JP2020190307A - 断熱材 - Google Patents

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Abstract

【課題】発泡性を向上させること。【解決手段】断熱材は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子に結合した水酸基を含有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、白金族系金属触媒と、中位径が10μm以上、150μmの範囲内にある無機充填剤との混合により発泡硬化してなるものである。【選択図】なし

Description

本発明は、自動車等の部品を熱から保護するための断熱材に関するもので、特に、高熱に耐え得る高い耐熱性を有し、自動車等の車両の床裏に配置される排気管周囲のフロアトンネルやエンジンルーム等の高温の熱源周辺にも適用可能とする断熱材に関するものである。
近年、地球温暖化の抑制と地球環境の保護等の環境側面から自動車の燃費の向上を主目的とした自動車の低燃費化が加速しているのに伴い、車両の軽量化、小型化の検討が活発に試みられている。車体のコンパクト化、スリム化が進むと、車両部品の配置が高密度化し、熱源に車両部品が接近することになるから、熱からの部品保護が非常に重要な課題となってくる。そこで、部品設置の省スペース化を確保し、空間設計の自由度を制約しないためにも、高熱から部品を保護するための断熱材の開発が求められている。
ここで、従来、自動車等の車両に使用される断熱材として、一般的に、発泡ウレタン(ウレタンフォーム)が知られている。しかし、発泡ウレタンは、高熱に弱く、低難焼性であることから、例えば、エンジンルーム、排気管周辺、ブレーキキャリアパ周辺等の高熱部位に適用することはできず、それら周辺の部品を保護するものとして機能させることは困難であった。
そこで、発泡ウレタンよりも耐熱性に優れるものとして、シリコーンを母材とした発泡シリコーン(シリコーンフォーム、シリコーン発泡体)が知られている。このシリコーンの硬化反応形式としては、空気中の湿気と反応して硬化する縮合反応型と、加熱により短時間での硬化を可能とする付加反応型と、紫外線照射により硬化が促進するUV反応型とがあるが、自動車部品の熱保護に適用する際の作業環境、作業性、生産性等を考慮すると、極めて短時間で硬化反応が進み、有機過酸化物の分解による副生成物を生じず、硬化収縮もない付加反応型のシリコーンが好適である。
一方、シリコーンを発泡させる手法としては、例えば、特許文献1に示したように、シリコーンゴムコンパウンドに熱分解型発泡剤を添加し、加熱による発泡剤の分解によって窒素ガスを発生させることで発泡シリコーンを形成する加熱発泡タイプのものと、特許文献2に示すように、シラノール基含有シロキサンとハイドロジェンシロキサンとの反応による脱水素反応によって水素を発生させながらシリコーンを発泡硬化させる自己発泡反応タイプのもの等がある。
ここで、発泡剤の添加により発泡させる方法では、例えば、従来、発泡剤として一般的に多用されてきたアソジカルボンアミド、アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物やニトリル化合物が白金触媒に対し高い触媒毒作用を示しシリコーンの硬化不良を招くことから、白金触媒による付加反応で硬化させる付加反応型シリコーンの発泡には不向きとされている。特に、それら発泡剤による加熱発泡の方法では、発泡剤の分解に高温の加熱を必要とし、また、発泡剤分解物の毒性、臭気といった作業環境性や発泡分解残渣の問題もある。
これに対し、硬化時に副生させる水素ガスにより発泡させる方法では、高温加熱を必要とすることなく発泡硬化を可能とし、発泡分解物の毒性、臭い、残渣の問題や発泡剤の触媒毒作用の問題も生じない。そこで、特許文献3においては、脱水素反応を伴って発泡する液状シリコーン組成物を一定の方法で混合しスプレー塗装するシリコーンフォームの製造方法を開示している。
特開平5−059207号公報 特開平5−031814号公報 特開平8−156003号公報
ところが、この種の自己発泡型の発泡シリコーンは、触媒により縮合反応の化学反応を促進し硬化を進行させると共に、脱水素反応の化学反応を生じさせてその反応により生じる水素ガスで発泡させるものであるから、温度や湿度環境、適用部位、塗布量等の塗装条件で発泡硬化性が左右され易く、特に、シリコーンが液状の組成物であると、硬化速度により発泡性が変化するため気泡の制御も難しい。このため、従来の発泡シリコーンでは、安定して高い発泡性が得られないことで、適用部位、適用量、適用条件等が限定されてしまう。即ち、安定して高い発泡性が得られないことで、例えば、エンジンルーム、排気管周辺、ブレーキキャリアパ周辺等の熱環境の厳しい部位に適用しようにも、高熱源の周囲部品を保護するのに実用的な断熱効果を得ることができないものであった。
そこで、本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであって、発泡性を向上できる断熱材の提供を課題とするものである。
請求項1の発明の断熱材は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子に結合したと水酸基を含有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、白金族系金属触媒と、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある無機充填剤とを混合してなるものであり、当該混合によるオルガノポリシロキサンのアルケニル基とオルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基の付加反応によって硬化し、また、オルガノポリシロキサンの水酸基とオルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基の脱水縮合反応によって発泡してなるものである。
ここで、上記ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンは、主鎖のシロキサン結合(Si-O結合)に有機官能基が結合しているものであり、その有機官能基として、アルケニル基を含んでいるものである。このオルガノポリシロキサンは、硬化性の確保から、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個含有するものである。
また、上記ケイ素原子に結合した水酸基(ヒドロキシ基)を含有するオルガノポリシロキサンは、主鎖のシロキサン結合(Si-O結合)に有機官能基が結合しているものであり、その有機官能基として、水酸基(OH基)を含んでいるものである。このオルガノポリシロキサンは、発泡性の確保から、ケイ素原子に結合した水酸基、即ち、シラノール基(Si-OH基)を1分子中に少なくとも2個含有するものである。
なお、ケイ素原子に結合したアルケニル基と水酸基の両方を含んでいるオルガノポリシロキサンを用いてもよい。
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、主鎖のシロキサン結合(Si-O結合)に有機官能基が結合した化合物において、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するもの、即ち、ヒドロシリル基(Si-H基)を含有するものである。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、硬化性及び発泡性の確保からすると、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも3個含有するものである。
上記白金族系金属触媒は、付加反応及び脱水素縮合反応の触媒機能があればよく、例えば、シリカ、アルミナ、シリカゲル等の担体に吸着させた微粒子状の白金、白金黒、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンまたはビニルシロキサンとの錯塩、塩化白金酸塩のアルコール、パラジウム、ロジウム等が使用できる。
上記無機充填剤としては、中位径が10μm以上、150μm以下、好ましくは、20μm以上、150μm以下の範囲内にある水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、炭酸カルシウム、珪藻土、酸化鉄、酸化チタン、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、亜鉛華、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、酸化第二鉄、タルク、ベントナイト等が使用できる。
なお、JIS Z 8901「試験用粉体及び試験用粒子」の本文及び解説の用語の定義によれば、中位径とは、粉体の粒径分布において、ある粒子径より大きい個数(または質量)が、全粉体のそれの50%を占めるときの粒子径(直径)、即ち、オーバサイズ50%の粒径であり、通常、メディアン径または50%粒子径といいD50と表わされる。定義的には、平均粒子径と中位径で粒子群のサイズを表現されるが、ここでは、商品説明の表示、レーザ回折・散乱法によって測定した値である。そして、この「レーザ回折・散乱法によって測定した中位径」とは、レーザ回折式粒度分布測定装置を用いてレーザ回折・散乱法によって得られた粒度分布において積算重量部が50%となる粒子径(D50)をいう。上記粒子径の数値は、厳格なものでなく概ねであり、当然、測定等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。この誤差の観点から見ると、平均粒子径との差も正規分布に近いほど僅少であり、平均粒子径≒中位径であり、平均粒子径=中位径と見做すこともできる。
請求項2の発明の断熱材は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水酸基を含有するオルガノポリシロキサン及び白金族系金属触媒を含む主剤と、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む硬化剤との混合により発泡硬化してなるシリコーン発泡硬化体中に、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある無機充填剤を含有してなるものである。
ここで、上記ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンは、主鎖のシロキサン結合(Si-O結合)に有機官能基が結合しているものであり、その有機官能基として、アルケニル基を含んでいるものである。このオルガノポリシロキサンは、硬化性の確保から、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個含有するものである。
また、上記ケイ素原子に結合した水酸基(ヒドロキシ基)を含有するオルガノポリシロキサンは、主鎖のシロキサン結合(Si-O結合)に有機官能基が結合しているものであり、その有機官能基として、水酸基(OH基)を含んでいるものである。このオルガノポリシロキサンは、発泡性の確保から、ケイ素原子に結合した水酸基、即ち、シラノール基(Si-OH基)を1分子中に少なくとも2個含有するものである。
なお、ケイ素原子に結合したアルケニル基と水酸基の両方を含んでいるオルガノポリシロキサンを用いてもよい。
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、主鎖のシロキサン結合(Si-O結合)に有機官能基が結合した化合物において、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するもの、即ち、ヒドロシリル基(Si-H基)を含有するものである。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、硬化性及び発泡性の確保からすると、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも3個含有するものである。
上記白金族系金属触媒は、付加反応及び脱水素縮合反応の触媒機能があればよく、例えば、シリカ、アルミナ、シリカゲル等の担体に吸着させた微粒子状の白金、白金黒、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンまたはビニルシロキサンとの錯塩、塩化白金酸塩のアルコール、パラジウム、ロジウム等が使用できる。
上記無機充填剤としては、中位径が10μm以上、150μm以下、好ましくは、20μm以上、150μm以下の範囲内にある水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、炭酸カルシウム、珪藻土、酸化鉄、酸化チタン、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、亜鉛華、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、酸化第二鉄、タルク、ベントナイト等が使用できる。
請求項3の発明の断熱材の前記無機充填剤は、アルミニウム水和物の水酸化アルミニウム(Al(OH)3)であるものである。
請求項4の発明の断熱材の前記無機充填剤は、炭酸カルシウム(CaCO3)、好ましくは、重質炭酸ンカルシウムであるものである。
請求項5の発明の断熱材は、前記発泡硬化前の混合材料に、更に、中位径が10nm以上、1000nm以下、好ましくは、10nm以上、100nm以下の範囲内にある補強性充填剤を含むものである。
上記補強性充填剤としては、カーボンブラック、シリカ、ヒュームド二酸化チタン等が使用できる。好ましくは、シリカ及び/またはカーボンブラックである。
上記シリカとしては、ヒュームドシリカ、煙霧質シリカ等の乾式シリカ、沈殿シリカ、焼成シリカ等の湿式シリカ、結晶性シリカ(石英粉)等を使用できる。
上記カーボンブラックとしては、例えば、アセチレンブラック、コンダクティブファーネスブラック(CF)、スーパーコンダクティブファーネス(SCF)、エクストラコンダクティブファーネスブラック(XCF)、コンダクティブチャンネルブラック(CC)、1500℃程度の高温で熱処理されたファーネスブラック、チャンネルブラック等を使用できる。
請求項6の発明の断熱材は、前記発泡硬化前の混合材料に、ヒドロキシ基含有化合物としての水、アルコール、シラノール基含有オルガノシラン、またはシラノール基含有シロキサンの何れか1種以上を含むものであり、発泡、膨張の安定性を高めるためにヒドロキシ基を含有する化合物が添加されたものである。
請求項1の発明に係る断熱材は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子に結合したヒドロキシ基を含有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、白金族系金属触媒と、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある無機充填剤とを混合することにより発泡硬化してなるものである。
この請求項1の発明の断熱材によれば、オルガノポリシロキサンのアルケニル基とオルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基との付加反応によりゴム状に硬化し、また、オルガノポリシロキサンのヒドロキシ基とオルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基との脱水素縮合反応により発泡したものであるから、断熱性を有し、かつ、母材がシリコーンであることで、耐熱性を有するものである。
そして、本発明者らは、例えば、エンジンルーム、排気管周辺、ブレーキキャリパ周辺等の熱環境の厳しい部位で高熱源の周囲部品を保護するのに実用的な断熱効果を発揮できるシリコーン発泡硬化体を得るために、発泡性を高めることができる技術について鋭意実験研究を行った結果、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合したヒドロキシ基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(オルガノシラン)及び白金族系金属触媒に対し、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある無機充填剤を混合することにより、無機充填剤を混合しないものよりも発泡性が向上することを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成させたものである。
ここで、中位径が10μm未満の無機充填剤を混合しても、シリコーンの硬化が阻害されたり、また、発泡性が阻害されたりし、発泡性が向上されない。一方で、150μmを超える無機充填剤を混合すると、塗布施工時に塗布ノズルの目詰まりが生じ、塗布作業性が低下し、実用に劣る。
ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合したヒドロキシ基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(オルガノシラン)及び白金族系金属触媒に対し、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある無機充填剤が混合されたことにより、硬化性を損うことなく発泡性が向上した断熱材となり、当該断熱材によれば、実用的な塗布作業性を確保することもできる。
請求項2の発明に係る断熱材は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水酸基を含有するオルガノポリシロキサン及び白金族系金属触媒を含む主剤と、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む硬化剤との混合により発泡硬化してなるシリコーン発泡硬化体中に、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内である無機充填剤を含有してなるものである。
この請求項2の発明の断熱材によれば、オルガノポリシロキサンのアルケニル基とオルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基との付加反応によりゴム状に硬化し、また、オルガノポリシロキサンのヒドロキシ基とオルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基との脱水素縮合反応により発泡したものであるから、断熱性を有し、かつ、母材がシリコーンであることで、耐熱性を有するものである。
特に、主剤と硬化剤との混合により発泡硬化してなるものであり、硬化速度の調整が容易とされたものである。
そして、本発明者らは、例えば、エンジンルーム、排気管周辺、ブレーキキャリアパ周辺等の熱環境の厳しい部位で高熱源の周囲部品を保護するのに実用的な断熱効果を発揮できるシリコーン発泡硬化体を得るために、発泡性を高めることができる技術について鋭意実験研究を行った結果、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合したヒドロキシ基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(オルガノシラン)及び白金族系金属触媒に対し、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある無機充填剤を混合することにより、無機充填剤を混合しないものよりも発泡性が向上することを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成させたものである。
ここで、中位径が10μm未満の無機充填剤を混合しても、シリコーンの硬化が阻害されたり、また、発泡性が阻害されたりし、発泡性が向上されない。一方で、150μmを超える無機充填剤を混合すると、塗布施工時に塗布ノズルの目詰まりが生じ、塗布作業性が低下し、実用に劣る。
ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合したヒドロキシ基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(オルガノシラン)及び白金族系金属触媒に対し、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある無機充填剤が混合されたことにより、硬化性が損なわれることなく発泡性が向上した断熱材となり、当該断熱材によれば、実用的な塗布作業性を確保することもできる。
請求項3の発明に係る断熱材によれば、前記無機充填剤は水酸化アルミニウムであるから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、難燃性が向上し、より熱環境が厳しい条件下でも強度が維持され、安全性も高いものとなる。
請求項4の発明に係る断熱材によれば、前記無機充填剤は炭酸カルシウムであるから、耐熱性が向上して加熱劣化し難いものとなる。よって、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、より高温の環境下でも高強度が発揮され、割れ等が生じ難いものとなる。
請求項5の発明に係る断熱材によれば、前記発泡硬化前の混合材料に、中位径が10nm以上、1000nm以下、好ましくは、10nm以上、100nm以下の範囲内にある補強性充填剤が含まれることから、請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の効果に加えて、強度が向上し、例えば、エンジンルーム、排気管周辺、ブレーキキャリパ周辺等の熱環境の厳しい部位でも割れ等が生じ難いものとなる。
請求項6の発明に係る断熱材によれば、前記発泡硬化前の混合材料に、ヒドロキシ基含有化合物として、水、アルコール、シラノール基含有オルガノシラン、またはシラノール基含有シロキサンの何れか1種以上を含むから、請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の効果に加えて、発泡硬化の安定性を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
なお、実施の形態において、表1乃至表3の同一欄に記載の数値は、数量の大きさを示すものであり、基本的に材料に違いはないので、ここでは重複する説明を省略する。
まず、本発明の実施の形態に係る断熱材について説明する。
本実施の形態の断熱材は、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンと、水酸基含有(シラノール基含有)オルガノポリシロキサンと、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、白金族系金属触媒と、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある無機充填剤とを混合したシリコーンコンパウンド(シリコーン組成物)から製造されるものである。
ここで、ベースポリマであるオルガノポリシロキサンとしては、一般的には、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサン及びケイ素原子に結合した水酸基、即ち、シラノール基を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンの2種以上の混合物であるが、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基及び1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基を有する1種のオルガノポリシロキサンを用いることも可能である。
アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するものであり、例えば、下記組成式(1)で表されるものである。
1 aSiO(4-a)/2・・・(1)
ここで、上記組成式(1)中のR1は、ケイ素原子に結合した有機官能基であって、好ましくは、炭素数1〜20、より好ましくは、1〜12、更に好ましくは、1〜6の1価炭化水素基である。上記組成式(1)中のR1の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、または、これらの基の水素原子の一部または全部をハロゲン原子等で置換した基、例えばクロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等の置換1価炭化水素基である。複数の置換基は、異なっていても同一であってもよい。ケイ素原子に結合した置換基として、1分子中にアルケニル基を2個以上含んでいることが必須であるが、アルケニル基以外は、メチル基またはフェニル基が好適である。また、ケイ素原子と結合したアルケニル基としてはビニル基が好ましく、アルケニル基は分子鎖末端にあっても側鎖にあってもよいが、両末端に1個ずつ含有するものが好ましい。なお、平均重合度は特に限定されないが、上記平均組成式(1)中、好ましくは、aは1.9〜2.4の正数、より好ましくは、1.95〜2.05の正数である。
また、このアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、例えば、R3SiO1/2単位及びR2SiO単位のみからなる直鎖状であることが好ましいが、それら単位の他にRSiO3/2単位及びSiO4/2単位の一部分岐した構造を含むものであっても良い。直鎖状のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとしては、主鎖がジオルガノポリシロキサン単位(D単位)の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(M単位)で封鎖されたオルガノポリシロキサンを例示することができる。このようなアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、公知の製造方法、例えば、オルガノシクロポリシロキサンと末端基となるR3SiO1/2単位を有する化合物とをアルカリまたは酸触媒の存在下で平衡化反応させることにより得られる。
なお、シリコーン発泡硬化体からなる断熱材の機械的強度、均一な発泡性、作業性の観点から、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が10〜1,000,000cStのものが好ましい。より好ましくは、100〜500,000cStのものであり、更に好ましくは、400〜200,000cStのものである。
このような1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサンを用いることで、そのアルケニル基が、オルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基(Si-H基)と付加反応して架橋するから、シリコーン樹脂はゴム状に硬化する。使用するアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、硬化時に架橋点となるアルケニル基を1分子中に2個以上含んでいれば硬化が可能であり、単独の化合物であってもよいし、複数種の混合物であってもよい。
また、水酸基含有オルガノポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基(OH基)、即ち、1分子中に少なくとも2個のシラノール基(Si-OH基)を有するものであり、通常、室温(25℃)で液状で、例えば、下記組成式(2)で表される単位を一分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンが使用される。
2 a(OH)bSiO[4-(a+b)]/2・・・(2)
ここで、上記組成式(2)中のR2は脂肪族不飽和結合を有していない非置換または置換の一価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素原子数1〜6のアルキル基、シクロヘキシル基等の炭素原子数6〜10のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等の炭素原子数6〜10のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基等の炭素原子数7〜12のアラルキル基、またはこれらの基の水素原子の少なくとも一部をハロゲン原子等で置換した基、例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基等である。これらの中でもメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。上記組成式(2)中のa及びbは、a+bが1〜3であることを条件として、aは0〜2の整数であり、bは1〜3の整数である。上記組成式(2)で示されるSi-OH基を有する単位は、分子鎖の末端に存在していてもよいし、分子鎖の途中に存在していてもよい。また、分子構造は、直鎖状、分枝状、環状、網状等のいずれであってもよいが、通常は直鎖状のものが使用される。更に、この水酸基含有オルガノポリシロキサンは、上記組成式(2)の単位を一分子中に少なくとも2個有している限り、他の任意のオルガノシロキサン単位を有していてもよい。この水酸基含有オルガノポリシロキサンは、その粘度が低すぎると得られる断熱材(シリコーン発泡硬化体)が脆くなり、粘度が高すぎるものは作業性が低下することから、25℃における粘度が50〜1,000,000cStのものが好ましい。より好ましくは、100〜100,000cSt、更に好ましくは、500〜100,000cStのものである。
この水酸基含有オルガノポリシロキサンの代表的なものとしては、例えば、以下の式(3)、(4)で表されるものである。
HO(R34SiO)LH・・・(3)
5 3SiO(R34SiO)M[R3Si(OH)O]NSi(R53・・・(4)
ここで、式(3)(4)中、R3及びR4は同一でも異なっていてもよく、脂肪族不飽和結合を含まない非置換または置換の1価炭化水素基であり、R5は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換または置換の一価炭化水素基であり、上記式(2)のR2で例示したものと同様である。式(3)(4)中、Lは、好ましくは、20〜3,000、より好ましくは、200〜2,000の整数であり、Mは、好ましくは、2〜20の整数、Nは、好ましくは、3〜20の整数である。
中でも、水酸基含有オルガノポリシロキサンとして、好適に使用されるものは、例えば、両末端がシラノール基のジメチルオルガノポリシロキサンである。
このような1分子中に少なくとも2個のシラノール基(Si-OH基)を有するオルガノポリシロキサンを用いることで、そのシラノール基(Si-OH基)が、オルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基(Si-H基)と脱水素反応するから、シリコーン樹脂は発泡し、スポンジ状の硬化物となる。使用するシラノール基含有オルガノポリシロキサンは、シラノール基を1分子中に2個以上含んでいれば発泡を可能とするが、単独の化合物であってもよいし、1種類だけではなく、2種類以上を混合して使用してもよい
一方、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合した水素原子を含有するもの、即ち、1分子中に少なくとも3個のヒドロシリル基(Si-H基)を有するものであり、例えば、下記組成式(5)で表される単位を1分子中に少なくとも3個有するオルガノポリシロキサンが使用される。
6 bcSiO(4-b-c)/2・・・(5)
ここで、上記式(5)中のR6としては、好ましくは、炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜6の1価炭化水素基(脂肪族不飽和炭化水素基を除く)であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等の非置換または置換1価炭化水素基である。中でも、メチル基、フェニル基が好ましい。上記式(5)中のbは、好ましくは、0≦b≦2、より好ましくは、0.7≦b≦2.1、更に好ましくは0.8≦b≦2であり、cは、好ましくは、0<c≦3、より好ましくは、0.18≦c≦1.0、更に、好ましくは0.2≦c≦1.0であり、かつ、b+cは、好ましくは、0<b+c<4、より好ましくは、0.8≦b+c≦3.0、更に好ましくは、1.0≦b+c≦2.5である。d、eは、好ましくは、それぞれ0.002≦e≦1.0、1.8<d<2.2で1.8<d+e≦3.0を満たす数である。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、下記式(6)、(7)で表されるものが挙げられる。
7[(R82SiO]L(R7HSiO)MSi(R827・・・(6)
[(R92SiO]L(R9HSiO)M・・・(7)
ここで、上記式(5)中、R7は独立に水素原子又は脂肪族不飽和結合を有しない置換もしくは非置換の1価炭化水素基であり、R8は独立に脂肪族不飽和結合を有しない置換又は非置換の1価炭化水素基である。上述した式(2)中のR2として例示した基と同様のものが挙げられる。式(5)中、Lは0〜100の整数であり、Mは2〜100の整数である。また、式(6)中、Lは0〜20の整数、Mは2〜20の整数、R9は前記と同じである。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とから成る共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体等を例示することができる。具体例としては、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体等が使用できる。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状の何れの構造であってもよいが、直鎖状、環状のものが好ましい。この場合、1分子中のケイ素原子の数、重合度が、好ましくは、2〜300個、より好ましくは、4〜200個の室温(25℃)で液状のものが好適に用いられる。その重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換算)は、好ましくは、500〜20,000、より好ましくは、800〜5,000であるものである。なお、ケイ素原子に結合する水素原子は、分子鎖末端にあっても側鎖にあってもよく、または、その両方にあってもよい。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの粘度は特に限定されないが、25℃における粘度が1〜200,000cStのものが好ましく、より好ましくは、1〜30,000cSt、1〜10,000cSt、更に好ましくは1〜1,500cstのものである。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、公知の製造方法、例えば、テトラメチルシクロテトラシロキサン及び/またはオクタメチルシクロテトラシロキサンと、末端基となる(CH33SiO1/2単位及び/またはH(CH3)2SiO1/2単位(例えば、ヘキサメチルジシロキサンや、1,1−ジハイドロ−2,2',3,3'−テトラメチルジシロキサン単位)を有する化合物とを、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存在下、−10〜+40℃程度で平衡化させることによって製造できる。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも3個のケイ素原子に結合した水素原子(Si-H結合)を有し、上述したオルガノポリシロキサンに対して架橋剤として作用するものであり、オルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基(Si-H基)が、オルガノポリシロキサンのアルケニルキ基と付加反応(ハイドロサイレーション)することによってシリコーン樹脂がゴム状に硬化し、また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基(Si-H基)が、オルガノポリシロキサンの水酸基(シラノール基)と脱水素反応することによって水素ガスが発生し、即ち、発泡し、シリコーン樹脂がスポンジ状の硬化物となる。
なお、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、十分な硬化と発泡が得られる量とするが、多すぎると未反応のヒドロシリル基(Si-H基)が残存することで、得られるシリコーン発泡硬化体、即ち、断熱材が脆くなったり、断熱材の歪み、耐熱性等の物性が低下したりする恐れがある。オルガノハイドロジェンポリシロキサンにおけるケイ素原子に結合する水素原子の数が、オルガノポリシロキサンや後述するヒドロキシ基含有化合物等に含まれるヒドロキシ基、及びオルガノポリシロキサンのアルケニル基の合計量に対し、1〜50倍モルの相当量が好ましく、より好ましくは、3〜40倍モルの相当量である。
また、白金族系金属触媒は、オルガノポリシロキサン中のアルケニル基とオルガノハイドロジェンシロキサン中のヒドロシリル基(Si-H基)との付加反応(ハイドロサイレーション)、及び、オルガノポリシロキサン中の水酸基(シラノール基)とオルガノハイドロジェンシロキサン中のヒドロシリル基(Si-H基)との脱水素縮合反応を促進させるための触媒として作用するものである。
このような白金族系金属触媒としては、白金系、パラジウム系、ロジウム系のものがあるが、好ましくは白金系のものが使用され、この白金系のものとしては、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム等の白金族金属や、白金ブラック、塩化白金(例えば、H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・nH2O(但し、式中、nは0〜6の整数であり、好ましくは0または6である))、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変成物等の白金族金属化合物、またはこれらの錯体、例えば、白金とオレフィンの錯体、白金とビニル基含有シラン(ビニルシロキサン)またはシロキサンの錯体(例えば、ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン等のビニルシロキサン錯体)、白金のホスファイト錯体、白金のホスフィン錯体等が使用される。好ましくは、白金ブラック、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変成物、塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサンまたはアセチレンアルコール類との錯体等である。これらのうち、硬化前の安定性や適度の発泡速度を与えるという観点から、塩化白金酸、塩化第二白金、白金とオレフィン系化合物の錯体、ビニルシロキサンの白金錯体、塩化白金酸6水塩とオレフィンまたはジビニルジメチルポリシロキサンとの錯体、塩化白金酸6水塩のアルコール溶液等が好ましい。シリカ、アルミナ、シリカゲルのような担体上に微粒子状白金金属を吸着させたものを用いてもよい。
白金族系金属触媒の配合量は、硬化速度等に応じて適宜設定できるが、多過ぎるとポットライフ(クリーミングタイム)が短くなりすぎ、作業性が著しく低下し、また、耐熱性も低下する。一方で、少な過ぎると触媒効果が得られず、十分な発泡硬化が生じない。このため、例えば、白金族系金属触媒の量は、白金金属量の換算で、混合する材料中の全シロキサン重量に対して、0.1〜300ppmが好ましい。より好ましくは、1〜500ppm、更に好ましくは、5〜100ppmである。
このような、白金族系金属を触媒とすることで、硬化時間の短縮や高発泡倍率化が可能であり、また、シリコーン発泡硬化体を難燃化しやすく、更に、耐熱性も高いものとすることができる。
また、中位径が10μm以上、150μm未満の範囲内にある無機充填剤として、本実施の形態では、中位径が10μm以上、150μm未満の範囲内にある水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウムを用いた。
水酸化アルミニウム(Al(OH)3)としては、BET法による比表面積が、好ましくは、1〜250m2/gのもの、DOP吸油量が、好ましくは、50〜100ml/100gのものを用いることが好ましい。比表面積が当該範囲内にあると、硬化阻害が生じ難く、好適な発泡性及び硬化性が得られる。表面が処理されたものを用いてもよく、例えば、オルガノポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン等のオシラザン、シラン類等の表面処理剤によって疎水化処理されたものであってもよいし、材料混合時に疎水化処理を行ってもよい。
炭酸カルシウムとしては、重質、沈降性、コロイダル等の公知のものを使用できるが、重質炭酸カルシウムが好適である。また、炭酸カルシウムは、例えば、オルガノクロロシラン、オルガノポリシロキサン、ヘキサオルガノシラザンテトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物等で表面処理されているものであってもよい。なお、炭酸カルシウムの表面処理は、例えば、ジオルガノポリシロキサンと炭酸カルシウムと所定の加水分解縮合物とを混合し加熱処理することで行い、その後に残りの成分を混合するようにしてもよい。特に、このような表面処理がなされた炭酸カルシウムによれば、炭酸カルシウム粉末に含まれるアルカリ成分とオルガノハイドロジェンポリシロキサンの脱水素縮合反応が低減され、より安定した発泡性及び硬化性を確保できる。しかし、本発明を実施する場合には、炭酸カルシウムの粒径を所定粒径に規定していることで、表面処理されていない炭酸カルシウムを用いたときでも、炭酸カルシウム粉末に含まれるアルカリ成分とオルガノハイドロジェンポリシロキサンの反応が抑えられ安定した発泡性及び硬化性を確保できる。
このような水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウムの無機充填剤の配合量は、少なすぎると、発泡性の向上効果が得られず、一方で多すぎると、塗布作業性を低下させる。よって、ポリシロキサン成分の総量100質量部に対して、好ましくは、10質量部以上であれば、実用的な発泡性の向上効果が得られる。より好ましくは、20質量部以上、更に好ましくは、40質量部以上である。また、好ましくは、150質量部以下であれば、断熱材の比重が小さく軽量性が良好となる。より好ましくは、130質量部以下、更に好ましくは、120質量部以下である。
そして、このような水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウム等の無機充填剤としては、粒子径がレーザ回折法による体積基準の累積平均径(D50)としての中位径で10μm以上、150μm以下の範囲内にあるものを用いことで、シリコーンの硬化不良を招くことなく、発泡性を向上させることができ、かつ、塗布作業性を確保できる。
また、本発明を実施する場合には、必要に応じて、安定した発泡性を確保するためのヒドロキシ基含有化合物を混合することも可能である。このヒドロキシ基含有化合物は、適度な膨張、発泡のためにヒドロキシ基の供給源となるものであり、例えば、水、アルコール、シラノール基含有オルガノシラン、シラノール基含有オルガノシロキサン等が使用される。これらは、1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。このときのアルコールとしては、例えば、炭素原子が1〜12の一価又は多価アルコール等が使用され、特に好適なものは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ラウリルアルコール、オクチルアルコール、n−プロピルアルコール等である。また、シラノール基含有オルガノシランとしては、例えば、トリメチルヒロドキシシラン、ジメチルシランジオール、ジフェニルシランジオール、ジメチルフェニルシラノール、トリメチルシラノール等が使用できる。更に、シラノール基含有オルガノシロキサンは、好ましくは、25℃における粘度が1〜50cSt、より好ましくは、1〜30cStのものである。シラノール基含有オルガノシロキサンとしては、オルガノヒドロキシシロキサン等が使用できる。
このヒドロキシ基含有化合物の配合量は、多過ぎると、発泡したセルの大きさが不均一となり、物理強度が低くなることから、例えば、オルガノポリシロキサン総100質量部に対し、0.1〜5質量部、好ましくは、0.2〜3質量部配合される。
更に、本発明を実施する場合には、必要に応じて、強度を高めるための補強性充填剤が配合される。
補強性充填剤としては、例えば、シリカ、カーボンブラック等が使用される。これらは、1種を単独で用いてもよいし2種以上を組み合わせて使用することもできる。
シリカは、ヒュームドシリカ、煙霧質シリカ等の乾式の微粉末シリカ、沈殿シリカ(沈降性シリカ)等の湿式シリカ、結晶性シリカ等が使用でき、1種を単独で用いてもよいし2種以上を組み合わせて使用することもできる。また、親水性シリカであっても疎水性シリカ(表面を有機ケイ素化合物等で疎水化処理したもの)であってもよい。即ち、疎水性シリカとして、ハロゲン化シラン、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン、低分子シロキサン、オルガノポリシロキサン、オルガノポリシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等で表面処理(疎水化処理)したものであってもよい。このように予め表面が疎水化処理された疎水性シリカを用いてもよいが、混合時に未処理のシリカを表面処理剤と共に混合することによってシリカの疎水化処理を行ってもよい。
また、シリカは、好ましくは、BET比表面積が50m2/g〜1000m2/gのもの、より好ましくは、BET比表面積が100m2/g〜500m2/gのものが使用される。比表面積が当該範囲内にあると、十分な補強性を得られ、かつ、塗装に好適な粘度が得られる。このようなシリカは、例えば、オルガノポリシロキサン成分の総量100質量部に対して、1〜50質量部、好ましくは2〜4質量部、より好ましくは、2.5〜30質量部の範囲内で配合される。当該範囲内であれば、塗布作業性や発泡性を低下させることなく、割れ等が生じ難い十分に高い強度を付与できる。
また、カーボンブラックとしては、一般にその製造方法によって、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等があるが、硬化阻害となる硫黄、アミン等の含有量が少く、発達した二次細孔を有するアセチレンブラックや、比表面積が大きく分散性や難焼性付与効果が高いケッチェンブラックが好適に使用される。なお、カーボンブラックは、BET法比表面積が、10m2/g以上のものを用いるのが好ましい。
このようなカーボンブラックは、例えば、オルガノポリシロキサン総量100質量部に対して、0.03〜10質量部、好ましくは0.05〜1質量部、より好ましくは、0.05〜0.5質量部の範囲内で配合される。当該範囲内であれば、塗布作業性やゴム物性を低下させることなく、割れ等が生じ難い十分に高い強度を付与できる。
更に、このようなカーボンブラックの配合によって、着色、導電性の付与を可能とし、更に、耐熱性及び難燃性を向上させることも可能である。
このような補強性充填剤としては、粒子径がレーザ回折法による体積基準の累積平均径(D50)としての中位径で10nm以上、1000nm以下の範囲内にあると、低コストで入手でき、分散性も良好で、かつ、十分な補強効果を有するものとなる。なお、湿式シリカの場合、その一次粒子は非常に小さく、実際には凝集して二次凝集塊を形成しているため、この二次凝集塊の粒子径が、通常、湿式シリカの中位径(平均粒子径)とされる。
加えて、本発明を実施する場合には、必要に応じて、発泡硬化の反応速度を制御する添加剤、例えば、ポットライフ(発泡、硬化までの時間)を延長するためのアセチレンアルコール、ポリメチルビニル環状化合物、ハイドロぺルオキシ基含有有機化合物等の硬化抑制剤(硬化遅延剤)や、発泡硬化時間を短縮する硬化促進剤等や、エポキシ基含有ポリシロキサン化合物やエステルシロキサン化合物等の接着性向上剤を配合することも可能である。
このような、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンと、水酸基(シラノール基)含有オルガノポリシロキサンと、ヒドロシリル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、白金族系金属触媒と、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある無機充填剤としての水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウムとのシリコーンコンパウンドは、例えば、プラネタリーミキサー、グレンミル、ニーダー、アトライター、ロール、ディゾルバー等の公知の混合分散、混合攪拌機を用いて材料を均一に混合攪拌することにより調製される。そして、硬化前のシリコーンコンパウンド(シリコーン組成物)は適度な流動性を示し、従来公知の塗装方法、例えば、エアレススプレー塗装、エアスプレー塗装、刷毛塗り、ローラー塗装、浸漬塗装等により所望の塗装部位に塗装され、塗装後に室温下で発泡、硬化し、或いは、所定温度で加熱することで発泡、硬化し、ゴム弾性を有するスポンジ状のシリコーン発泡硬化体からなる断熱材となる。硬化前のシリコーンコンパウンドは、射出成形、注入成形等の公知の成形装置を使用して成形することも可能であり、成形後、室温下で発泡、硬化し、或いは、所定温度の加熱で発泡、硬化し、ゴム弾性を有するスポンジ状のシリコーン発泡硬化体からなる断熱材を形成する。
即ち、本実施の形態の断熱材は、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンと、水酸基(シラノール基)含有オルガノポリシロキサンと、ヒドロシリル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、白金族系金属触媒と、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある無機充填剤としての水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウムとを混合することにより得ることができる。
アルケニル基含有オルガノポリシロキサンと、水酸基(シラノール基)含有オルガノポリシロキサンと、ヒドロシリル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、白金族系金属触媒と、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある無機充填剤としての水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウムとを混合すると、オルガノポリシロキサンのアルケニルキ基とオルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基(Si-H基)との付加反応が白金族系金属触媒により促進され、アルケニル基とヒドロシリル基(Si-H基)の付加反応による架橋によって、シリコーンコンパウンドが硬化すると共に、オルガノポリシロキサンの水酸基(シラノール基)とオルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基(Si-H基)による脱水縮合反応が白金族金属系触媒により促進され、脱水素縮合反応による水素ガスの発生によって、シリコーンコンパウンドが発泡し、シリコーンの発泡硬化体が得られる。
特に、本実施の形態においては、保存安定性及び硬化速度の制御性の観点から、少なくともアルケニル基含有オルガノポリシロキサン、水酸基(シラノール基)含有オルガノポリシロキサン及び白金族系金属触媒を含有するものを主剤(本剤)とし、少なくともヒドロシリル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有するものを硬化剤とする2液型とし、それら主剤と硬化剤を混合することで発泡硬化させるものとする。中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある無機充填剤については、主剤と硬化剤の混合時に混合してもよいし、主剤または硬化剤に予め含ませていてもよい。上述した補強性充填剤や、水、アルコール等のヒドロキシ基含有化合物についても、主剤と硬化剤の混合時に混合してもよいし、主剤または硬化剤に予め含ませていてもよい。何れにせよ、発泡硬化が開始される前に上記材料が均一に混合分散されればよい。なお、このときの発泡、硬化は、通常、材料混合後に常温(室温)下に放置しても進行するが、短時間で発泡、硬化させるために、例えば、30〜180℃、好ましくは、80℃〜150℃で加熱してもよい。このような2液付加反応型のものでは、保存性に優れ、温度による硬化速度の調整も容易であるから、作業効率が良好である。
ここで、少なくともアルケニル基含有オルガノポリシロキサン、水酸基(シラノール基)含有オルガノポリシロキサン及び白金族金属系触媒を含有する主剤と、少なくともヒドロシリル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有する硬化剤としては、市販の液状シリコーン、例えば、(株)スリーボンド製のTB5277、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製のSEF−10、信越化学工業(株)製のKE−521AB、KE−524AB、X−31ー1075AB、X−32−1576AB,X−32−1703AB等を使用することができる。このような液状のものでは、細部への浸透性も良く、塗装面が凹凸や曲面等を有していても、その塗装面に対し、高い接着性、密着性、付着性を確保できる。なお、このような2液付加硬化型において、白金族系金属を触媒として使用するものでは、主剤及び硬化剤の配合が、例えば、1:1とされるが、本発明を実施する場合には、それに限定されない。
こうして、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子に結合した水酸基を含有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子に結合した水素原子を含有する含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、白金族系金属触媒と、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある無機充填剤とを混合すると、それらのコンパウンドは室温または加熱下において発泡硬化してシリコーン発泡硬化体からなる断熱材となる。
特に、本実施の形態の断熱材は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水酸基を含有するオルガノポリシロキサン及び白金族系金属触媒を少なくとも含む主剤と、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを少なくとも含む硬化剤との混合により発泡硬化したシリコーン母材に、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある無機充填剤を含有したものである。
このようにして得られた本実施の形態の断熱材は、その母材がシリコーン樹脂(シリコーンゴム)であることから、安定した電気特性、耐候性、耐水性(防水性)、耐寒性及び耐熱性を有し、特に、一般の有機ゴム等の有機系材料よりも耐熱性が高く、例えば、自動車の排気管等の高温の熱源の周囲に配しても溶融することのない高い耐熱性を有し、有機系材料では難しい温度域でも対応できる。また、脱水素縮合反応により発泡したものであり、多数の気泡、空気層を有することから、断熱性を有する。特に、シリコーン樹脂の低熱伝導率及び多数の気泡、空隙を有する断熱構造によって高い断熱性を発揮する。加えて、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある無機充填剤の配合によりシリコーンコンパウンドの発泡倍率が上昇し、高発泡化が可能であるから、より優れた断熱性を発揮できる。発泡させたものであるから軽量性にも優れる。更に、母材のシリコーンは、低架橋密度であり有機成分を含有することで、例えば、鋼板等の金属からなる車体面であってもそれに対する接着性、付着性、密着性も良く、塗装部位に塗布するのみで硬化後も塗装面に対する接着性、付着性、密着性が良い。また、2液付加硬化型のものでは、曲面や複雑な表面形状を有する部位等であってもそれに追従させる施工が容易である。そのうえ、母材のシリコーンは、ゴム物性を有するから、適用部位の熱による膨張や収縮に追従できる弾性、柔軟性を確保でき、適用部位が熱負荷により膨張したときでも割れ等が生じ難い。更に、シリコーンの硬化が付加反応型であることから、収縮を伴わない硬化によりシリコーン発泡硬化体に亀裂や膨れが生じ難く、また、硬化スピードを制御でき施工の効率に優れるものである。加えて、シリコーン発泡硬化体であるから、発泡及びゴム物性によって音や振動の吸収性も高くて耐衝撃性も有し、制振効果や防音効果も有する。
そして、本実施の形態の断熱材によれば、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、水酸基(シラノール基)含有オルガノポリシロキサン、ヒドロシリル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び白金族系金属触媒に対し、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウム等の無機充填剤を混合したことにより、シリコーン(シロキサン成分)の発泡性が向上した。即ち、所定粒径の無機充填剤を混合しない場合と比較して、シラノールの発泡倍率が向上した。この理由については、必ずしも明らかではないが、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウム等の無機充填剤を混合したことにより、コンパウンドの硬化と発泡の速度がバランスされたことが考えられる。即ち、シロキサン成分の脱水素縮合反応により生じる発泡時におけるシリコーンの硬化、粘度特性が発泡に好適で、かつ、発泡ガスが抜け難いシリコーンの硬度、粘度特性となり、つまり、増粘し、それ故に、発泡したガスが多く保持されることになりシリコーンの発泡性が向上したことが考えられる。また、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウム等の無機充填剤の混合により、シリコーン成分(シロキサン成分)の分散性が向上し、脱水素縮合の反応性が向上したことも考えられる。
特に、水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウム等の無機充填剤の中位径が小さすぎるものを混合した場合には、硬化阻害が生じることから、水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウム等の無機充填剤の中位径を所定粒径に規定することで、白金属系触媒の被毒や無機充填剤とシロキサン成分との反応による硬化阻害を生じさせることなく、シリコーンの発泡性が向上する。
即ち、水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウム等の無機充填剤の粒径が中位径が小さすぎると、シリコーンの発泡硬化が阻害され、発泡したセルの大きさも不均一となり、また、発泡セルが大きくなり過ぎる。これは、無機充填剤の粒径が小さくなると比表面積が大きくなることで、例えば、シリコーン材料や白金族系金属触媒に対し無機充填剤やそれに含まれる不純物が大きく反応してしまうためと推測される。一方で、無機充填剤の粒径が大きすぎると、作業性、例えば、施工の際に塗布機でコンパウンドを塗布するとなるとその塗布ノズルに詰まりが生じ、塗布作業性が低下する。また、塗装部位への接着性、付着性、密着性を低下させる恐れもある。無機充填剤の粒径が中位径で10μm以上、150μm以下の範囲内であれば、硬化性が損なわれることなく発泡性が向上し、発泡セルの大きさのバラつきも少なく、略均一で細かい発泡セルとなり、かつ、塗布作業性も確保できる。更に、塗装部位への接着性、付着性、密着性を低下させることもない。そして、このようにシリコーンの発泡倍率を高めることができるから、温度や湿度環境、適用部位、塗布量等の塗装条件が相違しても、安定して所望の発泡性を確保でき、高い断熱効果を得ることが可能となる。
こうして、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、水酸基(シラノール基)含有オルガノポリシロキサン、ヒドロシリル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び白金族系金属触媒に対し、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある無機充填剤の混合により、発泡性が向上したシリコーン発泡硬化体からなる断熱材となる。そして、このようにして得られたシリコーン発泡硬化体からなる断熱材では、発泡性の向上により軽量化及び断熱性の向上が可能である。また、発泡性が向上したことで、発泡制御のための気体を圧入しなくとも、発泡セルの径のバラつきが少なく均一で細かいセルを形成でき、また、寸法のばらつきも小さく、均一な寸法となる。
このようにアルケニル基含有オルガノポリシロキサン、水酸基(シラノール基)含有オルガノポリシロキサン、ヒドロシリル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び白金族系金属触媒に対し、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある無機充填剤とを混合して発泡硬化させてなる本実施の形態の断熱材によれば、硬化性を損なうことなく、発泡性が向上するものであるから、例えば、自動車床裏の排気管周辺のフロアトンネル、車両のエンジンルーム、車両のブレーキキャリアパ周辺等の高熱部位に適用した際でも、即ち、高温の熱源周辺に塗装した際でも、安定して所望の発泡性が発揮されることにより、実用的な断熱効果を得ることができる。特に、シリコーンのゴム物性及び発泡性の向上による弾性、柔軟性の向上により凹凸部位、曲面や複雑な表面形状を有する部位等に適用した際でも、また、塗装部位が熱膨張したときでも、割れ(亀裂)、破壊、剥離等が生じ難く、割れ等が生じ難く、高い断熱性を維持でき、広範囲の高熱部位に適用可能である。即ち、塗装箇所、塗布量等の塗装条件が限定されずに広範囲の高温の熱源周辺の部品保護、断熱対策に好適となる。そして、シリコーンが耐熱性に優れることで、所望とする塗装部位の塗装面に直接塗布による塗装することで断熱性を発揮させることが可能であり、塗装面に対し隙間を生じさせない断熱構造を可能とするから、高い断熱効果を得ることができ、適用空間の省スペース化を図り、設計自由度を制約することもない。
特に、無機充填剤が水酸化アルミニウムであると、水酸化アルミニウムの難燃性が高いことで、シリコーン発泡硬化体からなる断熱材の難燃性が向上し、より熱環境が厳しい条件下でも高い強度を維持することができ、また、安全性も向上する。よって、断熱材の適用範囲をより広げることができ、例えば、エンジンからの高温の排ガスが流通するためにかなりの高温となる排気管を収めたフロアトンネルや高温環境のエンジンルーム、ブレーキキャリパ周辺等の断熱対策にも効果的である。
また、無機充填剤が炭酸カルシウム、好ましくは、重質炭酸カルシウムであると、シリコーン発泡硬化体からなる断熱材の耐熱性が向上し、熱劣化が生じ難くなるから、高温環境下でも高強度を発揮できる。よって、断熱材の適用範囲をより拡大でき、例えば、エンジンからの高温の排ガスが流通するためにかなりの高温となる排気管を収めたフロアトンネルや高温環境のエンジンルーム、ブレーキキャリパ周辺等の断熱対策にも効果的である。
特に、炭酸カルシウム粉末においては、不純物としてアルカリ成分が含まれていると、そのアルカリ成分がオルガノハイドロジェンポリシロキサンと反応することにより、発泡硬化性を阻害する。或いは、白金族系金属触媒の被毒量が大きくなる。殊に、表面処理されていない炭酸カルシウムの場合には、十分な発泡硬化性を得ることが困難である。しかしながら、重質炭酸カルシウムの粒子径が10μm以上、150μm以下の範囲内の重質炭酸カルシウムの混合であれば、表面処理されていない炭酸カルシウムを用いた場合であっても、硬化不良となることもなく、発泡性を向上させることができる。
次に、本発明の実施の形態に係る断熱材の実施例について、具体的に説明する。
本実施例に係る断熱材は、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、水酸基(シラノール基)含有オルガノポリシロキサン、ヒドロシリル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン、白金族系金属触媒、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある無機充填剤を混合して製造される。具体的に、実施例においては、2液付加反応型の液状シリコーン(信越化学工業(株)製『KE−521−A/B』)と、無機充填剤としての水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウムとを混合して製造した。ここで、信越化学工業(株)製の『KE−521−A』は、主剤として、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、水酸基(シラノール基)含有オルガノポリシロキサン、白金族系金属触媒、ヒドロキシ含有化合物としてのアルコール、補強性充填剤としての結晶性シリカ(含有量5〜10質量%)及びカーボンブラック(含有量1〜5質量%)を含むものである。また、信越化学工業(株)製の『KE−521−B』は、硬化剤として、ヒドロシリル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン及び補強性充填剤としての結晶性シリカ(含有量20〜25質量%)を含むものである。
実施例1〜8に係る断熱材を作製したときの材料の配合内容を表1及び表2の上段に示す。また、比較として、表3に示す配合内容で、比較例1〜3に係る断熱材も作製した。
Figure 2020190307
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具体的には、実施例1では、表1で示した配合量にしたがって、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、水酸基(シラノール基)含有オルガノポリシロキサン、白金族系金属触媒、アルコール、結晶性シリカ及びカーボンブラックを含む第1液の主剤(信越化学工業(株)製『KE−521A』)と、ヒドロシリル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン及び結晶性シリカを含む第2液の硬化剤(信越化学工業(株)製『KE−521B』)と、無機充填剤としての平均粒径(≒中位径)が23μmの水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製『細粒・微粒水酸化アルミニウム B303』)とを混合し、そのコンパウンド(シリコーン組成物)を、鋼板に対し厚み10mmで塗布し、常温(23℃)で放置したのち、150℃で20分間の加熱処理を行うことで、鋼板上で発泡、硬化されたシリコーン発泡硬化体からなる断熱材を得た。
また、実施例2は、無機充填剤として、実施例1のときよりも粒径が大きい平均粒径(≒中位径)55μmの水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製『標準水酸化アルミニウム B53』)を用いたものである。その他の条件は、実施例1のときと同一である。
実施例3は、無機充填剤として実施例2と同一の平均粒径(≒中位径)55μmの水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製『標準水酸化アルミニウム B53』)を用いるも、その配合量を実施例2のときよりも少なくしたものである。また、実施例2と同一の2液付加反応型の液状シリコーンを用いるもその配合量を実施例2のときよりも多くしたものである。
実施例4は、無機充填剤として実施例2、3と同一の平均粒径(≒中位径)55μmの水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製『標準水酸化アルミニウム B53』)を用いるも、その配合量を実施例2のときよりも多くしたものである。また、実施例2と同一の2液付加反応型の液状シリコーンを用いるもその配合量を実施例2のときよりも少なくしたものである。
実施例5は、無機充填剤として実施例2〜4と同一の平均粒径(≒中位径)55μmの水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製『標準水酸化アルミニウム B53』)を用いるも、その配合量を実施例4よりも更に多くしたものである。また、実施例1〜4と同一の2液付加反応型の液状シリコーンを用いるもその配合量を実施例4のときよりも更に少なくしたものである。
実施例6では、表2で示した配合量にしたがって、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、水酸基(シラノール基)含有オルガノポリシロキサン、白金族系金属触媒、アルコール、結晶性シリカ及びカーボンブラックを含む第1液の主剤(信越化学工業(株)製『KE−521A』)と、ヒドロシリル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン及び結晶性シリカを含む第2液の硬化剤(信越化学工業(株)製『KE−521B』)と、無機充填剤として平均粒径(≒中位径)が20μmの炭酸カルシウム(竹原化学工業(株)製『竹原重炭』)とを混合し、そのコンパウンド(シリコーン組成物)を、鋼板に対し厚み10mmで塗布し、常温(23℃)で放置したのち、150℃で20分間の加熱処理を行うことで、鋼板上で発泡、硬化されたシリコーン発泡硬化体からなる断熱材を得た。
実施例7は、無機充填剤として実施例6のときよりも粒径が大きい平均粒径(≒中位径)28μmの炭酸カルシウム(清水工業(株)製『LW3000』)を用いたものである。その他の条件は、実施例6のときと同一である。
実施例8は、無機充填剤として実施例7のときよりも更に粒径が大きい平均粒径(≒中位径)45μmの炭酸カルシウム(清水工業(株)製『LW3000』)を用いたものである。その他の条件は、実施例6、7のときと同一である。
一方、比較例1では、実施例1のような無機充填剤としての水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウムを混合しないでシリコーン発泡硬化体からなる断熱材を作製した。即ち、比較例1においては、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、水酸基(シラノール基)含有オルガノポリシロキサン、白金族系金属触媒、アルコール、結晶性シリカ及びカーボンブラックを含む第1液の主剤(信越化学工業(株)製『KE−521A』)と、ヒドロシリル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン及び結晶性シリカを含む第2液の硬化剤(信越化学工業(株)製『KE−521B』)のみを混合し、そのコンパウンド(シリコーン組成物)を、鋼板に対し厚み10mmで塗布し、常温(23℃)で放置したのち、150℃で20分間の加熱処理を行うことで、鋼板上で発泡、硬化されたシリコーン発泡硬化体からなる断熱材を得た。
また、比較例2は、上記主剤及び硬化剤に対し、無機充填剤として水酸化アルミニウムを混合するも、実施例1〜5のときよりも粒径が小さい平均粒径(≒中位径)7.7μmの水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製『細粒・微粒水酸化アルミニウム B103』)を用いたものである。その他の条件は、実施例1のときと同一である。
更に、比較例3は、上記主剤及び硬化剤に対し、無機充填剤として炭酸化カルシウムを混合するも、実施例6〜8のときよりも粒径が小さい平均粒径(≒中位径)4.4μmの炭酸カルシウム(日東粉化工業(株)製『NN500』)を用いたものである。その他の条件は、実施例6のときと同一である。
ここで、このようにして得られた実施例1〜8に係るシリコーン発泡硬化体からなる断熱材及び比較例1〜3に係るシリコーン発泡硬化体からなる断熱材に対し、その硬化性、軽量性、発泡性についての評価試験を行った。
硬化性については、得られた断熱材を指触したときのベタつきの有無で評価を行った。断熱材を指触したときにベタつきが感じられなかったもの(ベタつき無し)は硬化性が良好であると判断し○と評価し、一方で、ベタつきがあったもの(ベタつき有り)は硬化性が不足すると判断し×と評価した。
軽量性については、得られた断熱材の体積及び重量を測定し、その測定値から比重を算出した。シリコーン発泡硬化体からなる断熱材の比重が1.0以下のものは実用化に好適であると判断し○、比重が1.0を超えて1.075以下のものは実用に耐え得るレベルではあると判断し△、比重が1.075を超えるものは実用に不向きと判断し×と評価した。
発泡性については、比較例1のシリコーン発泡硬化体の発泡倍率との比較で評価した。具体的には、発泡硬化前の液状のコンパウンドの体積及び重量を測定し、その測定値から発泡硬化前のコンパウンドの比重(液比重)を求め、そして、当該発泡硬化前のコンパウンドの液比重と発泡硬化後の発泡硬化体、つまり、断熱材の比重(硬化物比重)とから、まず断熱材の発泡倍率Aを算出した。即ち、発泡硬化前の比重と発泡硬化後の比重から断熱材の実際の発泡倍率Aを算出した。次に、比較例1の断熱材の発泡倍率と比較するために、実際の発泡倍率Aから、下記の(1)式に従って、比較例1の2液付加反応型シリコーン(100質量部)に対応させたシリコーン樹脂量換算での発泡倍率Bを求めた。
発泡倍率B=発泡倍率A×(100÷2液付加反応型シリコーンの配合量(質量部))・・・(1)
この(1)式に従って算出した発泡倍率Bは、2液付加反応型シリコーン樹脂相当の換算である。
上記式(1)に従って算出した発泡倍率Bは、比較例1の発泡倍率A(比較例1では発泡倍率A=発泡倍率B)よりも低い場合には、無機充填剤の混合により発泡性が低下したと判断しXと評価し、比較例1の発泡倍率Aよりも高くなった場合には、発泡性が向上したと判断し○と評価した。
実施例1〜8及び比較例1〜3に係る断熱材の硬化性、軽量性、発泡性についての評価試験の結果は、表1、表2及び表3の下段に示した通りである。
表1及び表2に示したように、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、水酸基(シラノール基)含有オルガノポリシロキサン、白金族系金属触媒、アルコール、結晶性シリカ及びカーボンブラックを含む第1液の主剤(信越化学工業(株)製『KE−521A』)と、ヒドロシリル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン及び結晶性シリカを含む第2液の硬化剤(信越化学工業(株)製『KE−521B』)と、無機充填剤として平均粒径(≒中位径)が23μm〜55μmの水酸化アルミニウムとを混合した実施例1〜5に係るシリコーン硬化発泡体からなる断熱材、並びに、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、水酸基(シラノール基)含有オルガノポリシロキサン、白金族系金属触媒、アルコール、結晶性シリカ及びカーボンブラックを含む第1液の主剤(信越化学工業(株)製『KE−521A』)と、ヒドロシリル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン及び結晶性シリカを含む第2液の硬化剤(信越化学工業(株)製『KE−521B』)と、無機充填剤として平均粒径(≒中位径)が20μm〜45μmの炭酸カルシウムを混合した実施例6〜8に係るシリコーン硬化発泡体からなる断熱材については、断熱材を指触したときにベタつきも無くて良好な硬化性を示していた。
また、軽量性については実施例1〜実施例4及び実施例6〜8に係る断熱材においては、その比重が1.0以下と良好な軽量性を示し、実施例5では断熱材の比重が1.075以下と、実用に耐え得る軽量性を示した。
そして、発泡性については、第1液の主剤及び第2液の硬化剤からなる2液付加反応型シリコーンに対し所定粒径の無機充填剤を混合して作製した実施例1〜8の断熱材におけるシリコーン樹脂換算での発泡倍率Bは、第1液の主剤及び第2液の硬化剤からなる2液付加反応型シリコーンに対し無機充填剤を混合せずに作製した比較例1の断熱材の発泡倍率A,Bよりも高い値となった。即ち、実施例1〜8に係る断熱材においては、所定粒径の無機充填剤を混合したことにより、シリコーンの発泡倍率が高められた。なお、実施例1〜8の断熱材は、多数の独立気泡を有し、比較例1の断熱材より独立気泡率も高いものであった。
なお、実施例1〜5では、水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウム等の無機充填剤は、その中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内において粒径が大きい程、また、配合量が多い程、発泡倍率が上昇している。
これに対し、表3に示したように、第1液の主剤及び第2液の硬化剤からなる2液付加反応型シリコーンに対し無機充填剤を混合せずに作製した比較例1の断熱材は、その発泡倍率A,Bが実施例1〜8の断熱材の発泡倍率Bよりも小さく、実施例1〜8の断熱材と比較して発泡性に劣るものである。
また、第1液の主剤及び第2液の硬化剤からなる2液付加反応型シリコーンに対し無機充填剤としての水酸化アルミニウムを混合するも、その平均粒径(≒中位径)が7.7μmであった比較例2の断熱材では、その発泡倍率Bが、比較例1の発泡倍率A,Bよりも低い値であり、シリコーンの発泡倍率が低下した。即ち、比較例2においては、平均粒径(≒中位径)が7.7μmの水酸化アルミニウムの混合により、シリコーンの発泡倍率を低下させるものとなっていた。
更に、第1液の主剤及び第2液の硬化剤からなる2液付加反応型シリコーンに対し無機充填剤としての炭酸カルシウムを混合するも、その平均粒径(≒中位径)が4.4μmであった比較例3の断熱材においては、硬化性が損なわれ、また、その発泡倍率Bも比較例1の発泡倍率A,Bよりも低下し、発泡性及び硬化性に劣る結果となった。即ち、比較例3においては、平均粒径(≒中位径)が4.4μmの炭酸カルシウムの混合により、シリコーンの硬化が阻害され、シリコーンの発泡倍率を低下させるものとなり、断熱材として機能させることができないものとなった。
こうして、実施例1〜8の断熱材においては、その発泡倍率Bが何れも比較例1の発泡倍率A,Bよりも高いことから、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水酸基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金族系金属触媒に対し、平均粒径(≒中位径)が10μm以上の水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウムを混合したことにより、シリコーンの発泡倍率が高められたことが分かる。特に、実施例1〜8と比較例2〜3の比較から、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水酸基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金族系金属触媒に対し混合する無機充填剤としての水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウムは、その平均粒径(≒中位径)が10μm以上のものであれば、硬化性を損なうことなく、シリコーンの発泡性を向上させることができることが分かる。即ち、実施例1〜8の断熱材においては、シリコーンの硬化が阻害されることなく、発泡性が向上している。
よって、実施例1〜8の断熱材によれば、シリコーンの発泡性の向上により、断熱性の向上が可能となる。
ここで、本発明者らの実験研究によれば、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水酸基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金族系金属触媒に対し混合する水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウム等の無機充填剤の中位径が、10μm未満であると、シリコーンの硬化が阻害されやすくてシリコーンの発泡倍率を効果的に高めることができず、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水酸基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金族系金属触媒に対し混合する水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウム等の無機充填剤の中位径が10μm以上であれば、シリコーンの実用的な発泡倍率の向上効果が得られることを確認している。
一方で、シリコーンの硬化が阻害されやすくてシリコーンの発泡倍率を効果的に高めることができず、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水酸基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金族系金属触媒に対し混合する水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウム等の無機充填剤の中位径が150μmを超えると、施工の際に塗布機の目詰まりを生じさせやすく、塗布性が低下することを確認している。
よって、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水酸基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金族系金属触媒に対し混合する水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウム等の無機充填剤の中位径は、10μm以上、150μm以下とすることにより、塗布性を確保しつつ、シリコーンの硬化性を損なうことなく効果的に発泡倍率を高めることができる。より好ましくは、当該無機充填剤の中位径は、15μm以上、145μm以下であり、更に好ましくは、20μm以上、140μm以下である。
そして、このようにケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水酸基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金族系金属触媒に対し中位径が10μm以上、150μm以下の水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウム等の無機充填剤を混合することにより、シリコーンを高倍率で発泡させることができることで、安定して所望の発泡性が得られるから、シリコーンの断熱効果も向上できる。よって、例えば、自動車の排気管等の熱環境の厳しい部位に適用したときでも、高熱から部品を保護する実用的な断熱効果を得ることができる。
特に、実施例1〜8の断熱材においては、補強性充填剤としてのシリカ及びカーボンブラックが配合されていることで、高強度となり、また、母材のシリコーン樹脂により耐熱性を有するから、高熱部位に適用しても割れ等が生じ難い強度が発揮される。そして、無機充填剤として、所定粒径の水酸化アルミニウムが混合されていると、高い難燃性が付与され、より熱環境が厳しい条件下でも強度が維持され、安全性も高いものとなる。また、無機充填剤として、所定粒径の炭酸カルシウムが混合されていると、耐熱性が向上して加熱劣化し難いものとなるから、より高温の環境下でも高強度が発揮され、割れ等が生じ難いものとなる。
なお、本発明者らの実験研究によれば、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、水酸基(シラノール基)含有オルガノポリシロキサン、白金族系金属触媒、アルコール、結晶性シリカ及びカーボンブラックを含む第1液の主剤(信越化学工業(株)製『KE−521A』)と、ヒドロシリル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン及び結晶性シリカを含む第2液の硬化剤(信越化学工業(株)製『KE−521B』)の合計量100質量部に対し、所定粒径の水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウム等の無機充填剤の配合は、好ましくは、1質量部以上であれば、発泡性の実用的な向上効果が得られる。より好ましくは、5質量部以上、更に好ましくは、40質量部以上である。また、好ましくは、125質量部以下であれば、得られる断熱材の比重が小さく軽量性が良好となる。より好ましくは、120質量部以下、更に好ましくは、100質量部以下である。なお、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、水酸基(シラノール基)含有オルガノポリシロキサン及びヒドロシリル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンの総量100質量部に対して、所定粒径の水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウム等の無機充填剤の配合は、例えば、70質量部〜190質量部、好ましくは、75質量部〜160質量部、より好ましくは、80質量部〜150質量部の範囲内である。
以上説明してきたように、上記実施の形態に係る断熱材は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子に結合した水酸基を含有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、白金族系金属触媒と、中位径が10μm以上、150μm以下、より好ましくは、15μm以上、145μm以下、更に好ましくは、20μm以上、140μm以下の範囲内にある無機充填剤との混合により発泡硬化してなるものである。
また、上記実施の形態は、第1液の主剤と第2液の硬化剤の混合によりシリコーンを発泡硬化させるものであるから、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水酸基を含有するオルガノポリシロキサン及び白金族系金属触媒を含む主剤と、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む硬化剤との混合により発泡硬化してなるシリコーン発泡硬化体中に、中位径が10μm以上、150μm以下、より好ましくは、15μm以上、145μm以下、更に好ましくは、20μm以上、140μm以下の範囲内にある無機充填剤を含有してなる断熱材の発明と捉えることもできる。
本実施の形態の断熱材によれば、それを形成するための主剤において1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンが含まれ、また、主剤と混合する硬化剤において1分子中に少なくとも3個のケイ素原子に結合した水素原子、即ち、シラノール基(Si-H基)を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンが含まれていたことから、これらオルガノポリシロキサンのアルケニルキ基とオルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基(Si-H基)との付加反応が主剤に含まれた白金族系金属触媒により促進され、アルケニル基とシラノール基(Si-H基)の付加反応による架橋によって硬化する。また、主剤において1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基(OH基)、即ち、ヒドロシリル基(SH基)を含有するオルガノポリシロキサンが含まれ、また、硬化剤において1分子中に少なくとも3個のケイ素原子に結合した水素原子、即ち、シラノール基(Si-H基)を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンが含まれていたことから、これらオルガノポリシロキサンの水酸基(OH基)とオルガノハイドロジェンポリシロキサンのシラノール基(Si-H基)による脱水縮合反応が主剤に含まれた白金族系金属触媒により促進され、脱水素縮合反応による水素ガスの発生により発泡する。
従って、本実施の形態の断熱材は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水酸基を含有するオルガノポリシロキサン及び白金族系金属触媒を含む主剤と、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む硬化剤との混合により、そのコンパウンドが付加反応により硬化すると共に、脱水素縮合反応により発泡してなるものである
この本実施の形態の断熱材によれば、オルガノポリシロキサンのアルケニル基とオルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基(Si-H基)との付加反応によりシリコーンがゴム状(エラストマ状)に硬化し、また、オルガノポリシロキサンの水酸基(シラノール基)とオルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基(Si-H基)との脱水素縮合反応により発泡したものであるから、断熱性を有し、かつ、母材がシリコーンであることで、耐熱性を有するものである。
特に、第1液の主剤と第2液の硬化剤からなる2液付加反応型のシリコーンが発泡硬化してなるものであり、硬化速度の制御を容易としたものである。
そして、本実施の形態に係る断熱材によれば、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水酸基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(オルガノシラン)及び白金族系金属触媒に対し、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウム等の無機充填剤を混合して発泡硬化させたことにより、シリコーンの発泡性が向上される。よって、安定して所望の発泡性が得られるから、断熱性の向上が可能となる。故に、エンジンルーム、排気管周辺、ブレーキキャリアパ周辺等の厳しい熱環境の部位に配したときでも、実用的な断熱効果が得られ、高熱源の周囲部品の温度上昇を効果的に防止でき、部品の高熱からの保護効果が高いものとなる。また、発泡性が向上されることで、軽量性の向上も可能である。
特に、本実施の形態に係る断熱材においては、含有される水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウム等の無機充填剤の粒径を所定の範囲内に規定していることで、硬化不良が生じることなく、シリコーンの発泡倍率が向上し、発泡制御のための気体を圧入しなくとも、即ち、ガス圧入装置を必要とすることなく高発泡が可能である。故に、簡略な工程で発泡性、断熱性等の物性が良好な断熱材が得られる。
ここで、無機充填剤が水酸化アルミニウムであると、難燃性が向上し、より熱環境が厳しい条件下でも強度が維持され、安全性も高いものとなる。また、所定粒径の水酸化アルミニウムを用いていることで、オルガノシロキサンや白金族系金属触媒と反応し難く、発泡硬化の安定性が高いものである。
更に、無機充填剤が炭酸カルシウムであると、耐熱性が向上して加熱劣化し難いものとなるから、より高温の環境下でも高強度を発揮でき、割れ等が生じ難いものとなる。また、所定粒径の炭酸カルシウムを用いていることで、炭酸カルシウムやその商品に含まれている副生成物等がオルガノシロキサンや白金族金属系触媒と反応し難く、発泡硬化の安定性が高いものである。
加えて、発泡硬化前の混合材料(コンパウンド)に、更に、シリカやカーボンブラック等の補強性充填剤が混合されていると、低コストで強度を向上させることができ、例えば、エンジンルーム、排気管周辺、ブレーキキャリアパ周辺等の厳しい熱環境の部位に適用した際でも、割れ等が生じ難い強度を備えるものとなる。
また、発泡硬化前の混合材料(コンパウンド)に、更に、ヒドロキシ含有化合物として、水、アルコール、シラノール基含有オルガノシラン、またはシラノール基含有シロキサンの何れか1種以上が含まれていると、発泡の安定性をより高めることができる。
なお、上記実施の形態は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子に結合した水酸基を含有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、白金族系金属触媒と、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある無機充填剤とを混合する断熱材の製造方法の発明と捉えることも可能である。
本発明を実施するに際しては、断熱材のその他の構成、成分、材料、配合、形状、大きさ、製造方法等について、本実施の形態に限定されるものではない。また、本発明の実施の形態で上げている数値は、その全てが臨界値を示すものではなく、ある数値は実施に好適な適正値を示すものであるから、上記数値を若干変更しても実施を否定するものではない。
また、上記では車両の高温の熱源周辺の部品を保護する断熱材、即ち、例えば、エンジンルーム、排気管周辺、ブレーキキャリアパ周辺等の高熱源の周辺に適用して熱移動、熱伝達を減少させる断熱材として適用可能である説明としたが、車両部品に限定されることなく、船舶、航空機、宇宙機用の部品や、家電、電気機器、OA機器部品、AV機器部品、精密機器、建設機器等にも利用可能であり、更には、例えば、高い耐熱性が要求される工業用炉等の構成部材として利用することも可能である。

Claims (6)

  1. ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子に結合した水酸基を含有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、白金族系金属触媒と、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある無機充填剤との混合により発泡硬化してなることを特徴とする断熱材。
  2. ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水酸基を含有するオルガノポリシロキサン及び白金族系金属触媒を含む主剤と、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む硬化剤との混合により発泡硬化してなるシリコーン発泡硬化体中に、中位径が10μm以上、150μm以下の範囲内にある無機充填剤を含有してなることを特徴とする断熱材。
  3. 前記無機充填剤は水酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の断熱材。
  4. 前記無機充填剤は炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の断熱材。
  5. 前記発泡硬化前の混合材料に、更に、中位径が10nm以上、1000nm以下の範囲内にある補強性充填剤を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の断熱材。
  6. 前記発泡硬化前の混合材料に、ヒドロキシ基含有化合物としての水、アルコール、シラノール基含有オルガノシラン、またはシラノール基含有シロキサンの何れか1種以上を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の断熱材。
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