JP2020189673A - 電子レンジ用カップ - Google Patents
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Abstract
【課題】内容物を収容したまま電子レンジで加熱した際に、この内容物から液体水分や液体油分が分離した場合にも、その内容物の食感が損なわれることがないカップを提供すること。【解決手段】筒状の胴部1と、この筒状胴部1の一端を閉塞する底部2とで構成され、内容物を収容した状態で電子レンジ加熱する電子レンジ用カップにおいて、前記胴部と底部のうち少なくとも一方の内側表面に無サイズ紙等の液体吸収性の素材を露出させる。【選択図】図2
Description
本発明は内容物を収容したまま電子レンジで加熱することのできるカップに関する。
内容物を収容したまま電子レンジで加熱することのできる紙カップは公知であり、例えば特許文献1に記載されている。
しかしながら、この紙カップは紙層の表裏両面に熱可塑性樹脂層を有するブランクを成型して製造されたものである。鯛焼きあるいは大判焼き等の水分を含む内容物や、揚げ物等の油分を含む内容物を収容して電子レンジ加熱すると、加熱に伴って分離した液体水分や液体油分がカップ内部に溜まり、この水分や油分に内容物が浸かることから、その食感が損なわれるという問題があった。
そこで、本発明は、内容物を収容したまま電子レンジで加熱した際に、この内容物から液体水分や液体油分が分離した場合にも、その内容物の食感が損なわれることがないカップを提供することを目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、筒状の胴部と、この筒状胴部の一端を閉塞する底部とで構成され、内容物を収容した状態で電子レンジ加熱する電子レンジ用カップにおいて、
前記胴部と底部のうち少なくとも一方の内側表面が液体吸収性を有することを特徴とする電子レンジ用カップである。
前記胴部と底部のうち少なくとも一方の内側表面が液体吸収性を有することを特徴とする電子レンジ用カップである。
次に、請求項2に記載の発明は、前記胴部と底部のうち少なくとも一方の内層が無サイズ紙又は低サイズ紙で構成されていることを特徴とする請求項1記載の電子レンジ用カップである。
次に、請求項3に記載の発明は、前記胴部と底部の双方が、その層構成中に液体不透過性の層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子レンジ用カップである。
次に、請求項4に記載の発明は、前記胴部と底部のうち少なくとも一方の内層がサイズ剤と添加剤のいずれも配合しないパルプ層を有する多層抄きした紙で構成されており、サイズ剤と添加剤のいずれも配合しないパルプ層が前記胴部又は底部の内側表面に露出していることを特徴とする請求項1記載の電子レンジ用カップである。
次に、請求項5に記載の発明は、前記多層抄きした紙が液体不透過性のパルプ層を有することを特徴とする請求項4記載の電子レンジ用カップである。
次に、請求項6に記載の発明は、液体不透過性の前記パルプ層が耐油性又は耐水性の薬品を配合したパルプ層で構成されていることを特徴とする請求項5記載の電子レンジ用カ
ップである。
ップである。
次に、請求項7に記載の発明は、前記胴部と底部の双方が、その外側表面に熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子レンジ用カップである。
次に、請求項8に記載の発明は、前記胴部の内側表面に液体吸収性を有すると共にその外側表面に熱可塑性樹脂層を有し、前記底部の内側表面に熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子レンジ用カップである。
次に、請求項9に記載の発明は、前記底部の内側表面に液体吸収性を有すると共にその外側表面に熱可塑性樹脂層を有し、前記胴部の内側表面に熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子レンジ用カップである。
本発明のカップは胴部と底部のうち少なくとも一方の内側表面が液体吸収性の素材で構成されているため、電子レンジ加熱に伴って液体水分や液体油分が分離した場合にも、この液体水分や液体油分を前記液体吸収性素材が吸収する。このため、その内容物が液体水分や液体油分浸かることがなく、その食感が損なわれることもないのである。
以下、図面を参照して本発明の具体例を説明する。図面の図1は本発明のカップの具体例の断面説明図である。
この図から分かるように、本発明のカップAは、筒状の胴部1と、この筒状胴部1の底部を閉塞する底部2とで構成されている。なお、必要に応じて蓋で密封してもよい。
筒状胴部1と底部2のうち、少なくとも一方は、その内側表面が液体吸収性の素材で構成されている必要がある。このように内側表面を液体吸収性素材で構成することにより、電子レンジ加熱.で内容物から分離した液体水分や液体油分を吸収することができる。
また、こうして吸収した液体水分や液体油分がカップA外面まで浸透することを防止するため、筒状胴部1と底部2のいずれもが、その層構成中に液体水分や液体油分を透過し
ない液体不透過性の層を有することが望ましい。
ない液体不透過性の層を有することが望ましい。
さらにこれに加えて、カップAを成型するため、その外側表面に熱可塑性樹脂層を有することが望ましい。この熱可塑性樹脂層が前記液体不透過性を有する場合には、この熱可塑性樹脂層を液体不透過性の前記層として利用することができる。
図2は本発明のカップの具体例に係り、図2(a)はカップの筒状胴部の断面説明図である。
図2(a)〜(c)は、それぞれ、このような筒状胴部1の例を示す断面説明図である。
まず、図2(a)に示す筒状胴部1は、その内層11がサイズ剤を含まない無サイズ紙で構成されている。この無サイズ紙は、抄紙工程でサイズ剤を配合することなく抄紙したもので、抄紙工程にもサイズ剤のコーティングを行っていない。このため、パルプとパルプとの間に多数の空隙が形成されており、この無サイズ紙が筒状胴部1の内側表面に露出しているため、内容物から分離した液体水分や液体油分はこのパルプ間に多数の空隙に吸収される。
なお、多少のサイズ剤を配合した低サイズ紙を無サイズ紙の代わりに使用することも可能である。もちろん、この場合であっても、低サイズ紙は前記液体水分や液体油分を十分に吸収できるものでなくてはならない。
無サイズ紙と低サイズ紙のいずれの場合であっても、カップAの剛性を確保するため、坪量50〜700g/m2の紙を使用することが望ましい。これより坪量の少ない紙を使用した場合にはカップAの剛性が不足し、また、これより坪量が多いと剛性が高いためにカップAの成型が困難である。
また、図2(a)に示す筒状胴部1は、内層11の外側に熱可塑性樹脂から成る外層12を積層して構成されている。この外層12はカップA成型の際のヒートシール層として働くと共に、内層11が吸収した液体水分や液体油分がカップA外面まで浸透することを防止する機能を兼ねるものである。
このような熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等を使用することができる。また、ヒートシール性のあるポリエステル系樹脂であってもよい。また、内層11を浸透した液体水分や液体油分がカップA外側表面にシミ(油ジミ等)を形成することを防ぐため、熱可塑性樹脂に顔料を配合して不透明とすることも可能である。顔料としては、酸化チタンや硫酸バリウムを例示できる。
また、この外層12の厚みは10〜200μmが望ましい。これより薄いと後述するサイドシール部やボトムシール部で十分にシールすることが困難であり、成型不良や内容物の漏れを惹起することがある。また、これより厚いとサイドシール部やボトムシール部を形成する際に大きな加熱が必要となり、その見栄えを損ねる。
内層11と外層12とは周知の方法で積層することができる。例えばドライラミネート法である。また、外層12を構成する熱可塑性樹脂を溶融押し出しして、内層12上にコーティングする方法(溶融押し出しラミネート法)で積層することも可能である。
次に、図2(b)は、内層11として二層構造の紙を使用した例である。すなわち、この紙はサイズ剤や添加剤を配合しないパルプ層11aと添加剤を内添したパルプ層11b
とを重ね合わせて多層抄きしたもので、サイズ剤や添加剤を配合しないパルプ層11aはパルプ間に多数の空隙を有しており、このパルプ層11aが筒状胴部1の内側表面に露出している。一方、添加剤を内添したパルプ層層11bの添加剤は、フッ素系耐油剤やシリコン系耐油剤等の耐油性・耐水性の薬品である。このため、添加剤を内添したパルプ層11bは、層11aが吸収した液体水分や液体油分が浸透することを防止する液体不透過性を示す。サイズ剤や添加剤を配合しないパルプ層11aの代わりに、わずかなサイズ剤や添加剤を配合したパルプ層を使用してもよい。なお、このように内層11として二層構造の紙を使用した場合でも、この二層構造の紙の坪量は50〜700g/m2であることが望ましい。
とを重ね合わせて多層抄きしたもので、サイズ剤や添加剤を配合しないパルプ層11aはパルプ間に多数の空隙を有しており、このパルプ層11aが筒状胴部1の内側表面に露出している。一方、添加剤を内添したパルプ層層11bの添加剤は、フッ素系耐油剤やシリコン系耐油剤等の耐油性・耐水性の薬品である。このため、添加剤を内添したパルプ層11bは、層11aが吸収した液体水分や液体油分が浸透することを防止する液体不透過性を示す。サイズ剤や添加剤を配合しないパルプ層11aの代わりに、わずかなサイズ剤や添加剤を配合したパルプ層を使用してもよい。なお、このように内層11として二層構造の紙を使用した場合でも、この二層構造の紙の坪量は50〜700g/m2であることが望ましい。
なお、二層構造の紙に限らず、三層以上の多層抄きの紙を使用することも可能である。この場合でも、サイズ剤や添加剤を配合しないパルプ層が筒状胴部1の内側表面に露出していることが望ましい。また、この場合でも、多層抄きの紙の坪量は50〜700g/m2であることが望ましい。
このように耐油性・耐水性の薬品を内添したパルプ層11bを有する多層構造の紙を使用した場合にはこのパルプ層層11bが液体水分や液体油分が浸透することを防止するため、熱可塑性樹脂から成る外層12は補助的に液体水分や液体油分の浸透防止機能を果たすのに過ぎず、主にカップA成型の際のヒートシール層として働くものである。
次に図2(c)は、内層11と外層12との間に中間層13を設けた例である。中間層13は任意の素材で構成することができるが、この中間層13に液体水分や液体油分の浸透防止機能を負担させることも可能である。例えば、プラスチックフィルムを蒸着基材とし、この蒸着基材に無機酸化物蒸着膜を積層した蒸着フィルムをこの中間層13として使用すると、この中間層13が液体水分や液体油分の浸透を防止し、また、これに加えて酸素ガスや水蒸気の透過を防止して内容物の保存性を高めることができる。
なお、図2(c)に示す例において、内層11及び外層12は前述の例と同様である。すなわち、内層11としては、無サイズ紙、低サイズ紙、あるいは内側表面をサイズ剤や添加剤を配合しないパルプ層又は液体吸収性を損なわない程度にわずかなサイズ剤や添加剤を配合したパルプ層とした多層抄きの紙である。また、外層12はヒートシール性の熱可塑性樹脂で構成されたものである。
なお、これら内層11、中間層13及び外層12は、前述のとおり、周知のドライラミネート法や溶融押し出しラミネート法で積層することができる。
以上、筒状胴部1を例として説明したが、筒状胴部1の代わりに底部2を同様の層構成を有するシートで構成してもよい。
例えば、図3(a)に示すように筒状胴部1を内層11の外側に熱可塑性樹脂から成る外層12を積層して構成し、底部2も内層21の外側に熱可塑性樹脂から成る外層22を積層して構成することができる(図3(b)参照)。このように筒状胴部1と底部2の両方が、双方の内側表面が液体吸収性の素材で構成されている場合、電子レンジ加熱.で内容物から分離した液体水分や液体油分はこの両者1,2に吸収される。
また、図4(a)に示すように筒状胴部1を内層11の外側に熱可塑性樹脂から成る外層12を積層して構成し、底部2’を紙層24の内外に熱可塑性樹脂層23,25を積層して構成することもできる(図4(b)参照)。
また、図5(a)に示すように筒状胴部1’を紙層14の内外に熱可塑性樹脂層13,
15を積層して構成し、底部2を内層21の外側に熱可塑性樹脂から成る外層22を積層して構成することもできる(図5(b)参照)。
15を積層して構成し、底部2を内層21の外側に熱可塑性樹脂から成る外層22を積層して構成することもできる(図5(b)参照)。
次に、カップAの成型方法について説明する。
すなわち、まず筒状胴部1を構成するシートを準備し、その一方の端縁をもう一方の端縁に重ね合わせて接合させて円筒形状の胴部材とする。また、これとは別に、底部を構成するシートを準備し、このシートをほぼ円形状に打ち抜き、さらにこれを絞って外周縁部2aを下向きに起立させて底部材とする。なお、以下の説明では、便宜上、筒状胴部とこれを構成する胴部材とを区別することなく、その両者に符号「1」を付与する。底部とこれを構成する底部材についても、これらを区別することなく、その両者に符号「2」を付与する。
そこで、次に、図6(a)に示すように、胴部材1の下部内面1aに前記底部材2の外周縁部2aの内面を接合させ、さらにその外周縁部2aを覆うように前記胴部材の下端縁部1bを内方に折り曲げ、前記底部材2の外周縁部2aに接合させて、この外周縁部2aを胴部材1の下部内面1aと下端縁部1bとで挟みこんで環状脚部を形成させる(図6(b)参照)。
なお、図7(a)に示すように、筒状胴部材1の上端縁部1cは外側に向けて丸めることが.望ましい。また、図7(b)に示すように、この丸めた上端縁部1cを潰してその上面を平坦にすることにより、任意の蓋をシールしてカップAを密封することができる。
次に、図8は本発明のカップの別の具体例の断面説明図である。このカップ容器Bは、環状脚部を折り曲げて、前記底部材2の下面に一体に密着シールすることにより、筒状胴部材1と底部材2とを接合し、筒状胴部1の一端を底部2で閉塞している。その他の点は、図1.に示すカップ容器Aと同様である。
(実施例1)
坪量200g/m2のクラフトパルプ100%の単層抄きの無サイズ紙に、酸化チタンを3質量%添加した低密度ポリエチレン樹脂を溶融押し出しラミネートして、積層シートを製造し、この積層シートを胴部材1及び底部材2の両者に使用して、口径70mm、高さ100mm、テーパー角7度のカップを製造した。なお、低密度ポリエチレンの厚みは30μmである。また、胴部材1及び底部材2は、いずれも、前記無サイズ紙がカップの内側表面に露出するように配置した。
坪量200g/m2のクラフトパルプ100%の単層抄きの無サイズ紙に、酸化チタンを3質量%添加した低密度ポリエチレン樹脂を溶融押し出しラミネートして、積層シートを製造し、この積層シートを胴部材1及び底部材2の両者に使用して、口径70mm、高さ100mm、テーパー角7度のカップを製造した。なお、低密度ポリエチレンの厚みは30μmである。また、胴部材1及び底部材2は、いずれも、前記無サイズ紙がカップの内側表面に露出するように配置した。
(実施例2)
坪量200g/m2のクラフトパルプ100%の単層抄きの無サイズ紙に、低密度ポリエチレン樹脂を溶融押し出しラミネートし、更にこの低密度ポリエチレン樹脂の上に白インキでベタ印刷して、積層シートを製造した。この積層シートを胴部材1及び底部材2の両者に使用しほかは実施例1と同様にカップを製造した。なお、低密度ポリエチレンの厚みは30μmである。
坪量200g/m2のクラフトパルプ100%の単層抄きの無サイズ紙に、低密度ポリエチレン樹脂を溶融押し出しラミネートし、更にこの低密度ポリエチレン樹脂の上に白インキでベタ印刷して、積層シートを製造した。この積層シートを胴部材1及び底部材2の両者に使用しほかは実施例1と同様にカップを製造した。なお、低密度ポリエチレンの厚みは30μmである。
(実施例3)
坪量300g/m2の6層抄きの紙を準備した。この紙は、一方の表面がクラフトパルプ100%でサイズ剤や添加剤を含まないパルプ層であり、他の5層がフッ素系耐油剤を内添したクラフトパルプのパルプ層である。
坪量300g/m2の6層抄きの紙を準備した。この紙は、一方の表面がクラフトパルプ100%でサイズ剤や添加剤を含まないパルプ層であり、他の5層がフッ素系耐油剤を内添したクラフトパルプのパルプ層である。
そして、この紙のフッ素系耐油剤を内添したクラフトパルプのパルプ層の表面に、低密
度ポリエチレン樹脂を溶融押し出しラミネートして、積層シートを製造した。この積層シートを胴部材1及び底部材2の両者に使用しほかは実施例1と同様にカップを製造した。なお、低密度ポリエチレンの厚みは30μmである。また、胴部材1及び底部材2は、いずれも、サイズ剤や添加剤を含まないパルプ層がカップの内側表面に露出するように配置した。
度ポリエチレン樹脂を溶融押し出しラミネートして、積層シートを製造した。この積層シートを胴部材1及び底部材2の両者に使用しほかは実施例1と同様にカップを製造した。なお、低密度ポリエチレンの厚みは30μmである。また、胴部材1及び底部材2は、いずれも、サイズ剤や添加剤を含まないパルプ層がカップの内側表面に露出するように配置した。
(比較例)
坪量200g/m2のサイズ剤を内添したカップ原紙に低密度ポリエチレン樹脂を溶融押し出しラミネートして、積層シートを製造した。この積層シートを胴部材1及び底部材2の両者に使用しほかは実施例1と同様にカップを製造した。なお、低密度ポリエチレンの厚みは30μmである。また、胴部材1及び底部材2は、いずれも、低密度ポリエチレン樹脂層がカップの内側表面に露出するように配置した。
坪量200g/m2のサイズ剤を内添したカップ原紙に低密度ポリエチレン樹脂を溶融押し出しラミネートして、積層シートを製造した。この積層シートを胴部材1及び底部材2の両者に使用しほかは実施例1と同様にカップを製造した。なお、低密度ポリエチレンの厚みは30μmである。また、胴部材1及び底部材2は、いずれも、低密度ポリエチレン樹脂層がカップの内側表面に露出するように配置した。
(評価)
これら実施例1〜3、比較例のカップを5つの観点から評価した。
これら実施例1〜3、比較例のカップを5つの観点から評価した。
第1の評価項目はカップの成型適性である。カップを成型できた場合を「〇」と評価し、成型できなかった場合を「×」と評価した。
第2の評価項目は食感テストである。すなわち、それぞれのカップに揚げたての唐揚げ100gを入れ、30分放置した後試食して、唐揚げが油っぽいか否かを評価した。油っぽくない場合を「〇」と評価し、油っぽい場合を「×」と評価した。なお、特に油っぽい場合を「××」と評価した。
第3の評価項目は見栄えである。第2の評価項目と同様に揚げたての唐揚げ100gを入れ、30分放置した後、カップの外側表面に油シミが観察できるか否かを評価した。油シミが観察できない場合を「〇」と評価し、油シミが観察された場合を「×」と評価した。また、特に油シミが大きい場合を「××」と評価した。
第4の評価項目は加熱後の食感である。すなわち、まず、第2の評価項目と同様に揚げたての唐揚げ100gを入れ、30分放置した。次に、この唐揚げを収容したままのカップを電子レンジで加熱した。加熱条件は500W、2分である。そして、こうして加熱された唐揚げを試食して、唐揚げが油っぽいか否かを評価した。油っぽくない場合を「〇」と評価し、油っぽい場合を「×」と評価した。また、特に油っぽい場合を「××」と評価した。
第5の評価項目は加熱後の見栄えである。第4の評価項目と同様に放置後に電子レンジで加熱したカップの外側表面に油シミが観察できるか否かを評価した。油シミが観察できない場合を「〇」と評価し、油シミが観察された場合を「×」と評価した。また、特に油シミが大きい場合を「××」と評価した。
この結果を表1に示す。
以上の結果から分かるように、カップの内側表面に低密度ポリエチレン樹脂層が露出している比較例においては、揚げたての唐揚げを収容して放置しておくだけで唐揚げが油っぽくなり、また、油シミが観察された。そして、電子レンジで加熱したときには、この油っぽさや油シミが.甚だしくなるのに対し、カップの内側表面に液体吸収性の紙が露出している場合(実施例1〜3)には、揚げたての唐揚げを収容して放置した場合はもちろん、電子レンジ加熱したときにもその食感が維持され、また、油シミも生じないことが分か
る。
る。
A:カップ
1:筒状胴部
11:内層 11a:サイズ剤や添加剤を配合しないパルプ層 11b:耐油性・耐水性の薬品を内添したパルプ層
12:外層
13:中間層
2:底部
1:筒状胴部
11:内層 11a:サイズ剤や添加剤を配合しないパルプ層 11b:耐油性・耐水性の薬品を内添したパルプ層
12:外層
13:中間層
2:底部
Claims (9)
- 筒状の胴部と、この筒状胴部の一端を閉塞する底部とで構成され、内容物を収容した状態で電子レンジ加熱する電子レンジ用カップにおいて、
前記胴部と底部のうち少なくとも一方の内側表面が液体吸収性を有することを特徴とする電子レンジ用カップ。 - 前記胴部と底部のうち少なくとも一方の内層が無サイズ紙又は低サイズ紙で構成されていることを特徴とする請求項1記載の電子レンジ用カップ。
- 前記胴部と底部の双方が、その層構成中に液体不透過性の層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子レンジ用カップ。
- 前記胴部と底部のうち少なくとも一方の内層がサイズ剤と添加剤のいずれも配合しないパルプ層を有する多層抄きした紙で構成されており、サイズ剤と添加剤のいずれも配合しないパルプ層が前記胴部又は底部の内側表面に露出していることを特徴とする請求項1記載の電子レンジ用カップ。
- 前記多層抄きした紙が液体不透過性のパルプ層を有することを特徴とする請求項4記載の電子レンジ用カップ。
- 液体不透過性の前記パルプ層が耐油性又は耐水性の薬品を配合したパルプ層で構成されていることを特徴とする請求項5記載の電子レンジ用カップ。
- 前記胴部と底部の双方が、その外側表面に熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子レンジ用カップ。
- 前記胴部の内側表面に液体吸収性を有すると共にその外側表面に熱可塑性樹脂層を有し、前記底部の内側表面に熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子レンジ用カップ。
- 前記底部の内側表面に液体吸収性を有すると共にその外側表面に熱可塑性樹脂層を有し、前記胴部の内側表面に熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子レンジ用カップ。
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2019
- 2019-05-23 JP JP2019096609A patent/JP2020189673A/ja active Pending
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