JP2023118180A - タービン及び過給機 - Google Patents
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Abstract
Description
タービンインペラと、
前記タービンインペラの外周側に形成されたスクロール流路から前記タービンインペラへ排ガスを導くための排ガス流路を形成する排ガス流路形成部であって、前記排ガス流路を画定するハブ側流路面及びシュラウド側流路面を含む排ガス流路形成部と、
前記排ガス流路に配置されて前記ハブ側流路面又は前記シュラウド側流路面の少なくとも一方に固定された少なくとも1つのノズルベーンと、を備え、
前記少なくとも1つのノズルベーンの前記タービンインペラの軸方向における長さである翼高さW1は、前記タービンインペラの翼前縁位置における前記排ガス流路の前記軸方向における長さである流路幅W0よりも小さい。
前記タービンと、
前記タービンにより駆動されるように構成された遠心圧縮機と、を備える。
図1は、一実施形態に係るタービンの軸線に沿った断面を示す概略断面図である。幾つかの実施形態に係るタービン1は、図1に示されるように、タービンインペラ(以下、インペラ)2と、インペラ2を回転可能に収容するように構成されるケーシング3と、を備える。なお、本開示にかかるタービン1は、例えば、自動車用、舶用又は産業用(例えば、陸上発電用)の過給機10などに搭載可能である。
ケーシング3は、図1に示されるように、上述したシュラウド面31を有するシュラウド部32と、インペラ2の外周側にスクロール流路33を形成するスクロール流路形成部34と、スクロール流路33からインペラ2へ排ガスを導くための排ガス流路35を形成する排ガス流路形成部36と、を含む。スクロール流路33及び排ガス流路35の夫々は、ケーシング3の内部に形成される。
図2は、一実施形態に係るタービンの軸線よりも一方側の軸線に沿った断面を示す概略断面図である。図3は、一実施形態に係るタービンのハブ側流路面及び複数のノズルベーンをシュラウド側から視た状態を示す概略図である。
上述したタービン1は、図2及び図3に示されるように、排ガス流路35に配置されてハブ側流路面4又はシュラウド側流路面5の少なくとも一方に固定された少なくとも1つのノズルベーン6をさらに備える。図示される実施形態では、上述した少なくとも1つのノズルベーン6は、インペラ2の周方向に互いに間隔をあけて配置された複数のノズルベーン6を含む。
図3に示されるように、インペラ2の周方向に沿って互いに隣接する一対のノズルベーン6、6間の流路面積が最小になる位置をスロートTとする。スロートTにおける一対のノズルベーン6、6間の流路面積をノズルスロート面積とし、スロートTにおける排ガス流路35の軸方向における長さをノズルスロート高さとし、スロートTにおける一対のノズルベーン6、6間の長さをノズルスロート幅とする。
幾つかの実施形態に係るタービン1は、図2に示されるように、上述した上述したハブ側流路面4及びシュラウド側流路面5を含む排ガス流路形成部36と、上述した少なくとも1つのノズルベーン6と、を備える。少なくとも1つのノズルベーン6のインペラ2の軸方向における長さである翼高さW1は、インペラ2の翼前縁位置における排ガス流路35の軸方向における長さである流路幅W0よりも小さい。インペラ2の翼前縁位置は、ケーシング3の内部にインペラ2が配置されたときに、ケーシング3上におけるインペラ2の前縁25が配置される位置である。
図4は、比較例に係るタービンの軸線よりも一方側の軸線に沿った断面を示す概略断面図である。図5は、比較例に係るタービンのハブ側流路面及び複数のノズルベーンをシュラウド側から視た状態を示す概略図である。比較例に係るタービン1Aは、図4及び図5に示されるように、環状部材40Aのハブ側流路面4Aからシュラウド側に突出する段差や、シュラウド側流路面5からハブ側に突出する段差を有しない。ハブ側流路面4Aは、インペラ2の軸方向において、インペラ2の前縁25のハブ側端26と同じ位置に設けられる。複数のノズルベーン6Aの各々の、インペラ2の軸方向における長さである翼高さW2は、インペラ2の翼前縁位置における排ガス流路35の軸方向における長さである流路幅W0と同じ長さになっている。本実施形態における複数のノズルベーン6の各々の翼高さW1は、複数のノズルベーン6Aの各々の翼高さW2よりも小さい。
図6は、タービンのノズルスロート形状に応じたカーボンの堆積量を説明するための説明図である。図6では、本実施形態に係るタービン1のノズルスロート高さ(ノズルベーン6の翼高さ)THが、比較例に係るタービン1Aのノズルスロート高さ(ノズルベーン6Aの翼高さ)TH1よりも小さくなっている。なお、図6では、タービン1のノズルスロート幅TWを、タービン1Aのノズルスロート幅TW1よりも大きくすることで、タービン1とタービン1Aのノズルスロート面積TAが同じになっている。図6に示されるように、ノズルスロート高さ(ノズルベーンの翼高さ)が大きい程、ノズルベーン6、6Aの翼面(内側翼面63、63A、外側翼面64、64A等)の面積が大きくなり、ノズルベーン6の翼面に付着するカーボンの堆積量が増量する。なお、ハブ側流路面4及びシュラウド側流路面5は、ノズルベーン6の翼面に比べて、カーボンの堆積量が少ない傾向がある。
図7は、一実施形態に係るタービンのカーボンの堆積による有効ノズルスロート面積の変化を説明するための説明図である。図7では、タービンの稼働期間WTを横軸とし、ノズルスロート面積TAから上記閉塞面積を除いた有効ノズルスロート面積ETAを縦軸とするグラフが示されている。図7中におけるSLは、サージング限界であり、有効ノズルスロート面積ETAがサージング限界SL以下になると、サージングが発生する可能性が高い。図7中におけるL1は、図6に示されるタービン1Aの稼働期間WTに応じた有効ノズルスロート面積ETAの変化を示す近似直線であり、期間WT1において有効ノズルスロート面積ETAがサージング限界SLに至る。図7中におけるL2は、図6に示されるタービン1の稼働期間WTに応じた有効ノズルスロート面積ETAの変化を示す近似直線であり、期間WT2において有効ノズルスロート面積ETAがサージング限界SLに至る。図7に示されるように、期間WT2は、期間WT1よりも大きい。すなわち、タービン1は、タービン1Aよりもサージング限界SLに至るまでの稼働期間を長くすることができる。
幾つかの実施形態では、図2及び図3に示されるように、上述したハブ側流路面4は、シュラウド側流路面5との間に少なくとも1つのノズルベーン6を挟む領域に形成される平坦面41を含む。平坦面41は、インペラ2の軸方向におけるインペラ2の前縁25のハブ側端26よりもシュラウド側に位置してインペラ2の径方向に沿って延在している。図示される実施形態では、平坦面41は、インペラ2の周方向に沿って延在する環状面からなる。
幾つかの実施形態では、図2及び図3に示されるように、上述したハブ側流路面4は、平坦面41よりもインペラ2の径方向における内側に、径方向における内側に向かうにつれてハブ側に傾斜する内側傾斜面43をさらに含む。
幾つかの実施形態では、図2及び図3に示されるように、上述したハブ側流路面4は、平坦面41よりもインペラ2の径方向における外側に、径方向における外側に向かうにつれてハブ側に傾斜する外側傾斜面44をさらに含む。図示される実施形態では、外側傾斜面44は、インペラ2の周方向に沿って延在する環状面からなる。
幾つかの実施形態では、図2に示されるように、上述したハブ側流路面4は、外側傾斜面44の傾斜角度αが、内側傾斜面43の傾斜角度βよりも小さくなるように構成される。外側傾斜面44の傾斜角度αは、平坦面41を延長した仮想延長面VLと外側傾斜面44とがなす角度である。内側傾斜面43の傾斜角度βは、仮想延長面VLと内側傾斜面43とがなす角度である。
図8は、一実施形態に係る過給機の概略図である。幾つかの実施形態に係る過給機10は、上述したロバスト性を向上させたタービン1と、タービン1により駆動されるように構成された遠心圧縮機11と、を備える。遠心圧縮機11は、コンプレッサインペラ12を含み、過給機10は、インペラ2が一端側に連結され、且つコンプレッサインペラ12が他端側に連結される回転シャフト13をさらに備える。エンジン14からの排ガスによりインペラ2が回転駆動する。コンプレッサインペラ12は、インペラ2の回転駆動に連動して回転駆動し、エンジン14に送られる流体(例えば、空気等)を圧縮する。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
タービンインペラ(2)と、
前記タービンインペラ(2)の外周側に形成されたスクロール流路(33)から前記タービンインペラ(2)へ排ガスを導くための排ガス流路(35)を形成する排ガス流路形成部(36)であって、前記排ガス流路(35)を画定するハブ側流路面(4)及びシュラウド側流路面(5)を含む排ガス流路形成部(36)と、
前記排ガス流路(35)に配置されて前記ハブ側流路面(4)又は前記シュラウド側流路面(5)の少なくとも一方に固定された少なくとも1つのノズルベーン(6)と、を備え、
前記少なくとも1つのノズルベーン(6)の前記タービンインペラ(2)の軸方向における長さである翼高さW1は、前記タービンインペラ(2)の翼前縁位置における前記排ガス流路(35)の前記軸方向における長さである流路幅W0よりも小さい。
前記少なくとも1つのノズルベーン(6)は、前記タービンインペラ(2)の周方向に互いに間隔をあけて配置された複数のノズルベーン(6)を含み、
前記複数のノズルベーン(6)の各々は、所望のノズルスロート幅となるように、前記タービンインペラ(2)の軸線(LA)から前記ノズルベーン(6)の後縁(62)までの距離(D1)が決定された。
前記少なくとも1つのノズルベーン(6)は、前記タービンインペラ(2)の周方向に互いに間隔をあけて配置された複数のノズルベーン(6)を含み、
前記複数のノズルベーン(6)の各々は、前記タービンインペラ(2)の軸線(LA)を中心として前記ノズルベーン(6)の後縁(62)を通る仮想円(VC)の前記後縁(62)における接線(TL1)と、前記ノズルベーン(6)の前記タービンインペラ(2)側の翼面(内側翼面63)の前記後縁(62)における接線(TL2)とのなす角度を置き角度θと定義した場合において、所望のノズルスロート幅となるように、前記置き角度θが決定された。
前記ハブ側流路面(4)は、前記シュラウド側流路面(5)との間に前記少なくとも1つのノズルベーン(6)を挟む領域に形成される平坦面(41)であって、前記軸方向における前記タービンインペラ(2)の前縁(25)のハブ側端(26)よりもシュラウド側に位置して前記タービンインペラ(2)の径方向に沿って延在する平坦面(41)を含む。
前記ハブ側流路面(4)は、前記平坦面(41)よりも前記タービンインペラ(2)の前記径方向における内側に、前記径方向における内側に向かうにつれてハブ側に傾斜する内側傾斜面(43)をさらに含む。
前記ハブ側流路面(4)は、前記平坦面(41)よりも前記タービンインペラ(2)の前記径方向における外側に、前記径方向における外側に向かうにつれてハブ側に傾斜する外側傾斜面(44)をさらに含む。
上記1)から上記6)までの何れかに記載のタービン(1)と、
前記タービン(1)により駆動されるように構成された遠心圧縮機(11)と、を備える。
2 インペラ(タービンインペラ)
3 ケーシング
4,4A ハブ側流路面
5 シュラウド側流路面
6 ノズルベーン
10 過給機
11 遠心圧縮機
12 コンプレッサインペラ
13 回転シャフト
14 エンジン
21 ハブ
22 外面
23 インペラ翼
24 先端
25 前縁
26 ハブ側端
31 シュラウド面
32 シュラウド部
33 スクロール流路
34 スクロール流路形成部
35 排ガス流路
36 排ガス流路形成部
40,40A 環状部材
41 平坦面
42 段差
43 内側傾斜面
44 外側傾斜面
61 前縁
62,62A 後縁
63,63A 内側翼面
64,64A 外側翼面
CL 翼厚中心ライン
D1,D2 距離
ETA 有効ノズルスロート面積
LA 軸線
SL サージング限界
T スロート
TL1,TL2 接線
VC 仮想円
VL 仮想延長面
W0 流路幅
W1 翼高さ
Claims (7)
- タービンインペラと、
前記タービンインペラの外周側に形成されたスクロール流路から前記タービンインペラへ排ガスを導くための排ガス流路を形成する排ガス流路形成部であって、前記排ガス流路を画定するハブ側流路面及びシュラウド側流路面を含む排ガス流路形成部と、
前記排ガス流路に配置されて前記ハブ側流路面又は前記シュラウド側流路面の少なくとも一方に固定された少なくとも1つのノズルベーンと、を備え、
前記少なくとも1つのノズルベーンの前記タービンインペラの軸方向における長さである翼高さW1は、前記タービンインペラの翼前縁位置における前記排ガス流路の前記軸方向における長さである流路幅W0よりも小さい、
タービン。 - 前記少なくとも1つのノズルベーンは、前記タービンインペラの周方向に互いに間隔をあけて配置された複数のノズルベーンを含み、
前記複数のノズルベーンの各々は、所望のノズルスロート幅となるように、前記タービンインペラの軸線から前記ノズルベーンの後縁までの距離が決定された、
請求項1に記載のタービン。 - 前記少なくとも1つのノズルベーンは、前記タービンインペラの周方向に互いに間隔をあけて配置された複数のノズルベーンを含み、
前記複数のノズルベーンの各々は、前記タービンインペラの軸線を中心として前記ノズルベーンの後縁を通る仮想円の前記後縁における接線と、前記ノズルベーンの前記タービンインペラ側の翼面の前記後縁における接線とのなす角度を置き角度θと定義した場合において、所望のノズルスロート幅となるように、前記置き角度θが決定された、
請求項1又は2に記載のタービン。 - 前記ハブ側流路面は、前記シュラウド側流路面との間に前記少なくとも1つのノズルベーンを挟む領域に形成される平坦面であって、前記軸方向における前記タービンインペラの前縁のハブ側端よりもシュラウド側に位置して前記タービンインペラの径方向に沿って延在する平坦面を含む、
請求項1に記載のタービン。 - 前記ハブ側流路面は、前記平坦面よりも前記タービンインペラの前記径方向における内側に、前記径方向における内側に向かうにつれてハブ側に傾斜する内側傾斜面をさらに含む、
請求項4に記載のタービン。 - 前記ハブ側流路面は、前記平坦面よりも前記タービンインペラの前記径方向における外側に、前記径方向における外側に向かうにつれてハブ側に傾斜する外側傾斜面をさらに含む、
請求項4又は5に記載のタービン。 - 請求項1に記載のタービンと、
前記タービンにより駆動されるように構成された遠心圧縮機と、を備える、
過給機。
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