本発明の実施形態について、図1から図10Cを参照して説明する。
なお、本願の明細書及び特許請求の範囲において、「設けられる」とは、直接的に設けられることの他に、別部材を介して間接的に設けられることを含む意である。「左右方向」とは、水平方向の1つであって、プレスブレーキ又は金型収納装置の幅方向のことをいう。「前後方向」とは、プレスブレーキ又は金型収納装置の奥行方向のことをいう。「金型」とは、上部金型及び下部金型を含む意である。図面中、「FF」は前方向、「FR」は後方向、「L」は左方向、「R」は右方向、「U」は上方向、「D」は下方向をそれぞれ指している。
図1から図4に示すように、本発明の実施形態に係る曲げ加工システム10は、自動交換可能な上部金型としてのパンチ金型12及び下部金型としてのダイ金型14を用いて、板状のワーク(板金)Wに対して曲げ加工を行うためのシステムである。ここで、パンチ金型12の幅方向の中央部には、丸穴形状又は長穴形状の係止穴12hが貫通して形成されており、パンチ金型12の基部としてのシャンク部12sには、落下防止用の係止溝12gが形成されている(図4参照)。ダイ金型14の幅方向の中央部には、丸穴形状又は長穴形状の係止穴14hが貫通して形成されている(図4参照)。
曲げ加工システム10は、パンチ金型12とダイ金型14の協働によりワークWに対して曲げ加工を行うプレスブレーキ16を備えている。まず、プレスブレーキ16の構成について具体的に説明する。
プレスブレーキ16は、本体フレーム18を備えており、本体フレーム18は、左右方向に離隔対向した一対のサイドプレート20と、一対のサイドプレート20を連結する複数の連結部材22とを有している。また、本体フレーム18の下部には、左右方向に延びた下部テーブル24が設けられている。本体フレーム18の上部には、左右方向に延びた上部テーブル26が上下方向へ移動可能に設けられている。各サイドプレート20の上部には、上部テーブル26を上下方向へ移動させる上下用の移動アクチュエータとして油圧シリンダ28が設けられている。なお、上部テーブル26を上下方向へ移動可能に構成する代わりに、下部テーブル24を上下方向へ移動可能に構成してもよい。上下用の移動アクチュエータとして油圧シリンダ28の代わりに、サーボモータ(図示省略)を用いてもよい。
上部テーブル26の下端部には、パンチ金型12を着脱可能に保持する複数の上部金型ホルダ30が固定金具(締め金)32を介して左右方向に間隔を置いて設けられている。各上部金型ホルダ30は、例えば、特許文献3に示す公知の構成からなり、ホルダ本体34を有している。各ホルダ本体34の前側には、パンチ金型12のシャンク部12sを後方向側に押圧するフロントクランプ36が揺動可能に設けられている。各フロントクランプ36は、パンチ金型12をクランプ及びアンクアンプ可能である。各フロントクランプ36は、その下端側に、パンチ金型12の落下防止用の係止溝12gに係止可能な爪部36cを有している。また、各ホルダ本体34の後側には、表裏を反転させたパンチ金型12のシャンク部12sを前方向に押圧するリアクランプ38が揺動可能に設けられている。各リアクランプ38は、パンチ金型12をクランプ及びアンクアンプ可能である。各リアクランプ38は、その下端側に、パンチ金型12の落下防止用の係止溝12gに係止可能な爪部38cを有している。
なお、複数のフロントクランプ36のクランプ動作及びアンクランプ動作は、それぞれ同期して行われ、フロントクランプ36がパンチ金型12をアンクランプしても、パンチ金型12は上部金型ホルダ30から落下しない。同様に、複数のリアクランプ38のクランプ動作及びアンクランプ動作は、それぞれ同期して行われ、リアクランプ38がパンチ金型12をアンクランプしても、パンチ金型12は上部金型ホルダ30から落下しない。
下部テーブル24の上側には、ダイ金型14を着脱可能に保持する下部金型ホルダ40が設けられており、下部金型ホルダ40は、左右方向に延びている。下部金型ホルダ40には、例えば、特許文献2及び特許文献3に示す公知の構成からなり、ダイ金型14のシャンク部14sを挿入させるためのホルダ溝40gが左右方向に沿って形成されている。下部金型ホルダ40は、ダイ金型14のシャンク部14sを固定(押圧)するクランプ42を有している。
上部テーブル26の右側部には、左右方向に延びた上部繋ぎブロック44が設けられている。上部繋ぎブロック44には、パンチ金型12のシャンク部12sを挿入させるための繋ぎ溝44gが左右方向に沿って形成されている。上部繋ぎブロック44の繋ぎ溝44gは、複数の上部金型ホルダ30におけるホルダ本体34とフロントクランプ36との間隙に左右方向に沿って直列に配置されている。
下部テーブル24の右側部には、左右方向に延びた下部繋ぎブロック46が設けられている。下部繋ぎブロック46には、ダイ金型14のシャンク部14sを挿入させるための繋ぎ溝46gが左右方向に沿って形成されている。下部繋ぎブロック46の繋ぎ溝46gは、下部金型ホルダ40のホルダ溝40gに接続されている。
上部テーブル26の背面側(後側)には、左右方向に延びた上部支持ビーム48が複数(1つのみ図示)のブラケット50を介して設けられている。上部支持ビーム48は、上部繋ぎブロック44よりも右方向に突出している。また、下部テーブル24の背面側には、左右方向に延びた下部支持ビーム52が複数(1つのみ図示)のブラケット54を介して設けられている。下部支持ビーム52は、下部繋ぎブロック46よりも右方向に突出している。
図2及び図3に示すように、プレスブレーキ16の左右方向の側方(プレスブレーキ16の周辺の一例)には、複数のパンチ金型12及び複数のダイ金型14を収納する金型収納装置56が配設されている。金型収納装置56は、例えば、特許文献1及び特許文献2に示す公知の構成と同様の構成からなる。金型収納装置56の構成について説明すると、次の通りである。
図1及び図2に示すように、金型収納装置56は、プレスブレーキ16の左右方向の側方(右側)に立設された枠状の収納フレーム58を有している。収納フレーム58は、複数の支柱60と、複数の支柱60を連結しかつ左右方向又は前後方向に延びた連結ビーム62とからなる。
収納フレーム58内の上部には、前後方向に延びた一対の上部収納プレート64が左右方向に離隔して設けられている。一対の上部収納プレート64の間には、複数のパンチ金型12を保持する複数(1つのみ図示)の上部ストッカ66が支持されており、複数の上部ストッカ66は、前後方向に沿って配置されている。各上部ストッカ66は、左右方向に延びており、各上部ストッカ66には、複数のパンチ金型12のシャンク部12sを保持するための保持エリア(保持部)66aが左右方向に沿って形成されている。各上部ストッカ66は、パンチ金型12の落下防止用の係止溝12gに係止可能な係止プレート68を有しており、各係止プレート68は、左右方向に延びている。選択した任意の上部ストッカ66は、パンチ金型12の交換を行うための上部交換位置に位置決め可能に構成されている。上部交換位置に位置決めされた上部ストッカ66は、上部支持ビーム48の正面の右端側に設けた一対の上部受け部材70に支持される。
各上部ストッカ66における複数のパンチ金型12の正規の配置位置の両端に対応する位置には、パンチ金型12の左右方向の移動を規制するストッパ72がそれぞれ設けられている。各ストッパ72は、上部交換位置における上部繋ぎブロック44側(上部交換位置の左端側)に位置すると、上方向の移動によって規制状態を解除するように構成されている。
金型収納装置56は、選択した上部ストッカ66を上部交換位置に移動させる上部ストッカ移動機構74を有している。上部ストッカ移動機構74は、上部ストッカ66を上部交換位置に位置決めする直前に、上部ストッカ66の旋回動作によって上部ストッカ66の表裏を反転させることもできる。上部ストッカ移動機構74は、収納フレーム58の上部に前後方向へ移動可能に設けられた上部キャリッジ76を有しており、上部キャリッジ76は、左右方向に延びている。上部ストッカ移動機構74は、上部キャリッジ76に上下方向へ移動可能に設けられかつ上部ストッカ66を上方向から保持する上部ストッカ保持部材78を有している。上部ストッカ保持部材78は、水平方向に延びており、鉛直な軸心周りに旋回可能に構成されている。なお、上部ストッカ移動機構74による上部ストッカ66の移動動作及び旋回動作は公知であるため、それらの説明を省略する。
収納フレーム58内の下部には、前後方向に延びた一対の下部収納プレート80が左右方向に離隔して設けられている。一対の下部収納プレート80の間には、複数のダイ金型14を保持する複数(1つのみ図示)の下部ストッカ82が支持されており、複数の下部ストッカ82は、前後方向に沿って配置されている。各下部ストッカ82は、左右方向に延びており、各下部ストッカ82には、複数のダイ金型14のシャンク部14sを保持するための保持エリア82aが左右方向に沿って形成されている。選択した任意の下部ストッカ82は、ダイ金型14の交換を行うための下部交換位置に位置決め可能に構成されている。下部交換位置に位置決めされた下部ストッカ82は、下部支持ビーム52の正面の右端側に設けた一対の下部受け部材84に支持される。
各下部ストッカ82における複数のダイ金型14の正規の配置位置の両端に対応する位置には、ダイ金型14の左右方向の移動を規制するストッパ86がそれぞれ設けられている。各一対のストッパ86のうち左側のストッパ86は、下部交換位置における下部繋ぎブロック46側(下部交換位置の左端側)に位置すると、下方向の移動によって規制状態を解除するように構成されている。
金型収納装置56は、選択した下部ストッカ82を下部交換位置に移動させる下部ストッカ移動機構88を有している。下部ストッカ移動機構88は、収納フレーム58内の下部に前後方向へ移動可能に設けられた下部キャリッジ90を有している。下部ストッカ移動機構88は、下部キャリッジ90に上下方向へ移動可能に設けられかつ下部ストッカ82を下方向から保持する下部ストッカ保持部材92を有している。なお、下部ストッカ移動機構88による下部ストッカ82の移動動作は公知であるため、その説明を省略する。
図1、図3、及び図4に示すように、上部支持ビーム48の背面(後面)には、左右方向に延びた上部ガイドレール94が設けられている。上部ガイドレール94には、複数の上部金型ホルダ30及び上部交換位置に位置決めされた上部ストッカ66に対してパンチ金型12の交換を行う一対の上部金型交換ユニット96が左右方向へ移動可能に設けられている。換言すれば、一対の上部金型交換ユニット96は、上部テーブル26の背面側に上部支持ビーム48及び上部ガイドレール94を介して左右方向へ移動可能に設けられている。各上部金型交換ユニット96は、複数の上部金型ホルダ30と上部交換位置に位置決めされた上部ストッカ66との間でパンチ金型12を移送する。なお、一対の上部金型交換ユニット96は、第1の上部金型交換ユニット96と第2の上部金型交換ユニット96とからなる。
各上部金型交換ユニット96は、特許文献2に示す公知の構成と同様の構成からなる。各上部金型交換ユニット96は、上部ガイドレール94に左右方向へ移動可能に設けられた上部ユニット本体98と、上部ユニット本体98に前後方向へ移動可能に設けられた上部サポート部材100とを有している。各上部サポート部材100は、各上部ユニット本体98の適宜位置に設けられた前後用の移動アクチュエータとしてのエアシリンダ102の駆動により各上部ユニット本体98に対して前後方向へ移動する。なお、上部サポート部材100を上部ユニット本体98に対して上下方向へ移動可能に構成してもよい。
各上部金型交換ユニット96は、各上部サポート部材100に前後方向へ移動可能に設けられかつパンチ金型12を保持する上部金型保持部材104を有している。各上部金型保持部材104の先端側は、丸棒状又はフック状に形成されており、各上部金型保持部材104は、パンチ金型12の係止穴12hに係脱可能である。各上部金型保持部材104は、各上部サポート部材100の適宜位置に設けられた他の前後用の移動アクチュエータとしてのエアシリンダ106の駆動により各上部サポート部材100に対して前後方向へ移動する。
各上部ユニット本体98の適宜位置には、各上部金型交換ユニット96を左右方向へ移動させる左右用の移動アクチュエータとしてのサーボモータ108が設けられている。また、各サーボモータ108は、各上部金型交換ユニット96(各上部金型保持部材104)の左右方向の位置を検出する位置検出器としてのエンコーダ110を有している。なお、各サーボモータ108は、第1のサーボモータ108と第2のサーボモータ108とからなり、各エンコーダ110は、第1のエンコーダ110と第2のエンコーダ110とからなる。
下部支持ビーム52の背面には、左右方向に延びた下部ガイドレール112が設けられている。下部ガイドレール112には、複数の下部金型ホルダ40及び下部交換位置に位置決めされた下部ストッカ82に対してダイ金型14の交換を行う一対の下部金型交換ユニット114が左右方向へ移動可能に設けられている。換言すれば、各下部金型交換ユニッ114は、下部テーブル24の背面側に下部支持ビーム52及び下部ガイドレール112を介して左右方向へ移動可能に設けられている。各下部金型交換ユニット114は、下部金型ホルダ40と下部交換位置に位置決めされた下部ストッカ82との間でダイ金型14を移送する。なお、一対の下部金型交換ユニット114は、第1の下部金型交換ユニット114と第2の下部金型交換ユニット114とからなる。
各下部金型交換ユニット114は、特許文献1に示す公知の構成と同様の構成からなる。各下部金型交換ユニット114は、下部ガイドレール112に左右方向へ移動可能に設けられた下部ユニット本体116と、下部ユニット本体116に前後方向及び上下方向へ移動可能に設けられた下部サポート部材118とを有している。各下部サポート部材118は、各下部ユニット本体116の適宜位置に設けられた前後用の移動アクチュエータとしてのエアシリンダ120の駆動により各下部ユニット本体116に対して前後方向へ移動する。各下部サポート部材118は、各下部ユニット本体116の適宜位置に設けられた上下用の移動アクチュエータとしてのエアシリンダ122の駆動により各下部ユニット本体116に対して上下方向へ移動する。
各下部金型交換ユニット114は、各下部サポート部材118に前後方向へ移動可能に設けられかつダイ金型14を保持する下部金型保持部材124を有している。各下部金型保持部材124の先端側は、丸棒状又はフック状に形成されており、各下部金型保持部材124は、ダイ金型14の係止穴14hに係脱可能である。各下部金型保持部材124は、各下部サポート部材118の適宜位置に設けられた他の前後用の移動アクチュエータとしてのエアシリンダ126の駆動により各下部サポート部材118に対して前後方向へ移動する。
各下部ユニット本体116の適宜位置には、各下部金型交換ユニット114を左右方向へ移動させる左右用の移動アクチュエータとしてのサーボモータ128が設けられている。また、各サーボモータ128は、各下部金型交換ユニット114(各下部金型保持部材124)の左右方向の位置を検出する位置検出器としてのエンコーダ130を有している。なお、各サーボモータ128は、第1のサーボモータ128と第2のサーボモータ128とからなり、各エンコーダ130は、第1のエンコーダ130と第2のエンコーダ130とからなる。
図5示すように、曲げ加工システム10は、加工プログラムに基づいて油圧シリンダ28等を制御しかつ金型交換プログラムに基づいて上部金型交換ユニット96等を制御する制御装置(NC装置)132を備えている。制御装置132は、コンピュータによって構成されており、制御装置132には、エンコーダ等が接続されている。制御装置132は、加工プログラム及び金型交換プログラム等を記憶するメモリ(図示省略)と、加工プログラム及び金型交換プログラムを実行するCPU(図示省略)とを有している。
図5及び図6Aに示すように、制御装置132は、上部交換位置に位置決めされた上部ストッカ66の保持エリア66a内の片側部分(左側部分)にのみ空きスペースESがある場合には(図6A(a)参照)、その上部ストッカ66におけるパンチ金型12の位置ずれの補正動作を以下のように実行する。なお、その上部ストッカ66の保持エリア66a内の片側部分に空きスペースがあるか否かについては、制御装置132が金型交換プログラムに含まれる上部ストッカ66におけるパンチ金型12の配置情報等に基づいて判断する。
図3、図5、図6B、及び図6Cに示すように、制御装置132は、第1のエンコーダ110からの検出結果を取得しながら、第1の上部金型交換ユニット96が空きスペースESの近傍に位置するように、第1のサーボモータ108を制御する(図6B(a)(b)参照)。続いて、制御装置132は、第1の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104が上部ユニット本体98に対して前方向へ移動して左側のパンチ金型12(プレスブレーキ16側のパンチ金型12)の側面に対向するように、第1の上部金型交換ユニット96を制御する。更に、制御装置132は、第1の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104を左側のパンチ金型12の側面に接触させるように、第1のサーボモータ108を制御する。そして、制御装置132は、その接触状態の下で、右側のパンチ金型12(プレスブレーキ16側の反対側のパンチ金型12)の側面がストッパ72に当接するまで、第1の上部金型交換ユニット96が右方向へ移動するように、第1のサーボモータ108を制御する(図6C(a)(b)参照)。
図5及び図7Aに示すように、制御装置132は、上部交換位置に位置決めされた上部ストッカ66の保持エリア66a内の両側部分(右側部分と左側部分)に空きスペースESがある場合には(図7A(a)参照)、その上部ストッカ66の保持エリア66a内におけるパンチ金型12の位置ずれの補正動作を以下のように実行する。なお、その上部ストッカ66の保持エリア66a内の両側部分に空きスペースがあるか否かについては、制御装置132が金型交換プログラムに含まれる上部ストッカ66におけるパンチ金型12の配置情報等に基づいて判断する。
図3、図5、及び図7Bに示すように、制御装置132は、第1のエンコーダ110からの検出結果を取得しながら、第1の上部金型交換ユニット96が右側の空きスペースESの近傍に位置するように、第1のサーボモータ108を制御する。続いて、制御装置132は、第1の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104が上部ユニット本体98に対して前方向へ移動して右側のパンチ金型12(プレスブレーキ16側の反対側のパンチ金型12)の右側面(一側面)に対向するように、第1の上部金型交換ユニット96を制御する。また、制御装置132は、第2のエンコーダ110からの検出結果を取得しながら、第2の上部金型交換ユニット96が左側の空きスペースESの近傍に位置するように、第2のサーボモータ108を制御する。続いて、制御装置132は、第2の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104が上部ユニット本体98に対して前方向へ移動して左側のパンチ金型12(プレスブレーキ16側のパンチ金型12)の左側面(他側面)に対向するように、第2の上部金型交換ユニット96を制御する(図7B(a)(b)参照)。
その後、図3、図5及び図7Cに示すように、制御装置132は、第1の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104を右側のパンチ金型12の右側面に接触させるように、第1のサーボモータ108を制御する。そして、制御装置132は、その接触状態の下で、第1のエンコーダ110からの検出結果を取得しながら、第1の上部金型交換ユニット96が上部ストッカ66における複数のパンチ金型12の正規の配置位置の一端に対応した位置に達するまで左方向(左右方向の一方側)へ移動するように、第1のサーボモータ108を制御する(図7C(a)(b)参照)。
併せて、制御装置132は、第2の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104を左側のパンチ金型12の左側面に接触させるように、第2のサーボモータ108を制御する。そして、制御装置132は、その接触状態の下で、第2のエンコーダ110からの検出結果を取得しながら、第2の上部金型交換ユニット96が上部ストッカ66における複数のパンチ金型12の正規の配置位置の他端に対応した位置に達するまで右方向(左右方向の他方側)へ移動するように、第2のサーボモータ108を制御する(図7C(a)(b)参照)。
なお、制御装置132は、上部交換位置に位置決めされた上部ストッカ66からパンチ金型12を移送する直前に、上部ストッカ66におけるパンチ金型12の位置ずれの補正動作を実行する。また、上部交換位置に位置決めされた上部ストッカ66に保持されたパンチ金型12が1つであっても、制御装置132は、上部ストッカ66におけるパンチ金型12の位置ずれの補正動作を実行する。
制御装置132は、下部交換位置に位置決めされた下部ストッカ82の保持エリア82a内の片側部分又は両側部分に空きスペースESがある場合においても、前述と同様に、各下部金型交換ユニット114及び各サーボモータ128を制御する。
図5及び図8Aに示すように、制御装置132は、上部金型ホルダ30に保持されたパンチ金型12の位置ずれが生じた場合、又はその位置ずれが生じたと推定された場合には、上部金型ホルダ30におけるパンチ金型12の位置ずれの補正動作を以下のように実行する。
ここで、パンチ金型12の位置ずれが生じた場合には、その位置ずれを発見した作業者のスイッチ操作によって補正動作の開始指令が制御装置132に入力された場合、又はカメラ等の視覚センサによってその位置ずれが検出された場合が含まれる。
パンチ金型12の位置ずれが生じたと推定された場合には、パンチ金型12を用いた曲げ加工の回数(上部テーブル26の下降回数)が設定回数に達した場合が含まれる。この場合、設定回数に達したことが報知され、作業者のスイッチ操作によって補正動作の開始指令が制御装置132に入力されるようにしてもよい。また、その位置ずれが生じたと推定された場合には、上部金型保持部材104によるパンチ金型12の保持動作のリトライの失敗回数が所定回数に達した場合を含む。上部金型保持部材104によるパンチ金型12の保持動作が失敗したことは、その保持動作の際にエアシリンダ102又は106がストローク端に達していないことによって検出される。
図1、図5、及び図8Bに示すように、制御装置132は、第1のエンコーダ110からの検出結果を取得しながら、第1の上部金型交換ユニット96が右側のパンチ金型12(金型収納装置56側のパンチ金型12)の右側面のパンチ金型12の近傍に位置するように、第1のサーボモータ108を制御する。続いて、制御装置132は、第1の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104が上部ユニット本体98に対して前方向へ移動して右側のパンチ金型12の右側面に対向するように、第1の上部金型交換ユニット96を制御する。また、制御装置132は、第2のエンコーダ110からの検出結果を取得しながら、第2の上部金型交換ユニット96が左側のパンチ金型12(金型収納装置56側の反対側のパンチ金型12)の左側面の近傍に位置するように、第2のサーボモータ108を制御する。制御装置132は、第2の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104が上部ユニット本体98に対して前方向へ移動して左側のパンチ金型12の左側面に対向するように、第2の上部金型交換ユニット96を制御する(図8B(a)参照)。
その後、制御装置132は、第1の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104を右側のパンチ金型12の右側面に接触させるように、第1のサーボモータ108を制御する。そして、制御装置132は、その接触状態の下で、第1のエンコーダ110からの検出結果を取得しながら、第1の上部金型交換ユニット96が上部金型ホルダ30における複数のパンチ金型12の正規の配置位置の一端に対応した位置に達するまで左方向へ移動するように、第1のサーボモータ108を制御する。併せて、制御装置132は、第2の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104を左側のパンチ金型12の左側面に接触させるように、第2のサーボモータ108を制御する。そして、制御装置132は、その接触状態の下で、第2のエンコーダ110からの検出結果を取得しながら、第2の上部金型交換ユニット96が上部金型ホルダ30における複数のパンチ金型12の正規の配置位置の他端に対応した位置に達するまで右方向へ移動するように、第2のサーボモータ108を制御する(図8B(b)参照)。
図5及び図9Aに示すように、制御装置132は、上部金型ホルダ30に左右方向に間隔を置いて保持された複数組のパンチ金型12の位置ずれが生じた場合、又はその位置ずれが生じたと推定された場合に、上部金型ホルダ30におけるパンチ金型12の位置ずれの補正動作を以下のように実行する。また、この補正動作は、複数組のパンチ金型12の間に上部金型保持部材104を挿入できることを条件とする。なお、複数組のパンチ金型12の間に上部金型保持部材104を挿入できるか否かについては、制御装置132が金型交換プログラムに含まれる上部金型ホルダ30における複数組のパンチ金型12の配置情報等基づいて判断する。
図1、図5、及び図9Bに示すように、制御装置132は、第1の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104をいずれかの組の右側のパンチ金型12の右側面に接触させるように、第1のサーボモータ108及び第1の上部金型交換ユニット96を制御する。そして、制御装置132は、その接触状態の下で、第1の上部金型交換ユニット96が上部金型ホルダ30におけるいずれかの組の複数のパンチ金型12の正規の配置位置の一端に対応した位置に達するまで左方向へ移動するように、第1のサーボモータ108を制御する。併せて、制御装置132は、第2の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104をいずれかの組の左側のパンチ金型12の左側面に接触させるように、第2のサーボモータ108及び第2の上部金型交換ユニット96を制御する。そして、制御装置132は、その接触状態の下で、第2の上部金型交換ユニット96が上部金型ホルダ30におけるいずれかの組の複数のパンチ金型12の正規の配置位置の他端に対応した位置に達するまで右方向へ移動するように、第2のサーボモータ108を制御する(図9B(a)(b)参照)。
その後、図1、図5、及び図9Cに示すように、制御装置132は、第1の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104を残りの組の右側のパンチ金型12の右側面に接触させるように、第1のサーボモータ108及び第1の上部金型交換ユニット96を制御する。そして、制御装置132は、その接触状態の下で、第1の上部金型交換ユニット96が上部金型ホルダ30における残りの組の複数のパンチ金型12の正規の配置位置の一端に対応した位置に達するまで左方向へ移動するように、第1のサーボモータ108を制御する。併せて、制御装置132は、第2の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104を残りの組の左側のパンチ金型12の左側面に接触させるように、第2のサーボモータ108及び第2の上部金型交換ユニット96を制御する。そして、制御装置132は、その接触状態の下で、第2の上部金型交換ユニット96が上部金型ホルダ30における残りの組の複数のパンチ金型12の正規の配置位置の他端に対応した位置に達するまで右方向へ移動するように、第2のサーボモータ108を制御する(図9C(a)(b)参照)。
図5及び図10Aに示すように、制御装置132は、上部金型ホルダ30に左右方向に間隔を置いて保持された複数組のパンチ金型12の位置ずれが生じた場合、又はその位置ずれが生じたと推定された場合に、上部金型ホルダ30におけるパンチ金型12の位置ずれの補正動作を以下のように実行する。また、この補正動作は、複数組のパンチ金型12の間に上部金型保持部材104を挿入できないことを条件とする。
図1、図5、及び図10Bに示すように、制御装置132は、第1の上部金型交換ユニット96が右側のパンチ金型12(金型収納装置56側のパンチ金型12)の右側面に対向するように、第1のサーボモータ108及び第1の上部金型交換ユニット96を制御する。また、制御装置132は、第2の上部金型交換ユニット96が左側のパンチ金型12(金型収納装置56側の反対側のパンチ金型12)の左側面に対向するように、第2のサーボモータ108及び第2の上部金型交換ユニット96を制御する(図10B(a)参照)。
続いて、制御装置132は、第1の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104を右側のパンチ金型12の右側面に接触させるように、第1のサーボモータ108を制御する。そして、制御装置132は、その接触状態の下で、第1の上部金型交換ユニット96が上部金型ホルダ30における複数組のパンチ金型12の仮の配置位置(仮の基準位置)の一端に対応した位置に達するまで左方向へ移動するように、第1のサーボモータ108を制御する。併せて、制御装置132は、第2の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104を左側のパンチ金型12の左側面に接触させるように、第2のサーボモータ108を制御する。そして、制御装置132は、その接触状態の下で、第2の上部金型交換ユニット96が上部金型ホルダ30における複数組のパンチ金型12の仮の配置位置の他端に対応した位置に達するまで右方向へ移動するように、第2のサーボモータ108を制御する(図10B(b)参照)。
その後、図1、図5、及び図10Cに示すように、制御装置132は、上部金型保持部材104をいずれかのパンチ金型12の係止穴12hに係止させるように、上部金型交換ユニット96及びサーボモータ108を制御する。そして、制御装置132は、その係止状態の下で、上部金型交換ユニット96が上部金型ホルダ30におけるいずれかのパンチ金型12の正規の配置位置と複数のパンチ金型12の仮の配置位置との差分に応じた量だけ左右方向へ移動するように、上部金型交換ユニット96及びサーボモータ108を制御する(図10C(a)参照)。同様に、上部金型保持部材104を残りのパンチ金型12の係止穴12hに係止させるように、上部金型交換ユニット96及びサーボモータ108を制御する。そして、制御装置132は、その係止状態の下で、上部金型交換ユニット96が上部金型ホルダ30における残りのパンチ金型12の正規の配置位置と複数のパンチ金型12の仮の配置位置との差分に応じた量だけ左右方向へ移動するように、上部金型交換ユニット96及びサーボモータ108を制御する(図10C(b)参照)。
なお、制御装置132は、上部金型ホルダ30におけるパンチ金型12の位置ずれの補正動作を実行する前に、複数のフロントクランプ36又は複数のリアクランプ38のアンクランプ動作を実行する。制御装置132は、上部金型ホルダ30におけるパンチ金型12の位置ずれの補正動作の終了後に、複数のフロントクランプ36又は複数のリアクランプ38のクランプ動作を実行する。また、上部金型ホルダ30に保持されたパンチ金型12が1つであっても、制御装置132は、上部金型ホルダ30におけるパンチ金型12の位置ずれの補正動作を実行する。
制御装置132は、下部金型ホルダ40に保持された複数組のダイ金型14の位置ずれが生じた場合、又はその位置ずれが生じたと推定された場合においても、前述と同様に、各下部金型交換ユニット114及び各サーボモータ128を制御する。
続いて、曲げ加工システム10による金型12(14)の自動交換に関する動作について説明する。
上部金型ホルダ30から上部交換位置に位置決めされた上部ストッカ66にパンチ金型12を移送する場合には、制御装置132は、サーボモータ108を制御して上部金型交換ユニット96を左右方向へ移動させて、上部金型保持部材104を上部金型ホルダ30に装着されたパンチ金型12の係止穴12hに対向させる。次に、制御装置132は、上部金型保持部材104をパンチ金型12の係止穴12hに係合させながら、上部金型保持部材104にパンチ金型12を保持させる。そして、制御装置132は、サーボモータ108を制御して上部金型交換ユニット96を右方向へ移動させて、パンチ金型12を右方向へ移送して上部金型ホルダ30から離脱させる。更に、制御装置132は、サーボモータ108を制御して上部金型交換ユニット96を右方向へ移動させて、パンチ金型12を右方向へ移送して上部ストッカ66に装着する。その後、制御装置132は、上部金型保持部材104をパンチ金型12の係止穴12hから離脱させて、上部金型保持部材104によるパンチ金型12の保持状態を解除する。
なお、パンチ金型12を上部金型ホルダ30から離脱させた後に、上部金型交換ユニット96によってパンチ金型12を上部テーブル26の背面側(後方)に移動させてもよい。
上部交換位置に位置決めされた上部ストッカ66から上部金型ホルダ30にパンチ金型12を移送する場合には、前述の動作を反対の動作を行う。これにより、上部金型ホルダ30に装着されたパンチ金型12と上部ストッカ66に装着されたパンチ金型12の自動交換を行うことができる。
下部金型ホルダ40と下部交換位置に位置決めされた下部ストッカ82との間でダイ金型14を移送する場合も、前述と同様の動作を行う。これにより、下部金型ホルダ40に装着されたダイ金型14と下部ストッカ82に装着されたダイ金型14の自動交換を行うことができる。
なお、ダイ金型14を下部金型ホルダ40又は下部ストッカ82に対して着脱する際に、下部金型交換ユニット114によってダイ金型14を上下方向へ移動させてもよい。
続いて、実施形態に係る金型位置ずれ補正方法の内容を含めて、実施形態の作用効果について説明する。本発明の実施形態に係る金型位置ずれ補正方法は、交換位置に位置決めされたストッカ66(82)又は金型ホルダにおいて金型12(14)の位置ずれを補正する方法である。
図5及び図6Aに示すように、上部交換位置に位置決めされた上部ストッカ66の保持エリア66a内の片側部分にのみ空きスペースESがある場合には(図6A(a)参照)、制御装置132が第1の上部金型交換ユニット96及び第1のサーボモータ108を制御することにより、次のような補正動作を実行する。
図3、図5、図6B、及び図6Cに示すように、第1の上部金型交換ユニット96が左右方向へ移動して、空きスペースESの近傍に位置する。続いて、第1の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104が上部ユニット本体98に対して前方向へ移動して、左側のパンチ金型12の側面に対向する。更に、第1の上部金型交換ユニット96が右方向へ移動することにより、第1の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104を左側のパンチ金型12の側面に接触させる。そして、その接触状態の下で、右側のパンチ金型12の側面がストッパ72に当接するまで、第1の上部金型交換ユニット96が右方向へ移動する。これにより、複数のパンチ金型12を上部ストッカ66における正規の配置位置に位置決めすることができる。換言すれば、上部交換位置に位置決めされた上部ストッカ66において複数のパンチ金型12の位置ずれが生じても、その位置ずれを補正することができる。
図5及び図7Aに示すように、上部交換位置に位置決めされた上部ストッカ66の保持エリア66a内の両側部分に空きスペースESがある場合には(図7A(a)参照)、制御装置132が各上部金型交換ユニット96及び各サーボモータ108を制御することにより、次のような補正動作を実行する。
図3、図5、図7B、及び図7Cに示すように、第1の上部金型交換ユニット96が右方向へ移動して、右側の空きスペースESの近傍に位置する共に、第2の上部金型交換ユニット96が左方向へ移動して、左側の空きスペースESの近傍に位置する(図7B(a)(b)参照)。続いて、第1の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104が前方向へ移動して、右側のパンチ金型12の右側面に対向する。第2の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104が前方向へ移動して、プレスブレーキ16側(右側)のパンチ金型12の他側面に対向する。
その後、第1の上部金型交換ユニット96が左方向へ移動することにより、第1の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104を右側のパンチ金型12の右側面に接触させる。そして、その接触状態の下で、第1の上部金型交換ユニット96が上部ストッカ66における複数のパンチ金型12の正規の配置位置の一端に対応した位置に達するまで左方向へ移動する(図7C(a)(b)参照)。併せて、第2の上部金型交換ユニット96が右方向へ移動することにより、第2の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104を左側のパンチ金型12の左側面に接触させる。そして、その接触状態の下で、第2の上部金型交換ユニット96が上部ストッカ66における複数のパンチ金型12の正規の配置位置の他端に対応した位置に達するまで右方向へ移動する(図7C(a)(b)参照)。これにより、複数のパンチ金型12を上部ストッカ66における正規の配置位置に位置決めすることができる。換言すれば、上部交換位置に位置決めされた上部ストッカ66において複数のパンチ金型12の位置ずれが生じても、その位置ずれを補正することができる。
下部交換位置に位置決めされた下部ストッカ82の保持エリア82a内の片側部分又は両側部分に空きスペースがある場合においても、制御装置132が各下部型交換ユニット114及び各サーボモータ128を制御して、前述と同様に、補正動作を実行する。これにより、下部交換位置に位置決めされた下部ストッカ82において複数のダイ金型14の位置ずれが生じても、その位置ずれを補正することができる。
図5及び図8Aに示すように、制御装置132は、上部金型ホルダ30に保持されたパンチ金型12の位置ずれが生じた場合、又はその位置ずれが生じたと推定された場合には、制御装置132が各上部金型交換ユニット96及び各サーボモータ108を制御することにより、次のような補正動作を実行する。
図5及び図8Bに示すように、第1の上部金型交換ユニット96が左右方向へ移動して、右側のパンチ金型12の右側面のパンチ金型12の近傍に位置する。続いて、第1の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104が上部ユニット本体98に対して前方向へ移動して右側のパンチ金型12の右側面に対向する。また、第2の上部金型交換ユニット96が左右方向へ移動して、左側のパンチ金型12の左側面の近傍に位置する。続いて、第2の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104が上部ユニット本体98に対して前方向へ移動して左側のパンチ金型12の左側面に対向する(図8B(a)参照)。
その後、第1の上部金型交換ユニット96が左方向へ移動することにより、第1の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104を右側のパンチ金型12の右側面に接触させる。そして、その接触状態の下で、第1の上部金型交換ユニット96が上部金型ホルダ30における複数のパンチ金型12の正規の配置位置の一端に対応した位置に達するまで左方向へ移動する。併せて、第2の上部金型交換ユニット96が右方向へ移動することにより、第2の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104を左側のパンチ金型12の左側面に接触させる。そして、その接触状態の下で、第2の上部金型交換ユニット96が上部金型ホルダ30における複数のパンチ金型12の正規の配置位置の他端に対応した位置に達するまで右方向へ移動する(図8B(b)参照)。これにより、複数のパンチ金型12を上部金型ホルダ30における正規の配置位置に位置決めすることができる。換言すれば、上部金型ホルダ30において複数のパンチ金型12の位置ずれが生じても、その位置ずれを補正することができる。
図5及び図9Aに示すように、制御装置132は、上部金型ホルダ30に左右方向に間隔を置いて保持された複数組のパンチ金型12の位置ずれが生じた場合、又はその位置ずれが生じたと推定された場合には、制御装置132が各上部金型交換ユニット96及び各サーボモータ108を制御することにより、次のように補正動作を実行する。この補正動作は、複数組のパンチ金型12の間に上部金型保持部材104を挿入できることを条件とする。
図5及び図9Bに示すように、第1の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104をいずれかの組の右側のパンチ金型12の右側面に接触させる。そして、その接触状態の下で、第1の上部金型交換ユニット96が上部金型ホルダ30におけるいずれかの組の複数のパンチ金型12の正規の配置位置の一端に対応した位置に達するまで左方向へ移動する。併せて、第2の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104をいずれかの組の左側のパンチ金型12の左側面に接触させる。そして、その接触状態の下で、第2の上部金型交換ユニット96が上部金型ホルダ30におけるいずれかの組の複数のパンチ金型12の正規の配置位置の他端に対応した位置に達するまで右方向へ移動する(図9B(a)(b)参照)。これにより、いずれかの組の複数のパンチ金型12を上部金型ホルダ30における正規の配置位置に位置決めすることができる。
その後、図5及び図9Cに示すように、第1の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104を残りの組の右側のパンチ金型12の右側面に接触させる。そして、その接触状態の下で、第1の上部金型交換ユニット96が上部金型ホルダ30における残りの組の複数のパンチ金型12の正規の配置位置の一端に対応した位置に達するまで左方向へ移動する。併せて、第2の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104を残りの組の左側のパンチ金型12の左側面に接触させる。そして、その接触状態の下で、第2の上部金型交換ユニット96が上部金型ホルダ30における残りの組の複数のパンチ金型12の正規の配置位置の他端に対応した位置に達するまで右方向へ移動する(図9C(a)(b)参照)。これにより、残りの組の複数のパンチ金型12を上部金型ホルダ30における正規の配置位置に位置決めすることができる。換言すれば、上部金型ホルダ30において複数組のパンチ金型12の位置ずれが生じても、その位置ずれを補正することができる。
図5及び図10Aに示すように、制御装置132は、上部金型ホルダ30に左右方向に間隔を置いて保持された複数組のパンチ金型12の位置ずれが生じた場合、又はその位置ずれが生じたと推定された場合に、上部金型ホルダ30におけるパンチ金型12の位置ずれの補正動作を以下のように実行する。また、この補正動作は、複数組のパンチ金型12の間に上部金型保持部材104を挿入できないことを条件とする。
図5及び図10Bに示すように、第1の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104を右側のパンチ金型12の右側面に接触させる。そして、その接触状態の下で、第1の上部金型交換ユニット96が上部金型ホルダ30における複数組のパンチ金型12の仮の配置位置(仮の基準位置)の一端に対応した位置に達するまで左方向へ移動する。併せて、第2の上部金型交換ユニット96の上部金型保持部材104を左側のパンチ金型12の左側面に接触させる。そして、その接触状態の下で、第2の上部金型交換ユニット96が上部金型ホルダ30における複数組のパンチ金型12の仮の配置位置の他端に対応した位置に達するまで右方向へ移動する(図10B(a)(b)参照)。
その後、図5及び図10Cに示すように、上部金型保持部材104をいずれかのパンチ金型12の係止穴12hに係止させる。そして、その係止状態の下で、上部金型交換ユニット96が上部金型ホルダ30におけるいずれかのパンチ金型12の正規の配置位置と複数のパンチ金型12の仮の配置位置との差分に応じた量だけ左右方向へ移動する(図10C(a)参照)。これにより、いずれかの組の複数のパンチ金型12を上部金型ホルダ30における正規の配置位置に位置決めすることができる。
同様に、上部金型保持部材104を残りのパンチ金型12の係止穴12hに係止させる。そして、その係止状態の下で、上部金型交換ユニット96が上部金型ホルダ30における残りのパンチ金型12の正規の配置位置と複数のパンチ金型12の仮の配置位置との差分に応じた量だけ左右方向へ移動する(図10C(b)参照)。これにより、残りの組の複数のパンチ金型12を上部金型ホルダ30における正規の配置位置に位置決めすることができる。換言すれば、上部金型ホルダ30において複数組のパンチ金型12の位置ずれが生じても、その位置ずれを補正することができる。
下部金型ホルダ40に保持された複数組のダイ金型14の位置ずれが生じた場合、又はその位置ずれが生じたと推定された場合においても、制御装置132が各下部型交換ユニット114及び各サーボモータ128を制御して、前述と同様に補正動作を実行する。これにより、下部金型ホルダ40において複数のダイ金型14の位置ずれが生じても、その位置ずれを補正することができる。
従って、実施形態によれば、曲げ加工システム10によってパンチ金型12の自動交換及びダイ金型14の自動交換に関する動作を安定的に行うことができる。
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限るものでなく、例えば、次のように種々の態様で実施可能である。
金型交換ユニット96(114)をテーブル26(24)の背面側に左右方向へ移動可能に設ける代わりに、テーブル26(24)の正面側に左右方向へ移動可能に設けてもよい。金型収納装置56の配設箇所は、プレスブレーキ16の周辺であれば、プレスブレーキ16の左右方向の側方以外でもよい。
そして、本発明に包含される権利範囲は、前述の実施形態に限定されるものでない。
第2実施態様に係る曲げ加工システムは、プレスブレーキの周辺に配設され、複数の金型を保持するための保持エリアが左右方向に沿って形成された複数のストッカを有し、選択した任意のストッカが金型の交換を行うための交換位置に位置決め可能に構成され、複数の金型を収納する金型収納装置と、前記プレスブレーキのテーブルの背面側又は正面側に左右方向へ移動可能に設けられ、金型の係止穴に係脱可能であってかつ金型を保持する金型保持部材を有し、前記プレスブレーキの金型ホルダ及び前記交換位置に位置決めされた前記ストッカに対して金型の交換を行う一対の金型交換ユニットと、各金型交換ユニットを左右方向へ移動させる移動アクチュエータと、を備える。そして、第2実施態様に係る曲げ加工システムは、前記交換位置に位置決めされた前記ストッカの前記保持エリア内の両側部分に空きスペースがある場合に、第1の金型交換ユニットの前記金型保持部材が金型の一側面に対向した後に、前記第1の金型交換ユニットの前記金型保持部材を金型の一側面に接触させた状態で、前記第1の金型交換ユニットが前記金型ストッカにおける金型の正規の配置位置の一端に対応した位置に達するまで左右方向の一方側へ移動し、かつ第2の金型交換ユニットの前記金型保持部材が金型の他側面に対向した後に、前記第2の金型交換ユニットの前記金型保持部材を金型の他側面に接触させた状態で、前記第2の金型交換ユニットが前記金型ストッカにおける金型の正規の配置位置の他端に対応した位置に達するまで左右方向の他方側へ移動するように、各金型交換ユニット及び各移動アクチュエータを制御する制御装置を備える。
第3実施態様に係る曲げ加工システムは、プレスブレーキの周辺に配設され、複数の金型を保持するための保持エリアが左右方向に沿って形成された複数のストッカを有し、選択した任意のストッカが金型の交換を行うための交換位置に位置決め可能に構成され、複数の金型を収納する金型収納装置と、前記プレスブレーキのテーブルの背面側又は正面側に左右方向へ移動可能に設けられ、金型の係止穴に係脱可能であってかつ金型を保持する金型保持部材を有し、前記プレスブレーキの金型ホルダ及び前記交換位置に位置決めされた前記ストッカに対して金型の交換を行う一対の金型交換ユニットと、各金型交換ユニットを左右方向へ移動させる移動アクチュエータと、を備える。そして、第3実施態様に係る曲げ加工システムは、前記金型ホルダに保持された金型の位置ずれが生じた場合、又はその位置ずれが生じたと推定された場合に、第1の金型交換ユニットの前記金型保持部材が金型の一側面に対向した後に、前記第1の金型交換ユニットの前記金型保持部材を金型の一側面に接触させた状態で、前記第1の金型交換ユニットが前記金型ホルダにおける金型の正規の配置位置の一端に対応した位置に達するまで左右方向の一方側へ移動し、かつ第2の金型交換ユニットの前記金型保持部材が金型の他側面に対向した後に、前記第2の金型交換ユニットの前記金型保持部材を金型の他側面に接触させた状態で、前記第2の金型交換ユニットが前記金型ホルダにおける金型の正規の配置位置の他端に対応した位置に達するまで左右方向の他方側へ移動するように、各金型交換ユニット及び各移動アクチュエータを制御する制御装置を備える。
第6実施態様に係る金型位置ずれ補正方法においては、プレスブレーキのテーブルの背面側又は正面側に左右方向へ移動可能に設けられた一対の金型交換ユニットを用い、前記プレスブレーキの周辺に配設された金型収納装置における複数のストッカのうち、金型の交換を行うための交換位置に位置決めされたストッカの保持エリア内の両側部分に空きスペースがある場合に、第1の金型交換ユニットの金型保持部材が金型の一側面に対向した後に、前記第1の金型交換ユニットの前記金型保持部材を金型の一側面に接触させた状態で、前記第1の金型交換ユニットが前記ストッカにおける金型の正規の配置位置の一端に対応した位置に達するまで左右方向の一方側へ移動し、かつ第2の金型交換ユニットの前記金型保持部材が金型の他側面に対向した後に、前記第2の金型交換ユニットの前記金型保持部材を金型の他側面に接触させた状態で、前記第2の金型交換ユニットが前記ストッカにおける金型の正規の配置位置の他端に対応した位置に達するまで左右方向の他方側へ移動する。
第7実施態様に係る金型位置ずれ補正方法においては、プレスブレーキのテーブルの背面側又は正面側に左右方向へ移動可能に設けられた一対の金型交換ユニットを用い、前記プレスブレーキの金型ホルダに保持された金型の位置ずれが生じた場合、又はその位置ずれが生じたと推定された場合に、第1の金型交換ユニットの金型保持部材が金型の一側面に対向した後に、前記第1の金型交換ユニットの前記金型保持部材を金型の一側面に接触させた状態で、前記第1の金型交換ユニットが前記金型ホルダにおける金型の正規の配置位置の一端に対応した位置に達するまで左右方向の一方側へ移動し、かつ第2の金型交換ユニットの前記金型保持部材が金型の他側面に対向した後に、前記第2の金型交換ユニットの前記金型保持部材を金型の他側面に接触させた状態で、前記第2の金型交換ユニットが前記金型ホルダにおける金型の正規の配置位置の他端に対応した位置に達するまで左右方向の他方側へ移動する。