JP2020181753A - カーボンナノチューブヒータ - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に製造可能な大面積のカーボンナノチューブヒータを提供する。【解決手段】CNTヒータ1は、第1電極21と、第2電極22と、テープ状または線状のCNT成形体23とを備える。第1電極21は、複数の第1接続部212を有する。第2電極22は、複数の第2接続部222を有する。CNT成形体23は、複数の第1接続部212および複数の第2接続部222の間に、複数回に亘って交互に接続される。CNT成形体23は、各第1接続部212および各第2接続部222に機械的に係止される。これにより、容易に製造可能な大面積のCNTヒータ1を提供することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、カーボンナノチューブヒータに関する。
近年、複数のカーボンナノチューブを様々な形状に成形し、ヒータやセンサ等の様々な製品に利用することが提案されている。例えば、特許文献1では、シート状または繊維状のカーボンナノチューブ構造体を接着剤を介して2枚の基板間に固定した比較的小型の加熱素子が開示されている。
特許第5721995号公報
ところで、特許文献1のような加熱素子を大面積化しようとすると、通常、多数のカーボンナノチューブ繊維等を長手方向に配列し、さらに、当該長手方向に垂直な方向に配列して電極間に接続する必要があるため、製品の製造が複雑化するおそれがある。また、多数のカーボンナノチューブ繊維において、発熱状態のムラが生じるおそれがある。したがって、上記加熱素子の大面積化は容易ではない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、容易に製造可能な大面積のカーボンナノチューブヒータを提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、カーボンナノチューブヒータであって、複数の第1接続部を有する第1電極と、複数の第2接続部を有する第2電極と、前記複数の第1接続部および前記複数の第2接続部との間に複数回に亘って交互に接続されるテープ状または線状のカーボンナノチューブ成形体とを備え、前記カーボンナノチューブ成形体は、各第1接続部および各第2接続部に機械的に係止される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカーボンナノチューブヒータであって、各第1接続部は、平板状の第1電極基部から突出する凸部であり、各第2接続部は、平板状の第2電極基部から突出する凸部であり、前記カーボンナノチューブ成形体は、前記各第1接続部を側方から挟み込んで前記各第1接続部に係止され、前記各第2接続部を側方から挟み込んで前記各第2接続部に係止される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のカーボンナノチューブヒータであって、前記カーボンナノチューブ成形体を間に挟んで互いに固定されることにより、前記カーボンナノチューブ成形体を内部に収容する一対の収容部材をさらに備え、前記一対の収容部材は、接着剤を介在させることなく前記カーボンナノチューブ成形体に直接的に接触する。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブヒータであって、前記カーボンナノチューブヒータに求められるワット密度に基づいて、前記第1電極と前記第2電極との間における前記カーボンナノチューブ成形体の配置形状が決定される。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブヒータであって、前記カーボンナノチューブ成形体は、テープ状または線状の第1成形体と、前記第1成形体の端部に接続されるとともに、前記第1成形体よりも単位長さ当たりの抵抗が高いテープ状または線状の第2成形体とを備え、前記第1電極と前記第2電極との間の領域は、所定の電極間隔を有する第1領域と、前記第1領域よりも電極間隔が狭い第2領域とを備え、前記第1成形体は、前記第1領域において前記第1電極と前記第2電極との間に接続され、前記第2成形体は、前記第2領域において前記第1電極と前記第2電極との間に接続される。
本発明では、容易に製造可能な大面積のカーボンナノチューブヒータを提供することができる。
第1の実施の形態に係るカーボンナノチューブヒータの側面図である。 カーボンナノチューブヒータの平面図である。 第1接続部近傍を拡大して示す斜視図である。 第2の実施の形態に係るカーボンナノチューブヒータの平面図である。 第1接続部近傍を拡大して示す斜視図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るカーボンナノチューブヒータ1を示す側面図である。図2は、カーボンナノチューブヒータ1を示す平面図である。カーボンナノチューブヒータ1(以下、「CNTヒータ1」とも呼ぶ。)は、例えば、加熱対象物の加熱に利用される比較的薄型のシート状ヒータである。図2に示す例では、CNTヒータ1の平面視における形状は、略矩形状である。以下の説明では、図1中の左右方向を「長手方向」とも呼び、図1中の上下方向を単に「上下方向」とも呼ぶ。また、図2中の上下方向(すなわち、長手方向に垂直な方向)を、「幅方向」とも呼ぶ。なお、上述の上下方向は、実際の重力方向と一致しなくてもよい。
CNTヒータ1は、カーボンナノチューブデバイス2(以下、「CNTデバイス2」とも呼ぶ。)と、収容部31と、放熱部34とを備える。CNTデバイス2、収容部31および放熱部34の平面視における形状はそれぞれ、例えば、略矩形状である。なお、CNTヒータ1、CNTデバイス2、収容部31および放熱部34の平面視におけるそれぞれの形状は、必ずしも略矩形である必要はなく、様々に変更されてよい。
CNTデバイス2は、電力を供給されることにより発熱する略シート状の発熱体である。本明細書におけるシート状とは、縦横の長さに対して厚さが薄い形状を意味し、可撓性を有していても有していなくてもよい。また、本明細書におけるシート状とは、フィルム状と呼ばれる形状も含む概念である。
CNTデバイス2は、第1電極21と、第2電極22と、カーボンナノチューブ成形体23(以下、「CNT成形体23」とも呼ぶ。)とを備える。第1電極21と第2電極22とは、長手方向に離間して配置される。第1電極21と第2電極22との間の長手方向の距離は、例えば、50mm〜200mmである。第1電極21および第2電極22はそれぞれ、平面視において幅方向に延びる略矩形帯状の薄板状部材である。第1電極21および第2電極22は、導電性の部材であり、例えば、銅(Cu)等により形成された金属薄板である。
第1電極21は、第1電極基部211と、複数の第1接続部212とを備える。第1電極基部211は、平面視において幅方向に延びる略矩形帯状の1枚の平板状部材である。複数の第1接続部212は、第1電極基部211上において幅方向に配列される。各第1接続部212は、第1電極基部211の上面から上方に突出する凸部である。第1接続部212は、例えば、第1電極基部211の一部を周囲の部位から部分的に切り離し、当該一部を上向きに折り曲げることにより形成される。具体的には、例えば、第1電極基部211の第2電極22側の端縁から長手方向に2つの切り込みを形成し、当該2つの切り込みの間の部位を上向きに折り曲げ、当該折り曲げられた部位を第1接続部212とする。なお、複数の第1接続部212の構造および形状は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
第2電極22は、第1電極21と略同様の構造を有する。具体的には、第2電極22は、第2電極基部221と、複数の第2接続部222とを備える。第2電極基部221は、平面視において幅方向に延びる略矩形帯状の1枚の平板状部材である。複数の第2接続部222は、第2電極基部221上において幅方向に配列される。各第2接続部222は、第2電極基部221の上面から上方に突出する凸部である。第2接続部222は、例えば、上述の第1接続部212と同様の方法で形成される。なお、複数の第2接続部222の構造および形状は、同じであってもよく、異なっていてもよい。また、第2電極22は、第1電極21と異なる構造および形状を有していてもよい。
CNT成形体23は、多数のカーボンナノチューブがテープ状(すなわち、長さに対して幅が細い帯状)に成形された導電性の部材である。当該多数のカーボンナノチューブは、CNT成形体23の長手方向におよそ沿う方向に配向する。CNT成形体23の幅方向の幅は、カーボンナノチューブデバイス2に求められる性能により様々に変化するが、例えば、5mm〜20mmである。
CNT成形体23は、例えば、複数のカーボンナノチューブシート(以下、「CNTシート」とも呼ぶ。)が厚さ方向に積層されることにより形成された可撓性を有する部材である。CNT成形体23におけるCNTシートの積層数は、CNTデバイス2に求められる性能により様々に変化するが、例えば10層〜100層であり、本実施の形態では約40層である。なお、CNT成形体23は、単層のCNTシートにより形成されてもよい。
CNT成形体23では、CNT成形体23を構成する多数のカーボンナノチューブが、ポリビニルアルコール(PVA)水溶液等を主成分とする接着剤により互いに接着されていてもよい。当該接着剤は、エポキシ系、アクリル系またはシリコンゴム系の接着剤であってもよい。当該接着剤は、導電性添加材を含んでいてもよい。これにより、CNT成形体23の導電性を増大させることができる。当該導電性添加材は、例えば、銀(Ag)等の金属微粒子、グラフェン(具体的には、シート状グラフェンを粉砕した粉体)、ミルドファイバー、または、カーボンナノチューブの粉体である。当該導電性添加材の直径は、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは1μm未満である。なお、上記接着剤は、導電性添加材を含んでいなくてもよい。
なお、CNTヒータ1では、CNT成形体23は、多数のカーボンナノチューブが線状(ワイヤ状または糸状とも呼ぶ。)に成形された部材であってもよい。この場合も、当該多数のカーボンナノチューブは、CNT成形体23の長手方向におよそ沿う方向に配向する。
CNTヒータ1では、CNT成形体23により、第1電極21と第2電極22とが電気的に接続される。CNT成形体23は、複数の第1接続部212および複数の第2接続部222の間に複数回に亘って交互に電気的に接続される。具体的には、例えば、1本のCNT成形体23の端部が、1つの第1接続部212に固定される。CNT成形体23の第1接続部212への固定は、例えば、CNT成形体23の端部を第1接続部212にくくりつけることにより実現される。続いて、CNT成形体23は、当該第1接続部212と長手方向において近接する第2接続部222に接続される。CNT成形体23の第2接続部222への接続は、CNT成形体23を第2接続部222に機械的に係止する(例えば、引っかける、または、孔を開けて通す等)ことにより実現される。
次に、当該CNT成形体23は、接続済みの第1接続部212に幅方向の一方側において隣接する未接続の第1接続部212に接続され、さらに、接続済みの第2接続部222に幅方向の上記一方側において隣接する未接続の第2接続部222に接続される。そして、第1接続部212および第2接続部222に対する交互の接続が繰り返されることにより、CNT成形体23が、第1電極21と第2電極22との間にて張り巡らされる。
CNT成形体23のうち、1つの第1接続部212から1つの第2接続部222へと延びる部位を「CNT成形体要素」と呼ぶと、CNT成形体23は、幅方向に配列される複数のCNT成形体要素を備える。図2に示す例では、複数のCNT成形体要素は、第1電極21と第2電極22との間の空間において略平行であり、互いに非接触である。
収容部31は、CNTデバイス2の全体を内部に収容して(すなわち、被覆して)固定する外装部材である。収容部31は、例えば、可撓性を有する絶縁性のシート状部材である。収容部31は、例えば、樹脂または弾性高分子材料により形成される。図1および図2に示す例では、収容部31は、CNT成形体23を間に挟んで互いに固定される一対の収容部材32,33を備える。以下の説明では、図1中においてCNT成形体23の下側に位置する収容部材32を「下部材32」と呼び、CNT成形体23の上側に位置する収容部材33を「上部材33」と呼ぶ。
下部材32は、CNT成形体23を下側から支持して被覆する。上部材33は、CNT成形体23を間に挟んで下部材32の上面上に固定されることにより、CNT成形体23を上側から被覆する。換言すれば、CNT成形体23は、下部材32と上部材33とにより封止される。図1および図2に示す例では、第1電極21および第2電極22も、CNT成形体23と共に、下部材32と上部材33との間に収容される。
下部材32と上部材33との固定は、好ましくは、間に接着剤を介在させることなく行われる。例えば、下部材32上にCNTデバイス2および上部材33を重ね、上部材33を加熱しつつ下部材32に対して押圧することにより、下部材32と上部材33とが貼着される。この場合、下部材32および上部材33は、接着剤を介在させることなくCNT成形体23に直接的に接触する。
CNTヒータ1は、さらに、図示省略の一対の端子を備える。当該一対の端子は、収容部31の内部において、第1電極21および第2電極22とそれぞれ電気的に接続される。また、当該一対の端子は、第1電極21および第2電極22から収容部31を貫通して収容部31の外部へと延びる。CNTデバイス2への電力の供給は、当該一対の端子を介して行われる。これにより、CNTデバイス2が発熱する。
CNTヒータ1では、収容部31は、必ずしもCNTデバイス2の全体を内部に収容する必要はなく、少なくともCNT成形体23の全体を内部に収容していればよい。換言すれば、CNTヒータ1では、第1電極21および第2電極22の一部または全体が、収容部31から外部に露出していてもよい。この場合、上述の一対の端子は省略され、収容部31から露出している第1電極21および第2電極22に電線が直接的に接続されてもよい。
放熱部34は、収容部31の外面に設けられる膜状または薄板状の部材である。図1に示す例では、放熱部34は、収容部31の上面(すなわち、上部材33の上側の主面)に設けられる。放熱部34は、例えば、収容部31の上面に接着剤等で固定された金属箔または金属製のシート部材である。当該金属として、例えば、アルミニウム(Al)や銅が利用可能である。放熱部34は、例えば、収容部31の上面に蒸着等により形成された金属製の薄膜であってもよい。放熱部34の上面(すなわち、収容部31と反対側の主面)は、CNTデバイス2からの熱を均等化して放熱する放熱面である。放熱部34は、収容部31の下面に設けられてもよく、上面および下面の双方に設けられてもよい。
図3は、CNTデバイス2において、第1電極21の1つの第1接続部212近傍を拡大して示す斜視図である。図3に示すように、CNT成形体23は、第1接続部212に機械的に係止されている。CNT成形体23は、他の第1接続部212、および、各第2接続部222に対しても同様に、機械的に係止される。具体的には、CNT成形体23は、第1接続部212の幅方向の一方側を通過し、長手方向における第2電極22とは反対側を通過し、幅方向の他方側を通過する。CNT成形体23は、第1接続部212に対して、長手方向における第2電極22側以外の3方向から接触する。これにより、CNT成形体23は、第1接続部212を側方から挟み込んで(すなわち、幅方向の両側から挟み込んで)第1接続部212に機械的に係止される。
第2接続部222に対しても同様に、CNT成形体23は、第2接続部222の幅方向の一方側を通過し、長手方向における第1電極21とは反対側を通過し、幅方向の他方側を通過する。CNT成形体23は、第2接続部222に対して、長手方向における第1電極21側以外の3方向から接触する。これにより、CNT成形体23は、第2接続部222を側方から挟み込んで(すなわち、幅方向の両側から挟み込んで)第2接続部222に機械的に係止される。
第1接続部212は、図3に示すように、第1電極基部211に対して垂直な方向から、CNT成形体23が延びる方向(すなわち、長手方向における第2電極22側)とは反対向きに傾斜していることが好ましい。これにより、第1接続部212に係止されたCNT成形体23が、上方にずれて第1接続部212から脱離することを抑制することができる。より好ましくは、第1接続部212は、第1電極基部211の上面に近接または接触するまで傾斜している。これにより、第1接続部212に係止されたCNT成形体23が脱離することをさらに抑制することができる。第2接続部222についても同様である。
図3に示すように、CNT成形体23のうち第1接続部212に接触する部位は、細いテープ状または線状となるように、束ねられ、または、ねじられることが好ましい。これにより、CNT成形体23の第1接続部212への係止を容易とすることができる。また、CNT成形体23と第1接続部212との電気的接続を好適に実現することもできる。CNT成形体23のうち第2接続部222に接触する部位についても同様である。
CNT成形体23と第1接続部212との接触部には、例えば、導電性ペーストが付与されていてもよい。当該導電性ペーストは、例えば、低融点ハンダ、金属ペーストまたは導電性接着剤である。導電性接着剤は、例えば、上述の導電性添加材を含む接着剤である。導電性ペーストが付与されることにより、CNT成形体23と第1接続部212との接合強度を増大させることができ、CNT成形体23と第1接続部212との接触抵抗を低減することもできる。CNT成形体23と第2接続部222との接触部についても、同様に、導電性ペーストが付与されてもよい。
図2に示す例では、CNT成形体23は、各第1接続部212および各第2接続部222に接続されているが、必ずしも全第1接続部212および全第2接続部222に接続される必要はない。例えば、CNT成形体23は、幅方向に並ぶ複数の第1接続部212のうち、1つおきの第1接続部212に接続されてもよい。複数の第2接続部222についても同様である。この場合、幅方向において隣接する2つのCNT成形体要素間の略三角形状の間隙は、幅方向に大きくなる。あるいは、複数のCNT成形体要素は、第1電極21と第2電極22との間において交差するように配置されてもよい。この場合、複数のCNT成形体要素は、互いに接触してもよく、非接触であってもよい。
第1電極21と第2電極22との間におけるCNT成形体23の配置形状(すなわち、複数のCNT成形体要素の配置態様)は、CNTヒータ1に求められるワット密度に基づいて決定される。ワット密度とは、CNTヒータ1の電力(W)をCNTヒータ1の表面積(cm)により除算した値である。CNTヒータ1の電力は、CNTヒータ1に供給される電流、および、CNTヒータ1の抵抗(すなわち、電気抵抗)により決定される。CNTヒータ1では、CNT成形体23の単位長さ当たりの抵抗が予め取得されており、当該単位長さ当たりの抵抗、第1電極21と第2電極22との間の距離、および、CNTヒータ1に求められるワット密度等に基づいて、CNT成形体23の配置形状が決定される。
以上に説明したように、CNTヒータ1は、第1電極21と、第2電極22と、テープ状または線状のCNT成形体23とを備える。第1電極21は、複数の第1接続部212を有する。第2電極22は、複数の第2接続部222を有する。CNT成形体23は、複数の第1接続部212および複数の第2接続部222の間に、複数回に亘って交互に接続される。CNT成形体23は、各第1接続部212および各第2接続部222に機械的に係止される。
このように、比較的長い1つのCNT成形体23を、複数の第1接続部212および複数の第2接続部222に対して、順番に機械的に係止することにより、比較的広い領域全体にCNT成形体23を容易に張り巡らせることができる。その結果、容易に製造可能な大面積のCNTヒータ1を提供することができる。また、CNT成形体23の配置形状を容易に変更することができるため、CNTヒータ1の形状選択の自由度を高くすることができる。その結果、加熱対象物の形状に合わせた適切な形状のCNTヒータ1を提供することができる。
上述のように、各第1接続部212は、平板状の第1電極基部211から突出する凸部であることが好ましい。また、各第2接続部222は、平板状の第2電極基部221から突出する凸部であることが好ましい。そして、好ましくは、CNT成形体23は、各第1接続部212を側方から挟み込んで各第1接続部212に係止され、各第2接続部222を側方から挟み込んで各第2接続部222に係止される。これにより、CNT成形体23と第1接続部212および第2接続部222との電気的接続を、簡素な構造で実現することができる。
上述のように、CNTヒータ1は、一対の収容部材32,33(すなわち、下部材32および上部材33)をさらに備えることが好ましい。一対の収容部材32,33は、CNT成形体23を間に挟んで互いに固定されることにより、CNT成形体23を内部に収容する。好ましくは、一対の収容部材32,33は、接着剤を介在させることなくCNT成形体23に直接的に接触する。これにより、CNTヒータ1で生じる熱により接着剤の劣化が生じないため、CNTヒータ1を長寿命化することができる。
CNTヒータ1では、第1電極21と第2電極22との間におけるCNT成形体23の配置形状は、CNTヒータ1に求められるワット密度に基づいて決定されることが好ましい。このように、CNTヒータ1の仕様に合わせてCNT成形体23の配置形状を適宜変更することにより、様々なワット密度のCNTヒータ1を容易に製造することができる。
次に、第2の実施の形態に係るCNTヒータ1aについて説明する。図4は、CNTヒータ1aを示す平面図である。CNTヒータ1aでは、図2に示す第1電極21および第2電極22に代えて、第1電極21および第2電極22とは形状が異なる第1電極21aおよび第2電極22aが設けられる。また、CNTヒータ1aでは、図2に示すCNT成形体23に代えて、単位長さ当たりの抵抗が異なる2つのCNT成形体231,232が繋ぎ合わされたCNT成形体23aが設けられる。CNTヒータ1aの他の構成は、図1および図2に示すCNTヒータ1の構成と略同様であり、以下の説明では、CNTヒータ1aの各構成に、対応するCNTヒータ1の各構成と同符号を付す。
図4に示すように、第1電極21aおよび第2電極22aは、幅方向の中央部にてクランク状に折れ曲がった形状を有する。図4に示す例では、幅方向の一方側(すなわち、図4中の上側)における第1電極21aと第2電極22aとの間の長手方向の距離(以下、「電極間隔」とも呼ぶ。)は、幅方向の他方側(すなわち、図4中の下側)における電極間隔よりも広い。
以下の説明では、第1電極21aと第2電極22aとの間の領域を「電極間領域24」とも呼ぶ。また、電極間領域24のうち、幅方向の中央部よりも上記一方側の領域を「第1領域25」とも呼び、幅方向の中央部よりも上記他方側の領域を「第2領域26」とも呼ぶ。上述のように、第2領域26における電極間隔は、第1領域25における電極間隔よりも狭い。
上述のように、CNT成形体23aは、2つのCNT成形体231,232が繋ぎ合わされたものである。以下の説明では、CNT成形体231,232をそれぞれ、「第1成形体231」および「第2成形体232」とも呼ぶ。第1成形体231および第2成形体232はそれぞれ、多数のカーボンナノチューブがテープ状または線状に成形された導電性の部材である。当該多数のカーボンナノチューブは、第1成形体231および第2成形体232の長手方向におよそ沿う方向に配向する。図4に示す例では、第1成形体231および第2成形体232は、共にテープ状の部材である。
第2成形体232の単位長さ当たりの抵抗は、第1成形体231の単位長さ当たりの抵抗よりも高い。第1成形体231と第2成形体232との単位長さ当たりの抵抗の違いは、例えば、第1成形体231および第2成形体232におけるCNTシートの積層数の違いにより実現される。具体的には、第2成形体232におけるCNTシートの積層数を、第1成形体231におけるCNTシートの積層数よりも少なくすることにより、第2成形体232の単位長さ当たりの抵抗が、第1成形体231の単位長さ当たりの抵抗よりも高くされる。第1成形体231と第2成形体232との単位長さ当たりの抵抗の違いは、第1成形体231および第2成形体232の幅の違い、または、第1成形体231および第2成形体232における上述の導電性添加材の含有率の違い等、様々な条件を変更することにより実現されてもよい。
第1成形体231の長手方向の一方の端部は、第2成形体232の長手方向の一方の端部に接続されている。第1成形体231と第2成形体232との接続は、例えば、第1成形体231の端部と第2成形体232の端部とを結ぶことにより実現される。第1成形体231と第2成形体232との接続は、導電性の糸による縫合、または、導電性の板状部材を2つ折りにして第1成形体231および第2成形体232の端部を挟んで固定すること等、様々な方法により実現されてもよい。
CNT成形体23aのうち第1成形体231は、第1領域25において、第1電極21aの複数の第1接続部212と第2電極22aの複数の第2接続部222との間に複数回に亘って接続される。第2成形体232は、第2領域26において、第1電極21aの複数の第1接続部212と第2電極22aの複数の第2接続部222との間に複数回に亘って接続される。第1成形体231と第2成形体232との接続部233は、例えば、第2領域26に面して配置される複数の第1接続部212および複数の第2接続部222のうち、第1領域25に最も近い第1接続部212または第2接続部222の近傍に配置される。あるいは、第1成形体231と第2成形体232との接続部233は、例えば、第1領域25に面して配置される複数の第1接続部212および複数の第2接続部222のうち、第2領域26に最も近い第1接続部212または第2接続部222の近傍に配置されてもよい。
以上に説明したように、CNTヒータ1aでは、CNT成形体23aは、テープ状または線状の第1成形体231と、テープ状または線状の第2成形体232とを備える。第2成形体232は、第1成形体231の端部に接続される。第2成形体232は、第1成形体231よりも単位長さ当たりの抵抗が高い。また、CNTヒータ1aでは、第1電極21aと第2電極22aとの間の領域(すなわち、電極間領域24)は、所定の電極間隔を有する第1領域25と、第1領域25よりも電極間隔が狭い第2領域26とを備える。第1成形体231は、第1領域25において第1電極21aと第2電極22aとの間に接続される。また、第2成形体232は、第2領域26において第1電極21aと第2電極22aとの間に接続される。
これにより、第1領域25において第1接続部212と第2接続部222とを接続するCNT成形体要素の抵抗と、第2領域26において第1接続部212と第2接続部222とを接続するCNT成形体要素の抵抗との差を小さくすることができる。その結果、第1領域25におけるワット密度と第2領域26におけるワット密度との差を小さくすることができる。このため、幅が異なる複数の部位を有する加熱対象物を加熱する場合、対象物の形状に合わせて電極間隔を変更しつつ、CNTヒータ1全体におけるワット密度の均一性を向上することができる。したがって、幅が異なる複数の部位を有する加熱対象物を略均等に加熱することができる。
CNTヒータ1aでは、第1成形体231および第2成形体232の単位長さ当たりの抵抗は、第1領域25におけるCNT成形体要素の抵抗と、第2領域26におけるCNT成形体要素の抵抗とが同じになるように、第1領域25および第2領域26の電極間隔に基づいて決定されることが好ましい。これにより、CNTヒータ1全体におけるワット密度の均一性をさらに向上することができる。
上述のCNTヒータ1,1aでは、様々な変更が可能である。
例えば、CNTヒータ1では、下部材32と上部材33とが、間に接着剤を介在させて固定されてもよい。この場合、下部材32および/または上部材33は、接着剤を介在させてCNT成形体23に間接的に接触する。CNTヒータ1aにおいても同様である。
第1電極21では、第1電極基部211および各第1接続部212の形状、構造、形成方法は適宜変更されてよい。例えば、図5に示すように、第1接続部212は、幅方向に離間する複数の接触位置にてCNT成形体23と接触してもよい。第1電極21aおよび第2電極22,22aにおいても同様である。
CNTヒータ1では、第1電極21および第2電極22に代えて、略平板状の第1絶縁板および第2絶縁板が設けられ、図1と同様に複数回折り返されたCNT成形体23が、第1絶縁板上の複数の固定位置および第2絶縁板上の複数の固定位置にて、第1絶縁板および第2絶縁板に固定されてもよい。第1絶縁板および第2絶縁板の複数の固定位置は、図1中の複数の第1接続部212および複数の第2接続部222に対応する位置である。CNT成形体23と第1絶縁板および第2絶縁板との固定は、例えば、接着剤、耐熱性の糸、または、耐熱性の粘着テープ等により実現される。
そして、第1絶縁板上において、複数の固定位置上に位置するCNT成形体23の複数の折り返し部を、導電性の糸で連続的に縫うことにより、当該複数の折り返し部を導通させる。この場合、当該導電性の糸が第1電極21であり、導電性の糸のうちCNT成形体23と接触する部位が第1接続部212となる。第2絶縁板上においても同様に、複数の固定位置上に位置するCNT成形体23の複数の折り返し部を、導電性の糸で連続的に縫うことにより、当該複数の折り返し部を導通させる。この場合、当該導電性の糸が第2電極22であり、導電性の糸のうちCNT成形体23と接触する部位が第2接続部222となる。この場合も、上記と同様に、容易に製造可能な大面積のCNTヒータ1を提供することができる。CNTヒータ1aにおいても同様である。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1,1a CNTヒータ
21,21a 第1電極
22,22a 第2電極
23,23a CNT成形体
24 電極間領域
25 第1領域
26 第2領域
32 下部材
33 上部材
211 第1電極基部
212 第1接続部
221 第2電極基部
222 第2接続部
231 第1成形体
232 第2成形体

Claims (5)

  1. カーボンナノチューブヒータであって、
    複数の第1接続部を有する第1電極と、
    複数の第2接続部を有する第2電極と、
    前記複数の第1接続部および前記複数の第2接続部との間に複数回に亘って交互に接続されるテープ状または線状のカーボンナノチューブ成形体と、
    を備え、
    前記カーボンナノチューブ成形体は、各第1接続部および各第2接続部に機械的に係止されることを特徴とするカーボンナノチューブヒータ。
  2. 請求項1に記載のカーボンナノチューブヒータであって、
    各第1接続部は、平板状の第1電極基部から突出する凸部であり、
    各第2接続部は、平板状の第2電極基部から突出する凸部であり、
    前記カーボンナノチューブ成形体は、前記各第1接続部を側方から挟み込んで前記各第1接続部に係止され、前記各第2接続部を側方から挟み込んで前記各第2接続部に係止されることを特徴とするカーボンナノチューブヒータ。
  3. 請求項1または2に記載のカーボンナノチューブヒータであって、
    前記カーボンナノチューブ成形体を間に挟んで互いに固定されることにより、前記カーボンナノチューブ成形体を内部に収容する一対の収容部材をさらに備え、
    前記一対の収容部材は、接着剤を介在させることなく前記カーボンナノチューブ成形体に直接的に接触することを特徴とするカーボンナノチューブヒータ。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブヒータであって、
    前記カーボンナノチューブヒータに求められるワット密度に基づいて、前記第1電極と前記第2電極との間における前記カーボンナノチューブ成形体の配置形状が決定されることを特徴とするカーボンナノチューブヒータ。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブヒータであって、
    前記カーボンナノチューブ成形体は、
    テープ状または線状の第1成形体と、
    前記第1成形体の端部に接続されるとともに、前記第1成形体よりも単位長さ当たりの抵抗が高いテープ状または線状の第2成形体と、
    を備え、
    前記第1電極と前記第2電極との間の領域は、
    所定の電極間隔を有する第1領域と、
    前記第1領域よりも電極間隔が狭い第2領域と、
    を備え、
    前記第1成形体は、前記第1領域において前記第1電極と前記第2電極との間に接続され、
    前記第2成形体は、前記第2領域において前記第1電極と前記第2電極との間に接続されることを特徴とするカーボンナノチューブヒータ。
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