JP2020186606A - コンクリート用養生フィルム - Google Patents

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【課題】本開示は、コンクリートの塩害や中性化を容易に防止することができるコンクリート用養生フィルムを提供することを主目的とする。【解決手段】コンクリートの養生に用いられるコンクリート用養生フィルムであって、少なくとも上記コンクリート用養生フィルムの上記コンクリートと接触する側の表層に、養生層を有し、上記養生層は、樹脂と、上記樹脂表面を親水性にするための界面活性剤と、を含有する、コンクリート用養生フィルムを提供する。【選択図】図1

Description

本開示は、コンクリートの養生に用いられる、コンクリート用養生フィルムに関するものである。
コンクリートは、水とセメント材とを含んでなる生コンクリートを成形型枠内に打設(コンクリート打設)し、一定の養生期間を経て生コンクリートが必要程度に硬化した段階で、型枠を脱型する手順により行うことで製造される。
従来、海岸の近辺等で使用されるコンクリートが、コンクリート表面の微小な多孔から海水が浸入し、塩分によってコンクリート材料が浸食され、鉄筋の腐食等が生じる塩害が問題となっている。また、豪雪地帯においては、冬季に道路の積雪を除去することを目的として融雪剤の散布が盛んに行われており、融雪剤に含まれる塩分によってコンクリートの劣化が生じる塩害が問題となっている。また、本来アルカリ性を有するコンクリートが外部環境の影響として、例えば酸性雨等の影響を受けてアルカリ性を消失してゆく中性化の現象が生じ、この中性化により内部の鉄筋の腐食が進行する問題がある。
このコンクリートの塩害や中性化対策として、コンクリートへの吹き付け塗装後に有機-無機複合型塗膜材を塗布することにより、塩害や中性化を抑制する方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、この方法は、コンクリート打設後に吹き付け工程が必要であるため、工程が多く、多大なコスト、手間がかかるという問題があった。
また、別の方法として、塩化物イオン吸着材や塩化物イオン遮蔽剤等をコンクリート表面に積層して、中性化や塩害を防ぐ方法が提案されている(特許文献2)。しかしながら、この方法は、特許文献1による方法と同様に、コンクリート打設後に表面積層工程が必要であって、工程が多くなり、多大なコスト、手間がかかるという問題があった。
特開2008−2176号公報 特開2012−176854号公報
本開示は、上記事情に鑑みてなされた発明であり、コンクリートの塩害や中性化を容易に防止することができるコンクリート用養生フィルムを提供することを主目的とする。
本開示は、コンクリートの養生に用いられるコンクリート用養生フィルムであって、少なくとも上記コンクリート用養生フィルムの上記コンクリートと接触する側の表層に、養生層を有し、上記養生層は、樹脂と、上記樹脂表面を親水性にするための界面活性剤と、を含有する、コンクリート用養生フィルムを提供する。
本開示のコンクリート用養生フィルムは、コンクリートを打設する型枠に付設して用いることにより、打設されたコンクリートの表面に撥水性を付与することができる。そのため、コンクリート表面からの海水や雨水等の水の侵入を防止することができ、結果的にコンクリートの塩害や中性化を防止することができる、という効果を奏する。
本開示のコンクリート用養生フィルムを例示する概略断面図である。 本開示のコンクリート用養生フィルムの別の一例を例示する概略断面図である。 本開示のコンクリート用養生フィルムの使用方法を説明する概略図である。
以下、本開示の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部の幅、厚み、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。また、説明の便宜上、上方又は下方という語句を用いて説明する場合があるが、上下方向が逆転してもよい。
また、本明細書において、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限り、これは他の構成の直上(又は直下)にある場合のみでなく、他の構成の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の構成の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。
また、本明細書において、「コンクリートの打設」とは、水とセメント材とを含んでなる生コンクリートを型枠の中に流し込む作業をいう。「コンクリートの養生」とは、例えば、コンクリートが所要の強度、耐久性、ひび割れ抵抗性、水密性、鋼材を保護する性能、美観等を確保するために、セメントの水和反応を十分に進行させる作業をいう。
以下、本開示のコンクリート用養生フィルムについて詳述する。なお、本明細書において「コンクリート用養生フィルム」を単に「養生フィルム」と略すことがある。
本開示のコンクリート用養生フィルムは、少なくとも上記コンクリート用養生フィルムの上記コンクリートと接触する側の表層に、養生層を有し、上記養生層は、樹脂と、上記樹脂表面を親水性にするための界面活性剤と、を含有することを特徴とする。
本開示のコンクリート用養生フィルムは、型枠内に予め配置して、上記型枠内にコンクリートが打設された後に打設されたコンクリートを養生するためのコンクリートの養生フィルムであり、一方の主面が、型枠表面に貼り付けられ、もう一方の主面が、コンクリートと接触するものである。本開示のコンクリート用養生フィルムは、界面活性剤の作用により、コンクリートと接触する側の主面が親水性となる。本発明者らは、このような界面活性剤の作用により主面が親水性となった養生フィルムを用いると、型枠に付設された養生フィルムから剥がしたコンクリート表面が、撥水性となることを知見した。
このようにコンクリート表面が撥水性となる原理については、明確には解明されていないが、以下のように推定される。
すなわち、養生フィルムにおいて、樹脂内に表面親水化のために界面活性剤を分散させると、上記界面活性剤が養生フィルムの表面に移行し、養生フィルムの外側に向けて親水性基が並ぶことにより養生フィルムの表面が親水性とされるものと考えられる。この際、上記界面活性剤の疎水性基は、樹脂側に存在することになる。この状態でコンクリートを打設し、養生した場合、その養生期間において上記養生フィルム表面に偏在する界面活性剤の親水性基が、打設されたコンクリートの親水性成分と凝集したり、ある種の化学結合が生じたりするものと推定される。この状態で、養生フィルムを剥離すると、上記界面活性剤がコンクリート表面に転写された状態となり、この際上記界面活性剤は、コンクリート表面の外側に向けて疎水性基が並ぶことになる。これにより、コンクリート表面が撥水性となるものと推定される。
以下、本開示のコンクリート用養生フィルムについて、各構成ごとに説明する。
本開示のコンクリート用養生フィルムは、少なくとも上記コンクリート用養生フィルムの上記コンクリートと接触する側の表層に、樹脂と、上記樹脂表面を親水性にするための界面活性剤と、を含有する養生層を有するものであれば特に限定されないが、本開示のコンクリート用養生フィルムの具体的態様としては、養生層の単層からなる態様、具体的には、図1に示される、養生フィルム10が養生層1の単層である態様が挙げられる。また、本開示の養生フィルムは養生層以外にも他の樹脂層を含んでもよく、例えば、図2に示される、養生フィルム10が養生層1を最表層として含む複数層の樹脂層2を有する態様等が挙げられる。
1.養生層
本開示における養生層は、コンクリート用養生フィルムのコンクリートと接触する側の主表面を親水性にするための界面活性剤が添加された樹脂で構成される層である。養生層は、特に限定されるものではないが、通常は単層構造を有するものである。
(1)樹脂
本開示における養生層を構成する樹脂としては、特に限定されるものではなく、通常養生フィルムとして用いられているものを用いることができる。具体的には、ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、およびポリアミド系樹脂等を挙げることができる。
本発明においては、中でもポリオレフィン系の樹脂が好ましい。樹脂内に酸素や窒素等の極性を有する元素を有するものでないので、親水性を付与する界面活性剤を添加した際に、疎水性基が樹脂側に並びやすくなると推定されるからである。上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン重合体を主成分とするものである。高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、結晶性ポリプロピレン、結晶性ポリプロピレン、結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合体、ポリブテン等が挙げられる。
上記樹脂、特にポリオレフィン樹脂は疎水性樹脂であるため、ポリオレフィン樹脂に後述する界面活性剤が添加されると、界面活性剤の疎水性基が樹脂層側に、親水性基が上記養生層表面側に配向することとなり、養生層表面が親水性となる。このように養生層表面が親水性とされた状態でコンクリートを打設、養生することにより、上述したように得られるコンクリート表面を撥水性とすることができる。
本開示における樹脂は、養生層中に、通常95質量%以上99.5質量%以下の範囲内で配合され、中でも、質量96%以上98質量%以下の範囲内で配合されることが好ましい。
(2)界面活性剤
本開示における界面活性剤は、上記樹脂層の表面を親水性にするために使用される。界面活性剤としては、一般的な疎水基と親水基とを有する界面活性剤であれば特に限定されないが、特にポリオレフィン系樹脂に混合することができるものであることが好ましい。
本開示において、好ましくは非イオン系のものが用いられる。非イオン系界面活性剤は、界面活性剤としての機能効果が持続しやすいからである。
上記非イオン系界面活性剤は、大きくエステル型、エーテル型、エステル・エーテル型に分けられるが、本開示においてはいずれの型も用いることができる。具体的にはグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等が挙げられる。
上記界面活性剤の養生層中の含有量としては、界面活性剤の種類により変化するものではあるが、通常0.5質量%以上、5質量%以下であり、好ましくは、2質量%以上、4質量%以下である。上記範囲より含有量が少ない場合は、本開示のコンクリート用養生フィルムを用い、打設、養生した後に得られるコンクリート表面に十分な撥水性を付与することができず、上記範囲より多い場合は、表面への移行量が多くなりすぎ、養生フィルムの取り扱い性が悪くなる。
本開示において、上記界面活性剤は、界面活性剤のマスターバッチを作製し、これを用いて上記樹脂内に分散させる方法を用いてもよい。分散性が向上するからである。
(3)任意成分
本開示における養生層は、上記樹脂及び上記界面活性剤以外に、任意の成分を含むことができる。任意の成分としては、例えば、アンチブロッキング防止剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、求核透明化剤、着色剤、難燃剤、などが挙げられる。
2.養生層以外の層
本開示の養生フィルムは、上述した養生層のみで構成されるものであってもよいが、一方の主面側の最表層に前記養生層が配置された複数層の積層体であってもよい。
図2は、本開示の養生フィルムが養生層1を最表層として含む複数層の樹脂層2を有する場合を示すものである。
本開示の養生フィルムが、図2に示されるような養生層1を最表層として含む複数層の樹脂層2を有する場合、養生層以外の樹脂層の構成としては、その樹脂の種類は目的に応じて選択される。強度面等で配置される樹脂層としては、例えばポリエチレンテレフタレート等からなる樹脂層が配置される。また、例えば、「1.養生層 b.界面活性剤」で挙げた界面活性剤を含まないポリオレフィン系樹脂層であってもよい。養生層に界面活性剤をより多く配合するために、コンクリートが接する側とは反対側に界面活性剤の配合されていないポリオレフィン系樹脂層を配置し、養生フィルムとしての取り扱い性を向上させる等のためである。また、界面活性剤が高価である場合等においては、このようなポリオレフィン樹脂層を配置することが有効である。
また、上記養生層以外の層は、例えば、補強層であってもよい。コンクリートと接する側と反対側に補強層を設けることにより、例えば、作業取扱い性、強度、剛性等を向上させることができる。
補強層としては、樹脂中にグラスファイバー等の補強部材を有するものであってもよいが、織物、編物、不織布、ネット状シートなどであってもよい。
また、本開示の養生フィルムを、型枠と接着させる必要性がある場合、もしくは養生層と他の層との接着性を高めるために接着層を設けてもよい。接着層としては、ウレタン系、ビニル系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤等を用いることができる。
3.その他
本開示のコンクリート用養生フィルムは、コンクリートと接触する側の主表面(即ち、養生層の表面)が、親水性を有する。具体的には、水に対する接触角が、80°以下、中でも、40°以下、特には、20°以下が好ましい。
表面がこのような接触角を有する養生フィルムであれば、コンクリートの表面の撥水化をより効果的に達成することができるからである。
なお、接触角は協和界面科学製接触角計(DropMaster)を用いて、測定された値である。使用する液体は純水を用い、測定条件は23℃、湿度50%、大気圧下で測定を行った。
本開示のコンクリート用養生フィルムの膜厚は、10μm以上300μm以下、特には、30μm以上200μm以下が好ましい。上記範囲内であれば、強度や取扱い性に優れるからである。
4.コンクリート用養生フィルムの製造方法
本開示のコンクリート用養生フィルムの製造方法は、目的とする養生フィルムが得られる方法であれば特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂と、ポリオレフィン系樹脂に界面活性剤が高濃度で分散されたマスターバッチとを溶融混錬した後、シート化(フィルム化)し、養生フィルムを作製する方法が挙げられる。このようなマスターバッチを用いる方法は、界面活性剤の分散が良好となる等の理由から好ましい。溶融混練に用いられる装置としては、例えば、連続混練機、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機等が挙げられる。
樹脂組成物をシート化する方法としては、例えば、インフレーション成形またはT−ダイ成形等の溶融押出成形法の公知の成形方法が挙げられる。本開示の養生フィルムが積層構造を有する場合には、上記養生層となる樹脂組成物と、他の層となる樹脂組成物とを、2以上の押出機を使用し共押出し成形することによって製造することができる。
5.コンクリート用養生フィルムの使用方法
本開示の養生フィルムは、型枠に予め付設した後、コンクリートを打設し、養生する際に使用されるコンクリートの養生フィルムである。また、本開示の養生フィルムは、養生されたコンクリートから型枠と共に除去され、コンクリート面に残らない。以下、本開示の養生フィルムの使用方法について説明する。図3は、本開示のコンクリート用養生フィルムの使用方法を説明する概略図である。
図3(A)に示されるように、本開示の養生フィルム10は、型枠4に付設される。養生フィルムを型枠に付設する方法としては特に限定されない。例えば、養生フィルム表面に接着剤を塗布して付設することができる。接着剤は、表面全体に設けても構わないし、部分的に設けても構わない。
また、このように接着剤を塗布する方法でも良いし、粘着性フィルムからなる両面テープ等を貼り付ける方法によって接着してもよい。型枠と、養生フィルムとの接着強度は、コンクリートの養生後に型枠を剥がす際に、型枠と養生フィルムとが共に剥がれる程度に、即ち、コンクリートに養生フィルムが残らない程度に強いことが好ましい。
型枠材としては、例えば木製、金属製、樹脂製の基材等を適宜使用することができる、 また、その形状および寸法についても特に限定されるものではなく、目的とするコンクリート構造物の形状等に応じ適宜変更することが好ましい。
養生フィルム10を付設した型枠4は、所望の成型形態に合わせて組立し、コンクリート3を打設し、養生する(図3(B))。型枠組み上げの施工方法としては、公知の工法を使用することができる。流し込みに供するコンクリートの組成としては、セメント、骨材、減水剤、糊材、水などを必要に応じて任意の公知の配合組成に調合し使用する。コンクリート構造体補強のために、鉄筋を配したり、コンクリートに炭素繊維、アラミド繊維などの高強度・高弾性率繊維を予め配合することもできる。
次いで、コンクリート3を十分に養生し、強度及び耐久性を確保した後、養生フィルム10を型枠4と共に剥がし、養生後のコンクリート3’を得る(図3(C))。養生は、例えば、コンクリート打設後の一定期間、コンクリートを適当な温度及び十分な湿潤状態に保ち、かつ有害な作用の影響をうけないように保護することで行うことができる。このようにして作製されたコンクリートは、表面が撥水性を有するため、海水や雨水等の水の侵入を防ぐことが可能となり、結果、コンクリートの塩害や中性化を防止することができる。従来の防止方法は、工程が多く煩雑であったが、本開示のコンクリート用養生フィルムであれば、容易にコンクリートの塩害や中性化を防止することができる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本開示をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
(養生フィルムの製造)
インフレーション装置のホッパーに、ポリエチレン系樹脂SP2020(株式会社プライムポリマー製)、界面活性剤入りマスターバッチであるエレカットマスターM−230(竹本油脂株式会社製、ベース樹脂:直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、密度:0.920g/cc、MI(メルトインデックス:2.1、防曇材(界面活性剤)成分:約10%含有)を入れ、インフレーション成形により養生層の単層からなる養生フィルムを製膜した。エレカットマスターの添加量は10質量%(実施例1)であった。養生フィルム表面の接触角を測定した結果を表1に示す。接触角は、協和界面科学製接触角計(DropMaster)を用い、上述した条件により測定した。
(試験箱の作製)
まず、試験箱に用いる型枠(合板から成る木枠)を用意し、製造した養生フィルムを型枠に貼り付けた。フィルムの貼り付けには、スプレー糊を用いた。フィルムを貼り付けた型枠を組み上げ、600mm×600mm×300mmの試験箱を作製した。
(コンクリートの充填及び養生)
上述した試験箱に生コンクリートを流し込んだ。流しこみが完了した段階でバイブレーターにより締固めを行った。28日後養生を行ってから型枠を剥がし、コンクリート構造物を得た。
[実施例2および3]
上記エレカットマスターの添加量を、20質量%(実施例2),30質量%(実施例3)とした以外は、実施例1と同様に養生フィルムを製造し、試験箱を作製し、コンクリートの充填、養生を行い、型枠を剥がしてコンクリート構造物を得た。
[比較例1]
上記エレカットマスターを添加しない(即ち、添加量0質量%)こと以外は、実施例1と同様に養生フィルムを製造し、試験箱を作製し、コンクリートの充填、養生を行い、型枠を剥がしてコンクリート構造物を得た。
[比較例2]
養生フィルムを貼り付けずに、通常のコンクリートの打設で用いるベニヤ板の合板から成る型枠を組み上げ、600mm×600mm×300mmの試験箱を作製し、コンクリートの充填、養生を行い、型枠を剥がしてコンクリート構造物を得た。
(評価方法)
型枠を剥がしたコンクリートの撥水性について、下記評価を実施した。
1.定性的判断
フィルムにより養生したコンクリート表面に洗瓶により水をかけ、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
◎:水を良く弾いた場合
〇:多少弾いた場合
△:あまり弾かない場合
×:弾かず浸み込んだ場合
2.定量的判断
コンクリート表面の撥水性を定量化するために濡れペン(ダインペンVariety 大洋株式会社)を用いた。弾いた時のダイン指数を評価値として記載した。結果を表1に示す。
なお、測定方法は以下の通りである。
1. ペンのキャップを外してコンクリートの表面に2平方センチメートルほど濡れ測定用のインキを塗る。
2.塗布後、4秒間静置し、インクが保持されていれば撥水しない、インクが丸まったり、弾いたりした場合は撥水した、と判断した。
3.使用した濡れペンのダイン指数は30、32、35、38、41、44、48、および56ある。
Figure 2020186606
表1の結果から、ポリオレフィン系樹脂と、コンクリート用養生フィルムの表面を親水性にするための界面活性剤とを含有する養生フィルムであれば、養生後のコンクリートの表面を撥水化することができる(実施例1〜3)。一方で、界面活性剤を含有しない養生フィルムは、フィルム表面が親水性を示さず、得られたコンクリート表面を撥水化することができなかった(比較例1)。また、養生フィルムを用いない比較例2においても、得られたコンクリート表面を撥水化することができなかった(比較例2)。
1 … 養生層
2 … ポリオレフィン系樹脂層
3 … コンクリート
4 … 型枠
10 … 養生フィルム

Claims (6)

  1. コンクリートの養生に用いられるコンクリート用養生フィルムであって、
    少なくとも前記コンクリート用養生フィルムの前記コンクリートと接触する側の表層に、養生層を有し、
    前記養生層は、樹脂と、前記樹脂表面を親水性にするための界面活性剤と、を含有する、コンクリート用養生フィルム。
  2. 前記樹脂が、ポリオレフィン系樹脂である、請求項1に記載のコンクリート養生フィルム。
  3. 前記コンクリート用養生フィルムは、前記養生層の単層からなる、請求項1または請求項2に記載のコンクリート用養生フィルム。
  4. 前記コンクリート用養生フィルムは、一方の主面側の最表層に前記養生層が配置された複数層の積層体である、請求項1または請求項2に記載のコンクリート用養生フィルム。
  5. 前記養生層の、前記コンクリートと接触する側の主面の水に対する接触角が、80°以下である、請求項1から請求項4のいずれかに記載のコンクリート用養生フィルム。
  6. 前記養生層は、前記界面活性剤を、0.5質量%以上5質量%以下含むものである、請求項1から請求項5のいずれかの請求項に記載のコンクリート用養生フィルム。
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