JP2020184102A - 煽り検出装置及び煽り検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】方向指示器を用いた煽り運転を検出することができる煽り検出装置及び煽り検出方法を提供する。【解決手段】車両1の周辺が撮影された車両周辺画像10Aを生成するカメラ10から、車両周辺画像10Aを取得する画像取得部21と、車両1が走行する車線と同じ車線を走行する他車両4を車両周辺画像10Aから検出し、検出した他車両4の車両周辺画像10Aにおける位置を特定する車両位置特定部23と、車両位置特定部22により特定された他車両4の位置に基づいて、他車両4の方向指示器の点滅を検出し、検出された点滅に基づいて方向指示器が指示する方向を特定する方向特定部24と、車両1が走行する車線に隣接する車線を特定する車線特定部22と、車線特定部22により特定された車線が、方向特定部24により特定された方向に存在しない場合、車両1は他車両4による煽り運転を受けていると判定する煽り判定部27とを備える。【選択図】図2
Description
本発明は、煽り検出装置及び煽り検出方法に関する。
走行中の車両は、他車両から煽り運転を受けることがある。煽り運転とは、他車両から極端に車間距離を詰められる等の危険度の高い行為である。車両が、他車両から煽り運転を受けたことが原因で交通事故を起こした場合、車両に搭載されたドライブレコーダに記録された画像が、煽り運転を受けた証拠として採用される場合がある。
特許文献1に記載の発明では、ドライブレコーダは、ドライブレコーダの搭載された車両が煽り運転を受けたことを検出すると、煽り運転を行った他車両の画像を記録する。特許文献1に記載の発明は、カメラを用いて自車両の後方を撮影し、自車両と自車両の後方を走行する他車両との距離である車間距離を求める。特許文献1に記載の発明は、車間距離が基準値より短くなると、煽り運転を検出する。
煽り運転とは、極端に車間距離を詰める行為だけではない。例えば、方向指示器を用いる煽り運転が知られている。しかし、特許文献1に記載の発明は、方向指示器を用いた煽り運転を検出することができなかった。
本発明は、方向指示器を用いた煽り運転を検出することができる煽り検出装置及び煽り検出方法を提供することを目的とする。
(第1の発明)
第1の発明に係る煽り検出装置は、自車両の周辺が撮影された車両周辺画像を生成するカメラから、前記車両周辺画像を取得する画像取得部と、前記自車両が走行する車線と同じ車線を走行する他車両を前記車両周辺画像から検出し、検出した前記他車両の前記車両周辺画像における位置を特定する車両位置特定部と、前記車両位置特定部により特定された前記他車両の位置に基づいて、前記他車両の方向指示器の点滅を検出し、検出された点滅に基づいて前記方向指示器が指示する方向を特定する方向特定部と、前記他車両が走行可能な車線の方向を特定する車線特定部と、前記車線特定部により特定された走行可能な車線の方向と、前記方向特定部により特定された方向との比較に基づき、前記自車両は前記他車両による煽り運転を受けていると判定する煽り判定部と、を備える。
第1の発明に係る煽り検出装置は、自車両の周辺が撮影された車両周辺画像を生成するカメラから、前記車両周辺画像を取得する画像取得部と、前記自車両が走行する車線と同じ車線を走行する他車両を前記車両周辺画像から検出し、検出した前記他車両の前記車両周辺画像における位置を特定する車両位置特定部と、前記車両位置特定部により特定された前記他車両の位置に基づいて、前記他車両の方向指示器の点滅を検出し、検出された点滅に基づいて前記方向指示器が指示する方向を特定する方向特定部と、前記他車両が走行可能な車線の方向を特定する車線特定部と、前記車線特定部により特定された走行可能な車線の方向と、前記方向特定部により特定された方向との比較に基づき、前記自車両は前記他車両による煽り運転を受けていると判定する煽り判定部と、を備える。
第1の発明において、煽り判定部は、他車両が他車両の方向指示器が示す方向に車線変更できない場合、自車両が他車両から煽り運転を受けていると判定する。したがって、第1の発明は、方向指示器を用いた煽り運転を検出することができる。
(第2の発明)
第2の発明は、第1の発明であって、前記方向特定部が前記点滅を継続して検出する時間を点滅時間として取得する点滅時間取得部を、さらに備え、前記煽り判定部は、前記点滅時間取得部によって取得された前記点滅時間が所定の点滅基準時間を超えた場合、前記自車両は前記他車両による煽り運転を受けていると判定する。
第2の発明は、第1の発明であって、前記方向特定部が前記点滅を継続して検出する時間を点滅時間として取得する点滅時間取得部を、さらに備え、前記煽り判定部は、前記点滅時間取得部によって取得された前記点滅時間が所定の点滅基準時間を超えた場合、前記自車両は前記他車両による煽り運転を受けていると判定する。
第2の発明において、煽り判定部は、方向指示器の点滅時間が所定の点滅基準時間を超えた場合、自車両が他車両による煽り運転を受けていると判定する。したがって、第2の発明は、他車両が適正に方向指示器を使用しているにも関わらず、煽り運転を受けていると誤判定することを抑止できる。方向指示器の適正な使用とは、例えば、他車両が車線を変更する場合に、他車両が方向指示器を点滅させることである。
(第3の発明)
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明であって、前記車両位置特定部により特定された前記他車両の位置に基づいて、前記自車両と前記他車両との間の距離である車間距離が第1所定距離よりも短いか否かを判定する車間距離判定部を、さらに備え、前記方向特定部は、前記車間距離が第1所定距離よりも短いと前記車間距離判定部により判定された場合、前記他車両の方向指示器の点滅の検出を開始する。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明であって、前記車両位置特定部により特定された前記他車両の位置に基づいて、前記自車両と前記他車両との間の距離である車間距離が第1所定距離よりも短いか否かを判定する車間距離判定部を、さらに備え、前記方向特定部は、前記車間距離が第1所定距離よりも短いと前記車間距離判定部により判定された場合、前記他車両の方向指示器の点滅の検出を開始する。
車間距離が大きくなるにつれて、自車両が走行する車線と同じ車線を走行する他車両を特定することが困難となる。したがって、第3の発明は、車間距離が第1所定距離よりも短い場合に方向指示器の点滅の検出を開始する。これにより、第3の発明は、煽り運転の誤判定を抑止することができる。
(第4の発明)
第4の発明は、第3の発明であって、前記車間距離判定部は、前記特定された前記他車両の位置に基づいて、前記車間距離が第2所定距離よりも短いか否かを判定し、前記煽り判定部は、前記車間距離が前記第2所定距離よりも短いと前記車間距離判定部により判定された場合、前記車線特定部により特定された車線が前記方向特定部により特定された方向に存在するか否かに関係なく、前記自車両は前記他車両による煽り運転を受けていると判定し、前記第2所定距離は、前記第1所定距離よりも短い。
第4の発明は、第3の発明であって、前記車間距離判定部は、前記特定された前記他車両の位置に基づいて、前記車間距離が第2所定距離よりも短いか否かを判定し、前記煽り判定部は、前記車間距離が前記第2所定距離よりも短いと前記車間距離判定部により判定された場合、前記車線特定部により特定された車線が前記方向特定部により特定された方向に存在するか否かに関係なく、前記自車両は前記他車両による煽り運転を受けていると判定し、前記第2所定距離は、前記第1所定距離よりも短い。
第4の発明において、煽り判定部は、車間距離が第2所定距離よりも短い場合、自車両が他車両による煽り運転を受けていると判定する。また、第2所定距離は、方向指示器による煽り運転の検出を開始する第1所定距離よりも短い。したがって、第4の発明は、車間距離が第2所定距離よりも長い場合であっても、煽り運転を検出することができる。
(第5の発明)
第5の発明に係る煽り検出方法は、自車両の周辺が撮影された車両周辺画像を生成するカメラから、前記車両周辺画像を取得する画像取得工程と、前記自車両が走行する車線と同じ車線を走行する他車両を前記車両周辺画像から検出し、検出した前記他車両の前記車両周辺画像における位置を特定する車両位置特定工程と、前記車両位置特定工程により特定された前記他車両の位置に基づいて、前記他車両の方向指示器の点滅を検出し、検出された点滅に基づいて前記方向指示器が指示する方向を特定する方向特定工程と、前記他車両が走行可能な車線の方向を特定する車線特定工程と、前記車線特定工程により特定された走行可能な車線の方向と、前記方向特定部により特定された方向との比較に基づき、前記自車両は前記他車両による煽り運転を受けていると判定する煽り判定工程と、を備える。
第5の発明において、煽り判定工程は、他車両が他車両の方向指示器が示す方向に車線変更できない場合、自車両が他車両から煽り運転を受けていると判定する。したがって、第5の発明は、方向指示器を用いた煽り運転を検出することができる。
第5の発明に係る煽り検出方法は、自車両の周辺が撮影された車両周辺画像を生成するカメラから、前記車両周辺画像を取得する画像取得工程と、前記自車両が走行する車線と同じ車線を走行する他車両を前記車両周辺画像から検出し、検出した前記他車両の前記車両周辺画像における位置を特定する車両位置特定工程と、前記車両位置特定工程により特定された前記他車両の位置に基づいて、前記他車両の方向指示器の点滅を検出し、検出された点滅に基づいて前記方向指示器が指示する方向を特定する方向特定工程と、前記他車両が走行可能な車線の方向を特定する車線特定工程と、前記車線特定工程により特定された走行可能な車線の方向と、前記方向特定部により特定された方向との比較に基づき、前記自車両は前記他車両による煽り運転を受けていると判定する煽り判定工程と、を備える。
第5の発明において、煽り判定工程は、他車両が他車両の方向指示器が示す方向に車線変更できない場合、自車両が他車両から煽り運転を受けていると判定する。したがって、第5の発明は、方向指示器を用いた煽り運転を検出することができる。
本発明は、方向指示器を用いた煽り運転を検出することができる煽り検出装置及び煽り検出方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。また、これらの実施の例は例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のもの、又は相当するものを示すものとする。
図1に本発明の実施形態に係る煽り検出装置20を搭載した車両1を示す。図1において、カメラ10と、煽り検出装置20と、記録装置30とは、見易くするために実線で示されているが、実際には車両1の内部に配置されている。
以下の説明では、車両1の「前方」「後方」という語を用いる。車両1の「前方」とは、車両1の直進方向であって、運転席からステアリングホイールに向かう方向である。車両1の「後方」とは、車両1の前方の反対方向である。
図1において、カメラ10は、車両1の後部に搭載されたリアカメラである。カメラ10は、車両1の後方を撮影し、複数のフレームを含む動画像を生成する。動画像に含まれる複数のフレームのそれぞれが、車両周辺画像10Aである。カメラ10は、車両周辺画像10Aを煽り検出装置20に供給する。
カメラ10が生成する動画像のフレームレートは、例えば、30fps(frames per second)である。この場合、カメラ10は、約33ミリ秒ごとに車両周辺画像10Aを生成する。
煽り検出装置20は、カメラ10から車両周辺画像10Aを受け、受けた車両周辺画像10Aを用いて、他車両が後述する所定の条件で方向指示器を点滅させているか否かを判定する。他車両とは、車両1が走行する車線と同じ車線を走行し、かつ、車両1の後方を走行する車両である。煽り検出装置20は、他車両が後述する所定の条件で方向指示器を点滅させていることを検出した場合、車両1が他車両から煽り運転を受けていると判定する。煽り検出装置20は、車両1が他車両から煽り運転を受けているか否かを示す煽り判定結果27Aと、車両周辺画像10Aとを記録装置30に供給する。
記録装置30は、煽り検出装置20から車両周辺画像10A及び煽り判定結果27Aを受け、煽り判定結果27Aに基づいて、車両周辺画像10Aを記録する。記録装置30は、不揮発性の記憶装置であり、例えば、フラッシュメモリ、ハードディスク装置、又は光ディスク装置である。記録装置30は、車両周辺画像10Aを記録するための記録容量が不足すると、既に記録された車両周辺画像10Aのうちの最も古い車両周辺画像10Aを、新しい車両周辺画像10Aにより上書きする。
記録装置30は、煽り判定結果27Aが煽り運転を受けていることを示す場合、煽り運転を受けていると判定された判定時刻に基づいて、車両周辺画像10Aの保護期間を決定する。保護期間は、判定時刻を含む所定の期間である。記録装置30は、記録された車両周辺画像10Aのうち、保護期間にカメラ10により生成された車両周辺画像10Aを保護する。記録装置30は、記憶容量が不足しても保護された車両周辺画像10Aを上書きしない。
<煽り検出装置20の構成>
図2に、煽り検出装置20の機能ブロック図を示す。煽り検出装置20は、画像取得部21と、車線特定部22と、車両位置特定部23と、方向特定部24と、点滅時間取得部25と、車間距離判定部26と、煽り判定部27と、を備える。
図2に、煽り検出装置20の機能ブロック図を示す。煽り検出装置20は、画像取得部21と、車線特定部22と、車両位置特定部23と、方向特定部24と、点滅時間取得部25と、車間距離判定部26と、煽り判定部27と、を備える。
画像取得部21は、カメラ10から車両周辺画像10Aを取得する。画像取得部21は、取得した車両周辺画像10Aを、車線特定部22と、車両位置特定部23と、方向特定部24と、記録装置30と、に供給する。
車線特定部22は、画像取得部21から受けた車両周辺画像10Aにおいて、自車線と、走行可能車線とを特定する。自車線は、車両1が走行する車線である。走行可能車線は、自車線に隣接し、かつ、他車両が自車線から車線変更可能な車線である。走行可能車線の特定については後述する。車線特定部22は、特定した車両周辺画像10Aにおける自車線を特定する情報を、自車線情報22Aとして車両位置特定部23に供給する。また、車線特定部22は、車両周辺画像10Aにおける、自車線を基準とした走行可能車線の方向を特定する。車線特定部22は、特定した走行可能車線の方向を、走行可能車線情報22Bとして煽り判定部27に供給する。
車両位置特定部23は、車両周辺画像10Aにおける他車両の位置を特定する。車両位置特定部23は、車線特定部22から受けた自車線情報22Aを用いて、自車線を走行する他車両を車両周辺画像10Aから検出する。検出の結果、車両周辺画像10Aにおける他車両の位置が特定される。車両位置特定部23は、特定した車両周辺画像10Aにおける他車両の位置を他車両位置情報23Aとして車間距離判定部26に供給する。
また、車両位置特定部23は、特定した他車両の位置に基づいて、車両周辺画像10Aにおいて2個の点滅検出領域を決定する。2個の点滅検出領域は、他車両の方向指示器が点滅しているか否かを判定するために用いられる。2個の点滅検出領域の決定については後述する。車両位置特定部23は、決定した2個の点滅検出領域を点滅検出領域43L及び点滅検出領域43Rとして、方向特定部24に供給する。
車間距離判定部26は、車両位置特定部23から受けた他車両位置情報23Aを用いて、車両1と他車両の距離である車間距離が第1所定距離よりも短いか否かを判定する。第1所定距離は、方向特定部24が他車両の方向指示器が指示する方向の特定を開始する際の車間距離の閾値である。また、車間距離判定部26は、他車両位置情報23Aを用いて、車間距離が第2所定距離よりも短いか否かを判定する。第2所定距離は、車両1が他車両から車間距離を詰められる煽り運転を検出する際の車間距離の閾値である。第2所定距離は、第1所定距離よりも短い。車間距離判定部26は、判定結果26Aを、方向特定部24及び煽り判定部27に供給する。
方向特定部24は、他車両の方向指示器が指示する方向を特定する。具体的には、方向特定部24は、画像取得部21から車両周辺画像10Aを受け、車間距離判定部26から判定結果26Aを受け、車両位置特定部23から点滅検出領域43L及び点滅検出領域43Rを受ける。判定結果26Aにおいて、車間距離が第1所定距離よりも短く、第2所定距離よりも長いことを示す場合、方向特定部24は、車両周辺画像10Aと、点滅検出領域43L及び点滅検出領域43Rとに基づいて、他車両の方向指示器の点滅を検出する。他車両の方向指示器の点滅検出の詳細については、後述する。
方向特定部24は、他車両の方向指示器の点滅を検出した結果に基づいて、他車両の方向指示器が指示する方向を特定する。方向特定部24は、特定した他車両の方向指示器が指示する方向を、方向情報24Aとして、煽り判定部27に供給する。
また、方向特定部24は、他車両の方向指示器の点滅を検出すると、他車両の方向指示器の点滅を検出したことを示す点滅継続情報24Cを点滅時間取得部25に供給する。方向特定部24は、検出情報を点滅時間取得部25に供給した後、他車両の方向指示器の点滅が継続しているか否かを判定する。方向特定部24は、他車両の方向指示器の点滅が継続していると判定した場合、点滅が継続していることを示す点滅継続情報24Cの、点滅時間取得部25への供給を続ける。方向特定部24は、他車両の方向指示器の点滅が終了したと判定した場合、点滅が終了したことを示す点滅継続情報24Cを、点滅時間取得部25に供給する。
点滅時間取得部25は、他車両の方向指示器の点滅が継続する点滅時間25Aを測定する。具体的には、点滅時間取得部25は、方向特定部24から他車両の方向指示器の点滅を検出したことを示す点滅継続情報24Cを受けた場合、他車両の方向指示器の点滅を検出したことを示す点滅継続情報24Cを受けた時刻から点滅時間の測定を開始する。点滅時間取得部25は、方向特定部24から点滅が終了したことを示す点滅継続情報24Cを受けるまで、点滅時間の測定を継続する。点滅時間取得部25は、測定した点滅時間25Aを、煽り判定部27に供給する。
煽り判定部27は、車両1が、自車線を走行する他車両から煽り運転を受けているか否かを判定する。具体的には、煽り判定部27は、他車両の方向指示器の点滅による煽り判定と、車間距離による煽り判定との2種類の煽り判定を行う。
煽り判定部27が他車両の方向指示器の点滅による煽り判定を行う場合について説明する。煽り判定部27は、他車両の方向指示器が点滅により指示する方向に、他車両が車線変更できるか否かを判定する。他車両の方向指示器が指示する方向に他車両が車線変更できない場合、煽り判定部27は、車両1が他車両による煽り運転を受けていると判定する。
煽り判定部27が車間距離による煽り判定を行う場合について説明する。煽り判定部27は、判定結果26Aが第2所定距離よりも短いことを示す場合、他車両の方向指示器が指示する方向に関わらず、車両1が他車両による煽り運転を受けていると判定する。第2所定距離については後述する。
<煽り検出装置20の動作>
煽り検出装置20の動作を、図3に示すフローチャートを用いて説明する。本実施形態に係る煽り検出方法は、本フローチャートに沿って実行される。煽り検出装置20は、イグニッション信号がONになると、本フローチャートに示す処理を開始する。イグニッション信号は、車両1に備わるイグニッションスイッチ(不図示)から供給される信号である。
煽り検出装置20の動作を、図3に示すフローチャートを用いて説明する。本実施形態に係る煽り検出方法は、本フローチャートに沿って実行される。煽り検出装置20は、イグニッション信号がONになると、本フローチャートに示す処理を開始する。イグニッション信号は、車両1に備わるイグニッションスイッチ(不図示)から供給される信号である。
画像取得部21は、カメラ10から車両周辺画像10Aを取得する(ステップS11)。画像取得部21は、取得した車両周辺画像10Aを、車線特定部22と、車両位置特定部23と、方向特定部24と、記録装置30と、に供給する。記録装置30の動作については、後述する。
<車線特定処理(ステップS12)>
車線特定部22は、画像取得部21から受けた車両周辺画像10Aにおける車線を特定する車線特定処理を行う(ステップS12)。車線特定処理において、車線特定部22は、車両周辺画像10Aから車線を認識し、認識した車線から自車線を特定する。ステップS12で行う車線特定処理について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
車線特定部22は、画像取得部21から受けた車両周辺画像10Aにおける車線を特定する車線特定処理を行う(ステップS12)。車線特定処理において、車線特定部22は、車両周辺画像10Aから車線を認識し、認識した車線から自車線を特定する。ステップS12で行う車線特定処理について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
車線特定部22は、車両周辺画像10Aにおいて、道路に描かれた区分線を認識する(ステップS121)。区分線とは、道路標示の1つであり、車線を区分するために用いられる線である。区分線の検出には、例えば、Hough変換が用いられる。区分線の検出に用いられるアルゴリズムは、区分線を検出できるのであれば、Hough変換以外の任意のアルゴリズムを用いてもよい。車線特定部22は、図5に示す車両周辺画像10Aにおいて区分線を認識した場合、実線である区分線51、52、54と、破線である区分線53とを認識する。
図6は、図5に示した車両周辺画像10Aから区分線を抽出した図である。区分線51を例として、実線である区分線の認識について説明する。車線特定部22は、区分線51を延長し、延長された区分線51と重なる他の区分線があるか否かを判断する。区分線51は実線であるため、延長された区分線51は、他の区分線とは重ならない。したがって、車線特定部22は、区分線51が実線である区分線と判断する。なお、延長された区分線51が他の区分線と重なるとは、延長された区分線51と、他の区分線とが、区分線用に設定された所定の間隔で略平行に延びることである。車線特定部22は、2つの区分線の傾きの差が予め設定された数値範囲内である場合、この2つの区分線が略平行であると判断する。
次に、破線である区分線の認識について、区分線53を例に説明する。図6に示すように、区分線53は、部分線531〜533を含む。車線特定部22は、部分線531を延長する。車線特定部22は、延長された部分線531Aが部分線532及び533と重なるため、部分線531〜533は、破線を構成すると判断する。
図4に戻り、車線特定部22は、車両周辺画像10Aにおける車線を認識する(ステップS122)。具体的には、車線特定部22は、ステップで特定された複数の区分線から区分線のペアを生成する。車線特定部22は、生成したペアに含まれる2つの区分線の間の領域を、車線として認識する。
区分線のペアの生成についてさらに詳しく説明する。車線特定部22は、ステップS121で認識された区分線の位置関係を特定する。具体的には、車線特定部22は、図6に示すように、区分線が基準線CLとなす角θを特定する。基準線CLは、車両周辺画像10Aの中心Pから上に延びる。角θは、基準線CLから反時計回りの方向を正方向とし、0〜360度の範囲で値をとるものとする。車線特定部22は、特定された角θに基づいて、区分線の位置関係を特定する。
車線特定部22は、車両周辺画像10Aにおいて、左側から順に区分線51、52、53、54が配置されていると判断する。つまり、車線特定部22は、区分線と基準線CLがなす角θが小さいほど、車両周辺画像10Aにおいて、その区分線が左に位置すると判断する。
区分線のペアが、区分線の位置関係に基づいて生成される。具体的には、車線特定部22は、ステップS121で認識された複数の区分線の中から、2つの区分線を選択する。その際、車線特定部22は、選択する2つの区分線の間に他の区分線が入らないようにする。車線特定部22は、選択した2つの区分線を区分線のペアに決定する。車線特定部22は、決定したペアを構成する区分線の間の領域を車線として特定する。
例えば、図6に示す区分線51〜54の場合、車線特定部22は、区分線51と、区分線52とを区分線のペアに決定し、このペアに基づいて車線TL11を特定する。車線TL11は、区分線51と区分線52との間に挟まれた領域である。同様にして、車線特定部22によって、車線TL12及びTL13が特定される。車線TL12は、区分線52と区分線53とに挟まれた領域である。車線TL13は、区分線53と区分線54とに挟まれた領域である。
図4に戻り、車線特定部22は、ステップS122で認識した車線の中から、所定の条件を満たす自車線を特定する(ステップS123)。所定の条件とは、車線を特定する2つの区分線のうち、一方の区分線と基準線CLとがなす角度が180度以下であり、他方の区分線と基準線CLとがなす角が180度以上であることである。図6に示す例では、車線TL12が自車線として特定される。以上で、ステップS12の車線特定処理が終了する。
図3に戻り、煽り検出装置20の動作についての説明を続ける。車両位置特定部23は、車両周辺画像10Aから他車両を検出する(ステップS13)。例えば、車両位置特定部23は、パターンマッチングを用いて、車両周辺画像10Aから他車両を認識する。なお、車両位置特定部23は、パターンマッチング以外の公知の方法を用いて、他車両4を認識してもよい。
図7は、図5に示す車両周辺画像10Aから他車両を認識した結果を示す図である。図7に示す車両周辺画像10Aは、図5に示す車両周辺画像10Aと同じである。図7を参照して、車両位置特定部23が車両周辺画像10Aから他車両4を認識した場合、他車両認識領域43は、車両周辺画像10Aにおいて特定される。他車両認識領域43は、検出された他車両4を囲む矩形領域である。
図3に戻り、車両位置特定部23は、ステップS13において他車両が検出された場合、他車両の前端の位置を車両周辺画像10Aにおいて特定する(ステップS14)。図7に示す車両周辺画像10Aの場合、車両位置特定部23は、他車両認識領域43の下辺を他車両4の前端43FEとして特定する。なお、ステップS13において他車両が検出されなかった場合、車両位置特定部23は、ステップS14を実行しない。
図3に戻り、車両位置特定部23は、ステップS13で検出された他車両が自車線を走行しているか否かを判定する(ステップS15)。具体的には、車両位置特定部23は、ステップS14において特定された他車両4の前端43FEが自車線内に位置する場合、他車両4が自車線を走行していると判定する。図7に示す車両周辺画像10Aの場合、他車両4の前端43FEが自車線TL12内に位置する。このため、車両位置特定部23は、他車両4が自車線を走行していると判定する(ステップS15でYes)。
他車両4が自車線を走行しているか否かの判定を詳しく説明するため、車両周辺画像10Aにおける画素座標系を定義する。画素座標系の原点を、車両周辺画像10Aの左上の頂点とする。X軸は、車両周辺画像10Aの横方向に延び、Y軸は、車両周辺画像10Aの縦方向に延びる。X軸の正方向は、右方向であり、Y軸の正方向は下方向である。
車両位置特定部23は、画素座標系を用いて、他車両4の前端43FEのY座標値を特定し、特定した前端43FEのY座標値に対応する区分線52及び区分線53のX座標値を求める。前端43FEの左端のX座標値が区分線52のX座標値よりも大きく、かつ、前端43FEの右端のX座標値が区分線53のX座標値よりも小さい場合、車両位置特定部23は、前端43FEが自車線TL12内に位置すると判断する。
図3に戻り、自車線TL12を走行している他車両4が存在しない場合(ステップS15でNo)、煽り判定部27は、車両1は煽り運転を受けていないと判定する(ステップS26)。
なお、ステップS13において自車線TL12を走行する他車両4が検出されなかった場合、車両位置特定部23は、自車線TL12を走行している他車両4が存在しないと判定する(ステップS15でNo)。この場合、煽り判定部27は、車両1は煽り運転を受けていないと判定する (ステップS26)。
他車両4が自車線を走行している場合(ステップS15でYes)、車間距離判定部26は、車間距離が第2所定距離より短いか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16は、自車両が車間距離を極端に詰める煽り運転を他車両から受けているか否かの判定のために実行される。具体的には、車間距離判定部26は、ステップS15で特定された他車両4の前端43FEが、車両周辺画像10Aにおいて第2基準線L2よりも下であるか否かを判定する。
図7を参照して、第2基準線L2は、車両1に固定されたカメラ10の光軸の向きに基づいて設定される。この理由は、カメラ10が車両1に固定されることにより、車両周辺画像10Aの画素のY座標値が車両1の後端からの距離を示すためである。図7に示す車両周辺画像10Aでは、他車両4の前端43FEは、第2基準線L2よりも上に位置する。したがって、車間距離判定部26は、車間距離が第2所定距離以上であると判定する(ステップS16でYes)。この場合、車間距離判定部26は、ステップS17に進む。ステップS17については後述する。
図8に、車間距離が第2所定距離未満である場合の車両周辺画像10Aの例を示す。図8に示すように、他車両4の前端43FEが第2基準線L2よりも下に位置する場合、車間距離判定部26は、車間距離が第2所定距離未満であると判定する(ステップS16でNo)。この場合、煽り判定部27は、車両1が他車両から煽り運転を受けていると判定する(ステップS25)。第2所定距離は、上述のように、極端に車間距離を詰める煽り運転を検出するための閾値である。したがって、煽り検出装置20は、車間距離が第2所定距離未満であるか否かを判定することにより、極端に車間距離を詰める煽り運転を検出することができる。
図3に戻り、車間距離が第2所定距離以上である場合(ステップS16でYes)、車間距離判定部26は、車間距離が第1所定距離未満であるか否かを判定する(ステップS17)。ステップS17は、方向指示器を用いた煽り運転を検出するか否かを判定するために実行される。車間距離が第1所定距離以上である場合、車両周辺画像10Aにおける他車両4のサイズが小さいため、他車両4の2つの方向指示器を分離して検出することが困難となるためである。このため、車間距離が第1所定距離以上である場合、車間距離判定部26は、方向指示器を用いた煽り運転の検出を行わない。これにより、他車両の運転者が適正な運転をしているにも関わらず、煽り検出装置20が他車両4から煽り運転を受けていると誤判定することを抑止できる。方向指示器の適正な使用とは、例えば、他車両が車線を変更する場合に、他車両が方向指示器を点滅させることである。
ステップS17について、図7を用いて説明する。車間距離判定部26は、他車両4の前端43FEが第1基準線L1よりも下に位置するか否かを判断する(ステップS17)。第1所定距離は、例えば、100メートルである。図7に示す例では、他車両4の前端43FEは、第1基準線L1よりも下にある。したがって、車間距離判定部26は、車間距離が第1所定距離未満であると判定する(ステップS17でYes)。この場合、車線特定部22が、走行可能車線特定処理(ステップS18)を実行する。
車両周辺画像10Aにおいて、他車両4の前端43FEが、第1基準線L1よりも上に位置する場合、車間距離判定部26は、車間距離が第1所定距離以上であると判定する(ステップS17でYes)。この場合、方向指示器を用いた煽り運転の検出が開始されないため、煽り判定部27は、煽り運転を受けていないと判定する(ステップS26)。
<走行可能車線特定処理(ステップS18)>
車間距離が第1所定距離未満である場合(ステップS17でYes)、車線特定部22は、走行可能車線特定処理を行う(ステップS18)。走行可能車線特定処理(ステップS18)において、車線特定部22は、ステップS12で特定された車線の中から走行可能車線を特定し、特定した走行可能車線の方向を特定する。
車間距離が第1所定距離未満である場合(ステップS17でYes)、車線特定部22は、走行可能車線特定処理を行う(ステップS18)。走行可能車線特定処理(ステップS18)において、車線特定部22は、ステップS12で特定された車線の中から走行可能車線を特定し、特定した走行可能車線の方向を特定する。
図10は、図3に示す走行車線特定処理(ステップS18)のフローチャートである。以下、図7及び図10を参照しながら、走行可能車線特定処理(ステップS18)を説明する。
車線特定部22は、ステップS12で特定された車線の中から、一の車線を選択する(ステップS181)。なお、車線特定部22は、ステップS181において、自車線を選択しない。
車線特定部22は、ステップS181で選択した車線が自車線に隣接しているか否かを判定する(ステップS182)。具体的には、車線特定部22は、自車線を特定する区分線のペアと、ステップS181で選択された車線を特定する区分線のペアとが共通する区分線を有するか否かを判定する。例えば、車線TL11を特定する区分線のペアと、自車線TL12を特定する区分線のペアとの各々は、共通の区分線52を有する。この場合、車線特定部22は、区分線TL11が自車線に隣接すると判定し(ステップS182でYes)、後述するステップS183に進む。選択した車線が自車線に隣接していない場合(ステップS182でNo)、車線特定部22は、選択した車線が走行可能車線でないと判断する(ステップS186)。
選択した車線が自車線に隣接している場合(ステップS182でYes)、車線特定部22は、自車線と選択した車線とを区分する区分線が、破線か否かを判定する(ステップS183)。具体的には、車線特定部22は、自車線を特定する区分線のペアと、選択した車線を特定する区分線のペアとにおいて共通の区分線が破線であるか否かを判断する。
共通する区分線が実線である場合(ステップS183でNo)、車線特定部22は、選択した車線が走行可能車線ではないと判断する(ステップS186)。例えば、車線TL11がステップS181で選択された場合、車線TL11と自車線TL12とは、区分線52で区分されている。区分線52が実線であるため、車線特定部22は、車線TL11が走行可能車線ではないと判断する。
共通する区分線が破線である場合(ステップS183でYes)、車線特定部22は、選択した車線が走行可能車線であると判断する(ステップS184)。例えば、車線TL13がステップS181で選択された場合、自車線TL12と車線TL13とは、区分線53で区分されている。区分線53が破線であるため、車線特定部22は、車線TL13が走行可能車線であると判断する。
車線特定部22は、走行可能車線と判断された車線の方向を特定する(ステップS185)。具体的には、車線特定部22は、走行可能車線と特定された車線の方向を、自車線を基準して特定する。特定される方向は、車両周辺画像10Aにおける左方向又は右方向のいずれかである。例えば、車線TL13が走行可能車線と特定された場合、車線TL13の方向は右方向である。車線TL13が、車両周辺画像10Aにおいて自車線TL12よりも右に位置するためである。車線特定部22は、特定した走行可能車線の方向を、走行可能車線情報22Bとして、煽り判定部27に供給する。
車線特定部22は、ステップS12で特定された車線を全て選択したかを判定する(ステップS187)。具体的には、車線特定部22は、自車線を除く車線を全て選択していない場合(ステップS187においてNo)、ステップS181に戻り、新たな車線を選択する。車線特定部22は、自車線を除く車線を全て選択した場合(ステップS187においてYes)、図10に示す走行可能車線特定処理を終了する。
車両位置特定部23は、前回に受けた車両周辺画像10Aにおいて、点滅検出領域が決定されたか否かを判断する(ステップS20)。詳細については後述するが、点滅検出処理(ステップS21)は、前回受けた車両周辺画像10Aで決定された点滅検出領域の画素値を使用する。このため、車両位置特定部23は、点滅検出処理(ステップS21)を実行できる否かを判断するために、ステップS20を実行する。点滅検出領域が、前回受けた車両周辺画像10Aにおいて決定されていない場合(ステップS20においてNo)、煽り判定部27は、煽り運転を受けていないと判定する(ステップS26)。点滅検出領域が、前回受けた車両周辺画像10Aにおいて決定されていた場合(ステップS209においてYes)、車両位置特定部23は、ステップS21の点滅検出処理に進む。
図3に戻り、車両位置特定部23は、点滅検出領域を決定する(ステップS19)。点滅検出領域は、他車両の方向指示器の点滅を検出するための領域である。図9を用いて、点滅検出領域の決定について説明する。点滅検出領域の決定の説明における左右方向は、車両周辺画像10Aにおける左右方向に一致する。
他車両4は、方向指示器42LIと、方向指示器42RIとを有する。このため、車両位置特定部23は、方向指示器42LIの点滅を検出するための点滅検出領域43Lと、方向指示器42RIの点滅を検出するための点滅検出領域43Rとの2つの点滅検出領域の範囲を決定する。点滅検出領域43Lと、点滅検出領域43Rとは、他車両認識領域43に含まれ、かつ、互いに分離されている。
車両位置特定部23は、点滅検出領域43Lの位置を他車両認識領域43の左端部に決定し、点滅検出領域43Rの位置を他車両認識領域43の右端部に決定する。具体的には、車両位置特定部23は、点滅検出領域43Lの幅L43L及び点滅検出領域43Rの幅L43Rを、予め定められた他車両認識領域43の幅L43に対する割合に基づいて決定する。
図9に示した例では、車両位置特定部23は、点滅検出領域43L及び点滅検出領域43Rの高さを、他車両認識領域43の高さH43と同じ高さに決定する。なお、車両位置特定部23は、点滅検出領域43L及び43Rの高さを、予め定められた他車両認識領域43の高さに対する割合に基づいて決定してもよい。車両位置特定部23は、決定した点滅検出領域43L及び点滅検出領域43Rを、方向特定部24に供給する。
<点滅検出処理(ステップS21)>
図3に戻り、方向特定部24は、点滅検出処理を行う(ステップS21)。具体的には、方向特定部24は、点滅検出領域43L及び43Rの各々において方向指示器の色相に対応する領域を特定する。方向特定部24は、特定した領域の明度の時間変化に基づいて他車両の方向指示器が点滅しているか否かを判断する。以下、詳細に説明する。
図3に戻り、方向特定部24は、点滅検出処理を行う(ステップS21)。具体的には、方向特定部24は、点滅検出領域43L及び43Rの各々において方向指示器の色相に対応する領域を特定する。方向特定部24は、特定した領域の明度の時間変化に基づいて他車両の方向指示器が点滅しているか否かを判断する。以下、詳細に説明する。
図11は、図3に示す点滅検出処理(ステップS21)のフローチャートである。図11を参照して、方向特定部24は、ステップS19で決定された2つの点滅検出領域のうち、いずれか一方を選択する(ステップS211)。以下、点滅検出領域43Lを選択した場合を例として、図11に示す処理を説明する。点滅検出領域43Rが選択された場合における処理は、点滅検出領域43Lが選択された場合における処理と同じであるため、その説明については省略する。
方向特定部24は、選択した点滅検出領域の画素の色相と明度を算出する。具体的には方向特定部24は、画素のRGB値をHSB値に変換する(ステップS212)。方向特定部24は、ステップS211で選択した点滅検出領域43Lの画素値を、RGB(Red、Green、Blue)による表現から、HSB(Hue、Saturation、Brightness)による表現に変換する。
方向特定部24は、所定の色相を有する画素領域を特定する(ステップS213)。具体的には、方向特定部24は、HSB値に変換された点滅検出領域43Lの画素から、方向指示器の色相を有する画素の領域を特定する。方向指示器の色相は、日本の法令によると橙色である。したがって、方向特定部24は、方向指示器の色相を有する画素領域として、橙色の色相を有する方向指示器42LIの領域を特定する。以下のステップS20の説明において、ステップS213で特定された画素領域を「方向指示器42LI」と記載する。なお、方向特定部24は、橙色を含む所定範囲の色相を有する画素領域を特定することが望ましい。車種や撮影条件によって、方向指示器の色が変化する可能性があるためである。なお、所定範囲の色相を有する画素領域が小さい場合、方向特定部24は、画素領域の特定が困難と判断し、過去に特定した画素領域に基づき、画素領域を特定する。具体的には、方向特定部24は、まず所定範囲の色相を有する画素に基づいて、画素領域を特定する。特定した画素領域が、点滅検出領域43Lにおいて占める面積の比率が所定の比率以下である場合、方向特定部24は、今回受けた車両周辺画像10Aからの画素領域の特定が困難と判断する。方向特定部24は、画素領域の特定が困難と判断した場合、前回受けた車両周辺画像10Aで特定した画素領域の、前回受けた車両周辺画像10Aにおける点滅検出領域43Lに対する相対位置に基づいて今回の画素領域を特定する。
方向特定部24は、明度の時間差分値を算出する(ステップS214)。具体的には、方向特定部24は、点滅検出領域43Lで特定された画素領域である方向指示器42LIに含まれる画素の明度の平均値を算出する。方向特定部24は、算出した方向指示器42LIの明度の平均値を、前回受けた車両周辺画像10Aで算出された方向指示器42LIの明度の平均値から差し引くことで、方向指示器42LIの明度の時間差分値を算出する。なお、前回受けた車両周辺画像10Aから算出された方向指示器42LIの明度の平均値は、前回受けた車両周辺画像10Aにおいて決定された点滅検出領域43Lの方向指示器42LIから算出される。
方向指示器42LIの明度の平均値を用いる理由を説明する。車間距離に応じて、車両周辺画像10Aにおける他車両4の大きさは変化するため、ステップS213で特定される方向指示器42LIの画素数は、車間距離に応じて変化する。方向特定部24は、方向指示器42LIの明度の平均値をステップS214で用いることにより、方向指示器42LIの画素数の変化の影響を抑制できる。
以下、図11及び図12を参照しながら、ステップS215以降を説明する。図12に、ステップS213で特定される画素領域の明度の変化の一例を示す。図12を参照して、時刻T10〜T19の各々は、車両周辺画像10Aの取得時刻を示す。なお、画像取得部21は、時刻T10〜T19だけでなく、図12において隣り合う2つの時刻間において、複数のフレームを取得している。
方向特定部24は、ステップS214で算出された差分値が予め設定された点灯基準値以上であるか否かを判定する(ステップS215)。明度の差分値が点灯基準値以上である場合(ステップS215でYes)、方向特定部24は、画素領域42LIが点灯したと判断して点灯時刻及び点灯間隔を取得する(ステップS216)。点灯時刻は、例えば、画像取得部21が車両周辺画像10Aを取得した時刻である。
点灯時刻の取得について詳しく説明する。図12において、明度平均値BL43Lは、車両周辺画像10Aにおける点滅検出領域43Lの画素領域から算出された明度の平均値であり、ステップS213で算出される。明度差分値D43Lは、現在画像から算出された明度平均値BL43Lを、直前画像から算出された明度平均値BL43Lから減算した値であり、ステップS214で算出される。現在画像とは、画像取得部21により取得された最も新しい車両周辺画像10Aであり、直前画像は、現在画像の直前に画像取得部21により取得された車両周辺画像10Aである。
明度平均値BL43Lがa1である場合、方向指示器42LIは点灯中である。明度平均値BL42Lがa0である場合、方向指示器42LIは消灯中である。
明度平均値BL43Lが時刻T11においてa0からa1に増加するため、方向特定部24は、点灯基準値REFよりも大きい明度差分値D43Lを、時刻T11において取得する。従って、方向特定部24は、方向指示器42LIが時刻T11において点灯したと判断し、時刻T11を点灯時刻として取得する。点灯基準値REFよりも大きい明度差分値D43Lは、時刻T13、T15及びT17においても取得される。従って、方向特定部24は、時刻T11、T13、T15及びT17において、方向指示器42LIが点灯したと判断する。
点灯間隔の取得について説明する。方向特定部24は、ステップS216で新たに取得した点灯時刻と、前回取得した点灯時刻との差を算出し、算出した差を点灯間隔として取得する。例えば、方向特定部24が時刻T13において方向指示器42LIが点灯したと判断した場合、方向特定部24は、前回取得した点灯時刻である時刻T11と時刻T13との時間差を点灯間隔ΔT1として取得する。同様に、方向特定部24は、時刻T15、T17おいて、点灯間隔ΔT2、ΔT3を取得する。なお、方向特定部24が点灯時刻を過去に取得していない場合、方向特定部24は、予め設定された時間(例えば、100秒)を点灯間隔として取得する。なお、予め設定された時間は、後述の基準間隔より長い時間を設定する。すなわち、時刻T11では点灯時刻が過去に取得されていないため、方向特定部24は点灯間隔として、基準間隔より長いあらかじめ設定された時間を取得する。基準間隔より長いあらかじめ設定された時間は、例えば、100秒である。
図11に戻り、方向特定部24は、方向指示器の典型的な点滅間隔に基づいて、点滅が継続中であるか否かを判定する。つまり、方向特定部24は、ステップS216で取得した点灯間隔が典型的な点滅間隔に近い場合、方向指示器の点滅が継続していると判定する。具体的には、方向特定部24は、ステップS216で取得した点灯間隔が予め設定された基準間隔よりも長いか否かを判定する(ステップS217)。ステップS217は、方向指示器が点滅を開始したのか、又は、方向指示器が点滅を継続しているのかを判断するために実行される。基準間隔は、方向指示器の点滅間隔に基づいて決定される。日本の道路法令では、方向指示器の点滅間隔は1分間に60回以上と規定されているため、基準間隔は、例えば、1秒である。
方向特定部24は、点灯間隔が基準間隔よりも長い場合(ステップS217でYes)、点滅開始と判断する(ステップS218)。例えば、他車両の運転者が方向指示器42LIの点滅を指示した場合、煽り検出装置20が方向指示器42LIの点灯を最小に検出した場合に、点灯間隔が方向指示器の点滅間隔に対応する基準間隔よりも長くなると考えられるためである。方向特定部24は、点滅開始と判断した場合、方向指示器42LIが点滅中であることを示す点滅継続情報24Cを点滅時間取得部25に供給する。図12に示す例では、前述のように、時刻T11において基準時間より長い点灯間隔が取得されている。したがって、方向特定部24は、時刻T11で点滅開始と判断する。
点滅時間取得部25は、方向指示LIが点滅中であることを示す点滅継続情報24Cに基づいて、点滅時間の測定を開始する(ステップS219)。図12に示す例では、方向特定部24は、方向指示器42LIの点滅が開始されたと判断した時刻T11において、点滅継続情報24Cをオフからオンに変化させる。点滅継続情報24Cがオフである場合、方向指示器42LIが点滅していないことを示す。点滅継続情報24Cがオンである場合、方向指示器42LIが点滅中であることを示す。点滅時間取得部25は、点滅継続情報24Cがオンである場合、点滅時間の測定を継続する。
ステップS219の後、方向特定部24は、ステップS211で選択した点滅検出領域に基づいて指示方向を特定する(ステップS220)。具体的には、点滅検出領域43LがステップS211で選択された場合、方向特定部24は、他車両4の方向指示器が指示する方向が左方向であると判断する。点滅検出領域43RがステップS211で選択された場合、方向特定部24は、他車両4の方向指示器が指示する方向が右方向であると判断する。ステップS220で特定される方向は、車両周辺画像10Aにおける左方向又は右方向のいずれかであり、自車線TL12を基準にして特定される。方向特定部24は、ステップS220で特定した方向を示す方向情報24Aを煽り判定部27に出力し、後述するステップS221を実行する。
図12に示す例では、方向特定部24は、方向指示器42LIの点灯を時刻T11において検出する。従って、方向特定部24は、ステップS220において、他車両4の方向指示器が示す方向が左方向であると判断する。
ここで、図12に示す明度平均値BL43R及び明度差分値D43Rについて説明する。明度平均値BL43R及び明度差分値D43Rは、点滅検出領域43RがステップS211で選択されることにより算出される。明度平均値BL43Rは、ステップS213により点滅検出領域43Rで特定された画素領域の明度の平均値である。明度平均値D43Rは、点滅検出領域43Rで特定された画素領域の明度の差分値であり、ステップS214で算出される。図12に示す時刻T11〜時刻T19までの期間において、明度平均値BL43Rはb0のまま一定であり、明度差分値D43Rは、0のままである。従って、方向特定部24は、時刻T11〜T19において、方向指示器RIの点滅を検出しない。
なお、方向特定部24は、ステップS220を、ステップS221の後に実行してもよい。つまり、方向特定部24は、方向指示器42LIの点滅の検出結果と、方向指示器RIの点滅の検出結果とに基づいて、他車両4の方向指示器が指示する方向を特定してもよい。方向指示器42LI及びRIの両者が点滅している場合、方向特定部24は、ハザードランプが点滅していると判断する。この場合、記録装置30は、煽り運転の有無に関係なく、車両周辺画像10Aを記録してもよい。
方向特定部24は、点灯間隔が基準間隔以下である場合(ステップS217でNo)、点滅継続中と判断し(ステップS214)、点滅時間取得部25に点滅時間の測定を継続させる(ステップS225)。具体的には、方向特定部24が点滅継続情報24Cをオンのまま維持することにより、点滅時間取得部25は、点滅時間の測定を継続する。その後、方向特定部24は、後述するステップS221を実行する。
ステップS215の説明に戻る。ステップS214で算出された差分値が予め設定された点灯基準値未満である場合(ステップS215でNo)、方向特定部24は、点滅時間の測定中か否かを確認する(ステップS222)。具体的には、方向特定部24は、点滅継続情報24Cが点滅継続を示しているか否かを判断する。点滅継続情報24Cが点滅継続を示していない場合、方向特定部24は、点滅時間の測定中ではないと判断する(ステップS222でNo)。この場合、方向特定部24は、点滅検出領域は点滅していないと判断し(ステップS228)、後述するステップS221を実行する。
点滅継続情報24Cが点滅継続を示す場合、方向特定部24は、点滅時間の測定中であると判断する(ステップS222でYes)。この場合、方向特定部24は、最後の点灯時刻からの経過時間が予め設定された待機時間を超えているか否かを判断する(ステップS223)。待機時間は、方向指示器42LIの点滅が終了したか否かの判断に用いられる時間であり、方向指示器の点滅間隔よりも長い。上述のように、日本の道路法令は、方向指示器が1分間に60回以上点滅していることを定めているため、待機時間は、1秒以上に設定される。
最後の点灯時刻からの経過時間が待機時間を超えている場合(ステップS223でYes)、方向特定部24は、点滅終了と判断する(ステップS226)。この場合、方向特定部24は、方向指示器42LIが点滅していないことを示す点滅継続情報24Cを点滅時間取得部25に供給する。点滅時間取得部25は、方向指示器42LIが点滅していないことを示す点滅継続情報24Cを方向特定部24から受けた場合、点滅時間の測定を終了する(ステップS227)。その後、ステップS221が実行される。
図12に示す例では、方向特定部24は、点灯時刻を時刻T17に取得した場合、最後の点灯時刻として時刻T17を保持する。待機時間が1秒に設定されている場合、方向特定部24は、時刻T17から1秒を経過した時刻T19において、点滅終了と判断する。方向特定部24は、時刻T19において、方向情報24Aを0に設定し、点滅継続情報24Cをオンからオフに変化させる。方向情報24Aが0である場合、方向情報24Aは、他車両4の左右の方向指示器の両方が点滅していないことを示す。点滅時間取得部25は、点滅継続情報24Cがオフに変化したため、時刻T19において点滅時間の測定を終了する。この結果、点滅時間取得部25は、時刻T11から時刻T19までの時間を点滅時間25Aとして煽り判定部27に供給する。
ステップS223において、最後の点灯時刻から待機時間が経過していない場合(ステップS223でNo)、方向特定部24は、方向指示器42LIの点滅が終了したか否かを特定できない。このため、方向特定部24は、点滅継続中であると判断する(ステップS224)。
方向特定部24は、全ての点滅検出領域を選択したか否かを確認する(ステップS221)。具体的には、方向特定部24は、ステップS211において、既に点滅検出領域43L及び43Rの両方を選択したか否かを確認する。既に点滅検出領域43L及び43Rの両方を選択している場合(ステップS221でYes)、方向特定部24は、点滅検出処理(ステップS21)を終了する。方向特定部24は、点滅検出領域43L及び43Rの少なくとも一方を選択していない場合(ステップS221でNo)、方向特定部24は、ステップS211を実行する。
点滅検出処理(ステップS21)以後の処理を、図3を参照しながら説明する。点滅が点滅検出処理(ステップS21)により検出された場合(ステップS22でNo)、煽り判定部27は、車両1が方向指示器を用いた煽り運転を他車両4から受けていないと判定する(ステップS26)。煽り判定部27は、煽り判定結果27Aを記録装置30に供給する。
点滅が点滅検出処理(ステップS21)により検出された場合(ステップS22でYes)、煽り判定部27は、他車両が他車両の方向指示器が指示する方向に車線変更可能か否かを判定する(ステップS23)。具体的には、煽り判定部27は、図10に示すステップS185で特定された走行可能車線の方向が図11に示すステップS221で特定された指示方向に一致するか否かを判断する。ステップS185で特定された走行可能車線の方向は走行可能車線情報22Bに記録される。ステップS221で特定された方向は、方向情報24Aに記録される。
ここで、画像取得部21が、図7に示す車両周辺画像10Aを図12に示す時刻T11に取得したと仮定する。図7に示す車両周辺画像10Aにおいて、方向指示器42LIが点灯している。このため、方向情報24Aは、図12に示す時刻T11から左方向を示す。車線TL11は、自車線TL12の左に隣接する。車線TL11と自車線TL12とは、実線である区分線52により区分されているため、車線TL11は走行可能車線ではない。方向情報24Aが示す方向が、走行可能車線情報22Bが示す走行可能車線の方向と一致しないため、煽り判定部27は、他車両4が他車両4の方向指示器が指示する方向に車線変更できないと判断する(ステップS23でNo)。
図3に戻り、他車両が他車両の方向指示器が指示する方向に車線変更可能ではない場合(ステップS23でNo)、煽り判定部27は、予め設定された点滅基準時間以上の点滅を検出したかを判定する(ステップS24)。具体的には、煽り判定部27は、点滅時間取得部25から受けた点滅時間25Aが、点滅基準時間以上であるか否かを判定する。点滅時間25Aが点滅基準時間以上である場合(ステップS24でYes)、煽り判定部27は、車両1が方向指示器を用いた煽り運転を他車両4から受けていると判定する(ステップS25)。点滅時間25Aが所定の点滅基準時間よりも短い場合(ステップS24でNo)、煽り判定部27は、車両1が方向指示器を用いた煽り運転を他車両4から受けていないと判定する(ステップS26)。煽り判定部27は、煽り判定結果27Aを記録装置30に供給する。
ステップS24を実行する理由を説明する。他車両が方向指示器の指示する方向に進路変更できない場合であっても、他車両が自車線へ車線変更した直後である場合や、他車両の運転者が誤って方向指示器を点滅させる場合も考えられる。一方、他車両が方向指示器の点滅による煽り運転を行う場合、方向指示器の点滅時間は、方向指示器の適正な使用時間よりも長くなると考えられる。したがって、煽り検出装置20は、方向指示器の点滅時間を点滅基準時間と比較することにより、方向指示器を用いた煽り運転の検出精度を向上させることができる。煽り検出装置20は、他車両4が適正に方向指示器を使用しているにも関わらず、方向指示器を用いた煽り運転を他車両から受けていると誤って判定することを防止することができる。
図3に戻り、ステップS23において、他車両が他車両の方向指示器が指示する方向に車線変更可能である場合(ステップS23でYes)、煽り判定部27は、車両1が方向指示器を用いた煽り運転を他車両から受けていないと判定する(ステップS26)。この場合、他車両4は、自車線から走行可能車線へ移動するために方向指示器を使用していると考えられるためである。
煽り判定部27は、イグニッション信号がOFFであるかを判定する(ステップS27)。イグニッション信号がOFFではない場合(ステップS27でNo)、ステップS11に戻り、本フローチャートの実行を続ける。イグニッション信号がOFFである場合(ステップS27でYes)、本フローチャートの実行を終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る煽り検出装置20は、走行可能車線の方向と、他車両4の方向指示器が指示する方向とを車両周辺画像10Aから特定する。煽り判定部27は、他車両4が他車両4の方向指示器が示す方向に車線変更できない場合、車両1が方向指示器を用いた煽り運転を他車両4から受けていると判定する。したがって、煽り検出装置20は、画像取得部21により取得された車両周辺画像10Aを用いて、方向指示器を用いた煽り運転を検出することができる。
また、煽り検出装置20において、煽り判定部27は、他車両4の方向指示器の点滅時間が所定の点滅基準時間を超えた場合、車両1が方向指示器を用いた煽り運転を他車両から受けていると判定する。したがって、煽り検出装置20は、他車両4が適正に方向指示器を使用しているにも関わらず、他車両4から煽り運転を受けていると誤判定することを抑止できる。方向指示器の適正な使用とは、例えば、他車両4が車線を変更する場合に、他車両4が方向指示器を点滅させることである。
また、煽り検出装置20において、煽り判定部27は、車間距離が第1所定距離より短くなると、方向指示器を用いた煽り運転の判定を開始する。車間距離が第1所定距離以上である場合、他車両が備える2つの方向指示器のどちらが点滅しているかを特定するが困難となる。このため、車間距離が第1所定距離よりも短い場合に、煽り検出装置20は、方向指示器を用いた煽り運転を受けているか否かを判断することで、煽り運転の誤検出を防ぐことができる。
また、煽り検出装置20において、煽り判定部27は、車間距離が第2所定距離よりも短い場合、車両1が距離を詰める煽り運転を他車両4から受けていると判定する。また、第2所定距離は、方向指示器による煽り運転の検出を開始する第1所定距離よりも短い。したがって、煽り検出装置20は、車間距離が第2所定距離よりも長い場合であっても、方向指示器による煽り運転を検出することができる。
<記録装置30の動作>
記録装置30は、煽り判定結果27Aが煽り運転を受けていることを示す場合、所定の保護期間における車両周辺画像10Aを保護する。所定の保護期間は、例えば、煽り検出装置20によって煽り運転を受けていると判定された時刻と、煽り運転を受けていると判定された時刻の前後30秒である。
記録装置30は、煽り判定結果27Aが煽り運転を受けていることを示す場合、所定の保護期間における車両周辺画像10Aを保護する。所定の保護期間は、例えば、煽り検出装置20によって煽り運転を受けていると判定された時刻と、煽り運転を受けていると判定された時刻の前後30秒である。
記録装置30は、煽り検出装置20によって煽り運転を受けていると判定された時刻と、煽り運転を受けていると判定された時刻の前後の期間にわたって、車両周辺画像10Aを保護する。したがって、本実施形態に係る記録装置30は、車両1に対して煽り運転を行った他車両4を、事後的に特定することができる。
(変形例1)
上記実施形態において、車両周辺画像10Aにおける自車線は、2つの車線によって挟まれる例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図13に示すように、自車線TL21の左側には、車線が無くてもよい。この場合、煽り検出装置20は、他車両4の方向指示器が示す方向が左方向である場合、車両1は他車両4からの煽り運転を受けていると判定する。
上記実施形態において、車両周辺画像10Aにおける自車線は、2つの車線によって挟まれる例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図13に示すように、自車線TL21の左側には、車線が無くてもよい。この場合、煽り検出装置20は、他車両4の方向指示器が示す方向が左方向である場合、車両1は他車両4からの煽り運転を受けていると判定する。
(変形例2)
上記実施形態において、方向特定部24は、点灯時刻から点灯間隔を算出する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。方向特定部24は、消灯時刻から点灯間隔を算出してもよい。消灯時刻とは、明度差分値D43Lが消灯基準値を下回った時刻である。図12に示す例では、消灯基準値は、具体的には、−REFである。明度差分値D43Lは、時刻T12、T14、T16、T18において消灯基準値を下回るため、方向特定部24は、これらの時刻を消灯時刻として取得する。例えば、方向特定部24は、時刻T14を消灯時刻として取得した場合、時刻T12と時刻T14の差を点灯間隔として算出する。
上記実施形態において、方向特定部24は、点灯時刻から点灯間隔を算出する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。方向特定部24は、消灯時刻から点灯間隔を算出してもよい。消灯時刻とは、明度差分値D43Lが消灯基準値を下回った時刻である。図12に示す例では、消灯基準値は、具体的には、−REFである。明度差分値D43Lは、時刻T12、T14、T16、T18において消灯基準値を下回るため、方向特定部24は、これらの時刻を消灯時刻として取得する。例えば、方向特定部24は、時刻T14を消灯時刻として取得した場合、時刻T12と時刻T14の差を点灯間隔として算出する。
他車両の方向指示器が連鎖式点灯を行う場合、他車両の方向指示器の明度は徐々に増加する。このような場合、点灯間隔の算出に消灯時刻を用いることで、方向特定部24は、正確に点灯間隔を算出することができる。
また、方向特定部24は、点灯と消灯が交互に繰り返されることから、方向指示器の点滅を検出してもよい。この場合、方向特定部24は、方向指示器の明度が所定の閾値を超えた場合に点灯と判断し、所定の閾値以下となった場合に消灯と判断する。
(変形例3)
上記実施形態において、第2所定距離は一定である例を説明したが、本発明はこれに限定されない。煽り検出装置20は、第2所定距離を変更してもよい。具体的には、煽り検出装置20は、第2所定距離を、車両1の走行速度が速くなるほど長くしてもよい。
上記実施形態において、第2所定距離は一定である例を説明したが、本発明はこれに限定されない。煽り検出装置20は、第2所定距離を変更してもよい。具体的には、煽り検出装置20は、第2所定距離を、車両1の走行速度が速くなるほど長くしてもよい。
また、煽り検出装置20は、交通渋滞時等における車両1の走行速度が極めて遅い場合、距離を詰める煽り運転と方向指示器を用いた煽り運転の検出を停止してもよい。この場合、煽り検出装置20は、交通渋滞時に車両1が他車両から車間距離を詰められたとしても、車両1が他車両から煽り運転を受けたと誤判定することを抑止することができる。
(変形例4)
上記実施形態において、煽り判定部27は、点滅時間が点滅基準時間以上である場合に自車両が方向指示器を用いた煽り運転を他車両から受けているか否かを判定する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。煽り判定部27は、方向指示器の点滅回数に基づいて、自車両が方向指示器を用いた煽り運転を他車両から受けているか否かを判定してもよい。この場合、煽り判定部27は、方向指示器の点滅回数が、所定の基準回数を超えた場合、自車両が方向指示器を用いた煽り運転を他車両から受けていると判定する。
上記実施形態において、煽り判定部27は、点滅時間が点滅基準時間以上である場合に自車両が方向指示器を用いた煽り運転を他車両から受けているか否かを判定する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。煽り判定部27は、方向指示器の点滅回数に基づいて、自車両が方向指示器を用いた煽り運転を他車両から受けているか否かを判定してもよい。この場合、煽り判定部27は、方向指示器の点滅回数が、所定の基準回数を超えた場合、自車両が方向指示器を用いた煽り運転を他車両から受けていると判定する。
例えば、図12に示した例の場合、方向特定部24は、方向指示器の点灯回数を、方向指示器の点滅回数としてもよい。図12では、時刻T11、T13、T15、T17において、明度差分値D43Lが点灯基準値REFを超える。したがって、方向特定部24は、時刻T17において、方向指示器の点滅回数を4回と認識する。煽り判定部27は、点滅回数が増加するたびに、点滅回数を基準回数と比較すればよい。
(変形例5)
上記実施形態において、カメラ10は、車両1の内部に配置される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。カメラ10は車両1の外部に配置されてもよい。カメラ10を車両1の外部に配置した場合、車両1の内部に配置されたカメラ10が車両1のガラス越しに車両後方を撮影する場合と比較して、車両1のガラスの影響を排除した車両周辺画像10Aを生成することができる。このため、カメラ10を車両1の内部に配置した場合と比較して、より明瞭な車両周辺画像10Aを生成することができる。結果として、車両1に煽り運転を行った他車両の特定が、より容易となる。
上記実施形態において、カメラ10は、車両1の内部に配置される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。カメラ10は車両1の外部に配置されてもよい。カメラ10を車両1の外部に配置した場合、車両1の内部に配置されたカメラ10が車両1のガラス越しに車両後方を撮影する場合と比較して、車両1のガラスの影響を排除した車両周辺画像10Aを生成することができる。このため、カメラ10を車両1の内部に配置した場合と比較して、より明瞭な車両周辺画像10Aを生成することができる。結果として、車両1に煽り運転を行った他車両の特定が、より容易となる。
(変形例6)
また、上記実施の形態において、煽り検出装置20は、LSI(Large Scale Integration)などの半導体装置により個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全部を含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、上記実施の形態において、煽り検出装置20は、LSI(Large Scale Integration)などの半導体装置により個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全部を含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
また、煽り検出装置20により実行される処理の一部または全部は、プログラムにより実現されてもよい。そして、上記各実施の形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、コンピュータにおいて、中央演算装置(CPU)により行われる。また、それぞれの処理を行うためのプログラムは、ハードディスク、ROMなどの不揮発性記憶装置に格納されており、ROMにおいて、あるいはRAMに読み出されて実行される。
また、上記実施の形態の各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア(OS(オペレーティングシステム)、ミドルウェア、あるいは、所定のライブラリとともに実現される場合を含む。)により実現してもよい。さらに、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現しても良い。
例えば、煽り検出装置20を、ソフトウェアにより実現する場合、図14に示したハードウェア構成(例えば、CPU、ROM、RAM、入力部、出力部等をバスBusにより接続したハードウェア構成)を用いて、各機能部をソフトウェア処理により実現するようにしてもよい。
また、上記実施の形態における処理方法の実行順序は、上記実施の形態の記載に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で実行順序を入れ替えてもよい。
前述した方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、大容量DVD、次世代DVD、半導体メモリを挙げることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
1 : 車両
10 :カメラ
20 :煽り検出装置
21 :画像取得部
22 :車線特定部
23 :車両位置特定部
24 :方向特定部
25 :点滅時間取得部
26 :車間距離判定部
27 :煽り判定部
30 :記録装置
4 :他車両
42LI、42RI :方向指示器
43 :他車両認識領域
43FE:前端
43L、43R :点滅検出領域
10 :カメラ
20 :煽り検出装置
21 :画像取得部
22 :車線特定部
23 :車両位置特定部
24 :方向特定部
25 :点滅時間取得部
26 :車間距離判定部
27 :煽り判定部
30 :記録装置
4 :他車両
42LI、42RI :方向指示器
43 :他車両認識領域
43FE:前端
43L、43R :点滅検出領域
Claims (5)
- 自車両の周辺が撮影された車両周辺画像を生成するカメラから、前記車両周辺画像を取得する画像取得部と、
前記自車両が走行する車線と同じ車線を走行する他車両を前記車両周辺画像から検出し、検出した前記他車両の前記車両周辺画像における位置を特定する車両位置特定部と、
前記車両位置特定部により特定された前記他車両の位置に基づいて、前記他車両の方向指示器の点滅を検出し、検出された点滅に基づいて前記方向指示器が指示する方向を特定する方向特定部と、
前記他車両が走行可能な車線の方向を特定する車線特定部と、
前記車線特定部により特定された走行可能な車線の方向と、前記方向特定部により特定された方向との比較に基づき、前記自車両は前記他車両による煽り運転を受けていると判定する煽り判定部と、
を備える、
煽り検出装置。 - 前記方向特定部が前記点滅を継続して検出する時間を点滅時間として取得する点滅時間取得部を、
さらに備え、
前記煽り判定部は、前記点滅時間取得部によって取得された前記点滅時間が所定の点滅基準時間を超えた場合、前記自車両は前記他車両による煽り運転を受けていると判定する、
請求項1に記載の煽り検出装置。 - 前記車両位置特定部により特定された前記他車両の位置に基づいて、前記自車両と前記他車両との間の距離である車間距離が第1所定距離よりも短いか否かを判定する車間距離判定部を、
さらに備え、
前記方向特定部は、前記車間距離が第1所定距離よりも短いと前記車間距離判定部により判定された場合、前記他車両の方向指示器の点滅の検出を開始する、
請求項1又は2に記載の煽り検出装置。 - 前記車間距離判定部は、前記特定された前記他車両の位置に基づいて、前記車間距離が第2所定距離よりも短いか否かを判定し、
前記煽り判定部は、前記車間距離が前記第2所定距離よりも短いと前記車間距離判定部により判定された場合、前記車線特定部により特定された車線が前記方向特定部により特定された方向に存在するか否かに関係なく、前記自車両は前記他車両による煽り運転を受けていると判定し、
前記第2所定距離は、前記第1所定距離よりも短い、
請求項3に記載の煽り検出装置。 - 自車両の周辺が撮影された車両周辺画像を生成するカメラから、前記車両周辺画像を取得する画像取得工程と、
前記自車両が走行する車線と同じ車線を走行する他車両を前記車両周辺画像から検出し、検出した前記他車両の前記車両周辺画像における位置を特定する車両位置特定工程と、
前記車両位置特定工程により特定された前記他車両の位置に基づいて、前記他車両の方向指示器の点滅を検出し、検出された点滅に基づいて前記方向指示器が指示する方向を特定する方向特定工程と、
前記他車両が走行可能な車線の方向を特定する車線特定工程と、
前記車線特定工程により特定された走行可能な車線の方向と、前記方向特定部により特定された方向との比較に基づき、前記自車両は前記他車両による煽り運転を受けていると判定する煽り判定工程と、
を備える、
煽り検出方法。
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JP2019086514A JP2020184102A (ja) | 2019-04-26 | 2019-04-26 | 煽り検出装置及び煽り検出方法 |
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2019
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