JP2020192567A - 曲げ加工品の製造方法及び曲げ加工品 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業効率が良く、時間とコストを節約することが可能な曲げ加工品の製造方法及び曲げ加工品を提供する。【解決手段】被曲げ加工板金に対し、本体部となる部位と重ね合わせ部となる部位との境界線を跨ぐように両部位に亘って延在し、かつ、重ね合わせ部となる部位側の端部において互いに接続された一対の切開線を形成する切開工程と、パンチによって被曲げ加工板金をダイに対して押圧することで、被曲げ加工板金における一対の切開線で囲まれた領域以外の部位を境界線に沿って屈曲させ、重ね合わせ部を形成する曲げ工程とを含む。【選択図】図1
Description
本発明は、曲げ加工品の製造方法及び曲げ加工品に関する。
従来、亜鉛めっき鋼板を他の鋼板(例えば他の亜鉛めっき鋼板等)に隙間無く重ねた状態で溶接を行うと、気化した亜鉛が溶融金属内に気泡として残留し、ブローホールや肌荒れ等の溶接欠陥が生じることが知られている(特許文献1及び2)。
このような問題を回避するために、特許文献1では、両鋼板間に金属の微細固体粒子を介在させ、両鋼板の重ね合わせ部に隙間を形成させた状態で溶接を行う方法が提案されている。また、特許文献2では、一方の鋼板に突起を形成し、両鋼板の重ね合わせ部に隙間を形成させた状態で溶接を行う方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1の方法は、切断加工や曲げ加工により両鋼板を成形した後、これら両鋼板を重ね合わせる前に、両鋼板間に微細固体粒子を配するための作業が別途必要となるため、作業効率が低下すると共に、時間とコストがかかるという問題がある。また、特許文献2の方法においても、鋼板に対する曲げ加工を行う前又は後に、重ね合わせ部に突起を形成するための特殊な金型を用いたブランク加工が別途必要となるため、作業効率が低下すると共に、時間とコストがかかるという問題がある。
そこで、本発明は、作業効率が良く、時間とコストを節約することが可能な曲げ加工品の製造方法及び曲げ加工品を提供することを目的とする。
本発明に係る曲げ加工品の製造方法は、パンチと、V溝を有するダイとの協働により被曲げ加工板金に対して曲げ加工を行うことで、本体部と、該本体部の縁部から屈曲して延出する重ね合わせ部とを有し、該重ね合わせ部を他の部材に接合可能な曲げ加工品を製造する方法であって、前記被曲げ加工板金に対し、前記本体部となる部位と前記重ね合わせ部となる部位との境界線を跨ぐように両部位に亘って延在し、かつ、前記重ね合わせ部となる部位側の端部において互いに接続された一対の切開線を形成する切開工程と、前記パンチによって前記被曲げ加工板金を前記ダイに対して押圧することで、前記被曲げ加工板金における前記一対の切開線で囲まれた領域以外の部位を前記境界線に沿って屈曲させ、前記重ね合わせ部を形成する曲げ工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係る曲げ加工品の製造方法は、前記曲げ工程において、前記一対の切開線で囲まれた領域が折り曲げられずに残ることにより、前記本体部の下縁部から屈曲せずに該本体部の延在方向に沿って延出する突起片部が形成され、前記切開工程において、前記曲げ工程により形成される前記突起片部の前記本体部の下縁部からの突出量が0.05mm〜0.15mmとなるよう、前記一対の切開線を形成してもよい。
また、本発明に係る曲げ加工品の製造方法は、前記切開工程において、前記一対の切開線を、前記境界線に沿って複数組形成してもよい。
さらに、本発明に係る曲げ加工品の製造方法において、前記曲げ加工品は、前記重ね合わせ部における前記本体部と反対側の端部から、前記本体部が存在する側に向けて屈曲して延出するフランジ部を更に有し、前記切開工程は、前記被曲げ加工板金に対し、前記本体部となる部位と前記重ね合わせ部となる部位との第1境界線を跨ぐように両部位に亘って延在し、かつ、前記重ね合わせ部となる部位側の端部において互いに接続された一対の第1切開線を形成する第1切開工程と、前記被曲げ加工板金に対し、前記重ね合わせ部となる部位と前記フランジ部となる部位との第2境界線を跨ぐように両部位に亘って延在し、かつ、前記重ね合わせ部となる部位側の端部において互いに接続された一対の第2切開線を形成する第2切開工程とを含み、前記曲げ工程は、前記被曲げ加工板金における前記一対の第1切開線で囲まれた領域以外の部位を前記第1境界線に沿って屈曲させ、前記重ね合わせ部を形成する第1曲げ工程と、前記被曲げ加工板金における前記一対の第2切開線で囲まれた領域以外の部位を前記第2境界線に沿って屈曲させ、前記フランジ部を形成する第2曲げ工程とを含むとしてもよい。
また、本発明に係る曲げ加工品は、本体部と、本体部の縁部から屈曲して延出する重ね合わせ部とを有し、該重ね合わせ部を他の部材に接合可能な曲げ加工品であって、前記本体部の縁部から屈曲せずに該本体部の延在方向に沿って延出する突起片部を更に有し、前記重ね合わせ部は、前記本体部に対して屈曲された部位であり、前記突起片部は、前記本体部に対して折り曲げられずに残った残部であることを特徴とする。
本発明に係る曲げ加工品において、前記突起片部は、前記本体部の縁部からの突出量が0.05mm〜0.15mmであるとしてもよい。
また、本発明に係る曲げ加工品において、前記突起片部は、前記本体部の縁部に沿って複数形成されていてもよい。
さらに、本発明に係る曲げ加工品は、前記重ね合わせ部における前記本体部と反対側の端部から、前記本体部が存在する側に向けて屈曲して延出するフランジ部と、前記フランジ部の縁部から前記本体部が存在する側とは反対側に向けて延出する第2突起片部とを更に有し、前記フランジ部は、前記重ね合わせ部に対して屈曲された部位であり、前記第2突起片部は、前記重ね合わせ部が屈曲されることで前記本体部が存在する側とは反対側に向けて起立された部位であるとしてもよい。
本発明によれば、作業効率が良く、時間とコストを節約することが可能な曲げ加工品の製造方法及び曲げ加工品を提供することができる。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[曲げ加工品]
まず、本実施形態に係る曲げ加工品1について、図1を用いて説明する。本実施形態に係る曲げ加工品1は、図1に示すように、矩形板状の板金をハット状(略Ω状)に屈曲させた形状を有している。具体的には、曲げ加工品1は、下方に向けて開口する断面コ字状の本体部10と、該本体部10の各下縁部14a,16aから屈曲して延出する左右一対の重ね合わせ部(第1重ね合わせ部20A及び第2重ね合わせ部20B)と、本体部10の各下縁部14a,16aから屈曲せずに該本体部10の延在方向に沿って延出する複数の突起片部30とを有している。なお、図1に示す曲げ加工品1は例示に過ぎず、図示の形状に限定されるものではない。
まず、本実施形態に係る曲げ加工品1について、図1を用いて説明する。本実施形態に係る曲げ加工品1は、図1に示すように、矩形板状の板金をハット状(略Ω状)に屈曲させた形状を有している。具体的には、曲げ加工品1は、下方に向けて開口する断面コ字状の本体部10と、該本体部10の各下縁部14a,16aから屈曲して延出する左右一対の重ね合わせ部(第1重ね合わせ部20A及び第2重ね合わせ部20B)と、本体部10の各下縁部14a,16aから屈曲せずに該本体部10の延在方向に沿って延出する複数の突起片部30とを有している。なお、図1に示す曲げ加工品1は例示に過ぎず、図示の形状に限定されるものではない。
なお、本明細書では、断面コ字状に形成された本体部10の開口側(図1中の下方側)を「下方」とし、該本体部10の閉塞側(図1中の上方側)を「上方」として説明するが、当該上下方向は、説明の便宜上定めた方向に過ぎず、曲げ加工品1の実際の使用時における方向を規定するものではない。
本体部10は、図1及び図2に示すように、平板状かつ長方形状の天面部12と、該天面部12の一方の側縁部全域から下方に向けて屈曲して延出する第1側壁部14と、該天面部12の他方の側縁部全域から下方に向けて屈曲して延出する第2側壁部16とを有している。
第1重ね合わせ部20Aは、図1及び図2に示すように、本体部10の第1側壁部14の下縁部14aから水平方向外側に向けて屈曲された部位であり、第2重ね合わせ部20Bは、本体部10の第2側壁部16の下縁部16aから水平方向外側に向けて屈曲された部位である。
各重ね合わせ部20A,20Bは、それぞれ平板状かつ長方形状に形成されている。また、各重ね合わせ部20A,20Bの下面は、平坦面であり、他の部材(後述する被溶接鋼板2)に接合可能に構成されている。各重ね合わせ部20A,20Bは、後述する「曲げ加工品製造工程」の「位置決め」において、ダイDから延出してバックゲージBGに当接可能な延在方向の長さを有することが、後述する被曲げ加工板金1´をダイDに対して正確に位置決めする観点から、好ましい。
各重ね合わせ部20A,20Bには、図1及び図2に示すように、各突起片部30と整合する位置にそれぞれ、上面から下面に向けて貫通する貫通孔15が形成されている。貫通孔15は、後述する曲げ工程において、各突起片部30が折り曲げられずに残ったことによって形成された空隙であり、それゆえ、各突起片部30と同形同大に形成されている。
各突起片部30は、図1及び図2に示すように、本体部10に対して第1重ね合わせ部20A及び第2重ね合わせ部20Bを折り曲げる後述する曲げ工程において、本体部10の第1側壁部14及び第2側壁部16に対して折り曲げられずに残った残部であり、平板状かつ長方形状を有している。
各突起片部30は、図1及び図2に示すように、本体部10の第1側壁部14及び第2側壁部16の下縁部14a,16aから下方に向けて突出している。各突起片部30における、本体部10の下縁部14a,16aからの突出量は、0.05mm〜0.15mmであることが好ましい。このように、各突起片部30の突出量を0.05mm以上とすることにより、各重ね合わせ部20A,20Bと後述する被溶接鋼板2との間に、溶接時に発生する亜鉛ガスを排出させるための隙間を形成することができるという利点があり、また、各突起片部30の突出量を0.15mm以下とすることにより、該隙間が過大になることを防ぎ、精度良く溶接を行うことができるという利点がある。
突起片部30は、図1に示すように、本体部10の下縁部14a,16aに沿って複数形成されており、本実施形態においては、第1側壁部14の下縁部14a及び第2側壁部16の下縁部16aに沿ってそれぞれ3つの突起片部30が等間隔に配されている。これら第1側壁部14側の突起片部30と第2側壁部16側の突起片部30とは、互いに、曲げ加工品1の長手方向における位置が一致するよう配されている。
なお、突起片部30の数及び位置は、図示の例に限定されるものではないが、曲げ加工品1の長手方向の一方の端部側と、他方の端部側との少なくとも2か所に配されることが、曲げ加工品1を後述する被溶接鋼板2上に安定して載置させ、溶接精度を向上させる観点から好ましい。
また、曲げ加工品1の長手方向に沿った各突起片部30の長さ、及び、共通する下縁部14a,16aに配された複数(本実施形態では3つ)の突起片部30の総長さは、任意に設定することが可能であるが、曲げ加工品1の強度を損なわない程度の長さ及び総長さであることが好ましい。
さらに、隣接する突起片部30同士の間隔は、任意に設定することが可能であるが、治工具による固定で曲げ加工品1が変形しない程度の間隔であることが望ましい。
[曲げ加工品の製造方法]
次に、本実施形態に係る曲げ加工品1の製造方法について、図3及び図4を用いて説明する。本実施形態に係る曲げ加工品1の製造方法は、概略的には、被曲げ加工板金1´を製造する被曲げ加工板金製造工程と、プレスブレーキ(ベンディングマシン)を用いて被曲げ加工板金1´に対して曲げ加工を行うことで曲げ加工品1を製造する曲げ加工品製造工程とを備えている。
次に、本実施形態に係る曲げ加工品1の製造方法について、図3及び図4を用いて説明する。本実施形態に係る曲げ加工品1の製造方法は、概略的には、被曲げ加工板金1´を製造する被曲げ加工板金製造工程と、プレスブレーキ(ベンディングマシン)を用いて被曲げ加工板金1´に対して曲げ加工を行うことで曲げ加工品1を製造する曲げ加工品製造工程とを備えている。
[被曲げ加工板金製造工程]
まず、被曲げ加工板金製造工程について、図3を用いて説明する。本実施形態に係る被曲げ加工板金製造工程は、レーザー光によって板金に対する加工を行うレーザー加工機や、パンチとダイとの協働によって板金に対する加工を行うパンチプレス等を用いて被曲げ加工板金1´を製造する工程である。
まず、被曲げ加工板金製造工程について、図3を用いて説明する。本実施形態に係る被曲げ加工板金製造工程は、レーザー光によって板金に対する加工を行うレーザー加工機や、パンチとダイとの協働によって板金に対する加工を行うパンチプレス等を用いて被曲げ加工板金1´を製造する工程である。
なお、レーザー加工機(図示せず)は、加工対象となる板金が載置されるパレット(テーブル)と、このパレットよりも上方に設けられたレーザーヘッドとを備え、レーザーヘッドから板金に対してレーザー光を照射した状態において該板金とレーザーヘッドとを相対移動させることにより、パレット上に載置された板金を任意の形状に切断したり、板金の任意の位置に任意の形状の切開や孔等を形成したりすることが可能に構成されている。なお、このようなレーザー加工機は、例えば特開平6−210477号公報、特開2002−172482号公報及び特開2014−34043号公報等に記載されたような種々の公知のレーザー加工機を特に制限無く用いることが可能であるから、その詳細な説明を省略する。
また、パンチプレス(図示せず)は、協働して板金に対する加工を行うパンチ及びダイと、加工対象となる板金を搬送するキャリッジ機構とを備え、キャリッジ機構によって板金の位置決め及び移動をさせつつパンチによって板金をダイに向けて押圧することにより、板金を任意の形状に切断したり、板金の任意の位置に任意の形状の切開や孔や溝等を形成したりすることが可能に構成されている。このようなパンチプレスとして、パンチを含む複数の上型を保持する円盤状の上部タレットと、ダイを含む複数の下型を保持する円盤状の下部タレットとを備え、上部タレット及び下部タレットを同期して回転させることで加工内容に応じた上型及び下型を選択乃至変更できるタレットパンチプレスを用いることが好ましい。なお、このようなパンチプレスは、例えば特開2017−64906号公報等に記載されたような種々の公知のパンチプレスを特に制限無く用いることが可能であるから、その詳細な説明を省略する。
曲げ加工品1に用いられる板金としては、比較的低温度で気化する金属を含むめっき層を有するめっき鋼板を用いることができ、より具体的には、例えば、亜鉛めっき鋼板、亜鉛−錫めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、ニッケル−亜鉛めっき鋼板等を用いることができる。また、板金の板厚は、1.0mm〜2.3mmの範囲で適宜設定可能であり、より具体的には、1.2mm〜1.6mmの範囲で適宜設定可能である。
本実施形態に係る被曲げ加工板金製造工程では、まず、レーザー加工機やパンチプレス等の任意の加工機を用いて、被曲げ加工板金1´の外形形状となるよう板金を切断する(切断工程)。なお、板金の元々の形状が被曲げ加工板金1´の外形形状と一致する場合には、該切断工程は省略可能である。
本実施形態に係る被曲げ加工板金製造工程では、次に、図3に示すように、被曲げ加工板金1´に対し、レーザー加工機やパンチプレス等の任意の加工機を用いて、本体部10となる部位10´と、重ね合わせ部20A,20Bとなる部位20A´,20B´との境界線BL1,BL2を跨ぐように両部位10´,20A´,20B´に亘って延在し、かつ、重ね合わせ部20A,20Bとなる部位20A´,20B´側の端部において互いに接続された一対の切開線15a,15bを形成する(切開工程)。なお、本明細書において、「切開線」とは、被曲げ加工板金1´の上面から下面に亘って貫通する、線状に延びる切り込みを意味し、「一対の切開線」とは、上記各境界線BL1,BL2上の2箇所を該切り込みが通過することを意味している。
一対の切開線15a,15bは、図3に示すように、本体部10となる部位10´から重ね合わせ部20A,20Bとなる部位20A´,20B´に亘って境界線BL1,BL2を越えて延在している。また、一対の切開線15a,15bは、重ね合わせ部20A,20Bとなる部位20A´,20B´側の端部が、境界線BL1,BL2と平行に延びる端部側切開線15cによって互いに接続されている。以下、本明細書においては、これら一対の切開線15a,15b及び端部側切開線15cをまとめて、「切開線15´」という。切開線15´は、重ね合わせ部20A,20Bとなる部位20A´,20B´側の端部が切開され、本体部10となる部位10´側の端部が切開されていない形状、すなわち、略コ字状を有している。
一対の切開線15a,15bは、突起片部30の本体部10の下縁部14a,16aからの突出量が0.05mm〜0.15mmとなるよう形成されている。具体的には、一対の切開線15a,15bは、図3に示すように、境界線BL1,BL2から端部側切開線15cまでの距離が、各突起片部30の下縁部14a,16aからの突出量に「曲げ加工時の伸び値(伸び代)」を考慮した長さ、より具体的には、「曲げ加工時の伸び値(伸び代)÷2」に上述した「各突起片部30の突出量(すなわち、0.05mm〜0.15mm)」を加えた長さとなるよう形成されている。また、一対の切開線15a,15bは、境界線BL1,BL2から本体部10となる部位10´側の端部までの距離が、被曲げ加工板金1´の「曲げ加工時の伸び値(伸び代)÷2」以上の長さとなるよう形成されている。
以上の形状を有する切開線15´は、図3に示すように、該切開線15´で囲まれた領域30´が上述した突起片部30と同位置かつ同数となるよう形成される。すなわち、一対の切開線15a,15b及び端部側切開線15cが、第1側壁部14となる部位14´と第1重ね合わせ部20Aとなる部位20A´との境界線BL1に沿って複数組(本実施形態では3組)形成されると共に、第2側壁部16となる部位16´と第2重ね合わせ部20Bとなる部位20B´との境界線BL2に沿って複数組(本実施形態では3組)形成される。
そして、これら切断工程及び切開工程により、被曲げ加工板金1´が製造される。
[曲げ加工品製造工程]
次に、曲げ加工品製造工程について、図4を用いて説明する。本実施形態に係る曲げ加工品製造工程は、プレスブレーキ(ベンディングマシン)を用いて被曲げ加工板金1´に対して曲げ加工を行うことで曲げ加工品1を製造する工程である。
次に、曲げ加工品製造工程について、図4を用いて説明する。本実施形態に係る曲げ加工品製造工程は、プレスブレーキ(ベンディングマシン)を用いて被曲げ加工板金1´に対して曲げ加工を行うことで曲げ加工品1を製造する工程である。
プレスブレーキは、図4に示すように、パンチホルダを介してパンチPが取り付けられた上部テーブル(図示せず)と、ダイホルダを介してダイDが取り付けられた下部テーブル(図示せず)と、被曲げ加工板金1´の挿入方向(図4における右方向)の位置決めを行うためのバックゲージBGとを備えている。上部テーブル及び下部テーブルは、相対移動可能に設けられており、これにより、パンチPとダイDとの協働により、被曲げ加工板金1´に対して曲げ加工を施すことが可能に構成されている。
図4(a)に示すように、パンチPは、ダイDに向かって先細りとなる先端形状を有しており、ダイDは、パンチPの先端形状に沿うV字状のV溝40を有している。また、ダイDは、図4(a)及び図4(b)に示すように、V溝40の底部に、後述する曲げ工程において突起片部30を逃がすことが可能な逃げ溝42を有している。
なお、本実施形態では、逃げ溝42を有するダイDを用いるものとして説明するが、これに限定されず、後述する曲げ工程において突起片部30が各重ね合わせ部20A,20Bと共に折り曲げられることを防ぐことが可能な手段であれば、任意の手段を採用することが可能である。例えば、開き角度が異なるV溝が複数形成された多段V溝形式のダイを使用し、上段側のV溝において曲げ加工を行いつつ、下段側のV溝部分(エアベント部分)に突起片部30を逃がす方法で曲げ工程を行っても良い。このような多段V溝形式のダイは、例えば特開平1−186219号公報等に記載されているため、その詳細な説明は省略する。また、突起片部30と整合する位置にダイDが位置しないよう、複数のダイDを間欠的に配置する方法で曲げ工程を行っても良い。
バックゲージBGは、被曲げ加工板金1´の曲げ線がダイDのV溝40の中心線上に位置するように、前後方向の位置(すなわち、L値)を調整可能に構成されている。
以上の構成を備えるプレスブレーキは、バックゲージBGによって被曲げ加工板金1´を位置決めした状態において、パンチPによって被曲げ加工板金1´をダイDに対して押圧することで、該被曲げ加工板金1´をダイDのV溝40に沿って屈曲させることが可能に構成されている。
本実施形態に係る曲げ加工品製造工程は、被曲げ加工板金1´の位置決めを行った状態(図4(a)参照)において被曲げ加工板金1´をV状に屈曲させる曲げ工程(図4(b)参照)を含んでおり、該曲げ工程を全ての曲げ部位(境界線BL1〜BL4)に対して実行することにより、矩形板状の被曲げ加工板金1´から曲げ加工品1(図1参照)を製造する工程である。
ここで、位置決めは、図4(a)に示すように、被曲げ加工板金1´の曲げ部位(各境界線BL1〜BL4)がダイDのV溝40の中心線上に位置するようにバックゲージBGの位置を調整し、その後、バックゲージBGに被曲げ加工板金1´を突き当てることで行われる。また、曲げ工程は、図4(b)に示すように、この位置決め状態において上部テーブルを下部テーブルに対して相対的に下降させ、パンチPによって被曲げ加工板金1´をダイDに対して押圧することで、被曲げ加工板金1´をダイDのV溝40に沿ってV状に屈曲させることで行われる。なお、図4(a)及び図4(b)は、第1側壁部14となる部位14´と第1重ね合わせ部20Aとなる部位20A´との境界線BL1に沿って曲げ加工を行う場合における位置決め状態及び曲げ状態を示している。
本実施形態に係る曲げ加工品製造工程では、曲げ加工品1がハット状(略Ω状)であるため、第1側壁部14となる部位14´と第1重ね合わせ部20Aとなる部位20A´との境界線BL1と、第2側壁部16となる部位16´と第2重ね合わせ部20Bとなる部位20B´との境界線BL2との2箇所については、被曲げ加工板金1´の表面を基準とした場合における谷折りとなるよう曲げ工程を実行し、天面部12となる部位12´と第1側壁部14となる部位14´との境界線BL3と、天面部12となる部位12´と第2側壁部16となる部位16´との境界線BL4との2箇所については、被曲げ加工板金1´の表面を基準とした場合における山折りとなるよう曲げ工程を実行する。
この曲げ工程は、従来の曲げ加工品製造工程からの追加の工程を要することなく、同様の手順にて実行されるが、本実施形態に係る曲げ加工品製造工程では、従来と同様の手順によって、複数の突起片部30を有する曲げ加工品1を製造可能である点において従来の曲げ加工品製造工程と大きく相違している。
すなわち、本実施形態に係る曲げ加工品製造工程では、本体部10となる部位10´と重ね合わせ部20A,20Bとなる部位20A´,20B´との境界線BL1,BL2に沿って曲げ工程を行う際に、図4(b)に示すように、被曲げ加工板金1´における切開線15´(一対の切開線15a,15b及び端部側切開線15c)で囲まれた領域30´以外の部位については、従来と同様に境界線BL1,BL2に沿って屈曲され、各重ね合わせ部20A,20Bを形成する。一方、被曲げ加工板金1´における切開線15´で囲まれた領域30´については、ダイDのV溝40に設けられた逃げ溝42の存在によりパンチPとダイDとの協働による曲げ力が付与されないため、折り曲げられることなくダイDの逃げ溝42内に進入する。そして、このように、本体部10に対して折り曲げられずに残った残部(被曲げ加工板金1´における切開線15´で囲まれた領域30´)が、突起片部30となる。
そして、以上の曲げ加工品製造工程により、従来の曲げ加工品製造工程からの追加の工程を要することなく、同様の手順にて、本体部10と、該本体部10の各下縁部14a,16aから屈曲して延出する左右一対の重ね合わせ部20A,20Bと、本体部10の各下縁部14a,16aから屈曲せずに該本体部10の延在方向に沿って延出する複数の突起片部30とを有する曲げ加工品1が製造される。
以上説明したとおり、本実施形態に係る曲げ加工品1の製造方法は、被曲げ加工板金1´に対し、本体部10となる部位10´と重ね合わせ部20A,20Bとなる部位20A´,20B´との境界線BL1,BL2を跨ぐように、両部位10´,20A´,20B´に亘って一対の切開線15a,15bを形成すると共に、該一対の切開線15a,15bの重ね合わせ部20A,20Bとなる部位20A´,20B´側の端部間に亘って端部側切開線15cを形成する切開工程と、パンチPによって被曲げ加工板金1´をダイDに対して押圧することで、被曲げ加工板金1´における一対の切開線15a,15b及び端部側切開線15cで囲まれた領域30´以外の部位を境界線BL1,BL2に沿って屈曲させ、重ね合わせ部20A,20Bを形成する曲げ工程とを含んでいる。
このような本実施形態に係る曲げ加工品1の製造方法によれば、特許文献1のような両鋼板間に微細固体粒子を配するための特別な設備投資及び作業や、特許文献2のような突起を形成するための特別な設備投資及び作業を要することなく、通常使用する装置を用いて切開線15´を追加的に形成するという極めて僅かな改変のみで、本体部10と、該本体部10の各下縁部14a,16aから屈曲して延出する左右一対の重ね合わせ部20A,20Bと、本体部10の各下縁部14a,16aから屈曲せずに該本体部10の延在方向に沿って延出する複数の突起片部30とを有する曲げ加工品1を製造することが可能となる。
このため、本実施形態に係る曲げ加工品1の製造方法は、作業効率が良く、時間とコストを節約することが可能となるという利点を有する。
そして、このようにして形成された突起片部30は、図5及び図6に示すように、曲げ加工品1の重ね合わせ部20A,20Bを被溶接鋼板2(他の部材)に溶接する際に、曲げ加工品1の重ね合わせ部20A,20Bと被溶接鋼板2との間に0.05mm〜0.15mm程度の微小な間隙を形成するためのスペーサとして機能させることが可能である。なお、この場合における被溶接鋼板2としては、曲げ加工品1に用いられる板金と同様にめっき層を有するめっき鋼板(例えば、亜鉛めっき鋼板、亜鉛−錫めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、ニッケル−亜鉛めっき鋼板等)や、めっき層を有しない他の鋼板(例えばステンレス鋼板等)の種々の鋼板を特に制限なく用いることができる。また、図5では、理解を容易にするために、間隙を誇張して図示している。
このように、本実施形態に係る曲げ加工品1は、突起片部30によって重ね合わせ部20A,20Bと被溶接鋼板2との間に微小な間隙を形成することが可能となるため、重ね合わせ部20A,20Bと被溶接鋼板2とをレーザ等で溶接させる際に発生した気化ガス(亜鉛ガス等)を、該間隙を介して外部へ排出することが可能となり、これにより、ブローホールや肌荒れ等の溶接欠陥の発生を抑制することが可能となる。
また、本実施形態に係る曲げ加工品1の突起片部30は、上述したスペーサとしての機能に代えて、又はこれと共に、位置決め部としての機能を持たせることも可能である。例えば、図7に示すように、被溶接鋼板2に突起片部30が嵌入可能なほぞ溝32を形成し、該ほぞ溝32に突起片部30の全部又は一部を嵌入させる構成としても良い。これにより、被溶接鋼板2に対して曲げ加工品1を正確に位置決めすることが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上記各実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
例えば、曲げ加工品1は、図1〜図7に図示した形状に限定されるものではなく、種々の形状を採用することが可能である。例えば、本体部が断面コ字状以外の形状を有しても良いし、本体部の一方の縁部にのみ重ね合わせ部及び突起片部が形成される構成としても良い。また、図8に示すように、各重ね合わせ部にフランジ部が形成される構成としても良い。以下、各重ね合わせ部にフランジ部が形成される構成(以下、「変形例」という)について、説明する。
[変形例に係る曲げ加工品]
変形例に係る曲げ加工品50は、上述した実施形態に係る曲げ加工品1と同様に、図8に示すように、本体部10と、左右一対の重ね合わせ部(第1重ね合わせ部20A及び第2重ね合わせ部20B)と、複数の第1突起片部30とを有している。
変形例に係る曲げ加工品50は、上述した実施形態に係る曲げ加工品1と同様に、図8に示すように、本体部10と、左右一対の重ね合わせ部(第1重ね合わせ部20A及び第2重ね合わせ部20B)と、複数の第1突起片部30とを有している。
一方、変形例に係る曲げ加工品50は、上述した実施形態に係る曲げ加工品1と異なり、図8に示すように、各重ね合わせ部20A,20Bにおける本体部10と反対側の端部から、本体部10が存在する側に向けて屈曲して延出するフランジ部90A,90Bと、フランジ部90A,90Bの下縁部92から本体部10が存在する側とは反対側に向けて延出する第2突起片部80とを更に有している。なお、本明細書において、「本体部10が存在する側」とは、各重ね合わせ部20A,20Bに沿う平面を境として「本体部10が存在する側」(本変形例では上方側)と「本体部10が存在しない側」(本変形例では下方側)とに区分けした場合における、「本体部10が存在する側」を意味し、「本体部10が存在する側とは反対側」とは、同状態における「本体部10が存在しない側」を意味する。
フランジ部90A,90Bは、各重ね合わせ部20A,20Bに対して屈曲された部位であり、第2突起片部80は、各重ね合わせ部20A,20Bが屈曲されることで本体部10が存在する側とは反対側(本変形例では下方側)に向けて起立された部位である。第2突起片部80は、第1突起片部30と同形同大に形成され、第1突起片部30と整合する位置に配されることが好ましい。
このような変形例に係る曲げ加工品50は、上述した実施形態に係る曲げ加工品1の製造方法と同様の設備を用いて、切断工程、第1切開工程及び第2切開工程を含む被曲げ加工板金製造工程と、第1曲げ工程及び第2曲げ工程を含む曲げ加工品製造工程とにより製造することができる。
変形例に係る被曲げ加工板金製造工程において、切断工程及び第1切開工程は、上述した実施形態に係る被曲げ加工板金製造工程の切断工程及び切開工程と同様であるため、その説明を省略する。
第2切開工程は、図9に示すように、被曲げ加工板金50´に対し、レーザー加工機やパンチプレス等の任意の加工機を用いて、重ね合わせ部20A,20Bとなる部位20A´,20B´とフランジ部90A,90Bとなる部位90A´,90B´との第2境界線BL5,BL6を跨ぐように、両部位0A´,20B´,90A´,90B´に亘って略コ字状の第2切開線17´を形成する工程である。第2切開線17´は、第1切開工程により形成された第1切開線15´と整合する位置に形成され、該対応して配置された第1切開線15´に対して左右対称な形状かつ略同じ大きさを有している。
具体的には、第2切開線17´は、図9に示すように、重ね合わせ部20A,20Bとなる部位20A´,20B´側の端部が切開され、フランジ部90A,90Bとなる部位90A´,90B´側の端部が切開されていない形状を有している。より具体的には、変形例に係る第2切開線17´は、重ね合わせ部20A,20Bとなる部位20A´,20B´からフランジ部90A,90Bとなる部位90A´,90B´に亘って第2境界線BL5,BL6を越えて延びる一対の第2切開線17a,17bと、該一対の第2切開線17a,17bの重ね合わせ部20A,20Bとなる部位20A´,20B´側の端部間に亘って第2境界線BL5,BL6と平行に延びる第2端部側切開線17cとからなる。
また、変形例に係る曲げ加工品製造工程において、第1曲げ工程は、上述した実施形態に係る曲げ加工品製造工程の曲げ工程と同様であるため、その説明を省略する。
第2曲げ工程は、第1重ね合わせ部20Aとなる部位20A´とフランジ部90Aとなる部位90A´との境界線BL5と、第2重ね合わせ部20Bとなる部位20B´とフランジ部90Bとなる部位90B´との境界線BL6との2箇所について、被曲げ加工板金50´の表面を基準とした場合における谷折りとなるよう曲げ加工を実行する工程である。
この第2曲げ加工においても、第1曲げ工程と同様に、被曲げ加工板金50´における第2切開線17´(一対の第2切開線17a,17b及び第2端部側切開線17c)で囲まれた領域80´以外の部位については、第2境界線BL5,BL6に沿って屈曲され、各フランジ部90A,90Bを形成する。一方、被曲げ加工板金50´における第2切開線17´で囲まれた領域80´については、ダイDのV溝40に設けられた逃げ溝42の存在によりパンチPとダイDとの協働による曲げ力が付与されないため、折り曲げられることなくダイDの逃げ溝42内に進入する。そして、このように、各フランジ部90A,90Bに対して折り曲げられずに残った残部(被曲げ加工板金50´における第2切開線17´で囲まれた領域80´)が、第2突起片部80となる。
そして、以上の変形例に係る曲げ加工品製造工程により、従来の曲げ加工品製造工程からの追加の工程を要することなく、同様の手順にて、本体部10と、該本体部10の各下縁部14a,16aから屈曲して延出する左右一対の重ね合わせ部20A,20Bと、本体部10の各下縁部14a,16aから屈曲せずに該本体部10の延在方向に沿って延出する複数の第1突起片部30と、各重ね合わせ部20A,20Bにおける本体部10と反対側の端部から、本体部10が存在する側に向けて屈曲して延出するフランジ部90A,90Bと、フランジ部90A,90Bの下縁部92から本体部10が存在する側とは反対側に向けて延出する第2突起片部80とを有する曲げ加工品50が製造される。
このような変形例に係る曲げ加工品50の製造方法においても、本実施形態に係る曲げ加工品1の製造方法と同様に、作業効率が良く、時間とコストを節約することが可能となるという利点を有する。
また、変形例に係る曲げ加工品50では、各重ね合わせ部20A,20Bの両縁部に第1突起片部30と第2突起片部80とが配されることとなるため、被溶接鋼板2(他の部材)に各重ね合わせ部20A,20Bを重ね合わせる際の安定性が向上するという更なる利点を有する。
さらに、変形例に係る曲げ加工品50では、第1突起片部30と第2突起片部80とにより、各重ね合わせ部20A,20Bと被溶接鋼板2との間に形成される間隙の大きさを高い精度で規定値に保つことが可能となるため、溶接精度が向上するという更なる利点を有する。また、溶接に代えて、各重ね合わせ部20A,20Bと被溶接鋼板2とを接着剤により接着させる場合においても、接着剤による接着力を規定値(カタログ等のデータ)通りに実現することが可能となる。
なお、上述した実施形態及び変形例では、切開線15´,17´がコ字状に形成されるものとして説明したが、これに限定されず、例えばU字状やV字状等の任意の形状を採用しても良い。また、例えばM字状等のように、各境界線BL1,BL2上(変形例においては各境界線BL1〜BL4上)の3箇所以上を切開線が通過する構成としても良い。
また、上述した実施形態及び変形例では、曲げ加工品1に用いられる板金が比較的低温度で気化する金属を含むめっき層を有する鋼板であるものとして説明したが、これに限定されず、めっき層を有しない鋼板であっても良い。なお、曲げ加工品1に用いられる板金がめっき層を有しない鋼板である場合には、被溶接鋼板2は、めっき層を有する鋼板となる。
上記のような変形例が本発明の範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1,50 曲げ加工品
1´,50´ 被曲げ加工板金
2 被溶接鋼板(他の部材)
10 本体部
10´ 本体部となる部位
14a,16a 下縁部(本体部の縁部)
20A,20B 重ね合わせ部
20A´,20B´ 重ね合わせ部となる部位
15´ 切開線(第1切開線)
15a,15b 一対の切開線(一対の第1切開線)
15c 端部側切開線(第1端部側切開線)
17´ 第2切開線
17a,17b 一対の第2切開線
17c 第2端部側切開線
30 突起片部(第1突起片部)
30´ 切開線で囲まれた領域
80 第2突起片部
90A,90B フランジ部
90A´,90B´ フランジ部となる部位
BL1,BL2 境界線(第1境界線)
BL3,BL4 境界線
BL5,BL6 境界線(第2境界線)
D ダイ
P パンチ
1´,50´ 被曲げ加工板金
2 被溶接鋼板(他の部材)
10 本体部
10´ 本体部となる部位
14a,16a 下縁部(本体部の縁部)
20A,20B 重ね合わせ部
20A´,20B´ 重ね合わせ部となる部位
15´ 切開線(第1切開線)
15a,15b 一対の切開線(一対の第1切開線)
15c 端部側切開線(第1端部側切開線)
17´ 第2切開線
17a,17b 一対の第2切開線
17c 第2端部側切開線
30 突起片部(第1突起片部)
30´ 切開線で囲まれた領域
80 第2突起片部
90A,90B フランジ部
90A´,90B´ フランジ部となる部位
BL1,BL2 境界線(第1境界線)
BL3,BL4 境界線
BL5,BL6 境界線(第2境界線)
D ダイ
P パンチ
Claims (8)
- パンチと、V溝を有するダイとの協働により被曲げ加工板金に対して曲げ加工を行うことで、本体部と、該本体部の縁部から屈曲して延出する重ね合わせ部とを有し、該重ね合わせ部を他の部材に接合可能な曲げ加工品を製造する方法であって、
前記被曲げ加工板金に対し、前記本体部となる部位と前記重ね合わせ部となる部位との境界線を跨ぐように両部位に亘って延在し、かつ、前記重ね合わせ部となる部位側の端部において互いに接続された一対の切開線を形成する切開工程と、
前記パンチによって前記被曲げ加工板金を前記ダイに対して押圧することで、前記被曲げ加工板金における前記一対の切開線で囲まれた領域以外の部位を前記境界線に沿って屈曲させ、前記重ね合わせ部を形成する曲げ工程と
を含むことを特徴とする曲げ加工品の製造方法。 - 前記曲げ工程において、前記一対の切開線で囲まれた領域が折り曲げられずに残ることにより、前記本体部の下縁部から屈曲せずに該本体部の延在方向に沿って延出する突起片部が形成され、
前記切開工程において、前記曲げ工程により形成される前記突起片部の前記本体部の下縁部からの突出量が0.05mm〜0.15mmとなるよう、前記一対の切開線を形成する
ことを特徴とする請求項1に記載の曲げ加工品の製造方法。 - 前記切開工程において、前記一対の切開線を、前記境界線に沿って複数組形成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の曲げ加工品の製造方法。 - 前記曲げ加工品は、前記重ね合わせ部における前記本体部と反対側の端部から、前記本体部が存在する側に向けて屈曲して延出するフランジ部を更に有し、
前記切開工程は、
前記被曲げ加工板金に対し、前記本体部となる部位と前記重ね合わせ部となる部位との第1境界線を跨ぐように両部位に亘って延在し、かつ、前記重ね合わせ部となる部位側の端部において互いに接続された一対の第1切開線を形成する第1切開工程と、
前記被曲げ加工板金に対し、前記重ね合わせ部となる部位と前記フランジ部となる部位との第2境界線を跨ぐように両部位に亘って延在し、かつ、前記重ね合わせ部となる部位側の端部において互いに接続された一対の第2切開線を形成する第2切開工程と
を含み、
前記曲げ工程は、
前記被曲げ加工板金における前記一対の第1切開線で囲まれた領域以外の部位を前記第1境界線に沿って屈曲させ、前記重ね合わせ部を形成する第1曲げ工程と、
前記被曲げ加工板金における前記一対の第2切開線で囲まれた領域以外の部位を前記第2境界線に沿って屈曲させ、前記フランジ部を形成する第2曲げ工程と
を含む
ことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の曲げ加工品の製造方法。 - 本体部と、本体部の下縁部から屈曲して延出する重ね合わせ部とを有し、該重ね合わせ部を他の部材に接合可能な曲げ加工品であって、
前記本体部の下縁部から屈曲せずに該本体部の延在方向に沿って延出する突起片部を更に有し、
前記重ね合わせ部は、前記本体部に対して屈曲された部位であり、前記突起片部は、前記本体部に対して折り曲げられずに残った残部である
ことを特徴とする曲げ加工品。 - 前記突起片部は、前記本体部の下縁部からの突出量が0.05mm〜0.15mmである
ことを特徴とする請求項5に記載の曲げ加工品。 - 前記突起片部は、前記本体部の下縁部に沿って複数形成されている
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の曲げ加工品。 - 前記重ね合わせ部における前記本体部と反対側の端部から、前記本体部が存在する側に向けて屈曲して延出するフランジ部と、
前記フランジ部の下縁部から前記本体部が存在する側とは反対側に向けて延出する第2突起片部と
を更に有し、
前記フランジ部は、前記重ね合わせ部に対して屈曲された部位であり、前記第2突起片部は、前記重ね合わせ部が屈曲されることで前記本体部が存在する側とは反対側に向けて起立された部位である
ことを特徴とする請求項5〜7いずれか1項に記載の曲げ加工品。
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JP2019098722A JP2020192567A (ja) | 2019-05-27 | 2019-05-27 | 曲げ加工品の製造方法及び曲げ加工品 |
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