JP2020183920A - 歩行者自律航法装置、方法、及びプログラム - Google Patents

歩行者自律航法装置、方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】歩行者自律航法のゼロ速度補正を行う際に、簡便な手法で静止状態を推定することができる歩行者自律航法装置、方法、及びプログラムを提供する。【解決手段】歩行者自律航法装置10Aは、ジャイロセンサ及び加速度センサを含むセンサ群24と、加速度センサにより計測された加速度が閾値以下である場合に、周囲の環境に関する環境情報を取得する環境情報取得部32と、取得された環境情報から、自装置が静止状態であるか否かを判定する判定部34と、自装置が静止状態であると判定された場合に、加速度センサにより計測された加速度及び加速度から得られる速度が共にゼロになるように、加速度センサの誤差を補正し、かつ、ジャイロセンサにより計測された角速度がゼロになるように、ジャイロセンサの誤差を補正し、誤差の補正を行った加速度センサの値及びジャイロセンサの値によって自律航法のゼロ速度補正を行う補正部36と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、歩行者自律航法装置、方法、及びプログラムに係り、特に、屋内において歩行者が自律航法を行うための歩行者自律航法装置、方法、及びプログラムに関する。
従来、GPS(Global Positioning System)に代表される端末装置の位置を計測する技術が広く用いられている。また、屋内での端末装置の位置計測に対するニーズも存在する。
このニーズに対応する技術として、一定間隔で電波や音波又は光信号を発信するビーコン装置からの信号を、位置計測を行う端末装置で受信し、その信号強度や到達時間から端末装置の位置を計測する技術や、インターネット通信に利用されている無線LAN(Local Area Network)基地局の電波を流用することで専用の電波ビーコン装置の設置を不要とする技術、端末装置がビーコン信号を発信し、既知の場所に設置された単数又は複数のアンテナ・マイク・カメラ等でビーコン信号を受信することで端末装置の位置を計測する技術等が存在する。
また、カーナビゲーションシステムにおいて、トンネル等のように、GPSによる測位ができない場所での測位補完に用いられる、速度センサ、ジャイロセンサ、及び地磁気センサ等を用いた自律航法技術が存在する。この自律航法技術を歩行者の測位に適用する検討が行われている(例えば、非特許文献1を参照)。
「消防活動が困難な空間における消防活動支援情報システム開発の報告書(平成15年5月13日)」, 消防活動が困難な空間における消防活動支援情報システムの開発プロジェクトチーム, 総務省消防庁, http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/pdfIdx/150513_1.html, 目次:http://www.fdma.go.jp/html/new/pdf/150513_hou/mokuji.pdf, PP.28-29 http://www.fdma.go.jp/html/new/pdf/150513_hou/28-29.pdf
しかしながら、ビーコン装置を利用する技術においては、ビーコン装置の設置及び運用にコストがかかり、ビーコン装置の設置場所も必要になる、という問題がある。
また、端末装置からビーコン信号を発信する技術においては、アンテナ・マイク・カメラ等の受信側設備の設置及び運用にコストがかかる、という問題がある。
また、インターネット通信に利用されている無線LAN基地局の電波を流用することで専用の電波ビーコン装置の設置を不要とする技術においては、ビーコン装置の設置及び運用コストを必要としないが、測位を目的として設計・設置されたものではない無線LAN基地局からの信号は、屋内測位に適切な信号強度分布を形成できず、高精度な測位を実現することが困難である、という問題がある。
また、自律航法技術を用いる方法においては、ビーコン装置の設置及び運用コストを必要としないが、端末装置にジャイロセンサ、速度センサ、及び地磁気センサ等を必要とする、という問題がある。
近年広く利用されているスマートフォン等の民生用携帯端末(以下、単に「携帯端末」という。)では、ジャイロセンサ、加速度センサ、及び地磁気センサ(以下、「センサ群」ともいう。)を備えることが一般的になっている。当業者であれば、携帯端末に具備されたセンサ群を用いた自律航法技術により屋内測位を行う方法を想到し得る。
しかし、携帯端末が内蔵するジャイロセンサには、一般的に、振動式の半導体センサが用いられている。この振動式のジャイロセンサは、非特許文献1に記載のシステムで用いられている光学式のレーザージャイロセンサと比較して、角速度検出精度が低い、という問題がある。
また、カーナビゲーションシステムでは、タイヤの回転数から速度を検出する速度センサが用いられている。このカーナビゲーションシステムの速度センサに対して、携帯端末が内蔵する加速度センサで移動速度を得るためには、ジャイロセンサによるセンサの向きの追跡を行ったうえで加速度センサにより検出される加速度から重力加速度を除いたベクトルの積分によって速度を算出する必要がある。この場合、ジャイロセンサ及び加速度センサの検出値に含まれるノイズによって、時間の経過とともに誤差が累積する、という問題がある。
また、加速度センサによる速度算出を行う場合、加速度センサの出力値が0(ゼロ)であるときに、センサが静止しているのか、あるいは、等速運動をしているのかを原理的に判別することができない、という問題がある。
非特許文献1に記載のシステムにおいても、速度を加速度センサにより検出した加速度の積分によって求めており、上述の問題を解消するために、自律航法技術分野の慣性航法技術における「ゼロ速度補正」と呼ばれる手法が用いられている。
この「ゼロ速度補正」は、システムに対してセンサが静止状態にあることを外部から教示することで、その時点で検出されるセンサデータが補正すべきセンサのズレ(ドリフト)であると判断し、加速度の積分である速度、及び速度の積分である移動距離の補正を行う手法である。非特許文献1においては、この教示をシステムのユーザがシステムの端末装置の構成要素である「ペンコンピュータ」を用いて明示的に行うように実装されている。
当業者であれば、上記実装を携帯端末に適用する場合、携帯端末のタッチスクリーン又は物理的なボタンを介して、ユーザが静止状態であることを携帯端末に教示する方法を想到し得る。しかし、上述したように、携帯端末が内蔵するジャイロセンサは、非特許文献1に記載のシステムで用いられているレーザージャイロセンサと比較して精度が低い。このため、累積誤差が大きくなりすぎる前に「ゼロ速度補正」を実行する必要がある。この場合、非特許文献1に記載のシステムと比較して、高い頻度で「ゼロ速度補正」を繰り返すことが必要となり、ユーザの利便性を損なうことになる。
また、慣性航法を含む自律航法は、本質的に測定開始位置からの相対位置を推定する手段であるため、測定開始位置をシステムに教示する必要がある。一般的に、カーナビゲーションシステムにおいては、GPS信号が受信できなくなった場合に、マップマッチングと併せて十分に精度が高いと判断できるGPSによって最後に得られた位置を初期位置としている。歩行者が持つ携帯端末においても同様な初期位置の与え方は可能であるが、トンネル通過時等の短時間の自律航法利用が想定できるカーナビゲーションシステムと異なり、歩行者はGPSによる測位が不可能な屋内空間や地下空間を長時間継続して移動することが考えられる。
このため、歩行者向けの屋内測位に自律航法を適用するためには、屋内において間欠的に参照位置を与えることができる方法を併用することが望ましい。これは従来の屋内測位で用いられているビーコン装置を適切な密度で配置することで実現可能である。
当業者であれば、測位を行う携帯端末がビーコン装置から発せられるビーコン信号を受信した場合に、その位置をあらかじめ設定されているビーコン装置の位置に位置補正することで、そこを自律航法の新たな初期位置として設定する方法を想到し得る。この方法によれば、ビーコン装置のみを用いた屋内測位と比較して、設置が必要なビーコン装置の数を大幅に削減可能であり、ビーコン装置に係るコストの低減が可能である。
また、測位を行う携帯端末のユーザがゼロ速度補正の操作を行う頻度を低減でき、ユーザの利便性を高めることもできる。
しかしながら、携帯端末に蓄積される誤差が屋内歩行者ナビゲーションの用途の許容範囲内に収まる密度で、ビーコン装置を設置するためには、床面積の大きな建物においては必要とされるビーコン装置の数も大きくなる、という問題がある。
また、測位を行う携帯端末において、ビーコン装置からのビーコン信号を受信可能な範囲の広さより精密な測位が困難になる、という問題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、歩行者自律航法のゼロ速度補正を行う際に、簡便な手法で静止状態を推定することができる歩行者自律航法装置、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の開示に係る歩行者自律航法装置は、加速度を計測する加速度センサと、角速度を計測するジャイロセンサと、前記加速度センサにより計測された加速度が閾値以下である場合に、周囲の環境に関する環境情報を取得する環境情報取得部と、前記環境情報取得部により取得された環境情報から、自装置が静止状態であるか否かを判定する判定部と、前記判定部により自装置が静止状態であると判定された場合に、前記加速度センサにより計測された加速度及び前記加速度から得られる速度が共にゼロになるように、前記加速度センサの誤差を補正し、かつ、前記ジャイロセンサにより計測された角速度がゼロになるように、前記ジャイロセンサの誤差を補正し、前記誤差の補正を行った前記加速度センサの値及び前記ジャイロセンサの値によって自律航法のゼロ速度補正を行う補正部と、を備えている。
また、第2の開示に係る歩行者自律航法装置は、第1の開示に係る歩行者自律航法装置において、前記環境情報取得部が、カメラを用いて外部空間を連続的に撮影する制御を行い、前記判定部が、前記カメラにより撮影して得られた複数の画像から、前記外部空間に含まれる特定の物体の特徴点の動きをベクトルで示すオプティカルフローを検出し、検出したオプティカルフローの大きさが閾値以下である場合に、自装置が静止状態であると判定する。
また、第3の開示に係る歩行者自律航法装置は、第2の開示に係る歩行者自律航法装置において、前記特定の物体が、床及び天井の少なくとも一方とされている。
また、第4の開示に係る歩行者自律航法装置は、第1の開示に係る歩行者自律航法装置において、前記環境情報取得部が、マイクを用いて環境音を集音する制御を行い、前記判定部が、前記マイクにより集音して得られた環境音の分析結果から、扉が開く音である開扉音が検出された場合に、自装置が静止状態であると判定する。
また、第5の開示に係る歩行者自律航法装置は、第4の開示に係る歩行者自律航法装置において、予め外部のサーバ装置から提供された地図データを用いて、前記加速度センサ及び前記ジャイロセンサにより推定される歩行者の現在位置を、前記現在位置の最も近くに位置する扉の位置に補正するマップマッチング部、を更に備えている。
また、第6の開示に係る歩行者自律航法装置は、第4又は第5の開示に係る歩行者自律航法装置において、前記扉の前に位置する床又は天井に方向性を有する目印が設けられており、前記判定部により自装置が静止状態であると判定された場合に、カメラを用いて前記目印が設けられた床又は天井を撮影する制御を行う撮影制御部と、前記カメラにより撮影して得られた前記目印の向きから、自装置の向きを推定する向き推定部と、を更に備えている。
一方、上記目的を達成するために、第7の開示に係る歩行者自律航法方法は、加速度センサが、加速度を計測し、ジャイロセンサが、角速度を計測し、環境情報取得部が、前記加速度センサにより計測された加速度が閾値以下である場合に、周囲の環境に関する環境情報を取得し、判定部が、前記環境情報取得部により取得された環境情報から、自装置が静止状態であるか否かを判定し、補正部が、前記判定部により自装置が静止状態であると判定された場合に、前記加速度センサにより計測された加速度及び前記加速度から得られる速度が共にゼロになるように、前記加速度センサの誤差を補正し、かつ、前記ジャイロセンサにより計測された角速度がゼロになるように、前記ジャイロセンサの誤差を補正し、前記誤差の補正を行った前記加速度センサの値及び前記ジャイロセンサの値によって自律航法のゼロ速度補正を行う。
更に、上記目的を達成するために、第8の開示に係るプログラムは、加速度センサにより加速度を計測し、ジャイロセンサにより角速度を計測し、計測された加速度が閾値以下である場合に、周囲の環境に関する環境情報を取得し、取得された環境情報から、自装置が静止状態であるか否かを判定し、自装置が静止状態であると判定された場合に、前記加速度センサにより計測された加速度及び前記加速度から得られる速度が共にゼロになるように、前記加速度センサの誤差を補正し、かつ、前記ジャイロセンサにより計測された角速度がゼロになるように、前記ジャイロセンサの誤差を補正し、前記誤差の補正を行った前記加速度センサの値及び前記ジャイロセンサの値によって自律航法のゼロ速度補正を行うことを、コンピュータに実行させる。
以上説明したように、本開示に係る歩行者自律航法装置、方法、及びプログラムによれば、歩行者自律航法のゼロ速度補正を行う際に、簡便な手法で静止状態を推定することができる。
具体的に、自装置が内蔵するジャイロセンサ及び加速度センサとは独立した観測手段(カメラ又はマイク)によって静止状態を推定して自律航法のゼロ速度補正を行うことが可能となる。これにより、加速度センサによる速度推定の本質的な制限である、等速運動と静止状態とを判別することができる。
また、ユーザにより自装置が静止状態であることを明示的に教示する操作の頻度を低減することが可能となり、ユーザの利便性を高めることができる。
また、自律航法と組み合わせて屋内歩行者ナビゲーションシステムを構成するビーコン装置の設置密度を低減可能となり、ビーコン装置の設置及び運用に関わるコストを削減することができる。
第1の実施形態に係る歩行者自律航法システムの構成の一例を示す図である。 第1の実施形態に係る歩行者自律航法装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る歩行者自律航法装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係るオプティカルフローの推定方法の説明に供する図である。 第1の実施形態に係る歩行者自律航法処理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る歩行者自律航法装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る歩行者自律航法処理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係る歩行者自律航法装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る歩行者自律航法装置の向きの推定方法の説明に供する図である。
以下、図面を参照して、本開示を実施するための形態の一例について詳細に説明する。
本実施形態においては、多くの汎用的な携帯端末に内蔵されているジャイロセンサ及び加速度センサを用いて自律航法による屋内歩行者ナビゲーションシステムを実現する際に課題となるゼロ速度補正を、ジャイロセンサ及び加速度センサとは独立した、多くの汎用的な携帯端末に内蔵されているカメラ又はマイクを用いた環境観測によって実現する。本実施形態においては、低コストで、かつ、歩行者にとって利便性の高い屋内歩行者ナビゲーションシステムに利用可能な歩行者自律航法装置を提供する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る歩行者自律航法システム90の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る歩行者自律航法システム90は、歩行者自律航法装置10Aと、基地局60と、サーバ装置70と、を備えている。
歩行者自律航法装置10Aには、歩行者(以下、「ユーザ」ともいう。)が携帯するスマートフォンやタブレット端末等の汎用的な携帯端末が適用される。歩行者自律航法装置10Aは、基地局60を介して、インターネット等のネットワークNに接続されている。
基地局60は、歩行者自律航法装置10Aと、任意の無線通信規格により実現される無線通信により接続されている。基地局60は、例えば、無線LAN規格におけるアクセスポイント、LTE(Long Term Evolution)におけるeNodeB等の無線通信における基地局である。
サーバ装置70には、サーバコンピュータやパーソナルコンピュータ等の汎用的なコンピュータ装置が適用される。サーバ装置70は、ネットワークNに接続されており、基地局60を介して、歩行者自律航法装置10Aに地図データ等を提供する。
図2は、第1の実施形態に係る歩行者自律航法装置10Aの電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態に係る歩行者自律航法装置10Aは、制御部12と、記憶部14と、表示部16と、操作部18と、通信部20と、を備えている。
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)12A、ROM(Read Only Memory)12B、RAM(Random Access Memory)12C、及び入出力インターフェース(I/O)12Dを備えており、これら各部がバスを介して各々接続されている。
I/O12Dには、記憶部14と、表示部16と、操作部18と、通信部20と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O12Dを介して、CPU12Aと相互に通信可能とされる。
制御部12は、歩行者自律航法装置10Aの一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、歩行者自律航法装置10Aの全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。制御部12の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御部12の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
記憶部14としては、例えば、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部14には、本実施形態に係る歩行者自律航法処理を行うための歩行者自律航法処理プログラムが記憶される。なお、この歩行者自律航法処理プログラムは、ROM12Bに記憶されていてもよい。
歩行者自律航法処理プログラムは、例えば、歩行者自律航法装置10Aに予めインストールされていてもよい。歩行者自律航法処理プログラムは、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワークNを介して配布して、歩行者自律航法装置10Aに適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
表示部16には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部16は、タッチパネルを一体的に有している。操作部18には、例えば、操作入力用の各種のボタンが設けられている。表示部16及び操作部18は、自装置のユーザから各種の操作入力を受け付ける。通信部20は、基地局60を介して、インターネット等のネットワークNに接続されており、サーバ装置70との間で通信が可能とされる。
図3は、第1の実施形態に係る歩行者自律航法装置10Aの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態に係る歩行者自律航法装置10Aは、カメラ22と、センサ群24と、地図記憶部14Aと、センサ取得部30と、環境情報取得部32と、判定部34と、補正部36と、位置推定部38と、出力部40と、を備えている。
歩行者自律航法装置10AのCPU12Aは、記憶部14に記憶されている歩行者自律航法処理プログラムをRAM12Cに書き込んで実行することにより、上記のセンサ取得部30、環境情報取得部32、判定部34、補正部36、位置推定部38、及び出力部40として機能する。なお、歩行者自律航法処理プログラムは、ユーザによる所定の操作に従って自律航法モードが設定された場合に起動するプログラムである。
カメラ22には、例えば、CCD(Charge Coupled Device)等が適用される。カメラ22は、自装置の表示面側に設けられていてもよいし、自装置の表示面側及び背面側の両方に設けられていてもよい。なお、表示面とは、上述の表示部16が設けられている側の面である。
センサ群24には、一例として、加速度センサ及びジャイロセンサが含まれる。なお、地磁気センサが含まれていてもよい。加速度センサは、加速度を計測するセンサである。加速度を積分することで速度が導出され、速度を積分することで距離が導出される。本実施形態では、一例として、検出軸が3軸である3軸加速度センサが適用される。3軸加速度センサでは、重力加速度を計測することができるため、自装置の傾きを検出することが可能とされる。
また、ジャイロセンサは、角速度を計測するセンサである。角速度は、自装置の回転の速さを表す量であり、角速度を積分することで回転した角度が導出される。ジャイロセンサには検出軸が3軸あり、X軸周りの回転(縦揺れ)を表すピッチ(Pitch)角、Y軸周りの回転(横揺れ)を表すロール(Roll)角、及び、Z軸周りの回転(偏揺れ)を表すヨー(Yaw)角がある。なお、ジャイロセンサには、比較的安価な振動式のジャイロセンサが用いられるが、光学式のレーザージャイロセンサを用いてもよい。
また、地磁気センサは、磁界強度を計測するセンサである。地磁気センサの値は、偏角・伏角を伴った北方向を示す。加速度センサからの重力加速度の推定結果と合わせて利用することで、自装置の姿勢が導出される。
地図記憶部14Aは、上述の記憶部14の一部として構成されている。地図記憶部14Aには、外部のサーバ装置70から提供された地図データが記憶されている。
センサ取得部30は、自律航法モードが設定されると、センサ群24の各センサからのセンサ情報を定期的に取得し、取得したセンサ情報を位置推定部38に送る。センサ取得部30は、加速度センサにより計測された加速度が閾値以下であるか否かを判定する。具体的に、センサ取得部30は、加速度が閾値より大きい場合、センサ情報を位置推定部38に送り、加速度が閾値以下である場合、その旨を環境情報取得部32に通知する。
位置推定部38は、センサ取得部30から得られたセンサ情報を用いて、例えば、屋内を歩行するユーザの現在の位置を推定する。具体的には、位置推定部38は、センサ情報からユーザの移動距離及び進行方向を推定し、現在の位置を過去の計測点から累積的に求める歩行者向けデッドレコニング(Dead Reckoning)と呼ばれる手法を用いて推定する。移動距離には、一例として、加速度センサの計測結果が利用され、進行方向には、一例として、ジャイロセンサの計測結果が利用される。なお、ここでいう位置とは、緯度及び経度で示される地図上の位置を表している。
出力部40は、自装置の表示面の表示部16に表示された地図に、現在の位置としてマークを付与する、位置座標を表示する等の方法により、ユーザの現在の位置を表示する。ユーザはこの表示を見ながら自律航法により目的地まで歩行する。なお、この自律航法を行う場合、ユーザは片手又は両手で歩行者自律航法装置10Aを把持するが、この際、歩行者自律航法装置10Aの表示部16を上にして略水平な状態に把持される。
環境情報取得部32は、センサ取得部30からの通知、つまり、加速度センサにより計測された加速度が閾値以下である旨の通知を受け取ると、カメラ22を用いて外部空間を連続的に撮影する制御を行う。これにより外部空間を撮影した画像が複数枚得られる。この複数枚の画像は、周囲の環境に関する環境情報の一例である。なお、ここでいう連続的とは、所定の時間間隔(例えば、1秒以上5秒以下の間隔)で撮影されることを含む。また、上述したように、歩行者自律航法装置10Aは、表示部16を上にして略水平な状態でユーザに把持されている。この場合、上記通知をトリガとして、自動的に外部空間の撮影を行ってもよいし、上記通知をトリガとして、外部空間を撮影するように促すメッセージを表示させ、ユーザの操作に従って撮影を行ってもよい。
判定部34は、カメラ22により撮影して得られた複数の画像から、外部空間に含まれる特定の物体の特徴点の動きをベクトルで示すオプティカルフローを検出する。そして、判定部34は、検出したオプティカルフローの大きさが閾値以下である場合に、自装置が静止状態であると判定する。ここでいう特定の物体とは、屋内であれば、一例として、床及び天井の少なくとも一方である。また、屋外であれば、路面等であってもよい。これらの床や天井を撮影対象とすることで、自律航法の一連の流れの中で撮影が行われるため、ユーザに負担をかけることなく、静止状態の判定が可能とされる。なお、床を撮影する場合、自装置の表示面の裏側、すなわち、自装置の背面側に設けられたカメラ22が用いられる。天井を撮影する場合、自装置の表示面側に設けられたカメラ22が用いられる。床及び天井を撮影する場合、自装置の背面側及び表示面側の各々に設けられたカメラ22が用いられる。ここで、図4を参照して、オプティカルフローの推定方法について具体的に説明する。
図4は、第1の実施形態に係るオプティカルフローの推定方法の説明に供する図である。
図4に示すように、動きベクトルV(u、v)でユーザに対して相対的に移動する物体(ここでは床)を連続的に撮影した場合を想定する。画像Aでは、時刻tで輝度A(x、y)の特徴点P1が、画像Bでは、時刻t+dtで輝度B(x+u、y+v)の点に移動したとする。これらの画像A、Bに対して次のように仮定する。
(a)画素が移動しても画素値は不変である。
(b)画像は微分可能な程度に滑らかである。
(c)画素の移動量は小さい(1画素以下)とする。
つまり、画像Aにおける座標(x、y)の輝度値(画素値)をA(x、y)とし、画像Bにおける座標(x+u、y+v)の輝度値をB(x+u、y+v)とした場合、仮定(a)から、以下に示す式(1)が成立する。
B(x+u、y+v)=A(x、y) (1)
また、仮定(b)、(c)から、B(x+u、y+v)を一次項までテイラー展開すると、以下に示す式(2)が得られる。
B(x+u、y+v)=B(x、y)+(∂B/∂x)u+(∂B/∂y)v (2)
式(2)を式(1)に代入すると、以下に示す式(3)が得られる。
(∂B/∂x)u+(∂B/∂y)v=−(B(x、y)−A(x、y))
(∂B/∂x)u+(∂B/∂y)v=−ΔB
u+Bv=−ΔB (3)
上記式(3)は、オプティカルフローの拘束方程式と呼ばれる式である。
但し、上記式(3)を解いても、(u、v)の解が複数になってしまう。このため、複数の解の候補の中から、最も正解に近い解(u、v)を推定する。このオプティカルフローの推定方法には、多くの公知技術が存在するが、一例として、「Lucas−Kanade法」や、「Horn−Schunk法」等を用いて推定すればよい。これにより、オプティカルフローが推定され、一意の解(u、v)が得られる。すなわち、オプティカルフローの大きさが導出される。このオプティカルフローの大きさが閾値以下であるということは、自装置が移動していない、つまり、自装置が静止状態であると判定することができる。
補正部36は、判定部34により自装置が静止状態であると判定された場合に、加速度センサにより計測された加速度及び加速度から得られる速度が共にゼロになるように、加速度センサの誤差を補正し、かつ、ジャイロセンサにより計測された角速度がゼロになるように、ジャイロセンサの誤差を補正し、誤差の補正を行った加速度センサの値及びジャイロセンサの値によって自律航法のゼロ速度補正を行う。ここでいう「ゼロ」とは、完全なゼロのみを意味するものではなく、予め許容される誤差を含んでいてもよい。なお、自律航法におけるゼロ速度補正では、ジャイロセンサについても、時間が経過するにつれて、所謂ドリフト誤差が蓄積されるため、加速度センサと共に補正される。
次に、図5を参照して、第1の実施形態に係る歩行者自律航法装置10Aの作用を説明する。
図5は、第1の実施形態に係る歩行者自律航法処理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。歩行者自律航法処理プログラムによる処理は、歩行者自律航法装置10AのCPU12Aが、記憶部14に記憶されている歩行者自律航法処理プログラムをRAM12Cに書き込んで実行することにより、実現される。
まず、歩行者自律航法装置10Aに対して、ユーザによる所定の操作に従って、自律航法モードが設定されると、歩行者自律航法処理プログラムが起動され、以下に示す各ステップが実行される。
図5のステップ100では、CPU12Aが、センサ取得部30として、センサ群24の加速度センサ及びジャイロセンサの各々からセンサ情報を取得する。
ステップ102では、CPU12Aが、センサ取得部30として、ステップ100で取得したセンサ情報に基づいて、加速度が閾値以下であるか否かを判定する。CPU12Aは、加速度が閾値以下であると判定した場合(肯定判定の場合)、その旨を環境情報取得部32に通知し、ステップ104に移行する。一方、CPU12Aは、加速度が閾値よりも大きいと判定した場合(否定判定の場合)、センサ情報を位置推定部38に送り、ステップ112に移行する。
ステップ104では、CPU12Aが、環境情報取得部32として、センサ取得部30からの通知を受けて、カメラ22を用いて外部空間を連続的に撮影する制御を行う。
ステップ106では、CPU12Aが、判定部34として、ステップ104で撮影して得られた複数の画像から、外部空間に含まれる特定の物体(例えば、床、天井等。)の特徴点の動きをベクトルで示すオプティカルフローを検出する。
ステップ108では、CPU12Aが、判定部34として、ステップ106で検出したオプティカルフローの大きさと閾値とを比較した結果に基づいて、自装置が静止状態であるか否かを判定する。具体的には、CPU12Aは、オプティカルフローの大きさが閾値以下である場合に、自装置が静止状態であると判定し、オプティカルフローの大きさが閾値より大きい場合に、自装置が静止状態ではないと判定する。CPU12Aは、自装置が静止状態であると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ110に移行し、自装置が静止状態ではないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップ100に戻り処理を繰り返す。
ステップ110では、CPU12Aが、補正部36として、加速度センサで計測された加速度及び加速度から得られる速度が共にゼロになるように、加速度センサの誤差を補正し、かつ、ジャイロセンサにより計測された角速度がゼロになるように、ジャイロセンサの誤差を補正し、誤差の補正を行った加速度センサの値及びジャイロセンサの値によって自律航法のゼロ速度補正を行い、ステップ114に移行する。
一方、ステップ112では、CPU12Aが、位置推定部38として、センサ取得部30から得られたセンサ情報を用いて、ユーザの現在の位置を推定し、ステップ114に移行する。具体的に、CPU12Aは、上述したように、得られたセンサ情報からユーザの移動距離及び進行方向を推定し、現在の位置を過去の計測点から累積的に求める歩行者向けデッドレコニングと呼ばれる手法を用いて推定する。
ステップ114では、CPU12Aが、センサ取得部30として、自律航法モードが解除され、測位の終了が指示されたか否かを判定する。CPU12Aは、測位の終了が指示されていないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップ100に戻り処理を繰り返し、測位の終了が指示されたと判定した場合(肯定判定の場合)、本歩行者自律航法処理プログラムによる一連の処理を終了する。
このように本実施形態によれば、多くの汎用的な携帯端末に内蔵されているジャイロセンサ及び加速度センサを用いて自律航法を行う際に、課題となるゼロ速度補正を、ジャイロセンサ及び加速度センサとは独立した、多くの汎用的な携帯端末に内蔵されているカメラを用いた環境観測によって簡便に実現することができる。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、カメラを用いた環境観測によってゼロ速度補正を行う形態について説明した。本実施形態では、マイクを用いた環境観測によってゼロ速度補正を行う形態について説明する。
図6は、第2の実施形態に係る歩行者自律航法装置10Bの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図6に示すように、本実施形態に係る歩行者自律航法装置10Bは、センサ群24と、地図記憶部14Aと、開扉音記憶部14Bと、マイク26と、センサ取得部30と、環境情報取得部42と、判定部44と、補正部46と、位置推定部38と、出力部40と、を備えている。
歩行者自律航法装置10BのCPU12Aは、記憶部14に記憶されている歩行者自律航法処理プログラムをRAM12Cに書き込んで実行することにより、上記のセンサ取得部30、環境情報取得部42、判定部44、補正部46、位置推定部38、及び出力部40として機能する。なお、第1の実施形態で示した歩行者自律航法装置10Aと同一の機能を有する構成要素には、同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
マイク26は、自装置に内蔵されているマイクロフォンであり、環境音を集音し、集音した環境音を電気信号に変換する。
開扉音記憶部14Bは、上述の記憶部14の一部として構成されている。開扉音記憶部14Bには、外部のサーバ装置70から提供された各種の開扉音の周波数分布データが予め記憶されている。ここでいう開扉音とは、扉が開く音を意味する。なお、扉とは、自動開閉式の扉でもよいし、手動開閉式の扉でもよい。
環境情報取得部42は、センサ取得部30からの通知、つまり、加速度センサにより計測された加速度が閾値以下である旨の通知を受け取ると、マイク26を用いて環境音を集音する制御を行う。これにより集音された環境音は、周囲の環境に関する環境情報の一例である。この場合、上記通知をトリガとして、自動的に環境音の集音を行ってもよいし、上記通知をトリガとして、環境音を集音するように促すメッセージを表示させ、ユーザの操作に従って集音を行ってもよい。
判定部44は、マイク26により集音して得られた環境音の分析を行う。具体的に、環境音の中には周波数の異なる複数の音が含まれているため、これら複数の音の各々についての周波数分布データを取得する。そして、取得した各音の周波数分布データについて、開扉音記憶部14Bに予め記憶されている開扉音の周波数分布データと一致又は類似するかの分析を行う。そして、判定部44は、環境音の分析結果から開扉音が検出された場合に、ユーザが扉の前で扉が開くのを待っている状態、つまり、自装置が静止状態であると判定する。
補正部46は、判定部44により自装置が静止状態であると判定された場合に、加速度センサにより計測された加速度及び加速度から得られる速度が共にゼロになるように、加速度センサの誤差を補正し、かつ、ジャイロセンサにより計測された角速度がゼロになるように、ジャイロセンサの誤差を補正し、誤差の補正を行った加速度センサの値及びジャイロセンサの値によって自律航法のゼロ速度補正を行う。
次に、図7を参照して、第2の実施形態に係る歩行者自律航法装置10Bの作用を説明する。
図7は、第2の実施形態に係る歩行者自律航法処理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。歩行者自律航法処理プログラムによる処理は、歩行者自律航法装置10BのCPU12Aが、記憶部14に記憶されている歩行者自律航法処理プログラムをRAM12Cに書き込んで実行することにより、実現される。
まず、歩行者自律航法装置10Bに対して、ユーザによる所定の操作に従って、自律航法モードが設定されると、歩行者自律航法処理プログラムが起動され、以下に示す各ステップが実行される。
図7のステップ120では、CPU12Aが、センサ取得部30として、センサ群24の加速度センサ及びジャイロセンサの各々からセンサ情報を取得する。
ステップ122では、CPU12Aが、センサ取得部30として、ステップ120で取得したセンサ情報に基づいて、加速度が閾値以下であるか否かを判定する。CPU12Aは、加速度が閾値以下であると判定した場合(肯定判定の場合)、その旨を環境情報取得部42に通知し、ステップ124に移行する。一方、CPU12Aは、加速度が閾値よりも大きいと判定した場合(否定判定の場合)、センサ情報を位置推定部38に送り、ステップ132に移行する。
ステップ124では、CPU12Aが、環境情報取得部42として、センサ取得部30からの通知を受けて、マイク26を用いて環境音を集音する制御を行う。
ステップ126では、CPU12Aが、判定部44として、ステップ124で集音して得られた環境音を分析する。具体的に、CPU12Aは、環境音に含まれる各音の周波数分布データについて、開扉音記憶部14Bに予め記憶されている開扉音の周波数分布データと一致又は類似するかの分析を行う。
ステップ128では、CPU12Aが、判定部44として、ステップ126での環境音の分析結果に基づいて、自装置が静止状態であるか否かを判定する。具体的には、CPU12Aは、分析結果から開扉音が検出された場合に、自装置が静止状態であると判定し、分析結果から開扉音が検出されない場合に、自装置が静止状態ではないと判定する。CPU12Aは、自装置が静止状態であると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ130に移行し、自装置が静止状態ではないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップ120に戻り処理を繰り返す。
ステップ130では、CPU12Aが、補正部46として、加速度センサで計測された加速度及び加速度から得られる速度が共にゼロになるように、加速度センサの誤差を補正し、かつ、ジャイロセンサにより計測された角速度がゼロになるように、ジャイロセンサの誤差を補正し、誤差の補正を行った加速度センサの値及びジャイロセンサの値によって自律航法のゼロ速度補正を行い、ステップ134に移行する。
一方、ステップ132では、CPU12Aが、位置推定部38として、センサ取得部30から得られたセンサ情報を用いて、ユーザの現在位置を推定し、ステップ134に移行する。具体的に、CPU12Aは、上述したように、得られたセンサ情報からユーザの移動距離及び進行方向を推定し、現在の位置を過去の計測点から累積的に求める歩行者向けデッドレコニングと呼ばれる手法を用いて推定する。
ステップ134では、CPU12Aが、センサ取得部30として、自律航法モードが解除され、測位の終了が指示されたか否かを判定する。CPU12Aは、測位の終了が指示されていないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップ120に戻り処理を繰り返し、測位の終了が指示されたと判定した場合(肯定判定の場合)、本歩行者自律航法処理プログラムによる一連の処理を終了する。
このように本実施形態によれば、多くの汎用的な携帯端末に内蔵されているジャイロセンサ及び加速度センサを用いて自律航法を行う際に、課題となるゼロ速度補正を、ジャイロセンサ及び加速度センサとは独立した、多くの汎用的な携帯端末に内蔵されているマイクを用いた環境観測によって簡便に実現することができる。
[第3の実施形態]
上記第2の実施形態では、マイクを用いた環境観測によってゼロ速度補正を行う形態について説明した。本実施形態では、更に、マップマッチング技術を用いて、ユーザの現在位置を補正する形態について説明する。
図8は、第3の実施形態に係る歩行者自律航法装置10Cの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図8に示すように、本実施形態に係る歩行者自律航法装置10Cは、カメラ22と、センサ群24と、地図記憶部14Aと、開扉音記憶部14Bと、マイク26と、センサ取得部30と、環境情報取得部42と、判定部44と、補正部46と、位置推定部38と、出力部40と、マップマッチング部48と、撮影制御部50と、向き推定部52と、を備えている。
歩行者自律航法装置10CのCPU12Aは、記憶部14に記憶されている歩行者自律航法処理プログラムをRAM12Cに書き込んで実行することにより、上記のセンサ取得部30、環境情報取得部42、判定部44、補正部46、位置推定部38、出力部40、マップマッチング部48、撮影制御部50、及び向き推定部52として機能する。なお、第2の実施形態で示した歩行者自律航法装置10Bと同一の機能を有する構成要素には、同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
マップマッチング部48は、地図記憶部14Aに記憶されている地図データを用いて、センサ群24の加速度センサ及びジャイロセンサにより推定されるユーザの現在位置を、現在位置の最も近くに位置する扉の位置に補正する。自律航法を行う場合、センサ群24から得たセンサ情報に基づいて現在位置を推定するため、この現在位置には多少の誤差が含まれており、実際の位置とはズレが生じている場合がある。このため、地図データを用いて、このズレを最適と考えられる場所に補正する。ここでは、ユーザの現在位置の最も近くに位置する扉の位置が最適と考えられるため、当該扉の位置に補正する。
次に、図9を参照して、歩行者自律航法装置10Cの向きを推定する方法について説明する。
図9は、第3の実施形態に係る歩行者自律航法装置10Cの向きの推定方法の説明に供する図である。図9の上図には、扉Dの前の床に設けられた目印Mを示し、図9の下図には、目印Mを撮影した画像を示す。
図9の上図に示す目印Mは、方向性を有するマークであり、一例として、矢印である。この矢印の向きが世界座標系での北を表している。つまり、目印Mの向きには、世界座標系での方位が予め対応付けられている。この例では、目印Mの矢印の向きは、扉Dの開方向に沿っている。従って、ユーザから見て、右側が北、左側が南、前側が西、後側が東となる。
撮影制御部50は、判定部44により自装置が静止状態であると判定された場合に、カメラ22を用いて目印Mが設けられた床を撮影する制御を行う。ここで、歩行者自律航法装置10Cは、表示部16を上にして略水平な状態でユーザに把持されている。このとき、ユーザは扉Dに正対する位置にいることが望ましい。この場合、上記判定をトリガとして、自動的に目印Mの撮影を行ってもよいし、上記判定をトリガとして、目印Mを撮影するように促すメッセージを表示させ、ユーザの操作に従って撮影を行ってもよい。
向き推定部52は、カメラ22により撮影して得られた目印Mの向きから、自装置の向きを推定する。具体的に、図9の下図に示す画像では、目印Mの矢印が右横を向いている。つまり、ユーザから見て右横が北であり、このユーザは西に向けて歩いていると推定される。つまり、自装置の向きは西向きと推定される。そして、向き推定部52は、推定した自装置の向きを位置推定部38に送る。
なお、上記では、目印Mを床に設けた場合について示したが、目印Mを天井に設けるようにしてもよいし、床及び天井の両方に設けるようにしてもよい。
このように本実施形態によれば、マップマッチングを併用することで、ユーザの現在位置が扉の位置に補正される。このため、ユーザの現在位置を精度良く推定することができる。また、扉の前の床又は天井に設けられた方向性を有する目印を撮影することによって自装置の向きが推定される。このため、ジャイロセンサのドリフト誤差の影響が大きい場合や鉄筋コンクリート等の金属を多く含むため地磁気の狂いが大きい環境であっても、自装置の向きを精度良く推定することができる。
以上、実施形態として歩行者自律航法装置を例示して説明した。実施形態は、コンピュータを、歩行者自律航法装置が備える各部として機能させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、このプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な非一時的(non-transitory)記憶媒体の形態としてもよい。
その他、上記実施形態で説明した歩行者自律航法装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
10A、10B、10C 歩行者自律航法装置
12 制御部
12A CPU
12B ROM
12C RAM
12D I/O
14 記憶部
14A 地図記憶部
14B 開扉音記憶部
16 表示部
18 操作部
20 通信部
22 カメラ
24 センサ群
26 マイク
30 センサ取得部
32、42 環境情報取得部
34、44 判定部
36、46 補正部
38 位置推定部
40 出力部
48 マップマッチング部
50 撮影制御部
52 向き推定部
60 基地局
70 サーバ装置
90 歩行者自律航法システム

Claims (8)

  1. 加速度を計測する加速度センサと、
    角速度を計測するジャイロセンサと、
    前記加速度センサにより計測された加速度が閾値以下である場合に、周囲の環境に関する環境情報を取得する環境情報取得部と、
    前記環境情報取得部により取得された環境情報から、自装置が静止状態であるか否かを判定する判定部と、
    前記判定部により自装置が静止状態であると判定された場合に、前記加速度センサにより計測された加速度及び前記加速度から得られる速度が共にゼロになるように、前記加速度センサの誤差を補正し、かつ、前記ジャイロセンサにより計測された角速度がゼロになるように、前記ジャイロセンサの誤差を補正し、前記誤差の補正を行った前記加速度センサの値及び前記ジャイロセンサの値によって自律航法のゼロ速度補正を行う補正部と、
    を備えた歩行者自律航法装置。
  2. 前記環境情報取得部は、カメラを用いて外部空間を連続的に撮影する制御を行い、
    前記判定部は、前記カメラにより撮影して得られた複数の画像から、前記外部空間に含まれる特定の物体の特徴点の動きをベクトルで示すオプティカルフローを検出し、検出したオプティカルフローの大きさが閾値以下である場合に、自装置が静止状態であると判定する請求項1に記載の歩行者自律航法装置。
  3. 前記特定の物体は、床及び天井の少なくとも一方である請求項2に記載の歩行者自律航法装置。
  4. 前記環境情報取得部は、マイクを用いて環境音を集音する制御を行い、
    前記判定部は、前記マイクにより集音して得られた環境音の分析結果から、扉が開く音である開扉音が検出された場合に、自装置が静止状態であると判定する請求項1に記載の歩行者自律航法装置。
  5. 予め外部のサーバ装置から提供された地図データを用いて、前記加速度センサ及び前記ジャイロセンサにより推定される歩行者の現在位置を、前記現在位置の最も近くに位置する扉の位置に補正するマップマッチング部、
    を更に備えた請求項4に記載の歩行者自律航法装置。
  6. 前記扉の前に位置する床又は天井に方向性を有する目印が設けられており、
    前記判定部により自装置が静止状態であると判定された場合に、カメラを用いて前記目印が設けられた床又は天井を撮影する制御を行う撮影制御部と、
    前記カメラにより撮影して得られた前記目印の向きから、自装置の向きを推定する向き推定部と、
    を更に備えた請求項4又は5に記載の歩行者自律航法装置。
  7. 加速度センサが、加速度を計測し、
    ジャイロセンサが、角速度を計測し、
    環境情報取得部が、前記加速度センサにより計測された加速度が閾値以下である場合に、周囲の環境に関する環境情報を取得し、
    判定部が、前記環境情報取得部により取得された環境情報から、自装置が静止状態であるか否かを判定し、
    補正部が、前記判定部により自装置が静止状態であると判定された場合に、前記加速度センサにより計測された加速度及び前記加速度から得られる速度が共にゼロになるように、前記加速度センサの誤差を補正し、かつ、前記ジャイロセンサにより計測された角速度がゼロになるように、前記ジャイロセンサの誤差を補正し、前記誤差の補正を行った前記加速度センサの値及び前記ジャイロセンサの値によって自律航法のゼロ速度補正を行う、
    歩行者自律航法方法。
  8. 加速度センサにより加速度を計測し、
    ジャイロセンサにより角速度を計測し、
    計測された加速度が閾値以下である場合に、周囲の環境に関する環境情報を取得し、
    取得された環境情報から、自装置が静止状態であるか否かを判定し、
    自装置が静止状態であると判定された場合に、前記加速度センサにより計測された加速度及び前記加速度から得られる速度が共にゼロになるように、前記加速度センサの誤差を補正し、かつ、前記ジャイロセンサにより計測された角速度がゼロになるように、前記ジャイロセンサの誤差を補正し、前記誤差の補正を行った前記加速度センサの値及び前記ジャイロセンサの値によって自律航法のゼロ速度補正を行うことを、コンピュータに実行させるためのプログラム。
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