JP2020191834A - 消化器癌患者への癌免疫療法の適用の有効性を判定する方法 - Google Patents

消化器癌患者への癌免疫療法の適用の有効性を判定する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】消化器癌患者への癌免疫療法の適用の有効性を判定する新たな技術を提供する。【解決手段】消化器癌患者への癌免疫療法の適用の有効性を判定する方法であって、前記癌患者由来の生体試料中の、Serine Peptidase Inhibitor, Kazal Type 4(SPINK4)遺伝子のmRNA又はSPINK4タンパク質の存在量を測定することを含み、前記mRNA又は前記タンパク質の存在量が、対照の生体試料中における存在量よりも多いことが、前記癌患者への癌免疫療法の適用の有効性が低いことを示す、方法。【選択図】なし

Description

本発明は、消化器癌患者への癌免疫療法の適用の有効性を判定する方法に関する。より具体的には、本発明は、消化器癌患者への癌免疫療法の適用の有効性を判定する方法、消化器癌患者への癌免疫療法の適用の有効性を判定するためのキット、消化器癌患者への癌免疫療法の有効性の向上剤、消化器癌治療用キット、及び、消化器癌患者への癌免疫療法の有効性の向上剤のスクリーニング方法に関する。
最近、癌細胞を認識するT細胞を誘導する癌免疫療法により、進行期の固形癌でも治癒が可能であることが示されている。癌免疫療法の一つが、抗PD−1抗体等の免疫チェックポイント阻害薬を用いた治療法であり、悪性黒色腫や肺癌をはじめとする多数の癌腫で明らかな臨床効果を示している。しかしながら、大腸癌等の消化器癌における免疫チェックポイント阻害薬の奏効率は極めて低いことが知られている。
ところで、Serine Protease Inhibitors of Kazal Type(SPINK)遺伝子ファミリーは、セリアック病という自己免疫疾患へのかかりやすさに関係している遺伝子であることが報告されている(例えば、非特許文献1を参照)。
Wapenaar M. C., et al., The SPINK gene family and celiac disease susceptibility, Immunogenetics, 59, 349-357, 2007.
消化器癌患者への癌免疫療法の適用の有効性を判定する技術が求められている。しかしながら、非特許文献1には、SPINK遺伝子ファミリーと消化器癌との関連については一切記載されていない。本発明は、消化器癌患者への癌免疫療法の適用の有効性を判定する新たな技術を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を含む。
[1]消化器癌患者への癌免疫療法の適用の有効性を判定する方法であって、前記癌患者由来の生体試料中の、Serine Peptidase Inhibitor, Kazal Type 4(SPINK4)遺伝子のmRNA又はSPINK4タンパク質の存在量を測定することを含み、前記mRNA又は前記タンパク質の存在量が、対照の生体試料中における存在量よりも多いことが、前記癌患者への癌免疫療法の適用の有効性が低いことを示す、方法。
[2]前記生体試料が、腫瘍組織である、[1]に記載の方法。
[3]SPINK4遺伝子のcDNAを増幅するプライマーセット、SPINK4遺伝子のmRNAにハイブリダイズするプローブ又はSPINK4タンパク質に対する特異的結合物質を含む、消化器癌患者への癌免疫療法の適用の有効性を判定するためのキット。
[4]SPINK4タンパク質の阻害薬を有効成分として含有する、消化器癌患者への癌免疫療法の有効性の向上剤。
[5][4]に記載の消化器癌患者への癌免疫療法の有効性の向上剤と、抗癌剤とを含む、消化器癌治療用キット。
[6]消化器癌患者への癌免疫療法の有効性の向上剤のスクリーニング方法であって、被験物質の存在下でSPINK4タンパク質のプロテアーゼ活性を測定すること、を含み、前記プロテアーゼ活性が、前記被験物質の非存在下におけるSPINK4タンパク質のプロテアーゼ活性と比較して低下することが、前記被験物質が消化器癌患者への癌免疫療法の有効性の向上剤であることを示す、方法。
本発明によれば、消化器癌患者への癌免疫療法の適用の有効性を判定する新たな技術を提供することができる。
実験例1の結果を示すグラフである。 実験例2の結果を示すグラフである。 実験例3の結果を示すグラフである。 実験例4の結果を示すグラフである。 (a)及び(b)は、実験例5の結果を示すグラフである。 実験例6における代表的な免疫染色の結果を示す光学顕微鏡写真である。 実験例7の結果を示すグラフである。 実験例8の結果を示すグラフである。
[癌患者への癌免疫療法の適用の有効性を判定する方法]
1実施形態において、本発明は、消化器癌患者への癌免疫療法の適用の有効性を判定する方法であって、前記癌患者由来の生体試料中の、SPINK4遺伝子のmRNA又はSPINK4タンパク質の存在量を測定することを含み、前記mRNA又は前記タンパク質の存在量が、対照の生体試料中における存在量よりも多いことが、前記癌患者への癌免疫療法の適用の有効性が低いことを示す、方法を提供する。
主要なSPINK遺伝子ファミリーメンバー(SPINK1、2、4、5)は、上皮細胞や粘膜組織のタンパク質分解に対する保護に関わっている。なかでも、SPINK4タンパク質は、杯細胞、単球、中枢神経系で発現が認められるタンパク質であることが知られている。杯細胞とは、粘液分泌性の単細胞腺であり、腸絨毛において吸収上皮細胞間に、気道粘膜においては多列繊毛上皮間に散在している細胞である。
実施例において後述するように、発明者らは、ヒト及びマウスにおいて、癌細胞によるSPINK4遺伝子又はタンパク質の発現が上昇すると、癌免疫療法の適用の有効性が低下することを明らかにした。
したがって、消化器癌患者由来の生体試料中の、SPINK4遺伝子のmRNA又はSPINK4タンパク質の存在量が、対照の生体試料中における存在量よりも多い場合、前記癌患者への癌免疫療法の適用の有効性が低いと判断することができる。消化器癌としては特に限定されないが、特に、大腸癌、胃癌等が挙げられる。
ヒトSPINK4遺伝子のNCBIアクセッション番号はNM_014471.3であり、ヒトSPINK4タンパク質のNCBIアクセッション番号はNP_055286.1である。また、マウスSPINK4遺伝子のNCBIアクセッション番号はNM_011463.2であり、マウスSPINK4タンパク質のNCBIアクセッション番号はNP_035593.2である。
本実施形態の方法において、SPINK4遺伝子のmRNA又はSPINK4タンパク質は、消化器癌患者(又は患畜)と同種であるmRNA又はタンパク質を検出することが好ましく、ヒトの癌患者への癌免疫療法の適用の有効性を判定する場合には、ヒトSPINK4遺伝子のmRNA又はヒトSPINK4タンパク質を検出することが好ましい。
本実施形態の方法において、生体試料としては腫瘍組織が好ましい。また、対照の生体試料としては、例えば、癌免疫療法の適用が有効であることが予め確認されている患者由来の腫瘍組織、健常者における前記腫瘍組織に対応する組織由来の試料等を用いることができる。
また、本実施形態の方法を実施するたびに対照の生体試料を用意する必要はなく、あらかじめ対照の生体試料中における、SPINK4遺伝子のmRNA又はSPINK4タンパク質の存在量を測定しておき、当該測定値を、癌患者由来の生体試料中における、SPINK4遺伝子のmRNA又はSPINK4タンパク質の存在量と比較してもよい。
SPINK4遺伝子のmRNAの存在量の測定方法は特に限定されず、例えば、RT−PCR、定量的RT−PCT、DNAマイクロアレイ解析等により行うことができる。
また、SPINK4タンパク質の存在量の測定方法は特に限定されず、例えば、免疫染色、ELISA、ウエスタンブロッティング、フローストリップ法、プロテインチップ等により行うことができる。
本実施形態の方法において、癌免疫療法としては、免疫チェックポイント阻害薬の投与、サイトカイン療法、養子免疫療法、癌ワクチン療法等が挙げられる。養子免疫療法としては、体外で培養した腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を投与する治療法、癌抗原に対するT細胞受容体(TCR)遺伝子導入T細胞(TCR−T)を投与する治療法、キメラ抗原受容体遺伝子導入T細胞(CAR−T)を投与する治療法等が挙げられる。
免疫チェックポイント阻害薬としては、例えば、抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体、抗CTLA−4抗体等が挙げられる。抗PD−1抗体としては、例えば、ニボルマブ、ペムブロリズマブ等が挙げられる。抗CTLA−4抗体としては、例えば、イピリムマブ等が挙げられる。抗PD−L1抗体としては、例えば、アベルマブ、アテゾリズマブ等が挙げられる。
[消化器癌患者への癌免疫療法の適用の有効性を判定するためのキット]
1実施形態において、本発明は、SPINK4遺伝子のcDNAを増幅するプライマーセット、SPINK4遺伝子のmRNAにハイブリダイズするプローブ又はSPINK4タンパク質に対する特異的結合物質を含む、消化器癌患者への癌免疫療法の適用の有効性を判定するためのキットを提供する。
本実施形態のキットにより、上述した、消化器癌患者への癌免疫療法の適用の有効性を判定する方法を実施することができる。
プライマーセットとしては、SPINK4遺伝子のcDNAを増幅することができるものであれば特に限定されない。
また、プローブとしては、SPINK4遺伝子のmRNAに特異的にハイブリダイズするものであれば特に限定されない。プローブは、担体上に固定されてDNAマイクロアレイ等を構成していてもよい。
また、特異的結合物質としては、抗体、抗体断片、核酸アプタマー、ペプチドアプタマー等が挙げられる。抗体断片としては、F(ab’)、Fab’、Fab、Fv、scFv等が挙げられる。特異的結合物質は、SPINK4タンパク質に特異的に結合することができれば特に制限されず、市販のものであってもよい。また、特異的結合物質は、担体上に固定されてプロテインチップ等を構成していてもよい。
[消化器癌患者への癌免疫療法の有効性の向上剤]
1実施形態において、本発明は、SPINK4タンパク質の阻害薬を有効成分として含有する、消化器癌患者への癌免疫療法の有効性の向上剤を提供する。
実施例において後述するように、癌細胞におけるSPINK4遺伝子又はタンパク質の発現を抑制することにより、癌免疫療法の有効性を向上することができる。したがって、SPINK4タンパク質の阻害薬を、消化器癌患者への癌免疫療法の有効性の向上剤の用途に用いることができる。
本実施形態の向上剤において、SPINK4タンパク質の阻害薬とは、SPINK4タンパク質の機能を阻害する物質であれば特に限定されない。より具体的には、例えば、SPINK4遺伝子の転写又は翻訳を阻害する物質、SPINK4タンパク質の阻害薬等が挙げられる。SPINK4タンパク質の阻害薬は低分子化合物であってもよい。
SPINK4遺伝子の転写又は翻訳を阻害する物質の具体例としては、SPINK4遺伝子のmRNAに対する阻害性核酸が挙げられる。また、阻害性核酸としては、siRNA、shRNA等が挙げられる。ヒトSPINK4遺伝子に対するsiRNA、shRNAの具体的な標的配列としては、例えば配列番号2〜4に示すものを例示することができる。
SPINK4タンパク質の阻害薬としては、SPINK4タンパク質のプロテアーゼ活性を阻害する物質等が挙げられる。
[消化器癌治療用キット]
1実施形態において、本発明は、上述した癌免疫療法の有効性の向上剤と、抗癌剤とを含む、消化器癌治療用キットを提供する。
消化器癌患者に、上述した癌免疫療法の有効性の向上剤と抗癌剤とを組み合わせて投与することにより、癌免疫療法の有効性(治療効果)を向上させることができる。ここで、癌免疫療法の有効性(治療効果)としては、腫瘍体積が縮小すること、生存期間が延長すること、無増悪生存率が上昇すること等が挙げられる。本実施形態のキットにおいて、癌免疫療法の有効性の向上剤と抗癌剤とは、別々に患者に投与してもよいし、混合して患者に投与してもよい。
抗癌剤としては、癌免疫療法に用いられる薬物等が挙げられ、例えば、免疫チェックポイント阻害薬、サイトカイン療法に用いられるサイトカイン、養子免疫療法に用いられる細胞、癌ワクチン療法に用いられるワクチン等が挙げられる。
免疫チェックポイント阻害薬としては上述したものと同様であり、例えば、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、イピリムマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ等が挙げられる。サイトカイン療法に用いられるサイトカインとしては、IL−2、IFN−α、IFN−β、IFN−2、IFN−γ等が挙げられる。養子免疫療法に用いられる細胞としては、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、TCR遺伝子導入T細胞(TCR−T)、キメラ抗原受容体遺伝子導入T細胞(CAR−T)等が挙げられる。癌ワクチン療法に用いられるワクチンとしては、ペプチドワクチン、樹状細胞ワクチン等が挙げられる。
[消化器癌患者への癌免疫療法の有効性の向上剤のスクリーニング方法]
1実施形態において、本発明は、消化器癌患者への癌免疫療法の有効性の向上剤のスクリーニング方法であって、被験物質の存在下でSPINK4タンパク質のプロテアーゼ活性を測定すること、を含み、前記プロテアーゼ活性が、前記被験物質の非存在下におけるSPINK4タンパク質のプロテアーゼ活性と比較して低下することが、前記被験物質が消化器癌患者への癌免疫療法の有効性の向上剤であることを示す、方法を提供する。本実施形態のスクリーニング方法により、消化器患者に対する癌免疫療法の有効性の向上剤をスクリーニングすることができる。
被験物質としては特に制限されず、例えば、天然化合物ライブラリ、合成化合物ライブラリ、既存薬ライブラリ、代謝物ライブラリ等が挙げられる。
まず、被験物質の存在下で、SPINK4タンパク質のプロテアーゼ活性を測定する。本工程は、精製されたSPINK4タンパク質を用いて試験管内で実施してもよいし、SPINK4遺伝子の発現ベクターを導入した細胞等を用いて実施してもよい。
SPINK4のプロテアーゼ活性は、例えば、SPINK4タンパク質と、SPINK4のプロテアーゼ活性により分解されると蛍光を発するペプチド基質を反応させること等により測定することができる。その結果、被験物質の存在下におけるSPINK4タンパク質のプロテアーゼ活性が、被験物質の非存在下におけるSPINK4タンパク質のプロテアーゼ活性と比較して低下した場合、当該被験物質は癌免疫療法の有効性の向上剤又はその候補である。
[その他の実施形態]
1実施形態において、本発明は、消化器癌患者由来の生体試料中の、SPINK4遺伝子のmRNA又はSPINK4タンパク質の存在量を測定することと、前記mRNA又は前記タンパク質の存在量が、対照の生体試料中における存在量と同等以下である場合に、前記癌患者に癌免疫療法を適用することと、を含む、消化器癌の治療方法を提供する。
1実施形態において、本発明は、消化器癌患者由来の生体試料中の、SPINK4遺伝子のmRNA又はSPINK4タンパク質の存在量を測定することと、前記mRNA又は前記タンパク質の存在量が、対照の生体試料中における存在量よりも高い場合に、前記癌患者に、SPINK4タンパク質の阻害薬及び抗癌剤を投与することと、を含む、癌の治療方法を提供する。
1実施形態において、本発明は、消化器癌の治療のためのSPINK4タンパク質の阻害薬を提供する。
1実施形態において、本発明は、消化器癌の治療薬を製造するためのSPINK4タンパク質の阻害薬の使用を提供する。
これらの各実施形態において、生体試料、対照、癌免疫療法、抗癌剤、SPINK4タンパク質の阻害薬については上述したものと同様である。
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実験例1]
(種々のヒト癌組織におけるSPINK4の発現量の検討)
公開データベースOncomine(https://www.oncomine.org/)を用いて、各癌組織でのSPINK4遺伝子の発現量を比較した。図1は解析結果を示すグラフである。図1中、横軸は、Spink4が各々の癌種において、それ以外の他の癌種と比べて発現量が何倍であったか(相対値)を示す。
その結果、大腸癌、胃癌等の消化器癌において、SPINK4遺伝子の発現量が高い症例が存在することが明らかとなった。
[実験例2]
(癌細胞におけるSPINK4遺伝子の発現とT細胞による殺傷の検討1)
癌抗原であるMART−1に特異的なT細胞レセプター遺伝子を強制発現した抗腫瘍T細胞と、MART−1のエピトープペプチド(ELAGIGILTV(配列番号1))をパルスした大腸癌細胞株を共培養し、T細胞によって殺傷された大腸癌細胞の割合を測定した。
大腸癌細胞株としては、ヒト大腸癌細胞株であるcolo201細胞を使用した。また、比較のために、colo201細胞にSPINK4遺伝子の発現ベクターを導入してSPINK4を強制発現させた細胞についても同様の検討を行った。
図2は、結果を示すグラフである。図2中、横軸は共培養時のT細胞(E)と癌細胞(T)の比を示し、縦軸は、T細胞によって殺傷された大腸癌細胞の割合を示す。また、「colo201−SPINK4」はSPINK4を強制発現したcolo201細胞の結果であることを示し、「***」はp<0.005で有意差があったことを示す。
その結果、colo201細胞と比較して、SPINK4強制発現細胞はT細胞の攻撃に対して耐性となったことが明らかとなった。この結果は、SPINK4遺伝子又はタンパク質の発現が上昇した癌細胞は、癌免疫療法の適用の有効性が低いことを示すものである。
[実験例3]
(癌細胞におけるSPINK4遺伝子の発現とT細胞による殺傷の検討2)
癌抗原であるMART−1に特異的なT細胞レセプター遺伝子を強制発現した抗腫瘍T細胞と、MART−1のエピトープペプチド(ELAGIGILTV(配列番号1))をパルスした大腸癌細胞株を共培養し、T細胞によって殺傷された大腸癌細胞の割合を測定した。
大腸癌細胞株としては、SPINK4陽性のヒト大腸癌細胞株であるHT29にHLA−A2を強制発現させたHT29−A2細胞を使用した。また、比較のために、SPINK4遺伝子を、配列番号2に示す塩基配列を標的配列とするsiRNA(以下、「siSPINK4#1」という場合がある。)でノックアウトしたHT29−A2細胞株、配列番号3に示す塩基配列を標的配列とするsiRNA(以下、「siSPINK4#2」という場合がある。)でノックアウトしたHT29−A2細胞株についても同様の検討を行った。
図3は、結果を示すグラフである。図3中、横軸は共培養時のT細胞(E)と癌細胞(T)の比を示し、縦軸は、T細胞によって殺傷された大腸癌細胞の割合(%)を示す。また、「HT29−A2」はHT29−A2細胞の結果であることを示し、「#1」はsiSPINK4#1でSPINK4遺伝子をノックアウトしたHT29−A2細胞株の結果であることを示し、「#2」はsiSPINK4#2でSPINK4遺伝子をノックアウトしたHT29−A2細胞株の結果であることを示し、「**」はp<0.01で有意差があったことを示す。
その結果、HT29−A2細胞と比較して、SPINK4遺伝子のノックアウト株は、T細胞の攻撃に対し感受性が上昇したことが明らかとなった。この結果は、SPINK4遺伝子又はタンパク質の発現を低下させることにより、癌細胞に対する癌免疫療法の適用の有効性を向上させることができることを示すものである。
[実験例4]
(癌細胞におけるSPINK4遺伝子の発現とパーフォリン及びグランザイムBの影響の検討)
ヒト大腸癌細胞株であるDLD−1細胞にSPINK4遺伝子に対するsiRNAを導入し、パーフォリン及びグランザイムBの影響を検討した。なお、パーフォリン及びグランザイムBは、細胞傷害性T細胞やナチュラルキラーT細胞が分泌し、細胞傷害活性を発現する因子であることが知られている。
siRNAとしては、siSPINK4#1(標的配列を配列番号2に示す。)、siSPINK4#2(標的配列を配列番号3に示す。)、siSPINK4#3(標的配列を配列番号4に示す。)を使用した。また、対照として、スクランブルRNAを導入した細胞についても同様の検討を行った。
図4は、結果を示すグラフである。図4中、「scr」はスクランブルRNAを導入した細胞の結果であることを示し、「siSPINK4#1」はsiSPINK4#1を導入した細胞の結果であることを示し、「siSPINK4#2」はsiSPINK4#2を導入した細胞の結果であることを示し、「siSPINK4#3」はsiSPINK4#3を導入した細胞の結果であることを示す。また、SPINK4の発現が「+」であるものは、スクランブルRNAを導入した細胞の結果であることを示し、SPINK4の発現が「−」であるものは、SPINK4遺伝子に対するsiRNAを導入した細胞の結果であることを示す。また、パーフォリンが「+」であるものは、培地中にパーフォリンを添加した結果であることを示し、パーフォリンが「−」であるものは、培地中にパーフォリンを添加しなかった結果であることを示す。また、グランザイムBが「+」であるものは、培地中にグランザイムBを添加した結果であることを示し、グランザイムBが「−」であるものは、培地中にグランザイムBを添加しなかった結果であることを示す。また、「*」はp<0.05で有意差があったことを示す。
その結果、SPINK4遺伝子をノックダウンするとパーフォリン及びグランザイムBによる細胞死が誘導されたことが明らかとなった。この結果は、SPINK4遺伝子又はタンパク質の発現を低下させることにより、癌細胞に対する癌免疫療法の適用の有効性を向上させることができることを更に支持するものである。
[実験例5]
(大腸癌組織におけるSPINK4遺伝子の発現と予後との関連性の検討)
公開データベースであるThe Cancer Genome Atlas(TCGA)を用いて大腸癌患者の予後解析を行った。具体的には、CD8遺伝子及びSPINK4遺伝子の発現量に基づいて、各大腸癌患者を(i)CD8遺伝子高発現、SPINK4遺伝子低発現群、(ii)CD8遺伝子高発現、SPINK4遺伝子高発現群、(iii)CD8遺伝子低発現、SPINK4遺伝子低発現群、(iv)CD8遺伝子低発現、SPINK4遺伝子高発現群、の4群に分け、予後解析を行った。
TCGAでは、マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability、MSI)による癌の分類もなされており、マイクロサテライト不安定性が高いMSI−High、マイクロサテライト不安定性が低いMSI−Low、マイクロサテライトが安定であるMSS(microsatellite stable)の三段階に分類されている。
図5(a)及び(b)は、MSI−Highを除いたステージII及びIIIの大腸癌患者の予後解析の結果を示すグラフである。図5(a)はCD8遺伝子高発現群の結果であり、図5(b)はCD8遺伝子低発現群の結果である。図5(a)及び(b)中、「CD8HiSPINK4Lo」はCD8遺伝子高発現、SPINK4遺伝子低発現群の結果であることを示し、「CD8HiSPINK4Hi」はCD8遺伝子高発現、SPINK4遺伝子高発現群の結果であることを示し、「CD8LoSPINK4Lo」はCD8遺伝子低発現、SPINK4遺伝子低発現群の結果であることを示し、「CD8LoSPINK4Hi」はCD8遺伝子低発現、SPINK4遺伝子高発現群の結果であることを示す。また、「N.S.」は有意差が存在しないことを示す。
その結果、CD8遺伝子高発現群において、SPINK4遺伝子低発現群とSPINK4遺伝子高発現群の予後に有意差が認められ、CD8遺伝子高発現、SPINK4遺伝子低発現群の予後が最も良好であることが明らかとなった(p=0.0197)。
[実験例6]
(大腸癌組織におけるSPINK4タンパク質の発現の検討)
大腸癌患者由来の大腸癌組織の切片を免疫染色し、SPINK4タンパク質の発現を検討した。図6は代表的な免疫染色の結果を示す光学顕微鏡写真である。倍率は10倍である。図6中、黒矢印は胚細胞様細胞においてSPINK4タンパク質が高発現している領域を示す。また、白抜きの矢印は胚細胞様細胞ではない細胞においてSPINK4タンパク質が低発現している領域を示す。SPINK4の発現パターンには、主にこれらの2種類が存在することが明らかとなった。
[実験例7]
(抗PD−1抗体療法の有効性の検討)
マウス大腸癌細胞株CT26にマウスSPINK4遺伝子の発現ベクターを遺伝子導入し、安定過剰発現細胞株を得た。
続いて、野生型のBalb/cマウスの側腹部位に、SPINK4遺伝子を過剰発現させたCT26細胞株を移植し、腫瘍の体積を経時的に測定した。また、比較のために、野生型のBalb/cマウスの側腹部位に、SPINK4遺伝子の発現ベクターを導入していないCT26細胞株を移植し、腫瘍の体積を経時的に測定した。
また、細胞移植から6日目、9日目、13日目、16日目、20日目に、各マウスに抗PD−1抗体200μg/マウスを腹腔内投与した。また、比較のために、抗PD−1抗体の代わりにアイソタイプコントロール抗体200μg/マウスを腹腔内投与した群も用意した。
図7は、各群のマウスの腫瘍の体積の経時変化を示すグラフである(n=6)。図7中、「MOCK」はSPINK4遺伝子の発現ベクターを導入していないCT26細胞株を移植したマウスの結果であることを示し、「SPINK4」はSPINK4遺伝子を過剰発現させたCT26細胞株を移植したマウスの結果であることを示し、「アイソタイプ抗体」は、アイソタイプコントロール抗体を投与したマウスの結果であることを示し、「抗PD−1抗体」は抗PD−1抗体を投与したマウスの結果であることを示す。また、「*」はp<0.05で有意差があったことを示し、「**」はp<0.01で有意差があったことを示す。
その結果、SPINK4遺伝子の発現ベクターを導入していないCT26細胞株を移植したマウスでは、抗PD−1抗体の投与により腫瘍体積の増加が有意に抑制された。これに対し、SPINK4遺伝子を過剰発現させたCT26細胞株を移植したマウスでは、抗PD−1抗体の投与による腫瘍体積の増加の抑制が認められなくなり、抗PD−1抗体療法に対して不適応になったことが明らかとなった。
[実験例8]
(細胞傷害性T細胞の検討)
実験例7で作製した担癌マウス(細胞移植から27日目)より、腫瘍組織を摘出した。続いて、各マウスから腫瘍組織を摘出し、はさみで切り刻んだ後、コラゲナーゼ溶液20mL中に入れ、37℃で30分間振盪した。コラゲナーゼ溶液は、RPMI1640に、2mg/mLコラゲナーゼ及び30U/mL DNaseを添加したものであった。その後、CD8磁気ビーズ(Miltenyi社)を用いて、CD8陽性T細胞を分離した。
続いて、得られたCD8陽性T細胞(1×10個)のそれぞれを、野生型健常マウスより採取し、32Gyの放射線照射処理した脾臓細胞(1×10個)と混合し、腫瘍抗原gp70ペプチド(マウス白血病ウイルスMuLV env gp70の第423〜431番目のアミノ酸からなるペプチド:SPSYVYHQF、配列番号5)(1.0μg/mL)、ヒトインターロイキン(IL)−2(20U/mL)、マウスIL−7(10ng/mL)を含む10%ウシ胎児血清含有RPMI1640培地中、48ウェルプレート(1mL/ウェル)で、2日間培養した。
続いて、Lymphoprep(Alere Technologies AS)を用いてT細胞を回収した。続いて、回収したT細胞(1.8×10個)を、マウス肉腫由来の細胞であるMeth−A細胞(1×10個)と終濃度1μg/mLのgp70ペプチドの存在下、96ウェルプレート(200μL/ウェル)中、10%ウシ胎児血清含有RPMI1640培地で、各群3ウェルずつ混合培養し、培養24時間後の培養上清中のIFN−γをELISA法で測定した。
また、比較のために、gp70ペプチドの代わりに無関係のβ−galペプチド(β−ガラクトシダーゼの第876〜884番目のアミノ酸からなるペプチド:TPHPARIGL、配列番号6)(1.0μg/mL)を接触させた群も用意した。
腫瘍組織中に癌抗原特異的細胞傷害性T細胞が存在した場合、癌抗原ペプチドを接触させることによりIFN−γが産生される。
図8は、IFN−γの産生量を定量した結果を示すグラフである。図8中、「MOCK」はSPINK4遺伝子の発現ベクターを導入していないCT26細胞を移植したマウス由来の腫瘍組織の結果であることを示し、「SPINK4」はSPINK4遺伝子を過剰発現させたCT26細胞を移植したマウス由来の腫瘍組織の結果であることを示し、「gp70」はgp70ペプチドを接触させた結果であることを示し、「β−gal」はβ−galペプチドを接触させた結果であることを示す。また、また、「*」はp<0.05で有意差があったことを示し、「n.s.」は、有意差が認められなかったことを示す。
その結果、SPINK4遺伝子の発現ベクターを導入していないCT26細胞を移植したマウス由来の腫瘍組織には、癌抗原特異的細胞傷害性T細胞が存在することが明らかとなった。これに対し、SPINK4遺伝子を過剰発現させたCT26細胞を移植したマウス由来の腫瘍組織には、癌抗原特異的細胞傷害性T細胞の存在が明確には認められなかった。
この結果は、癌細胞がSPINK4遺伝子を過剰発現すると、腫瘍組織において、癌抗原特異的細胞傷害性T細胞の数が減少することを示す。この結果は、SPINK4遺伝子又はタンパク質の発現が上昇した癌細胞は、癌免疫療法の適用の有効性が低いこと、SPINK4を阻害できれば治療効果の向上が見込まれることを更に支持するものである。
本発明によれば、消化器癌患者への癌免疫療法の適用の有効性を判定する新たな技術を提供することができる。

Claims (6)

  1. 消化器癌患者への癌免疫療法の適用の有効性を判定する方法であって、
    前記癌患者由来の生体試料中の、Serine Peptidase Inhibitor, Kazal Type 4(SPINK4)遺伝子のmRNA又はSPINK4タンパク質の存在量を測定することを含み、
    前記mRNA又は前記タンパク質の存在量が、対照の生体試料中における存在量よりも多いことが、前記癌患者への癌免疫療法の適用の有効性が低いことを示す、方法。
  2. 前記生体試料が、腫瘍組織である、請求項1に記載の方法。
  3. SPINK4遺伝子のcDNAを増幅するプライマーセット、SPINK4遺伝子のmRNAにハイブリダイズするプローブ又はSPINK4タンパク質に対する特異的結合物質を含む、消化器癌患者への癌免疫療法の適用の有効性を判定するためのキット。
  4. SPINK4タンパク質の阻害薬を有効成分として含有する、消化器癌患者への癌免疫療法の有効性の向上剤。
  5. 請求項4に記載の消化器癌患者への癌免疫療法の有効性の向上剤と、抗癌剤とを含む、消化器癌治療用キット。
  6. 消化器癌患者への癌免疫療法の有効性の向上剤のスクリーニング方法であって、
    被験物質の存在下でSPINK4タンパク質のプロテアーゼ活性を測定すること、を含み、
    前記プロテアーゼ活性が、前記被験物質の非存在下におけるSPINK4タンパク質のプロテアーゼ活性と比較して低下することが、前記被験物質が消化器癌患者への癌免疫療法の有効性の向上剤であることを示す、方法。
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