以下、本発明の一実施形態に係る床下支持部材1が採用された建物10について、図1〜図3を参照しつつ以下に説明する。
建物10は、図1に示すように、図中二点鎖線で示す建造物11と、建造物11を支持する基礎12と、基礎12の上に設置された土台13と、基礎12と土台13との間に設置された基礎パッキン14と、土台13に取り付けられた大引き(床下部材)15とを有する。基礎12は地面から上方に立ち上がって形成されている。基礎パッキン14は基礎12上全体に設置され、土台13は基礎パッキン14を介して基礎12上全体に設置されている。大引き15は、図2に示すように、土台13の床下側(内側)の側面に取り付けられており、土台13の延在方向(長手方向A)と直交する幅方向Bに延びている。図2に示す長手方向A,幅方向B、及び、鉛直方向Cを、説明の便宜上、図3〜図7にも反映して示す。
基礎12、土台13及び基礎パッキン14は、図2に示すように、紙面垂直方向に長手方向Aを有するように形成されている。基礎パッキン14は、その下面14aが基礎12の上面12aと密着し、その上面14bが土台13の下面13aと密着して配置されている。また、基礎12の上面12aは、幅方向Bの長さが、基礎パッキン14の幅方向Bの長さよりも大きい。そして、基礎パッキン14は、基礎12の上面12aの床下側(図2中左側であって、床下部材である大引き15が配置される側)の端部が基礎パッキン14よりも床下側に存在するように、上面12a上に配置されている。
基礎パッキン14には、図2及び図3に示すように、幅方向Bに貫通する通気孔(開口部)16が長手方向Aに沿って複数形成されている。これら複数の通気孔16が形成されていることで、床下部分と外部とを連通させることが可能となり、床下換気が可能となる。また、基礎パッキン14には、図2に示すように、鉛直方向Cに貫通した貫通孔14cが長手方向Aに沿って互いに離隔して複数形成されている。これら複数の貫通孔14cは、基礎パッキン14の幅方向Bの中央に形成されており、図示しないアンカーボルトを挿通するためのものである。また、各貫通孔14cは、基礎パッキン14の幅方向Bの中央において、複数の通気孔16に跨って形成されており、複数の通気孔16と連通している。また、複数の通気孔16のうちのいずれかの通気孔16に、後述する床下支持部材1の取付部3が挿入されて係合されることで、基礎パッキン14に床下支持部材1が取り付けられる。そして、大引き15の下面15aは、図2に示すように、床下支持部材1によって支持されている。また、大引き15は、先端面を土台13の床下側の側面に当接させた状態で土台13に固定される。このとき、大引き15の上面15bは土台13の上面13bと同一平面上に位置するように配置される。
続いて、床下支持部材1について、図4〜図7を参照しつつ以下に説明する。床下支持部材1は、合成樹脂から構成されており、大引き15を下方から支持する支持部本体2と、基礎パッキン14に取付可能な取付部3とを含んでいる。
支持部本体2は、図2に示すように、基礎12の上面12a上であって、基礎パッキン14よりも床下側に配置されている。また、支持部本体2は、図4に示すように、ベース部2aと、ベース部2aの上面2a1においてベース部2aと着脱可能な高さ調整部2bとから構成されている。ベース部2aは、長手方向Aに沿って長尺な略直方体形状を有している。ベース部2aには、後述する取付部3が形成された側の側面(一側面)20aと当該側面20aと対向する側の側面20b、すなわち、長手方向Aと平行な両側面20a,20bを幅方向Bに沿って貫通する4つの貫通孔4が、長手方向Aに沿って並んで形成されている。これら貫通孔4は、鉛直方向Cにおいて、ベース部2aの中央から下端にかけて形成されており、下方に向かっても開口している。このような貫通孔4がベース部2aに形成されていることで、床下支持部材1を基礎パッキン14に取り付けたときに、貫通孔4と基礎パッキン14に形成された通気孔16とが連通可能となる。このため、基礎パッキン14に床下支持部材1を取り付けた場合でも、基礎12と土台13との間の通気性能の低下を抑制することが可能となる。また、図5(a)に示すように、ベース部2aの上面2a1の中心部には、鉛直方向Cに沿って上方に延びる楕円形状の筒状部5が形成されている。筒状部5の側面のうちの長手方向Aの両端部を除く床下側側面及び外装側側面には、複数の突起21が形成されている。これら突起21は、鉛直方向Cに沿って延在し、側面に沿って並んで配置されている。
高さ調整部2bは、図5(b)に示すように、大引き15を下方から支持する支持面6(図4参照)を構成する天板23と、天板23の幅方向Bの両端から下方に突出して形成された2つの壁部24と、2つの壁部24をつなぐ2つの繋ぎ部25とを含む。天板23の中心には、鉛直方向Cに沿って天板23を貫通する孔7が形成されている。孔7は、天板23の下側において、上方から下方にかけてすり鉢状に拡大している。各壁部24は、長手方向Aに沿って延在しており、その長手方向Aに沿った長さは天板23の長手方向Aに沿った長さより小さい。2つの繋ぎ部25は、2つの壁部24の互いに対向する長手方向Aの端部同士をつなぐように、2つの壁部24間に配置されている。また、繋ぎ部25は、鉛直方向Cにおいて、壁部24より短く、2つの壁部24の上部同士をつないでいる。壁部24の内面には、複数の突起22が形成されている。これら突起22は、壁部24の鉛直方向Cの上端から下端にかけて形成されており、長手方向Aに沿って並んで配置されている。また、これら突起22は、上述の複数の突起21間に嵌合可能に構成されている。換言すると、複数の突起21は、複数の突起22間に嵌合可能に構成されている。
ベース部2aの上面に形成された筒状部5の複数の突起21間に、高さ調整部2bの壁部24に形成された複数の突起22を嵌合させることで、ベース部2aと高さ調整部2bとが連結される。つまり、高さ調整部2bは、壁部24間にベース部2aの筒状部5をはさみ込むことで、ベース部2aに装着される。そして、突起21を所定の突起22間に嵌合させることで、高さ調整部2bをベース部2aの長手方向Aにおける所定位置に位置決め可能となる。なお、筒状部5は楕円形状であるため、筒状部5の長手方向Aの中央部分に形成された突起21が、幅方向Bにおいて、最も外側に突出している。よって、筒状部5の長手方向Aの中央部分に形成された突起21が、壁部24に形成された突起22間に最も深く嵌り込む。また、これら突起21,22は、図5に示すように、山型形状に形成されているため、高さ調整部2bをベース部2aに対して長手方向Aにスライドさせると、突起21,22同士の係合により、筒状部5の長手方向Aの中央部分には幅方向Bに沿って中心に向かう力が加わる。このとき、筒状部5が中空であるため、中心に向かって弾性変形し、高さ調整部2bがスライド可能となる。つまり、高さ調整部2bは、図7に示すように、ベース部2aに対して水平移動可能に構成されている。
なお、突起21及び突起22は形成されていなくてもよい。但し、高さ調整部2bの突起22とベース部2aの突起21間とが嵌合可能であることで、高さ調整部2bは、ベース部2aに対して一定の距離ずつ水平方向に移動させることができる。これにより、ベース部2aに対する高さ調整部2bの位置決めを容易に行うことができる。このため、突起21及び突起22は形成されていることが好ましい。また、高さ調整部2bをベース部2aに対して水平方向に移動させたときに、壁部24の長手方向Aの両端に形成されたつなぎ部25が筒状部5に当接することで、高さ調整部2bがベース部2aから外れるのを防ぐことができる。
また、2つの壁部24をつなぐ繋ぎ部25は、高さ調整部2bが水平方向に移動した際の移動規制を担う。すなわち、高さ調整部2bがベース部2aに対して水平方向に移動させたとき、筒状部5の上部が繋ぎ部25と接触することによって、それ以上の移動を規制し、高さ調整部2bが筒状部5から外れることを防ぐ。
なお、高さ調整部2bの壁部24の長手方向Aに沿った長さを大きくし、突起22の数を増やしてもよい。これにより、高さ調整部2bが、ベース部2aに対して水平に移動可能な距離を大きくすることができる。また、突起21及び突起22の間隔を小さくしてもよい。これにより、ベース部2aに対する高さ調整部2bの水平移動距離をより細かく調整することができる。
取付部3は、ベース部2aの長手方向Aと平行な一側面20a(床下側)に形成され、基礎パッキン14の通気孔16に挿入されて取り付けられる挿入部である。取付部3は、図6に示すように、幅方向Bに沿って延び、且つ、長手方向Aに沿って並ぶように形成された2本の突出部3aと、突出部3aの先端から長手方向Aに沿って外側に広がった2つの係止部3bとを含んでいる。これら2つの係止部3bは、先端に向かうに連れて先細り形状に形成されている。また、2本の突出部3aの外側面同士の距離W1は、基礎パッキン14のそれぞれの通気孔16の長手方向Aに沿った幅X(図3を参照)、よりも小さく、2つの係止部3bの最も外側端同士の距離W2は幅Xよりも大きい。このため、取付部3を基礎パッキン14の通気孔16に挿入して取り付けるときには、係止部3bと通気孔16の内面とが係合し、距離W2が幅Xよりも小さくなるように2本の突出部3aの先端が内側に撓んだ状態となって取付部3を幅方向Bに沿って通気孔16に挿入する。そして、係止部3bが通気孔16から貫通孔14cに達することで、係止部3bが外側に広がって取付部3が基礎パッキン14に係合し、床下支持部材1が基礎パッキン14に固定される。
なお、取付部3は、鉛直方向Cにおいてベース部2aの中央よりやや下であり、ベース部2aの下端より上に配置されている。そして、取付部3が基礎パッキン14に取り付けられているとき、ベース部2aの支持面6と対向する下面、すなわち、上面2a1と対向する下面2a2が基礎12の上面12aと接触可能に形成されている(図2参照)。
また、支持部本体2の鉛直方向Cに沿った長さは、基礎パッキン14の鉛直方向Cに沿った長さより大きい。このため、取付部3が基礎パッキン14に取り付けられているとき、高さ調整部2bの支持面6は土台13の下面より上方に配置される。これにより、大引き15の鉛直方向Cに沿った長さが土台13の鉛直方向Cに沿った長さよりも小さい場合でも、大引き15の上面と土台13の上面とが同一平面上に位置するように配置することができる。
続いて、床下支持部材1を設置する方法について説明する。まず、高さ調整部2bが取り外された床下支持部材1の取付部3を基礎パッキン14の所定の通気孔16に挿入する。このとき、取付部3を基礎パッキン14に対して床下側から通気孔16に挿入する。取付部3の先端の係止部3bは、貫通孔14c内で長手方向Aの両側に広がることで基礎パッキン14の貫通孔14cの内周面と係合する。これによって、取付部3が基礎パッキン14に固定される。このとき、ベース部2aの下面2a2は基礎12の上面12aと接触する。なお、基礎12の上面12aと接触するのは、直接的でも間接的でもよく、また、ベース部2aの下面2a2の一部でもよく、全部でもよい。また、予め取り外された高さ調整部2bは、支持面6と大引き15の先端部の下面15aとを接触させた状態で、孔7から大引き15の下面15aに対して釘を打ち込んで当該大引き15に固定する。
この後、ベース部2aの筒状部5の突起21間に、大引き15に固定された高さ調整部2bの突起22をはめ込むことで、高さ調整部2bをベース部2aに取り付ける。このとき、高さ調整部2bをベース部2aに対して水平移動させることで、位置調整してもよい。こうして、床下支持部材1の設置が完了する。
なお、大引き15に高さ調整部2bを固定しない場合は、ベース部2aから高さ調整部2bを取り外さずに床下支持部材1を基礎パッキン14に、上述と同様に取り付けてもよい。そして、高さ調整部2bの水平位置を調整後、大引き15の先端部を支持面6で下方から支持させてもよい。
以上に述べたように、本実施形態の床下支持部材1によると、取付部3を基礎パッキン14に係合させることで床下支持部材1を基礎パッキン14に取り付け可能である。つまり、釘等の連結具を使用しなくても、床下支持部材1を基礎パッキン14に取り付けることが可能となる。このため、床下支持部材1の取付作業が容易となる。また、取付部(挿入部)3は、支持部本体2の長手方向Aと平行である一方(床下側)の側面20aから幅方向Bに沿って延びる突出部3aと、突出部3aの先端に形成された係止部3bとを有している。突出部3aを基礎パッキン14の通気孔16に挿入し、係止部3bを基礎パッキン14の貫通孔14cの内周面に係止させることで取り付けることができるため、簡単な構成で床下支持部材1を取り付け可能である。
また、支持部本体2のベース部2aの下面2a2の一部又は全部は、床下支持部材1の取付部3を基礎パッキン14に取り付けたときに、基礎12の上面12aと接触可能となるように形成されている。これにより、床下支持部材1の取付部3を基礎パッキン14に取り付けたときに、支持部本体2を基礎12の上面12a上に配置させることができ、床下支持部材1を安定して配置させることが可能となる。さらに、基礎12の上面12aで支持面6を間接的に支持することができて、支持面6上に大引き15を安定して載置することができる。また、支持部本体2の高さ調整部2bの支持面6は、床下支持部材1の取付部3を基礎パッキン14に取り付けたときに、土台13の下面13aよりも上方に配置されるように形成されている。これにより、床下支持部材1は、土台13の下面13aよりも上方の位置で大引き15を支持することができるため、土台13の上面13bと大引き15の上面15bとを同一平面状に配置しても、大引き15のサイズを土台13よりも小さいサイズにすることが可能となる。よって、必要以上に大きなサイズの大引き15の使用を控えることが可能となり、省資源化を図ることができる。さらに、大引き15のサイズを小さくすることが可能になるため、大引き15のコストを低減することも可能となる。
また、高さ調整部2bは、ベース部2aに対して、水平方向に移動可能である。これにより、大引き15の設置位置に応じて、高さ調整部2bが大引き15の真下に位置するような適切な位置に、高さ調整部2bを配置させることが可能となる。例えば、ベース部2aを取り付けた後に、高さ調整部2bを水平方向に移動させて配置することが可能となる。このため、大引き15を支持しやすくなる。また、ベース部2aに形成された複数の突起21と、高さ調整部2bに形成された複数の突起22とは互いにはまり込むように対応している。このため、高さ調整部2bは鉛直方向Cに沿ってベース部2aから着脱可能である。大引き15のサイズに応じて、高さ調整部2bをベース部2aに対して着脱させることで、鉛直方向Cにおいて2段階の位置で大引き15を支持することが可能となる。また、鉛直方向Cにおいて、ベース部2aの長さ(高さ)と基礎パッキン14の長さ(厚み)とがほぼ同じである。このため、土台13と大引き15との高さが同じである場合、床下支持部材1から高さ調整部2bを取り外して、ベース部2aの上面2a1上で大引き15を支持してもよい。また、ベース部2aの上面2a1が基礎パッキン14の上面14bよりも上方に配置される場合に、高さ調整部2bをベース部2aから取り外して大引き15の支持位置を調整してもよい。
また、ベース部2aには、長手方向Aと平行な両側面20a,20bを幅方向Bに沿って貫通する貫通孔4が、長手方向に沿って4つ形成されている。なお、貫通孔4は、床下支持部材1を基礎パッキン14に取り付けたときに、基礎パッキン14の通気孔16と対向する位置に形成されている。これによって、基礎パッキン14に形成された通気孔16と貫通孔4とが連通可能となる。そして、床下支持部材1は、基礎12と土台13との間の通気性能の低下を抑制しつつ、大引き15を支持することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。なお、図8及び図9についても、上述の長手方向A、幅方向B及び鉛直方向Cを反映して示す。
例えば、本発明に係る床下支持部材は、通気孔を有さない非換気タイプの基礎パッキンにも取り付け可能である。第1変形例においては、基礎パッキン34には、図8(a)に示すように、幅方向Bに沿って床下側に開口し外装側に貫通していない開口部36が長手方向Aに沿って複数形成されている。この場合、床下支持部材101の取付部33は、図8(b)に示すように、上述の係止部3bと同様な係止部を有しておらず、支持部本体2の一側面20aから突出して形成され、開口部36と嵌合可能な直方体形状を有する挿入部である。また、取付部33は、その幅方向Bに平行な両側面間の距離W3が、開口部36の長手方向Aに沿った幅Yよりもわずかに大きくなるように形成されている。これにより、取付部33の開口部36への挿入時に、開口部36の内面が取付部33により押し広げられるようにして、開口部36と取付部33とが係合する。こうして取付部33が基礎パッキン14に取り付けられる。なお、取付部33は、長手方向Aに沿って複数形成されていてもよい。この場合、複数の取付部33がそれぞれの開口部36の内面と係合する。
また、第2変形例においては、基礎パッキン14は、基礎12の上面12a全体に亘って配置されておらず、長手方向Aの長さが短尺な複数の基礎パッキン14が基礎12上に間隔を開けて配置されている。この場合、取付部43は、図9に示すように、支持部本体2の一側面20aから幅方向Bに突出し、且つ、鉛直方向Cに沿って並ぶように形成された2本の突出部43aと、突出部43aの先端から鉛直方向Cに沿って上下に広がった2つの係止部43bとを含んでいる。これら2つの係止部43bも、先端に向かうに連れて先細り形状に形成されている。また、2本の突出部43aの上面と下面との間の距離は、基礎12と土台13との間の距離Zよりも小さく、2つの係止部43bの上端と下端間の距離は、距離Zよりも若干大きい。このため、取付部43を2つの基礎パッキン14の間に挿入して取り付けるときには、係止部43bと基礎12及び土台13とが係合し、2つの係止部43bの上端と下端間の距離が距離Zにほぼ等しくなるように2本の突出部43aの先端が内側に撓んだ状態となって取付部43を幅方向Bに沿って挿入する。そして、係止部43bが基礎パッキン14間において、が基礎12の上面12a及び土台13の下面13aと係合する。これによって、床下支持部材201を、基礎12及び土台13に取り付けることができる。つまり、取付部43は、基礎パッキン14間に挿入して、床下支持部材201を取り付けるための挿入部である。また、取付部43を基礎パッキン14の通気孔16内に挿入して取り付けるときには、取付部43は撓むことなく係止部43bを基礎パッキン14のアンカーボルト用の貫通孔14c内に位置させて取り付けられる。
続いて、複数の挿入部を有する取付部を含む床下支持部材301及び調整用スペーサ310について、図10〜図14を参照しつつ以下に説明する。第3変形例による床下支持部材301においても、図10に示すように、基礎パッキン14の通気孔16に後述の取付部303の挿入部304a〜304cが挿入されることで基礎パッキン14に取り付けられる。そして、床下支持部材301の上面である支持面301aにおいて、大引き15を支持することが可能となる。
本変形例においては、基礎12の上面12aと床下支持部材301の下面301bとの間に調整用スペーサ310を介在させることで建物が構成される。このように調整用スペーサ310を採用することで、床下支持部材301の支持面301aの高さを高くするように調整することが可能となる。したがって、このような床下支持部材301を用いる際に、大引き15のサイズが小さくても、調整用スペーサ310を用いることで大引き15の上面15bと土台13の上面13bとを同一平面上に配置させることが可能となる。換言すると、大引き15のサイズを小さくすることが可能であるため、大引き15のコストを低減することが可能となる。なお、図10〜図14についても、上述の長手方向A、幅方向B及び鉛直方向Cを反映して示す。
床下支持部材301は、合成樹脂から構成されており、図11〜図13に示すように、支持部本体302と、取付部303とを有する。支持部本体302は、長手方向Aに長尺な略直方体形状を有している。また、支持部材本体302は、図12に示すように、幅方向Bにおいて、側面(長手方向Aに平行な一側面)302aと側面302aと対向する側面(他の側面)302bとの間の幅W5が、鉛直方向Cにおいて、支持面301aと下面301bとの間の高さW6(幅)よりも小さくなるように構成されている。本変形例において、側面302aと側面302bとの間の幅W5は、基礎パッキン14の厚み(鉛直方向Cの幅)とほぼ同様である。また、支持部本体302は、図10に示すように、床下支持部材301を基礎パッキン14に取り付けたときに、その支持面301aが土台13の下面13aよりも上方に配置されるように構成されている。これにより、上述の実施形態と同様に、床下支持部材301は、土台13の下面13aよりも上方の位置で大引き15を支持することができ、必要以上に大きなサイズの大引き15の使用を控えることが可能となり、省資源化を図ることができる。さらに、大引き15のサイズを小さくすることが可能になるため、大引き15のコストを低減することも可能となる。
また、支持部本体302には、2つの貫通孔320が形成されている。これら貫通孔320は、長手方向Aにおいて、互いに離隔して配置されている。より詳細には、後述の3つの挿入部304a〜304c及び3つの挿入部305a〜305c間に配置されている。また、貫通孔320は、側面302aと側面302bを幅方向Bに沿って貫通して形成されている。また、貫通孔320は、鉛直方向Cにおいて、支持部本体302の中央から下端にかけて形成されており、下方に向かっても開口している。このため、下面301bは、長手方向Aにおいて、貫通孔320によって分断されている。このような貫通孔320が支持部本体320に形成されていることで、上述の実施形態と同様に、基礎パッキン14に床下支持部材301を取り付けた場合でも、基礎12と土台13との間の通気性能の低下を抑制することが可能となる。
また、支持部本体302の下面301b(床下支持部材301の下面)は、図12に示すように、水平面301b1と、2つの傾斜部301b2,301b3とを有している。2つの傾斜部301b2,301b3は、幅方向Bにおいて、下面301bの両端部に配置されており、水平面301b1を挟んでいる。また、傾斜部301b2は、幅方向Bにおいて、水平面301b1の側面302a側の端部から側面302aに近づくに連れて上方に傾斜している。一方、傾斜部301b3は、幅方向Bにおいて、水平面301b1の側面302b側の端部から側面302bに近づくに連れて上方に傾斜している。このような2つの傾斜部301b2,301b3が下面301bに形成されていることで、床下支持部材301が後述の第1の挿入部304a〜304cにより基礎パッキン14に取り付けられ、支持部本体303が床下側端部にバリが残存する基礎12の上面12aに配置されても、傾斜部301b3により、バリが支持部本体302の下面301bに干渉するのを抑制することが可能となる。このため、床下支持部材301を精度よく配置することが可能となる。一方、床下支持部材301が後述の第2の挿入部305a〜305cにより基礎パッキン14に取り付けられ、支持部本体303が床下側端部にバリが残存する基礎12の上面12aに配置されても、傾斜部301b2により、バリが支持部本体302の下面301bに干渉するのを抑制することが可能となる。このため、上述と同様に、床下支持部材301を精度よく配置することが可能となる。また、これら傾斜部301b2,301b3が形成されていることで、基礎12上に床下支持部材301を配置した後に、調整用スペーサ310を床下支持部材301と基礎12との間に挿入する際に、その入り口となる部分が傾斜部301b2,301b3によって広がるために、調整用スペーサ310を挿入しやすくなる。この結果、床下支持部材301の高さ調整を容易に行うことが可能となる。
取付部303は、図11〜図13に示すように、3つの第1の挿入部304a〜304cと、3つの第2の挿入部305a〜305cとを有している。3つの第1の挿入部304a〜304cは、図12に示すように、支持部本体302の側面302aの下端部から幅方向Bに突出して形成されている。また、各挿入部304a〜304cは、鉛直方向Cにおいて、その下端が通気孔16の下端よりも高い位置に配置され、上端が通気孔16の上端よりも低い位置に配置されている。また、各挿入部304a〜304cは、図10に示すように、鉛直方向Cの幅が通気孔16の高さより小さく形成されている。このため、第1の挿入部304a〜304cを基礎パッキン14の通気孔16に挿入して床下支持部材301を基礎パッキン14に取り付ける際に、鉛直方向Cにおいて、各挿入部304a〜304cと通気孔16の内面との間に隙間が形成されやすくなる。このため、調整用スペーサ310で床下支持部材301の支持面301aの高さ位置を調整しても、挿入部304a〜304cと基礎パッキン14とが干渉しにくくなる。
また、3つの第1の挿入部304a〜304cは、長手方向Aに沿って互いに離隔して並設されている。また、3つの第1の挿入部304a〜304cは、長手方向Aにおいて、貫通孔320を挟むように配置されており、互いにほぼ同様の構成からなる。各挿入部304a〜304cは、図13に示すように、側面302aから幅方向Bに沿って延び、且つ、長手方向Aに並んで配置された2本の突出部304a1〜304c1を有している。2本の突出部304a1〜304c1は、側面302aから幅方向Bに離れるに連れて長手方向Aに互いに離れ、先端近傍において長手方向Aに互いに近づくように形成されている。2本の突出部304a1〜304c1の長手方向Aの最大幅W7は、通気孔16の幅Xよりもやや大きい。このため、挿入部304a〜304cを基礎パッキン14の通気孔16に挿入することで、突出部304a1〜304c1と通気孔16の内面とが係合し、幅W7が幅Xよりも小さくなるように2本の突出部304a1〜304c1の先端が内側に撓んだ状態となる。このときの2本の突出部304a1〜304c1と通気孔16の内面との係合により、床下支持部材301が基礎パッキン14に固定される。また、各第1の挿入部304a〜304cの基端部には、2本の突出部304a1〜304c1を繋ぐ繋ぎ部304a2〜304c2が形成されている。また、2本の突出部304b1の内側面には、互いに向かって突出する突起304b3が形成されている。これら突起304b3は、三角形平面形状を有している。
3つの第2の挿入部305a〜305cは、図11(b)に示すように、支持部本体302の側面302bから幅方向Bに突出して形成されている。また、各挿入部305a〜305cは、鉛直方向Cにおいて、その幅が側面302bの中央から下端に亘る幅となっており、挿入部304a〜304cの鉛直方向Cの幅よりも大きく形成されている。なお、3つの第2の挿入部305a〜305cのうち、長手方向Aの中央に配置された第2の挿入部305bだけ、両端の第2の挿入部305a,305cよりも鉛直方向Cの幅が大きく形成されている。また、各挿入部305a〜305cは、鉛直方向Cにおいて、その下端が通気孔16の下端よりも高い位置に配置され、上端が通気孔16の上端よりも低い位置に配置されている。本実施形態における第2の挿入部305bの鉛直方向Cの幅は、通気孔16にちょうど嵌合可能な幅に形成されている。つまり、他の第2の挿入部304a,304cの鉛直方向Cの幅は、通気孔16よりもやや小さくなっている。
また、3つの第2の挿入部305a〜305cは、図13に示すように、3つの第1の挿入部304a〜304cと幅方向Bに沿って対向して配置されている。つまり、3つの第2の挿入部305a〜305cは、長手方向Aに沿って互いに離隔して並設されている。また、3つの第2の挿入部305a〜305cは、長手方向Aにおいて、貫通孔320を挟むように配置されている。各挿入部305a〜305cは、側面302aから幅方向Bに沿って延び、且つ、長手方向Aに並んで配置された2本の突出部305a1〜305c1を有している。2本の突出部305a1〜305c1は、幅方向Bにおいて、2本の突出部304a1〜304c1よりも短く形成されている。また、2本の突出部305a1〜305c1の長手方向Aの幅W8は、通気孔16の幅Xよりも若干小さい。このため、挿入部305a〜305cが基礎パッキン14の通気孔16に嵌合可能となる。したがって、挿入部305a〜305cを通気孔16等の凹部に嵌合させることで、床下支持部材301を基礎パッキン14に固定することができる。
また、取付部303は、各挿入部304a〜304cの基端部に配置された括れ部303aと、各挿入部305a〜305cの基端部に配置された括れ部303bとを有する。括れ部303aは、各挿入部304a〜304cの基端部の外周全体に亘って形成され、各挿入部304a〜304cの基端部が部分的に細くなるように形成されている。これにより、ユーザが必要に応じていずれかの挿入部304a〜304cを基端部で折り曲げることで、折り曲げられた挿入部304a〜304cが支持部本体302から折断可能となる。
括れ部303bは、2本の突出部305a1〜305c1のそれぞれの基端部に形成された部分括れ部303b1,303b2を有している。部分括れ部303b1,303b2は、2本の突出部305a1〜305c1のそれぞれの基端部の外側面に形成されており、各突出部305a1〜305c1の基端部が部分的に細くなるように形成されている。これにより、ユーザが必要に応じていずれかの挿入部305a〜305cを基端部で折り曲げることで、折り曲げられた挿入部305a〜305cが支持部本体302から折断可能となる。
調整用スペーサ310は、合成樹脂から構成されている。また、調整用スペーサ310は、図14に示すように、長手方向Aに沿って長尺な長方形平面形状を有する板状部材から構成されている。また、本変形例における調整用スペーサ310は、長手方向Aにおいて、その長さが支持部本体302の下面301bの長さ以上であり、支持部本体302を長手方向Aの全長に亘って下方から支持することが可能となる。このため、長手方向Aにおいて、床下支持部材301の基礎12に対するガタつきを抑制することが可能となる。また、本変形例における調整用スペーサ310は、幅方向Bにおいて、その長さが支持部本体302の下面301bの長さ以上であり、支持部本体302を幅方向Bの全長に亘って下方から支持することが可能となる。このため、幅方向Bにおいて、床下支持部材301の基礎12に対するガタつきを抑制することが可能となる。なお、調整用スペーサ310は、長手方向Aにおいて、その長さが支持部本体302の長さよりも短くてもよい。また、調整用スペーサ310は、幅方向Bにおいて、その長さが支持部本体302の長さよりも短くてもよい。なお、別の変形例として、調整用スペーサ310の長手方向Aの一端部は、長手方向Aにおいて、一端に向かうに連れて厚みが減少して先細りとなる形状を有していてもよい。こうすることで、調整用スペーサ310を床下支持部材310と基礎12との間に挿入しやすくなる。さらに別の変形例として、調整用スペーサ310を支持面301a上に配置して、床下支持部材310と大引き15との間に介在させてもよい。これにおいても、大引き15の高さ位置を調整することが可能となる。
続いて、上述の床下支持部材301を基礎パッキン314に取り付けるときの取付方法について、図15を参照しつつ以下に説明する。本変形例における基礎パッキン314は、図15に示すように、複数の通気孔316の配列ピッチが、床下支持部材301の取付部303の3つの第1の挿入部304a〜304cの配列ピッチよりやや大きく異なる。このため、3つの第1の挿入部304a〜304cを通気孔316に挿入して、床下支持部材301を取り付けることができない。なお、図15についても、上述の長手方向A、幅方向B及び鉛直方向Cを反映して示す。
このような基礎パッキン314に床下支持部材301を取り付ける際は、図15に示すように、3つの第1の挿入部304a〜304cのうち、中央にある第1の挿入部304b以外の2つの第1の挿入部304a,304cを括れ部303aで折り曲げて除去する。この後、第1の挿入部304bを通気孔316に挿入し、床下支持部材301を基礎パッキン314に固定する。このように本変形例における床下支持部材301は、括れ部303aを有していることで、第1の挿入部304a〜304cの配列ピッチと基礎パッキン314の通気孔316の配列ピッチとが異なっていても、不要となる2つの第1の挿入部304a,304cを取り除いて基礎パッキン314に固定することが可能となる。また、取付部303が、長手方向Aに沿って並設された3つの第1の挿入部304a〜304cを有していることで、基礎パッキン314の通気孔(開口部)316の配列ピッチが第1の挿入部304a〜304cの配列ピッチとずれていても、一部の挿入部304a,304cを取り除くことで、挿入位置を調整しやすくなる。
なお、第1の挿入部304a〜304cのうち、いずれか2つの第1の挿入部の配列ピッチと基礎パッキンの通気孔の配列ピッチとが同じであれば、同じ配列ピッチを構成する2つの第1の挿入部以外の第1の挿入部を上述と同様に折り曲げて除去する。そして、2つの第1の挿入部を通気孔に挿入して基礎パッキンに床下支持部材301を固定してもよい。
続いて、上述の床下支持部材301を基礎パッキン414に取り付けるときの取付方法について、図16を参照しつつ以下に説明する。本変形例における基礎パッキン414は、図16に示すように、上述の基礎パッキン14とほぼ同様であり、複数の通気孔16に代えて複数の凹部416を有する非換気タイプの基礎パッキンである。なお、基礎パッキン414の複数の凹部416の長手方向Aの配列ピッチと上述の基礎パッキン14の複数の通気孔16の長手方向Aの配列ピッチは同である。凹部416は、通気孔16の幅方向Bの長さが基礎パッキン414の略中央までのものと同様なものであり、幅方向Bにおいて、その長さが第1の挿入部304a〜304cの長さよりも短く、第2の挿入部305a〜305cの長さよりも長い。なお、図16についても、上述の長手方向A、幅方向B及び鉛直方向Cを反映して示す。
このような基礎パッキン414に床下支持部材301を取り付ける際は、図16に示すように、3つの第2の挿入部305a〜305cを凹部416に挿入し、床下支持部材301を基礎パッキン414に固定する。このように本変形例における床下支持部材301は、第1の挿入部304a〜304cに加えて、第1の挿入部304a〜304cと幅方向Bにおける長さの異なる第2の挿入部305a〜305cを有していることで、幅方向Bの長さの短い複数の凹部416を有する基礎パッキン414においても、床下支持部材301を固定することが可能となる。なお、床下支持部材301は、括れ部303bを有しているため、凹部416の配列ピッチと第2の挿入部305a〜305cの配列ピッチとが異なっても、上述の第1の挿入部304a〜304cと同様に、必要に応じて括れ部303bで3つの第2の挿入部305a〜305cのうちの2以下の第2の挿入部を折り曲げて除去し、残った第2の挿入部を凹部416に挿入して、基礎パッキン414に床下支持部材301を固定してもよい。また、第1の挿入部304a〜304cの幅方向Bの途中部位(例えば、中央)に括れ部303aが形成されていてもよい。この場合、第1の挿入部304a〜304cを括れ部303aで折り曲げて部分的に除去することで、第1の挿入部304a〜304cの長さを変更し、凹部416に挿入することができる。こうして、床下支持部材301を基礎パッキン414に固定してもよい。この場合、第1の挿入部304a〜304cは、幅方向Bの中央部よりも基端部側において最大幅W7を有する構成とすることが望ましい。こうすることで、床下支持部材301を基礎パッキン414に強固に固定することができる。
以上に述べたように、第3変形例の床下支持部材301によると、上述の実施形態と同様に、取付部303を基礎パッキン14,314,414に係合させることで床下支持部材301を基礎パッキン14,314,414に取り付け可能である。また、第1の挿入部304a〜304cと第2の挿入部305a〜305cの幅方向Bの長さが異なることで、基礎パッキン14,414の種類に応じて側面に形成された開口部(通気孔16)又は凹部416の深さが異なるものであっても、床下支持部材301を効果的に取り付けることが可能となる。
続いて、第4変形例における床下支持部材401について、図17〜図19を参照しつつ以下に説明する。なお、図17〜図19についても、上述の長手方向A、幅方向B及び鉛直方向Cを反映して示す。本変形例における床下支持部材401は、図17及び図18に示すように、上述の床下支持部材301とほぼ同様であるが、取付部403が3つの第1の挿入部304a〜304cと、上述の第2の挿入部305aと同様な構成からなる3つの第2の挿入部405a〜405cを有している。また、各挿入部304a〜304cは、後述するように3つの第2の挿入部405a〜405cを括れ部403bで折り曲げて除去した状態及び除去しない状態の両方で、鉛直方向Cにおいて、その下端が通気孔16の下端よりも高い位置に配置され、上端が通気孔16の上端よりも低い位置に配置されている。3つの第2の挿入部405a〜405cは、支持部本体302の下面301bの水平面301b1に長手方向Aに互いに離隔してそれぞれ形成されている。また、3つの第2の挿入部405a〜405cの長手方向Aの配列ピッチは、上述の3つの第2の挿入部305a〜305cの配列ピッチと同様である。また、3つの第2の挿入部405a〜405cの基端部には上述の括れ部303bと同様な括れ部403bが形成されている。なお、上述の床下支持部材301と同様なものは、同符号で示し説明を省略する。
このような床下支持部材401の3つの第1の挿入部304a〜304cを通気孔16に挿入して、当該床下支持部材401を基礎パッキン14に取り付ける際は、まず、床下支持部材401から3つの第2の挿入部405a〜405cを括れ部403bで折り曲げて除去する。本変形例においては、図19(a)に示すように、括れ部403bの残存部分はそのままの状態であるが、支持高さを調整するために、当該残存部分を削り取ってもよい。この後、3つの第1の挿入部304a〜304cを通気孔16に挿入し、床下支持部材401を基礎パッキン14に固定する。なお、大引き15のサイズがもう少し小さい場合は、3つの第2の挿入部405a〜405cを除去せずに残し、第2の挿入部405a〜405cの先端を基礎12に接触させるようにして、床下支持部材401を設置してもよいし、括れ部403b、括れ部403bの残存部分及び当該残存分を削り取った後の下面301bのいずれかと基礎12との間に高さ調整のために上述の調整用スペーサ310を介在させてもよい。
一方、大引きのサイズが土台13とほぼ同じである大引き415(床下部材)を用いる場合、まず、床下支持部材401から3つの第1の挿入部304a〜304cを括れ部303aで折り曲げて除去する。本変形例においては、図19(b)に示すように、括れ部303aの残存部分を削り取るが、当該残存部分は比較的小さい部位であるため、設置時に支障がなければ、そのままの状態であってもよい。この後、3つの第2の挿入部405a〜405cを通気孔16に挿入し、床下支持部材401を基礎パッキン14に固定する。この場合、側面302bが大引きを支持する支持面となる。なお、各挿入部405a〜405cは、3つの第1の挿入部304a〜304cを括れ部303aで折り曲げて除去した状態で、鉛直方向Cにおいて、その下端が通気孔16の下端よりも高い位置に配置され、上端が通気孔16の上端よりも低い位置に配置されている。これにより、床下支持部材401と基礎12との間に調整用スペーサを介在させることも可能となる。
このように床下支持部材401は、支持部本体302の幅方向Bの幅W5及び鉛直方向Cの幅W6が異なり、さらに側面302aに3つの挿入部304a〜304c及び下面301bに3つの挿入部405a〜405cが形成されている。これにより、側面302aに形成された3つの挿入部304a〜304cを用いて基礎パッキン14に取り付けるときと、下面に301bに形成された3つの挿入部405a〜405cを用いて基礎パッキン14に取り付けるときとで、大引き(床下部材)を支持する支持高さを異ならせることが可能となる。したがって、床下支持部材401を大引きのサイズに応じて基礎パッキン14に取り付けることが可能となる。また、床下支持部材401で大引き15を支持する位置を基礎パッキン14の上面14bよりも高い位置で受けることも可能となる。この場合、大引き15の寸法を小さくでき、大引き15のコストを低減することが可能となる。
また、上述の実施形態におけるベース部2aに形成された貫通孔4は、3つ以下または5つ以上でもよい。貫通孔4が3つ以下である場合、それぞれの貫通孔4のサイズを大きくすることで、通気性能を十分に確保することができる。また、ベース部2aに貫通孔4が形成されていない場合は、通気孔16を有さず、基礎12と土台13との間の通気を行わない基礎パッキンに採用してもよい。なお、貫通孔4は、ベース部2aの下側に形成されている必要はなく、例えば、鉛直方向Cに沿った上側や、中央部分に形成されていてもよい。また、貫通孔は、床下側と外部とを連通させることが可能であれば、一方の開口が床下側の側面に形成されておれば、他方の開口は支持部本体2の床下側の側面以外の面に形成されていてもよい。
また、上述の実施形態における高さ調整部2bは、ベース部2aに対して、水平方向だけでなく、水平方向と交差する方向に移動可能であってよい。
また、高さ調整部2bは配置されていなくてもよい。この場合、ベース部2aの上面が支持面6となり、筒状部5は配置されない。但し、床下部材(床下断熱ボードや大引き15など)のサイズに応じて、鉛直方向Cにおける支持面6の位置を調整するためには、高さ調整部2bは配置されていることが好ましい。
また、筒状部5は、楕円形状でなくてもよく、例えば、円柱や角柱などの形状でもよいし、中空でなくてもよい。また、筒状部5の突起21はなくてもよい。この場合、高さ調整部2bの壁部24の内面に突起22を形成しなくてもよい。そして、壁部24の内面を筒状部5の側面に対して長手方向Aに沿って移動させることで、高さ調整部2bがベース部2aに対して水平方向に移動可能となる。また、突起21及び突起22の一方が、他方の突起に対応する溝であってもよい。
また、本発明の床下支持部材1,101,201,301,401により支持可能な床下部材としては、基礎の床下側に接近又は接して設置される床下設置部材であればよく、例えば、大引き15の他に、床下断熱ボード等が挙げられる。