JP2020180720A - 圧縮機及び圧縮機管理システム - Google Patents

圧縮機及び圧縮機管理システム Download PDF

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善彦 佐川
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Abstract

【課題】圧縮気体を除湿する乾燥機の運転状態を動的に行う。【解決手段】 気体を圧縮する圧縮機本体と、該圧縮機本体を駆動力を供給する駆動源と、前記圧縮機本体1が吐き出す圧縮気体が流れる吐出配管系統と、前記吐出配管系統に接続して前記圧縮気体を除湿する乾燥機と、前記吐出配管系統上で、前記乾燥機の上流側に配置する第1温度センサ及び第1圧力センサの少なくとも一つと、前記吐出配管系統上で、前記乾燥機の下流側に配置する第2温度センサ及び第2圧力センサの少なくとも一つと 制御装置とを備える圧縮機であって、前記制御装置が、前記第1温度センサ及び第1圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値と、前記第2温度センサ及び第2圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値との差分が所定範囲を超えるときに、前記乾燥機が不良と判断するものである。【選択図】図2

Description

本発明は、圧縮機及び圧縮機管理システムに係り、圧縮空気を除湿する乾燥機を備える圧縮機及び圧縮機管理システムに関する。
圧縮気体は、凝縮水発生限界温度以下となると凝縮水を発生する。凝縮水は、圧縮機内部の配管や部品に発錆を起こす原因となるとともに細菌や汚れの原因ともなる。また、圧縮気体中に含有する水分量は圧縮空気を利用する側の機器にも同様な問題招来するおそれがある。これを防ぐために乾燥機を用いて圧縮気体を除湿することが一般に行われている。
乾燥機の故障は上記の問題をもたらすことから、これの管理は圧縮気体の運用上重要である。特許文献1は、圧縮気体除湿装置の管理に関する技術を開示する。ここでは、当該除湿装置が排出する凝縮水の排出経路中に被腐食試験材を備えることで、凝縮水の状態から乾燥機械の機能不全を予兆するようになっている。
特開2007−7540号公報
しかしながら、特許文献1による乾燥装置の管理では、凝縮水の状態を人が監視しなければならず、加えて凝縮水の異常の判断が属人的となる課題がある。また、被腐食試験材によって検知を行うことから、乾燥機の腐食或いは老朽化以外の機能不全を検知できないという課題もある。乾燥機の作動状態を動的かつ精度よく管理する技術が望まれる。
上述の課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を適用する。即ち 気体を圧縮する圧縮機本体と、該圧縮機本体を駆動力を供給する駆動源と、前記圧縮機本体1が吐き出す圧縮気体が流れる吐出配管系統と、前記吐出配管系統に接続して前記圧縮気体を除湿する乾燥機と、前記吐出配管系統上で、前記乾燥機の上流側に配置する第1温度センサ及び第1圧力センサの少なくとも一つと、前記吐出配管系統上で、前記乾燥機の下流側に配置する第2温度センサ及び第2圧力センサの少なくとも一つと、制御装置とを備える圧縮機であって、前記制御装置が、前記第1温度センサ及び第1圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値と、前記第2温度センサ及び第2圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値との差分が所定範囲を超えるときに、前記乾燥機が不良と判断するものである。
更に他の構成を示せば、気体を圧縮する圧縮機本体、前記圧縮機本体に駆動力を供給する駆動源及び制御装置とを少なくとも有する圧縮機と、前記圧縮機と配管を介して接続し、吐き出された圧縮気体を除湿する乾燥機と、前記乾燥機の上流側配管に配置する第1温度センサ及び第1圧力センサの少なくとも一つと、前記乾燥機の下流側配管に配置する第2温度センサ及び第2圧力センサの少なくとも一つと、前記圧縮機、第1温度センサ及び第1圧力センサの少なくとも一つ、前記乾燥機の下流側配管に配置する第2温度センサ及び第2圧力センサの少なくとも一つと、有線・無線の通信線を介して通信可能に接続するサーバ装置とを備える圧縮機管理システムであって、前記サーバ装置が、前記第1温度センサ及び第1圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値と、前記第2温度センサ及び第2圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値との差分が所定範囲を超えるときに、前記乾燥機が不良と判断するものである。
本発明によれば、乾燥機の運転状態を自動且つ客観的に管理することができる。
本発明の他の課題・構成・効果は以下の記載から明らかになる。
本発明を適用した実施例1による圧縮機の構成を示す模式図である。 実施例1による圧縮機の処理を示すフロー図である。 本発明を適用した実施例2による圧縮機システムの構成を示す模式図である。 本発明を適用した実施例3による圧縮機システムの構成を示す模式図である。
以下に、本発明を実施するための実施例について図面を用いて詳細に説明する。
図1に、本発明を適用した一実施例である給油式空気圧縮機100(以下、「圧縮機100」という場合がある。)の構成を模式的に示す。圧縮機100は、圧縮機本体1、気液分離器5、ファン装置8、エアクーラ10、オイルクーラ11、電動機15、インバータ16、制御部17、各種の圧力センサ20、21、22、23、24、25、温度センサ27及び吐出し空気を除湿する乾燥機29(詳細は後述する)を主に備え、これらが筐体40の内部に格納されるパッケージ型の空気圧縮機である。
圧縮機本体1は、給油式且つスクリュー型の圧縮機を適用するものとするが、本発明は水等他の液体を使用する給液式や、容積型或いは回転型の種々の圧縮型式による圧縮機が適用可能である。
圧縮機本体1は、電動機1から回転動力を得ると、吸込みフィルタ2及び吸込み絞り弁3を介して空気を吸込み、これを圧縮室に供給される油とともにスクリューロータで圧縮し、気液分離器5に気液混合の圧縮空気を吐き出すようになっている。
気液分離器5は、衝突式、遠心式又はこれらを併用する一次分離器であり、圧縮機本体1から吐き出された気液混合の圧縮空気から空気と油を分離する。分離された油は気液分離器5の底部に貯留され、圧縮機本体1に還流されるようになっている。気液分離器5の還流路は、温度調整弁12を備え、これによって2系統に分岐される。温度調整弁12は三方弁であり、油の温度が所定温度を超えると、オイルクーラへと接続する流路を開に切り替え、所定温度以下であればオイルクーラをバイパスする流路を開として油を所定の温度帯域に維持するようになっている。
気液分離器5で分離された圧縮空気は、吐出配管系統に流れ、二次フィルタ6、調圧弁7を介してエアクーラ10に流れる。二次フィルタ6は、例えば不織布等の濾過材を有する油フィルタであり、油と一次分離された圧縮空気から更に油分を除去する。調圧弁7は、所定圧力以上で開となる圧力調整弁である。本実施例では調圧弁7として機械式のものを適用するが、制御部17等からの指示に応じた電気・電子式ものを適用してもよい。
エアクーラ10は、空冷式の熱交換器であり、ファン装置8による冷却風との熱交換により圧縮空気を所定の温度帯域に維持する。また、オイルクーラ11も空冷式の熱交換器であり、ファン装置8による冷却風によって共に油の冷却が行われるようになっている。ファン装置8は、電動機による駆動され、後述する制御部17からの指令に応じてインバータ(不図示)により可変速で冷却風の生成を制御することができるようになっている。ファン装置8の駆動により、筐体4の吸込口41から外気が流入し、一部が圧縮機本体1に吸い込まれ、一部がモータ等を冷却した後、エアクーラ10及びオイルクーラ11を介して排風口42から外部に放出されるようになっている。なお、本実施例では冷却装置として空冷式の熱交換器を適用するものとするが、液冷の熱交換器を適用することもできる。この場合、液媒体を搬送するポンプ装置の駆動力を変化させたり、液媒体の配管経路上の弁体を開閉することにより熱交換性能の増減を図ることになる。
また、圧縮機100は、筐体4内や配管系統に圧力センサや温度センサを備える。圧力センサとしては、筐体4の吸込口41内部近傍で、筐体4内部の圧力を検出する圧力センサ20、圧縮機本体1の吸込側(吸込絞り弁3の一次側)に配置して吸込圧力を検出する圧力センサ21、気液分離器5に配置して内部圧力を検出する圧力センサ22(第1圧力センサ)、空気の吐出配管上で二次フィルタ6と調圧弁7との間に配置する圧力センサ23(第1圧力センサ)、空気の吐出配管上でエアクーラ10の下流かつ乾燥機29の上流に配置する圧力センサ24(第1圧力センサ)、そして、後述する乾燥機用熱交換器30の下流側の吐出配管上に配置する圧力センサ26(第2圧力センサ)と、気液分離器5に配置し内部温度を検出する温度センサ27を備える。これら圧力センサや温度センサは電気的に制御部17と通信可能に接続し、検出値に基づいて制御部17により種々の運転制御が行われるようになっている。
電動機15は、圧縮機本体1に駆動力を供給する駆動源である。本実施例ではインバータ16から所定周波数の電力供給を受けて駆動する電動機を例とするが、本発明において、駆動源はこれに限定するものではなく、内燃機関、蒸気機関、風力や水力の自然エネルギーを利用する機関であっても適用することができる。
インバータ16は、制御部17からの周波数指令に応じて所定周波数の電力を生成し、これを電動機15に供給する。なお、本実施例は圧縮機100を可変速制御の圧縮機として説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、速度固定の一定速制御の圧縮機にても適用することができる。
制御部17は、例えば、演算装置と、プログラムとの協働によって種々の機能部を実現し、圧縮機100全体の運転制御を行う。なお、制御部17は、一部がアナログ回路から構成されてもよい。
また、制御部17は、設定圧力や種々の運転条件の入力を受け付ける外部入出力部を備える。例えば、制御部17は所定の設定圧力を受け付けると、圧縮機本体1の駆動時に、インバータ16に駆動に必要な周波数指令を出力し、上述した圧力センサ20、21、22、23、24、25及び温度センサ27の検出値に基づいて当該所定の設定圧力になるように周波数指令値を変更したり、ファン装置8の回転数制御を行ったり、各種弁体の制御を行うようになっている。特に、本実施例では後述する乾燥機29の作動不良を検出した際に、ファン装置8の回転数を増加させ、乾燥機29に流入する圧縮空気温度を低下させる制御を行う点を特徴の一つとする。
次いで、乾燥機29の構成について説明する。乾燥機29は乾燥機用熱交換器30、凝縮器31、ファン装置32、乾燥機用圧縮機33、膨張器34、オートドレン配管35、手動ドレン配管36を主に備えてなる冷凍式の乾燥機である。乾燥機用圧縮機33は、冷媒を圧縮し、高圧・高温の冷媒が凝縮器31に流れる。凝縮器31は、ファン装置32によって筐体4に配置する乾燥機用吸込口から流入する外気で冷媒を冷却する(排風は乾燥機用排風口から排出される。)。冷却された冷媒は膨張器36で流量が絞られ、乾燥機用熱交換器30に流れる。乾燥機用熱交換器30で、アフタクーラ10により予冷された圧縮空気と冷媒とが熱交換を行い、除湿された圧縮空気が吐出配管系統から圧縮機100の外部に供給されるようになっている。また、乾燥機用熱交換器30で発生したドレンは、オートドレン配管34を介して圧縮機100の外部に排出される。なお、手動ドレン配管36は予備配管であり、手動バルブ(不図示)の開閉によってドレンを外部に排出するための配管である。なお、乾燥機29の構成は上記に限定されるものではなく、他の冷凍式乾燥機の構成であってもよい。
乾燥機29の運転制御は、制御部17が行うよ。例えば、乾燥機用圧縮機33やファン装置31の運転制御を行うことで、乾燥機用熱交換器30の熱交換性能を制御するようになっている。
ここで、乾燥機29の不良により除湿が不十分となれば、圧縮空気の利用先(需要先の機器等を含む。)に、水分が多い圧縮空気が流れることとなる。これは、利用先の機器や製品品質に影響がでるのはもとより、空気配管内部の汚れや腐食の原因ともなる。そこで、本実施例の特徴の一つとして、乾燥機用熱交換器30から圧縮機100の外部に至るまでの吐出配管系に温度センサ26を備え、これの検出値と、乾燥機用熱交換器30より上流に配置する圧力センサ22、23、24(第1圧力センサ)や温度センサ27(第1温度センサ)の検出値とを監視して、乾燥機29の動作不良を検出するようになっている。
具体的には、温度センサ26の検出値と、圧力センサ22、23、24の一部又は全部との検出値とから乾燥機の作動不良を検出する場合、乾燥後の圧縮空気温度と圧力センサ22、23、24が配置する位置での圧力と、それに対応する温度の相関を示す情報を制御部17に予め記憶し、これらが所定の閾値を超える場合に乾燥機29の作動不良を検出するようになっている。例えば、アフタクーラ24の下流且つ乾燥機用熱交換器30の間に配置する圧力センサ24の検出値を利用する場合、この圧力に対して予め試験や実験によって得られる圧縮空気の温度を記憶しておき、圧力センサ24の検出圧力に対応する圧縮空気温度と、温度センサ26が検出する乾燥機用熱交換器30を通過した後の圧縮空気温度とを比較し、所定の温度幅乖離する場合に、制御部17が乾燥機不良と判断するようになっている。
乾燥機29を不良と判断した場合、制御部17は乾燥機の異常信号を発報手段に出力する。発報手段としては、制御部17が備える表示装置、スピーカ、振動装置等で視覚・聴覚・触覚によって出力する他、通信I/F部から有線・無線による外部装置(据え置き型や可搬型の端末)に警報を出力する等がある。
また、本実施例の更なる特徴の一つとして乾燥機29の異常(作動不良)を検出したときに、ファン装置8の回転数を増加し、一時的に乾燥機29に流入する前の圧縮空気を過冷却することで乾燥機29の負荷を低減させ、圧縮機100から外部に吐き出す圧縮空気の乾燥を補填する。即ちエアクーラ10で圧縮空気をより冷却したり、オイルクーラ11による油の冷却性を向上させる。これにより、圧縮機100の運転をある程度継続することができる。
また、ファン装置8の過冷却運転は、乾燥機29の下流側に配置する温度センサ26の検出温度が、乾燥機29が正常であるときの温度以下或いはこれを基準とした許容幅の範囲となるまで継続するのが好ましい。乾燥機29の異常が一時的な要因によるものである場合には、圧縮機100を通常運転で継続することができる。
以上の構成を有する圧縮機100の制御の流れを説明する。図2に制御のフローを示す。なお、以下の説明では、乾燥機29下流に配置する温度センサ26と、アフタクーラ10下流側に配置する圧力センサ24との検出値を用いるものとして説明する。また、以下の処理は圧縮機本体1の駆動開始とともに実施してもよいが、所定時間経過後(例えば、運転が安定するまでの時間経過後や、設定圧力を検出した後から)に開始するのが好ましい。
S101で、制御部17は、温度センサ26の検出温度と、圧力センサ24の検出圧力値を取得する。
S103で、制御部17は、圧力と温度の相関情報から圧力センサ24の検出圧力値に対応する温度を参照し、これを温度センサ26の検出温度と比較し、差分が許容範囲内であるかを判断する。許容範囲内であれば(S103:YES)、S101に戻り、許容範囲内ではない場合(S103:NO)は、S105に進む。
S105で、制御部17は、乾燥機29の異常を示す信号を出力し、表示装置等に発報させる。
S107で、制御部17は、ファン装置8の回転数を増加させ(例えば、ファン装置8のインバータに出力周波数増加の指令値を出力或いはファン装置8への供給電力を増加させる信号の出力等)、圧縮空気の過冷却処理を開始する。
S109で、制御部17は、温度センサ26の検出温度と、圧力センサ24の検出圧力を取得し、乾燥機29下流の温度が許容範囲内か否かの判断を行う。許容範囲内ではない場合(S109:NO)、許容範囲内となるまでセンサ検出値の取得と判断を繰り返す(沙割過冷却処理を継続する。他方、許容範囲内となった場合(S109:YES)には、S111に進み、ファン装置8の回転数を通常の回転数とさせ、過冷却処理を終了する。
その後、S113で、所定時間経過後に、再度圧力センサ24と温度センサ26の検出値を取得し、乾燥機29下流の温度が許容範囲内であるか否かを判断する。許容範囲内ではない場合(S113:NO)、S107に戻り、過冷却処理を再開する。他方、許容範囲内である場合(S113:YES)、S115に進み、乾燥機29の異常発報を停止し、再度本処理フローの最初に戻る。
このように本実施例によれば、乾燥機29を通過する空気の入口・出口に配置した圧力センサ24と、温度センサ26とにより乾燥機29の作動不良を精度よく検知することができる。
また、乾燥機29の作動不良を検出した場合に、異常を発報するとともに圧縮空気の過冷却処理を行うため、圧縮機100の運転継続が可能となる。更に、過冷却処理により乾燥機29下流側の温度が許容範囲になった後も、一定時間経過後に、再度乾燥機29下流側の温度を監視し、許容範囲内ではない場合に過冷却運転を再開するため、乾燥機29の作動不良が恒常的な故障である場合でも、除湿された空気を供給し続けることができる。
また、異常の発報は、上記一定時間経過後に再度乾燥機29下流側の温度を監視し、許容範囲内となるまで継続する。このため圧縮機100の使用者や管理者は、圧縮機100が不良の確認中の状態にあることを認識でき、また発報時間の長短によって、乾燥機不良が一時的な要因によるものであるか修理や交換を必要とする故障かを判断することができる。
〈変形例〉
本実施例の変形例を説明する。上記実施例では、乾燥機29下流側の温度センサ26と、エアクーラ10下流側の圧力センサとの検出値から乾燥機29の作動不良の判断を行った。しかしながら両センサの組み合わせはこれに限るものではない。例えば、エアクーラ10下流の圧力センサが温度センサ(第1温度センサ)であってもよい。この場合は、乾燥機29の上流下流の実測温度によって判断できるため不良判断がより正確になるともいえる。
また、乾燥機下流側を温度センサ26に変えて圧力センサ(第2圧力センサ)とすることもできる。冷凍式乾燥機の場合、冷却によって圧縮空気の圧力が僅かに低下する。そこで、圧力センサ24の検出値と同様に、制御部17に圧力と温度の相関情報を記憶しておき、推定温度同士を比較することで乾燥機の作動不良を判断するようにしてもよい。同様に、乾燥機下流側の温度センサ26を圧力センサ(第2圧力センサ)とし、アフタクーラ10の下流側且つ乾燥機上流側の圧力センサ24を温度センサ24(第1温度センサ)とする構成も可能である。
また、上記実施例では、アフタクーラ10下流側の圧力センサ24と、乾燥機下流側の温度センサ26との検出値を使用したが、圧力センサ24に変えて、圧力センサ22、23、温度センサ27を用いてもよい。或いはこれらを圧力センサ24のバックアップセンサとして利用してもよい。例えば、上記S113による、一定時間経過後に乾燥機下流の温度が許容範囲内であるかの判断において、許容範囲内ではないと判断する場合(S113)、圧力センサ24に変えて圧力センサ22の検出値に基づいて再度S113の判断をするようにする等である。センサ故障等にも対応することができる。
本発明の実施例2を説明する。実施例1は、乾燥機29が圧縮機100の筐体4内部に格納された構成例であるが、実施例2は、乾燥機29が圧縮機100の外部に配置する構成であり且つ温度センサ26及び圧力センサ24も圧縮100の外部に配置する構成が相違する。以下、図面を用いて説明する。なお、実施例1と同様の要素は同一符号を付し、詳細な説明を省略する場合がある。
図3に実施例2の構成を模式的に示す。乾燥機29は、圧縮機100の外部に配置し、吐出配管50Aを介して接続される。吐出配管50A上には、圧力センサ24が配置し、有線又は無線の通信線を介して圧縮機100の制御部17と接続される。
乾燥機29の下流側は、除湿された圧縮空気を流れる吐出配管50Bが接続される。吐出配管50B上には、温度センサ26が配置し、有線又は無線の通信線を介して圧縮機100の制御部17と接続される。吐出配管50Bの他方側は空気槽と接続し、その下流側が使用者機器と接続する末端配管となる。
このように、乾燥機29が圧縮機と別体の構成であっても本発明を適用することができる。
なお、圧力センサ24と温度センサ26の組み合わせは実施例1の変形例と同様に変更することができる。
本発明の実施例3を説明する。圧縮機100と乾燥機29の構成及び圧力センサ24と温度センサ26の配置は実施例2と同様であるが、圧力センサ24と温度センサ26の通信接続構成と、乾燥機29の動作不良の制御をネットワーク接続された遠隔サーバ90で行う点が主な相違点である。以下、図面を用いて説明する。なお、他の実施例と同様の要素は同一符号を用いるものと、詳細な説明を省略する場合がある。
圧縮機100は、制御部17と接続された通信アンテナ47を備える。通信アンテナ47は、例えば、LAN71で無線中継器70と有線・無線接続される。無線中継器70はネットワーク100と接続し、サーバ装置90や管理者端末95と接続される。また、圧縮機100の制御部17は、通信モジュールを備え、携帯端末85と近距離無線網(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、NFC等)80で接続され、携帯端末85は、携帯無線網81(3G、4G、LTE、5G等)を介してネットワーク100(インターネット等)と接続される。
本実施例において、圧力センサ24と温度センサ26の検出値はサーバ装置90に出力されるようになっている。サーバ装置90は、実施例1及び2に示す乾燥機29の作動不良を検出処理(図2等)を行い、上記通信線を介して圧縮機100の制御部17に、制御処理指令を出力する遠隔制御を行うようになっている。
具体的には、サーバ装置90は、圧力センサ24と温度センサ26の検出値から乾燥機29の下流側の温度が許容範囲内か否かの判断を行い、許容範囲内でない場合に、上記通信線を介して、圧縮機100、管理者端末95、圧縮機100の使用者等が所持する携帯端末85に乾燥機29が異常である旨の信号を出力し、これらに報知動作を行わせる。
また、サーバ装置90は、乾燥機29の下流側の温度が許容範囲内でない場合、上記通信線を介して、圧縮機100の制御部17に過冷却処理の実行指令値を送信し、圧縮機100に過冷却処理を実行させる。このように遠隔監視の構成においても、本発明を実施することができる。
なお、上記通信接続の構成はこれらに限定するものではなく、任意に変更可能である。
以上本発明を実施するための種々の実施例を説明したが、本発明はこれら構成や処理に限定されるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、他の実施例の構成や処理の一部又は全部を転用乃至置換することも可能である。
また、上記実施例では、給液式の空気圧縮機を例としたが、無給液式の圧縮機にも適用することができる。また圧縮媒体も空気に限定するものではなく他の気体であってもよい。
また、上記実施例では、乾燥機29の動作不良を判断する処理において、乾燥機29の下流側の温度が上流側の温度よりも所定範囲よりも高い場合に、乾燥機29の異常と判断したが、所定範囲よりも低い場合に、乾燥機29の異常と判断するように構成してもよい。即ち乾燥機29の動作不良で過剰運転になっている場合は、乾燥機29の下流側温度は低くなる。この場合、圧縮機100から供給する圧力が過剰に低くなる恐れもある。よって、所定範囲よりも温度が低いときにも異常と判断し、発報するようにしてもよい。なお、この場合、上述した過冷却処理は、冷却不足処理とするようにしてもよい。例えば、ファン装置8の回転数を低下又は停止させる処理である。
1…圧縮機本体、2…吸込フィルタ、3…吸込絞り弁、4…スクリューロータ、5…気液分離器、6…二次フィルタ、7…調圧弁、8…ファン装置、10…エアクーラ、11…吐出配管、12 …温度調整弁、13…オイルクーラ、14…電動機、16…インバータ、17…制御部、18…ベルト、19…圧力センサ、21・22・23・24…圧力センサ、26・27…温度センサ、29…乾燥機、30…乾燥機用熱交換器、31…乾燥機用凝縮器、32…ファン装置、33…乾燥機用圧縮機、34…膨張器、35…オートドレン配管、36…手動ドレン配管、40…筐体、41…吸込口、442…排風口、43…乾燥機用吸込口、44…乾燥機用排風口、47…通信アンテナ、50A・50B…吐出配管、60…空気槽、70…中継無線装置、71…LAN、80…近距離無線網、81…携帯無線網、82…携帯無線サーバ、90…サーバ装置、95…管理者端末、100…ネットワーク

Claims (15)

  1. 気体を圧縮する圧縮機本体と、該圧縮機本体を駆動力を供給する駆動源と、前記圧縮機本体1が吐き出す圧縮気体が流れる吐出配管系統と、前記吐出配管系統に接続して前記圧縮気体を除湿する乾燥機と、前記吐出配管系統上で、前記乾燥機の上流側に配置する第1温度センサ及び第1圧力センサの少なくとも一つと、前記吐出配管系統上で、前記乾燥機の下流側に配置する第2温度センサ及び第2圧力センサの少なくとも一つと、制御装置とを備える圧縮機であって、
    前記制御装置が、
    前記第1温度センサ及び第1圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値と、
    前記第2温度センサ及び第2圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値との差分が所定範囲を超えるときに、前記乾燥機が不良と判断するものである圧縮機。
  2. 請求項1に記載の圧縮機であって、
    前記第2温度センサ及び第2圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値が、
    前記第1温度センサ及び第1圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値よりも所定範囲より高いときに、前記乾燥機が不良と判断するものである圧縮機。
  3. 請求項請求項1に記載の圧縮機であって、
    前記第2温度センサ及び第2圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値が、
    前記第1温度センサ及び第1圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値よりも所定範囲より低いときに、前記乾燥機が不良と判断するものである圧縮機。
  4. 請求項1に記載の圧縮機であって、
    前記制御装置が、前記乾燥機が不良と判断するときに、報知信号を出力するものである圧縮機。
  5. 請求項1に記載の圧縮機であって、前記圧縮空気を冷却する熱交換装置を前記吐出配管系統上に備え、
    前記制御装置が、前記乾燥機が不良と判断するときに、前記熱交換装置の冷却性能を向上させるものである圧縮機。
  6. 請求項5に記載の圧縮機であって、
    前記制御装置が、前記第1温度センサ及び第1圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値と、
    前記第2温度センサ及び第2圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値との差分が所定範囲内となるまで前記熱交換装置の冷却性能を向上させるものである圧縮機。
  7. 請求項5に記載の圧縮機であって、
    前記制御装置が、前記第1温度センサ及び第1圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値と、
    前記第2温度センサ及び第2圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値との差分が所定範囲内になると、向上させた前記熱交換装置の冷却性能を下げるものである圧縮機。
  8. 請求項1に記載の圧縮機であって、
    前記制御装置が、前記第1圧力センサが検出する圧力に対応する温度情報を予め記憶し、
    前記第1圧力センサと第2温度センサの検出値から前記乾燥機の不良を判断するときに、
    前記温度情報と、前記第2温度センサが検出する温度から前記乾燥機の不良を判断するものである圧縮機。
  9. 請求項1に記載の圧縮機であって、
    前記制御装置が、前記第1圧力センサが検出する圧力に対応する温度情報と、前記第2圧力センサが検出する圧力に対応する温度情報とを予め記憶し、
    前記第1圧力センサと第2圧力センサの検出値から前記乾燥機の不良を判断するときに、前記第1圧力センサが検出する圧力に対応する温度情報と、前記第2圧力センサが検出する圧力に対応する温度情報とから前記乾燥機の不良を判断するものである圧縮機。
  10. 請求項1に記載の圧縮機であって、
    前記圧縮機本体が、容積型又は回転型の圧縮機構を備えるものであり、給液式又は無給液式の圧縮機本体である圧縮機。
  11. 気体を圧縮する圧縮機本体、前記圧縮機本体に駆動力を供給する駆動源及び制御装置とを少なくとも有する圧縮機と、前記圧縮機と配管を介して接続し、吐き出された圧縮気体を除湿する乾燥機と、前記乾燥機の上流側配管に配置する第1温度センサ及び第1圧力センサの少なくとも一つと、前記乾燥機の下流側配管に配置する第2温度センサ及び第2圧力センサの少なくとも一つと、前記圧縮機、第1温度センサ及び第1圧力センサの少なくとも一つ、前記乾燥機の下流側配管に配置する第2温度センサ及び第2圧力センサの少なくとも一つと、有線・無線の通信線を介して通信可能に接続するサーバ装置とを備える圧縮機管理システムであって、
    前記サーバ装置が、
    前記第1温度センサ及び第1圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値と、
    前記第2温度センサ及び第2圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値との差分が所定範囲を超えるときに、前記乾燥機が不良と判断するものである圧縮機管理システム。
  12. 請求項11に記載の圧縮機管理システムであって、
    前記サーバ装置が、
    前記第2温度センサ及び第2圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値が、
    前記第1温度センサ及び第1圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値よりも所定範囲より高いときに、前記乾燥機が不良と判断するものである圧縮機管理システム。
  13. 請求項11に記載の圧縮機管理システムであって、
    前記第2温度センサ及び第2圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値が、
    前記第1温度センサ及び第1圧力センサの少なくとも一つが検出する温度値又は圧力値よりも所定範囲より低いときに、前記乾燥機が不良と判断するものである圧縮機管理システム。
  14. 請求項11に記載の圧縮機管理システムであって、
    前記制御装置が、前記乾燥機が不良と判断するときに、報知信号を出力するものである圧縮機管理システム。
  15. 請求項11に記載の圧縮機管理システムであって、
    前記圧縮機が、前記圧縮空気を冷却する熱交換装置を前記吐出配管系統上に備え、
    前記サーバ装置が、前記乾燥機が不良と判断するときに、前記熱交換装置の冷却性能を増加させるものである圧縮機管理システム。
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