JP2020190256A - リニアソレノイドバルブ - Google Patents
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Abstract
【課題】圧縮コイルバネの横力成分の荷重がスプールに加えられることを抑制しつつ、摺動抵抗の増大を抑制する。【解決手段】リニアソレノイドバルブ10、10a〜10dは、軸方向ADに貫通する挿入孔41が形成された筒状のスリーブ40と、挿入孔を摺動するスプール50、50b、50dと、ソレノイド20に近付く方向にスプールを付勢する圧縮コイルバネ60と、圧縮コイルバネのバネ荷重をスプールへと伝達する伝達部材80、80a〜80cと、を備え、スプールにおいて伝達部材と当接する第1当接部56、56b、56dと、伝達部材においてスプールと当接する第2当接部82、82a〜82cとのうち、いずれか一方は球面形状を有し他方は平面形状を有し、第1当接部と第2当接部とは、スプールの軸中心において互いに接触し、伝達部材には、挿入孔を摺動する軸方向に沿った摺動面が形成されていない。【選択図】図2
Description
本開示は、リニアソレノイドバルブに関する。
従来から、ソレノイドとスプール弁とを有し、通電電流に比例した油圧を発生させるリニアソレノイドバルブが知られている。特許文献1には、スプールと圧縮コイルバネとの間に配置されて圧縮コイルバネのバネ荷重をスプールへと伝達する伝達部材を備えるリニアソレノイドバルブが開示されている。
圧縮コイルバネがスプールに対して傾いて組み付けられること等に起因して、圧縮コイルバネの荷重として横力成分の荷重がスプールに加えられると、スプールがスリーブに対して偏心するおそれがある。バネ荷重が比較的大きい圧縮コイルバネを用いる構成においては、かかる横力成分がさらに増大し、スプールがスリーブに対してさらに偏心するおそれがある。特許文献1に記載のリニアソレノイドバルブのように、スプールと圧縮コイルバネとの間に伝達部材を配置すると、圧縮コイルバネの横力成分の荷重がスプールに加えられることを抑制できると考えられる。しかしながら、特許文献1に記載のリニアソレノイドバルブでは、スプールに加えて伝達部材も、スリーブの内周面を摺動する軸方向に沿った摺動面を有するため、スリーブの内周面を摺動する摺動面を有する部材が2つとなり、摺動抵抗が増大するおそれがある。したがって、圧縮コイルバネの横力成分の荷重がスプールに加えられることを抑制しつつ、摺動抵抗の増大を抑制できる技術が望まれる。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
本開示の一形態によれば、リニアソレノイドバルブ(10、10a〜10d)が提供される。このリニアソレノイドバルブは、軸方向(AD)に貫通する挿入孔(41)と、複数のポート(42)とが形成された筒状のスリーブ(40)と、ソレノイド(20)により駆動されて前記軸方向に前記挿入孔を摺動するスプール(50、50b、50d)と、前記軸方向において前記ソレノイドに近付く方向に前記スプールを付勢する圧縮コイルバネ(60)と、前記圧縮コイルバネのバネ荷重を前記スプールへと伝達する伝達部材(80、80a〜80c)と、を備え、前記スプールにおいて前記伝達部材と当接する第1当接部(56、56b、56d)と、前記伝達部材において前記スプールと当接する第2当接部(82、82a〜82c)とのうち、いずれか一方は球面形状を有し、他方は平面形状を有し、前記第1当接部と前記第2当接部とは、前記スプールの軸中心において互いに接触し、前記伝達部材には、前記挿入孔を摺動する前記軸方向に沿った摺動面が形成されていない。
この形態のリニアソレノイドバルブによれば、圧縮コイルバネのバネ荷重をスプールへと伝達する伝達部材を備え、スプールにおいて伝達部材と当接する第1当接部と伝達部材においてスプールと当接する第2当接部とのうち、いずれか一方は球面形状を有し他方は平面形状を有し、第1当接部と第2当接部とがスプールの軸中心において互いに接触する。このため、圧縮コイルバネの荷重として横力成分の荷重が発生した場合に、接触部位におけるモーメントの発生を抑制できるので、横力成分の荷重がスプールに加えられることを抑制できる。また、伝達部材に、挿入孔を摺動する軸方向に沿った摺動面が形成されていないので、摺動抵抗の増大を抑制できる。したがって、圧縮コイルバネの横力成分の荷重がスプールに加えられることを抑制しつつ、摺動抵抗の増大を抑制できる。
本開示は、種々の形態で実現することも可能である。例えば、リニアソレノイドバルブの製造方法等の形態で実現することができる。
A.第1実施形態:
図1に示す第1実施形態のリニアソレノイドバルブ10は、図示しない車両用自動変速機に供給する作動油の油圧を制御するために用いられ、図示しない油圧回路に配置されている。リニアソレノイドバルブ10は、軸線AXに沿って互いに並んで配置された、ソレノイド20と、スプール弁30とを備える。
図1に示す第1実施形態のリニアソレノイドバルブ10は、図示しない車両用自動変速機に供給する作動油の油圧を制御するために用いられ、図示しない油圧回路に配置されている。リニアソレノイドバルブ10は、軸線AXに沿って互いに並んで配置された、ソレノイド20と、スプール弁30とを備える。
ソレノイド20は、スプール弁30を駆動する。ソレノイド20は、図示しない電子制御装置によって通電制御され、電磁コイル21に発生した磁界によってプランジャ22が吸引コア23側へと吸引されることにより、シャフト24を介してスプール弁30のスプール50に荷重を加える。吸引コア23に発生する吸引力は、電磁コイル21に流される電流の大きさに比例する。スプール50に加えられる荷重は、スプール弁30に設けられたバネ60の付勢方向とは反対方向の荷重である。このため、ソレノイド20への通電によって、軸線AXと平行な方向(以下、「軸方向AD」とも呼ぶ)におけるスプール50の位置が変化し、スプール弁30に形成された複数のオイルポート42の開度が調整される。
スプール弁30は、スリーブ40と、スプール50と、バネ60と、バネ荷重調整部70と、伝達部材80とを備える。
スリーブ40は、略円筒状の外観形状を有する。スリーブ40には、挿入孔41と、複数のオイルポート42とが形成されている。挿入孔41は、軸方向ADに貫通して形成されている。挿入孔41には、スプール50とバネ60とバネ荷重調整部70と伝達部材80とが、それぞれ挿入されている。挿入孔41のうちソレノイド20側とは反対側の端部には、雌ネジ43が形成されている。雌ネジ43は、バネ荷重調整部70の外周面に形成された雄ネジ73と螺合する。複数のオイルポート42は、軸方向ADに沿って互いに並んで形成されている。各オイルポート42は、軸方向ADに直交する径方向に沿ってそれぞれ形成されており、それぞれ挿入孔41とスリーブ40の外周面を連通させている。複数のオイルポート42には、図示しないオイルポンプと連通して油圧の供給を受ける入力ポート、図示しないクラッチ等と連通して油圧を出力する出力ポート、出力される油圧に応じてスプール50に負荷荷重を付与するフィードバックポート、作動油を排出するドレインポート等が該当する。出力ポートからは、電磁コイル21に流される電流に比例した油圧が出力される。本実施形態のリニアソレノイドバルブ10は、非通電状態において最も高い出力圧となるノーマリハイタイプであるが、非通電状態において最も低い出力となるノーマリロータイプであってもよい。
スプール50は、挿入孔41に挿入されており、ソレノイド20により駆動されて軸方向ADに摺動する。スプール50は、軸方向ADに沿って複数の大径部51と小径部52とが並んで配置された略棒状の外観形状を有する。スプール50は、大径部51と小径部52との軸方向ADに沿った摺動位置に応じて、複数のオイルポート42の開口面積を調整する。スプール50の軸方向ADの一端には、ソレノイド20の推力をスプール50に伝達するためのシャフト24が当接して配置されている。スプール50の軸方向ADの他端(以下、「スプール端部54」とも呼ぶ)には、伝達部材80が当接して配置されている。
図2に示すように、スプール端部54には、凹部55が形成されている。凹部55は、軸方向ADにおいてソレノイド20側に向かって窪んで形成されている。このような構成により、スプール端部54は、有底筒状の外観形状を有する。凹部55は、伝達部材80の軸方向ADにおけるソレノイド20側の端部を収容する。凹部55の中央は、伝達部材80と当接する第1当接部56として機能する。第1当接部56は、径方向に沿って形成された平面形状を有する。
バネ60は、圧縮コイルバネにより構成され、軸方向ADにおいてソレノイド20に近付く方向へとスプール50を付勢している。バネ60の一端は、伝達部材80に当接し、バネ60の他端は、バネ荷重調整部70と当接している。
バネ荷重調整部70は、スプール弁30のソレノイド20側とは反対側の端部において挿入孔41に配置されている。バネ荷重調整部70は、略有底筒状の外観形状を有し、バネ60のバネ荷重を調整する。バネ荷重調整部70は、雄ネジ73と、バネ受け部74と、工具係合部75とを有する。雄ネジ73は、バネ荷重調整部の外周面において螺旋状に形成され、スリーブ40の挿入孔41に形成された雌ネジ43と螺合する。バネ受け部74は、バネ荷重調整部70の底部に位置し、バネ60の他端と当接する。工具係合部75は、図示しない工具と係合可能に構成されている。かかる工具を用いて、スリーブ40に対するバネ荷重調整部70のねじ込み量が調整されて、バネ荷重が目標値となるように調整される。バネ荷重の目標値は、例えば、作動油の油圧範囲に応じて予め設定される。バネ荷重調整部70は、バネ荷重が調整された後に、かしめ固定によってスリーブ40に固定される。なお、かしめ固定に代えて溶接等の任意の固定方法により、スリーブ40に対して固定されてもよい。
伝達部材80は、軸方向ADにおいてスプール50とバネ60との間に配置され、バネ荷重をスプール50へと伝達する。伝達部材80は、略有底筒状に形成されており、底部81と、筒部86とを有する。
底部81は、伝達部材80のうち軸方向ADにおいてソレノイド20側の端部を構成しており、スプール端部54に形成された凹部55に収容されている。伝達部材80は、底部81が凹部55に収容されることで、スプール50と一体となって軸方向ADに移動し、凹部55の内部を摺動しない。スプール50と底部81には、第2当接部82と、バネ当接部83と、ガイド部84とが形成されている。
第2当接部82は、底部81のうち軸方向ADにおいてソレノイド20側の端面を形成している。第2当接部82は、軸方向ADにおいてソレノイド20側に向かって凸となる球面形状を有し、スプール端部54に形成された第1当接部56と当接する。このような構成により、第1当接部56と第2当接部82とは、スプール50の軸中心において互いに接触する。なお、スプール50の軸中心は、軸線AXと一致している。
バネ当接部83は、底部81のうち軸方向ADにおいてソレノイド20側とは反対側の端面の外縁部に形成されている。バネ当接部83には、バネ60の一端が当接している。ガイド部84は、バネ当接部83よりも径方向内側において、軸方向ADにおいてソレノイド20側とは反対側に向かって突出して形成されている。ガイド部84は、バネ60の伸縮をガイドする機能を有する。
筒部86は、円筒状の外観形状を有し、伝達部材80における径方向の最も外側に位置する。筒部86の外径は、挿入孔41のうち筒部86が位置している部分における挿入孔41の径よりも小さく、また、凹部55の内径よりも小さい。このため、筒部86は、挿入孔41の内部を摺動しない。したがって、伝達部材80には、挿入孔41を摺動する軸方向ADに沿った摺動面が形成されていない。このため、挿入孔41を摺動する軸方向ADに沿った摺動面を有する伝達部材を備える構成と比較して、摺動抵抗の増大を抑制できる。
図1に示すように、リニアソレノイドバルブ10は、スプール弁30を構成する各部材のそれぞれの軸中心が、スプール弁30の軸線AXに合わせられて組み付けられる。ここで、製造誤差によりバネ60の端面やスプール端部54の端面が径方向に対して傾いて形成されていたり、バネ60の軸中心がスプール弁30の軸中心に対して傾いて組み付けられたりすると、バネ60の荷重として偏荷重が発生する。すなわち、バネ60の荷重として、軸方向ADに沿った荷重に加えて、径方向に沿ったいわゆる横力成分の荷重が発生する。バネ荷重が比較的大きい圧縮コイルバネをバネ60として用いる構成においては、かかる横力成分がさらに増大する。
本実施形態のリニアソレノイドバルブ10では、スプール50とバネ60との間に伝達部材80を備えるので、伝達部材80を介して間接的にバネ荷重がスプール50に加えられる。また、図2に示すように、平面形状を有する第1当接部56と球面形状を有する第2当接部82とがスプール50の軸中心において互いに接触するので、横力成分の荷重がスプール50に加えられることを抑制でき、軸中心に沿ってバネ荷重を伝達できる。
本実施形態において、複数のオイルポート42は、課題を解決するための手段における複数のポートの下位概念に相当する。
以上説明した第1実施形態のリニアソレノイドバルブ10によれば、バネ60のバネ荷重をスプール50へと伝達する伝達部材80を備え、スプール50において伝達部材80と当接する第1当接部56が平面形状を有し、伝達部材80においてスプール50と当接する第2当接部82が球面形状を有し、第1当接部56と第2当接部82とがスプール50の軸中心において互いに接触する。このため、バネ60のバネ荷重として横力成分の荷重が発生した場合に、接触部位におけるモーメントの発生を抑制でき、結果的に、横力成分の荷重がスプール50に加えられることを抑制できる。また、伝達部材80に、スリーブ40の挿入孔41を摺動する軸方向ADに沿った摺動面が形成されていないので、摺動抵抗の増大を抑制できる。したがって、第1実施形態のリニアソレノイドバルブ10によれば、バネ60の横力成分の荷重がスプール50に加えられることを抑制しつつ、摺動抵抗の増大を抑制できる。
また、バネ60の横力成分の荷重がスプール50に加えられることを抑制できるので、スプール50がスリーブ40に対して偏心することを抑制できる。このため、スプール弁30の内部において作動油の流量が変動することを抑制でき、出力圧の変動を抑制できる。また、スプール50の偏心を抑制できるので、スプール50の摺動性の悪化を抑制できる。したがって、通電電流に比例して出力される油圧において一時的に出力圧が変動する、いわゆるスティック現象が発生することを抑制できる。
ここで、スプール50に加えられるおそれがある横力成分の荷重としては、バネ60の偏荷重に加えて、通電に伴うソレノイド20の横力成分の荷重の増大や、複数のオイルポート42の圧力差による横力成分の荷重が挙げられる。ノーマリハイタイプのリニアソレノイドバルブ10では、高電流域においてソレノイド20の横力成分の荷重の影響が大きく、低電流域においてバネ60の横力成分の荷重の影響が大きい。本実施形態のリニアソレノイドバルブ10によれば、バネ荷重として横力成分の荷重がスプール50に加えられることを抑制できるので、低電流域においてスティック現象が発生することをより抑制できる。また、バネ60の横力成分の荷重がスプール50に加えられることを抑制できるので、バネ荷重が比較的大きく横力成分が増大しやすい圧縮コイルバネをバネ60として用いる構成に好適する。
また、伝達部材80が挿入孔41の内部を摺動しないので、伝達部材80の外周面を滑らかに加工することが要求されず、また、伝達部材80の外径に対して高い寸法精度が要求されない。したがって、伝達部材80の製造に要するコストが増大することを抑制できる。
また、伝達部材80が第2当接部82を底部81とする略有底筒状に形成されているので、伝達部材80の内部にバネ60の一部を収容でき、スリーブ40の軸方向ADに沿った寸法が大型化することを抑制できる。また、伝達部材80の内部にバネ60の一部を収容できるので、軸方向ADに沿った寸法の長いバネ60を用いてバネ荷重を容易に増大できる。また、スプール50の軸方向ADの端部のうち第1当接部56が形成されているスプール端部54に、第2当接部82を含む少なくとも伝達部材80の軸方向ADの端部を収容する凹部55が形成されているので、伝達部材80の配置に起因してスリーブ40の軸方向ADに沿った寸法が大型化することを抑制できる。したがって、スプール弁30およびリニアソレノイドバルブ10の軸方向ADに沿った寸法が大型化することを抑制できる。また、凹部55に伝達部材80の軸方向ADの端部が収容されるので、伝達部材80の軸中心がスプール50の軸中心に対して傾くことを抑制できる。
また、バネ荷重調整部70に形成された雄ネジ73とスリーブ40の挿入孔41に形成された雌ネジ43との螺合によりバネ荷重が調整されるので、スリーブ40に対するバネ荷重調整部70のねじ込み量によりバネ荷重を調整できる。このため、バネ荷重の調整機構が複雑化することを抑制できる。
B.第2実施形態:
図3に示すように、第2実施形態のリニアソレノイドバルブ10aは、スプール弁30に代えてスプール弁30aを備える点において、第1実施形態のリニアソレノイドバルブ10と異なる。その他の構成は第1実施形態のリニアソレノイドバルブ10と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
図3に示すように、第2実施形態のリニアソレノイドバルブ10aは、スプール弁30に代えてスプール弁30aを備える点において、第1実施形態のリニアソレノイドバルブ10と異なる。その他の構成は第1実施形態のリニアソレノイドバルブ10と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
第2実施形態のスプール弁30aは、伝達部材80に代えて伝達部材80aを備えている。伝達部材80aの底部81aには、第2当接部82aと周縁部88aとが形成されている。第2当接部82aは、底部81aの中央に形成されており、軸方向ADにおいてソレノイド20側に向かって凸となる球面形状を有する。第2当接部82aは、スプール50の軸中心においてスプール50の第1当接部56と接触する。周縁部88aは、第2当接部82aの径方向外側に形成され、径方向に沿って形成された平面形状を有する。
以上説明した第2実施形態のリニアソレノイドバルブ10aによれば、第1実施形態と同様な効果を奏する。
C.第3実施形態:
図4に示すように、第3実施形態のリニアソレノイドバルブ10bは、スプール弁30に代えてスプール弁30bを備える点において、第1実施形態のリニアソレノイドバルブ10と異なる。その他の構成は第1実施形態のリニアソレノイドバルブ10と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
図4に示すように、第3実施形態のリニアソレノイドバルブ10bは、スプール弁30に代えてスプール弁30bを備える点において、第1実施形態のリニアソレノイドバルブ10と異なる。その他の構成は第1実施形態のリニアソレノイドバルブ10と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
第3実施形態のスプール弁30bは、伝達部材80とスプール50とに代えて伝達部材80bとスプール50bとを備えている。
伝達部材80bは、球状に形成されており、挿入孔41を摺動する。伝達部材80bのうち軸方向ADにおいてソレノイド20側とは反対側の面には、バネ60の一端が当接している。伝達部材80bのうち軸方向ADにおいてソレノイド20側の端部は、第2当接部82bとして機能する。本実施形態の伝達部材80bは、鉄により形成されているが、鉄に限らず他の任意の金属材料や樹脂材料等により形成されていてもよい。また、伝達部材80bとバネ60の一端とは、溶接等の方法により固定されていてもよい。
スプール50bのスプール端部54bは、中央部57bと外縁部58bとを有する。中央部57bは、径方向に沿って形成された平面形状を有する。中央部57bの中央は、第1当接部56bとして機能する。外縁部58bは、中央部57bの径方向外側に形成されている。外縁部58bは、軸方向ADにおいてソレノイド20側とは反対側に向かうにつれて次第に拡径するテーパ形状を有する。
以上説明した第3実施形態のリニアソレノイドバルブ10bによれば、第1実施形態と同様な効果を奏する。加えて、伝達部材80bが球状に形成されているため、伝達部材80bを汎用構造とすることができ、伝達部材80bの製造に要するコストが増大することを抑制できる。また、伝達部材80bが球状に形成されているため、伝達部材80bの外周面を容易に滑らかに加工でき、摺動抵抗の増大を抑制できる。また、球状に形成された伝達部材80bが挿入孔41を摺動するので、伝達部材80bの位置をスリーブ40の軸中心と合わせることができ、第1当接部56bと第2当接部82bとがスプール50bの軸中心において互いに接触する構成を容易に実現できる。なお、伝達部材80bには、スリーブ40の挿入孔41を摺動する軸方向ADに沿った摺動面が形成されていないので、摺動抵抗の増大を抑制できる。
D.第4実施形態:
図5に示すように、第4実施形態のリニアソレノイドバルブ10cは、スプール弁30に代えてスプール弁30cを備える点において、第1実施形態のリニアソレノイドバルブ10と異なる。その他の構成は第1実施形態のリニアソレノイドバルブ10と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
図5に示すように、第4実施形態のリニアソレノイドバルブ10cは、スプール弁30に代えてスプール弁30cを備える点において、第1実施形態のリニアソレノイドバルブ10と異なる。その他の構成は第1実施形態のリニアソレノイドバルブ10と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
第4実施形態のスプール弁30cは、伝達部材80とバネ荷重調整部70とに代えて伝達部材80cとバネ荷重調整部70cとを備えている。なお、第4実施形態におけるスプール50において、スプール端部54に形成された凹部55の窪みの深さは、第1実施形態における凹部55の窪みの深さよりも、やや浅く形成されている。
伝達部材80cは、球状に形成されている。伝達部材80cは、第3実施形態の伝達部材80bと比較して、径が小さく形成されている。伝達部材80cのうち軸方向ADにおいてソレノイド20側とは反対側の面には、バネ60の一端が当接している。伝達部材80cのうち軸方向ADにおいてソレノイド20側の端部は、第2当接部82cとして機能する。伝達部材80cのうち軸方向ADにおいてソレノイド20側とは反対側の一部は、バネ荷重調整部70cに収容されている。
バネ荷重調整部70cは、有底筒状に形成されており、軸線AXに沿って形成された収容部76cを有する。収容部76cには、伝達部材80cの一部とバネ60とが収容されている。このような構成により、伝達部材80cは、収容部76cの内側を摺動する。図5では、ソレノイド20に通電が行われてスプール50が挿入孔41を摺動することにより、収容部76cの内側を摺動した状態における伝達部材80cの位置を、破線で示している。収容部76cのうち軸方向ADにおいてソレノイド20側の端部は、径方向内側に向かってかしめられている。これにより、収容部76cから伝達部材80cが抜け落ちることが抑制されている。図6に示すように、第2当接部82cを含む伝達部材80cの一部は、収容部76cから露出している。
以上説明した第4実施形態のリニアソレノイドバルブ10cによれば、第1実施形態と同様な効果を奏する。加えて、伝達部材80cが球状に形成されているため、伝達部材80cを汎用構造とすることができ、伝達部材80cの製造に要するコストが増大することを抑制できる。また、伝達部材80cが球状に形成されているため、伝達部材80cの外周面を容易に滑らかに加工でき、摺動抵抗の増大を抑制できる。また、球状に形成された伝達部材80cがバネ荷重調整部70cに形成された収容部76cの内側を摺動するので、伝達部材80cの位置をスリーブ40の軸中心と合わせることができ、第1当接部56と第2当接部82cとがスプール50の軸中心において互いに接触する構成を容易に実現できる。なお、伝達部材80cには、スリーブ40の挿入孔41を摺動する軸方向ADに沿った摺動面が形成されていないので、摺動抵抗の増大を抑制できる。
E.第5実施形態:
図7に示すように、第5実施形態のリニアソレノイドバルブ10dは、スプール弁30cに代えてスプール弁30dを備える点において、第3実施形態のリニアソレノイドバルブ10cと異なる。その他の構成は第3実施形態のリニアソレノイドバルブ10cと同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
図7に示すように、第5実施形態のリニアソレノイドバルブ10dは、スプール弁30cに代えてスプール弁30dを備える点において、第3実施形態のリニアソレノイドバルブ10cと異なる。その他の構成は第3実施形態のリニアソレノイドバルブ10cと同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
第5実施形態のスプール弁30dは、バネ荷重調整部70cとスプール50とに代えてバネ荷重調整部70dとスプール50dとを備えている。バネ荷重調整部70dに形成された収容部76dには、伝達部材80cの全てとバネ60とが収容されている。スプール50dのスプール端部54dには、凹部55に代えて凸部59dが形成されている。凸部59dは、軸方向ADにおいてソレノイド20側とは反対側に向かって突出して形成されている。凸部59dの端面は、径方向に沿って形成された平面形状を有し、第1当接部56dとして機能する。
以上説明した第5実施形態のリニアソレノイドバルブ10dによれば、第3実施形態と同様な効果を奏する。
F.他の実施形態:
(1)上記各実施形態では、バネ荷重調整部70、70c、70dの外周面に形成された雄ネジ73と挿入孔41に形成された雌ネジ43との螺合によりバネ荷重が調整されていたが、雄ネジ73と雌ネジ43とが省略されていてもよい。例えば、図8に示すように、雄ネジ73が省略されたバネ荷重調整部70eにおいては、挿入孔41に対するバネ荷重調整部70eの圧入深さによりバネ荷重が調整されてもよい。かかる構成によっても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
(1)上記各実施形態では、バネ荷重調整部70、70c、70dの外周面に形成された雄ネジ73と挿入孔41に形成された雌ネジ43との螺合によりバネ荷重が調整されていたが、雄ネジ73と雌ネジ43とが省略されていてもよい。例えば、図8に示すように、雄ネジ73が省略されたバネ荷重調整部70eにおいては、挿入孔41に対するバネ荷重調整部70eの圧入深さによりバネ荷重が調整されてもよい。かかる構成によっても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
(2)上記第1、2実施形態では、スプール50に形成された第1当接部56が平面形状を有し、伝達部材80、80aに形成された第2当接部82、82aが球面形状を有していたが、第1当接部56が球面形状を有し、第2当接部82、82aが平面形状を有していてもよい。すなわち一般には、第1当接部56と第2当接部82、82aとのうち、いずれか一方は球面形状を有し、他方は平面形状を有していてもよい。かかる構成によっても、上記第1、2実施形態と同様な効果を奏する。
(3)上記各実施形態のリニアソレノイドバルブ10、10a〜10dは、車両用自動変速機に供給する作動油の油圧を制御するために用いられていたが、例えば、エンジンの吸気弁または排気弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置等に適用されてもよい。
本開示は、上述の各実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した形態中の技術的特徴に対応する各実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10、10a〜10d リニアソレノイドバルブ、20 ソレノイド、30、30a〜30d スプール弁、40 スリーブ、41 挿入孔、42 オイルポート(ポート)、50、50b、50d スプール、56、56b、56d 第1当接部、60 バネ(圧縮コイルバネ)、80、80a〜80c 伝達部材、82、82a〜82c 第2当接部、AD 軸方向
Claims (6)
- リニアソレノイドバルブ(10、10a〜10d)であって、
軸方向(AD)に貫通する挿入孔(41)と、複数のポート(42)とが形成された筒状のスリーブ(40)と、
ソレノイド(20)により駆動されて前記軸方向に前記挿入孔を摺動するスプール(50、50b、50d)と、
前記軸方向において前記ソレノイドに近付く方向に前記スプールを付勢する圧縮コイルバネ(60)と、
前記圧縮コイルバネのバネ荷重を前記スプールへと伝達する伝達部材(80、80a〜80c)と、
を備え、
前記スプールにおいて前記伝達部材と当接する第1当接部(56、56b、56d)と、前記伝達部材において前記スプールと当接する第2当接部(82、82a〜82c)とのうち、いずれか一方は球面形状を有し、他方は平面形状を有し、
前記第1当接部と前記第2当接部とは、前記スプールの軸中心において互いに接触し、
前記伝達部材には、前記挿入孔を摺動する前記軸方向に沿った摺動面が形成されていない、
リニアソレノイドバルブ。 - 請求項1に記載のリニアソレノイドバルブにおいて、
前記伝達部材は、前記第2当接部を底部(81、81a)とする有底筒状に形成されており、
前記スプールの前記軸方向の端部のうち前記第1当接部が形成されているスプール端部(54、54b、54d)には、前記第2当接部を含む少なくとも前記伝達部材の前記軸方向の端部を収容する凹部(55)が形成されている、
リニアソレノイドバルブ。 - 請求項1に記載のリニアソレノイドバルブにおいて、
前記伝達部材は、球状に形成されている、
リニアソレノイドバルブ。 - 請求項3に記載のリニアソレノイドバルブにおいて、
前記伝達部材は、前記挿入孔を摺動する、
リニアソレノイドバルブ。 - 請求項3に記載のリニアソレノイドバルブにおいて、
前記挿入孔に配置されて前記バネ荷重を調整するバネ荷重調整部(70、70c、70d、70e)をさらに備え、
前記バネ荷重調整部は、有底筒状に形成されており、前記伝達部材の少なくとも一部と前記圧縮コイルバネとを収容する、
リニアソレノイドバルブ。 - 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のリニアソレノイドバルブにおいて、
前記挿入孔に配置されて前記バネ荷重を調整するバネ荷重調整部をさらに備え、
前記バネ荷重調整部の外周面に形成された雄ネジ(73)と前記挿入孔に形成された雌ネジ(43)との螺合により、前記バネ荷重が調整される、
リニアソレノイドバルブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019094365A JP2020190256A (ja) | 2019-05-20 | 2019-05-20 | リニアソレノイドバルブ |
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JP2019094365A Pending JP2020190256A (ja) | 2019-05-20 | 2019-05-20 | リニアソレノイドバルブ |
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