで縮めた場合、曲がり部9cにおいて不足する帯状部材10の帯長Lを求める。製管時帯長Lと不足帯長Lの合計を、曲がり部9cを形成するための帯状部材10の所要帯長L(=L+L)として設定する。
<製管工程>
事前調査の後、製管工程を実施する。図4において簡略的に示すように、更生管9は、製管装置3によって作製される。製管装置3としては、例えば前掲特許文献1等に開示されたものと同様の基本構造を有する自走式製管装置が用いられる。
図4に示すように、製管装置3は、既設管状体1内における更生管9(帯状部材10の製管済部分)の延伸方向の先端部に配置される。連続する帯状部材10の未製管部分(図示省略)が製管装置3に順次送り込まれる。製管装置3において、螺旋管状の更生管9の延伸方向の先端部と、前記未製管部分との対向する嵌合部93,94どうしが嵌合される。同時に製管装置3が既設管状体1の内壁に沿って回転しながら延伸方向前方へ推進(自走)され、更生管9が延伸される。
<強度劣化対応部分9d(ピッチ調整領域)の製管>
更生管9の延伸方向に沿って強度劣化対応部分9d(ピッチ調整領域)の始端9d1まで製管したとき、一旦、製管動作を停止する。そこから前記所要帯長L分の帯状部材10を製管することで、強度劣化対応部分9dの終端9d2まで製管したことになる。帯状部材10に印字された目盛りから終端9d2まで製管したかを確認できる。
製管時の強度劣化対応部分9dの螺旋ピッチは、非ピッチ調整領域9a’の螺旋ピッチP9aと等しい。
強度劣化対応部分9dを超えてさらに数巻き程度製管する。好ましくは、終端9d2から2巻き程度製管したら、製管動作を一時停止する。
<撤去工程>
そして、図5に示すように、強度劣化対応部分9dを構成する帯状部材10から主帯材11を剥がして撤去する。補強帯材12は残置する。
例えば、図6に示すように、セイバーソー等の冶具(図示せず)を用いて、更生管9の内部から補強帯材12が係止されたリブ15,16を帯状部材10の巻き方向に沿って切断する。始端9d1から終端9d2へ向かって切断してもよく、終端9d2から始端9d1へ向かって切断してもよい。補強帯材12の両側の2つのリブ15,16をそれぞれ切り落とす。図6(a)の切断線CLに示すように、リブ15,16の立設方向(同図において上下)と平行に切断してもよく、図6(b)の切断線CLに示すように、リブ15,16の立設方向に対して斜めに切断してもよい。
強度劣化対応部分9dの全域のリブ15,16を切断したら、始端9d1における主帯材11を帯幅方向に切断する。同様に終端9d2における主帯材11を帯幅方向に切断する。補強帯材12は切断しない。そのうえで主帯材11だけ剥がして撤去する。強度劣化対応部分9dの始端9d1から終端9d2までの主帯材11のすべてを剥がすのであって、一部分だけを剥がすのではない。
これによって、強度劣化対応部分9dが螺旋状の補強帯材12だけで構成されることになる。該補強帯材12のこの時点における螺旋ピッチは、非ピッチ調整領域9a’の螺旋ピッチP9aと等しい。
終端9d2より延伸方向の先端側(製管装置3側)には、前記2巻き程度の先端管部9e(ピッチ調整領域を超えて製管された数巻き部分)が残る。
<ピッチ調整工程>
続いて、図7に示すように、先端管部9e及び製管装置3を始端9d1へ向けてずらす。これによって、強度劣化対応部分9dの補強帯材12の螺旋ピッチP9dが縮まる。
強度劣化対応部分9dの補強帯材12は、管路方向に伸縮可能な状態になっているため、人力でも簡単にピッチ調整できる。ジャッキなどの動力を使ってピッチ調整してもよい。
ピッチ調整後の螺旋ピッチP9dは、非ピッチ調整領域9a’における螺旋ピッチP9aより小さくなる(P9d<P9a)。好ましくは、強度劣化対応部分9dの区間長(始端9d1から終端9d2までの距離)が前記設定工程で設定した大きさになるよう、終端9d2の位置を調整する。さらに好ましくは、螺旋ピッチP9dが、事前の設定工程における強度計算で求めておいた値と一致するよう、強度劣化対応部分9dの補強帯材12を手で動かす等して微調整する。
<製管工程の再開>
図8に示すように、その後、製管を再開する。
<曲がり部9c(ピッチ調整領域)の製管>
曲がり部9c(ピッチ調整領域)の始端9c1まで製管したときは、一旦、製管動作を停止する。そこから帯状部材10の目盛り(図示せず)を指標にして、前記所要帯長L分の帯状部材10を製管する。
所要帯長Lのうち製管時帯長Lの帯状部材10によって曲がり部9cが製管され、更に前記不足帯長Lの帯状部材10によって不足管部9c’が製管される。不足管部9c’の終端9c2を超えてさらに数巻き程度(好ましくは2巻き程度)の先端管部9e2を製管したら、製管動作を一時停止する。
製管時の曲がり部9cの内まわり部分9gの螺旋ピッチP9g0は、非ピッチ調整領域9a’の螺旋ピッチP9aと等しく、外まわり部分9hの螺旋ピッチP9h0は、非ピッチ調整領域9a’の螺旋ピッチP9aより大きい。図9に示すように、外まわり部分9hにおいては、嵌合部13,14どうしが目開きされている。
<曲がり部9cの撤去工程>
次いで、図10に示すように、曲がり部9c及び不足管部9c’を構成する帯状部材10から主帯材11を剥がして撤去する。補強帯材12は残置する。
<曲がり部9cのピッチ調整工程>
続いて、図11に示すように、不足管部9c’及び先端管部9e2、並びに製管装置3を始端9c1へ向けてずらす。これによって、曲がり部9cの補強帯材12の螺旋ピッチが縮まる。かつ不足管部9c’が曲がり部9cに組み込まれていく。好ましくは、終端9c2が曲がり部1cの対応端部に達するまで移動させる。そうすることで、外まわり部分9hにおける螺旋ピッチP9hが、非ピッチ調整領域9a’における螺旋ピッチP9aと同等になる(P9h≒P9a)。内まわり部分9gにおける螺旋ピッチP9gは、外まわり部9h及び非ピッチ調整領域9a’における螺旋ピッチP9h,P9aより小さくなる(P9g<P9h、P9g<P9a)。
<製管工程の再開>
図12に示すように、その後、製管を再開する。再度ピッチ調整領域9c,9dが現れる場合は、上記の手順を繰り返す。
このようにして、既設管状体1の更生すべき領域の全体にわたって更生管9を製管する。
<埋設工程>
図1及び図3に示すように、その後、既設管状体1における強度劣化部1dの内壁1bにモルタルを積層して、充填材層4を形成する。該充填材層4の内部に強度劣化対応部分9dの補強帯材12を埋設する。同様に、既設管状体1における曲がり部1cの内壁1bにもモルタルを充填して、充填材層4を形成し、該充填材層4の内部に曲がり部9cの補強帯材12を埋設する。これによって、ピッチ調整領域9c,9dの補強帯材12が更生管9の内部流路に露出するのを防止でき、補強帯材12の腐食を抑制できる。
好ましくは、充填材層4の内周面を更生管9の非ピッチ調整領域9a’の内周面と面一にして、両内周面どうしが段差無く滑らかに連続するようにする。これによって、更生管9内での流通阻害を防止できる。
このようにして、既設管状体1が更生される。曲がり部9cの補強帯材12及び充填材層4によって、曲がり部9cの強度が発現する。しかも、曲がり部9cの外まわり部分9hの補強帯材12が非ピッチ調整領域9a’と同等の螺旋ピッチであるために、外まわり部分9hにおける更生管9の所要強度を確保することができる。
また、強度劣化対応部分9dの補強帯材12及び充填材層4によって、強度劣化対応部分9dの強度が発現する。しかも、強度劣化対応部分9dにおける補強帯材12が非ピッチ調整領域9a’より狭い螺旋ピッチであるために、強度劣化対応部分9dにおける更生管9の所要強度を確保することができる。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、既設管状体1の曲がり部1cが強度劣化の激しい強度劣化部1dであり、更生管9の曲がり部9cが強度劣化対応部分9dであることも有り得る。この場合、強度劣化対応を優先し、外まわり部分9hにおける螺旋ピッチP9hを非ピッチ調整領域9a’における螺旋ピッチP9aより小さくすることが好ましい(P9h<P9a)。
曲がり部1cの強度劣化の程度に拘わらず、外まわり部分9hにおける螺旋ピッチP9hを非ピッチ調整領域9a’における螺旋ピッチP9aより小さくしてもよい。
実施形態の帯状部材10は例示であり、本発明は種々の断面形状の帯状部材に適用できる。例えば、図13に示す断面形状の帯状部材10Bを用いてもよい。
帯幅方向に伸縮可能な伸縮部(ベローズ)を有する帯状部材を用いてもよい(特許文献1、2参照)。伸縮部付きの帯状部材で曲がり部9cを製管するときは、外まわり部分9hにおいて伸縮部が伸びることで製管時螺旋ピッチP9h0が広がる。その後、曲がり部9cの主帯材11を撤去することによって、手作業でも、外まわり部分9hの螺旋ピッチP9hを縮める方向へ容易にピッチ調整できる。同様に強度劣化対応部分9dについても主帯材11を撤去することによって容易にピッチ調整でき、伸びた伸縮部を縮める必要はない。
螺旋状に巻回された帯状部材の一周違いに対向する縁部どうしが連結帯材(ジョイナー)を介して連結されることで螺旋管状の更生管が作製されるようになっていてもよい(特許文献1の図4参照)。この場合、帯状部材の主帯材の撤去工程は、連結帯材による連結工程の前に行ってもよく連結工程の後に行ってもよい。
各ピッチ調整領域9c,9dのピッチ調整工程後、製管再開前に充填剤層4の形成による埋設工程を行ってもよい。
更生管9の非ピッチ調整領域9a’と既設管状体1との間にも、充填材層4と同様のモルタルなどの裏込め材を充填してもよい。更生管9が既設管状体1と協働して更生後の強度を担う複合管の場合、前記非ピッチ調整領域9a’の裏込め材は強度部材として所要強度を満たすようにする。更生管9が単独で更生後の強度を担う自立管の場合、前記非ピッチ調整領域9a’の裏込め材は間詰め材として機能すればよい。特に複合管ではピッチ調整領域9c,9dの充填材層4が強度部材として所要強度を満たすことが好ましい。
充填剤層4が、エポキシ系、アクリル系などの樹脂によって構成されていてもよい。
本発明は、例えば老朽化した下水道管やトンネルの更生に適用できる。
1 既設管状体
1b 内壁1b
1c 曲がり部(ピッチ調整領域との対応領域)
1d 強度劣化部(ピッチ調整領域との対応領域)
3 製管装置
4 充填材層
9 更生管
9a 直線部
9a’ 非ピッチ調整領域
9c 曲がり部(ピッチ調整領域)
9c’ 不足管部
9d 強度劣化対応部分(ピッチ調整領域)
9e,9e2 先端管部(数巻きの部分)
9h 外まわり部分
9g 内まわり部分
9a 非ピッチ調整領域の螺旋ピッチ
9d 強度劣化対応部分の調整後螺旋ピッチ
9h 外まわり部分の調整後螺旋ピッチ
9h0 外まわり部分の製管時螺旋ピッチ
10 帯状部材
11 主帯材
12 補強帯材

Claims (5)

  1. 既設管状体を更生する更生方法であって、
    合成樹脂製の主帯材と金属製の補強帯材を含む帯状部材を前記既設管状体の内壁に沿って螺旋状に巻回することによって、螺旋管状の更生管を作製する製管工程と、
    前記更生管に設定したピッチ調整領域における帯状部材から主帯材を剥がして撤去する撤去工程と、
    前記ピッチ調整領域における残置された補強帯材の螺旋ピッチを縮めるピッチ調整工程と、
    前記既設管状体における前記ピッチ調整領域との対応領域の内壁に充填材層を積層して、前記残置された補強帯材を前記充填材層の内部に埋める埋設工程と、
    を備えたことを特徴とする既設管状体の更生方法。
  2. 前記ピッチ調整領域を管路の曲がり部に設定し、
    前記ピッチ調整工程において、前記曲がり部の外まわり部分における前記残置された補強帯材の螺旋ピッチを、非ピッチ調整領域における螺旋ピッチと同等又はそれ以下となるよう調整することを特徴とする請求項1に記載の更生方法。
  3. 前記ピッチ調整領域を前記既設管状体の強度劣化部と対応するように設定し、
    前記ピッチ調整工程において、前記強度劣化部と対応するピッチ調整領域に残置された補強帯材の螺旋ピッチを、非ピッチ調整領域における螺旋ピッチより小さくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の更生方法。
  4. 前記更生管が前記ピッチ調整領域を超えて数巻き製管されたとき、製管を一時停止して前記ピッチ調整領域の主帯材の撤去を行った後、前記更生管の前記数巻きの部分を前記ピッチ調整領域へ向けてずらすことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の更生方法。
  5. 既設管状体の内壁に沿って螺旋状に巻回された帯状部材からなる螺旋管状の更生管を備え、前記帯状部材が、合成樹脂製の主帯材と、金属製の補強帯材を含み、
    前記更生管にはピッチ調整領域が設定され、前記ピッチ調整領域においては、前記帯状部材の主帯材及び補強帯材のうち補強帯材のみ存置され、
    かつ存置された補強帯材の螺旋ピッチが非ピッチ調整領域における螺旋ピッチと同等又はそれ以下であり、
    更に前記既設管状体における前記ピッチ調整領域との対応領域の内壁に積層された充填材層の内部に、前記存置された補強帯材が埋まっていることを特徴とする既設管状体更生構造。
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