JP2020190383A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 熱交換効率の高い熱交換器を提供する。【解決手段】 冷媒が流通する複数の冷媒流路5を内部にそれぞれ形成した複数の偏平管4と、複数の偏平管4の内の隣接する偏平管4の間に配置された熱交換用フィン1とを備えた熱交換器31において、複数の偏平管4の内の隣り合う冷媒流路5をつなぐバイパス経路6を備える。【選択図】 図2
Description
本発明は、冷凍サイクルに活用される熱交換器に関し、冷熱機器で利用可能でかつ熱交換器全体を有効に利用し、熱交換効率の高い熱交換器に関するものである。
熱交換器を利用する冷熱機器の代表的なものとして、空気調和機が挙げられる。近年、空気調和機に用いられる熱交換器は、小型及び高効率化のため、熱交換器の内部を流れる冷媒流路の細径化及び多分岐化が進んでいる。その代表的な熱交換器として、パラレルフロータイプのマイクロチューブ熱交換器がある。
パラレルフロータイプの熱交換器とは、複数積層された冷媒が流通する流路を備えた偏平管の両側を中空円筒形状のヘッダ部で結合して冷媒流路を形成し、隣り合う前記偏平管の間には熱交換用フィンが備えられたものである。また、マイクロチューブ熱交換器とは、パラレルフロータイプ熱交換器の、一つの偏平管内に複数の微細な冷媒流路が備えられているものである。
内部の冷媒の流れとしては、片側の中空円筒形状のヘッダ部から流入した冷媒が、複数の偏平管のさらに複数の冷媒流路へ分岐し流れ、流入した側と反対側の中空円筒形状のヘッダ部にて合流し、熱交換器外へと流出する。この際、偏平管内の流路を流れる冷媒と、隣り合う偏平管の間に備えられた熱交換用フィンを介して空気との間で、熱交換が行われる。この熱交換の際に、偏平管内の流路を流れる冷媒は、熱交換器が冷凍サイクル内の蒸発器の場合は液体から気体へ、熱交換器が冷凍サイクル内の凝縮器の場合は気体から液体へと相変化している。
このようなパラレルフロータイプのマイクロチューブ熱交換器の熱交換効率の向上のため、偏平管内の複数の流路の大きさを変えるものがある(例えば特許文献1参照)。図9は、特許文献1に記載された従来の熱交換器の部分断面を示す図であり、隣り合う2本の偏平管21の断面とその間の熱交換用フィン23を示している。
図9において、偏平管21の風上側部分A1には、四角形の冷媒通路穴22aが3個、風下側部分B1には、風上側部分A1の冷媒通路穴22aの断面積の半分となる四角形の冷媒通路穴22bが6個設けられている。よって、偏平管21の1本当りの冷媒通路穴の全断面積は、風上側部分A1および風下側部分B1共に同等であるが、風下側部分B1の方が、風上側部分A1よりも冷媒が流れる冷媒通路穴22bの流通路内表面積が大きくなる。このようにすることで、風上側部分A1に比べ、冷媒と空気の温度差が小さくなる風下側部分B1においても、熱交換効率を高くすることが出来、熱交換器全体の効率を向上させている。
しかしながら、前記従来の構成では、風上側の冷媒通路穴を風下側に比べて大きくしているため、風上側の流通路内表面積が風下側に比べて少なくなり、風上側の熱交換能力が低くなる。加えて、偏平管内の各冷媒通路において、風上側と風下側とでは、通路断面積が異なり、各冷媒通路の圧力損失が異なることと、流れる空気温度が異なり、熱交換量が異なることから、冷媒の偏流が起こり、本来の熱交換能力が発揮できないという二つの課題を有している。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、熱交換効率の高い熱交換器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の1つの態様にかかる熱交換器は、冷媒が流通する複数の冷媒流路を内部にそれぞれ形成した複数の偏平管と、
前記複数の偏平管の内の隣接する前記偏平管の間に配置された熱交換用フィンとを備えた熱交換器において、
前記複数の偏平管の内の隣り合う前記冷媒流路をつなぐバイパス経路を備える。
前記複数の偏平管の内の隣接する前記偏平管の間に配置された熱交換用フィンとを備えた熱交換器において、
前記複数の偏平管の内の隣り合う前記冷媒流路をつなぐバイパス経路を備える。
以上のように、本発明の前記態様にかかる熱交換器によれば、前記冷媒流路の配設方向で生じる熱交換量の差からくる空気の温度差に関わらず、隣り合う前記冷媒流路をつなぐ前記バイパス経路により、前記偏平管内の複数の前記冷媒流路の圧力損失を平均化することが出来、前記冷媒の偏流を抑制することが出来る。加えて、前記冷媒流路の配設方向で生じる熱交換量の差からくる空気の温度差に関わらず、隣り合う前記冷媒流路をつなぐ前記バイパス経路により、前記冷媒流路を細くし、前記偏平管内で冷媒の接触する流通路面積を大きくすることが出来る。
この結果、偏平管内の伝熱面積の増加と、偏流の抑制とを両立することが出来、熱交換効率の高い熱交換器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるマイクロチューブ熱交換器31の全体図である。図1の(a)は上面図、図1の(b)は正面図である。
図1は、本発明の実施の形態1におけるマイクロチューブ熱交換器31の全体図である。図1の(a)は上面図、図1の(b)は正面図である。
図1はマイクロチューブ熱交換器31である。熱交換器は、内部を冷媒がそれぞれ流通する複数の偏平管4と、複数の偏平管4のうちの隣り合う偏平管4の間にV字状に波打つように配置された熱交換用フィン1とが複数段積層されている。複数段積層された偏平管4のそれぞれの両側を中空円筒形状のヘッダ部2で結合し、冷媒流路5を形成している。偏平管4の内部を流通する冷媒と熱交換用フィン1を介して熱交換をする空気の流れ方向3は、偏平管4と熱交換用フィン1とが交互に複数段積層された積層方向と、偏平管4の延設方向からなる面に対して、直交する方向、言い換えれば、図1の(b)での紙面貫通方向である。空気の熱交換器31への入り口側を吸気側とし、空気の熱交換器31からの出口側を排気側とする。
図2は、本発明の実施の形態1における偏平管4の拡大図であり、図2の(a)は断面側面図、図2の(b)は上面図、図2の(c)は正面図である。
図2は実施の形態1の偏平管4であり、偏平管4の内部には複数の冷媒流路5が形成され、冷媒流路5の延在方向と交差する方向に延びてかつ隣り合う冷媒流路5同士をつなぐバイパス経路6が複数本形成されている。また、図2の例では、1つのバイパス経路6が複数本(例えば図2では7本)の冷媒流路5と交差するように形成されている。偏平管4の冷媒流路5が並んだ方向、つまり、冷媒流路5の配設方向に空気の流れ方向3がある。冷媒流路5の内部には冷媒が流れており、冷媒流路5の内壁から偏平管4の外壁と熱交換用フィン1を介して空気と熱交換が行われている。
偏平管4の吸気側の空気の温度が最も高く、冷媒との温度差が排気側に比べて大きく、熱交換の効率が高い。そして、空気は偏平管4の吸気側から排気側へ流れることで、熱交換用フィン1との熱のやり取りにより、冷媒との温度差が小さくなり、空気の排気側は吸気側に比べて熱交換効率が低くなる。よって、熱交換効率の高い偏平管4の吸気側の冷媒流路5から冷媒の相変化が起こり、圧力が大きく変動する。
図3は、本発明の実施の形態1における偏平管4と熱交換用フィン1との拡大図である。
図3は実施の形態1の偏平管4であり、バイパス経路6は、偏平管4の外周壁面にある熱交換用フィン1との接触点9の近傍に形成されている。
かかる構成によれば、隣り合う冷媒流路5同士を繋ぐバイパス経路6が、偏平管4と熱交換用フィン1との接触点9の近傍、すなわち、接触点9に対応する位置を含むように形成されることにより、偏平管4の吸気側の冷媒流路5で起こる熱交換による冷媒の相変化の圧力変動を、バイパス経路6を介して、排気側の冷媒流路5に逃がすことが出来る。このように、バイパス経路6が、偏平管4の外周壁面と熱交換用フィン1との接触点9の近傍、すなわち、冷媒の相変化による圧力変動の最も大きな箇所に形成されていることで、より高い効果を得ることが出来る。このことから、偏平管4内の複数の冷媒流路5の偏流を抑制することが出来、偏流がある場合に比べて、各冷媒流路5に多くの冷媒を流すことができるため、熱交換効率を向上させることが出来る。加えて、冷媒流路5にバイパス経路6を形成したことにより、冷媒の流れを乱す効果による熱交換の促進効果と、冷媒流路5を細くして偏平管4内で冷媒の接触する流路表面積を増加させることによる熱交換量の向上効果も得ることが出来る。
図4は、本発明の実施の形態1におけるバイパス経路6の開口範囲を決めるための簡易モデルである。ここで、バイパス経路6の開口とは、A流路に開口しているバイパス経路6の開口を意味するとともに、実施の形態1では、A流路に開口しているバイパス経路6の開口は、B流路に開口しているバイパス経路6の開口と同じ大きさとしている。バイパス経路6の開口範囲を求めるために、実際の冷媒流路5を図4の(a)及び(b)に示す二本の流路、すなわち、A流路とB流路とに簡略化したモデルとする。図4の(a)は簡易モデルの断面側面図、図4の(b)は簡易モデルの断面上面図である。
図4の(a)及び(b)は、偏平管4の冷媒流路5とバイパス経路6とを簡略化した流路の断面図で、液体の冷媒が図の左側から流入し、空気の流れ方向3にて示した冷媒流路5のうちの吸気側のA流路にある相変化点35にて、冷媒が液体から気体へ相変化する。この際、相変化後の気体の体積が液体の体積に比べて十分に大きいため、本モデルにおいては、吸気側の液冷媒の相変化後の気相のみで考えることとする。
図4の(c)は、バイパス経路6の開口を求めるために使用した式であり、「化学装置の実用設計」(大野光之著、出版:工業調査会、雑誌「化学装置」の別冊、出版年月日:1995.9)に記載の「多岐管による分流と合流」の説明を参考としている。図4の(c)において、「n」は冷媒流路5の本数を表す記号であり、「b」と「d」とはそれぞれ縦流路と横流路とを表す記号である。
図5は、本発明の実施の形態1におけるバイパス経路6の開口範囲を示した図である。バイパス経路6の開口範囲は、水力直径比により求めている。
図4の(a)及び(b)の簡易モデルを図4の(c)の式で計算することにより、A流路の水力直径に対して、バイパス経路6の開口による、B流路への冷媒の分岐比率を求めることが出来る。
図5より、図4の(a)及び(b)のA流路の水力直径に対して、バイパス経路6の開口の水力直径での比が0.4の場合は、分岐後のA流路へ流れる量を1.0とすると、B流路へ流れる量はおよそ0.06となり、圧力を逃がす十分な効果を得ることが出来ている。ところが、水力直径比が0.4未満の場合は、分岐比率が0.06未満となり、圧力を逃がす十分な効果を得ることが出来ない。
図5より、図4の(a)及び(b)のA流路の水力直径に対して、バイパス経路6の開口の水力直径での比が1.8の場合は、分岐後のA流路へ流れる量を1.0とすると、B流路へ流れる量はおよそ0.95となる。ところが、水力直径比が1.8を超える場合は、バイパス経路6の開口が大きくなり過ぎて、流路表面積が少なくなり、熱交換量が少なくなる。また、バイパス経路6の開口をこれ以上大きくしても、分岐比率は0.95から大きく増えることはない。
よって、バイパス経路6の開口を、冷媒流路5の水力直径の0.4倍以上でかつ1.8倍以下とすることで、偏平管4の吸気側の冷媒流路5で起こる熱交換による冷媒の相変化の圧力変動を、バイパス経路6を介して、排気側の冷媒流路5に効率良く逃がすことが出来、偏平管4内の複数の冷媒流路5の偏流を抑制することが出来、偏流がある場合に比べて各冷媒流路5に多くの冷媒を流すことができるため、熱交換効率を向上させることが出来る。
なお、本実施の形態1において、図2の(b)に示すように冷媒流路5を繋ぐバイパス経路6を、最も吸気側の冷媒流路5から、最も排気側の冷媒流路5にかけて、一直線状に配置したが、これに限られるものではない。
なお、本実施の形態1において、冷媒流路5、及びバイパス経路6の断面形状は四角形としたが、これに限られるものではない。
なお、本実施の形態1において、バイパス経路6は、偏平管4と熱交換用フィン1の接触点9の近傍に形成されているとしたが、それ以外の箇所でも効果を得ることが出来る。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2の偏平管4の部分断面の拡大図である。図6において、図1および図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図6は、本発明の実施の形態2の偏平管4の部分断面の拡大図である。図6において、図1および図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図6は実施の形態2の偏平管4であり、偏平管4の内部には複数の冷媒流路5が形成され、隣り合う冷媒流路5同士をつなぐバイパス経路6aが形成されている。偏平管4の冷媒流路5が並んだ方向、つまり、冷媒流路5の配設方向に空気の流れ方向3がある。図6の方向7は、熱交換器31が蒸発器として使用されている際の冷媒の流れ方向である。冷媒流路5の内部には、方向7の向きで冷媒が流れており、冷媒流路5の内壁から偏平管4の外壁と熱交換用フィン1とを介して空気と熱交換が行われている。バイパス経路6aには、方向7と直交する方向又は冷媒流路5の配設方向に対して、バイパス経路6aの流れが吸気側から排気側に向けて傾斜するように、バイパス経路6aの吸気側の開口端縁と排気側の開口端縁とにそれぞれ三角板状の傾け部材8が配置されている。各傾け部材8の傾斜の面は、平面である。一例として、バイパス経路6aの吸気側の端面傾け部材8と排気側の端面傾け部材8とは同一の部材として同一幅の流路開口とし、傾斜角度は一例として45度としている。よって、方向7で流れている冷媒を、一対の傾け部材8により、吸気側の冷媒流路5から排気側の冷媒流路5に逃がすように配置されている。傾け部材8による傾斜角度は、一例として、15〜60度くらいとすれば、合流がスムーズになるので好ましい。
かかる構成によれば、隣り合う冷媒流路5同士を繋ぐバイパス経路6aの開口端縁に一対の傾け部材8を配置することにより、偏平管4の吸気側の冷媒流路5で起こる熱交換による冷媒の相変化の圧力変動を、吸気側の冷媒流路5から排気側の冷媒流路5に逃がす際の圧力損失を低減することが出来る。
熱交換器31が蒸発器として使用されている場合は、偏平管4の吸気側の冷媒流路5で液冷媒が気化し、吸気側の冷媒流路5から、バイパス経路6aを通り、排気側の冷媒流路5に合流する。この際に、隣り合う冷媒流路5同士を繋ぐバイパス経路6aに一対の傾け部材8を配置してバイパス経路6aを吸気側から排気側に向けて傾斜させることで、合流時の圧力損失を低減することが出来る。
熱交換器31が凝縮器として使用されている場合は、蒸発器として使用されている際の冷媒流れ方向7と逆の向きに冷媒が流れ、偏平管4の吸気側の冷媒流路5で気体の冷媒が凝縮し液冷媒となる。このとき、バイパス経路6aを通り、排気側の冷媒流路5から液冷媒が吸気側の冷媒流路5の流れに合流する。この際に、隣り合う冷媒流路5同士を繋ぐバイパス経路6aに一対の傾け部材8を配置してバイパス経路6aを排気側から吸気側に向けて傾斜させることで、合流時の圧力損失を低減することが出来る。
このことから、偏平管4内の複数の冷媒流路5の偏流を抑制しながら、偏平管4全体の圧力損失も低減することができ、各冷媒流路5に多くの冷媒を流すことができる熱交換効率を向上の効果と、圧力損失の低減によるコンプレッサの出力削減による省電力の効果も得ることが出来る。
なお、本実施の形態2において、バイパス経路6aに一対の傾け部材8を別個の部材として配置としたが、偏平管4と一体的に形成しても同様の効果を得ることが出来る。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3の偏平管4と熱交換用フィン1との部分拡大図である。図7の(a)は正面図、図7の(b)は偏平管4の上面断面図である。図7において、図1および図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図7は、本発明の実施の形態3の偏平管4と熱交換用フィン1との部分拡大図である。図7の(a)は正面図、図7の(b)は偏平管4の上面断面図である。図7において、図1および図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図7は、実施の形態3の偏平管4であり、偏平管4の内部には複数の冷媒流路5が形成され、隣り合う冷媒流路5同士をつなぐ、傾斜したバイパス経路6bが形成されている。偏平管4の冷媒流路5が並んだ方向、つまり、冷媒流路5の配設方向に空気の流れ方向3がある。図7の方向7は、熱交換器31が蒸発器として使用されている際の冷媒の流れ方向である。冷媒流路5の内部には冷媒が流れており、冷媒流路5の内壁から偏平管4の外壁と熱交換用フィン1を介して空気と熱交換が行われている。バイパス経路6bの開口端縁には、バイパス経路6bの一対の傾け部材8が、方向7で流れている冷媒を吸気側の冷媒流路5から排気側の冷媒流路5に逃がすように配置されている。バイパス経路6bに設けられた一対の傾け部材8は、吸気側のバイパス経路6bの開口よりも排気側のバイパス経路6bの開口が広くなるように設けられている。すなわち、図7の(b)のバイパス経路6bの吸気側の傾け部材8aの傾斜角度よりもバイパス経路6bの排気側の傾け部材8bの傾斜角度を小さくすることにより、吸気側のバイパス経路6bの開口よりも排気側のバイパス経路6bの開口が広くなるように構成している。一例として、吸気側の傾け部材8aの傾斜角度を45度とすると、排気側の傾け部材8bの傾斜角度は45度より小さい30度とする。吸気側のバイパス経路6bの開口よりも排気側のバイパス経路6bの開口が広くなるように構成するとき、一例として、少なくとも10%程度は広くなるようにすれば、後述する効果が得られるので好ましい。バイパス経路6b上の偏平管4の外周壁面にある熱交換用フィン1とのフィン接触点9は、冷媒流路5の冷媒の流れ方向7に1箇所のみである。
かかる構成によれば、隣り合う冷媒流路5同士を繋ぐバイパス経路6bの開口端縁に一対の傾け部材8a,8bを、排気側のバイパス経路6bの開口が広くなるように設けることにより、偏平管4の吸気側の冷媒流路5で起こる熱交換による冷媒の相変化の圧力変動を、吸気側の冷媒流路5からバイパス経路6bを介して排気側の冷媒流路5に逃がす際に、圧力損失をより低減することが出来る。また、バイパス経路6b上の偏平管4の外周壁面にある熱交換用フィン1とのフィン接触点9を、冷媒流路5の冷媒の流れ方向7に1箇所にすることで、同じバイパス経路6b内に相変化点35が二つ以上ある際に起こる冷媒の流れの干渉がなくなる。このことから、偏平管4内の複数の冷媒流路5の偏流を抑制しながら、偏平管4全体の圧力損失も低減することができ、各冷媒流路5に多くの冷媒を流すことができる熱交換効率を向上の効果と、圧力損失の低減によるコンプレッサの出力削減による省電力の効果も得ることが出来る。
なお、本実施の形態3において、バイパス経路6bに一対の傾け部材8a,8bを配置としたが、偏平管4と一体的に形成しても同様の効果を得ることが出来る。
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4の偏平管4の断面拡大図である。図8において、図1および図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図8は、本発明の実施の形態4の偏平管4の断面拡大図である。図8において、図1および図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図8は、実施の形態4の偏平管4であり、偏平管4の内部には複数の冷媒流路5が形成され、隣り合う冷媒流路5同士をつなぐバイパス経路6が複数本形成されている。冷媒流路5の内部には冷媒が流れており、冷媒流路5の内壁から偏平管4の外壁と熱交換用フィン1を介して空気と熱交換が行われている。バイパス経路6を配置する間隔、例えば、バイパス経路6の中心軸間の間隔、すなわち、バイパス経路ピッチ11は、冷媒流路5の隣接するバイパス経路6間の容積12が、冷媒流路5の偏平管4の外壁と熱交換用フィン1との接触範囲であるフィン接触範囲10にある液冷媒が気化した際の容積以下となるピッチで設けられている。
かかる構成によれば、隣り合う冷媒流路5同士を繋ぐバイパス経路6がバイパス経路ピッチ11の間隔で形成されることにより、偏平管4の風上側の冷媒流路5で起こる熱交換による冷媒の相変化の圧力変動を、風上側の冷媒流路5から風下側の冷媒流路5に効率良く逃がすことが出来る。このことから、偏平管4内の複数の冷媒流路5の偏流を抑制することが出来、偏流がある場合に比べて各冷媒流路5に多くの冷媒を流すことができるため、熱交換効率を向上させることが出来る。加えて、冷媒流路5にバイパス経路6を形成したことにより、冷媒の流れを乱す効果による熱交換の促進効果と、冷媒流路5を細くして偏平管4内で冷媒の接触する流路表面積を増加させることによる熱交換量の向上効果も得ることが出来る。
なお、本実施の形態4において、図8に示すように冷媒流路5を繋ぐバイパス経路6を、最も吸気側の冷媒流路5から排気側の冷媒流路5にかけて一直線状に配置したが、これに限られるものではない。
前記実施の形態1〜4によれば、前記冷媒流路5の配設方向で生じる熱交換量の差からくる空気の温度差に関わらず、隣接する冷媒流路5を繋ぐバイパス経路6により、前記偏平管4内の複数の前記冷媒流路5の圧力損失を平均化することが出来、前記冷媒の偏流を抑制することが出来る。加えて、前記冷媒流路5の配設方向で生じる熱交換量の差からくる空気の温度差に関わらず、隣接する冷媒流路5を繋ぐバイパス経路6により、前記冷媒流路5を細くして前記偏平管4内で冷媒の接触する流通路面積を大きくすることが出来る。
この結果、偏平管4内の伝熱面積の増加と、偏流の抑制とを両立することが出来、熱交換効率の高い熱交換器を提供することができる。
なお、前記様々な実施の形態又は変形例のうちの任意の実施の形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施の形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施の形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施の形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
本発明の前記態様にかかる熱交換器は、偏平管内にバイパス経路を設けることで、偏流を抑制することによる熱交換効率の向上と、冷媒流れを乱すことによる熱交換促進効果と、流路表面積増加による熱交換量の向上とが出来るもので、家庭用及び業務用又は大型の空気調和機の用途にも適用できる。
1 熱交換用フィン
2 ヘッダ部
3 空気の流れ方向
4 偏平管
5 冷媒流路
6、6a、6b バイパス経路
7 方向
8 傾け部材
8a 吸気側の傾け部材
8b 排気側の傾け部材
9 フィン接触点
10 フィン接触範囲
11 バイパス経路ピッチ
12 容積
21 偏平管
22a 冷媒通路穴
22b 冷媒通路穴
23 熱交換用フィン
31 熱交換器
35 相変化点
2 ヘッダ部
3 空気の流れ方向
4 偏平管
5 冷媒流路
6、6a、6b バイパス経路
7 方向
8 傾け部材
8a 吸気側の傾け部材
8b 排気側の傾け部材
9 フィン接触点
10 フィン接触範囲
11 バイパス経路ピッチ
12 容積
21 偏平管
22a 冷媒通路穴
22b 冷媒通路穴
23 熱交換用フィン
31 熱交換器
35 相変化点
Claims (7)
- 冷媒が流通する複数の冷媒流路を内部にそれぞれ形成した複数の偏平管と、
前記複数の偏平管の内の隣接する前記偏平管の間に配置された熱交換用フィンとを備えた熱交換器において、
前記複数の偏平管の内の隣り合う前記冷媒流路をつなぐバイパス経路を備える熱交換器。 - 前記冷媒流路と連通する前記バイパス経路の開口は、前記冷媒流路の水力直径の0.4倍以上でかつ1.8倍以下となるように構成されている請求項1に記載の熱交換器。
- 前記バイパス経路の壁面には、前記冷媒流路の配設方向に向かって、前記冷媒流路の延設方向に前記バイパス経路を傾ける傾け部材が備えられている請求項1又は2に記載の熱交換器。
- 前記バイパス経路上の前記偏平管の外周壁面にある前記熱交換用フィンとの接触点は、前記冷媒流路の延設方向に1箇所である請求項1〜3のいずれか1つに記載の熱交換器。
- 前記冷媒流路と連通する前記バイパス経路の開口は、前記冷媒流路の配設方向に流れる空気の吸気側に比べて、排気側が大きく構成されている請求項1〜4のいずれか1つに記載の熱交換器。
- 前記複数の偏平管の内の隣り合う前記冷媒流路をつなぐ前記バイパス経路は、前記冷媒流路の延設方向に互いに間隔をあけて複数本設けられ、
隣接する前記バイパス経路を前記冷媒流路の延設方向に配置する間隔は、前記冷媒流路の前記バイパス経路間の容積が、前記偏平管の外周壁面にある前記熱交換用フィンとの接触範囲にある前記冷媒流路の液冷媒が気化した際の体積以下になる請求項1〜5のいずれか1つに記載の熱交換器。 - 前記バイパス経路は、前記偏平管外周壁面にある前記熱交換用フィンとの接触点に対応する位置を含むように配置されている請求項1〜6のいずれか1つに記載の熱交換器。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102021120992A1 (de) | 2020-11-16 | 2022-05-19 | Mitsubishi Electric Corporation | Halbleitervorrichtung |
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2019
- 2019-05-23 JP JP2019096843A patent/JP2020190383A/ja active Pending
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DE102021120992A1 (de) | 2020-11-16 | 2022-05-19 | Mitsubishi Electric Corporation | Halbleitervorrichtung |
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