JP2020188558A - 渡り線形成装置及び渡り線形成方法 - Google Patents

渡り線形成装置及び渡り線形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】環状部と、環状部から内側に向けて突出して線材が巻き付けられる複数の突出部と、環状部の端面に設けられる渡り線係止部とを有したワークに対して渡り線を形成する装置又は方法において、内径の小さい又は厚みが大きいワークに対しても渡り線を形成できるようにする。【解決手段】渡り線形成装置としての巻線機1は、ワーク2の下方に渡り線ガイド15と、ワーク2の側方に線フック26とを備える。いずれかの極(突出部)への巻線を形成した後、線フック26によりノズル7の線材8を外側に引き出す。その後、渡り線ガイド15を上昇及び回転させて、線材8の引き出し部分を、渡り線ガイド15の引掛部21に引っ掛けさせる。その後、線フック26による線材8の引掛けを解除する。その後、ワーク2を回転させることで、線材8を、渡り線ガイド15の外側の面を経由させて、渡り線係止部6に掛け渡す。【選択図】図1

Description

本発明は、環状部と、環状部から内側に向けて突出して線材が巻き付けられる複数の突出部と、環状部の端面に設けられる渡り線係止部とを有したワークに対して渡り線を形成する装置及び方法に関する。
上記ワークの各突出部に線材を巻き付ける場合、いずれかの突出部への巻き付けが終了して、他の突出部への巻き付けを行う際に、線材を渡り線係止部に渡り線として掛け渡して、次に線材の巻き付けを行う突出部の位置まで移動させる必要がある。従来、渡り線を形成する方法としていくつか提案がある(例えば特許文献1〜3参照)。例えば特許文献1の方法では、ワークの突出部としての所定の巻線被巻装部への巻装を終えた後に、ノズルの巻線(線材)を、巻線引出装置によりコア構成体(ワーク)の径方向外側に引き出す。次に、渡り線ガイドとしての筒状のガイド本体部を上方(ステータコアに接近する方向)に移動させて、ガイド本体部の側面に形成された開口部に、巻線の引出部分を通す。次に、巻線引出装置による巻線の係合を解除する。次に、ワークとしてのコア構成体をガイド本体部に対して回転させる。これにより、外側に引き出された巻線を、ガイド本体部の開口部を通して内側に引き戻しつつ、渡り線係止部としての巻線係止ピンに掛け渡すようにしている。
また特許文献2の方法では、いずれかの極(突出部)への巻線が終了したら、ノズルと渡り線ガイド部材とを一体としてワークの半径方向に移動させて、渡り線ガイド部材の線材案内部をワークの渡り線用ピン(渡り線係止部)の外側に位置させる。その後、ノズルと渡り線ガイド部材とを一体として上昇させて、渡り線ガイド部材の線材案内部を、ワークの厚み方向において渡り線用ピンと重合した位置で停止させる。この状態では、ノズルの先端は、ワークの外周及び渡り線ガイド部材よりも径方向外側に位置している。その後、ワークを回転させることで、線材を、渡り線ガイド部材を経由して渡り線用ピンに掛け渡す。
また特許文献3の方法では、渡り線を形成する際に、ノズルを斜めに姿勢変換して、ノズルの先端を、ワークの下側端面に立設された渡り線用ピン(渡り線係止部)のワーク半径方向外側で下縁よりも上方側に位置させる。その後、ワークを周方向に駆動して、線材を渡り線用ピンに掛け渡す。
特開2003−324912号公報 特開2003−164124号公報 特開2006−87258号公報
上記特許文献1〜3の方法は以下の問題点を有している。すなわち、特許文献1の方法では、渡り線係止部に掛け渡す長さ分の線材を予めガイド本体部の開口部を通して外側に引き出しておく必要がある。このため、渡り線係止部に掛け渡す線材が長くなれば、その分、ガイド本体部の外側への線材の引き出し量が大きくなってしまい、線材の引出部分を配置するスペースが大きくなってしまう等の問題点がある。
また、特許文献2の方法では、渡り線を形成する際に、ノズル先端をワークの外周よりも径方向外側に位置させる必要があることから、ノズルを長くする必要がある。しかし、内径の小さいワークを用いる場合など、ノズルを長くできない事情がある場合には特許文献2の方法は適用できない。
また、特許文献3の方法では、渡り線を形成する際に、ノズルをワーク内で斜めに姿勢変換する必要があるが、斜めに姿勢変換した際に、ワーク内でノズルを支持するノズルブラケットがワークと干渉しないことが前提となる。しかし、例えば内径の小さい、又は厚みが大きいワークに対しては、ノズルブラケットとワークとの干渉を防ぐためには、ノズルを斜めに姿勢変換する際の傾斜角度を大きくできず、ノズル先端を渡り線係止部に対応した位置まで上げることができない場合がある。また、ノズルを斜めに姿勢変換したときに、ノズル先端を渡り線係止部に対応した位置まで上げるためには、ノズルをある程度長くする必要があるが、ノズルを長くできない事情がある場合(例えば、内径の小さいワークを用いる場合)には適用できない。
本発明は上記問題点に鑑みてなされ、内径の小さい又は厚みが大きいワークに対しても渡り線を形成できる装置及び方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の渡り線形成装置は、
環状部と、前記環状部から内側に向けて突出して線材が巻き付けられる複数の突出部と、前記環状部の端面に設けられる渡り線係止部とを有したワークに対して渡り線を形成する装置であって、
前記環状部の内側にて支持されて前記線材を供給するノズルと、
渡り線ガイドと、
いずれかの前記突出部への前記線材の巻き付け後に、前記ノズルから供給される前記線材を前記渡り線係止部の外側に引き出して、その引き出し部分を前記渡り線ガイドに保持させる制御部と、
前記線材が前記渡り線ガイドに保持され、かつ、前記ノズルの先端が前記渡り線ガイドの内側に位置した状態において前記ワークを前記渡り線ガイド及び前記ノズルに対し相対的に回転させる回転制御部とを備え、
前記渡り線ガイドは、前記状態において、前記ワークの相対的な回転に伴い前記線材を前記渡り線ガイドの外側の面を経由させて前記渡り線係止部に案内する。
本発明によれば、いずれかの突出部への線材の巻き付け後に、線材を渡り線係止部の外側に引き出して渡り線ガイドに保持させた状態にし、その状態でワークを渡り線ガイド及びノズルに対して相対的に回転させることで、線材を渡り線ガイドを経由させて渡り線係止部に掛け渡す。このとき、ノズル先端は渡り線ガイドの内側に位置しており、その内側に位置したノズルからの線材が渡り線ガイドの外側の面を経由して渡り線係止部に案内される。これによれば、ノズルを斜めに姿勢変換しなくてもよいし、ノズルを長くしなくてもよいので、内径の小さい又は厚みが大きいワークに対しても渡り線を形成できる。なお、特許文献1の方法は、外側に引き出した線材を内側に引き戻しながら渡り線係止部への線材の掛け渡しを行う方法であり、内側に引き戻されないよう保持した状態で渡り線を形成する本発明とは技術思想が異なる。また、特許文献2の方法は、ノズルの先端をワークの外周及び渡り線ガイドよりも外側に位置させた状態で渡り線を形成する方法であり、ノズルの先端が渡り線ガイドの内側に位置した状態で渡り線を形成する本発明とは技術思想が異なっている。
また、前記制御部は、
前記線材を前記渡り線係止部の外側に引き出す引出部と、
前記引出部により引き出された前記線材と前記渡り線ガイドとが前記状態となるように前記渡り線ガイドの位置を制御するガイド位置制御部と、
を備えてもよい。これによって、線材と渡り線ガイドとを関連付けた状態にでき、すなわち渡り線ガイドの内側に位置するノズルの先端から引き出された線材を渡り線ガイドに保持させた状態にできる。
また、前記渡り線ガイドは、外側に引き出された前記線材を内側に引き戻されないように保持する保持部を有し、
前記保持部は、前記ワークの回転軸線に平行に設定されたガイド軸線の回りにおける第1方向への回転により前記線材の保持を強くし、前記第1方向と反対の第2方向への回転により前記保持を弱くし、
前記ガイド位置制御部は、前記引出部により前記線材が外側に引き出された後に、前記渡り線ガイドを前記第1方向に回転させて前記線材を前記保持部に保持させるガイド回転制御部を有してもよい。このように、渡り線ガイドの回転により渡り線ガイドへの線材の保持を制御することで、線材の保持を強固にすることができる。
また前記ガイド回転制御部は、前記線材が前記ノズルの延長線に対して前記第1方向側に角度を付けた状態で前記保持部に保持されるように、前記渡り線ガイドを回転させてもよい。これによって、保持部による線材の保持を強固にできる。
また前記渡り線係止部は、前記環状部の周方向に沿って間隔をあけて複数形成されており、
前記間隔をワーク溝とし、前記ガイド回転制御部を第1のガイド回転制御部として、
前記渡り線形成装置は、前記ワークの相対的な回転後又は回転中に、前記保持部が前記ワーク溝の位置に合った位置にくるように前記渡り線ガイドを回転させる第2のガイド回転制御部と、
前記ワークの相対的な回転後かつ前記第2のガイド回転制御部による制御の実行後に、前記ノズルを、前記ワークの回転軸線に平行な方向であって前記渡り線係止部が形成された前記端面と反対側の前記ワークの端面の方向に移動させるノズル制御部と、
をさらに備えてもよい。
ノズルは、ワークの回転軸線に平行な方向に移動する際には、ワークの環状部から内側に突出した突出部に干渉しないように、隣り合う2つの突出部間の隙間に位置させる必要がある。このとき、ワークによっては、ワークの周方向における上記隙間の位置(角度)と、上記ワーク溝の位置(角度)とが異なっている場合がある。この場合であっても、第2のガイド回転制御部により、渡り線ガイドの保持部の位置がワーク溝の位置に合わさるので、その後に、ノズル制御部によりノズルが移動した際に、線材をワーク溝に入れることができ、渡り線係止部への線材の掛け渡しを完了させることができる。そして、ノズルが移動することで、次の突出部への線材の巻き付け工程に移行させることができる。
また前記ガイド回転制御部を第1のガイド回転制御部として、
前記渡り線形成装置は、前記ワークの相対的な回転後に、前記渡り線ガイドを前記第2方向に移動させる第2のガイド回転制御部をさらに備えてもよい。これによれば、ワークの相対的な回転後に、渡り線ガイドによる線材の保持を弱めることができ、渡り線ガイドから渡り線係止部への線材の受け渡しを容易に完了させることができる。
また前記ガイド位置制御部は、前記渡り線ガイドを前記ガイド軸線の方向に移動させるガイド昇降制御部を有し、
前記ガイド昇降制御部は、渡り線を形成する際には前記渡り線ガイドを前記ガイド軸線の方向に沿って前記ワークに接近した位置に進行させ、渡り線形成後、前記渡り線ガイドを前記ワークから遠ざけた位置に退避させてもよい。これによれば、渡り線を形成する際には渡り線ガイドをガイド軸線の方向に沿ってワークに接近した位置に進行させるので、渡り線ガイドを渡り線係止部への線材の案内が可能な位置に配置できる。また、渡り線形成後は渡り線ガイドを退避させるので、突出部に線材を巻き付けやすくできる。
また前記渡り線ガイドは、前記ガイド軸線を中心とした円周方向に円弧状に形成された円弧壁部を有し、
前記保持部は前記円弧壁部の円周方向における端部であり、
前記円弧壁部の外径側の面が、前記保持部に保持された前記線材を滑らせながら前記渡り線係止部に案内する案内部であるとしてよい。このように、円弧壁部の外径側の面を案内部として線材を渡り線係止部に案内するので、ワークの周方向に沿って渡り線を形成しやすくできる。
また前記案内部は、前記ガイド軸線の方向に沿って前記案内部の端部に近づくにつれて徐々に内径側に寄っていく傾斜形状に形成されてもよい。これによって、案内部において線材を円周方向に案内しつつ、ガイド軸線の方向に沿って案内部の端部の方に位置する渡り線係止部に案内しやすくなる。
また前記保持部は前記ガイド軸線に対する円周方向に突出した形状に形成されて、前記突出した形状に前記線材を引っ掛けることで前記線材の保持を行うとしてもよい。これによって、保持部での線材の保持が容易となる。
また前記保持部は前記ガイド軸線に対する円周方向に突出した形状に形成されて、前記突出した形状に前記線材を引っ掛けることで前記線材の保持を行い、
前記円弧壁部の円周方向における両方に端部に前記突出した形状が形成されてもよい。これによれば、円弧壁部の円周方向における一方の端部を第1端部、他方の端部を第2端部としたとき、第1端部を保持部として使用する場合には、円弧壁部の円周方向に沿って第1端部から第2端部に向かう方向に線材を渡り線係止部に案内できる。また、第2端部を保持部として使用する場合には、円弧壁部の円周方向に沿って第2端部から第1端部に向かう方向に線材を渡り線係止部に案内できる。このように、円弧壁部の両方の端部に保持部(円周方向への突出形状)が形成されることで、第1端部から第2端部への渡り線案内方向と、第2端部から第1端部への渡り線案内方向のいずれにも対応できる。
また前記保持部における前記線材との接触部は、前記突出した形状の先端に向かって傾斜した形状に形成されてもよい。これによって、渡り線ガイドの回転に伴って線材を保持部における傾斜した接触部に沿わせることで、保持部における線材の保持や解除を容易に制御できる。
また、前記引出部は、
先端に屈曲部を有した棒状部と、
前記棒状部を駆動する駆動部とを有し、
前記駆動部は、前記屈曲部に前記線材を引っ掛けて外側に引き出し、外側に引き出された前記線材が前記渡り線ガイドに保持された後、前記屈曲部の屈曲方向と反対方向に前記棒状部を駆動することで前記線材の引掛けを解除し、
前記反対方向は、前記線材を前記保持部に押し付ける方向であるとしてもよい。
これによれば、引出部による線材の引掛けの解除は、屈曲部の屈曲方向と反対方向に棒状部を移動させることで行い、この反対方向は線材を保持部に押し付ける方向なので、その解除の際に線材が保持部から外れてしまうのを抑制できる。
また前記渡り線係止部は、前記ノズルへの前記線材の供給側と反対側の前記ワークの端面に設けられてもよい。これによれば、渡り線係止部が設けられるワーク端面の側でノズルを直角に姿勢変換させることが困難であるが、本発明を適用すれば、ノズルを該ワーク端面の側で直角に起立させなくても、渡り線係止部に線材を掛け渡すことができる。
本発明の渡り線形成方法は、
環状部と、前記環状部から内側に向けて突出して線材が巻き付けられる複数の突出部と、前記環状部の端面に設けられる渡り線係止部とを有したワークに対して渡り線を形成する方法であって、
いずれかの前記突出部への前記線材の巻き付け後に、ノズルから供給される前記線材を前記渡り線係止部の外側に引き出す第1工程と、
前記渡り線係止部の外側に引き出された線材を、内側に引き戻されないように保持しつつ、前記渡り線係止部への掛け渡しが可能な状態にする第2工程と、
前記状態にあり、かつ、前記ノズルの先端が、外側に引き出された前記線材の保持位置よりも内側に位置した状態で、前記ワークを前記ノズルに対し相対的に回転させることで、前記線材が内側に引き戻されないように保持しつつ、前記渡り線係止部への前記線材の掛け渡しを行う第3工程と、
を備える。
本発明によれば、ノズル先端が、外側に引き出した線材の保持位置よりも内側に位置した状態で渡り線係止部への線材の掛け渡しを行うことができ、渡り線を形成するためにノズルを斜めに姿勢変換する必要がないので、内径の小さい又は厚みが大きいワークに対しても渡り線を形成できる。
また、前記第2工程では、前記ワークの回転軸線に平行に設定されたガイド軸線に対する円周方向に円弧状に形成された円弧壁部を有した渡り線ガイドを前記ガイド軸線の方向及び前記ガイド軸線の回りに移動させて、前記円弧壁部の円周方向における端部に前記線材を引っ掛けた状態にし、
前記第3工程では、前記ワークの相対的な回転に伴い前記線材を前記端部及び前記円弧壁部の外径側の面を滑らせながら前記渡り線係止部に掛け渡してもよい。これによれば、線材を円弧壁部の外径側の面を滑らせながら渡り線係止部に掛け渡すので、ワークの周方向に沿って渡り線を形成しやすくできる。
巻線機の、渡り線形成に関連する部分の正面図である。 巻線機の、渡り線形成に関連する部分の左側面図である。 巻線機の、渡り線形成に関連する部分の上面図である。 巻線機の、渡り線形成に関連する部分の斜視図である。 ワーク保持部及びこれに保持されたワークの縦断面図である。 ワーク保持部及びこれに保持されたワークの斜視図である。 渡り線ガイドを上方から見た図(平面図)である。 図7のVIII−VIII線での断面図である。 巻線機の電気的構成を示したブロック図である。 ワーク及びノズルを上方から見た図である。 渡り線形成工程のフローチャートである。 線フックにより線材が外側に引き出された状態を正面方向から見た図である。 線フックにより線材が外側に引き出された後、渡り線ガイドが上昇した状態を正面方向から見た図である。 線材が線フックにより外側に引き出された後、渡り線ガイドが回転する前における、渡り線ガイド、ノズル、及び線フックの状態を上方から見た図である。 図14の状態の後に、渡り線ガイドが回転したときの渡り線ガイド、ノズル、及び線フックの状態を上方から見た図である。 図15の状態の後に、線フックによる線材の引掛けを解除したときの渡り線ガイド及びノズルの状態を上方から見た図である。 渡り線ガイドに線材が保持されている状態を正面方向から見た図である。 渡り線ガイドに線材が保持されている状態を左側面方向から見た図である。 渡り線ガイドの第2引掛部に線材を引っ掛けた状態を上方から見た図である。 変形例の渡り線ガイドの左側面図である。
以下本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1〜図4に示す渡り線形成装置としての巻線機1は、例えば電動ドリル等の電動工具の電動機(モータ)に使用される多極電機子であるワーク2の各極4にコイル形成用の線材8を巻き付けるための装置である。ワーク2は、ワーク2の外周を形成する環状のヨーク部3と、ヨーク部3の周方向に沿って等間隔に配置されてヨーク部3の内周面から径方向内側に突出する複数(本実施形態では9個)の極4とを備える。隣り合う2つの極4の間には隙間5(スロット)が形成されている。ワーク2(ヨーク部3)の内径は例えば3cm以下と小さい値であるが、3cmより大きい値であってもよい。なお、ヨーク部3が本発明の環状部に相当する。極4が突出部に相当する。
ワーク2は固定子として使用される。すなわち、電動機として使用する際には、複数の極4の内側空間に回転子(図示外)が配置される。また、ワーク2は、ヨーク部3の、中心軸線L1(図1参照)の方向(言い換えればヨーク部3の厚み方向)に向いた一方の端面(図1の紙面で上側の端面)(以下上側端面という場合がある)に絡げピン(図示外)を備えている。絡げピンは、極4に巻き付けられるコイルの端部となる線材部分が係止されるピンである。
またワーク2は、ヨーク部3の、中心軸線L1(図1参照)の方向に向いた他方の端面(図1の紙面で下側の端面)(以下、下側端面という場合がある)に渡り線係止部6を備えている。渡り線係止部6は、いずれかの極4への線材8の巻き付けが終了し、その巻き付けを終了した極4から、次に巻き付けをしようとする極4に線材8を渡り線として掛け渡すための部分である。本実施形態では、渡り線係止部6は、ヨーク部3の下側端面から起立するとともに、ヨーク部3の中心軸線L1を中心にした円周方向に沿って円弧状に伸びるように形成されるが、この形状に限定されない。また渡り線係止部6は、ヨーク部3の円周方向に沿って間隔50(図1参照)をあけて複数形成されている。なお、ワーク2は例えば複数枚の電磁鋼板が積層されて構成されたコア部と、そのコア部を被覆した樹脂部とを含んで構成される。渡り線係止部6は例えば樹脂部の一部として構成される。なお、以下では上記間隔50をワーク溝という。
巻線機1は、ワーク2を所定位置に保持するワーク保持部11(図5、図6参照)と、ワーク保持部11を駆動するワーク駆動機構14(図5参照)とを備えている。なお、図1〜図4ではワーク保持部11及びワーク駆動機構14の図示を省略している。ワーク保持部11は円筒状に形成されて、ワーク保持部11の中心軸線が鉛直方向に向くように設けられる。ワーク保持部11は、ワーク2を、ワーク保持部11の中心軸線と、ワーク2の中心軸線L1(図1参照)とが一致した位置にて保持する。このとき、ワーク保持部11の上側の開口に、ワーク2の、絡げピン(図示外)が設けられた端面が露出し、ワーク保持部11の内側の空間13に、ワーク2の下側端面(渡り線係止部6が設けられる端面)を含む一部が挿入される状態となる。また、ワーク保持部11の側面には、ワーク保持部11の周方向に沿って等間隔に複数の貫通部12が設けられる。
ワーク駆動機構14は、ワーク保持部11をワーク保持部11の中心軸線の回りに回転可能に支持するとともに、ワーク保持部11をその中心軸線の回りに回転させるワーク回転モータ33(図9参照)を含んで構成される。
また、巻線機1は、金属製の線材8を供給するノズル7と、ノズル7を支持するノズルブラケット9と、ノズル7及びこれに接続されたノズルブラケット9を駆動するノズル駆動機構10とを備えている。なお、図2〜図4ではノズル駆動機構10の図示を省略している。ノズル7は、ヨーク部3の内径よりも短い筒状に形成されて、線材8を筒内に通して先端から供給するものである。ノズル7は、棒状のノズルブラケット9の軸線に対してノズル7の軸線L3(図1、図3参照)が直角となるように設けられる。なお、線材8は、図示しない線材供給装置から引き出されて、ノズルブラケット9に沿って上方から下方に向けて引き回された後、ノズル7の筒内に通される。
ノズルブラケット9は棒状に形成されて、一端にノズル7の基端が接続され、他端にノズル駆動機構10が接続されている。ノズルブラケット9は、極4への線材8の巻き付け及び渡り線係止部6への線材8の掛け渡しの際には、ヨーク部3の内側において、ワーク2の回転軸線L1(ヨーク部3の中心軸線L1)(図1参照)と平行に挿入される状態に設けられる。このとき、ノズルブラケット9の両端部のうち、ノズル7が接続される側の端部が鉛直方向において相対的に下側に位置し、ノズル駆動機構10に接続される側の端部が鉛直方向において相対的に上側に位置する。
ノズル駆動機構10は、ノズルブラケット9を、ノズルブラケット9の軸線方向(昇降方向)に移動可能に、かつ、ノズルブラケット9の軸線方向に直角な方向のうちノズル7の軸線L3に平行な方向(送り方向)に移動可能に支持する。加えて、ノズル駆動機構10は、ノズルブラケット9を上記昇降方向に駆動するノズル昇降モータ31(図9参照)と、ノズルブラケット9を上記送り方向に駆動するノズル水平駆動モータ32(図9参照)とを含んで構成される。なお、ノズル駆動機構10は特許文献2に記載のノズル駆動機構と同様に構成される。
なお、ノズル駆動機構10は、ノズル7及びノズルブラケット9を、図1の紙面に直交する軸線(図示外)の回りに90度回転させることで、図1の破線7a、9aで示す位置に姿勢変換する機構も含んでいる。90度姿勢変換された状態では、ノズル7aの先端が、ワーク2の上側端面の上方位置にて上側端面の方に向く。また、90度姿勢変換されたノズルブラケット9aは、ワーク2の上方において水平方向に向く。ノズル7及びノズルブラケット9は例えば絡げピンに線材8を絡げる工程を行う際に90度姿勢変換される。
また、巻線機1は、渡り線ガイド15と渡り線ガイド15を駆動するガイド駆動機構39とを備えている。なお、図2〜図4ではガイド駆動機構39の図示を省略している。
図1、図2、図4、図7に示す渡り線ガイド15は、図7の上面視で見て円弧状の側面部16と、この側面部16の中心軸線L2(図1参照)の方向(厚み方向)における一端側を閉塞する底面部17とを有する。渡り線ガイド15は、側面部16の厚み方向における底面部17と反対側に、図7の上面視で円弧の開口を形成している。また、渡り線ガイド15は、図7の平面視で見て円の一部を切り欠いた形状に形成される。そのため、渡り線ガイド15は、中心軸線L2に直角な方向のうち、円弧状の側面部16の円周方向における両端部を正面にして見た方向、つまり図1の方向から見ても開口を形成している。なお、中心軸線L2が本発明のガイド軸線に相当する。
側面部16の、厚み方向における底面部17と反対側の端部18(図1、図2、図4、図7参照)を上端部として、上端部18は、側面部16の円周方向における両側の端部23からの一部を切り欠いた形状に形成されている。この切り欠いた部分19を切欠部として、切欠部19は、上端部18に平行な段差を形成する平行部20と、平行部20の端部と上端部18の端部とを接続する接続部21とを有する。接続部21は、平行部20の端部から上端部18の端部に向かって直線状かつ傾斜した形状に形成される。具体的には、接続部21は、平行部20に対して鋭角(90度より小さい角度)に設けられ、かつ、上端部18に対しても鋭角に設けられる。すなわち、図2において、接続部21と平行部20との成す角度θ1は90度より小さく、0度より大きい。また、接続部21と上端部18との成す角度θ2は90度より小さく、0度より大きい。なお、角度θ1、θ2は互いに同じ角度である。
上端部18の円周方向における一方の端部側に設けられる切欠部19と、他方の端部側に設けられる切欠部19は互いに同一形状に形成される。
側面部16の、切欠部19よりも上端部18側の部分22(図2、図7参照)は、渡り線ガイド15の中心軸線L2を中心とした円周方向に円弧状に形成される。この部分22を円弧壁部として、円弧壁部22は、図7の上面視で見て、側面部16の円弧の一部と一致する円弧を形成する。切欠部19の接続部21が上記のように傾斜した形状に形成されることで、円弧壁部22の円周方向における端部を構成する上記接続部21は、該円周方向に突出した形状に形成される。具体的には、図2の方向から見て、接続部21と上端部18とにより先細り形状(テーパー形状)が形成される。より具体的には、接続部21の、平行部20との接続点から、上端部18との接続点である先端にいくにしたがって徐々に側面部16の円周方向における端部23(図2、図4、図7参照)の方に近づく。
円弧壁部22の端部21は渡り線を形成する際に線材8を引っ掛けるための部分である。以下では端部21を引掛部という場合がある。引掛部21は円弧壁部22の両端それぞれに形成されるが、一回の渡り線形成につき、いずれか一方の引掛部21を線材8の引掛けに使用し、他方の引掛部21は線材8の引掛けには使用しない。渡り線ガイド15では、引掛部21の正面に、後述の線フック26が通過可能な空間(切欠部19の平行部20の上方の空間)が形成されている。
また、円弧壁部22が形成する円弧に直角な平面で円弧壁部22を切ったときの断面(図7のVIII−VIII線断面)が、図8に示すように略直角三角形状に形成される。なお、円弧壁部22は、円弧壁部22の円周方向に沿ったいずれの位置においても図8に示す断面形状を有する。なお、図8では、円弧壁部22を実線で示し、側面部16の円弧壁部22を除いた部分を破線で示している。
円弧壁部22は、側面部16(円弧壁部22を除いた部分)の内周面と連続して該内周面と同一方向の面を形成する内周面24と、側面部16(円弧壁部22を除いた部分)の外周面と連続するが該外周面と異なる方向の面を形成する外周面25とを有する。内周面24は、渡り線ガイド15の中心軸線L2(図1参照)に平行に設けられる。外周面25は中心軸線L2(言い換えれば内周面24)に対して角度を持った方向に設けられる。円弧壁部22は、上端部18にいくにしたがって内周面24と外周面25との間隔が徐々に小さくなっていく形状、つまり先細り形状(テーパー形状)に形成される。言い換えれば、外周部25は上端部18に近づくにつれて徐々に内径側(渡り線ガイド15の中心軸線L2側)に寄っていく傾斜形状に形成される。外周面25は、線材8を渡り線係止部6に案内するための案内部である。円弧壁部22の円周方向における長さは、形成しようとする渡り線の長さ(渡り線係止部6に掛け渡す線材8の長さ)に応じて適宜に設定される。
また、渡り線ガイド15の内径D1(図1参照)は、ワーク2の渡り線係止部6の外周面で規定される円における直径D2(図1参照)よりも若干大きい。
渡り線ガイド15は、図5、図6に示すワーク保持部11の内側空間13に設けられる。このとき、渡り線ガイド15は、ワーク2よりも鉛直方向の下側において、渡り線ガイド15の中心軸線L2(回転軸線)が、ワーク2の中心軸線L1(回転軸線)の延長線に一致し、かつ、円弧壁部22がワーク2の側(つまり上側)に位置するように設けられる。
図1に示すガイド駆動機構39は、例えばボールスプラインにより、渡り線ガイド15を中心軸線L2の方向(昇降方向、上下方向)に移動可能に、かつ、中心軸線L2の回りに回転可能に支持する。さらに、ガイド駆動機構39は、渡り線ガイド15を昇降方向に駆動するガイド昇降モータ34(図9参照)と、渡り線ガイド15を回転させるガイド回転モータ35(図9参照)とを含んで構成される。
また巻線機1は、線フック26と、線フック26を駆動するフック駆動機構38とを備えている。なお、図2〜図4ではフック駆動機構38の図示を省略している。線フック26は、小径部27と大径部28とを有する。小径部27は、丸棒状に形成されて、先端に小径部27の軸方向に直角な方向かつ水平方向(ワーク2や渡り線ガイド15の中心軸線L1、L2に直角な方向)に屈曲した屈曲部29(図3参照)を有する。図1のように、渡り線ガイド15の引掛部21が正面を向くように渡り線ガイド15を配置した状態で、屈曲部29は、引掛部21が向いた方向と同じ方向に屈曲している。言い換えれば、図1のように、引掛部21を正面にして見たときに、屈曲部29の先端29aも正面方向に向いている。
大径部28は、小径部27よりも大径の丸棒状に形成されている。大径部28は、小径部27の、屈曲部29が形成される側と反対側の端部に接続している。大径部28の軸線が、小径部27の軸線の延長線に一致している。
線フック26は、渡り線形成が行われる前の初期状態においては、ワーク保持部11(図5、図6参照)の外側(言い換えれば側方)に配置されている。また線フック26は、線フック26の軸線方向が渡り線ガイド15の中心軸線L2に直角な方向、つまり水平方向に向き、かつ、線フック26の軸線がノズル7の軸線L3に平行となるように配置されている。このとき、小径部27がワーク保持部11に近い側に位置する。また、線フック26は、初期状態において、渡り線ガイド15の中心軸線L2又はワーク2の中心軸線L1の方向である上下方向における渡り線ガイド15とワーク2の間の位置に配置されている。
図1に示すフック駆動機構38は、線フック26の大径部28における小径部27が接続されない側の端部に接続して、線フック26を、線フック26の軸線方向である第1水平方向に移動可能に、かつ、水平方向のうち線フック26の軸線方向に直角な方向である第2水平方向に移動可能に支持する。さらに、フック駆動機構38は、線フック26を第1水平方向に駆動する第1フック駆動部36(図9参照)と、線フック26を第2水平方向に駆動する第2フック駆動部37(図9参照)とを含んで構成されている。第1フック駆動部36及び第2フック駆動部37は例えばエアシリンダで構成してもよいし、モータで構成してもよい。
また、巻線機1は制御部30(図9参照)を備えている。制御部30は上述の各駆動部31〜37を制御することで、ワーク2、ノズル7、渡り線ガイド15及び線フック26の位置を制御し、ひいてはワーク2の各極4への線材8の巻き付けや渡り線係止部6への線材8の掛け渡し(渡り線の形成)などを制御する。以下、制御部30による巻線機1の制御について説明する。先ず、極4に線材8を巻き付ける巻線工程について説明する。
(巻線工程)
巻線機1は、例えば9個の極4a〜4i(図10参照)に対して3層分の巻線を巻き付け、具体的には、極4a、4d、4gに第1層の巻線を巻き付け、極4b、4e、4hに第2層の巻線を巻き付け、極4c、4f、4iに第3層の巻線を巻き付ける。
制御部30は、先ず、ノズルブラケット9及びノズル7を図1の破線9a、7aの状態になるよう90度姿勢変換して、絡げピン(図示外)に線材8を係止させる。その後、制御部30は、ノズルブラケット9及びノズル7を、ノズルブラケット9の軸線方向が上下方向に向いた状態に姿勢変換して、各極4への線材8の巻き付けを行っていく。例えば、図10に示す極4aに巻き付ける場合には、制御部30は、ワーク回転モータ33を制御して、ノズル7が極4aの隣りの隙間5a、5bのうちの第1隙間5aの位置にくるように、ワーク保持部11及びこれに保持されたワーク2を回転させる。その後、制御部30は、ノズル昇降モータ31を制御して、ノズル7を、極4aの上方位置から下方位置まで下降させる。その後、制御部30は、ワーク回転モータ33を制御して、ノズル7が第2隙間5bの位置にくるように、ワーク2を図10の紙面で反時計回りに回転させる。その後、制御部30は、ノズル昇降モータ31を制御して、ノズル7を、極4aの下方位置から上方位置まで上昇させる。その後、制御部30は、ワーク回転モータ33を制御して、ノズル7が第1隙間5aの位置にくるように、ワーク2を図10の紙面で時計回りの方向Dに回転させる。これにより、極4aに対して1巻分の巻線が巻き付けられる。制御部30はこれら制御を繰り返して、極4aに所定の巻数の巻線を巻き付ける。この際、制御部30は、ノズル水平駆動モータ32を制御して、ノズル7の先端位置を、ノズル7の軸線方向に沿って変えることで、極4aの突出方向に対して巻線の巻き付け位置をずらしていく。
制御部30は、極4aへの巻き付けが終了した後、後述の渡り線形成工程を経て、次に、極4dへの巻き付けを行う。その後、後述の渡り線形成工程を経て、次に、極4gへの巻き付けを行う。制御部30は、極4gへの巻き付けが終了した後、ノズルブラケット9及びノズル7を図1の破線9a、7aの状態になるよう90度姿勢変換して、絡げピンに線材8を絡げて、第1層の巻線工程を終了する。制御部30は、第1層と同様に、第2層及び第3層の巻線工程を実施する。
(渡り線形成工程)
次に、渡り線係止部6に線材8を掛け渡すことで渡り線を形成する工程について説明する。図11は、制御部30が実行する渡り線形成工程のフローチャートを示している。制御部30は、いずれかの極4への巻き付けが終了した後、ノズル昇降モータ31を制御して、直前に巻き付けを行った極4の隣りの隙間5の位置においてノズル7をワーク2の下方位置まで下降させる(S1)。
次に、制御部30は、第1フック駆動部36を制御して、線フック26を、線フック26の軸線方向である第1水平方向におけるワーク2に近づく方向に進行させる(S2)。すなわち、線フック26を、図5、図6に示すワーク保持部11の貫通部12を通して、ワーク保持部11の内側空間13に挿入させる。この際、渡り線ガイド15の2つの引掛部21のうち今回使用する方に近い側(図1の例では左側)から線フック26を内部空間13に挿入させる。そして、線フック26の屈曲部29を、ワーク2の半径方向においてワーク2の内周面よりも内側のノズル7の先端付近に位置させる。このとき、線フック26の軸線又はノズル7の軸線L3に直角な水平方向である第2水平方向において、屈曲部29の先端29a(図1、図3参照)が、ノズル7の軸線L3(図1、図3参照)よりも奥側(図1の紙面に直角な方向における奥側)に位置するように、線フック26を第1水平方向に進行させる前に予め該奥側に位置させておく。
次に、制御部30は、第2フック駆動部37を制御して、線フック26を上記第2水平方向における手前側(図1の紙面に直角な方向における手前側)に移動させることで、屈曲部29に、ノズル7から引き出されて、極4の巻線に繋がる線材部分を引っ掛けさせる(S3)。このとき、屈曲部29は、該線材部分よりもワーク2の径方向の内側に位置し、かつ、屈曲部29の先端29aは該線材部分よりも第2水平方向における手前側に位置する。
次に、制御部30は、第1フック駆動部36を制御して、線フック26を上記第1水平方向におけるワーク2から離れる方向、言い換えればステップS2での線フック26の移動方向と逆方向に後退させる(S4)。そして、図12に示すように、屈曲部29に引っ掛けた線材部分8a(以下単に線材と言う場合がある)を、ワーク2の径方向における渡り線係止部6よりも外側、かつ、渡り線ガイド15の径方向における渡り線ガイド15の外周面よりも外側まで引き出す。
次に、制御部30は、線フック26による線材8aの引掛けを保持したまま、ガイド昇降モータ34を制御して、渡り線ガイド15を上昇させる(S5)。そして、図13に示すように、渡り線ガイド15の円弧壁部22を渡り線係止部6に対峙した位置に配置させる。このとき、円弧壁部22は、渡り線ガイド15又はワーク2の径方向における、渡り線係止部6よりも若干外側の位置に配置される。また、円弧壁部22の上端部18は、渡り線係止部6の上下方向における、渡り線を形成する目標位置100(図13参照)と同等の上下方向位置又は目標位置100よりも若干下方の位置に配置される。
なお、同一の渡り線係止部6に渡り線を複数回掛け渡す場合には、各回間で目標位置100を異ならせる。例えば、複数回の渡り線の掛け渡しのうち、早い回ほど目標位置100を上方位置(ヨーク部3の端面に近い位置)に設定する。そして、制御部30は、同一の渡り線係止部6に渡り線を複数回掛け渡す場合には、各回間で目標位置100を異ならせることに伴い、各回間で渡り線ガイド15の上昇時の位置を異ならせ、具体的には例えば早い回ほど渡り線ガイド15をより上方の位置(ヨーク部3の端面に近い位置)まで上昇させる。
また、制御部30は、渡り線ガイド15が上昇する際に、外側に引き出された線材8aのうち、ノズル7の先端から線フック26の屈曲部29までの部分が渡り線ガイド15の上端部18に接触しないように、渡り線ガイド15の回転方向における位置を上昇前に予め調整しておく。具体的には、制御部30は、ガイド回転モータ35を制御することで、図14に示すように、渡り線ガイド15の2つの引掛部21のうち今回使用する方(図14の例では左側の引掛部21)を、ノズル7の軸線L3よりも奥側に退避させておく。言い換えれば、図14の平面視で見て、ノズル7の軸線L3の延長線のうちノズル7の先端よりも線フック26側の部分L4と、円弧壁部22とが交差しない位置に、引掛部21を退避させておく。
また、制御部30は、渡り線ガイド15の上昇に伴い、必要に応じてノズル7も上昇させてもよい。これによれば、渡り線ガイド15の上昇時に、ノズル7から余分に引き出される線材量を抑えることで、外側に引き出された線材8aの弛みを抑えることができ、後述の工程で該線材8aを強固に渡り線ガイド15に保持させることができる。
次に、制御部30は、ガイド回転モータ35を制御して、渡り線ガイド15を、その中心軸線L2の回りの、外側に引き出された線材8aに引掛部21が接近する方向A(図14参照)に所定角度だけ回転させる(S6)。そして、図15に示すように、引掛部21をノズル7の軸線L3よりも手前側に位置させる。言い換えれば、図15の平面視で見て、ノズル7の軸線L3の延長線のうちノズル7の先端よりも線フック26側の部分L4と、円弧壁部22とが交差する位置まで引掛部21を進行させる。そして、引掛部21に線材8aを引っ掛けさせて、渡り線ガイド15(引掛部21)の内側に位置するノズル7の側に引き戻されないように保持させる。
次に、制御部30は、第1フック駆動部36及び第2フック駆動部37を制御して、線フック26による線材8aの引掛けを解除させる(S7)。具体的には、制御部30は、先ず、第2フック駆動部37を制御して、線フック26を、屈曲部29の屈曲方向と反対方向B(図15参照)に移動させることで、屈曲部29による線材8aの引掛けを解除させる。その後、制御部30は、第1フック駆動部36を制御して、線フック26を、線フック26の軸線方向のうち渡り線ガイド15から離れる方向C(図15参照)に移動させて、図5、図6に示すワーク保持部11の外側まで退避させる。
図16〜図18は線フック26を退避させた後の状態を示している。この状態では、ノズル7から外側に引き出された線材8aは、ノズル7の軸線L3の延長線に対して角度αを付けた状態で引掛部21に引っ掛かり(図16参照)、その引掛部21から円弧壁部22の外径側の面25を経由して、直前に巻き付けた極4の巻線に繋がる。なお、図16の角度αは、平面視で見て、ノズル7の先端と引掛部21との間を結ぶ仮想直線と、ノズル7の軸線L3との成す角度に相当する。
次に、制御部30は、ワーク回転モータ33を制御して、ワーク2をその中心軸線L1の回りに所定角度だけ回転させる(S8)。このときの回転方向は、円弧壁部22の円周方向に沿って線材部分8aの保持に使用する端部21a(図16参照)から、保持に使用しない端部21b(図16参照)へと向かう方向D(図10、図17、図18参照)とする。また、渡り線ガイド15及びノズル7は回転させない。また、ワーク2の回転角度は、形成しようとする渡り線の長さに応じた角度、言い換えれば、次に巻線を巻き付けようとする極4の位置に応じた角度とする。なお、回転後のワーク2の停止位置は、ノズル7が極4と極4の間の隙間5の下方に位置するように設定される。
ワーク2の回転に伴い、線材8がノズル7から引き出され、線材8の引出部分8aは、渡り線ガイド15の引掛部21及び円弧壁部22の外径側の面25を滑りながら、円弧壁部22に対峙した位置にある渡り線係止部6に掛け渡される。このときの渡り線の形成方向は、ワーク2の回転方向Dと逆方向E(図10参照)となる。また、外径側の面25は、図8に示すように傾斜面に形成されるので、線材8aを円弧壁部22の上端部18の方向かつ内径側に容易に案内でき、ひいては渡り線係止部6に容易に案内できる。
次に、制御部30は、ガイド回転モータ35を制御して、渡り線ガイド15を所定角度だけ回転させる(S9)。ここで、複数の渡り線係止部6間に形成される複数のワーク溝50(図1参照)のうち、今回線材8aが掛け渡された渡り線係止部6の終端部に隣接するワーク溝を対象ワーク溝とする。ワーク2の中心軸線L1回りの方向である周方向における対象ワーク溝50の位置(角度)と、ノズル7の直上に位置する極4間の隙間5(言い換えれば、次に線材8の巻き付けを行う極4の隣りの隙間5)の位置(角度)とが合っている場合は、図11のステップS6での回転方向A(図14参照)と逆方向F(図16参照)に所定角度だけ回転させる(S9)。そして、渡り線ガイド15を図14の状態、すなわち、ノズル7の軸線L3の延長線のうちノズル7の先端よりも線フック26側の部分L4と、円弧壁部22とが交差しない位置に、引掛部21を退避させた状態にする。これにより、渡り線ガイド15による線材8aの保持が解除される。
一方、ステップS9において、対象ワーク溝50の位置(角度)と、極4間の隙間5の位置(角度)とがずれている場合は、引掛部21が対象ワーク溝50の位置に合った位置にくるように、言い換えれば、ワーク2の中心軸線L1回りの周方向において引掛部21の位置と対象ワーク溝50の位置とが一致するように、渡り線ガイド15を図14の回転方向A又は図16の回転方向Fに回転させる。そして、渡り線ガイド15に、引掛部21に保持された線材8aを、その保持を維持させつつ対象ワーク溝50に合った位置まで案内させる。なお、この渡り線ガイド15の対象ワーク溝50への位置調整は、ステップS8におけるワーク2の回転後に行ってもよいし、ワーク2の回転中に行ってもよい。また、渡り線ガイド15を図14の回転方向Aに回転させる場合には、引掛部21での線材8aの保持が必要以上に強くならないように、ステップS8においてワーク2の回転量を通常時よりも増加させて、ノズル7から線材8aが余分に引き出されるようにしてもよい。
その後、制御部30は、ノズル昇降モータ31を制御して、ノズル7を上昇させる(S10)。このとき、ノズル7の上昇に伴い、線材8aが対象ワーク溝50に入る。これにより、渡り線係止部6への線材8aの掛け渡し、つまり渡り線の形成が完了する。なお、ステップS9において、引掛部21への線材8aの保持を維持させつつ、引掛部21が対象ワーク溝50の位置に合うように渡り線ガイド15を回転させた場合には、ステップS10では、ノズル7の上昇に伴い、線材8aが引掛部21に傾斜に沿って引掛部21の先端側に摺動していき、最終的に、引掛部21から外れて、対象ワーク溝50に入る。
次に、制御部30は、ガイド昇降モータ34を制御して、渡り線ガイド15を下降させ(S11)、渡り線形成工程を終了する。その後、制御部30は、次の極4に対して巻線を巻き付ける。なお、上述の渡り線形成工程の間中、ノズル7の先端は、ワーク2の内周面及び渡り線ガイド15の内周面よりも径方向内側に位置している。
以上のように、本実施形態では、渡り線係止部6が、ノズルブラケット9が支持される側(言い換えれば線材8がノズル7に供給される側)と反対側(下側)のワーク端面に設けられており、該ワーク端面に対峙するようにノズルブラケット9及びノズル7を90度姿勢変換できない構造となっている。さらに、渡り線係止部6が設けられるワーク端面は、絡げピンが設けられるワーク端面と反対となっている。従来では、この種のワークに対して渡り線を形成する場合には、渡り線係止部が設けられたワーク端面が上方に向くようにワークを巻線機に設置しなおす必要があり、渡り線形成工程が煩雑であった。
これに対して、本実施形態では、ワーク2の下方に渡り線ガイド15を配置して、この渡り線ガイド15を経由して渡り線係止部6に線材8を掛け渡すことが可能である。したがって、絡げピンへの線材8の係止工程及び極4への線材8の巻き付け工程でのワーク2の保持を変更することなく、渡り線係止部6への線材8の掛け渡しが可能となり、渡り線形成工程の煩雑さを軽減できる。また、渡り線形成のためにノズル7を長くしなくてもよく、またノズル7を斜めに姿勢変換しなくてもよいので、内径の小さい又は厚みが大きいワーク2に対しても渡り線を形成できる。
また、渡り線を形成する際には渡り線ガイド15の引掛部21に線材8aを引っ掛けるので、渡り線を形成している最中に線材8aが内側に引き戻されてしまうのを抑制できる。特に、線材8aを、引掛部21においてノズル7の軸線L3に対して角度α(図16参照)を付けた状態で保持するので、その保持を強固にできる。これにより、確実に渡り線を形成できる。また、引掛部21で線材8aを保持した状態で渡り線を形成することで、形成する渡り線が長い場合、短い場合などいずれの長さに対しても対応できる。また、形成しようとする渡り線の長さにかかわらず、線フック26による線材8aの引き出し量を一定にできる。
また、引掛部21は直線状に傾斜した形状となっているので、渡り線ガイド15の第1方向A(図14参照)への回転により、線材8aを、引掛部21の傾斜に沿って引掛部21の深い位置(平行部20に近い位置)まで案内でき、該深い位置にて線材8aを保持できる。これにより、渡り線を形成している最中に引掛部21による線材8aの引掛けが外れてしまうのを抑制できる。また、引掛部21が傾斜形状に形成されることで、渡り線ガイド15の第2方向F(図16参照)への回転の際に、線材8aの、引掛部21に接触した部分が、引掛部21の移動に引きずられて第2方向Dに移動してしまうのを抑制できる。これにより、引掛部21による線材8aの保持を容易に解除できる。また、引掛部21が傾斜形状に形成されることで、ステップS10にてノズル7を上昇させた際に、引掛部21から対象ワーク溝50への線材8aの案内が容易となる。
また、線材8aを、渡り線ガイド15の外周面25を経由して渡り線係止部6に案内するので、渡り線係止部6の外周側に線材8aを掛け渡しやすくなる。これにより、形成する渡り線が長い場合であっても、渡り線係止部6から外れた位置に線材8aが掛けられてしまうのを抑制できる。
また、渡り線ガイド15の外周面25は、渡り線係止部6に沿って円弧状に形成されるので、外周面25から渡り線係止部6への線材8aの案内が容易となる。また、外周面25は、図8に示すように傾斜面に形成されるので、線材8aを、外周面25の周方向に滑らせつつ、外周面25の上端部18の方向かつ内径側の方向、つまり渡り線係止部6の方向に容易に案内できる。
また、線材8aの外側への引き出しは、ノズル7とは別に設けられた線フック26により行うので、ノズル7の先端をワーク2の外周よりも内側に位置させた状態で線材8aの引き出しが可能となる。つまり、ノズル7が短い場合であっても、渡り線形成が可能となる。
線フック26による線材8aの引き出しの際には、渡り線ガイド15が下方に退避されているので、線フック26を第1水平方向(線フック26の軸線方向)及び第2水平方向(水平方向のうち第1水平方向に直角な方向)に移動させるスペースを容易に確保でき、ひいては、線フック26による線材8aの引掛け、及び外側への引き出しが容易となる。
線フック26による線材8aの引掛けの解除は図15の方向Bに線フック26を移動させることで行うが、方向Bは、線材8aが線フック26の移動に引きずられて方向Bに移動すると仮定したときに、線材8aを渡り線ガイド15の引掛部21に押し付ける方向となっているので、その解除の際に線材8aが引掛部21から外れてしまうのを抑制できる。
また、渡り線ガイド15は2箇所に引掛部21を有しており、1回の渡り線形成工程ではいずれ一方の引掛部21を使用する。そして、使用する引掛部21を変えることで、渡り線を形成する方向を変えることができる。例えば、図16では、第1引掛部21aを線材8aの保持に使用しており、第2引掛部21bは線材8aの保持には使用していない。この場合、ワーク2を方向D(図10、図17、図18参照)に回転させることで、渡り線は、方向Dと反対方向E(図10参照)、つまり極4a→極4b→極4c→・・・の方向に沿って形成できる。これに対して、図19に示すように、渡り線ガイド15を180度回転させて、第2引掛部21bに線材8aを引っ掛けさせてもよい。この場合、ワーク2を方向E(図10参照)に回転させることで、渡り線は、方向Eと反対方向D(図10参照)、つまり極4a→極4i→極4h→・・・の方向に沿って形成できる。
また、対象ワーク溝50の位置(角度)と、極4間の隙間5の位置(角度)とがずれている場合は、ステップS9において引掛部21が対象ワーク溝50の位置に合った位置にくるように渡り線ガイド15の位置を調整するので、ワーク溝50がどの位置に形成されたとしても、渡り線の形成が可能となる。
また、ステップS6では、ワーク2及びその保持部11(図6参照)は回転させずに、渡り線ガイド15を回転させることで線材8aを保持させるので、ワーク保持部11の貫通部12の大きさを最小限にできる。これにより、貫通部12を配置しやすく、多くの渡り線引き出し位置を作ることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、ノズルからの線材の引き出しを線フックにより行った例を示したが、ノズル自身で線材を外側に引き出してもよい。この場合、ノズル先端を、ワーク外周及び渡り線ガイドよりも外側まで移動できるように構成する。そして、ノズル先端をワーク外周及び渡り線ガイドよりも外側に位置させることで、線材を外側に引き出す。その後、渡り線ガイドを上昇及び回転させることで、外側に引き出した線材を保持させる。この際、渡り線ガイドとノズルとが干渉しないように、渡り線ガイドの形状を定める。その後、ノズル先端をワーク外周及び渡り線ガイドよりも内側に戻すことで、図16と同様の状態にする。その後、ワークを回転させることで、渡り線ガイドから渡り線係止部に線材を掛け渡す。これによれば、線材を外側に引き出すための線フックを不要にできる。なお、この場合、ノズルが本発明の引出部に相当する。
また、上記実施形態では、線材を渡り線ガイドに保持させた状態でワークを回転させることで渡り線を形成した例を示したが、これに代えて、ワークを停止させて、渡り線ガイド及びノズルを回転させてもよい。これによっても、渡り線ガイド及びノズルの回転に伴い、渡り線ガイドから渡り線係止部に線材を掛け渡すことができる。
また、上記実施形態では、渡り線ガイドの引掛部を傾斜形状とした例を示したが、図20のように引掛部を構成してもよい。図20の渡り線ガイド40は、引掛部となる突出部42及びそれに隣接する凹部46以外は、上記実施形態の渡り線ガイド15と同様に構成される。渡り線ガイド40の円弧壁部41の端部には、円周方向に突出した突出部42と、突出部42の突出方向と逆方向に凹んだ凹部46とが上下方向に隣接して形成されている。凹部46は、平行部43に対して略直角に立ち上がる起立部44と、起立部44の方向と異なる方向に伸びる角度変更部45とを有する。図20の例では、角度変更部45は平行部43に対して略平行な方向に伸びている。この突出部42(凹部46)に線材8aが引っ掛けられる。このとき、線材8aは、起立部44及び角度変更部45に接触する。このように、図20では、線材8aが接触する接触部44、45の方向が途中で変わっている。これによっても、渡り線ガイド40に線材8aを保持できる。
なお、上記実施形態において、線フック26、制御部30、ガイド昇降モータ34、ガイド回転モータ35、第1フック駆動部36、及び第2フック駆動部37が本発明の制御部に相当する。ワーク回転モータ33及び制御部30が回転制御部に相当する。線フック26、制御部30、第1フック駆動部36、及び第2フック駆動部37が引出部に相当する。線フック26が棒状部に相当する。制御部30、第1フック駆動部36、及び第2フック駆動部37が駆動部に相当する。制御部30、ガイド昇降モータ34、及びガイド回転モータ35がガイド位置制御部に相当する。渡り線ガイド15の引掛部21、及び図20の渡り線ガイド40の引掛部42、46が保持部に相当する。図11のステップS6を実行する制御部30及びガイド回転モータ35がガイド回転制御部及び第1のガイド回転制御部に相当する。図11のステップS9を実行する制御部30及びガイド回転モータ35が第2のガイド回転制御部に相当する。図11のステップS10を実行する制御部30及びノズル昇降モータ31がノズル制御部に相当する。制御部30及びガイド昇降モータ34がガイド昇降制御部に相当する。円弧壁部22の外径側の面25が案内部に相当する。
また、図11のステップS2、S3、S4が本発明の第1工程に相当する。ステップステップS5、S6、S7が第2工程に相当する。ステップS8が第3工程に相当する。
1 巻線機
2 ワーク
3 ヨーク部
4 極
6 渡り線係止部
7 ノズル
8 線材
8a 線材の外側への引出部分
15、40 渡り線ガイド
22、41 円弧壁部
21、42、46 引掛部
25 円弧壁部の外径側の面
26 線フック
29 屈曲部
30 制御部
33 ワーク回転モータ
34 ガイド昇降モータ
35 ガイド回転モータ
36 第1フック駆動部
37 第2フック駆動部

Claims (16)

  1. 環状部と、前記環状部から内側に向けて突出して線材が巻き付けられる複数の突出部と、前記環状部の端面に設けられる渡り線係止部とを有したワークに対して渡り線を形成する装置であって、
    前記環状部の内側にて支持されて前記線材を供給するノズルと、
    渡り線ガイドと、
    いずれかの前記突出部への前記線材の巻き付け後に、前記ノズルから供給される前記線材を前記渡り線係止部の外側に引き出して、その引き出し部分を前記渡り線ガイドに保持させる制御部と、
    前記線材が前記渡り線ガイドに保持され、かつ、前記ノズルの先端が前記渡り線ガイドの内側に位置した状態において前記ワークを前記渡り線ガイド及び前記ノズルに対し相対的に回転させる回転制御部とを備え、
    前記渡り線ガイドは、前記状態において、前記ワークの相対的な回転に伴い前記線材を前記渡り線ガイドの外側の面を経由させて前記渡り線係止部に案内する、
    渡り線形成装置。
  2. 前記制御部は、
    前記線材を前記渡り線係止部の外側に引き出す引出部と、
    前記引出部により引き出された前記線材が前記渡り線ガイドに保持されるように前記渡り線ガイドの位置を制御するガイド位置制御部と、
    を備える請求項1に記載の渡り線形成装置。
  3. 前記渡り線ガイドは、外側に引き出された前記線材を内側に引き戻されないように保持する保持部を有し、
    前記保持部は、前記ワークの回転軸線に平行に設定されたガイド軸線の回りにおける第1方向への回転により前記線材の保持を強くし、前記第1方向と反対の第2方向への回転により前記保持を弱くし、
    前記ガイド位置制御部は、前記引出部により前記線材が外側に引き出された後に、前記渡り線ガイドを前記第1方向に回転させて前記線材を前記保持部に保持させるガイド回転制御部を有する請求項2に記載の渡り線形成装置。
  4. 前記ガイド回転制御部は、前記線材が前記ノズルの延長線に対して前記第1方向側に角度を付けた状態で前記保持部に保持されるように、前記渡り線ガイドを回転させる請求項3に記載の渡り線形成装置。
  5. 前記渡り線係止部は、前記環状部の周方向に沿って間隔をあけて複数形成されており、
    前記間隔をワーク溝とし、前記ガイド回転制御部を第1のガイド回転制御部として、
    前記ワークの相対的な回転後又は回転中に、前記保持部が前記ワーク溝の位置に合った位置にくるように前記渡り線ガイドを回転させる第2のガイド回転制御部と、
    前記ワークの相対的な回転後かつ前記第2のガイド回転制御部による制御の実行後に、前記ノズルを、前記ワークの回転軸線に平行な方向であって前記渡り線係止部が形成された前記端面と反対側の前記ワークの端面の方向に移動させるノズル制御部と、
    を備える請求項3又は4に記載の渡り線形成装置。
  6. 前記ガイド回転制御部を第1のガイド回転制御部として、
    前記ワークの相対的な回転後に、前記渡り線ガイドを前記第2方向に移動させる第2のガイド回転制御部を備える請求項3又は4に記載の渡り線形成装置。
  7. 前記ガイド位置制御部は、前記渡り線ガイドを前記ガイド軸線の方向に移動させるガイド昇降制御部を有し、
    前記ガイド昇降制御部は、渡り線を形成する際には前記渡り線ガイドを前記ガイド軸線の方向に沿って前記ワークに接近した位置に進行させ、渡り線形成後、前記渡り線ガイドを前記ワークから遠ざけた位置に退避させる請求項3〜6のいずれか1項記載の渡り線形成装置。
  8. 前記渡り線ガイドは、前記ガイド軸線を中心とした円周方向に円弧状に形成された円弧壁部を有し、
    前記保持部は前記円弧壁部の円周方向における端部であり、
    前記円弧壁部の外径側の面が、前記保持部に保持された前記線材を滑らせながら前記渡り線係止部に案内する案内部である請求項3〜7のいずれか1項に記載の渡り線形成装置。
  9. 前記案内部は、前記ガイド軸線の方向に沿って前記案内部の端部に近づくにつれて徐々に内径側に寄っていく傾斜形状に形成される請求項8に記載の渡り線形成装置。
  10. 前記保持部は前記ガイド軸線に対する円周方向に突出した形状に形成されて、前記突出した形状に前記線材を引っ掛けることで前記線材の保持を行う請求項3〜9のいずれか1項に記載の渡り線形成装置。
  11. 前記保持部は前記ガイド軸線に対する円周方向に突出した形状に形成されて、前記突出した形状に前記線材を引っ掛けることで前記線材の保持を行い、
    前記円弧壁部の円周方向における両方に端部に前記突出した形状が形成される請求項8又は9に記載の渡り線形成装置。
  12. 前記保持部における前記線材との接触部は、前記突出した形状の先端に向かって傾斜した形状に形成される請求項10又は11に記載の渡り線形成装置。
  13. 前記引出部は、
    先端に屈曲部を有した棒状部と、
    前記棒状部を駆動する駆動部とを有し、
    前記駆動部は、前記屈曲部に前記線材を引っ掛けて外側に引き出し、外側に引き出された前記線材が前記渡り線ガイドに保持された後、前記屈曲部の屈曲方向と反対方向に前記棒状部を駆動することで前記線材の引掛けを解除し、
    前記反対方向は、前記線材を前記保持部に押し付ける方向である請求項3〜12のいずれか1項に記載の渡り線形成装置。
  14. 前記渡り線係止部は、前記ノズルへの前記線材の供給側と反対側の前記ワークの端面に設けられる請求項1〜13のいずれか1項に記載の渡り線形成装置。
  15. 環状部と、前記環状部から内側に向けて突出して線材が巻き付けられる複数の突出部と、前記環状部の端面に設けられる渡り線係止部とを有したワークに対して渡り線を形成する方法であって、
    いずれかの前記突出部への前記線材の巻き付け後に、ノズルから供給される前記線材を前記渡り線係止部の外側に引き出す第1工程と、
    前記渡り線係止部の外側に引き出された線材を、内側に引き戻されないように保持しつつ、前記渡り線係止部への掛け渡しが可能な状態にする第2工程と、
    前記状態にあり、かつ、前記ノズルの先端が、外側に引き出された前記線材の保持位置よりも内側に位置した状態で、前記ワークを前記ノズルに対し相対的に回転させることで、前記線材が内側に引き戻されないように保持しつつ、前記渡り線係止部への前記線材の掛け渡しを行う第3工程と、
    を備える渡り線形成方法。
  16. 前記第2工程では、前記ワークの回転軸線に平行に設定されたガイド軸線に対する円周方向に円弧状に形成された円弧壁部を有した渡り線ガイドを前記ガイド軸線の方向及び前記ガイド軸線の回りに移動させて、前記円弧壁部の円周方向における端部に前記線材を引っ掛けた状態にし、
    前記第3工程では、前記ワークの相対的な回転に伴い前記線材を前記端部及び前記円弧壁部の外径側の面を滑らせながら前記渡り線係止部に掛け渡す請求項15に記載の渡り線形成方法。
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