JP2020183194A - 四輪駆動車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】二輪駆動状態で走行しているときの四輪駆動車両の振動を好適に抑制することができる四輪駆動車両の制御装置を提供する。【解決手段】前輪側動力伝達経路16の捻じり共振振動の一次周波数frXに応じた波形で前輪車軸26L、26Rに伝達されるトルクTfdsの一部を後輪車軸34L、34Rに伝達することによって、前輪側動力伝達経路16の前輪車軸26L、26Rに伝達されるトルクTfdsのトルク変動THの一部が電子制御カップリング28を介して後輪車軸34L、34Rに伝達される。これにより、車両の駆動力を低下させることなく、前輪側動力伝達経路16の前輪車軸26L、26Rに伝達されるトルクTfdsのトルク変動THが好適に抑制されるので、車両の応答性を損なうことなく、二輪駆動状態で走行しているときの四輪駆動車両10の振動を好適に抑制することができる。【選択図】図9
Description
本発明は、駆動力源から主駆動輪へ出力される出力トルクの一部を補助駆動輪へ伝達するトルク配分制御装置を備える四輪駆動車両に関し、二輪駆動状態で走行しているときの四輪駆動車両の振動を好適に抑制することができる技術に関する。
(a)駆動力源から出力される出力トルクを主駆動輪へ伝達する動力伝達経路と、(b)前記出力トルクの一部を補助駆動輪へ伝達するトルク配分制御装置と、を備え、(c)前記トルク配分制御装置により二輪駆動状態から四輪駆動状態へ切り替えられる四輪駆動車両が知られている。例えば、特許文献1に示す四輪駆動車両がそれである。なお、特許文献1の四輪駆動車両は、前記動力伝達経路に設けられた前輪用デファレンシャル装置のデフケースに動力伝達可能に連結されたトランスファと、前記トランスファに動力伝達可能に連結されたプロペラシャフトと、前記補助駆動輪に動力伝達可能に連結された後輪用デファレンシャル装置と、を備えており、前記トルク配分制御装置である電子制御カップリングは、前記プロペラシャフトと前記後輪用デファレンシャル装置との間の配置されている。特許文献1の四輪駆動車両では、駆動力源であるエンジンから出力される出力トルクによる変動トルクの周波数が前記動力伝達経路の共振周波数に一致すると、前記動力伝達経路で捻じり振動が増大して、前記トランスファに設けられた一対の傘歯ギヤで歯打ち音(異音)が発生してしまうが、前記電子制御カップリングを係合させて前記補助駆動輪に前記エンジンの出力トルクの一部を伝達することによって、前記歯打ち音の発生を抑制している。
ところで、前記動力伝達経路で捻じり振動が増大すると、サスペンション変動を励起して車両振動が発生することがあるが、特許文献1の四輪駆動車両では、前記動力伝達経路で捻じり振動が増大したときに前記トランスファで発生する歯打ち音に対して対策しているに過ぎず、二輪駆動状態で走行しているときの四輪駆動車両の振動を抑制する点で改善の余地があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、二輪駆動状態で走行しているときの四輪駆動車両の振動を好適に抑制することができる四輪駆動車両の制御装置を提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、(a)駆動力源から出力される出力トルクを主駆動輪へ伝達する動力伝達経路と、前記出力トルクの一部を補助駆動輪へ伝達するトルク配分制御装置と、を備え、前記トルク配分制御装置により二輪駆動状態から四輪駆動状態へ切り替えられる四輪駆動車両の、制御装置であって、(b)前記二輪駆動状態で走行しているときにおいて、前記動力伝達経路に伝達される前記出力トルクの変動が所定値より大きくなると推定される場合には、前記トルク配分制御装置により、前記動力伝達経路の捻じり共振振動の一次周波数に応じた波形で前記出力トルクの一部を前記補助駆動輪に伝達することにある。
第1発明によれば、前記二輪駆動状態で走行しているときにおいて、前記動力伝達経路に伝達される前記出力トルクの変動が所定値より大きくなると推定される場合には、前記トルク配分制御装置により、前記動力伝達経路の捻じり共振振動の一次周波数に応じた波形で前記出力トルクの一部を前記補助駆動輪に伝達する。このため、前記動力伝達経路の捻じり共振振動の一次周波数に応じた波形で前記出力トルクの一部を前記補助駆動輪に伝達することによって、前記動力伝達経路に伝達される前記出力トルクの変動の一部が前記トルク配分制御装置を介して前記補助駆動輪に伝達される。これにより、車両の駆動力を低下させることなく、前記動力伝達経路に伝達される前記出力トルクの変動が好適に抑制されるので、車両の応答性を損なうことなく、二輪駆動状態で走行しているときの四輪駆動車両の振動を好適に抑制することができる。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用された四輪駆動車両10の構成を概略的に説明する骨子図である。図1において、四輪駆動車両10は、エンジン12を駆動力源とし、エンジン12から出力される出力トルクを主駆動輪に対応する左右一対の前輪14L、14Rに伝達する前輪側動力伝達経路(動力伝達経路)16と、四輪駆動状態においてエンジン12から出力される出力トルクの一部を補助駆動輪に対応する左右一対の後輪18L、18Rに伝達する後輪側動力伝達経路20と、を備えているFFベースの四輪駆動装置を有している。
四輪駆動車両10が二輪駆動状態のときには、図1に示すように、エンジン12から自動変速機22を介して伝達された出力トルクが、前輪用デファレンシャル装置24および前輪車軸26L、26R等を通して左右一対の前輪14L、14Rへ伝達される。この二輪駆動状態のときには、電子制御カップリング(トルク配分制御装置)28が解放され、後輪用デファレンシャル装置30および左右一対の後輪18L、18R等へは、エンジン12から出力される出力トルクが伝達されない。しかし、四輪駆動車両10が四輪駆動状態のときには、電子制御カップリング28が係合されて、後輪用デファレンシャル装置30および左右一対の後輪18L、18R等へエンジン12から出力された出力トルクの一部が伝達される。すなわち、四輪駆動車両10では、電子制御カップリング28により二輪駆動状態から四輪駆動状態へまたは四輪駆動状態から二輪駆動状態へ切り替えられる。
図1に示すように、前輪側動力伝達経路16は、エンジン12に動力伝達可能に連結された自動変速機22と、自動変速機22に動力伝達可能に連結された前輪用デファレンシャル装置24と、前輪用デファレンシャル装置24のサイドギヤ24aに動力伝達可能に連結された前輪車軸26L、26R等と、を備えている。また、後輪側動力伝達経路20は、前輪用デファレンシャル装置24のデフケース24bに動力伝達可能に連結されたプロペラシャフト32と、電子制御カップリング28を介してプロペラシャフト32に動力伝達可能に連結された後輪用デファレンシャル装置30と、後輪用デファレンシャル装置30のサイドギヤ30aに動力伝達可能に連結された後輪車軸34L、34R等と、を備えている。
自動変速機22は、図示しない複数の係合装置のうちの何れかの係合装置である例えば所定の係合装置の係合によって、変速比(ギヤ比ともいう)γat(=AT入力回転速度Ni/出力回転速度No)がそれぞれ異なる複数のギヤ段(本実施例では前進8速のギヤ段)Xのうちの何れか1つのギヤ段Xが形成される有段変速機である。
電子制御カップリング28は、図1に示すように、クラッチドラム36と、クラッチハブ38と、電磁アクチュエータ40と、多板クラッチ42と、を備えている。なお、クラッチドラム36は、プロペラシャフト32に動力伝達可能に連結されている。また、クラッチハブ38は、後輪用デファレンシャル装置30のデフリングギヤ30bに動力伝達可能に連結されている。また、電磁アクチュエータ40は、電磁コイル44およびボールカム46等を有しており、電磁アクチュエータ40は、後述する電子制御装置(制御装置)100によって電気的に制御させられる。また、多板クラッチ42は、電磁アクチュエータ40によってクラッチドラム36からクラッチハブ38に伝達される伝達トルクTdn[Nm]を調整する。なお、多板クラッチ42には、クラッチドラム36に対してプロペラシャフト32の回転軸線Cまわりの相対回転が不能且つクラッチドラム36に対して回転軸線C方向の相対移動が可能に連結された複数の板状の第1摩擦板42aと、クラッチハブ38に対して回転軸線Cまわりの相対回転が不能且つクラッチハブ38に対して回転軸線C方向の相対移動が可能に連結された複数の板状の第2摩擦板42bと、が備えられている。
このように構成された電子制御カップリング28では、電子制御装置100から電磁コイル44に供給される指令電流I[A]により制御される電磁アクチュエータ40によって、多板クラッチ42の第1摩擦板42aと第2摩擦板42bとの係合トルクが増加させられ、クラッチドラム36からクラッチハブ38に伝達する伝達トルクTdn[Nm]、すなわち後輪18L、18Rに伝達する伝達トルクTdn[Nm]が増加されるようになっている。
図1に示すように、電子制御装置100は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより四輪駆動車両10の各種制御を実行する。電子制御装置100は、四輪駆動車両10に設けられた各センサにより検出された各種入力信号が供給されるようになっている。例えば、車速センサ102から検出される車速V[km/h]と、アクセル開度センサ104から検出されるアクセル開度θacc[%]と、温度センサ106から検出される電子制御カップリング28の温度Tem[℃]等と、が電子制御装置100に入力される。
また、電子制御装置100から、四輪駆動車両10に設けられた各装置に各種出力信号が供給されるようになっている。例えば、電子制御カップリング28の電磁コイル44に供給される指令電流I[A]等が電子制御装置100から各部へ供給される。
図1に示すように、電子制御装置100には、加速ショック走行推定部110と、カップリング制御部112と、が備えられている。なお、カップリング制御部112には、電流指令値演算部112aと、電流供給開始判定部112bと、が備えられている。
加速ショック走行推定部110は、二輪駆動状態でエンジントルクTe[Nm]が例えば図8の一点鎖線に示すように急に立ち上がり前輪側動力伝達経路16の一部である前輪車軸26L、26Rに伝達されるトルクTfds(出力トルク)[Nm]のトルク変動(変動)TH[Nm]が予め設定された所定値TH1[Nm]より大きくなる走行となるか否かを推定する。すなわち、加速ショック走行推定部110は、二輪駆動状態でエンジントルクTe[Nm]が例えば図8の一点鎖線に示すように急に立ち上がり予め設定されたショックレベルより大きい加速ショックが発生する加速ショック走行となるか否かを推定する。なお、本実施例では、前輪車軸26L、26Rに伝達されるトルク変動TH[Nm]を前記加速ショックの指標とする。また、所定値TH1[Nm]は、前記加速ショック走行となるか否かを判定するトルク変動判定値である。
例えば、加速ショック走行推定部110は、予め記憶された図2および図3に示す加速ショック走行推定マップを用いて、車速センサ102から検出される車速V[km/h]とアクセル開度センサ104から検出されるアクセル開度θacc[%]とから、前記加速ショック走行となるか否かを推定する。つまり、加速ショック走行推定部110は、車速センサ102から検出される車速V[km/h]とアクセル開度センサ104から検出されるアクセル開度θacc[%]とが前記加速ショック走行推定マップに示されたNG領域Sngにあると前記加速ショック走行となると推定する。また、加速ショック走行推定部110は、車速センサ102から検出される車速V[km/h]とアクセル開度センサ104から検出されるアクセル開度θacc[%]とが前記加速ショック走行推定マップに示されたOK領域Sokにあると前記加速ショック走行とならないと推定する。なお、前記加速ショック走行推定マップでは、図2および図3に示すように、NG領域SngとOK領域Sokとが、境界線Lを堺にして分けられている。また、加速ショック走行推定部110では、自動変速機22である有段変速機で形成されるギヤ段X毎にそれぞれ異なる前記加速ショック走行推定マップが記憶されており、二輪駆動状態で走行しているときに自動変速機22で選択されているギヤ段Xに基づいて前記加速ショック走行推定マップが選択されるようになっている。例えば、自動変速機22で第1速ギヤ段1stが選択されている場合には図2に示す加速ショック走行推定マップが選択され、自動変速機22で第2速ギヤ段2ndが選択されている場合には図3に示す加速ショック走行推定マップが選択されるようになっている。
カップリング制御部112は、電子制御カップリング28の電磁コイル44に供給される指令電流I[A]を制御する。また、電流指令値演算部112aは、電磁コイル44に供給される指令電流I[A]の電流指令値Is[A]を演算する。
電流指令値演算部112aは、加速ショック走行推定部110で前記加速ショック走行となると推定されると、加速ショック走行推定部110で前記加速ショック走行となると推定されたときのアクセル開度センサ104から検出されたアクセル開度θacc1[%]と、加速ショック走行推定部110で前記加速ショック走行となると推定されたときの自動変速機22で選択されたギヤ段X1と、によって、後輪18L、18Rに伝達する伝達トルクTdn[Nm]を演算する。また、電流指令値演算部112aでは、伝達トルクTdn[Nm]が演算されると、その演算された伝達トルクTdn[Nm]から図4に示す電流指令値変換マップを用いて電流指令値Is[A]を演算する。なお、前記電流指令値変換マップには、電子制御カップリング28の温度Tem[℃]毎に設けられた複数本の電流指令値変換曲線L1、L2、L3等が記憶されており、加速ショック走行推定部110で前記加速ショック走行となると推定されたときの温度センサ106から検出された電子制御カップリング28の温度Tem[℃]によって、複数本の電流指令値変換曲線L1、L2、L3のいずれか1つが選択されるようになっている。前記電流指令値変換曲線が選択されることによって、電流指令値演算部112aで伝達トルクTdn[Nm]が演算されると、その電流指令値変換曲線を用いて電流指令値Is[A]が演算されるようになっている。なお、前記電流指令値変換マップでは、図5に示すように3本の電流指令値変換曲線L1、L2、L3しか記憶されていないが、実際には複数本の電流指令値変換曲線が記憶されている。
例えば、電流指令値演算部112aは、アクセル開度センサ104から検出されたアクセル開度θacc1[%]と自動変速機22で選択されたギヤ段X1とによって、図8の破線で示す正弦波Wで示される後輪18L、18Rへの伝達トルクTdn[Nm]を演算する。電流指令値演算部112aでは、図8に示すように、アクセル開度センサ104から検出されたアクセル開度θacc1[%]に基づいて正弦波Wの振幅Aが設定され、自動変速機22で選択されたギヤ段X1に基づいて正弦波Wの周期Tw[sec]が設定されるようになっている。なお、前記加速ショック走行では、急に立ち上るエンジントルクTeが前輪側動力伝達経路16を励振することによって、前輪車軸26L、26Rでトルク変動を励起するようになっている。このため、自動変速機22で選択されるギヤ段X1が決まり前輪側動力伝達経路16の捻じり共振振動の一次(基本)周波数frX[Hz]が決まると、前記加速ショック走行中に前輪車軸26L、26Rで変動するトルクTfds[Nm]の周期T[sec](図9の実線参照)が決まる。これにより、自動変速機22で選択されたギヤ段X1から、前輪車軸26L、26Rで変動するトルクTfdsのトルク変動THが好適に小さくするための正弦波Wの周期Tw[sec]を設定する。例えば、正弦波Wの周期Tw[sec]が、図5の捻じり共振振動の一次周波数frX[Hz]の周期、すなわち前輪車軸26L、26Rで変動するトルクTfdsの周期T[sec]と同じ程度になるように設定される。また、正弦波Wの周期Tw[sec]は、必ずしも、周期T[sec]と同じ程度に設定する必要はなく、例えば、正弦波Wの周期Twは、1/2周期T[sec]や1/4周期T[sec]等に適宜設定しても良い。すなわち、正弦波Wは、捻じり共振振動の一次周波数frX[Hz]の周期に応じた周期Tw[sec]に設定される。なお、電流指令値演算部112aには、自動変速機22で選択されたギヤ段X毎の前輪側動力伝達経路16の捻じり共振振動の一次周波数fr1〜fr8(図6参照)が記憶されており、電流指令値演算部112aでは、加速ショック走行推定部110で前記加速ショック走行となると推定されたときの自動変速機22で選択されているギヤ段X1に対応する捻じり共振振動の一次周波数frXが選択されるようになっている。また、前輪側動力伝達経路16の捻じり共振振動の一次周波数frXは、前輪側動力伝達経路16での軸回転方向の捻じり共振振動の振幅が最初に大きくなったときの周波数である。
電流供給開始判定部112bは、加速ショック走行推定部110で前記加速ショック走行となると推定され、且つ、電流指令値演算部112aで電流指令値Is[A]が演算されると、その演算された電流指令値Is[A]の指令電流I[A]を電子制御カップリング28の電磁コイル44に供給するか否かを判定する。例えば、電流供給開始判定部112bは、加速ショック走行推定部110で前記加速ショック走行となると推定されたときから電流供給開始時間(所定時間)Δt[sec](図8および図9参照)が経過すると、指令電流I[A]を電磁コイル44に供給すると判定する。なお、電流供給開始時間Δt[sec]は、加速ショック走行推定部110で前記加速ショック走行となると推定されたときの自動変速機22で選択されたギヤ段X1に対応する捻じり共振振動の一次周波数frXによって予め設定された時間t[sec]であり、例えば、図9の実線で示すように前輪車軸26L、26Rで変動するトルクTfdsの値が最も大きいときに、図8に示す正弦波Wの伝達トルクTdnの値が最も大きくなるように、電流供給開始時間Δt[sec]が設定されている。
カップリング制御部112は、加速ショック走行推定部110で前記加速ショック走行となると推定され、且つ、電流指令値演算部112aで電流指令値Is[A]が演算され、且つ、電流供給開始判定部112bで電磁コイル44に指令電流I[A]を供給すると判定されると、電流指令値演算部112aで演算された電流指令値Is[A]の指令電流I[A]を電磁コイル44に供給する。これによって、電子制御カップリング28が一時的に係合されて、エンジン12から出力される出力トルクの一部が後輪18L、18Rに伝達される。
図7は、電子制御装置100において、四輪駆動車両10が二輪駆動状態で走行しているときの前輪車軸26L、26Rに伝達されるトルクTfdのトルク変動THを抑制する制御作動の一例を説明するフローチャートである。図8および図9は、図7のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートである。
先ず、加速ショック走行推定部110の機能に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S1において、前記加速ショックが発生する加速ショック走行となるか否かが推定される。S1の判定が肯定される場合(図8および図9のt1時点)には、電流指令値演算部112aの機能に対応するS2が実行される。また、S1の判定が否定される場合には、本ルーチンが終了させられる。S2では、電子制御カップリング28に供給される指令電流I[A]の電流指令値Is[A]が演算される。
次に、電流供給開始判定部112bの機能に対応するS3が実行される。S3では、S2で演算された電流指令値Is[A]の指令電流I[A]を電子制御カップリング28の電磁コイル44に供給するか否かが判定、すなわちS1の判定が肯定されてから電流供給開始時間(所定時間)Δt[sec]が経過したか否かが判定される。S3の判定が肯定される場合(図8および図9のt2時点)には、カップリング制御部112の機能に対応するS4が実行される。S3の判定が否定される場合には、再度S3が実行される。S4では、S2で演算された電流指令値Is[A]の指令電流I[A]が電子制御カップリング28の電磁コイル44に供給される。
図9に示すように、S2で演算された電流指令値Is[A]の指令電流I[A]が電子制御カップリング28の電磁コイル44に供給されると、電子制御カップリング28により、前輪側動力伝達経路16の捻じり共振振動の一次周波数frXに応じた周期Tw[sec]の正弦波Wで前輪車軸26L、26Rに伝達されるトルクTfds[Nm]の一部が後輪車軸34L、34Rに伝達される。このため、前輪車軸26L、26Rに伝達されるトルクTfds[Nm]のトルク変動TH[Nm]の一部が電子制御カップリング28を介して後輪車軸34L、34Rに伝達されるので、前輪車軸26L、26Rに伝達されるトルクTfds[Nm]のトルク変動TH[Nm]が好適に抑制される。なお、前輪車軸26L、26Rのトルク変動THがナックル変動からサスペンション変動を励起して車両振動となるので、前輪車軸26L、26Rのトルク変動THが抑制されることによって、車両振動が抑制される。また、図9に示す破線は、図7のフローチャートに示す制御作動を実行したときにおいて、前輪車軸26L、26Rに伝達されるトルクTfds[Nm]の変動と、後輪車軸34L、34Rに伝達されるトルクTrds[Nm]の変動と、を示す線である。また、図9に示す実線は、前記加速ショック走行となると推定された場合でも電子制御カップリング28が解放されたままの状態のときの前輪車軸26L、26Rに伝達されるトルクTfds[Nm]の変動を示す線である。なお、電子制御カップリング28に指令電流I[A]が供給されないと、電子制御カップリング28が解放され後輪車軸34L、34Rにはエンジン12からの出力トルクが伝達されない。
上述のように、本実施例の四輪駆動車両10の電子制御装置100によれば、前記二輪駆動状態で走行しているときにおいて、前輪車軸26L、26Rに伝達されるトルクTfdsのトルク変動THが予め設定された所定値TH1より大きくなると推定される場合には、電子制御カップリング28により、前輪側動力伝達経路16の捻じり共振振動の一次周波数frXに応じた周期Twの正弦波Wの波形で前輪車軸26L、26RのトルクTfdsの一部を後輪車軸34L、34Rに伝達する。このため、前輪側動力伝達経路16の捻じり共振振動の一次周波数frXに応じた周期Twの正弦波Wの波形で前輪車軸26L、26Rに伝達されるトルクTfdsの一部を後輪車軸34L、34Rに伝達することによって、前輪側動力伝達経路16の前輪車軸26L、26Rに伝達されるトルクTfdsのトルク変動THの一部が電子制御カップリング28を介して後輪車軸34L、34Rに伝達される。これにより、車両の駆動力を低下させることなく、前輪側動力伝達経路16の前輪車軸26L、26Rに伝達されるトルクTfdsのトルク変動THが好適に抑制されるので、車両の応答性を損なうことなく、二輪駆動状態で走行しているときの四輪駆動車両10の振動を好適に抑制することができる。
続いて、本発明の他の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明において、実施例相互に共通する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
図10および図11は、本発明の他の実施例の四輪駆動車両10の電子制御装置(制御装置)を説明する図である。本実施例の電子制御装置の電流供給開始判定部112bは、電流供給開始時間Δt1[sec]が異なる点で相違しており、その他は実施例1の電流供給開始判定部112bと略同じである。なお、電流供給開始時間Δt1[sec]は、例えば、前輪車軸26L、26Rで変動するトルクTfds[Nm]の周期T[sec]と同じであり、カップリング制御部112は、図11に示すように、前輪車軸26L、26RのトルクTfds[Nm]が高くなるように変動しようとするタイミングで、指令電流I[A]を電磁コイル44に供給する。また、前輪車軸26L、26Rで変動するトルクTfds[Nm]の周期T[sec]は、前輪側動力伝達経路16の捻じり共振振動の一次周波数frXによって、すなわち自動変速機22で選択されるギヤ段X1によって決まる。
図12は、本発明の他の実施例の四輪駆動車両10の電子制御装置(制御装置)を説明する図である。本実施例の電子制御装置の電流指令値演算部112aでは、実施例1の図8に示すような正弦波Wの波形とは異なる形状の波形、すなわち三角形状の波形が演算される点で相違しており、その他は実施例1の電流指令値演算部112aと略同じである。なお、本実施例の電流指令値演算部112aでは、実施例1の電流指令値演算部112aと同様に、例えば、アクセル開度センサ104から検出されたアクセル開度θacc1[%]に基づいて前記三角形状の波形の振幅A1が設定され、自動変速機22で選択されたギヤ段X1に基づいて前記三角形状の波形の周期Tw1[sec]が設定されるようになっている。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例1において、加速ショック走行推定部110では、図2および図3に示す加速ショック走行推定マップを用いて、前記加速ショック走行となるか否かを推定していたが、例えば、車速センサ102から検出される車速V[km/h]とアクセル開度センサ104から検出されるアクセル開度θacc[%]とからショックレベルが演算されるショックレベル演算マップを用いて、ショックレベルを演算してその前記ショックレベルが所定値以上であれば前記加速ショック走行となると推定しても良い。なお、前記ショックレベル演算マップは、X軸に車速V[km/h]、Y軸にアクセル開度θacc[%]、Z軸に前記ショックレベルを有する三次元マップであり、自動変速機22で選択されるギヤ段X毎に設けられている。また、前記ショックレベルとは、前記加速ショック走行時の加速ショックの大きさを示す値である。
また、前述の実施例1の四輪駆動車両10は、二輪駆動状態のときにエンジン12からの出力トルクが前輪14L、14Rに伝達され、四輪駆動状態のときにエンジン12からの出力トルクの一部が電子制御カップリング28を介して後輪18L、18Rに伝達されるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)ベースの四輪駆動車両であった。例えば、前述の実施例1の四輪駆動車両10を、二輪駆動状態のときにエンジン12からの出力トルクが後輪18L、18Rに伝達され、四輪駆動状態のときにエンジン12からの出力トルクの一部が電子制御カップリング28を介して前輪14L、14Rに伝達されるFR(フロントエンジン・リヤドライブ)ベースの四輪駆動車両に構造を変更しても良い。また、前述の実施例1の四輪駆動車両10では、駆動力源であるエンジン12から出力される出力トルクが前輪14L、14Rと後輪18L、18Rとに伝達されていたが、例えば、エンジン12にかえて電動モータを駆動力源として用いても良い。
また、前述の実施例1の四輪駆動車両10では、電子制御カップリング28を、前輪14L、14Rに伝達されるトルクと後輪18L、18Rに伝達されるトルクとのトルク配分を制御するトルク配分装置として用いていたが、例えば、電子制御カップリング28にかえて、電磁クラッチ、磁粉式クラッチ等の応答性の比較的高い継手を用いることができる。
また、前述の実施例1の四輪駆動車両10の電流指令値演算部112aでは、加速ショック走行推定部110で前記加速ショック走行となると推定されたときのアクセル開度センサ104から検出されたアクセル開度θacc1[%]によって正弦波Wの振幅Aが設定されていた。例えば、加速ショック走行推定部110で前記加速ショック走行となると推定されたときの要求エンジントルク、または、加速ショック走行推定部110で前記加速ショック走行となると推定されたときの自動変速機22で選択されたギヤ段X1から、正弦波Wの振幅Aを設定しても良い。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:四輪駆動車両
12:エンジン(駆動力源)
14L、14R:前輪(主駆動輪)
16:前輪側動力伝達経路(動力伝達経路)
18L、18R:後輪(補助駆動輪)
28:電子制御カップリング(トルク配分制御装置)
100:電子制御装置(制御装置)
110:加速ショック走行推定部
112:カップリング制御部
112a:電流指令値演算部
frX:捻じり共振振動の一次周波数
Tfds:トルク(出力トルク)
TH:トルク変動(変動)
TH1:所定値
12:エンジン(駆動力源)
14L、14R:前輪(主駆動輪)
16:前輪側動力伝達経路(動力伝達経路)
18L、18R:後輪(補助駆動輪)
28:電子制御カップリング(トルク配分制御装置)
100:電子制御装置(制御装置)
110:加速ショック走行推定部
112:カップリング制御部
112a:電流指令値演算部
frX:捻じり共振振動の一次周波数
Tfds:トルク(出力トルク)
TH:トルク変動(変動)
TH1:所定値
Claims (1)
- 駆動力源から出力される出力トルクを主駆動輪へ伝達する動力伝達経路と、前記出力トルクの一部を補助駆動輪へ伝達するトルク配分制御装置と、を備え、前記トルク配分制御装置により二輪駆動状態から四輪駆動状態へ切り替えられる四輪駆動車両の、制御装置であって、
前記二輪駆動状態で走行しているときにおいて、前記動力伝達経路に伝達される前記出力トルクの変動が所定値より大きくなると推定される場合には、前記トルク配分制御装置により、前記動力伝達経路の捻じり共振振動の一次周波数に応じた波形で前記出力トルクの一部を前記補助駆動輪に伝達することを特徴とする四輪駆動車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019088652A JP2020183194A (ja) | 2019-05-08 | 2019-05-08 | 四輪駆動車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019088652A JP2020183194A (ja) | 2019-05-08 | 2019-05-08 | 四輪駆動車両の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020183194A true JP2020183194A (ja) | 2020-11-12 |
Family
ID=73044646
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019088652A Pending JP2020183194A (ja) | 2019-05-08 | 2019-05-08 | 四輪駆動車両の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020183194A (ja) |
-
2019
- 2019-05-08 JP JP2019088652A patent/JP2020183194A/ja active Pending
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