JP2020186649A - 遠心圧縮機のインペラ、遠心圧縮機及びターボチャージャ - Google Patents

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Hironori Honda
浩範 本田
健一郎 岩切
Kenichiro Iwakiri
健一郎 岩切
勲 冨田
Isao Tomita
勲 冨田
藤田 豊
Yutaka Fujita
豊 藤田
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Abstract

【課題】遠心圧縮機の性能を向上可能な遠心圧縮機のインペラ、遠心圧縮機及びターボチャージャを提供する。【解決手段】遠心圧縮機のインペラは、ハブの周りに設けられた複数の翼を備え、前記翼の後縁において、前記翼のスパン方向における中央位置よりもシュラウド側の第1位置における翼角は、前記中央位置よりもハブ側の第2位置における翼角よりも大きい。【選択図】 図3

Description

本開示は、遠心圧縮機のインペラ、遠心圧縮機及びターボチャージャに関する。
遠心圧縮機のインペラは、遠心圧縮機の性能が向上し得るように設計されることがある。
例えば、特許文献1には、ターボチャージャに用いられる圧縮機のインペラにおいて、翼の後縁を含む部分をバックプレートよりも径方向外側に突出させるとともに、翼のハブ近傍における後縁の形状を凸状の曲線形状とすることにより、応力の増加を抑制しつつ圧縮機の性能向上を図ることが記載されている。
特許第5538240号公報
ところで、遠心圧縮機のインペラの入口部では、翼のシュラウド側端(先端)はハブ側端よりも径方向外側に位置するため、シュラウド側ではハブ側に比べてインペラの周速が比較的大きく、したがって、インペラに対する流体の相対速度も比較的大きい。このように、インペラの入口部でシュラウド側とハブ側との間で流体の相対速度の差が存在すると、これに起因してインペラの出口部において流体の流動に不均一が生じることがあり、この場合、圧縮機の性能が低下することがある。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、遠心圧縮機の性能を向上可能な遠心圧縮機のインペラ、遠心圧縮機及びターボチャージャを提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る遠心圧縮機のインペラは、
ハブの周りに設けられた複数の翼を備え、
前記翼の後縁において、前記翼のスパン方向における中央位置よりもシュラウド側の第1位置における翼角は、前記中央位置よりもハブ側の第2位置における翼角よりも大きい。
遠心圧縮機の翼の前縁においては、ハブ側よりもシュラウド側(先端側)が径方向外側に位置するため、翼の周速及び翼に対する流体の相対速度はシュラウド側の方がハブ側に比べて大きくなる。一方、翼の後縁では、ハブ側端からシュラウド側端(先端)まで概ね同じ径方向位置に存在するため、上述の周速及び相対速度にあまり大きな差はない。このため、翼のシュラウド側における流体の減速比はハブ側よりも大きくなり、シュラウド側における翼負荷が過大となる傾向がある。
この点、上記(1)の構成によれば、翼の後縁における翼角(バックワード角)が、ハブ側に比べてシュラウド側のほうが大きいので、翼の後縁位置でのシュラウド側での流体の相対速度がハブ側に対して大きくなる。よって、シュラウド側における上述の減速比をハブ側の減速比に近づけることができ、シュラウド側において翼負荷が過大となるのを抑制することができる。これにより、翼負荷過大に伴う流れの剥離や二次流れの発生を抑制することができ、このため、遠心圧縮機の性能を向上させることができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記翼のハブ側端における後縁位置での翼角をβ2,hubとし、前記翼のシュラウド側端における後縁位置での翼角をβ2,shroudとしたとき、前記翼角β2,hub及び前記翼角β2,shroudは、β2,hub<β2,shroudを満たす。
翼において流体の減速比が大きくなる傾向は、前縁にて径方向の最も外側に位置するシュラウド側端にて最も大きく表れやすく、このため、翼負荷が過大となる傾向もシュラウド側端にて最も表れやすい。この点、上記(2)の構成によれば、シュラウド側端におけるバックワード角β2,shroudを、ハブ側端におけるバックワード角β2,hubよりも大きくしたので、シュラウド側端における上述の減速比をハブ側端の減速比に近づけることができる。よって、翼のシュラウド側において翼負荷が過大となるのを効果的に抑制することができ、これにより、翼負荷過大に伴う流れの剥離や二次流れの発生を効果的に抑制することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記翼角β2,hub及び前記翼角β2,shroudは、β2,shroud−β2,hub≧5°を満たす。
上記(3)の構成によれば、シュラウド側端におけるバックワード角β2,shroudを、ハブ側端におけるバックワード角β2,hubよりも5°以上大きくしたので、シュラウド側における上述の減速比をハブ側の減速比に近づけやすくなり、シュラウド側において翼負荷が過大となるのをより効果的に抑制することができる。これにより、翼負荷過大に伴う流れの剥離や二次流れの発生をより効果的に抑制することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)又は(3)の構成において、
前記翼の前記ハブ側端における90%無次元子午面長位置での翼角をβ90%,hubとしたとき、前記翼角β2,hub及び前記β90%,hubは、|β90%,hub−β2,hub|≦10°を満たす。
(5)幾つかの実施形態では、上記(2)乃至(4)の何れかの構成において、
前記翼の前記シュラウド側端における90%無次元子午面長位置での翼角をβ90%,shroudとしたとき、前記翼角β2,shroud及び前記β90%,shroudは、|β90%,shroud−β2,shroud|≦10°を満たす。
翼の後縁付近(即ち、後縁よりも少し前縁側の位置から後縁にかけての位置範囲)で翼角を急激に変化させると、この位置において流れが翼に沿わなくなり、上記(1)の構成より得られる効果、すなわち、翼負荷過大に伴う流れの剥離や二次流れの発生を抑制するとの効果が得られにくくなる可能性がある。
この点、上記(4)又は(5)の構成によれば、翼の90%無次元子午面長位置の翼角β90%,shroudと、バックワード角β2,shroudとの差を10度以下にしたので、翼の後縁付近における翼角の変化が比較的緩やかとなる。これにより、上記(1)の構成より得られる効果、すなわち、翼負荷過大に伴う流れの剥離や二次流れの発生を抑制するとの効果が十分に得られやすくなる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの構成において、
前記翼の後縁位置における翼角は、前記翼のシュラウド側端から前記翼のハブ側端まで単調減少する。
翼における流体の減速比は、翼の前縁の位置における径方向位置におよそ依存するため、径方向にて最も外側のシュラウド側端で最も大きく、ハブ側に向かうにつれて徐々に小さくなる傾向となる。この点、上記(6)の構成によれば、シュラウド側端からハブ側端に至るまでバックワード角が単調減少するようにしたので、シュラウド側における上述の減速比を効果的に低減することができ、これにより、シュラウド側において翼負荷が過大となるのを効果的に抑制することができる。よって、翼負荷過大に伴う流れの剥離や二次流れの発生をより効果的に抑制することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの構成において、
前記インペラの中心軸と前記翼の後縁の前記ハブ側端との距離をR2,hubとし、前記中心軸と前記翼の前記後縁の前記シュラウド側端との距離をR2,shroudとしたとき、前記距離R2,hub及び前記距離R2,shroudは、R2,hub<R2,shroudを満たす。
上記(1)の構成のようにバックワード角に分布を持たせることで、翼の後縁における流体の絶対速度がハブ側とシュラウド側とで差が生じることとなり、これにより混合損失が生じ得る。この点、上記(7)の構成によれば、翼の後縁のシュラウド側がハブ側よりも径方向外側に位置するようにしたので、シュラウド側における翼の周速を相対的に大きくすることができ、これにより、シュラウド側とハブ側との間での流体の絶対速度の差を低減することができる。よって、インペラ出口における流体の絶対速度の差に起因する混合損失を抑制することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、
前記インペラの子午面上において、前記翼の後縁の前記シュラウド側端と前記ハブ側端とを結んだ直線が前記インペラの軸方向に対してなす角度が60°以下である。
上記(8)の構成によれば、上述の角度を60度以下にしたので、翼の後縁におけるハブ側端とシュラウド側端の径方向位置の差が過度に大きくないので、翼に生じる応力が大きくなるのを抑制することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(7)又は(8)の構成において、
前記ハブ側端における前記インペラの外径をD2,hubとし、前記シュラウド側端における前記インペラの外径をD2,shroudとしたとき、前記インペラの子午面上において、前記後縁における前記シュラウド側端の位置を含む軸方向範囲内の第1領域における前記インペラの外径Dは、D2,shroud−0.01×D2,hub≦D≦D2,shroud+0.01×D2,hubを満たす。
(10)幾つかの実施形態では、上記(7)乃至(9)の何れかの構成において、
前記インペラの子午面上において、前記後縁における前記シュラウド側端の位置を含む軸方向範囲内の第1領域における前記後縁の接線方向が前記インペラの軸方向に対してなす角度φが5度以下である。
遠心圧縮機の作動条件によっては(例えば低流速条件等)、シュラウド側において逆流が生じやすくなる場合がある。この点、上記(9)又は(10)の構成では、インペラ外径が比較的大きいシュラウド側端を含み、かつ、インペラの外径Dが大きく変わらない第1領域を翼のシュラウド側に設けたので、この第1領域において、インペラ周速を比較的大きくすることができ、これによりシュラウド側にて生じ得る逆流を効果的に抑制することができる。よって、上記(9)又は(10)の構成によれば、シュラウド側にて生じ得る逆流を抑制しながら、上記(7)で述べたように、インペラ出口における流体の絶対速度の差に起因する混合損失を抑制することができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(9)又は(10)の構成において、
前記インペラの子午面上において、前記軸方向における前記翼の後縁位置での前記シュラウド側端と前記後縁位置での前記ハブ側端との間の長さをbとし、前記第1領域の前記軸方向の長さをbconstとしたとき、前記長さb及び前記長さbconstは、bconst≦0.5×bを満たす。
上記(11)の構成によれば、インペラの外径Dが大きく変わらない第1領域の軸方向長さを、翼の後縁の軸方向長さの50%以下としたので、翼の強度を適切に維持しながら、インペラ出口における流体の絶対速度の差に起因する混合損失を効果的に抑制することができる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(9)乃至(11)の何れかの構成において、
前記インペラの子午面上において、前記第1領域における前記翼の前記後縁での翼角の最大値β2,R1−maxと最小値β2,R1−minとの比β2,R1−max/β2,R1−minは、前記後縁における前記第1領域よりも前記ハブ側端寄りの第2領域における前記翼の前記後縁での翼角の最大値β2,R2−maxと最小値β2,R2−minとの比β2,R2−max/β2,R2−minよりも小さい。
上記(12)の構成によれば、インペラの外径Dが大きく変わらない第1領域において、バックワード角を大きく変化させないようにしたので、翼の強度を適切に維持しながら、インペラ出口における混合損失の抑制と、シュラウド側における翼負荷過大の抑制とを両立することができる。
(13)本発明の少なくとも一実施形態に係る遠心圧縮機は、
上記(1)乃至(12)の何れか一項に記載のインペラと、
前記インペラを収容するハウジングと、
を備える。
上記(13)の構成によれば、翼の後縁における翼角(バックワード角)が、ハブ側に比べてシュラウド側のほうが大きいので、翼の後縁位置でのシュラウド側での流体の相対速度がハブ側に対して大きくなる。よって、シュラウド側における上述の減速比をハブ側の減速比に近づけることができ、シュラウド側において翼負荷が過大となるのを抑制することができる。これにより、翼負荷過大に伴う流れの剥離や二次流れの発生を抑制することができ、このため、圧縮機の性能を向上させることができる。
(14)幾つかの実施形態では、上記(13)の構成において、
前記遠心圧縮機は、前記インペラを単一のインペラとして備える単段圧縮機である。
上記(14)の構成によれば、単一のインペラを備える単段圧縮機において、単一のインペラの翼の形状を上記(1)で特定した形状とすることにより、翼負荷過大に伴う流れの剥離や二次流れの発生を抑制することができ、このため、圧縮機の性能を向上させることができる。
(15)本発明の少なくとも一実施形態に係るターボチャージャは、
上記(13)又は(14)に記載の遠心圧縮機と、
前記遠心圧縮機を駆動するように構成されたタービンと、
を備える。
上記(15)の構成によれば、翼の後縁における翼角(バックワード角)が、ハブ側に比べてシュラウド側のほうが大きいので、翼の後縁位置でのシュラウド側での流体の相対速度がハブ側に対して大きくなる。よって、シュラウド側における上述の減速比をハブ側の減速比に近づけることができ、シュラウド側において翼負荷が過大となるのを抑制することができる。これにより、翼負荷過大に伴う流れの剥離や二次流れの発生を抑制することができ、このため、圧縮機の性能を向上させることができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、遠心圧縮機の性能を向上可能な遠心圧縮機のインペラ、遠心圧縮機及びターボチャージャが提供される。
一実施形態に係るターボチャージャの概略断面図である。 一実施形態に係るインペラの子午面断面を示す概略図である。 一実施形態に係るインペラの翼の等スパン断面の模式図であり、(a)はハブ側端部における等スパン断面の模式図であり、(b)は、シュラウド側端部における等スパン断面の模式図である。 一実施形態に係るインペラの模式的な子午面断面図である。 一実施形態に係るインペラを軸方向から視た模式図である。 翼の後縁の位置におけるスパン方向での流体の径方向流速の分布の一例を示すグラフである。 一実施形態に係る翼のバックワード角のスパン方向における分布を示すグラフである。 一実施形態に係る翼の翼角の無次元子午面長位置における分布を示すグラフである。 一実施形態に係るインペラの後縁近傍を示す模式的な子午面断面図である。 一実施形態に係るインペラの後縁近傍を示す模式的な子午面断面図である。 一実施形態に係るインペラの後縁近傍を示す模式的な子午面断面図である。 一実施形態に係るインペラの翼の等スパン断面の模式図であり、(a)はハブ側端部における等スパン断面の模式図であり、(b)は、シュラウド側端部における等スパン断面の模式図である。 一実施形態に係る翼のバックワード角のスパン方向における分布を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
まず、図1を参照して、一実施形態に係るインペラを含む遠心圧縮機を備えたターボチャージャについて説明する。図1は、一実施形態に係るターボチャージャの概略断面図である。同図に示すように、ターボチャージャ1は、コンプレッサインペラ5を備えた遠心圧縮機2を備えている。ターボチャージャ1は、回転シャフト4と、回転シャフト4の一端部に設けられるコンプレッサインペラ5(インペラ5)と、回転シャフト4の他端部に設けられるタービンインペラ8と、回転シャフト4を回転可能に指示する軸受24と、を備えている。軸受24は、回転シャフト4の軸方向において、コンプレッサインペラ5と、タービンインペラ8との間に位置している。
コンプレッサインペラ5は、ハブ6と、ハブ6の周囲に設けられる複数の翼7を含む。タービンインペラ8は、ハブ11と、ハブ11の周囲に設けられる複数の翼9を含む。回転シャフト4、コンプレッサインペラ5及びタービンインペラ8は、共通の中心軸Oを有している。
また、ターボチャージャ1は、コンプレッサインペラ5を囲うコンプレッサハウジング10と、タービンインペラ8を囲うタービンハウジング12と、回転シャフト4の軸方向において、コンプレッサハウジング10とタービンハウジング12との間に位置する軸受ハウジング14と、を備えている。コンプレッサハウジング10と軸受ハウジング14、及び、タービンハウジング12と軸受ハウジング14は、それぞれ、ボルト(不図示)で締結されていてもよい。
コンプレッサハウジング10は、軸方向におけるターボチャージャ1の一端部において軸方向外側に向かって開口する空気入口16を有するとともに、コンプレッサインペラ5の径方向外側に位置する環状流路18を形成している。
また、タービンハウジング12は、軸方向におけるターボチャージャ1の他端部において軸方向外側に向かって開口する排ガス出口20を有するとともに、タービンインペラ8の径方向外側に位置する環状流路22を形成している。
上述の構成を有するターボチャージャ1は、例えば、以下のように動作する。
空気入口16を介してコンプレッサインペラ5に空気が流入し、回転シャフト4とともに回転するコンプレッサインペラ5によってこの空気が圧縮される。このようにして生成した圧縮空気は、コンプレッサインペラ5の径方向外側に形成された環状流路18を介してターボチャージャ1から一旦排出され、燃焼機関(不図示)に供給される。
燃焼機関では、上述の圧縮空気とともに燃料が燃焼され、この燃焼反応により燃焼ガスが生成される。燃焼ガスは、燃焼機関から排出される排ガスとして、タービンインペラ8の径方向外側に形成された環状流路22を介してタービンインペラ8に流入する。このように流入した排ガスの流れによってタービンインペラ8に回転力が付与され、これにより回転シャフト4が駆動される。タービンで仕事を終えた排ガスは、排ガス出口20を介して、ターボチャージャ1から排出されるようになっている。
次に、幾つかの実施形態に係るコンプレッサインペラ5(インペラ5)についてより具体的に説明する。
図2は、一実施形態に係るインペラ5の子午面断面を示す概略図である。図3は、一実施形態に係るインペラ5の翼7の等スパン断面(スパン方向位置が等しい位置での断面)の模式図であり、(a)はハブ側端部における等スパン断面の模式図であり、(b)は、シュラウド側端部における等スパン断面の模式図である。なお、図3においては、翼7のハブ側端30における外径D2,hubと、翼7のシュラウド側端32における外径D2,shroudとは等しい。
図2に示すように、インペラ5のハブ6の周囲に設けられた翼7は、インペラ5に流れ込む流体の流れ方向における最も上流側に位置する前縁26と、最も下流側に位置する後縁28との間において、ハブ側端30とシュラウド側端(先端)32との間をスパン方向に沿って延在している。ハブ側端30は、翼7のうち、ハブ6との接続位置に相当する。
シュラウド側端32は、ハブ側端30と反対側に位置する端であり、コンプレッサハウジング10(図1参照)に隣接して位置する。
本明細書において、スパン方向とは、各無次元子午面長位置におけるハブ側端30とシュラウド側端32を結ぶ方向である。
また、本明細書において、無次元子午面長位置とは、あるスパン方向位置(例えばハブ側端30の位置、シュラウド側端32の位置、又はハブ側端30とシュラウド側端32の中央位置34等)の子午面上における位置を、前縁26の位置を0%とし、後縁28の位置を100%としたときの前縁26を基準とする相対的な子午面長(子午面上での長さ)で示すものである。例えば、0%無次元子午面長位置とは、子午面における前縁26の位置を示し、100%無次元子午面長位置とは、後縁28の位置を示す。また、90%無次元子午面長位置とは、前縁26からの子午面長が、前縁26から後縁28までの子午面長の90%の位置を示す。
図2に示すように、翼7の後縁28には、シュラウド側端32の位置P2,shroud、ハブ側端30の位置P2,hub、及び、中央位置P2,midが存在する。
幾つかの実施形態では、翼7の後縁28において、翼7のスパン方向における中央位置P2,hubよりもシュラウド側(即ちシュラウド側端32側)の第1位置における翼角は、前記中央位置P2,hubよりもハブ側(即ちハブ側端30側)の第2位置における翼角よりも大きい。
換言すれば、翼7の後縁28において、中央位置P2,hubとハブ側端の位置P2,hubとの間の第2位置における翼角をβ2,Bとし、中央位置P2,hubとシュラウド側端の位置P2,shroudとの間の第1位置における翼角をβ2,Aとしたとき、β2,B<β2,Aとなる第1位置及び第2位置が存在する。
ここで、翼角βは、等スパン断面(スパン方向位置が等しい位置での断面)の面内における翼7のキャンバラインLcと、流路方向(図3の紙面上では径方向と一致)とが成す角度である(図3参照)。
また、本明細書において、後縁28の位置における翼角βをバックワード角ともいい、βと表記することがある。
幾つかの実施形態では、さらに、翼7のハブ側端30におけるバックワード角β2,hub(図3の(a)参照)、及び、翼7のシュラウド側端32におけるバックワード角β2,shroud(図3の(b)参照)は、β2,hub<β2,shroudを満たす。
図3〜図6を参照して、上述の実施形態による効果について説明する。図4は、一実施形態に係るインペラ5の模式的な子午面断面図であり、図5は、一実施形態に係るインペラ5を軸方向から視た模式図である。図6は、翼7の後縁28の位置におけるスパン方向での流体の径方向流速の分布の一例を示すグラフである。
図4に示すように、遠心圧縮機2において、インペラ5の入口(翼7の前縁26)における流体の絶対速度はcであり、インペラ5の出口(翼7の後縁28)における流体の絶対速度はcである。
一方、図2や図4からわかるように、翼7の前縁26においては、ハブ側よりもシュラウド側(先端側)が径方向外側に位置するため、翼7の周速はシュラウド側の方がハブ側に比べて大きくなる。したがって、インペラ5の入口での翼7に対する流体の相対速度wは、シュラウド側の相対速度w1,shroudのほうが、ハブ側の相対速度w1,hubに比べて大きくなる(図5参照)。
これに対し、翼7の後縁28は、ハブ側端30からシュラウド側端(先端)32まで概ね同じ径方向位置に存在する。このため、ハブ側とシュラウド側とで上述の周速に大きな差はなく、したがって、ハブ側端30からシュラウド側端32にかけてバックワード角βが一定であれば、インペラ5の出口におけるハブ側の相対速度w2,hubとシュラウド側の相対速度w2,shroudとの間に大きな差はない。このため、翼7のシュラウド側における流体の減速比(w2,shroud/w1,shroud)はハブ側の減速比(w2,hub/w1,hub)よりも大きくなり、シュラウド側における翼負荷が過大となる傾向がある。このときの後縁28における流体の径方向流速の分布は、図6のグラフの曲線102で示され、ハブ側に比べてシュラウド側にて径方向流速が低くなっており、これは、シュラウド側において流れの剥離や二次流れが生じていることを示している。
この点、上述の実施形態では、翼7の後縁28における翼角β(バックワード角β)が、ハブ側に比べてシュラウド側のほうが大きいので(例えば、β2,hub<β2,shroudである)、翼7の後縁28の位置でのシュラウド側での流体の相対速度w2,shroudがハブ側の相対速度w2,hubに対して大きくなる(図3参照)。
なお、これは、シュラウド側の相対速度w2,shroudの径方向成分と、ハブ側の相対速度w2,hubの径方向成分とが基本的には等しいためである。
したがって、上述の実施形態によれば、シュラウド側における減速比(w2,shroud/w1,shroud)をハブ側の減速比(w2,hub/w1,hub)に近づけることができ、シュラウド側において翼負荷が過大となるのを抑制することができる。このときの後縁28における流体の径方向流速の分布は、図6のグラフの曲線104で示され、バックワード角βが一定の場合の曲線102と比べて、シュラウド側における径方向流速の落ち込みが軽減されている。すなわち、シュラウド側における流れの剥離や二次流れが抑制されることが示されている。このように、上述の実施形態によれば、遠心圧縮機2の性能を向上させることができる。
なお、図3において、ハブ側における翼7の外径D2,hubとシュラウド側における翼7の外径D2,shroudは等しいから、翼7の後縁における周速Uは、ハブ側(Us,hub)とシュラウド側(U2,shroud)とで等しくなる。したがって、この場合、翼7の後縁28における流体の絶対速度cについては、ハブ側の絶対速度c2,hubのほうが、シュラウド側の絶対速度c2,shroudよりも大きくなる。この点について、後述の説明で言及する。
幾つかの実施形態では、シュラウド側端32におけるバックワード角β2,shroudとハブ側端30におけるバックワード角β2,hubとの差(β2,shroud−β2,hub)は、5度以上(即ち5°以上)であってもよい。また、幾つかの実施形態では、前記差(β2,shroud−β2,hub)は、10度以上であってもよく、あるいは、15度以上であってもよい。
このように、上述のバックワード角の差(β2,shroud−β2,hub)を5度以上、10度以上、又は、15度以上とすることにより、シュラウド側における上述の減速比(w2,shroud/w1,shroud)をハブ側の減速比(w2,hub/w1,hub)に近づけやすくなり、シュラウド側において翼負荷が過大となるのをより効果的に抑制することができる。これにより、翼負荷過大に伴う流れの剥離や二次流れの発生をより効果的に抑制することができる。
また、幾つかの実施形態では、シュラウド側端32におけるバックワード角β2,shroudとハブ側端30におけるバックワード角β2,hubとの差(β2,shroud−β2,hub)は、45度以下であってもよく、40度以下であってもよく、あるいは、35度以下であってもよい。
シュラウド側とハブ側とでバックワード角の差を大きくしすぎると、翼7の後縁28で流体の絶対速度c(図3参照)の差が大きくなることがあり、この場合、混合損失が生じやすくなる。この点、上述のバックワード角の差(β2,shroud−β2,hub)を45度以下、40度以下、又は35度以下とすることにより、上述の混合損失を低減することができる。
図7は、一実施形態に係る翼7のバックワード角βのスパン方向における分布を示すグラフである。幾つかの実施形態では、例えば図7に示すように、翼7のバックワード角βは、シュラウド側端32からハブ側端30まで単調減少する。
翼7における流体の減速比は、翼7の前縁26の位置における径方向位置におよそ依存するため、前縁26における径方向位置が最も外側であるシュラウド側端32で最も大きく、ハブ側に向かうにつれて徐々に小さくなる傾向となる。この点、上述のように、シュラウド側端32からハブ側端30に至るまでバックワード角βが単調減少するようにすることで、シュラウド側における上述の減速比を効果的に低減することができ、これにより、シュラウド側において翼負荷が過大となるのを効果的に抑制することができる。よって、翼負荷過大に伴う流れの剥離や二次流れの発生をより効果的に抑制することができる。
図8は、一実施形態に係る翼7の翼角の無次元子午面長位置における分布を示すグラフである。図8中、曲線106は、ハブ側端30における翼角の分布を示し、曲線108は、スパン方向における中央位置34における翼角の分布を示し、曲線110は、シュラウド側端32における翼角の分布を示す。
幾つかの実施形態では、子午面長における後縁28の近傍の位置において、翼角βは急激に変化しない。
より具体的には、幾つかの実施形態では、90%無次元子午面長位置でのハブ側端30における翼角β90%,hubと、ハブ側端30におけるバックワード角β2,hub(即ち100%無次元子午面長位置でのハブ側端30における翼角)との差の絶対値|β90%,hub−β2,hub|(図8の曲線106を参照)は、10度以下、又は5度以下である。
また、幾つかの実施形態では、90%無次元子午面長位置でのシュラウド側端32における翼角β90%,shroudと、シュラウド側端32におけるバックワード角β2,shroud(即ち100%無次元子午面長位置でのシュラウド側端32における翼角)との差の絶対値|β90%,shroud−β2,shroud|(図8の曲線110を参照)は、10度以下、又は5度以下である。
また、幾つかの実施形態では、90%無次元子午面長位置での中央位置34における翼角β90%,midと、中央位置34におけるバックワード角β2,mid(即ち100%無次元子午面長位置での中央位置34における翼角)との差の絶対値|β90%,mid−β2,mid|(図8の曲線108を参照)は、10度以下、又は5度以下である。
また、幾つかの実施形態では、任意のスパン方向位置での90%無次元子午面長位置での翼角β90%,*と、同じスパン方向位置でのバックワード角β2,*(即ち、該スパン方向位置での100%無次元子午面長位置での翼角)との差の絶対値|β90%,*−β2,*|は、10度以下、又は5度以下である。
翼7の後縁28付近(即ち、後縁28よりも少し前縁26側の位置から後縁28にかけての位置範囲)で翼角βを急激に変化させると、この位置範囲において流れが翼7に沿わなくなり、バックワード角βをシュラウド側で比較的大きくすることにより得られる効果、すなわち、翼負荷過大に伴う流れの剥離や二次流れの発生を抑制するとの効果が得られにくくなる可能性がある。
この点、上述の実施形態によれば、特定のスパン方向位置(例えば、ハブ側端30やシュラウド側端32の位置等)において、翼7の90%無次元子午面長位置の翼角βと、バックワード角βとの差を10度以下にしたので、翼7の後縁28付近における翼角βの変化が比較的緩やかとなる。これにより、バックワード角βをシュラウド側で比較的大きくすることにより得られる効果、すなわち、翼負荷過大に伴う流れの剥離や二次流れの発生を抑制するとの効果が十分に得られやすくなる。
図9〜図11は、それぞれ、一実施形態に係るインペラ5の翼7の後縁28近傍を示す模式的な子午面断面図である。図12は、一実施形態に係るインペラ5の翼7の等スパン断面の模式図であり、(a)はハブ側端部における等スパン断面の模式図であり、(b)は、シュラウド側端部における等スパン断面の模式図である。
図9〜図12におけるR2,hubは、翼7のハブ側端30と、中心軸Oとの径方向距離であり、D2,hubは、翼7のハブ側端30における外径である。即ち、D2,hub=2×R2,hubが成り立つ。
また、図9〜図12におけるR2,shroudは、翼7のシュラウド側端32と、中心軸Oとの径方向距離であり、D2,shroudは、翼7のシュラウド側端32における外径である。即ち、D2,shroud=2×R2,shroudが成り立つ。
なお、図12においては、翼7のハブ側端30における外径D2,hubよりも、翼7のシュラウド側端32における外径D2,shroudの方が大きい。
幾つかの実施形態では、例えば図9〜図11に示すように、インペラ5の中心軸Oと翼7の後縁28のハブ側端30との距離R2,hubと、インペラ5の中心軸Oと翼7の後縁28のシュラウド側端32との距離R2,shroudとは、R2,hub<R2,shroudを満たす。即ち、子午面上において、翼7の後縁28におけるハブ側端30の位置P2,hubとシュラウド側端32の位置P2,shroudとを結ぶ直線は、インペラ5の軸方向に対して傾斜している(即ち、子午面上において、P2,hubとP2,shroudとを結ぶ直線と、インペラ5の軸方向とのなす角度θ(図9〜図11参照)は0度よりも大きい)。
図3を参照して説明したように、ハブ側における翼7の外径D2,hubとシュラウド側における翼7の外径D2,shroudは等しい場合、インペラ5の翼7においてバックワード角に分布を持たせることで、ハブ側とシュラウド側とで翼7の後縁28における流体の絶対速度cの差が生じることとなる。より具体的には、ハブ側における翼7の外径D2,hubとシュラウド側における翼7の外径D2,shroudとが等しいとき、翼7の後縁28における流体の絶対速度cについては、ハブ側の絶対速度c2,hubのほうが、シュラウド側の絶対速度c2,shroudよりも大きくなる。このように、後縁28近傍において流体の絶対速度が一様でないと、混合損失が生じ得る。
この点、上述の実施形態によれば、翼7の後縁28のシュラウド側がハブ側よりも径方向外側に位置するようにしたので(即ち、翼7のシュラウド側の外径D2,shroudをハブ側の外径D2,hubよりも大きくしたので)、シュラウド側とハブ側とで外径が等しい場合(図3参照)に比べて、シュラウド側における翼7の後縁28の周速U2,shroudを相対的に大きくすることができるとともに、したがって、図12に示すように、シュラウド側における流体の絶対速度c2,shroudを相対的に大きくすることができる。
これにより、翼7の後縁28近傍でのシュラウド側における流体の絶対速度c2,shroudと、ハブ側における絶対速度c2,hubの差を低減することができ、インペラ5の出口における流体の絶対速度cの差に起因する混合損失を抑制することができる。
幾つかの実施形態では、インペラ5の中心軸Oと翼7の後縁28との距離Rは、シュラウド側端32からハブ側端30にかけて単調減少していてもよい。このような形状とすることで、後縁28における流体の絶対速度cを一様にしやすく、混合損失をより効果的に抑制することができる。
幾つかの実施形態では、インペラ5の子午面上において、翼7の後縁28のシュラウド側端32とハブ側端30とを結んだ直線がインペラ5の軸方向に対してなす角度θ(図9〜図11参照)が10°以上であってもよい。
この場合、後縁28における流体の絶対速度cを一様にする効果がより得られやすくなり、混合損失をより効果的に抑制することができる。
幾つかの実施形態では、上述の角度θが60度以下又は45度以下であってもよい。
この場合、翼7の後縁28におけるハブ側端30とシュラウド側端32の径方向位置の差が過度に大きくならないので、翼7に生じる応力が大きくなるのを抑制することができる。
一実施形態では、上述の角度θが10度以上45度以下であってもよい。この場合、翼7に生じる応力が大きくなるのを抑制しながら、後縁28における流体の絶対速度cを一様にしやすくすることができる。
幾つかの実施形態では、インペラ5の子午面上において、翼7の後縁28におけるシュラウド側端32の位置P2,shroudを含む軸方向範囲内の第1領域42(図10及び図11参照)におけるインペラ5の外径Dは、D2,shroud−0.01×D2,hub≦D≦D2,shroud+0.01×D2,hubを満たす。即ち、第1領域42内において、インペラの外径Dは、シュラウド側の外径D2,shroudとの差が小さく、外径がほぼ一定である。
また、幾つかの実施形態では、インペラ5の子午面上において、上述の第1領域42における後縁28の接線Ltan(図10及び図11参照)の方向がインペラ5の軸方向に対してなす角度φが5度以下である。即ち、第1領域42内において、上述の接線Ltanは軸方向とほぼ平行であり、インペラの外径Dはほぼ一定である。
なお、図10及び図11においては、角度φはほとんどゼロである。
遠心圧縮機の作動条件によっては(例えば低流速条件等)、シュラウド側において逆流が生じやすくなる場合がある。この点、上述の実施形態では、インペラ5の外径Dが比較的大きいシュラウド側端32を含み、かつ、インペラ5の外径Dが大きく変わらない第1領域42を翼のシュラウド側に設けたので、この第1領域42において、インペラ周速を比較的大きくすることができ、これによりシュラウド側にて生じ得る逆流を効果的に抑制することができる。よって、上述の実施形態によれば、シュラウド側にて生じ得る逆流を抑制しながら、上述したように、インペラ5の出口における流体の絶対速度の差に起因する混合損失を抑制することができる。
幾つかの実施形態では、インペラ5の子午面上において、軸方向における後縁28の位置でのシュラウド側端32とハブ側端30との間の長さをbとし、第1領域42の軸方向における長さをbconstとしたとき(図10及び図11参照)、b及びbconstは、bconst≧0.1×bを満たす。あるいは、幾つかの実施形態では、b及びbconstは、bconst≧0.2×bを満たす。
この場合、第1領域42の軸方向範囲が十分広いので、シュラウド側とハブ側との間での流体の絶対速度cの差をより効果的に低減することができる。よって、インペラ5の出口における流体の絶対速度cの差に起因する混合損失を効果的に抑制することができる。
また、幾つかの実施形態では、上述のb及びbconstは、bconst≦0.5×bを満たす。あるいは、幾つかの実施形態では、b及びbconstは、bconst≦0.3×bを満たす。
上述の実施形態によれば、インペラ5の外径Dが大きく変わらない第1領域42の軸方向長さbconstを、翼7の後縁28の軸方向長さbの50%以下又は30%以下としたので、翼7の強度を適切に維持しながら、インペラ5の出口における流体の絶対速度cの差に起因する混合損失を効果的に抑制することができる。
幾つかの実施形態では、b及びbconstは、0.1×b≦bconst≦0.3×bを満たしていてもよい。
図13は、一実施形態に係る翼7のバックワード角βのスパン方向における分布を示すグラフである。
幾つかの実施形態では、インペラ5の子午面上において、第1領域42における翼7のバックワード角の最大値β2,R1−maxと最小値β2,R1−minとの比β2,R1−max/β2,R1−minは、翼7の後縁28における第1領域42よりもハブ側端30寄りの第2領域44(図10及び図11参照)におけるバックワード角の最大値β2,R2−maxと最小値β2,R2−minとの比β2,R2−max/β2,R2−minよりも小さい。
この場合、例えば図13に示すように、比較的シュラウド側の第1領域42では、比較的ハブ側の第2領域44に比べて、バックワード角βの変化率が小さい。
上述の実施形態によれば、インペラ5の外径Dが大きく変わらない第1領域42において、バックワード角βを大きく変化させないようにしたので、翼7の強度を適切に維持しながら、インペラ5の出口における混合損失の抑制と、シュラウド側における翼負荷過大の抑制とを両立することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図13に示すように、横軸を後縁28におけるスパン方向位置とし、縦軸をバックワード角とするグラフにおいて、上述のスパン方向位置とバックワード角βとの関係を示す曲線は、上に凸の形状を有する。
この場合、スパン方向に対して、バックワード角を直線的に変化させる場合に比べて、バックワード角βが比較的大きいスパン方向領域が増えるので、インペラ5の出口における混合損失及びシュラウド側における翼負荷過大をより効果的に抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 ターボチャージャ
2 遠心圧縮機
4 回転シャフト
5 コンプレッサインペラ(インペラ)
6 ハブ
7 翼
8 タービンインペラ
9 翼
10 コンプレッサハウジング
11 ハブ
12 タービンハウジング
14 軸受ハウジング
16 空気入口
18 環状流路
20 排ガス出口
22 環状流路
24 軸受
26 前縁
28 後縁
30 ハブ側端
32 シュラウド側端
34 中央位置
38 後縁
42 第1領域
44 第2領域
Ltan 接線
O 中心軸
周速
絶対速度
インペラ入口の相対速度
インペラ出口の相対速度
β バックワード角

Claims (15)

  1. ハブの周りに設けられた複数の翼を備え、
    前記翼の後縁において、前記翼のスパン方向における中央位置よりもシュラウド側の第1位置における翼角は、前記中央位置よりもハブ側の第2位置における翼角よりも大きい
    遠心圧縮機のインペラ。
  2. 前記翼のハブ側端における後縁位置での翼角をβ2,hubとし、前記翼のシュラウド側端における後縁位置での翼角をβ2,shroudとしたとき、前記翼角β2,hub及び前記翼角β2,shroudは、β2,hub<β2,shroudを満たす
    請求項1に記載の遠心圧縮機のインペラ。
  3. 前記翼角β2,hub及び前記翼角β2,shroudは、β2,shroud−β2,hub≧5°を満たす
    請求項2に記載の遠心圧縮機のインペラ。
  4. 前記翼の前記ハブ側端における90%無次元子午面長位置での翼角をβ90%,hubとしたとき、前記翼角β2,hub及び前記β90%,hubは、|β90%,hub−β2,hub|≦10°を満たす
    請求項2又は3に記載の遠心圧縮機のインペラ。
  5. 前記翼の前記シュラウド側端における90%無次元子午面長位置での翼角をβ90%,shroudとしたとき、前記翼角β2,shroud及び前記β90%,shroudは、|β90%,shroud−β2,shroud|≦10°を満たす
    請求項2乃至4の何れか一項に記載の遠心圧縮機のインペラ。
  6. 前記翼の後縁位置における翼角は、前記翼のシュラウド側端から前記翼のハブ側端まで単調減少する
    請求項1乃至5の何れか一項に記載の遠心圧縮機のインペラ。
  7. 前記インペラの中心軸と前記翼の後縁の前記ハブ側端との距離をR2,hubとし、前記中心軸と前記翼の前記後縁の前記シュラウド側端との距離をR2,shroudとしたとき、前記距離R2,hub及び前記距離R2,shroudは、R2,hub<R2,shroudを満たす
    請求項1乃至6の何れか一項に記載の遠心圧縮機のインペラ。
  8. 前記インペラの子午面上において、前記翼の後縁の前記シュラウド側端と前記ハブ側端とを結んだ直線が前記インペラの軸方向に対してなす角度が60°以下である
    請求項7に記載の遠心圧縮機のインペラ。
  9. 前記ハブ側端における前記インペラの外径をD2,hubとし、前記シュラウド側端における前記インペラの外径をD2,shroudとしたとき、前記インペラの子午面上において、前記後縁における前記シュラウド側端の位置を含む軸方向範囲内の第1領域における前記インペラの外径Dは、D2,shroud−0.01×D2,hub≦D≦D2,shroud+0.01×D2,hubを満たす
    請求項7又は8に記載の遠心圧縮機のインペラ。
  10. 前記インペラの子午面上において、前記後縁における前記シュラウド側端の位置を含む軸方向範囲内の第1領域における前記後縁の接線方向が前記インペラの軸方向に対してなす角度φが5度以下である
    請求項7乃至9の何れか一項に記載の遠心圧縮機のインペラ。
  11. 前記インペラの子午面上において、前記軸方向における前記翼の後縁位置での前記シュラウド側端と前記後縁位置での前記ハブ側端との間の長さをbとし、前記第1領域の前記軸方向の長さをbconstとしたとき、前記長さb及び前記長さbconstは、bconst≦0.5×bを満たす
    請求項9又は10に記載の遠心圧縮機のインペラ。
  12. 前記インペラの子午面上において、前記第1領域における前記翼の前記後縁での翼角の最大値β2,R1−maxと最小値β2,R1−minとの比β2,R1−max/β2,R1−minは、前記後縁における前記第1領域よりも前記ハブ側端寄りの第2領域における前記翼の前記後縁での翼角の最大値β2,R2−maxと最小値β2,R2−minとの比β2,R2−max/β2,R2−minよりも小さい
    請求項9乃至11の何れか一項に記載の遠心圧縮機のインペラ。
  13. 請求項1乃至12の何れか一項に記載のインペラと、
    前記インペラを収容するハウジングと、
    を備える遠心圧縮機。
  14. 前記インペラを単一のインペラとして備える単段圧縮機である
    請求項13に記載の遠心圧縮機。
  15. 請求項13又は14に記載の遠心圧縮機と、
    前記遠心圧縮機を駆動するように構成されたタービンと、
    を備えるターボチャージャ。
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