JP2020191749A - モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】ステータの端部に軸受を適正に配置することのできるモータを提供すること。【解決手段】モータ1において、ステータ4の反出力側Laの端部に端板8が固定され、端板8には軸受9が固定されている。軸受9は、端板8から出力側Lbに突出したフランジ部92の径方向外側の端部920が外ステータコア44の極歯45に対して固定されずに径方向内側から当接することによって径方向で位置決めされている。極歯45は、径方向内側に向けて凸状に湾曲して折れ曲がった根元部分451と、根元部分451からモータ軸線Lに沿って延在する先端部分452とを備えており、軸受9は、極歯45の先端部分452のうち、根元部分451に近い部分に対して径方向内側から当接している。従って、軸受9が傾いた姿勢で固定されるという事態が発生しにくいので、軸受9によって回転軸30を適正に支持することができる。【選択図】図2
Description
本発明は、ステータのモータ軸線方向の一方側の端部に固定された端板に軸受が保持されたモータに関するものである。
回転軸の外周に磁石を備えたロータと、ロータの外周側に配置された筒状のステータとを有するモータにおいて、ステータのモータ軸線方向の反出力側の端部に固定された端板に軸受が保持された構造が提案されており、回転軸は、軸受の軸穴によって回転可能に支持される。かかる構造のモータにおいて、軸受のうち、端板からモータ軸線方向の出力側に突出した部分がステータの内周面のうち、出力側の端部への嵌合により固定された構造が提案されている(特許文献1参照)。
ステータの内周面では、ステータコアの環状部の内縁からモータ軸線に折れ曲がった極歯が周方向に複数配列された構造になっているため、特許文献1に記載の構造では、軸受は複数の極歯の内面によって規定される円形の空洞に嵌合することになる。このため、軸受を嵌合させる際、極歯が変形し、軸受が傾いた姿勢で固定されることがある。その結果、軸受の軸穴の中心軸線に傾き等が発生してしまい、回転軸を適正に支持できなくなるという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、ステータの端部に軸受を適正に配置することのできるモータを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るモータは、回転軸の外周に磁石を備えたロータと、前記ロータの外周側に配置された筒状のステータと、前記ステータのモータ軸線方向の一方側の端部に固定された端板と、前記端板に固定され、前記回転軸を内側で回転可能に支持する筒状の軸受と、を有し、前記ステータの前記一方側の端部に設けられたステータコアは、環状部と、環状部の内縁から前記モータ軸線方向の他方側に折れ曲がった極歯と、を備え、前記軸受は、前記軸受のうち、前記端板から前記他方側に突出した部分が前記極歯に対して固定されずに径方向内側から当接することによって径方向で位置決めされていることを特徴とする。
本発明では、ステータのモータ軸線方向の一方側の端部に端板が固定され、端板には軸受が固定されている。ここで、軸受は、軸受のうち、端板からモータ軸線方向の他方側に突出した部分が極歯に対して固定されずに径方向内側から当接することによって径方向で位置決めされている。すなわち、軸受は、極歯に対して固定されずに径方向内側から当接することによって径方向で位置決めされた状態で端板に固定されている。このため、軸受をステータに嵌合させる必要がないので、極歯を変形させることがない。従って、軸受が傾いた姿勢で固定されるという事態が発生しにくいので、軸受によって回転軸を適正に支持することができる。
本発明において、径方向からみたとき、前記軸受の内周面のうち、前記回転軸が摺動する摺動面と、前記軸受が前記極歯の前記内周面に当接する部分とが重なっている態様を採用することができる。かかる態様によれば、軸受において回転軸が摺動する摺動面の径方向の位置を極歯の内周面を基準に適正に設定することができる。
本発明において、前記極歯は、径方向内側に向けて凸状に湾曲して折れ曲がった根元部分と、前記根元部分から前記モータ軸線に沿って延在する先端部分と、を備え、前記軸受は、前記極歯の前記先端部分に対して径方向内側から当接している態様を採用することができる。かかる態様によれば、極歯のうち、形状等のばらつきが多い根元部分を避けて、形状等のばらつきの少ない先端部分を基準に軸受を位置決めすることができる。
本発明において、前記端板の前記一方側の面には、前記貫通穴の周りで前記他方側に向けて凹んだ凹部が形成され、前記軸受は、前記筒部の一部が前記凹部の底部から前記一方側に突出した状態で前記端板に固定されている態様を採用することができる。かかる態様によれば、筒部の一部が凹部の底部から一方側に突出した状態で軸受を端板に固定した場合でも、端板からモータ軸線方向の外側への軸受の突出を抑制することができる。
本発明において、前記軸受は、前記筒部のうち、前記一方側の端面の外周側部分に対するカシメにより前記端板に固定されている態様を採用することができる。
本発明において、前記筒部は、前記凹部から前記一方側に突出していない態様を採用することができる。
本発明において、前記端面における前記カシメの痕は、前記端面の外縁から径方向内側に向かって前記筒部の径方向の肉厚の1/2を超える寸法を有している態様を採用することができる。かかる態様によれば、カシメを施した領域が広いので、軸受の筒部の外径が小さい場合でも、端板と軸受とを強固に固定することができる。
本発明において、前記端板の前記他方側の面は、前記凹部と重なる部分が前記ステータと重なる部分より前記他方側に突出した凸部になっている態様を採用することができる。かかる態様によれば、端板に凹部を形成した場合でも、端板の強度低下を抑制することができる。
本発明において、前記端面では、前記回転軸が挿入された軸穴が開口しており、前記端面は、環状になっている態様を採用することができる。
本発明において、前記回転軸の前記一方側の軸端は、前記筒部の内側に位置する態様を採用することができる。かかる態様によれば、モータのモータ軸線方向の寸法を短縮することができる。
本発明において、前記一方側は、前記回転軸が回転を出力する出力側、および前記出力側とは反対側の反出力側のうち、前記反出力側である態様を採用することができる。
本発明では、ステータのモータ軸線方向の一方側の端部に端板が固定され、端板には軸受が固定されている。ここで、軸受は、軸受のうち、端板からモータ軸線方向の他方側に突出した部分が極歯に対して固定されずに径方向内側から当接することによって径方向で位置決めされている。すなわち、軸受は、極歯に対して固定されずに径方向内側から当接することによって径方向で位置決めされた状態で端板に固定されている。このため、軸受をステータに嵌合させる必要がないので、極歯を変形させることがない。従って、軸受が
傾いた姿勢で固定されるという事態が発生しにくいので、軸受によって回転軸を適正に支持することができる。
傾いた姿勢で固定されるという事態が発生しにくいので、軸受によって回転軸を適正に支持することができる。
図面を参照して、本発明を適用したモータ1の一例を説明する。なお、以下の説明において、軸線L方向(モータ軸線方向)とは回転軸30の中心軸線(モータ軸線)が延在している方向であり、軸線L方向において、回転軸30が回転を出力する側が「出力側Lb」であり、出力側Lbとは反対側が「反出力側La」である。以下に説明する実施形態では、回転軸30がステータ4から突出している側が出力側Lbであり、回転軸30がステータ4から突出している側とは反対側が反出力側Laである。また、以下の説明では、軸線L方向の「一方側」が反出力側Laで、軸線L方向の「他方側」が出力側Lbである場合を中心に説明する。
(全体構成)
図1は、本発明を適用したモータ1の断面図である。図1に示すモータ1は、ステッピングモータであり、回転軸30の外周に磁石31を備えたロータ3と、ロータ3の外周側に配置された筒状のステータ4とを有している。回転軸30は、軸線L方向に延在し、ステータ4の出力側Lbの端部から突出している。回転軸30には、円筒状の磁石31が接着剤(図示せず)等によって固着されており、磁石31に対して径方向外側でステータ4が対向している。磁石31は、周方向にN極とS極が交互に設けられた永久磁石である。
図1は、本発明を適用したモータ1の断面図である。図1に示すモータ1は、ステッピングモータであり、回転軸30の外周に磁石31を備えたロータ3と、ロータ3の外周側に配置された筒状のステータ4とを有している。回転軸30は、軸線L方向に延在し、ステータ4の出力側Lbの端部から突出している。回転軸30には、円筒状の磁石31が接着剤(図示せず)等によって固着されており、磁石31に対して径方向外側でステータ4が対向している。磁石31は、周方向にN極とS極が交互に設けられた永久磁石である。
本形態において、ステータ4は、外径に比して、軸線L方向に長く延在した形状を有している。例えば、ステータ4の外径は3mm以下であり、ステータ4の軸線L方向の長さは、6mmを超える寸法を有している。
ステータ4は、A相用のステータ4AとB相用のステータ4Bとが軸線L方向に重ねて配置された構造を有している。このため、ステータ4では、コイル40を構成するコイル線41が巻回された環状の2つのコイルボビン42(コイルボビン42Aとコイルボビン42B)が軸線L方向に隣り合うように配置されており、2つのコイルボビン42の各々に、内ステータコア43および外ステータコア44が両側から重ねて配置されている。
より具体的には、A相用のステータ4Aでは、A相用のコイル40Aが外周側に設けられたコイルボビン42Aに対して軸線L方向の両側に、環状の内ステータコア43A、および断面U字形状の外ステータコア44Aが重ねて配置されている。A相用のステータ4Aでは、B相用のコイル40Bが外周側に設けられたコイルボビン42Bに対して軸線L方向の両側に、環状の内ステータコア43B、および断面U字形状の外ステータコア44Bが重ねて配置されており、内ステータコア43Aと内ステータコア43Bとは軸線L方向で隣接している。
内ステータコア43(内ステータコア43A、43B)は、コイルボビン42(コイル
ボビン42A、42B)に軸線L方向から重なる環状部431と、環状部431の内縁から軸線L方向に沿って折れ曲がった複数の極歯45とを有している。
ボビン42A、42B)に軸線L方向から重なる環状部431と、環状部431の内縁から軸線L方向に沿って折れ曲がった複数の極歯45とを有している。
外ステータコア44(外ステータコア44A、44B)は、コイルボビン42(コイルボビン42A、42B)に軸線L方向から重なる環状部441と、環状部441の内縁から軸線L方向に沿って折れ曲がった複数の極歯45とを有しており、コイルボビン42(コイルボビン42A、42B)の内周面では、内ステータコア43の極歯45と外ステータコア44の極歯45とが周方向に交互に配列されている。
外ステータコア44(外ステータコア44A、44B)は、さらに、環状部441の外縁から軸線L方向に沿って極歯45と同一方向に折れ曲がった筒状部442を有しており、外ステータコア44Aの筒状部442と外ステータコア44Bの筒状部442とによってモータケースが構成されている。筒状部442は周方向の一部が切り欠かれており、切欠き444からはコイルボビン42(コイルボビン42A、42B)に形成された端子台420(端子台420A、420B)が径方向外側に突出している。
(外ステータコア44の構成)
図2は、図1に示すモータ1の反出力側Laの端部の拡大断面図である。図2において、内ステータコア43および外ステータコア44は、軟磁性板に対するプレス加工等によって形成される。本形態において、ステータ4は、外径に比して、軸線L方向に長く延在した形状を有していることから、極歯45の長さはステータ4の外径の割には長い。
図2は、図1に示すモータ1の反出力側Laの端部の拡大断面図である。図2において、内ステータコア43および外ステータコア44は、軟磁性板に対するプレス加工等によって形成される。本形態において、ステータ4は、外径に比して、軸線L方向に長く延在した形状を有していることから、極歯45の長さはステータ4の外径の割には長い。
より具体的には、外ステータコア44において、極歯45の環状部441からの突出寸法である長さ、および筒状部442の環状部441からの突出寸法である長さは、筒状部442の半径(環状部441の半径)を超えている。本形態において、外ステータコア44の筒状部442の半径は3mm以下である。より具体的には、外ステータコア44において、筒状部442の半径は2.25mmであり、極歯45の長さは2.65mmであり、筒状部442の長さは3.63mmである。
また、外ステータコア44において、極歯45の板厚t45は、環状部441の板厚t441より薄い。このため、コイル線41を巻回するスペースを広く確保することができるので、コイル線41の巻回数を増やすことができる。さらに、外ステータコア44において、筒状部442の板厚t442は、環状部441の板厚t441より薄く、さらに、極歯45の板厚t45より薄い。すなわち、以下の関係を満たしている。
板厚t441>極歯の板厚t45>板厚t442
板厚t441>極歯の板厚t45>板厚t442
また、筒状部442の板厚t442と極歯45の板厚t45との差はコイル線41の線径より大である。
例えば、外ステータコア44において、環状部441の板厚t441は0.35mmであり、極歯45の板厚t45は0.23mmであり、筒状部442の板厚t442は0.20mmであり、コイル線41の線径は0.055mmである。
なお、内ステータコア43は、外ステータコア44と筒状部442がないという点を除いて外ステータコア44と同一の構成を有しており、内ステータコア43において、極歯45の長さは、外ステータコア44の筒状部442の半径(環状部431の半径)を超えている。また、内ステータコア43において、極歯45の板厚は、環状部431の板厚より薄い。
このように本形態では、極歯45の板厚t45、および筒状部442の板厚t442は
、環状部441の板厚t441より薄く、筒状部442の板厚t442は、極歯45の板厚t45より薄い。また、筒状部442の板厚t442と極歯45の板厚t45との差はコイル線41の線径より大である。従って、極歯45の板厚t45、および筒状部442の板厚t442のうち、一方のみを環状部441の板厚t441より薄くした場合より、コイル線41を巻回するスペースを広く確保することができるので、コイル線41の巻回数を増やすことができる。
、環状部441の板厚t441より薄く、筒状部442の板厚t442は、極歯45の板厚t45より薄い。また、筒状部442の板厚t442と極歯45の板厚t45との差はコイル線41の線径より大である。従って、極歯45の板厚t45、および筒状部442の板厚t442のうち、一方のみを環状部441の板厚t441より薄くした場合より、コイル線41を巻回するスペースを広く確保することができるので、コイル線41の巻回数を増やすことができる。
なお、極歯45の板厚t45を環状部441の板厚t441より薄くするにあたっては、外ステータコア44を製作する際、プレス加工によって軟磁性板を延ばす薄肉化工程によって極歯45を薄く形成すればよく、比較的簡単な工程で極歯45の板厚t45を環状部441の板厚t441より薄くすることができる。また、筒状部442の板厚t442を環状部441の板厚t441より薄くするにあたっては、外ステータコア44を製作する際、プレス加工によって軟磁性板を延ばす薄肉化工程によって筒状部442を薄く形成すればよく、比較的簡単な工程で、筒状部442の板厚t442を環状部441の板厚t441より薄くすることができる。
(出力側Lbの端板6および軸受7の構成)
再び図1において、ステータ4の出力側Lbの端部には端板6が溶接等の方法で固定されており、端板6には軸受7が固定されている。本形態において、回転軸30には、磁石31の出力側Lbの端部に重なるようにワッシャ51が装着されており、ワッシャ51は、軸受7と磁石31との間に位置する。端板6は金属板であり、軸受7は金属製の焼結軸受である。
再び図1において、ステータ4の出力側Lbの端部には端板6が溶接等の方法で固定されており、端板6には軸受7が固定されている。本形態において、回転軸30には、磁石31の出力側Lbの端部に重なるようにワッシャ51が装着されており、ワッシャ51は、軸受7と磁石31との間に位置する。端板6は金属板であり、軸受7は金属製の焼結軸受である。
軸受7は、回転軸30が内側に位置する軸穴70が形成された筒部71と、筒部71の出力側Lbの端部で拡径するフランジ部72とを有しており、フランジ部72は、端板6に出力側Lbから重なっている。端板6には、筒部71が貫通する貫通穴60が形成されている。軸受7は、例えば、筒部71のうち、端板6から反出力側Laに突出した部分が端板6に溶接やカシメ等の方法で固定されている。本形態において、軸受7は、筒部71の反出力側Laの端面710の外周部分に対するカシメによって端板6に固定されている。
(反出力側Laの端板8および軸受9の構成)
図3は、図1に示す反出力側Laの外ステータコア44Bに端板8を介して軸受9を固定した様子を示す斜視図である。図4は、図1に示す反出力側Laの外ステータコア44Bに端板8を介して軸受9を固定した様子を示す底面図である。図5は、図1に示す端板8および軸受9等を反出力側Laからみた斜視図である。図6は、図5に示す端板8および軸受9を出力側Lbからみた斜視図である。
図3は、図1に示す反出力側Laの外ステータコア44Bに端板8を介して軸受9を固定した様子を示す斜視図である。図4は、図1に示す反出力側Laの外ステータコア44Bに端板8を介して軸受9を固定した様子を示す底面図である。図5は、図1に示す端板8および軸受9等を反出力側Laからみた斜視図である。図6は、図5に示す端板8および軸受9を出力側Lbからみた斜視図である。
図2〜図6に示すように、ステータ4の反出力側Laの端部(軸線L方向の一方側の端部)を構成する外ステータコア44Bの環状部441には端板8が溶接等の方法で固定されており、端板8には、回転軸30を内側で回転可能に支持する軸受9が固定されている。端板8は円盤状の金属板であり、軸受9は金属製の焼結軸受である。本形態において、回転軸30には、磁石31の反出力側Laの端部に重なるようにワッシャ52が装着されており、ワッシャ52は、軸受9と磁石31との間に位置する。
軸受9は、軸線L方向に延在する円筒状の筒部91と、筒部91の出力側Lb(軸線L方向の他方側)で拡径して端板8に出力側Lbから重なる円環状のフランジ部92とを有しており、筒部91に形成された断面円形の軸穴90の内周面90aによって回転軸30が回転可能に支持されている。本形態において、軸穴90は、軸線L方向の両端が拡径しており、軸線L方向の中央より出力側Lbに位置する部分が、回転軸30が摺動する摺動
面90bになっている。
面90bになっている。
軸穴90は筒部91を軸線L方向で貫通している。このため、筒部91の反出力側Laの端面910では軸穴90が開口しており、端面910は円環状になっている。但し、回転軸30の反出力側Laの軸端30aは、筒部91の内側に位置し、筒部91から反出力側Laに突出していない。従って、モータ1の軸線L方向の長さを短くすることができる。
端板8は、筒部91が貫通する円形の貫通穴80が形成されている。端板8の反出力側La(軸線L方向の一方側)の面81(外面)には、貫通穴80の周りで出力側Lb(内側)に向けて凹んだ円環状の凹部86が形成されている。
端板8は、金属板であり、凹部86は端板8に対するプレス加工によって形成される。このため、端板8の出力側Lbの面82では、凹部86と重なる部分がステータ4と重なる部分より出力側Lbに突出した円環状の凸部87になっており、凸部87に対して軸受9のフランジ部92が出力側Lbから重なっている。従って、端板8に凹部86を形成した場合でも、端板8の強度低下を抑制することができる。
ここで、軸受9は、筒部91の一部91aが凹部86の底部860から反出力側Laに突出した状態で端板8に溶接やカシメ等によって固定されている。従って、端板8から反出力側La(外側)への軸受9の突出を抑制することができる。本形態において、筒部91は、凹部86から反出力側La(外側)に突出していない状態で端板8に溶接やカシメ等によって固定されている。従って、モータ1では、反出力側Laに軸受9が突出していないので、モータ1の軸線L方向の寸法を短くすることができる。
本形態においては、図4に示すように、軸受9は、筒部91の反出力側Laの端面910の外周側部分911に対するカシメにより端板8に固定されている。より具体的には、カシメ用のパンチによって端面の910の外周側部分911を押し潰し、外周側部分911の塑性変形した部分を端板8の貫通穴80の内縁に被せるとともに、筒部91の塑性変形した部分を貫通穴80の内周面に当接させる。
ここで、端面910におけるカシメの痕95は、端面910の外縁から径方向内側に向かって筒部91の径方向の肉厚の1/2を超える寸法を有している。従って、カシメを施した領域が広いので、軸受9の筒部91の外径が小さい場合でも、端板8と軸受9とを強固に固定することができる。
(軸受9の位置決め構造)
本形態では、軸受9のうち、端板8から出力側Lbに突出した部分が、ステータ4において反出力側Laの端部に位置する外ステータコア44Bの極歯45に対して固定されずに径方向内側から当接することによって、軸受9が径方向で位置決めされている。本形態において、軸受9は、フランジ部92の径方向外側の端部920が極歯45に径方向内側から当接している。
本形態では、軸受9のうち、端板8から出力側Lbに突出した部分が、ステータ4において反出力側Laの端部に位置する外ステータコア44Bの極歯45に対して固定されずに径方向内側から当接することによって、軸受9が径方向で位置決めされている。本形態において、軸受9は、フランジ部92の径方向外側の端部920が極歯45に径方向内側から当接している。
従って、軸受9をステータ4に嵌合させる必要がないので、極歯45を変形させることがない。従って、軸受9が傾いた姿勢で固定されるという事態が発生しにくいので、軸受9によって回転軸30を適正に支持することができる。特に本形態では、径方向からみたとき、軸穴90の内周面のうち、回転軸30が接して摺動する摺動面90bと、軸受9が極歯45の内周面45aに当接する部分とが重なっている。従って、軸穴90の内周面のうち、回転軸30が摺動する摺動面90bの径方向の位置決めを適正に行うことができるので、軸受9によって回転軸30を適正に支持することができる。
ここで、極歯45は、径方向内側に向けて凸状に湾曲して折れ曲がった根元部分451と、根元部分451からモータ軸線Lに沿って延在する先端部分452とを備えており、軸受9は、極歯45の先端部分452のうち、根元部分451に近い部分に対して径方向内側から当接している。それ故、軸受9を適正に位置決めすることができるので、軸受9によって回転軸30を適正に支持することができる。
[他の実施の形態]
上記実施形態においては、反出力側Laで極歯45の内面に軸受9を当接させて軸受9の径方向の位置決めを行ったが、出力側Lbで極歯45の内面に軸受7を当接させて軸受7の径方向の位置決めを行ってもよい。
上記実施形態においては、反出力側Laで極歯45の内面に軸受9を当接させて軸受9の径方向の位置決めを行ったが、出力側Lbで極歯45の内面に軸受7を当接させて軸受7の径方向の位置決めを行ってもよい。
上記実施形態においては、反出力側Laで軸受9を端板8に固定するにあたって、端板8の凹部86を形成したが、出力側Lbで軸受7を端板6に固定するにあたって、端板6に凹部を形成してもよい。
上記実施形態では、ステータ4の外径が6mm以下のモータ1に本発明を適用したが、ステータ4の外径が6mmを超えるモータ1に本発明を適用してもよい。
1・・・モータ、3…ロータ、4、4A、4B…ステータ、8…端板、9…軸受、30…回転軸、30a…軸端、31…磁石、40、40A、40B…コイル、41…コイル線、42、42A、42B…コイルボビン、43、43A、43B…内ステータコア、44、44A、44B…外ステータコア、45…極歯、45a、90a…内周面、51、52…ワッシャ、80…貫通穴、90…軸穴、91…筒部、92…フランジ部、86…凹部、87…凸部、90b…摺動面、95…痕、431、441…環状部、442…筒状部、444…切欠き、451…根元部分、452…先端部分、910…端面、860…底部、911…外周側部分、920…端部、L…モータ軸線、La…反出力側、Lb…出力側、t45、t441、t442…板厚
Claims (12)
- 回転軸の外周に磁石を備えたロータと、
前記ロータの外周側に配置された筒状のステータと、
前記ステータのモータ軸線方向の一方側の端部に固定された端板と、
前記端板に固定され、前記回転軸を内側で回転可能に支持する筒状の軸受と、
を有し、
前記ステータの前記一方側の端部に設けられたステータコアは、環状部と、環状部の内縁から前記モータ軸線方向の他方側に折れ曲がった極歯と、を備え、
前記軸受は、前記軸受のうち、前記端板から前記他方側に突出した部分が前記極歯に対して固定されずに径方向内側から当接することによって径方向で位置決めされていることを特徴とするモータ。 - 請求項1に記載のモータにおいて、
径方向からみたとき、前記軸受の内周面のうち、前記回転軸が摺動する摺動面と、前記軸受が前記極歯の前記内周面に当接する部分とが重なっていることを特徴とするモータ。 - 請求項1または2に記載のモータにおいて、
前記極歯は、径方向内側に向けて凸状に湾曲して折れ曲がった根元部分と、前記根元部分から前記モータ軸線に沿って延在する先端部分と、を備え、
前記軸受は、前記極歯の前記先端部分に対して径方向内側から当接していることを特徴とするモータ。 - 請求項1から3までの何れか一項に記載のモータにおいて、
前記軸受は、前記モータ軸線方向に延在する筒部と、前記筒部の前記他方側で拡径して前記端板に前記他方側から重なるフランジ部と、を有し、
前記端板は、前記筒部が貫通する貫通穴が設けられており、
前記軸受は、前記フランジ部の径方向外側の端部が前記極歯に径方向内側から当接していることを特徴とするモータ。 - 請求項4に記載のモータにおいて、
前記端板の前記一方側の面には、前記貫通穴の周りで前記他方側に向けて凹んだ凹部が形成され、
前記軸受は、前記筒部の一部が前記凹部の底部から前記一方側に突出した状態で前記端板に固定されていることを特徴とするモータ。 - 請求項5に記載のモータにおいて、
前記軸受は、前記筒部の前記一方側の端面の外周側部分に対するカシメにより前記端板に固定されていることを特徴とするモータ。 - 請求項6に記載のモータにおいて、
前記筒部は、前記凹部から前記一方側に突出していないことを特徴とするモータ。 - 請求項6または7に記載のモータにおいて、
前記端面における前記カシメの痕は、前記端面の外縁から径方向内側に向かって前記筒部の径方向の肉厚の1/2を超える寸法を有していることを特徴とするモータ。 - 請求項6から8までの何れか一項に記載のモータにおいて、
前記端板の前記他方側の面は、前記凹部と重なる部分が前記ステータと重なる部分が前記他方側に突出した凸部になっていることを特徴とするモータ。 - 請求項6から9までの何れか一項に記載のモータにおいて、
前記端面では、前記回転軸が挿入された軸穴が開口しており、
前記端面は、環状になっていることを特徴とするモータ。 - 請求項10に記載のモータにおいて、
前記回転軸の前記一方側の軸端は、前記筒部の内側に位置することを特徴とするモータ。 - 請求項1から11までの何れか一項に記載のモータにおいて、
前記一方側は、前記回転軸が回転を出力する出力側、および前記出力側とは反対側の反出力側のうち、前記反出力側であることを特徴とするモータ。
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