JP2020188905A - マイクロ鉗子 - Google Patents

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英壽 岩本
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Abstract

【課題】剛性および把持力が同時に優れたマイクロ鉗子を提供する。【解決手段】本体胴体部4、細管2、芯材3、および芯材の一方の先端にある口ばし状把持部1を有するマイクロ鉗子であって、細管が、芯材外径に対応した一定の内径を有する細管後端部分と、口ばし状把持部が設置された側の細管先端部分とを有し、細管先端部分の内径が、細管後端部分の内径よりも大きい構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、眼科手術、特に、小切開硝子体手術(MIVS)等において使用する細径管のマイクロ鉗子および剪刀に関する。
MIVSは例えば、黄斑円孔、網膜剥離、黄斑前膜や硝子体出血等の疾患に適用されている。MIVSの進歩に伴い、23ゲージや25ゲージの製品が開発され、さらに最近では自己閉鎖性、感染症低減および術後低眼圧性の高い27ゲージ手技が注目されている。国内では数社が製品を上市しており、単回使用製品も複数メーカーより販売され27ゲージタイプも販売されている。
これらMIVSに使用されるマイクロ鉗子や鑷子について見てみると、先端に開口した口ばし状把持部があり、それを胴体基部より覆っている細管が胴体の板バネ部分を掴み押し込むことにより前方に移動し、結果、先端口ばし状把持部がかみ合う機構である。例えば、特許文献1には、肉眼手術に使用される把持部を指でつまむ行為に連動して作業部の先端が閉じる機構が設けられた把持部と作業部とを有する眼科用手術器具が記載されている。また、特許文献2には、管状部材で構成され、眼科手術の際に眼球内に挿入される挿入部材と、前記挿入部材が軸方向に移動自在となるように当該挿入部材に嵌挿された芯部材と、前記芯部材の先端部に設けられた作業部であって、前記芯部材が嵌挿された前記挿入部材を軸方向に移動することにより開閉駆動される開閉式のばね部材を備え、このばね部材に作業ツールが設けられた作業部とを有する眼科用手術器具が記載されている。この器具においては、術者が指でつまむ行為に連動して作業部の先端が閉じる構造になっている。
実際のMIVSにおいては、例えば、眼球内部の観察用コンタクトレンズを角膜上に乗せ、角膜輪部後方数ミリの位置に穴を3か所開けてトロカールを設置する。それぞれ、灌流ポートおよびライトガイドを挿入し、残りの1つに硝子体カッターやマイクロ鉗子などを出し入れしながら疾患部の治療が進められる。一般に、細管の管径については注射針と同様にゲージ表示が使用されているが、23ゲージで約0.64mm、25ゲージで約0.51mm、27ゲージでは約0.41mmとゲージの値が大きくなると管径は逆に小さくなる。これらのマイクロ鉗子や鑷子は微孔から微細な疾患部位にアクセスし組織を剥がしたり掴んだり、取り出したりするために使用するので、術者は最新の注意を払って手術に当らなければならない。
山下英俊、阿部さち、後藤早紀子:「糖尿病網膜症の予防と新しい治療」学術の動向、P26−32、Vol.15 (2010) No.7
実用新案登録第3101460号 特許第5196645号
現在、広く使用されているマイクロ鉗子は23ゲージや25ゲージが主流であるが、さらなる小切開手術を可能にする27ゲージも上市されている。27ゲージの管径は0.41mm程度であり、25ゲージの0.51mmに比べて0.1mm程度小さい。その結果、27ゲージでは細管がたわみやすくなり操作が困難となる。また、細管内径が小さくなると機構上口ばし部材の幅や厚みも小さくする必要があり、把持力の低下や口ばし部の破損の危険性が高くなる。細管内径が小さい場合には、例えば、比較的厚い組織や硬い組織へのアクセスが難しくなり、患部組織のはがし操作やその把持操作等が比較的難しくなる。自己閉鎖性、感染症低減および術後低眼圧性の観点からも、術者は小ゲージのマイクロ鉗子を大ゲージのマイクロ鉗子と同様に操作し、使用したいが、上述するような問題が残り、術者がさらに高いスキルを要求されるためにその使用の広がりが妨げられている。特に、術式のスキルが乏しい術者にとっては極めて難しい手術となる。
従って、上述したようなマイクロ鉗子の問題点を克服する機能を有し、剛性および把持力の改善された使い勝手の良いマイクロ鉗子および鑷子の開発が望まれていた。
本発明が解決しようとする課題は、MIVS等に使用するマイクロ鉗子であって、特にマイクロ鉗子のたわみが軽減され、また、把持部口ばしの把持力を減少させない、小ゲージマイクロ鉗子使用経験の浅い術者においても極めて使い勝手の良いマイクロ鉗子を提供することである。
本発明者らは上述したようなマイクロ鉗子の問題点について鋭意検討を重ねた結果、通常は一定の内径を有する細管を用いて製造されるマイクロ鉗子において、細管に、芯材外径に対応した一定の内径を有する細管後端部分と、口ばし状把持部が設置された側の細管先端部分とを設け、細管先端部分の内径を、細管後端部分の内径よりも大きくすることによって、既存のマイクロ鉗子が有する剛性および把持力の問題を解消できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、以下の発明が提供される。
<1> 本体胴体部、細管、芯材、および前記芯材の一方の先端にある口ばし状把持部を有するマイクロ鉗子であって、細管が、芯材外径に対応した一定の内径を有する細管後端部分と、口ばし状把持部が設置された側の細管先端部分とを有し、細管先端部分の内径が、細管後端部分の内径よりも大きいことを特徴とするマイクロ鉗子。
<2> 細管後端部分の内径が0.08mm〜0.30mmであり、細管先端部分の内径が0.35mm〜0.43mmであり、細管先端部分の長さが1mm〜8mmである、<1>に記載のマイクロ鉗子。
<3> 細管後端部分の内径が0.08mm〜0.28mmであり、細管先端部分の内径が0.25mm〜0.35mmであり、細管先端部分の長さが1mm〜8mmである、<1>に記載のマイクロ鉗子。
<4> 細管、芯材および口ばし状把持部の材料が、ステンレス系金属材料である、<1>から<3>のいずれか一に記載のマイクロ鉗子。
<5> 口ばし状把持部の材料が、マルテンサイト系ステンレスである、<1>から<4>のいずれか一に記載のマイクロ鉗子。
本発明のマイクロ鉗子は、特に、眼科治療におけるMIVS等の小切開手術において威力を発揮する。前述したように、現在は23ゲージや25ゲージが主流であるが、今後はさらに小径の27ゲージが注目を浴びるようになっていくと考えられる。しかしながら、前述したように、細管(パイプ)の径が小さくなると剛性が低くなりたわみやすくなる。 また、機構上口ばし部の幅や厚みが十分に確保できない場合には、素材のばね性が十分に発揮させることが難しく、その結果、把持力の低下が起こる。さらには、小径の27ゲージの場合には、口ばし部材が薄く、小さくなるために術中の組織等へのアクセス中に曲がったり、また、ちょっとした衝撃によっても曲がったりして破損につながる等々の問題があった。
本発明によれば、剛性および把持力が改良されたマイクロ鉗子が提供される。従って、本発明によれば、上記した種々の問題点を軽減または解消することができる。特に、本発明のマイクロ鉗子を使用する場合には、術者は上述したような問題点に注意を払うことなく患者の疾患治療に集中ができるので、極めて質の高い治療を提供することができる。
図1は、本発明のマイクロ鉗子の第一の形態を示す。作動方式は、押し込み部材を押し込むと口ばしが閉じる順作動方式である。 図2は、本発明のマイクロ鉗子の第二の形態を示す。作動方式は、押し込み部材を押し込むと口ばしが開く逆作動方式である。 図3は、本発明のマイクロ鉗子の細管の内部構造の一例を示す。 図4は、本発明のマイクロ鉗子の細管の内部構造の別の例を示す。 図5は、たわみ率(剛性)の測定方法を示す。 図6は、実施例1から3についてのたわみ測定の結果を示す。 図7は、比較例1から4についてのたわみ測定の結果を示す。
本発明の実施の形態について説明する。
本発明のマイクロ鉗子は、本体胴体部4、細管2、芯材3、および前記芯材3の一方の先端にある口ばし状把持部1を有する。
本発明のマイクロ鉗子の第一の例は、本体胴体部4の表面に設置された押し込み部材9を指で押し込むことにより本体胴体部4の基部より芯材3を覆っている細管2が胴体の反対側へ移動して先端の口ばし状把持部が閉じ、押し込み部材9を押し込んだ指を開放することにより細管2が元の位置に移動して先端の口ばし状把持部1が開くような通常作動をするマイクロ鉗子である(図1)。
本発明のマイクロ鉗子の第二の例は、特開2018-175573に示されているような胴体部の表面に設置された押し込み部材を指で押し込むことにより先端の口ばし状把持部が開くような、通常とは逆の作動様式のマイクロ鉗子である。すなわち、口ばし状把持部1は通常は閉じており、本体胴体部4の表面に設置された押し込み部材9を指で押し込むことにより本体胴体部4の基部より芯材3を覆っている細管2が胴体側へ移動して先端の口ばし状把持部1が開口し、押し込み部材9を押し込んだ指を開放することにより細管2が元の位置に移動して先端の口ばし状把持部1が閉じるように構成されている。
本発明のマイクロ鉗子においては、細管が、芯材外径に対応した一定の内径を有する細管後端部分と、口ばし状把持部が設置された側の細管先端部分とを有し、細管先端部分の内径が、細管後端部分の内径よりも大きいことを特徴とする。上記した第一の例及び第二の例のマイクロ鉗子において、本発明の細管構造(細管が、芯材外径に対応した一定の内径を有する細管後端部分と、口ばし状把持部が設置された側の細管先端部分とを有し、細管先端部分の内径が、細管後端部分の内径よりも大きい)を適用すると、マイクロ鉗子のたわみが軽減されと同時に把持部口ばしの把持力の減少が抑えられ、極めて使い勝手の良いマイクロ鉗子を得ることができる。
本体胴体部4、細管2、芯材3、および口ばし状把持部1の材質は、特に限定されないが、一般的には金属、樹脂等により構成することができる。
より具体的には、本体胴体部4は金属や樹脂単独で、また、金属や樹脂の複合部品からも構成できる。
本発明の細管2は、図3及び図4に示すように、芯材外径に対応した一定の内径を有する細管後端部分と、口ばし状把持部が設置された側の細管先端部分とを有し、細管先端部分の内径が、細管後端部分の内径よりも大きい。すなわち、細管2は、芯材外径に対応した一定の内径を有し、口ばし状把持部1が設置された側の細管先端部分の内径が芯材外径に対応した一定の内径よりも拡張された内径を有している。これにより細管の肉厚が厚くなることにより剛性が高くなり、また、先端部の口ばし部内径が拡張されることにより、口ばし部材の厚さや幅等が内径の制限を受けずに比較的厚く、また、広くデザインすることができるために、把持力の低下が抑えられる。
細管の外径は25ゲージ(0.51mm)以下が好ましく、25ゲージの場合は細管の芯材外径に対応した一定の内径(細管後端部分の内径)は0.08mm〜0.30mmであり、好ましくは0.1mm〜0.28mmである。これより内径を小さくしても剛性アップに与える影響は小さく、また、大きくすると剛性低下に影響する。また、芯材外径に対応した一定の内径よりも拡張された内径(細管先端部分の内径)は0.35mm〜0.43mmで好ましくは0.36mm〜0.42mmである。適切な大きさの把持部材を収納するため、また、大きく拡張した拡張部分の強度低下を抑えるためにもこの範囲が適当である。
細管の外径が27ゲージ(0.41mm)の場合は、細管の芯材外径に対応した一定の内径(細管後端部分の内径)が0.08mm〜0.28mmで、好ましくは0.1mm〜0.25mmである。これより内径を小さくしても剛性アップに与える影響は小さく、また、大きくすると剛性低下に影響する。また、芯材外径に対応した一定の内径よりも拡張された内径(細管先端部分の内径)が0.25mm〜0.35mmで、好ましくは0.27mm〜0.32mmである。適切な大きさの把持部材を収納するため、また、大きく拡張した拡張部分の強度低下を抑えるためにもこの範囲が適当である。
細管先端部分(拡張部分)の寸法長さはゲージ問わずに1mm〜8mmであり、好ましくは2mm〜6mmである。
細管の使用にあたっては組付けた際の芯材の挿入や滑りをよくするためにも(細管作製時に発生している内面のバリ等の除去)事前に内面研磨することが推奨される。
口ばし把持部の素材は特に限定されないが、形状回復性の観点より形状記憶性の良好な素材が好ましい。ステンレス系金属材料を使用する場合、特に、口ばし部材にはマルテンサイト系ステンレスを熱処理等施し、強度および形状記憶性を高めて使用することが好ましい。
また、口ばし状把持部1は用途により様々な形状が存在する。
通常のマイクロ鉗子においては、口ばし状把持部の一部分が細管によって覆われたり、また、解放されたりして口ばし状把持部を開閉させる。
本発明の口ばし状把持部の開閉機構に関しては、様々な機構が考えられるが、例えば、図1に示すように、細管2の移動機構に関しては、円柱状で片面が曲面を有する固定部材7と、円柱状で片面が曲面を有する移動部材10とが、本体胴体部4の内部でそれぞれの曲面を相対するように設置させることができる。そして、固定部材7の中心を口ばし状把持部1と接合した芯部が貫通、固定化され、移動部材中心部では細管が固定化され芯材が貫通している。
図1においては、固定部材と反対側にばねが設置することにより、口ばし状把持部は通常は開いており、胴体部の表面に設置された押し込み部材を指で押し込むことにより胴体部の基部より芯材を覆っている細管が前方へ移動することにより口ばし状把持部が閉じ、押し込み部材を押し込んだ指を開放することにより細管がバネの力により、元の位置に移動して先端の口ばし状把持部が開くようになる。図1は本発明のマイクロ鉗子の機構の一例を示すもので、特に、この機構に限定されるものではない。
図2においては、細管2が口ばし状把持部1の先端部近くまでを覆っている状態では、口ばし状把持部1は閉じた状態となる。細管2が移動して、細管2が口ばし状把持部1を覆う領域が、口ばし状把持部1の先端部から離れるようになると、口ばし状把持部1は開いた状態になる。
図2における、細管2の移動機構に関しては、円柱状で片面が曲面を有する固定部材7と、円柱状で片面が曲面を有する移動部材10とが、胴体部4の内部でそれぞれの曲面を相対するように設置させることができる。そして、固定部材7の中心を、口ばし状把持部1と接合した芯部および細管2が貫通し、固定部材7の、移動部材10と相対する面とは反対側の面側の細管2(即ち、固定部材7の下部の細管2)にはバネ6を設置することができる。バネ6の位置はバネ固定部材5により固定されていることが好ましい。上記のようにバネ6を設置することにより、口ばし状把持部1は通常は閉じており、胴体部4の表面に設置された押し込み部材を指で押し込むことにより胴体部4の基部より芯材3を覆っている細管2が胴体側へ移動して先端の口ばし状把持部1が開口し、押し込み部材を押し込んだ指を開放することにより細管2が、バネ6の力により、元の位置に移動して先端の口ばし状把持部1が閉じるようになる。
本発明においては好ましくは、芯材3の他方の他端は移動部材10の中心を貫通し、その先の胴体内部で固定されており、細管2は移動部材10に固定されており、移動部材10が移動することにより細管2が移動するように構成されている。上記のように構成することにより、移動部材10を移動させた際に、芯材3は移動することなく細管2が移動するようになり、これにより、移動部材10の移動に応じて、口ばし状把持部1を開閉させることが可能になる。
細管2を移動部材10に固定する手段は特に限定されないが、例えば、細管2を細管固定部材11を介して移動部材10に固定させてもよい。また、芯材3の他方の他端を胴体内部で固定する手段も特に限定されないが、芯材3の他方の他端を、胴体内部に設けられた芯材固定部材14に連結させることによって、胴体内部で固定してもよい。
上記の通り移動部材10の中央部には細管2の端が固定され、移動部材10の側面表面には安定したスムーズな移動が行えるように、上下移動方向に複数のレール溝13が彫られていてもよい。また、胴体部4の内部にはレール溝13とはめ合わせるレール状突起12を設けてもよい。このレール溝13およびレール状突起12の個数としては、複数であることが好ましく、4本〜6本がより好ましい。
バネ6の弾性係数については、強くもなく弱くもない適切な弾性係数のバネ6を選択することが好ましい。また、バネの材質としては金属、樹脂等、特に限定されない。
本発明のマイクロ鉗子の製造方法は特に限定されず、口ばし部材の製造に関しては切削加工、放電加工、および3Dプリンティング加工等が挙げられるが、微細プレス加工法も有力な加工手段として挙げられる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
<実施例1>
本体胴体部、板バネ状押し込み部材、固定部材および移動部材等はポリプロピレン(PP)の射出成型品を用いた。SUS304製の細管(外径0.41mm、内径0.20mm)の先端から4mmまで内径を0.3mmに拡張し、芯材には外径0.15mmのSUS304線材を用いた。また、口ばし部材原料にはφ3mmのSUS420棒材を採用し、予め熱処理により強度および形状記憶性を高めた後に口ばし形状に加工した。口ばし部材の寸法、特に幅および厚さは把持力強化の観点から、拡張した管内径0.3mmに収まる適切な大きさのワイドグリップデザインし、また、把持面は組織を把持した際に組織が滑らないように表面に微細な凹凸加工を施した。口ばし部の形状は放電加工法により加工して、芯材と溶接して管長25mmの図1及び図3に示すような構造の27ゲージマイクロ鉗子を作製した。
作製したマイクロ鉗子に関してその剛性および把持力測定を実施した。
(剛性の測定)
マイクロ鉗子の本体を動かないように固定し、万能試験機(島津製EZ−SX 500N)のロードセルにφ4mmの押し込み棒(押し込み圧子)を取り付け、これによりマイクロ鉗子の細管先端を押し込んだ際の変位と荷重を測定し、変位量と荷重の関係をプロットしてその傾きからたわみ率を算出し剛性を評価した(図5を参照)。その結果、たわみ率:15.5(変位(mm)/荷重(N))と良好な値を示した。
(把持力測定)
まず、厚さ0.005mmの透明プラスチックフィルムを取り付けた専用治具をフォースゲージ(株式会社イマダ)に設置する。次に、マイクロ鉗子でこのフィルムを挟み、そして直線的に引っ張った時のフォースゲージが示した値を把持力として読み取った。その結果、把持力は0.21(N)と良好であった。
さらに、豚眼を用いて作製したマイクロ鉗子の操作性を確認した。操作時の細管のたわみも特に気にすることなくスムーズに組織にアクセスでき操作できた。また、組織を掴む操作においてもはがす操作においても把持力に問題は感じなかった。
(実施例2)
本体胴体部、板バネ状押し込み部材、固定部材および移動部材等はポリプロピレン(PP)の射出成型品を用いた。SUS304製の細管(外径0.41mm、内径0.15mm)の先端から4mmまで内径を0.3mmに拡張し、芯材には外径0.10mmのSUS304線材を用いた。また、口ばし部材原料にはφ3mmのSUS420棒材を採用し、予め熱処理により強度および形状記憶性を高めた後に口ばし形状に加工した。尚、口ばし部材の寸法等は実施例1と同様として、図1及び図3に示すような構造の細管長25mmの27ゲージマイクロ鉗子とした。
作製したマイクロ鉗子に関して、実施例1と同様にその剛性および把持力測定を実施した。たわみ率:14.9((mm)/(N))、把持力:0.22(N)と両者ともに良好な値を示した。
実施例1同様に、作製したマイクロ鉗子と豚眼を用いて模擬手術を行った。操作時の細管のたわみも特に問題なくスムーズに組織にアクセスでき操作できた。また、組織を掴む操作においてもはがし操作においても把持力に問題は感じなかった。
(実施例3)
本体胴体部、板バネ状押し込み部材、固定部材および移動部材等はポリプロピレン(PP)の射出成型品を用いた。SUS304製の細管(外径0.51mm、内径0.20mm)の先端から4mmまで内径を0.4mmに拡張し、芯材には外径0.15mmのSUS304線材を用いた。また、口ばし部材原料にはφ3mmのSUS420棒材を採用し、予め熱処理により強度および形状記憶性を高めた後に口ばし形状に加工した。口ばし部材の寸法、特に幅および厚さは把持力強化の観点から、拡張した管内径0.4mmに収まる適切な大きさにデザインした。口ばし部の形状は放電加工法により加工して、芯材と溶接して、図1及び図3に示すような構造の管長25mmの25ゲージマイクロ鉗子を作製した。
作製したマイクロ鉗子に関して、実施例1と同様にその剛性および把持力測定を実施した。たわみ率:6.2((mm)/(N))、把持力:0.25(N)と両者ともに良好な値を示した。
作製したマイクロ鉗子と豚眼を用いて模擬手術を行ったが、剛性および把持力ともに
問題は感じなかった。
(比較例1)
本体胴体部、板バネ状押し込み部材、固定部材および移動部材等はポリプロピレン(PP)の射出成型品を用いた。細管には外径0.41mm、内径0.33mmのSUS304製細管を、芯材には外径0.2mmのSUS304線材を用いた。また、口ばし部材原料にはφ3mmのSUS420棒材を採用し、予め熱処理により強度および形状記憶性を高めた後に口ばし形状に加工した。口ばし部材の寸法、特に幅および厚さは把持力強化の観点から、拡張した管内径0.3mmに収まる適切な大きさにデザインした。口ばし部の形状は放電加工法により加工して、芯材と溶接して細管長25mmの27ゲージマイクロ鉗子を作製した。
作製したマイクロ鉗子に関して、実施例1と同様にその剛性および把持力測定を実施した。たわみ率:25.2((mm)/(N))、把持力:0.19(N)との結果を得たが、たわみ率に関しては、実施例1および2比べて大きな値を示し、実施例よりも剛性の面で劣る。
作製したマイクロ鉗子と豚眼を用いて模擬手術を行った。操作時に細管のたわみを感じ組織へのアクセス操作に不安を感じた。把持力に関しては特に問題なかった。組織を掴む操作においてもはがし操作においても把持力に問題は感じなかった。
(比較例2)
現在市販されているディスポタイプのマイクロ鉗子(N社27G、細管長25mm)について実施例1と同様にたわみ試験および把持力測定を行った。
たわみ率:31.2((mm)/(N))、把持力:0.08(N)との結果を得たが、これは、剛性および把持力ともに実施例1および2比べてたわみ率、把持力ともに劣る。
作製したマイクロ鉗子と豚眼を用いて模擬手術を行った。操作時の細管のたわみが大きく、組織へのアクセス操作に不安を感じた。また、把持力に関しても少し不安を感じながら操作した。
(比較例3)
現在市販されているディスポタイプのマイクロ鉗子(A社27G、細管長25mm)について実施例1と同様にたわみ試験および把持力測定を行った。
たわみ率:20.1((mm)/(N))、把持力:0.05(N)との結果を得た。特に、把持力が実施例1および2比べて低い。
作製したマイクロ鉗子と豚眼を用いて模擬手術を行った。操作時の細管の剛性にあまり不安は感じなかったが、実施例1および2に比べると操作時にたわみを感じた。把持力に関しても少し低く感じられた。
(比較例4)
現在市販されているディスポタイプのマイクロ鉗子(C社25G、細管長25mm)について実施例1と同様にたわみ試験および把持力測定を行った。
たわみ率:9.6((mm)/(N))、把持力:0.13N)との結果を得た。実施例3と比較して把持力は同等と良いが、たわみ率が若干高く剛性に劣る。
作製したマイクロ鉗子と豚眼を用いて模擬手術を行った。27ゲージに比べると25ゲージは細管径が大きいためか、実施例3との間で剛性に大きな違いを感じなかったが、術者らは、特に、小切開手術に慣れていない術者らは、安全に手術を実施するためにも25ゲージマイクロ鉗子においても剛性の明らかに高いものを選択すると考えられる。
実施例1から3及び比較例1から4の測定及び評価の結果を表1にまとめて示す。
たわみ率の値が小さいほど剛性が高い(たわみ辛い)ことになる。
27ゲージについて評価すると、実施例1及び2と比較例1及び2の比較からわかるように、剛性と把持力共に実施例の方が優れている。25ゲージについて評価すると、実施例3と比較例4との比較ではたわみ率で比較例4の方が劣る。
本発明のマイクロ鉗子によれば、剛性および把持力が改善されたマイクロ鉗子が提供される。本発明によれば、マイクロセッシのたわみが軽減されるので、素早く、安全に手術を行うことができる。また、同時に、十分な把持力を有するため、組織等の取り出し作業も素早く、安全に行うことが可能である。このような特長を有する本発明のマイクロセッシは、特に、眼科のような微小な患部組織へのアクセスおよび組織の除去等が必要な手術において極めて有用である。
1 口ばし状把持部
2 細管
3 芯材
4 胴体部
5 バネ固定部材
6 バネ
7 固定部材
8 楕円体状押し込み部材
9 板バネ状押し込み部材
10 移動部材
11 細管固定部材
12 レール状突起
13 レール溝
14 芯材固定部材

Claims (5)

  1. 本体胴体部、細管、芯材、および前記芯材の一方の先端にある口ばし状把持部を有するマイクロ鉗子であって、細管が、芯材外径に対応した一定の内径を有する細管後端部分と、口ばし状把持部が設置された側の細管先端部分とを有し、細管先端部分の内径が、細管後端部分の内径よりも大きいことを特徴とするマイクロ鉗子。
  2. 細管後端部分の内径が0.08mm〜0.30mmであり、
    細管先端部分の内径が0.35mm〜0.43mmであり、細管先端部分の長さが1mm〜8mmである、請求項1に記載のマイクロ鉗子。
  3. 細管後端部分の内径が0.08mm〜0.28mmであり、
    細管先端部分の内径が0.25mm〜0.35mmであり、細管先端部分の長さが1mm〜8mmである、請求項1に記載のマイクロ鉗子。
  4. 細管、芯材および口ばし状把持部の材料が、ステンレス系金属材料である、請求項1から3のいずれか一項に記載のマイクロ鉗子。
  5. 口ばし状把持部の材料が、マルテンサイト系ステンレスである、請求項1から4のいずれか一項に記載のマイクロ鉗子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115844629A (zh) * 2022-12-23 2023-03-28 爱尔眼科医院集团四川眼科医院有限公司 基于后驱动结构的眼用镊

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