JP2020187336A - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】逓倍周期の走査線間隔を考慮して、よりアモレを適切に抑制することができるヘッドアップディスプレイ装置を提供する。【解決手段】レーザスキャナから出力されるレーザ光を反射もしくは透過させる複数のエレメント22がアレイ状に配置されたスクリーン20を備える。レーザスキャナにより、スクリーン20の走査面21上において、レーザ光がx軸方向に往復動させられると共に、y軸方向に一定の移動量で移動させられる走査線軌跡で走査させられることで、スクリーン20は走査面21上に表示画像を結像する。このスクリーン20について、レーザ光の走査周期の1周期分におけるy軸方向でのレーザ光の移動量をスキャンピッチPsとして、複数のエレメント22におけるy軸方向のエレメントピッチに相当する長さLyをスキャンピッチPsの整数倍と異なる値とする。【選択図】図3C

Description

本発明は、レーザ光の走査による描画に基づいて、表示画像の投影を行うヘッドアップディスプレイ装置に関する。
従来、特許文献1において、画質の低下を抑制することができる画像表示用の光走査装置が提案されている。この光走査装置は、光源および光源からの光を偏向する二次元偏向手段を含む光走査系と、光走査系から光が照射されるマイクロレンズアレイとを備えた構成とされている。そして、マイクロレンズアレイのアレイ状に配置されたレンズ配列において、xy平面内のX方向に直交するY方向のレンズピッチをX方向において変化させるようにしている。
光走査装置では、走査線の周期とレンズ配列構造の周期の干渉によるモアレと呼ばれる干渉縞が画質劣化の要因となる。これに対して、マイクロレンズアレイのレンズ配列を上記のようにすることで、レンズピッチが画面内での走査線間隔の軌跡に重ならないように変化させられる。つまり、マイクロレンズアレイのレンズピッチを光のスキャンの広がりに合わせて広げられる。これにより、モアレを回避できるようにしている。
特開2017−3803号公報
特許文献1では、隣接する走査線軌跡同士の間隔を走査線間隔として、走査線間隔の軌跡にレンズピッチが重ならないようにしている。しかしながら、走査線間隔としては、隣接する走査線軌跡同士の間隔だけでなく、1つ離れた走査線軌跡同士の間隔、2つ離れた走査線軌跡同士の間隔、3つ離れた走査線軌跡同士の間隔のように、離れた走査線軌跡同士の間隔も存在する。特許文献1では、このような離れた走査線軌跡同士の間隔について考慮していない。なお、以下の説明において、隣接する走査線軌跡同士の間隔については、基本となる走査線周期に相当することから、基本周期という。また、1つ離れた走査線軌跡同士の間隔については、走査中央では基本周期の2倍となることから、2倍周期という。同様に、2つ離れた走査線軌跡同士の間隔については、走査中央では基本周期の3倍となることから3倍周期、3つ離れた走査線軌跡同士の間隔については、走査中央では基本周期の4倍となることから4倍周期という。
このように、特許文献1では、基本周期における走査線間隔の軌跡を考慮しているものの、2倍周期などの逓倍周期の走査線間隔の軌跡については考慮していない。特に、2倍周期や4倍周期のように偶数倍周期においては、走査線間隔が全スキャン範囲において同じ値となるし、基本周期についても走査中央から一方の走査端側に走査するときには走査線間隔が徐々に広がるが、逆に走査端から走査中央に向かって走査するときには走査線間隔が狭い状態から始まる。したがって、単にマイクロレンズアレイのレンズピッチを光の走査線間隔の広がりに合わせて広げたのでは、モアレを抑制する効果を適切に奏することができない。
本発明は上記点に鑑みて、逓倍周期の走査線間隔を考慮して、よりアモレを適切に抑制することができるヘッドアップディスプレイ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置は、表示画像を形成するレーザ光を出力するレーザスキャナ(10)と、レーザスキャナから出力されるレーザ光を反射もしくは透過させる複数のエレメント(22)がアレイ状に配置されたスクリーン(20)と、を有している。このような構成において、スクリーンは、該スクリーンにおける走査面(21)上における一方向をx軸方向、該x軸方向に対して垂直な方向をy軸方向として、レーザスキャナにてレーザ光がx軸方向に往復動させられつつ、y軸方向に一定の移動量で移動させられる走査線軌跡で走査されると、走査面上に表示画像を結像し、レーザ光の走査周期の1周期分におけるy軸方向でのレーザ光の移動量をスキャンピッチPsとして、複数のエレメントにおけるy軸方向のエレメントピッチに相当する長さLyがスキャンピッチPsの整数倍と異なる値に設定されている。
このように、複数のエレメントにおけるy軸方向のエレメントピッチとなる長さLyをスキャンピッチPsの整数倍と異なる値としている。これにより、長さLyを示す線が基本周期や逓倍周期の走査線間隔の軌跡と1度しか交差しないようにでき、モアレを適切に抑制できる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態にかかるヘッドアップディスプレイ装置の車両への搭載状態を示した図である。 ヘッドアップディスプレイ装置の概略構成を示した図である。 スクリーンの斜視図である。 スクリーンの部分断面図である。 スクリーンの部分正面図である。 レーザ光の強度とビーム径との関係を示した図である。 走査線軌跡をxy座標上に示した図である。 走査線軌跡を用いて走査線間隔について説明した図である。 x軸上における走査中央からの距離と走査線間隔の変化の関係を示した図である。 (a)は上下方向におけるアイボックスのサイズとエレメントの長さLyとの関係を模式的に表した図、(b)は(a)中の領域Raの拡大模式図、(c)は(a)中の領域Rbの拡大模式図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態にかかるヘッドアップディスプレイ装置について説明する。ヘッドアップディスプレイ装置は、車両に適用されるものであり、ドライバに対して表示画像の虚像を視認させることで、車速やナビゲーションシステムによる進行方向の表示などの情報を提供するものとして用いられる。
図1に示すヘッドアップディスプレイ装置100は、例えば車両のインストルメントパネル1内に収容されており、ウィンドシールド2の投影面3に表示画像を投影することで、ドライバに表示画像の虚像4を視認可能とする。表示画像については、ドライバが運転席に着座したときの眼5の位置として想定される長方形の領域をアイボックスとして、アイボックスから投影面3に投影された表示画像の虚像4が視認可能となるように表示される。
ヘッドアップディスプレイ装置100は、レーザスキャナ10、スクリーン20および凹面鏡30を備えている。
レーザスキャナ10は、スクリーン20の一面側に配置されており、スクリーン20の一面に対して表示画像を形成するレーザ光を出力する。具体的には、図2に示すように、レーザスキャナ10は、コントローラ11、光源部12、光学部13、微小電気機械システム(以下、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)という)ミラー部14を有した構成とされている。
コントローラ11は、プロセッサ等によって構成される制御装置で構成され、光源部12からのレーザ光の投射やMEMSミラー部14による光走査などを制御する制御部に相当するものである。コントローラ11は、後述する各レーザ投射部12a〜12cに対して制御信号を伝えることにより、各レーザ投射部12a〜12cからのレーザ光の投射を制御する。
光源部12は、3つのレーザ投射部12a〜12c等によって構成されており、各レーザ投射部12a〜12cからレーザ光を断続的にパルス点灯させることにより、レーザ光を投射する。各レーザ投射部12a〜12cは、互いに異なる周波数、即ち異なる色相のレーザ光を投射する。具体的には、レーザ投射部12a〜12cは、それぞれ、赤色、青色、緑色のレーザ光を投射する。なお、図2中では、赤色、青色、緑色をそれぞれR、B、Gとして示してある。このように、異なる色相のレーザ光を加色混合することにより、種々の色が再現可能とされている。
光学部13は、三つのコリメートレンズ13a〜13c、ダイクロイックフィルタ13d〜13fおよび集光レンズ13gを有している。
各コリメートレンズ13a〜13cは、各レーザ投射部12a〜12cのレーザ光の投射方向にそれぞれ配置されており、レーザ光を屈折させることにより、平行光を生成する。
各ダイクロイックフィルタ13d〜13fは、各コリメートレンズ13a〜13cを挟んで各レーザ投射部12a〜12cの投射方向に、それぞれ配置されている。レーザ投射部12aの投射方向に配置されるダイクロイックフィルタ13dは、赤色の周波数のレーザ光を透過させ、それ以外の周波数のレーザ光を反射させる。レーザ投射部12bの投射方向に配置されるダイクロイックフィルタ13eは、青色の周波数のレーザ光を反射させ、それ以外の周波数の光を透過させる。レーザ投射部12cの投射方向に配置されるダイクロイックフィルタ13fは、緑色の周波数のレーザ光を反射させ、それ以外の周波数の光を透過させる。各ダイクロイックフィルタ13d〜13fの作用によって、各レーザ投射部12a〜12cから投射されたレーザ光は、集光レンズ13gに到達する。
集光レンズ13gは、平面状の入射面及び凸面状の出射面を有する平凸レンズである。集光レンズ13gは、入射面に入射するレーザ光を屈折させることにより、収束させる。これにより集光レンズ13gを通過したレーザ光は、MEMSミラー部14で反射されて、スクリーン20の後述する走査面21に照射される。
MEMSミラー部14は、集光レンズ13gから入射されるレーザ光を走査し、スクリーン20に向けて投射することで、スクリーン20に表示画像を形成するものである。
MEMSミラー部14は、第1スキャナ14aおよび第2スキャナ14bを備えている。第1スキャナ14aは、集光レンズ13gおよび第2スキャナ14bにその反射面を向けた姿勢で配置され、集光レンズ13gから入射されたレーザ光を第2スキャナ14bに向けて反射させる。第2スキャナ14bは、第1スキャナ14aとスクリーン20にその反射面を向けた姿勢で配置されている。そして、第1スキャナ14aが水平回転軸によって、第2スキャナ14bが鉛直回転軸によって、それぞれ支持されている。
このように構成されたMEMSミラー部14は、コントローラ11からの駆動信号に基づいて第1スキャナ14aおよび第2スキャナ14bが各回転軸周りに回転変位させられることで駆動される。そして、第1スキャナ14aおよび第2スキャナ14bが回転変位させられることで、MEMSミラー部14が反射させるレーザ光の方向が、図2に示す走査線SLのように走査される。
スクリーン20は、ガラス等の基材の表面にアルミニウム等を蒸着させることにより形成される反射型スクリーンで構成されており、レーザスキャナ10にて走査されるレーザ光が入射されることで、走査面21上に表示画像を結像する。スクリーン20は、図3A〜図3Cに示すように、仮想の基準平面に沿うx軸方向およびそれに垂直なy軸方向のそれぞれにおいて、複数の微小なマイクロミラーで構成されたエレメント22を等間隔にアレイ状に配列したマイクロミラーアレイとされている。すなわち、エレメント22がx軸方向およびy軸方向それぞれにおいて所定のエレメントピッチで連続的に繰り返し配置された構造となる。そして、このエレメント22で敷き詰められた一面が走査面21とされる。
各エレメント22は、その表面が、凹面鏡30に向けてレーザ光を反射および回折させつつ、アイボックスに向けてレーザ光を拡げるよう湾曲する凸曲面で構成されている。図3Cに示すように、各エレメント22の上面形状は四角形とされており、本実施形態では、各エレメント22は、x軸方向のエレメントピッチに相当する長さLxとy軸方向のエレメントピッチに相当する長さLyを等しくした正方形とされている。エレメント22のうちの少なくとも長さLyについては、スキャンピッチ、つまり走査周期の1周期分におけるy軸方向でのレーザ光の移動量との関係から決められている。スキャンピッチをPsとすると、長さLyは、例えば、0.05Ps≦Ly≦0.95Ps、1.05Ps≦Ly≦1.95Ps、2.05Ps≦Ly≦2.95というように、スキャンピッチPsの整数倍と異なる値に設定される。さらに、隣り合うエレメント22で反射したレーザ光が相互に重なり合って干渉する干渉ノイズも考慮して、長さLyや長さLxをレーザ光のビーム径Rb以上にすると好ましい。
なお、上記したように、MEMSミラー部14からの光が走査面21に照射されるが、照射される際のレーザ光のビーム径Rb、換言すればレーザ光の直径は、例えば100μm程度とされる。ビーム径は、図4に示すように、レーザ光の中心位置の強度を1としたときに、強度が1/e以上となる領域までの範囲として規定している。
このため、例えば、スキャンピッチPsを50μmとする場合、エレメント22のy軸方向の長さLyを100+αμmとなる102.5μm以上などとしている。
凹面鏡30は、図1に示すように、例えばスクリーン20の水平方向に配置され、スクリーン20の走査面21によって反射されたレーザ光をウィンドシールド2の投影面3に向けて反射させる反射面を有している。凹面鏡30は、中央部分が凹む凹面を有し、凹面が反射面とされていると共に、スクリーン20側に向けられて配置されている。
以上のようにして、ヘッドアップディスプレイ装置100が構成されている。次に、ヘッドアップディスプレイ装置100の動作およびモアレの抑制効果について説明する。
上記したように、コントローラ11からの制御信号に基づいて、光源部12の3つのレーザ投射部12a〜12cより適宜レーザ光が投射され、それがコリメートレンズ13a〜13c等を経て、集光レンズ13gに入射されて集光される。さらに、コントローラ11からの駆動信号に基づいて、第1スキャナ14aおよび第2スキャナ14bが回転変位させられ、集光レンズ13gからのレーザ光の方向が、図2に示す走査線SLのように走査される。これにより、スクリーン20の走査面21に投射された光が結像されて表示画像が形成される。具体的には、投射されるレーザ光による点状の発光の走査により、点状の発光を一つの画素として組み立てられ結像されることで、スクリーン20の走査面21に表示画像が描画される。そして、このスクリーン20に描画された表示画像が、凹面鏡30で反射されて投影面3に投影される。したがって、ドライバに表示画像の虚像を視認させることが可能となり、ヘッドアップディスプレイ装置100による情報の提供が可能となる。
このようにして表示画像による情報の提供を行うにあたり、モアレが抑制できるように、走査線軌跡同士の間隔となる走査線間隔とエレメント22の配置間隔であるエレメントピッチとを設定している。これについて、図5、図6および図7を参照して説明する。
図5は、走査面21上における走査線軌跡や走査線間隔をxy座標で表した図である。図6には、図5の走査線軌跡を用いて走査線間隔についての説明を示してある。図7は、x軸方向において走査線軌跡の中央位置である走査中央からの距離と走査線間隔の変化との関係を示している。
図5に示されるように、走査線SLは、x軸方向において往復動しながら、一定の移動量、換言すれば一定の移動速度でy軸方向に移動するという走査線軌跡を辿る。ここで、図6に示すように、走査周期の1周期分を基本周期とし、基本周期中において隣り合う走査線軌跡同士の走査線間隔を基本周期間隔W1という。
図7中において、線L1a、L1bが走査中央からの距離に対する基本周期間隔W1の変化を表している。例えば、図6の点Aからx軸方向における左側の走査端(以下、左端という)を経由した後、走査中央の点Bに至り、さらに右側の走査端(以下、右端という)を経由して再び走査中央の点Cに至る基本周期を想定する。
その場合、走査中央の点Aと点Bの間隔は、スキャンピッチPsの半分のPs/2となる。そして、点Aから左端の点Dに至ったときに、基本周期間隔W1は、左端の点Dと前の基本周期における左端の点Eとの間の距離となる。このため、A点から点Dに至るまでの間においては、基本周期間隔W1は、Ps/2から徐々に増加していき、左端においてPsになる。同様に、点Bから点Fについても同様であり、Ps/2から徐々に増加していき、右端においてPsになる。このため、これらの間における基本周期間隔W1の変化は図7中の軌跡L1aで示される。
しかしながら、基本周期間隔W1は点Dから点Bに至る間および点Fから点Cに至る間では、上記のように徐々に増加するという変化にならない。これについて、右端の点Fから点Cに至る迄の間における基本周期間隔W1の変化で見てみると、このときの基本周期間隔W1は、点Bから点Fに至る迄の走査線軌跡と点Fから点Cに至る迄の走査線軌跡との間隔となる。したがって、点Fでは、基本周期間隔は0となり、点Fから点Cに至る迄に徐々に増えてPs/2となる。このため、これらの間における基本周期間隔W1の変化は図7中の軌跡L1bで示されることになる。
また、基本周期のみでなく、2倍周期や3倍周期さらには4倍周期などの逓倍周期の走査線間隔の軌跡は、以下のようになる。
2倍周期における走査線間隔(以下、2倍周期間隔という)ついては、例えば点Aから左端の点Dに至るまでの走査線軌跡と、次の周期の点Cから更に左端の点Gに至る迄の走査線軌跡との走査線間隔というように、1つ離れた走査線軌跡同士の間隔となる。点Aから点Dに至る迄の走査線軌跡と点Cから点Gに至る迄の走査線軌跡は、y軸方向に一定距離移動しているものの同じ軌跡となることから、2倍周期間隔はPsで一定となる。このため、2倍周期間隔の変化は無く、図7中の軌跡L2で示されるようにPsで一定値になる。
3倍周期における走査線間隔(以下、3倍周期間隔という)ついては、例えば点Aから左端の点Dに至るまでの走査線軌跡と点Gから更に走査中央の点Hに至る迄の走査線軌跡との走査線間隔のように、2つ離れた走査線軌跡同士の間隔となる。この3倍周期間隔は、基本周期間隔W1に対してPs加算した値となる。このため、3倍周期間隔の変化は、図7中の軌跡L3a、L3bで示されることになる。
さらに、4倍周期における走査線間隔(以下、4倍周期間隔という)ついては、例えば点Aから左端の点Dに至るまでの走査線軌跡と、2つ後の周期の点Jから左端の点Kに至る迄の走査線軌跡との走査線間隔というように、3つ離れた走査線軌跡同士の間隔となる。点Aから点Dに至る迄の走査線軌跡と点Jから点Kに至る迄の走査線軌跡は、y軸方向に一定距離移動しているものの同じ軌跡となることから、4倍周期間隔は2Psで一定となる。このため、4倍周期間隔の変化はなく、図7中の軌跡L4で示されるように2Psで一定値になる。
ここで、特許文献1に示される従来技術のように、x軸方向において走査中央から離れるほどy軸方向でのマイクロレンズアレイのレンズピッチが大きくなるようにした場合、そのピッチの変化は曲線Ljで示される。この曲線Ljは、基本周期間隔の変化を示す軌跡L1aから離れたものになる。しかしながら、基本周期間隔以外となる2倍周期間隔や3倍周期間隔の変化を示す軌跡L2、L3bのいずれにも重なった状態になる。
このような状態では、基本周期間隔における軌跡L1aを考慮しているものの、2倍周期などの逓倍周期の走査線間隔の軌跡については考慮していないことになり、モアレを抑制する効果を適切に奏することができない。
これに対して、本実施形態では、y軸方向のエレメントピッチとなる長さLyをスキャンピッチPsの整数倍と異なる値としている。このため、図7において、長さLyを130μmとした場合を一例として示したように、y軸方向のエレメントピッチとなる長さLyを示す直線が軌跡L1a、L1b、L2、L3a、L3b、L4と1度しか交差しない。これにより、モアレを抑制する効果を適切に奏することが可能になっている。
本発明者らが、実験等に基づいてモアレを抑制する効果が得られる範囲について鋭意検討を行った結果、モアレを抑制するには、基本周期間隔の変化の軌跡L1a、L1bのみでなく、逓倍周期の走査線間隔の軌跡を考慮する必要があることが判った。ただし、基本周期間隔の変化の軌跡L1a、L1bや逓倍周期の走査線間隔の軌跡とまったく交差しないことまでは必要とされず、1度交差することは許容され、少なくとも人の肉眼で視認できる範囲においては、モアレを抑制する効果が得られることを確認した。
したがって、本実施形態では、y軸方向のエレメントピッチとなる長さLyをスキャンピッチPsの整数倍と異なる値とし、長さLyを示す直線が軌跡L1a、L1b、L2、L3a、L3b、L4と1度しか交差しないようにしている。このようにすることで、モアレを適切に抑制することが可能となる。
なお、モアレを抑制する効果を適切に奏するためには、y軸方向のエレメントピッチとなる長さLyをスキャンピッチPsの整数倍と異なる値とすれば良い。ただし、実験等に基づけば、y軸方向のエレメントピッチとなる長さLyがスキャンピッチPsの整数倍と異なる値であっても、その値に近い場合に、若干モアレが発生することがあることを確認している。
これは、モアレを形成する光が眼の瞳孔に入るためと考えられる。その影響を調べたところ、軌跡L1a、L1b、L2、L3a、L3b、L4に対して、所定値を加減算した範囲、例えば±2.5μm程度の範囲の領域に長さLyを示す線が重なる場合に、若干モアレが発生し得ることが判った。したがって、上記したように、スキャンピッチPsの整数倍±2.5μmの範囲の領域に長さLyを示す線が重ならないようにすると良い。
ここで、上記した数値範囲は、モアレを形成する光が眼の瞳孔に入る範囲を規定したものである。以下、数値の一例を挙げて、上記した数値範囲となる理由について説明するが、
ここで説明する数値は、すべて一例を示しているに過ぎず、ヘッドアップディスプレイ装置100の各部の寸法などに応じて異なった値になり得る。
図8(a)は、例えば上下方向におけるアイボックスサイズが140mmに設定され、エレメント22の長さLyを100μmとした場合の関係を示している。図8に示すように、1つ1つのエレメント22の長さLyとアイボックスサイズとが対応する関係を有している。
図8(b)に示す瞳孔サイズは、人間では最低2mm、最大でも6〜7mmとなっている。モアレを形成する光は瞳孔内に入る光のみ影響することに鑑みて、瞳孔サイズからモアレの影響を受け得る範囲を想定することができる。具体的には、瞳孔サイズの最大を7mmとすると、アイボックス上における7mmは、図8(c)に示すようにスクリーン20上における5μmと対応する。したがって、スキャンピンチPsを中心とする5μmの範囲がモアレの影響を受け得る範囲と考えられる。このため、スキャンピッチPsが50μmである場合、2.05Ps≦Ly≦2.95のように、スキャンピッチPsの整数倍±5%を外した範囲として表されることになる。
なお、ここでは瞳孔サイズを最大に見込んだ場合に、モアレの影響を受け得る範囲を見込んだが、瞳孔サイズとして見込む大きさを変える場合、その範囲を小さく見込むこともできる。
また、ここでは上下方向におけるアイボックスサイズを140mm、エレメント22の長さLyを100μmとし、瞳孔サイズを7mとした場合に、5μmの範囲でモアレの影響を受け得るとしている。しかしながら、これらの数値は一例を示しているに過ぎない。すなわち、上下方向におけるアイボックスサイズやエレメント22の長さLyおよび瞳孔サイズとして見込む大きさに応じて、モアレの影響を受け得る範囲を設定できる。
例えば、上下方向におけるアイボックスサイズをLbox、瞳孔サイズとして見込むアイボックスの一部を切り出したサイズをLeye、切り出したサイズLeyeと対応するエレメント22の一部のサイズをLsとする。その場合、エレメント22の長さサイズLyを用いて、数式1が成り立つ。
(数1)
box:Leye=Ly:Ls
この数式より、Ls=Leye・Ly/Lboxが導出される。このため、瞳孔サイズとして見込むサイズに応じてLsの範囲を決めることができる。例えば、瞳孔サイズの最小値をLeye(min)、最大値をLeye(max)とすると、瞳孔サイズと対応するエレメント22の一部のサイズLsは、数式2で表される。
(数2)
eye(min)・Ly/Lbox≦ Ls ≦ Leye(max)・Ly/Lbox
したがって、上記数式2で示される範囲内の任意の所定値をモアレの影響を受け得る範囲の幅として設定し、スキャンピンチPsの整数倍を中心としてその幅分の範囲を外して長さLyを設計することで、モアレの影響を抑制することが可能となる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、y軸方向のエレメントピッチとなる長さLyを一定値とする場合を例に挙げて説明したが、走査中央から離れるほど長さLyが大きくもしくは小さくなるように変化させても良い。その場合でも、長さLyを示す線が軌跡L1a、L1b、L2、L3a、L3b、L4と1度しか交差しないようにすれば、モアレを抑制する効果を好適に奏することができる。
また、上記実施形態では、スクリーン20を構成するエレメント22が四角形とされる場合を例に挙げて説明したが、四角形に限らず、円形、六角形など多角形のように、他の形状で構成されていても良い。
また、上記実施形態では、スクリーン20を反射型スクリーンで構成する場合について説明したが、エレメント22としてレンズがアレイ状に配置されたマイクロレンズアレイにて構成される透過型スクリーンで構成されていても良い。その場合、スクリーン20にてレーザ光を透過し、その透過した光を用いて表示画像の表示を行う形態のヘッドアップディスプレイ装置とすれば良い。
10 レーザスキャナ
20 スクリーン
21 走査面
22 エレメント
100 ヘッドアップディスプレイ装置

Claims (6)

  1. 表示画像の表示を行うヘッドアップディスプレイ装置であって、
    前記表示画像を形成するレーザ光を出力するレーザスキャナ(10)と、
    前記レーザスキャナから出力される前記レーザ光を反射もしくは透過させる複数のエレメント(22)がアレイ状に配置されたスクリーン(20)と、を有し、
    前記スクリーンは、
    該スクリーンにおける走査面(21)上における一方向をx軸方向、該x軸方向に対して垂直な方向をy軸方向として、前記レーザスキャナにて前記レーザ光が前記x軸方向に往復動させられつつ、前記y軸方向に一定の移動量で移動させられる走査線軌跡で走査されると、前記走査面上に前記表示画像を結像し、
    前記レーザ光の走査周期の1周期分における前記y軸方向での前記レーザ光の移動量をスキャンピッチPsとして、前記複数のエレメントにおける前記y軸方向のエレメントピッチに相当する長さLyが前記スキャンピッチPsの整数倍と異なる値に設定されている、ヘッドアップディスプレイ装置。
  2. 前記長さLyが前記スキャンピッチPsの整数倍に対して所定値を加減算した範囲と異なる値に設定されている、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  3. 前記長さLyが前記スキャンピッチPsの整数倍を中心とした5μmの範囲と異なる値に設定されている、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  4. 前記長さLyが前記スキャンピッチPsの整数倍を中心とした所定範囲と異なる値に設定されている、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  5. ドライバの目(5)の位置として規定される長方形状の領域となるアイボックスの上下方向でのサイズをLbox、前記目の瞳孔サイズの最小値と最大値をそれぞれLeye(min)とLeye(max)、前記スクリーン上における前記瞳孔サイズと対応するサイズをLsとして、
    eye(min)・Ly/Lbox≦ Ls ≦ Leye(max)・Ly/Lbox
    を満たす範囲内の任意の数値の前記サイズLsを前記所定範囲の幅として、前記長さLyが前記幅で設定される前記所定範囲と異なる値に設定されている、請求項4に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  6. 前記エレメントは湾曲する凸曲面とされており、上面形状が四角形となっていて、
    前記y軸方向のエレメントピッチに相当する長さLyは、前記エレメントを構成する四角形のうちの前記y軸方向の長さである、請求項1ないし5のいずれか1つに記載のヘッドアップディスプレイ装置。
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