これら及び他のニーズが、本開示の種々の実施形態及び構成によって対処される。記載されるものは、コンタクトセンターとユーザ(例えば、顧客)の間の種々の対話方法である。対話方法は、ユーザとコンタクトセンターの間でデジタルトークンを転送する手段としてのブロックチェーンの使用に基づく。一実施形態では、エンドユーザの同意の承諾が、ユーザ通信エンドポイントから受信される。エンドユーザの同意は、ユーザとコンタクトセンター間にある。エンドユーザの同意によってスマートコントラクトが実行される。スマートコントラクトは、どのようにしてデジタルトークンがユーザのデジタルウォレットとコンタクトセンターのデジタルウォレットとの間で転送されるのかを定義する。スマートコントラクトは、所定数のデジタルトークン(すなわち、デジタル通貨)がユーザのデジタルウォレットに関連付けられるようにする。例えば、ユーザは、コンタクトセンター内でのトランザクションに関連する条項に従うことに電子的に同意することができる。通信セッションは、ユーザ通信エンドポイントとコンタクトセンターの間で確立される。ユーザがコンタクトセンターとのトランザクションを行うことを望むことを示す入力が受信される。例えば、トランザクションは、ユーザがコンタクトセンターキューの先頭に移動されることを望むことであり得る。トランザクションは、ユーザのデジタルウォレット/コンタクトセンターのデジタルウォレットに関連するデジタルトークンの数に変化をもたらす。そして、デジタルトークンの変化は、コンタクトセンターに対応するブロックチェーンに記憶される。ブロックチェーンは、デジタル台帳の一種である。
文言「少なくとも1つ」、「1以上」、「又は(若しくは)」及び「及び/又は」は、用法において接続的かつ離接的なオープンエンドな表現である。例えば、「A、B及びCの少なくとも1つ」、「A、B又はCの少なくとも1つ」、「A、B及びCの1以上」、「A、B又はCの1以上」、「A、B及び/又はC」及び「A、B又はC」という表現の各々は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBの双方、A及びCの双方、B及びCの双方、又はA、B及びCの全てを意味する。
用語「a」又は「an」エンティティは、そのエンティティの1以上をいう。このように、用語「a」(又は「an」)、「1以上」及び「少なくとも1つ」は、ここでは互換可能に使用され得る。また、用語「備える」、「含む」及び「有する」も互換可能に使用され得ることを注記する。
ここで使用する用語「自動的」及びその変化形とは、その処理又は動作が実行されると実質的な人間の入力なしに行われる任意の処理又は動作であって通常は連続的又は準連続的であるものをいう。ただし、処理又は動作の実行が実質的又は非実質的な人間の入力を用いるとしても、その入力がその処理又は動作の実行前に受信される場合にはその処理又は動作は自動的となり得る。人間の入力は、どのようにして処理又は動作が実行されるかにその入力が影響を与える場合に実質的であるとみなされる。処理又は動作の実行に同意する人間の入力は、「実質的」とはみなされない。
本開示の態様は、ここでは全て一般に「回路」、「モジュール」又は「システム」ともいう全体的にハードウェアの実施形態、全体的にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)又はソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形式を採り得る。1以上のコンピュータ可読媒体の任意の組合せが利用され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であり得る。
コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、ただし限定的にではなく、電子、磁気、光学、電磁、赤外若しくは半導体システム、装置若しくはデバイス又は上記の任意の適宜の組合せであればよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(網羅的リストではない)は以下:1以上の配線を有する電気接続、可搬コンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、可搬コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又は上記の任意の適宜の組合せを含むことになる。この書類の背景において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置又はデバイスによる又はそれとの関連における使用のためにプログラムを含み又は記憶することができる任意の有形媒体となり得る。
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドにおいて又は搬送波の一部としてここに具現化されるコンピュータ可読プログラムコードを有する伝搬データ信号を含み得る。そのような伝搬信号は、これに限定されないが、電磁気、光又はこれらの任意の適切な組合せを含む種々の形態のいずれかをとり得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置若しくはデバイスによって又はそれとの接続において使用するためにプログラムを通信、伝搬又は搬送することができる任意のコンピュータ可読媒体であり得る。コンピュータ可読媒体上で具現化されるプログラムコードは、これに限定されないが、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど又は上記の任意の適切な組合せを含む任意の適切な媒体を用いて送信され得る。
ここで使用される用語「判定する/決定する」、「算出する」及び「計算する」並びにその変化形は、互換可能に使用され、任意のタイプの方法、処理、数学的演算又は技術を含む。
ここで使用される用語「手段」は米国特許法第112条(f)及び/又は112条、第6項によるその最も広い可能な解釈で与えられるべきである。したがって、用語「手段」を含む請求項は、全ての構造物、材料又はここに説明する動作及びその均等物の全てを包含するものである。また、構造物、材料又は動作及びその均等物は、概要、図面の簡単な説明、詳細な説明、要約書及び特許請求の範囲自体に記載される全てのものを含むものである。
ここに及び特許請求の範囲において記載される用語「ブロックチェーン」は、暗号を用いてリンクされる、ブロックといわれる増加する記録のリストをいう。ブロックチェーンは、一般に、全ての後続のブロックの改変及びネットワークのコンセンサスなしには、記録が遡及的に改変され得ないように、多数のコンピュータにわたってトランザクションを記録するのに使用される非中央化分散公開デジタル台帳である。各ブロックは、直前のブロックの暗号ハッシュ、タイムスタンプ及びトランザクションデータ(一般的にはマークルツリールートハッシュとして表される)を含む。分散台帳としての使用のため、ブロックチェーンは通常、ノード間通信のためのプロトコルを集合的に固守して新たなブロックを有効化するピアツーピアネットワークによって管理される。一旦記録されると、所与のいずれのブロックにおけるデータも、全ての後続のブロックの改変なしには遡及的に改変され得ず、それはネットワークの大部分のコンセンサスを必要とする。ブロックチェーンにおけるブロックを認証又は有効化する際に、ハッシュキャッシュアルゴリズム(又は他のアルゴリズム)は一般に、以下のパラメータ:サービスストリング、ナンス及びカウンタを必要とする。サービスストリングは、ブロックヘッダデータ構造体に符号化され、バージョンフィールド、直前ブロックのハッシュ、ブロックにおける全てのトランザクション(又は情報若しくはデータ)のマークルツリーのルートハッシュ、現時刻及び難易度を含み得る。ナンスは、extraNonceフィールドに記憶可能であり、それはマークルツリーにおける最左リーフノードとして記憶される。カウンタパラメータは32ビットで小さいことが多いため、それがラップする度に、反復作業を回避するようにextraNonceフィールドが増分(あるいは変更)されなければならない。ブロックを認証又は有効化する場合、ハッシュキャッシュアルゴリズムは、カウンタ及びextraNonceフィールドを増分しつつブロックヘッダを繰り返しハッシュする。トランザクション又は他の情報が最左リーフノードとなるので、extraNonceフィールドを増分することによってマークルツリーを再計算することになる。ブロックの本体は、トランザクション又は他の情報を含む。これらは、マークルルートを介して間接的にのみハッシュされる。
ここに及び特許請求の範囲において定義されるように、用語「トランザクション」は、デジタルトークンの交換をもたらすコンタクトセンターとの任意のタイプのトランザクションであり得る。例えば、トランザクションは、出荷を優先するリクエスト、商品又はサービスを購入するリクエスト、コンタクトセンターキューにおける待ち時間を増加させるリクエスト、コンタクトセンターキューにおける待ち時間を短縮するリクエスト、コンタクトセンターキューを迂回するリクエスト、トラブルチケットを優先するリクエスト、インタラクティブボイスレスポンス(IVR)メニューを修正する(例えば、他のユーザが有さないオプションを提供する)リクエスト、通信セッションを特定のコンタクトセンターエージェントに向けるリクエスト、宛先コンタクトセンターキューを変更する(例えば、より高い又はより低い優先度のコンタクトセンターキューを要求する)リクエスト、通信セッションモダリティを変更する(例えば、テキストメッセージングセッションをボイスコールに昇格させ、又はボイスコールをeメール又はチャット通信セッションに降格させる)リクエスト、(ライブのコンタクトセンターエージェントとの作用の代わりに)セルフサービスオプションを用いること、スケジューリングされたコールバックなどであり得る。
ここに及び特許請求の範囲において言及される用語「デジタルトークン」は、コンタクトセンターに使用されるデジタル通貨(すなわち、仮想通貨)の一形態である。デジタルトークンは、Bitcoinなどの既存のデジタル通貨をいうこともある。デジタルトークンは、カスタムのDLT/ブロックチェーンスマートコントラクトを用いることによって実施される。スマートコントラクトは、同意が確定されると、デジタルトークンをある相手から他の相手にプログラムに従って交換するように配備される。スマートコントラクトを実施するのに使用されるプログラミング言語のタイプは、Solidity(Ethereum)及びGo(Hyperleger Fabric)を含む。デジタルトークンは、提案されるNon−Fungible Ethereum Token標準(すなわち、ERC721)に関連付けられる概念の幾つかを利用する。提案される発明の部分として、新たなメタデータ拡張は、コンタクトセンター及びRCSモビリティ環境の双方との統合をサポートするように定義されている。デジタルトークンメタデータにアクセスするのに2つの可能な方法が使用され得る。メタデータは、デジタルトークンスマートコントラクトの部分、又は別個のデータリポジトリ内でメタデータのオフチェーンを安全に参照することができるベクトルのいずれかとして、パラメトリックな形態で含まれ得る。パラメトリックな形態でメタデータを共有することは高価化する可能性があり、間違いなくあまり安全ではないので、ベクター参照の使用が推奨される。デジタルトークンメタデータは、UUID−RFC4122に基づき得る。
ここに及び特許請求の範囲において記載されるように、デジタルトークンを参照する場合、多数のデジタルトークンは、Nを整数(正又は負のいずれか)として、ゼロからNまでの任意数のデジタルトークンを含み得る。
前述のものは、開示の幾つかの態様の理解を与える簡略化された概要である。この概要は、開示及びその種々の実施形態の広範な概観でも網羅的な概観でもない。それは、開示の鍵となる又は重要な要素を特定するものでも、開示の範囲を境界付けるものでもなく、以下に提示されるより詳細な説明への導入として簡略化された態様において開示の選択的コンセプトを提示するものである。理解されるように、開示の他の実施形態は、以上に記載され又は以下に詳細に説明される構成の1以上を単独又は組合せにおいて利用して可能となる。また、開示は例示の実施形態の観点において提示されるが、開示の個々の態様が個別に特許請求され得ることが理解されるべきである。
図1は、ブロックチェーン141を用いてトランザクションを管理するための第1の例示的システム100のブロック図である。第1の例示的システム100は、ユーザ通信エンドポイント101A〜101N、ネットワーク110、コンタクトセンター120、エージェント通信エンドポイント130A〜130N及びサーバ140A〜140Nを備える。
ユーザ通信エンドポイント101A〜101Nは、パーソナルコンピュータ(PC)、電話機、ビデオシステム、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、タブレットデバイス、ノートブックデバイス、スマートフォン、ラップトップコンピュータなどのような、ネットワーク110上で通信可能な任意のユーザ通信エンドポイントデバイスであってもよいし、それを含んでいてもよい。ユーザ通信エンドポイント101A〜101Nは、通信セッションを終端するデバイスである。ユーザ通信エンドポイント101A〜101Nは、通信マネージャ121又はルータのような、ネットワークにおいて通信セッションを促進及び/又は中継するネットワーク要素ではない。図1に示すように、任意数のユーザ通信エンドポイント101A〜101Nが、ネットワーク110に接続され得る。
ユーザ通信デバイス101Aは、ユーザデジタルウォレット102Aをさらに備える。ユーザデジタルウォレット102Aは、ユーザがデジタルトークン143を購入/管理することを可能とするソフトウェアプログラムである。ユーザデジタルウォレット102Aは、コンタクトセンター120内の種々のタイプのトランザクションに対して使用可能である。さらに、デジタルウォレット102Aは、複数のコンタクトセンター120(例えば、異なるベンダの複数のコンタクトセンター120)と作用し得る。ユーザデジタルウォレット102Aは、ユーザがコンタクトセンター120との種々のタイプのトランザクションを開始及び管理することを可能とするユーザインターフェースを有する。一実施形態では、ユーザデジタルウォレット102Aは、ユーザ通信エンドポイント101Aにおけるブラウザを介してウェブサーバ124によって提供され得る。あるいは、ユーザデジタルウォレット102Aは、ユーザ通信エンドポイント101Aにインストールされたアプリケーションであり得る。
便宜上不図示であるが、ユーザ通信エンドポイント101B〜101Nも、デジタルウォレット102を備え得る。さらに、便宜上不図示であるが、ユーザ通信エンドポイント101A〜101Nは、マイクロプロセッサ、ディスプレイ、アプリケーションなどのような他の要素を備え得る。
ネットワーク110は、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ボイスオーバーIPネットワーク(VoIP)、公衆電話交換網(PSTN)、パケット交換ネットワーク、回路交換ネットワーク、セルラネットワーク、これらの組合せなどのような、電子通信を送受信することができる通信機器の任意の集合であってもよいし、それを含んでいてもよい。ネットワーク110は、イーサネット、インターネットプロトコル(IP)、セッション開始プロトコル(SIP)、サービス総合デジタル網(ISDN)、H.323、Web Real−Time Communication(WebRTC)プロトコル、ビデオプロトコル、eメールプロトコル、テキストメッセージングプロトコル、インスタントメッセージング(IM)プロトコルなどのような、多様な電子プロトコルを用いることができる。したがって、ネットワーク110は、パケット及び/又は回路交換通信を介してメッセージを搬送するように構成された電子通信ネットワークである。
コンタクトセンター120は、トランザクションを管理するとともに、ユーザ通信エンドポイント101A〜101Nとエージェント通信端末130A〜130Nとの間で通信セッションをルーティングすることができるソフトウェアに結合された任意のハードウェアであってもよいし、又はそれを含んでいてもよい。コンタクトセンター120は、通信マネージャ121、コンタクトセンターキュー122、インタラクティブボイスレスポンス(IVR)システム123、ウェブサーバ124、eメールシステム125、コンタクトセンターデジタルウォレット126、データベース127、デジタルトークンルーティングモジュール128及び顧客ロイヤルティモジュール129をさらに備える。
通信マネージャ121は、構内交換機(PBX)、プロキシサーバ、セッションマネージャ、インスタントメッセージング(IM)サーバ、テキストメッセージングサーバ、ビデオルータなどのような、コンタクトセンター120において通信を管理及びルーティングすることができるソフトウェアに結合された任意のハードウェアであってもよいし、それを含んでいてもよい。
コンタクトセンターキュー122は、通信セッションを、それがコンタクトセンターエージェントによって処理可能となるまで保持する任意のコンピュータ構築物であってもよいし、それを含んでいてもよい。コンタクトセンターキュー122は、ボイス通信セッション、ビデオ通信セッション、IM通信セッション、テキストメッセージ、eメールなどを保持することができる。
インタラクティブボイスレスポンス(IVR)システム123は、ユーザと口頭で対話することができるソフトウェアに結合された任意のハードウェアであってもよいし、それを含んでいてもよい。IVRシステム123は通常、ユーザ通信セッション(例えば、ボイスコール)が特定のコンタクトセンターキュー122及び/又はコンタクトセンターエージェントにルーティングされることを可能とする一連のメニューを提供する。IVRシステム123はまた、ビデオ/テキストベースのIVRシステムを含み得る。
ウェブサーバ124は、Apache(商標)、マイクロソフトインフォメーションサービス(商標)、Nginx(商標)などのような任意の公知のウェブサーバ124であり得る。ウェブサーバ124は、セルフサービスアプリケーション、クリックトゥコールサービス、ソーシャルメディアサービス、eメールサービス、チャットサービスなどのような、コンタクトセンター120についての種々のサービスを提供し得る。
eメールシステム125は、コンタクトセンター120に送信され及びそこから送信されるeメールを管理する。eメールシステム125は、カレンダーシステムも備え得る。
コンタクトセンターデジタルウォレット126は、コンタクトセンター120に所有されるデジタルトークン143を追跡する。例えば、ユーザがデジタルトークン143を消費すると、対応する量のデジタルトークン143がコンタクトセンターデジタルウォレット126にクレジットされる。
データベース127は、リレーショナルデータベース、ファイルシステム、オブジェクト指向データベース、ディレクトリサービスなどのような任意のタイプのデータストレージであってもよいし、それを含んでいてもよい。データベース127は、1以上のトランザクション記録を記憶するのに使用され得る。トランザクション記録は通常、トランザクションに関連付けられたプライベートな顧客情報を含む。セキュリティ及びデータプライバシーの理由のため、トランザクション記録は通常、(ブロックチェーン141とは別個に記憶された)ユーザの個人情報を含む。ただし、トランザクション記録は、ユーザ名、ユーザアドレス、通信セッション識別子、トランザクションタイプ(ボイスコールをコンタクトセンターキュー122の先頭にすることを促進する)、商品又はサービス名、トランザクション処理(例えば、トラブルチケットを優先する)、ユーザの位置、トランザクションの時刻、トランザクションの日付、通信セッションがコンタクトセンター120を通過して進むのに伴う通信セッションの履歴などのような、トランザクションに関連する任意の情報を含み得る。
一実施形態では、データベース127は、コンタクトセンター120から独立していてもよい。例えば、データベース127は、トランザクション/デジタルトークン143に関連する個人情報を含む中央化データベース127の部分であるセキュアサーバ上にあってもよい。
デジタルトークンルーティングモジュール128は、ユーザデジタルウォレット102/コンタクトセンターデジタルウォレット126/顧客ロイヤルティモジュール129との関連で作用する。デジタルトークンルーティングモジュール128は、デジタルトークン143に影響するトランザクションの管理のための種々のルールを含み得る。デジタルトークンルーティングモジュール128は、通信セッションをルーティングすること(例えば、どのようにしてボイスコールがコンタクトセンター120においてルーティングされるか)に関連するユーザトランザクションに基づいて、デジタルトークン143がユーザデジタルウォレット102/コンタクトセンターデジタルウォレット126にデビット及び/又はクレジットされるようにする。例えば、ユーザが(例えば、IVRシステム123を介して)コンタクトセンターキュー122において通常よりも長く待つリクエストを行う場合、デジタルトークンルーティングモジュール128は、スマートコントラクト142から受信された入力に基づいて、ユーザデジタルウォレット102に追加のデジタルトークン143をクレジットするとともにコンタクトセンターデジタルウォレット126に対応量のデジタルトークン143をデビットする情報を送信することになる。ユーザデジタルウォレット102及びコンタクトセンターデジタルウォレット126をデビット/クレジットするためのルールは、スマートコントラクト142及び/又は顧客ロイヤルティモジュール129に基づき得る。
顧客ロイヤルティモジュール129は、ユーザデジタルウォレット102/コンタクトセンターデジタルウォレット126との関連で作用する。顧客ロイヤルティモジュール129は、デジタルトークン143の管理のための種々のルール、ロジック及び/又はアルゴリズムを含み得る。顧客ロイヤルティモジュール129は通常、トランザクションがユーザデジタルウォレット102とコンタクトセンターデジタルウォレット126の間でデジタルトークン143の交換にどのように影響するかを定義するルールを含む。顧客ロイヤルティモジュール129は、顧客ロイヤルティ(例えば、リピータ顧客であること)に関連する1以上のトランザクションに基づいて、デジタルトークン143がユーザデジタルウォレット102/コンタクトセンターデジタルウォレット126に対してスマートコントラクト142におけるルールに基づいてデビット及び/又はクレジットされるようにする。例えば、リピータ顧客(ユーザ)は、コンタクトセンター120との更なるトランザクションのために使用される追加のデジタルトークン143でクレジットされ得る。
他の例は、ユーザが電話をかけ、5分間を費やしてコンタクトセンター120のサービスを利用し、その後、所定金額を費やすことによってコンタクトセンター120のサービスを利用する場合である。この例では、顧客ロイヤルティモジュール129は、対話に基づいて規定数のデジタルトークン143を計算してユーザデジタルウォレット102に累積するアルゴリズム/ルールを有する。
他の例では、ユーザは、コンタクトセンターキュー122において通常よりも長く待つことを選択し得る。この場合、顧客ロイヤルティモジュール129は、顧客ロイヤルティモジュール129において定義されるアルゴリズム/ルールに従ってデジタルトークン143の数を計算してから、計算された数のデジタルトークン143をユーザデジタルウォレット102にクレジットする。
さらに他の例では、ユーザは、コンタクトセンターキュー122において順位を上げて彼/彼女のコールを優先することを選択し得る。この場合、デビットされるデジタルトークン143の数は、顧客ロイヤルティモジュール129によって計算される。ユーザデジタルウォレット102は計算された数のデジタルトークン143でデビットされ、コンタクトセンターデジタルウォレット126は同数のデジタルトークン143でクレジットされる。
便宜上不図示であるが、コンタクトセンター120は、IMサーバ、会議サービス、ボイスメールシステムなどのような他の要素を備えていてもよい。
サーバ140A〜140Nは、ブロックチェーン141を備える。サーバ140A〜140Nは、デジタル台帳を維持するのに使用可能な任意のサーバ140であってもよいし、それを含んでいてもよい。デジタル台帳は、同じブロックチェーン141の複数の複製が、トランザクションを有効化するために別個のサーバ140A〜140Nに記憶されるものである。デジタル台帳は通常、コンタクトセンター120における(コンタクトセンター120の複数のユーザについての)全てのトランザクションに対して使用される単一のブロックチェーン141の複製を有する。新たなトランザクションがコンタクトセンター120において発生すると、トランザクションが有効化される場合、新たなブロックが、トランザクションを記録しておくサーバ140A〜140Nの各々におけるブロックチェーン141に追加される。
ブロックチェーン141は、スマートコントラクト142及びデジタルトークン143をさらに備える。スマートコントラクト142は、ユーザデジタルウォレット102と対話するユーザに基づいて実行される。スマートコントラクト142は通常、コンタクトセンター120において/それとともに発生し得る種々のタイプのトランザクションに基づいてどのようにしてデジタルトークン143をデビット/クレジットするかを決定するための1以上の基本的ルールである。スマートコントラクト142は、ブロックチェーン141とともに記憶される実行可能なソフトウェアである。通常、コンタクトセンター120によって使用される1つのスマートコントラクト142がある。ただし、一実施形態では、単一のコンタクトセンター120に関連付けられる複数のスマートコントラクト142があってもよい。例えば、異なるユーザ及び/又は同じユーザによって使用される異なる商品/顧客サポートプログラムに対して2つの異なるスマートコントラクト142があってもよい。トランザクションが発生すると、スマートコントラクト142が実行される。スマートコントラクト142のブロックチェーンソフトウェアは、トランザクションを有効化する。トランザクションが有効化されると、デジタルトークン143のクレジット/デビット(すなわち、コンタクトセンター/ユーザに所有されるデジタルトークン143)はブロックチェーン141における新たなブロック内のトランザクションの形態で追加される。そして、デビット/クレジットは、ユーザデジタルウォレット102/コンタクトセンターデジタルウォレット126に伝搬される。一実施形態では、ブロックチェーン141で記憶される各実行可能スマートコントラクト142についてデジタル台帳において別個のブロックチェーン141があり得る。
スマートコントラクト142は、スマートコントラクト142がまずネットワーク110からアップロードされるときに一回だけ稼働する起動機能を含む。この機能は、コンタクトセンターデジタルウォレット126においてデジタルトークン143の初期残高を設定することになる。スマートコントラクト142は、デジタルトークン143を1つのデジタルウォレット(102/126)から他のものに転送/移動するために呼び出される転送機能も含み得る。転送機能は、受信者(例えば、受信者のアカウントのブロックチェーンアドレス)及び値(すなわち、転送するトークンの数)についての関数の引数を含み得る。残高確認機能も、転送を完了する前にユーザが充分な数のデジタルトークン143を有することを確実にするようにスマートコントラクト142内に含まれてもよい。スマートコントラクト142は、負の残高が許可されないような態様で定義され得る−あるいは、それらは「借金」として扱われ得る。スマートコントラクト142は、イベント機能のためのサポートも含み得る。スマートコントラクト142は、スマートコントラクト142が実行されると、進行イベントがユーザと共有されることを確実にするようにこれらのイベント機能を呼び出す。
図2は、コンタクトセンター120とスマートコントラクト142を確立する処理のフロー図である。例示として、ユーザ通信エンドポイント101A〜101N、ユーザデジタルウォレット102A、コンタクトセンター120、通信マネージャ121、コンタクトセンターキュー122、IVRシステム123、ウェブサーバ124、eメールシステム125、デジタルコンタクトセンターウォレット126、データベース127、デジタルトークンルーティングモジュール128、顧客ロイヤルティモジュール129、エージェント通信エンドポイント130A〜130N、サーバ140A〜140N、ブロックチェーン141、スマートコントラクト142及びデジタルトークン143は、メモリ(すなわち、コンピュータメモリ、ハードディスクなど)などのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラム命令を実行することによって、図2〜4の方法及びここに記載される処理を実行するコンピュータ又はマイクロプロセッサのような記憶プログラム制御によるエンティティである。図2〜4に記載される方法は特定の順序で示されるが、当業者であれば図2〜4におけるステップは異なる順序で実施され及び/又はマルチスレッド環境で実施され得ることを認識するはずである。さらに、種々のステップが、実施に基づいて省略又は追加され得る。
図2の処理は、ステップ200で開始する。コンタクトセンター120が最初にセットアップされると、ステップ202において、コンタクトセンター120は規定数のデジタルトークン143を最初に与えられる。コンタクトセンター120は、所定の基準及び/又は投資額に基づいて初期数のデジタルトークン143を与えられ得る。例えば、コンタクトセンター120は、他のコンタクトセンター120/企業との関連で作用することができ、コンタクトセンター120に最初に与えられたデジタルトークン143の数は各コンタクトセンター120/企業による初期投資額に基づき得る。そして、コンタクトセンター120によって所有されるデジタルトークン143の初期数は、ステップ204においてブロックチェーン141に(すなわち、第1のブロックとして)記憶される。この例では、ユーザデジタルウォレット102は、コンタクトセンター120の各々とデジタルトークン143を交換可能となる。
ステップ206において、処理は、ユーザがライセンスを承諾したかを判定する。例えば、ユーザデジタルウォレット102は、ユーザが初めてユーザデジタルウォレット102を開く時にユーザに表示されるユーザインターフェースにおいてエンドユーザライセンスを与えることができる。ユーザは、エンドユーザライセンスの条項を一読した後、エンドユーザライセンスの条項を承諾するか否かを同意することができる。ユーザがエンドユーザライセンスの条項を承諾しない場合、ステップ206の処理が繰り返される。ユーザがユーザライセンスの条項を受け入れない場合、ユーザはコンタクトセンター120とのいかなるトランザクションも開始することができないことになる。ただし、それでもユーザは、非トランザクション関連構成にはエンドユーザライセンスを承諾することなくアクセス可能であってもよい。
ユーザがステップ206においてエンドユーザライセンスの条項を承諾する場合、ステップ208においてスマートコントラクト142はサーバ140A〜140Nにおけるブロックチェーン141を更新する。例えば、ユーザが(例えば、エンドユーザライセンスにサインするためのインセンティブとして)100個の初期デジタルトークン143を与えられる場合、スマートコントラクト142は、ユーザデジタルウォレット102が現在100個のデジタルトークン143を有していること及びコンタクトセンターデジタルウォレット126が100個のデジタルトークン143をデビットされたこと示す新たなブロックを作成することによってデジタル台帳におけるブロックチェーン141を更新する。エンドユーザライセンスを承諾することについてユーザにデジタルトークンが最初に与えられない場合でも、スマートコントラクト142を実行すると、ユーザデジタルウォレット102がデジタルトークン143を最初に有していないことを示す新たなブロックが作成されることになる。
デジタルトークンルーティングモジュール128/顧客ロイヤルティモジュール129は、スマートコントラクト142からの入力に基づいて、ステップ210において、エンドユーザライセンス(ゼロであっても)を承諾する場合にユーザが最初に与えられるデジタルトークン143の数を示すように、ユーザデジタルウォレット102を更新する。さらに、コンタクトセンターデジタルウォレット126がデビットされることになる場合、デジタルトークンルーティングモジュール128/顧客ロイヤルティモジュール129は、ユーザデジタルウォレット102にクレジットされたデジタルトークン143の数に一致するようにコンタクトセンターデジタルウォレット126をデビットする。そして、異なるユーザがエンドユーザライセンスを承諾すること(又は同じユーザ/異なるユーザが異なるエンドユーザライセンスを実行すること)を可能とするように処理はステップ206に戻る。ユーザはエンドユーザライセンスを使用することを一旦承諾すると、エンドユーザライセンスの承諾は会計及びコンプライアンスの理由のためにブロックチェーン141に永久に記録され得る。想像できるように、ステップ202〜204及びステップ206〜210の処理は、別個のスレッドとして実施されてもよい。ユーザがエンドユーザライセンスを承諾するステップ206〜210の処理は通常、ユーザが最初にユーザデジタルウォレット102にアクセスする時に各ユーザについて1回しか発生しない。
図2では、コンタクトセンターにおけるデジタルトークンの設定(ステップ202/204)は、エンドユーザライセンスを承諾したユーザから独立して発生し得る。例えば、ユーザは、コンタクトセンターがそのデジタルトークン143を記憶した後の数か月にわたってライセンスを承諾することができる。
図3は、ブロックチェーン141においてトランザクションを管理するとともにトランザクションを記憶するための処理のフロー図である。プロセスは、ステップ300で開始する。デジタルトークンルーティングモジュール128/顧客ロイヤルティモジュール129は、ステップ302において通信マネージャ121を介して、通信セッションがユーザ通信エンドポイント101とコンタクトセンター120の間で確立されたかを判定する。通信セッションは、ボイス通信セッション、ビデオ通信セッション、マルチメディア通信セッション、仮想現実通信セッション、インスタントメッセージング(IM)通信セッション、チャット通信セッション、eメール通信セッション、テキストメッセージング通信セッション、(例えば、ユーザがウェブページと対話するような)ウェブベースの通信セッションなどのような種々のタイプの通信セッションを含み得る。通信セッションは、ユーザ通信エンドポイント101から又はコンタクトセンター120から最初に確立され得る(例えば、自動ダイアル装置から発せられたアウトバウンドボイスコール)。ステップ302において通信セッションが確立されていない場合、ステップ302の処理が繰り返される。
一方、ステップ302において通信セッションが確立された場合、デジタルトークンルーティングモジュール128/顧客ロイヤルティモジュール129は、ステップ304において、ユーザがトランザクションを開始することを望んでいるかを判定する。トランザクションは、スマートコントラクト142/顧客ロイヤルティモジュール129によって統括される任意のトランザクションであり得る。例えば、トランザクションは、コンタクトセンターキュー122における増加した待ち時間、コンタクトセンターキュー122における短縮された待ち時間、コンタクトセンターキュー122を迂回すること、トラブルチケットを優先すること、インタラクティブボイスレスポンス(IVR)123のメニューの修正、特定のコンタクトセンターエージェントへの直接の通信、宛先コンタクトセンターキュー122の変更、通信セッションモダリティの(例えば、テキストからボイスへの)変更、セルフサービスオプション(例えば、ウェブサイト対コンタクトセンターエージェント)を使用すること、スケジュールコールバック(例えば、非ピーク時におけるコールバックをスケジューリングすること)などのように、どのようにして通信セッションがコンタクトセンター120においてルーティングされるかを変更することに基づき得る。
あるいは、トランザクションは、通信セッションのルーティングに基づかなくてもよい。例えば、トランザクションは、商品を購入することに基づいてもよいし、優先的な出荷に基づいてもよいし、延長された保証に基づいてもよいし、調査を行うことに基づいてもよいし、トランザクションの時刻/日付に基づいてもよいし、リピータ顧客であることに基づいてもよいし、クーポンに基づくなどでもよい。
トランザクションの識別は、デジタルウォレット102から(例えば、ユーザがデジタルウォレット102によって表示されるユーザインターフェースを介してトランザクションを選択する場合)、コンタクトセンターエージェントから(例えば、コンタクトセンターエージェントがユーザインターフェースを介してトランザクションを選択する場合)、インタラクティブボイスレスポンス(IVR)システムから(例えば、ユーザがIVRメニューを介して優先ルーティングを選択する)、セルフサービスウェブページ(例えば、ユーザがウェブページを介して優先出荷を選択する)、ルーティングシステムから(例えば、通信マネージャ121から)などのように、種々のソースから入来し得る。
さらに、(例えば、ユーザ通信エンドポイント101における)リッチコミュニケーションサービス(RCS)プラグインが、トランザクションを識別するのに使用されてもよい。例えば、RCSプラグインは、トランザクションが(例えば、コンタクトセンターエージェントによる)テキストメッセージにおける読出しレシートであること、グループチャットを開始するものであること、通信セッションのモダリティを変更するものであることなどを識別し得る。
ステップ304においてトランザクションについてのリクエストが行われない場合、デジタルトークンルーティングモジュール128/顧客ロイヤルティモジュール129は、ステップ306において通信マネージャ121を介して、通信セッションが終了しているかを判定する。ステップ306において通信セッションが終了している場合、処理はステップ302に戻る。一方、ステップ306において通信セッションが終了していない場合、処理はステップ304に戻る。
ステップ304においてトランザクションが要求されている場合、スマートコントラクト142は、ステップ308においてデビット/クレジットをデジタル台帳のブロックチェーン141に記憶する。例えば、通常よりも長くコンタクトセンターキュー122において待つことについてユーザが10個のデジタルトークン143を与えられることを記述するルールを顧客ロイヤルティモジュール129が有する場合、スマートコントラクト142は、ユーザデジタルウォレット102に10個のデジタルトークン143をクレジットするとともに10個のデジタルトークン143についてコンタクトセンターデジタルウォレット126にデビットする新たなブロックをデジタル台帳におけるブロックチェーン141に追加する。
実行されるスマートコントラクト142は、デジタルトークン143の転送を対応のユーザデジタルウォレット102及びコンタクトセンターデジタルウォレット126に送信して(すなわち、顧客ロイヤルティモジュール129によって指示された所定数のデジタルトークン143に基づいて)適正数のデジタルトークン143をデビット/クレジットする。例えば、上記の例を用いて、ユーザデジタルウォレット(例えば、102A)は10個のデジタルトークン143でクレジットされ、コンタクトセンターデジタルウォレット126は10個のデジタルトークン143をデビットされる。
スマートコントラクト142は、ステップ312において(ステップ312において破線によって示されるように)選択的に、ユーザ名、ユーザアドレス、1以上の通信セッション識別子、トランザクションタイプ(例えば、優先ルーティングなど)、商品又はサービス名、トランザクション処理(例えば、コンタクトセンターエージェントへの直接的迅速処理)、ユーザの位置、トランザクションの時刻、トランザクションの日付、通信セッションがコンタクトセンター120内を進行するのに伴う通信セッションの履歴などのような追加の情報をブロックチェーン141/デジタル台帳に記憶し得る。ただし、一実施形態では、プライバシーの理由のため、ユーザに関連する任意の個人情報のみがブロックチェーン141の外部(例えば、データベース127)に記憶されてもよい。そして、処理は、ステップ304に進む。
あるいは、スマートコントラクト142は、ステップ312において、データベース127にあるトランザクション記録に対するポインタを記憶し得る。トランザクション記録は、上記情報のいずれかを含み得る。ブロックチェーン141はコンタクトセンター120との全てのトランザクションについて(すなわち、コンタクトセンター120の全てのユーザについて)通常はブロックを備えるので、ポインタを用いることによって情報の個人的プライバシーが保持される。ただし、一実施形態では、デジタル台帳に記憶される各個人ユーザについて別個のブロックチェーン141があり得る。
図4は、コンタクトセンター120内での使用のための追加のデジタルトークン143を取得するための処理のフロー図である。処理は、ステップ400で開始する。ステップ402において、デジタルトークンルーティングモジュール128/顧客ロイヤルティモジュール129は、ユーザが通信セッションを確立したかを判定する。例えば、ユーザは、ボイスコールを発するか、ウェブサーバ124によって提供されるセルフサービスアプリケーションにアクセスすることができる。ステップ402においてユーザが通信セッションを確立していない場合、ステップ402の処理が繰り返される。
一方、ステップ402において通信セッションが確立された場合、デジタルトークンルーティングモジュール128/顧客ロイヤルティモジュール129は、ステップ404において、ユーザが追加のデジタルトークン143を取得する有効なリクエストを行っているかを判定する。例えば、デジタルトークンルーティングモジュール128/顧客ロイヤルティモジュール129は、ユーザが追加のデジタルトークン143を取得するためのボタンを選択した/ユーザ情報(例えば、クレジットカード番号)を提供した場合にユーザは追加のデジタルトークン125を取得する有効なリクエストを行っていると判定することができる。ステップ404において、ユーザが追加のデジタルトークン143を取得するように要求していない場合(又はリクエストが無効である場合(例えば、無効なクレジットカード番号))、処理はステップ402に戻る。
一方、ステップ404においてユーザが追加のデジタルトークン143を取得する有効なリクエストを行っている場合、スマートコントラクト142は、ステップ406において、ユーザに対してクレジットされたデジタルトークン143の取得量(例えば、購入量)でクレジットをブロックチェーン141に記憶する。顧客ロイヤルティモジュール129は、スマートコントラクト142を介して、ステップ408において同じ量のデジタルトークン143をユーザデジタルウォレット102にクレジットする。スマートコントラクト142は、ステップ410において、ユーザ名、トランザクションのデータ/時刻、ユーザのアドレス、ユーザのクレジットカード番号などのような、トランザクションと関連する追加の情報を(スマートコントラクト142において定義される場合には)ブロックチェーン141に選択的に記憶することができる。スマートコントラクト142は、プライベートであるとみなされる情報(例えば、個人情報)(又はスマートコントラクト142によって定義される任意の情報)についてデータベース127に記憶されるトランザクション記録を指示するポインタを(情報をブロックチェーン141に直接記憶する代わりに)ブロックチェーン141に選択的に記憶することができる。トランザクション記録は、上記情報のいずれか又は全てを備え得る。そして、処理は、ステップ402に戻る。
ここに記載されるプロセッサの例は、これに限定されないが、Qualcomm(登録商標)Snapdragon(登録商標)800及び801、4G LTE Integration及び64ビットコンピューティングでのQualcomm(登録商標)Snapdragon(登録商標)610及び615、64ビットアーキテクチャでのApple(登録商標)A7プロセッサ、Apple(登録商標)M7モーション・コプロセッサ、Samsung(登録商標)Exynos(登録商標)シリーズ、Intel(登録商標)Core(登録商標)ファミリのプロセッサ、Intel(登録商標)Xeon(登録商標)ファミリのプロセッサ、Intel(登録商標)Atom(登録商標)ファミリのプロセッサ、Intel Itanium(登録商標)ファミリのプロセッサ、Intel(登録商標)Core(登録商標)i5−4670K及びi7−4770K 22nm Haswell、Intel(登録商標)Core(登録商標)i5−3570K 22nm Ivy Bridge、AMD(登録商標)FX(登録商標)ファミリのプロセッサ、AMD(登録商標)FX−4300、FX−6300及びFX−8350 32nm Vishera、AMD(登録商標)Kaveriプロセッサ、Texas Instruments(登録商標)Jacinto C6000(登録商標)車載インフォテイメントプロセッサ、Texas Instruments(登録商標)OMAP(登録商標)車載グレードモバイルプロセッサ、ARM(登録商標)Cortex(登録商標)−Mプロセッサ、ARM(登録商標)Cortex−A及びARM926EJ−S(登録商標)プロセッサ、その他工業用の同等のプロセッサの少なくとも1つを含み得るものであり、いずれかの周知又は将来開発される標準、命令セット、ライブラリ及び/又はアーキテクチャを用いる計算機能を実行し得る。
ここに記載されるステップ、機能及び動作のいずれも、連続的及び自動的に実行され得る。
ただし、本開示を無用に曖昧にすることを回避するため、前述の説明は多数の周知の構造及びデバイスを省略している。この省略は、特許請求される開示の範囲の限定として解釈されるべきではない。具体的詳細が、本開示の理解を与えるように説明される。ただし、本開示は、ここに説明する具体的詳細を超える様々な態様で実施され得ることが理解されるべきである。
ここに説明する例示の実施形態は共配置されるシステムの種々の構成要素を示すが、システムの特定の構成要素はLAN及び/又はインターネットなどの分散ネットワークの離れた部分において又は専用システム内で遠隔に配置されてもよい。したがって、システムの構成要素は1以上のデバイスに組み合わされ、アナログ及び/又はデジタル電気通信ネットワーク、パケット交換ネットワーク又は回路交換ネットワークのような分散ネットワークの特定のノードにおいて共配置され得ることが理解されるべきである。前述の説明から、及び計算効率の理由のために、システムの構成要素はシステムの動作に影響を与えることなく構成要素の分散ネットワーク内の任意の位置において配置され得ることが分かるはずである。例えば、種々の構成要素が、PBX及びメディアサーバ、ゲートウェイのようなスイッチに、1以上の通信デバイスに、1以上のユーザ施設に、又はこれらの組合せに位置し得る。同様に、システムの1以上の機能部分が、電気通信デバイスと関連のコンピューティングデバイスとの間に分散され得る。
またさらに、要素を接続する種々のリンクは有線若しくは無線リンク又はその任意の組合せ、又は接続された要素に並びに要素からデータを供給及び/若しくは通信することができる他の任意の周知の若しくは後に開発される要素であればよいことが理解されるべきである。これらの有線又は無線リンクは、安全なリンクであってもよく、暗号化された情報を通信することができる。リンクとして使用される伝送メディアは、例えば、同軸ケーブル、銅配線及びファイバ光学系を含む、電気信号に対する任意の適切なキャリアであればよく、電磁波及び赤外線データ通信中に生成されるものなどの音響又は光波の形式を採り得る。
また、フローチャートが特定のシーケンスのイベントとの関連で記載及び図示されたが、このシーケンスに対する変更、付加及び省略が開示の動作に実質的に影響を与えることなく行われ得ることが理解されるべきである。
本開示の多数のバリエーション及び変形例が使用され得る。開示の幾つかの構成について他を提供することなく提供することが可能となる。
さらに他の実施形態では、この開示のシステム及び方法は、専用コンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ及び周辺集積回路素子、ASIC又は他の集積回路、デジタル信号プロセッサ、ディスクリート素子回路などのハード配線電子又は論理回路、PLD、PLA、FPGA、PALなどのプログラマブル論理デバイス又はゲートアレイ、専用コンピュータ、任意の比較手段などとの関連において実施可能である。一般に、ここに説明する方法を実施することができる任意のデバイス又は手段は、この開示の種々の態様を実施するのに使用され得る。本開示に使用され得る例示のハードウェアは、コンピュータ、ハンドヘルドデバイス、電話機(例えば、セルラ、インターネット可能な、デジタル、アナログ、ハイブリッド及びその他)及び当技術で周知の他のハードウェアを含む。これらのデバイスの一部は、プロセッサ(例えば、単一又は複数のマイクロプロセッサ)、メモリ、不揮発性ストレージ、入力デバイス及び出力デバイスを含む。またさらに、ただし限定することなく、分散処理又はコンポーネント/オブジェクト分散処理、並列処理又は仮想機械処理を含む代替のソフトウェア実施例も、ここに記載される方法を実施するのに構築され得る。
さらに他の実施形態では、開示の方法は、様々なコンピュータ又はワークステーションプラットフォームにおいて使用可能な可搬ソースコードを提供するオブジェクト又はオブジェクト指向ソフトウェア開発環境を用いてソフトウェアとの関連で直ちに実施され得る。あるいは、開示のシステムは、標準論理回路又はVLSI設計を用いてハードウェアにおいて部分的又は完全に実施され得る。本開示に応じたシステムを実施するのにソフトウェアが使用されるのかハードウェアが使用されるのかは、システムの速度及び/又は効率要件、特定の機能、並びに利用される特定のソフトウェア若しくはハードウェアシステム又はマイクロプロセッサ若しくはマイクロコンピュータシステムに依存する。
さらに他の実施形態では、開示の方法は、記憶媒体に記憶され、プログラムされた汎用コンピュータにおいてコントローラ及びメモリ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサなどの協働によって実行され得るソフトウェアにおいて部分的に実施され得る。これらのインスタンスにおいて、この開示のシステム及び方法は、アプレット、JAVA(登録商標)又はCGIスクリプトのようなパーソナルコンピュータに組み込まれたプログラムとして、サーバ又はコンピュータワークステーションに常駐するリソースとして、専用測定システム、システムコンポーネントなどに組み込まれたルーチンとして実施され得る。システムはまた、システム及び/又は方法をソフトウェア及び/又はハードウェアシステムに物理的に含むことによって実施され得る。
本開示は特定の標準及びプロトコルを参照して実施形態において実施される構成要素及び機能を説明するが、開示はそのような標準及びプロトコルに限定されない。ここに言及されない他の類似の標準及びプロトコルが存在しており、本開示に含まれるものとみなされる。さらに、ここに言及される標準及びプロトコル並びにここに言及されない他の類似の標準及びプロトコルは、本質的に同じ機能を有するより速い又はより有効な均等物によって定期的に代替される。そのような同じ機能を有する代替の標準及びプロトコルは、本開示に含まれる均等物とみなされる。
本開示は、種々の実施形態、機器構成及び態様において、種々の実施形態、部分的組合せ及びその部分集合を含む、ここに実質的に図示及び記載する構成要素、方法、処理、システム及び/又は装置を含む。当業者は、本開示を理解すれば、ここに開示されたシステム及び方法をどのように製造及び使用するかを理解するはずである。本開示は、種々の実施形態、機器構成及び態様において、例えば、性能を向上し、容易性を実現し、及び/又は実施のコストを低減するために従来のデバイス又は処理において使用されてきたようなアイテムがないことを含み、ここに図示及び/若しくは記載されていないアイテムがなくても、又はその種々の実施形態、機器構成若しくは態様において、デバイス及び処理を提供することを含む。
本開示の以上の説明は、説明及び図示の目的で提示された。上記は、ここに開示される単数又は複数の形態に開示を限定することを意図するものではない。以上の詳細な説明では、例えば、開示の種々の構成が、開示の合理化の目的で1以上の実施形態、機器構成又は態様においてともにグループ化されている。開示の実施形態、機器構成又は態様の構成は、上述したもの以外の代替の実施形態、機器構成又は態様と組み合わせられ得る。この開示の方法は、特許請求される開示が、各請求項に明示的に記載されるよりも多くの構成を要件とする意図を反映するものとして解釈されてはならない。そうではなく、以降の特許請求の範囲が反映するように、進歩的な態様は上記の単一の開示の実施形態、機器構成又は態様の全ての構成よりも少ないものに存在する。したがって、以降の特許請求の範囲は、独立した開示の好ましい実施形態として各請求項がそれ自体で成立する状態でこの詳細な説明にそれにより含まれる。
さらに、開示の説明は1以上の実施形態、機器構成又は態様並びに特定のバリエーション及び変形例の記載を含んでいるが、他のバリエーション、組合せ及び変形例は、例えば、本開示を理解した後に当業者の技術及び知識内となるように、開示の範囲内となる。いずれの特許可能な事項も公に特化させることを意図することなく、そのような代替の、互換可能な及び/又は均等の構造、機能、範囲若しくはステップがここに開示されるか否かにかかわらず、請求項に記載されるものに対する代替の、互換可能な及び/又は均等の構造、機能、範囲若しくはステップを含み、許可される程度で代替の実施形態、機器構成又は態様を含む権利を取得することが意図されている。