JP2020182346A - 太陽光発電装置及び強風退避方法 - Google Patents

太陽光発電装置及び強風退避方法 Download PDF

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正貴 小林
Masaki Kobayashi
正貴 小林
博之 小中
Hiroyuki Konaka
博之 小中
鍛 平山
Kitae Hirayama
鍛 平山
山本 誠司
Seiji Yamamoto
誠司 山本
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Abstract

【課題】より迅速な退避が可能な太陽光発電装置及び退避方法を提供する。【解決手段】少なくとも方位角の方向に太陽を追尾するアレイを有する太陽光発電装置であって、設置面に固定された支柱と、支柱に取り付けられた駆動部と、アレイの枠体としての追尾架台と、太陽の方向を向くアレイの仮想一平面を基準平面とした場合に、当該基準平面に対して角度を成す回動が可能なように追尾架台に取り付けられたモジュールと、追尾架台に搭載され、モジュールを回動させる回動機構と、所定の強風に対して、モジュールを回動させて風が通り抜ける姿勢にするよう回動機構を制御する制御部と、を備えている。【選択図】図5

Description

本開示は、太陽光発電装置及び強風退避方法に関する。
太陽追尾型の太陽光発電装置は、モジュールを多数並べた大型のアレイを、支柱から、2軸駆動部を介して支えている構成となっている。強風時にはアレイ、2軸駆動部及び支柱に風荷重による大きな機械的負荷がかかる。従って、所定の強風が観測された場合等には、アレイを水平にする退避姿勢となり、風を逃がすことが考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2014−203911号公報
しかしながら、太陽を追尾しているアレイが追尾を中止して水平な姿勢になるには一定の時間がかかり、姿勢の変化中に強風を受けると風荷重による損傷を受ける場合も考えられる。また、集光型太陽光発電装置では追尾の姿勢から外れると全く発電できない。姿勢を水平にするために要する時間、及び、水平から追尾に戻るために要する時間は、発電できない時間となる。
かかる課題に鑑み、本発明は、より迅速な退避が可能な太陽光発電装置及び退避方法を提供することを目的とする。
本開示は、以下の発明を含む。但し、本発明は特許請求の範囲によって定められるものである。
本開示の太陽光発電装置は、少なくとも方位角の方向に太陽を追尾するアレイを有する太陽光発電装置であって、
設置面に固定された支柱と、
前記支柱に取り付けられた駆動部と、
前記アレイの枠体としての追尾架台と、
太陽の方向を向く前記アレイの仮想一平面を基準平面とした場合に、当該基準平面に対して角度を成す回動が可能なように前記追尾架台に取り付けられたモジュールと、
前記追尾架台に搭載され、前記モジュールを回動させる回動機構と、
所定の強風に対して、前記モジュールを回動させて風が通り抜ける姿勢にするよう前記回動機構を制御する制御部と、を備えている。
本開示の方法は、少なくとも方位角の方向に太陽を追尾するアレイを有する太陽光発電装置における強風退避方法であって、
所定の強風に至らないときは、前記アレイを太陽に向けて追尾し、
所定の強風に対しては、前記アレイの仮想一平面を基準平面とした場合に、前記アレイの構成要素であるモジュールが、前記基準平面に対して角度を成すよう回動して風が通り抜ける姿勢となる、強風退避方法である。
本開示によれば、より迅速な退避が可能な太陽光発電装置及び退避方法を提供することができる。
図1は、第1実施形態に係る、集光型の太陽光発電装置の構成の要部を示す斜視図である。 図2は、図1の太陽光発電装置を真上から見た平面図である。 図3は、図1の太陽光発電装置をIII方向から見た側面図である。 図4は、図1の太陽光発電装置をIV方向から見た正面図である。 図5は、太陽追尾中の状態から、強風の情報を受けて、モジュールが回動して水平になった状態の太陽光発電装置を示す斜視図である。 図6は、図5のVI方向からの側面図である。 図7は、図5のVII方向からの正面図である。 図8は、回動機構の一例を示す斜視図である。 図9は、図8をさらに拡大した斜視図である。 図10は、図8をX方向から見た側面図である。 図11は、アレイの駆動に関する制御回路のブロック図である。 第2実施形態に係る、集光型の太陽光発電装置の構成の要部を示す斜視図であり、モジュールが回動していない状態を示す。 図12の状態からモジュールが45度回動した状態を示す斜視図である。 図12の状態からモジュールが90度回動した状態を示す斜視図である。 追尾架台が水平であり、かつ、モジュールが45度回動した状態を示す斜視図である。 追尾架台が水平であり、かつ、モジュールが90度回動した状態を示す斜視図である。
[本開示の実施形態の説明]
本開示の実施形態には、その要旨として、少なくとも以下のものが含まれる。
(1)開示するのは、少なくとも方位角の方向に太陽を追尾するアレイを有する太陽光発電装置であって、設置面に固定された支柱と、前記支柱に取り付けられた駆動部と、前記アレイの枠体としての追尾架台と、太陽の方向を向く前記アレイの仮想一平面を基準平面とした場合に、当該基準平面に対して角度を成す回動が可能なように前記追尾架台に取り付けられたモジュールと、前記追尾架台に搭載され、前記モジュールを回動させる回動機構と、所定の強風に対して、前記モジュールを回動させて風が通り抜ける姿勢にするよう前記回動機構を制御する制御部と、を備えている。
上記のように構成された太陽光発電装置は、所定の強風に対して退避する際、追尾架台全体として退避するのではなく、モジュールを回動させて風が通り抜ける姿勢にすることで強風に対する退避の姿勢とすることができる。追尾架台ではなくモジュールを回動させるので、迅速な退避が可能となる。
(2)前記(1)の太陽光発電装置において、前記モジュールは縦横に行列を形成するように並んで前記アレイを構成し、前記追尾架台には、前記アレイにおける前記行列の各行に対応して前記モジュールの回動中心となる複数の回動軸が設けられていてもよい。
この場合、各行のモジュールを、回動軸の周りに回動させることができる。
(3)前記(1)の太陽光発電装置において、前記モジュールは縦横に行列を形成するように並んで前記アレイを構成し、前記追尾架台には、前記アレイにおける前記行列の各列に対応して前記モジュールの回動中心となる複数の回動軸が設けられていてもよい。
この場合、各列のモジュールを、回動軸の周りに回動させることができる。
(4)前記(2)の太陽光発電装置において、前記制御部は、前記所定の強風に対して例えば、前記モジュールを回動させて水平な姿勢にする。
この場合、強風が東西南北のどの方向から吹いても、追尾架台を含むアレイ、駆動部、及び、支柱(以下、アレイ等と言う。)が受ける機械的な負荷を軽減することができる。
(5)前記(3)の太陽光発電装置において、前記制御部は、前記所定の強風に対して例えば、前記モジュールを回動させて風向きに平行な姿勢にする。
この場合、強風に対してアレイ等が受ける機械的な負荷を軽減することができる。
(6)前記(1)から(5)までのいずれかの太陽光発電装置において、前記回動機構は全ての前記モジュールを連動して回動させてもよい。
この場合、全てのモジュールを一斉に回動させることで、アレイ等への機械的な負荷を軽減することができる。
(7)前記(1)から(6)までのいずれかの太陽光発電装置において、前記アレイは、輪郭を成す全方位に前記モジュールが配置されていてもよい。
モジュールは回動により反転して下向きの姿勢をとることができる。そのため、夜間には、モジュール単位で下向きの姿勢をとることができる。従って、追尾架台としては、設置面を向く下向きの姿勢を取り得る構成でなくてもよい。これにより、追尾架台の反転時に支柱との干渉を避けるためのアレイの外側へ開いた開口が不要となる。その結果、アレイの輪郭を成す全方位にモジュールを配置することができ、アレイの最大寸法当たりの発電量を向上させることができる。
(8)前記(2)から(7)までのいずれかの太陽光発電装置において、前記回動機構は、複数の前記回動軸を連動して回動させる動力伝達部と、当該動力伝達部を駆動するモータとを備えていてもよい。
この場合、各回動軸で同期した確実な回動を実現することができる。
(9)前記(2)又は(3)の太陽光発電装置において、好ましくは、前記回動軸は前記モジュールの背面の中心を通っている。
この場合、1本の回動軸を回動させるためのトルクが最小限に抑制される。
(10)方法の観点からは、少なくとも方位角の方向に太陽を追尾するアレイを有する太陽光発電装置における強風退避方法であって、所定の強風に至らないときは、前記アレイを太陽に向けて追尾し、所定の強風に対しては、前記アレイの仮想一平面を基準平面とした場合に、前記アレイの構成要素であるモジュールが、前記基準平面に対して角度を成すよう回動して風が通り抜ける姿勢となる、強風退避方法である。
上記のような強風退避方法では、所定の強風に対して退避する際、追尾架台全体として退避するのではなく、モジュールを回動させて風が通り抜ける姿勢にすることで強風に対する退避の姿勢とすることができる。追尾架台ではなくモジュールを回動させるので、迅速な退避が可能となる。
[本開示の実施形態の詳細]
<第1実施形態>
《太陽光発電装置の基本構成》
以下、本開示の太陽光発電装置の基本構成例について、図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係る、集光型の太陽光発電装置100の構成の要部を示す斜視図である。図中の互いに直交する3方向を、X方向、Y方向、Z方向とする。図2は、図1の太陽光発電装置100を真上から見た平面図、図3は、図1の太陽光発電装置100をIII方向から見た側面図、図4は、図1の太陽光発電装置100をIV方向から見た正面図である。
図1において(図2,図3,図4も参照)、この太陽光発電装置100は、方位角及び仰角の2軸方向に太陽を追尾するアレイ1を有するものである。設置面Gには、基礎2が頑丈に固定され、基礎2に固定された支柱3は、X−Y平面である設置面Gに対して鉛直(Z方向)に立っている。
支柱3の上端には駆動部4が取り付けられている。この駆動部4は、方位角の移動と仰角の移動とが可能な2軸駆動部である。アレイ1は、枠体としての追尾架台5と、モジュール6の集合体とによって構成されている。アレイ1は、駆動部4を介して、支柱3に支持されている。図示のアレイ1は、X−Y平面と平行で、真上を向いた状態である。図示の例では、32個のモジュールが縦横に並んでアレイ1を構成している。1つのモジュール6は、集光レンズによる集光位置に発電用のセルを配置した光学系の最小単位である太陽光発電ユニットがマトリックス状に多数並んで1つの筐体に収められたものである。
追尾架台5は鋼材の骨組みで構成されており、図示の例では、X方向に延びる鋼材と、Y方向に延びる鋼材とが、互いに交差して組み合わされている。X方向に延びる鋼材とは、Y方向の両端面にある一対の側板51,52、及び、Y方向において一対の側板51,52の間にある一対の仕切り板53である。Y方向に延びる鋼材とは、側板51,52及び仕切り板53を相互に固定し、かつ、駆動部4に接続された水平軸54、及び、6本の回動軸55である。
アレイ1の縦横に並んで「行列」を成すモジュール6のX方向を列、Y方向を行とすると、回動軸55は、各行のモジュール6と背面側で固定されていて、回動軸55を中心として各行のモジュール6を回動させることができる。回動軸55は、各モジュール6のX方向の中心にあり、これにより、回動に要するトルクを抑制することができる。但し、中心からずれた位置であってもよい。回動軸55自体は、側板51,52,仕切り板53に保持されてはいるが、固定されていない。従って、回動軸55は回動可能である。6本の回動軸55を回動させるために、追尾架台5に搭載される回動機構の詳細については後述する。
例えば太陽が太陽光発電装置100の真上に位置しているとすると、太陽の方向を向くアレイ1の仮想一平面を基準平面Prとした場合に、モジュール6は、基準平面Prに対して角度を成す回動が可能である。図1,図2,図3,図4では、モジュール6は基準平面Prに対して回動していない。もし、この状態で所定の強風が吹いたとしても、追尾架台5が水平であるので、強風にも十分耐えられる退避姿勢である。以下、個々に図示はしないが、アレイ1の姿勢にかかわらず、追尾架台5及びモジュール6が全体として実質的に1つの平面を構成しているときの、アレイ1の仮想一平面を基準平面Prとする。なお、「実質的に1つの平面」とは、モジュール間に事実上多少の段差があっても、互いに平行な状態であれば、1つの平面を成している状態と考える。
図5は、太陽追尾中の状態から、強風の情報を受けて、モジュール6が回動して水平になった状態の太陽光発電装置100を示す斜視図である。図6は、図5のVI方向からの側面図、図7は、VII方向からの正面図である。この状態では、図6,図7に示すように、モジュール6間の隙間を風が通り抜けるので、アレイ1に対する風圧を緩和することができる。また、追尾架台5及びアレイ1を水平にする退避に比べて、モジュール6は小さいので、迅速な退避が可能となる。
《回動機構の例》
図8は、回動機構の一例を示す斜視図である。回動機構7は、6本の回動軸55の端部のスプロケット71にチェーン72を掛けてモータ7mによりチェーン72を駆動する機構である。
図9は、図8をさらに拡大した斜視図である。また、図10は、図8をX方向から見た側面図である。図9において、モータ7mは、側板51に取り付けた支持部材73により、側板51に支持固定されている。モータ7mとスプロケット71との間にはカップリング74が設けられている。モータ7mの回転トルクはカップリング74を介してスプロケット71に伝えられ、動力伝達部としてのチェーン72が駆動される。図9,図10において、チェーン72の駆動により、6本の回動軸55は同期して回動し、全てのモジュール6を所望の同一角度、回動させることができる。
《制御について》
図11は、アレイ1の駆動に関する制御回路のブロック図である。アレイ1は駆動部4によって駆動される。駆動部4は、方位角のモータ4aと、仰角のモータ4eとを備えている。駆動部4は、追尾用駆動回路8によって駆動される。追尾用駆動回路8は、追尾センサ9の検出出力に基づいて、アレイ1が太陽を追尾するように、駆動部4を駆動する。また、追尾用駆動回路8には、制御部11から緯度、経度、年月日等に基づく太陽の位置情報が提供される。制御部11は、例えばコンピュータを含み、コンピュータがソフトウェア(コンピュータプログラム)を実行することで、必要な制御機能を実現する。ソフトウェアは、制御部11の記憶装置(図示せず。)に格納される。
アレイ1のモジュール6を回動させる回動機構7は、モータ7mを備えている。モータ7mは、退避用駆動回路10により駆動される。退避用駆動回路10は、制御部11から指令を受けて動作する。制御部11には風速センサ12からの検出信号及び、外部からの退避指令が入力される。なお、制御部11及び風速センサ12は、通常、複数基の太陽光発電装置100に対して統括的に設けられるが、機能的には、個々の太陽光発電装置100に対して存在していると考えることができる。
強風が吹いていない通常の気象状況では、追尾用駆動回路8と駆動部4とにより、アレイ1は太陽を追尾している。強風に相当する所定の風速に達した場合、風速センサ12の検出出力に基づいて制御部11は退避行動を行う。なお、風速センサ12のみならず、気象情報や監視者の指令による退避指令に基づいて制御部11が退避行動を行うようにしてもよい。
退避行動を行う場合、制御部11は退避用駆動回路10により、モジュール6を回動させる。回動させる角度の量は、追尾用駆動回路8から得られる現在の仰角をθeとすると、モジュール6を水平にする角度(−θe)である。モジュール6を水平にすることで、モジュール6は風が通り抜ける姿勢となる。従って、強風がアレイ1に向かって吹き付けても、風が通り抜けて、アレイ等(追尾架台5を含むアレイ1、駆動部4、支柱3)にかかる機械的な負荷を軽減することができる。
<第2実施形態>
図12,図13,図14,図15及び図16は、第2実施形態に係る、集光型の太陽光発電装置100の構成の要部を示す斜視図である。
図12において、第1実施形態との違いは、回動軸56が、モジュール6の行列における列ごとに設けられている点である。回動軸56は、各モジュール6のY方向の中心にあり、これにより、回動に要するトルクを抑制することができる。但し、中心からずれた位置であってもよい。その他の構成は、第1実施形態と同様である。6本の回動軸56は、図示は省略しているが、第1実施形態と同様な回動機構により互いに連動して回動することができる。図12は、アレイ1の基準平面Prに対して回動軸56を中心とした回動角0度の状態である。図13は、アレイ1の基準平面Prに対して回動角45度の状態である。図14は、アレイ1の基準平面Prに対して回動角90度の状態である。
強風が吹いていない通常の気象状況では、アレイ1は、例えば図12の状態となる。ここから、X方向に吹く風に関して、その風速が増大して第1の閾値以上になると、図13の状態となる。これにより、図12の状態と比べると、X方向に風が通り抜けやすくなるので、アレイ1等が受ける負荷を軽減することができる。さらに風速が増して第1の閾値より大きい第2の閾値以上になると、図14の状態にする。これにより、図13の状態と比べると、モジュール6間に広い空間ができ、X方向に最も風が通り抜けやすくなるので、強風に対して、アレイ等が受ける負荷を軽減することができる。
また、図15は、追尾架台5が水平な状態であって、かつ、各モジュール6が、アレイ1の基準平面Prに対して回動角45度の状態である。図16は、追尾架台5が水平な状態であって、かつ、各モジュール6が、アレイ1の基準平面Prに対して回動角90度の状態である。X方向に吹く風に対しては、図15の状態、及び、図16の状態が共に、風によってアレイ等が受ける負荷を軽減することができる。
《その他》
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態では、退避時に全てのモジュール6を回動させるようにしたが、必ずしも全て、でなくてもよい。少なくとも回動して風を通り抜けやすくするモジュール6があれば、負荷軽減の効果は得られる。例えば風圧によるモーメントが内側よりも大きくなる外側に配置されているモジュール6を優先的に回動させるようにしてもよい。
また、第1実施形態では、モジュール6が水平になるように回動させるが、必ずしも水平でなくてもよい。少なくとも水平に近くなるように回動して風を通り抜けやすくすれば、負荷軽減の効果は得られる。
また、上記第1実施形態及び第2実施形態は、集光型の太陽光発電装置100について説明したが、集光型には限定されない。例えば、結晶シリコン型で追尾型の太陽光発電装置であっても、モジュール単位での回動による退避を適用して同様の作用効果を得ることができる。結晶シリコン型の場合は、追尾は、方位角のみでもよい。
《開示のまとめ》
以上、詳述したように、第1実施形態及び第2実施形態共に、太陽光発電装置100のモジュール6は、アレイ1の仮想一平面を基準平面Prとした場合に、基準平面Prに対して角度を成す回動が可能なように追尾架台5に取り付けられている。そして、モジュール6を回動させる回動機構7が、追尾架台5に搭載されている。制御部11は、所定の強風に対して、モジュール6を回動させて風が通り抜ける姿勢にするよう回動機構7を制御する。こうして、所定の強風に対して退避する際、追尾架台5全体として退避するのではなく、モジュール6を回動させて風が通り抜ける姿勢にすることで強風に対する退避の姿勢とすることができる。追尾架台5ではなくモジュール6を回動させるので、迅速な退避が可能となる。
なお、方法の観点からは、少なくとも方位角の方向に太陽を追尾するアレイ1を有する太陽光発電装置100における強風退避方法であって、所定の強風に至らないときは、アレイ1を太陽に向けて追尾し、所定の強風に対しては、アレイ1の構成要素であるモジュール6は、基準平面Prに対して角度を成すよう回動して風が通り抜ける姿勢となる強風退避方法である。
モジュール6の回動軸は、アレイ1におけるモジュール6の行列の各行に対応して設けられる回動軸55である。この場合、各行のモジュールを、回動軸の周りに回動させることができる。また、モジュールを回動させて水平な姿勢にすれば、強風が東西南北のどの方向から吹いても、追尾架台5を含むアレイ1、駆動部4、支柱3が受ける機械的な負荷を軽減することができる。
また、制御部11は、所定の強風に対して、モジュール6を回動させて風向きに平行な姿勢にしてもよい。この場合も、強風に対してアレイ等が受ける機械的な負荷を軽減することができる。
回動機構7は全てのモジュール6を連動して一斉に回動させることで、アレイへの機械的な負荷を迅速に軽減することができる。
また、図1に示すように、アレイ1は、輪郭を成す全方位(4辺)にモジュール6が配置されている。このような配置が可能となるのは、モジュール6が回動により反転して下向きの姿勢をとることができるからであり、夜間には、モジュール単位で下向きの姿勢をとることができる。従って、追尾架台5としては、設置面を向く下向きの姿勢を取り得る構成でなくてもよい。これにより、追尾架台5の反転時に支柱3との干渉を避けるためのアレイ1の外側へ開いた開口が不要となる。その結果、アレイ1の輪郭を成す全方位にモジュール6を配置することができ、アレイ1の最大寸法当たりの発電量を向上させることができる。
回動機構7は、複数の回動軸55(又は56、以下同様。)を連動して回動させる動力伝達部としてのチェーン72と、チェーン72を駆動するモータ7mとを備えている。これにより、各回動軸55で同期した確実な回動を実現することができる。
回動軸55はモジュール6の背面の中心を通っている。これにより、1本の回動軸55を回動させるためのトルクが最小限に抑制される。
《補記》
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 アレイ
2 基礎
3 支柱
4 駆動部
4a,4e モータ
5 追尾架台
6 モジュール
7 回動機構
7m モータ
8 追尾用駆動回路
9 追尾センサ
10 退避用駆動回路
11 制御部
12 風速センサ
51,52 側板
53 仕切り板
54 水平軸
55,56 回動軸
71 スプロケット
72 チェーン(動力伝達部)
73 支持部材
74 カップリング
100 太陽光発電装置
G 設置面
Pr 基準平面

Claims (10)

  1. 少なくとも方位角の方向に太陽を追尾するアレイを有する太陽光発電装置であって、
    設置面に固定された支柱と、
    前記支柱に取り付けられた駆動部と、
    前記アレイの枠体としての追尾架台と、
    太陽の方向を向く前記アレイの仮想一平面を基準平面とした場合に、当該基準平面に対して角度を成す回動が可能なように前記追尾架台に取り付けられたモジュールと、
    前記追尾架台に搭載され、前記モジュールを回動させる回動機構と、
    所定の強風に対して、前記モジュールを回動させて風が通り抜ける姿勢にするよう前記回動機構を制御する制御部と、
    を備えている太陽光発電装置。
  2. 前記モジュールは縦横に行列を形成するように並んで前記アレイを構成し、
    前記追尾架台には、前記アレイにおける前記行列の各行に対応して前記モジュールの回動中心となる複数の回動軸が設けられている請求項1に記載の太陽光発電装置。
  3. 前記モジュールは縦横に行列を形成するように並んで前記アレイを構成し、
    前記追尾架台には、前記アレイにおける前記行列の各列に対応して前記モジュールの回動中心となる複数の回動軸が設けられている請求項1に記載の太陽光発電装置。
  4. 前記制御部は、前記所定の強風に対して、前記モジュールを回動させて水平な姿勢にする請求項2に記載の太陽光発電装置。
  5. 前記制御部は、前記所定の強風に対して、前記モジュールを回動させて風向きに平行な姿勢にする請求項3に記載の太陽光発電装置。
  6. 前記回動機構は全ての前記モジュールを連動して回動させる請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の太陽光発電装置。
  7. 前記アレイは、輪郭を成す全方位に前記モジュールが配置されている請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の太陽光発電装置。
  8. 前記回動機構は、複数の前記回動軸を連動して回動させる動力伝達部と、当該動力伝達部を駆動するモータとを備えている請求項2から請求項7のいずれか1項に記載の太陽光発電装置。
  9. 前記回動軸は前記モジュールの背面の中心を通っている請求項2又は請求項3のいずれか1項に記載の太陽光発電装置。
  10. 少なくとも方位角の方向に太陽を追尾するアレイを有する太陽光発電装置における強風退避方法であって、
    所定の強風に至らないときは、前記アレイを太陽に向けて追尾し、
    所定の強風に対しては、前記アレイの仮想一平面を基準平面とした場合に、前記アレイの構成要素であるモジュールが、前記基準平面に対して角度を成すよう回動して風が通り抜ける姿勢となる、
    強風退避方法。
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