JP2020180556A - 防音箱の防水構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】防音箱の合わせ目部分に生じた段差を介した雨水の浸入を防止する。【解決手段】シール材を挟持して防水する防音箱1の合わせ目部分において,シール材62a,62bが圧接される圧接面が,垂直面である仕切板50の側面51と,該垂直面に重ね合わせた板状部材である上部フランジ222,232により構成されており,上部フランジ222,232の上辺222a,232a及び側辺222b,232b部分に,段差が形成されている構成において,上部フランジ222,232の上辺222a,232aと側辺222b,232bとが交叉する角部C,及び該角部Cから所定範囲の前記側辺222b,232bを,シール材62a,62bの接触幅内に配置して,シール材62a,62bの前記接触幅内に,高さ方向を長さ方向とすると共に,少なくとも上端を水平方向に屈曲させた隙間δを形成する。【選択図】図4

Description

本発明は,圧縮機や発電機等の作業機に使用する防音箱の防水構造に関する。
圧縮機や発電機等の作業機は,作動時の騒音が機外に漏出することを防止するために,一般に構成機器を防音箱内に収容した防音型作業機として構成されている。
このような防音型作業機は,防音箱内に収容されてパッケージ化されていることから,運搬や設置が容易であり,建設工事現場や土木工事現場等の屋外において使用される機会も多い。
また,プラントや工場設備等においても,屋内空間の有効活用を図るために,このような防音型作業機を屋外に設置し,防音型作業機で発生した例えば圧縮気体のみを配管によって工場の屋内に引き込んで使用する場合もある。
このように,屋外に設置されて使用される防音型作業機の防音箱には,収容機器の作動音等の騒音が機外に漏出することを防止する防音性あるいは遮音性が要求されるだけでなく,内部に収容した機器を雨水等より保護するための,防水性も要求される。
その一方で,内部に収容した機器の保守や点検を可能とするために,防音箱には点検窓が設けられている他,壁体や天板の全部または一部を取り外せるようにしておく必要があり,その結果,点検窓に設けた戸当りと点検扉の合わせ目部分,壁体同士の合わせ目部分,及び壁体と天板の合わせ目部分等に,機内への雨水の浸入経路となる隙間が生じ得る。
そのため,これらの隙間を介して防音箱内に雨水が浸入することを防止するために,合わせ目を構成する一方の部材に,ゴムやエラストマー,発泡樹脂等の弾性体から成る,例えば帯状のシール材を貼着すると共に,他方の部材に設けた圧接面にこのシール材を圧接することで,両部材間でシール材を挟持することにより,前述した隙間を介した雨水の浸入が防止されている。
一例として,図10に示す防音箱100では,防音箱100内を仕切板150によって二室に分割すると共に,防音箱100の四面を囲む壁体のうち,前面壁120と直交する一方の側壁130に設けた当り板131と仕切板150の側面151間,及び仕切板150の側面151と他方の側壁の当り板(図示せず)間にフロントカバー122を架設し,フロントカバー122の底辺より下方に伸びる下部フランジ127,防音箱100の前記一方及び他方の側壁130の当り板131,及び仕切板150の側面151によって,前面点検扉121a〜121cの背面と突合する戸当りが形成されている。
そして,前面点検扉121a〜121cの背面周縁部に取り付けたシール材161a〜161cが,前述の戸当りに圧接されるように前面点検扉121a〜121cを防音箱100に取り付けることで,戸当りと前面点検扉121a〜121cの背面間の隙間がシールされて,該部分を介した雨水の浸入が防止されている。
また,図10に示す防音箱100では,更に,フロントカバー122の上辺に沿って設けた上部フランジ126と,防音箱100の前記一方及び他方の側壁130に設けた当り板131,及び仕切板150の側面151によって,上部フロントカバー124の背面と突合する取付枠が形成されており,上部フロントカバー124の背面に取り付けたシール材162a,162bが,上部フランジ126と側壁130の当り板131,及び仕切板150の側面151から成る取付枠に圧接されるように上部フロントカバー124を取り付けることで,取付枠と上部フロントカバー124の背面間の隙間がシールされて,この部分を介した雨水の浸入が防止されている。
しかし,上記構成の防音箱100では,シール材161a〜161c,162a,162bを圧接する圧接面である前述の戸当りや取付枠は,仕切板150の側面151や当り板131等の垂直面に,フロントカバー122の下部フランジ127や上部フランジ126等の板状部材を重ね合わせて構成されている。
そのため,一例として,図11に示した,仕切板150の側面151とフロントカバー122の上部フランジ126との重なり部分には,上部フランジ126の板厚によって,上部フランジ126の上辺126aに沿って,仕切板150の側面151との間に段差Sが生じている。
その結果,上部フロントカバー124の背面に取り付けたシール材162a,162bを,仕切板150の側面151と上部フランジ126が重なる部分に圧接しても,シール材162a,162bがこの段差S内に完全に入り込むことができず,図12に示すように,上部フランジ126の上辺126aに沿って,シール材162a,162bを横断する隙間δが形成される。
その結果,図12中に矢印で示すように,仕切板150の側面151を伝ってシール材162a,162b間を流れ落ちた雨水が,この隙間δの発生位置に到達すると,雨水はこの隙間δを介して防音箱100内に浸入して,内部に収容されている機器を濡らすおそれがある。
なお,シール材161,162を圧接した際にこのような隙間δを生じさせる前述の段差Sは,仕切板150の側面151と上部フランジ126との重なり部分に生じるのみならず,側壁130の当り板131と上部フランジ126の重なり部分にも生じ,また,側壁130の当り板131や仕切板150の側面151と下部フランジ127との重なり部分においても生じる。
このうち,フロントカバー122の下部フランジ127の底辺127cに沿って形成される段差部分に生じた隙間δを介した雨水の浸入を防止するための構造として,後掲の特許文献1は,図13に示すように,当り板131と重なる部分で,かつ,シール材161aと接触する部分において,下部フランジ127の底辺127cの一部を切除する切欠190を形成し,該切欠190の機内側の側辺192に,段差部に生じた隙間δを介して機内側に浸入した雨水を下向きの流れに変化させて下方に排出する止水面193を形成することで,雨水の浸入を防止することを提案する。
特許第6212397号公報
前述したように下部フランジ127の底辺127cの一部を切除する切欠190を形成して,切欠190の機内側の側辺192を止水面193とした前掲の特許文献1に記載の防水構造(図13参照)では,段差部に生じた隙間δを介して機内側に浸入した雨水を,止水面193によって下向きの流れに変化させて当り板131に沿って流下させることで,雨水が更に防音箱の内部に浸入することを防止している。
しかし,このような防水構造は,前述したようにフロントカバー122の下部フランジ127の底辺127c部分に生じた段差のように,垂直面に重なる板状部材の底辺に沿って生じた段差部に生じた隙間を介した雨水の浸入を阻止する際には有効であるが,フロントカバー122の上部フランジ126の上辺126a部分に同様の切欠を設けても,隙間δを介して機内に浸入した雨水を,下向きの流れに変化させる止水面を形成することができず,これを,垂直面に重なる板状部材の上辺に生じた段差を介した雨水の浸入の防止に転用することができない。
そこで本発明は,比較的簡単な構造でありながら,垂直面に重なる板状部材の上辺部分に生じた段差によって雨水が防音箱内に浸入することを防止し得る,防音箱の防水構造を提供することを目的とする。
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と,発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
上記目的を達成するために,本発明の防音箱1の防水構造は,
防音箱1に生じた合わせ目を構成する一方の面(実施形態では上部フロントカバー25,26の背面)にシール材62a,62bを取り付けると共に,他方の面(実施形態では取付枠71,72)を,前記シール材62a,62bが圧接される圧接面として,前記一方の面と前記他方の面との間で,シール材62a,62bを挟持する防音箱の防水構造において,
前記圧接面(取付枠71,72)が,垂直面(実施形態において防音箱1の側壁30,30’に設けた当り板31,又は仕切板50の側面51)と,該垂直面に重ね合わせた板状部材(実施形態においてフロントカバー22,23の上部フランジ222,232)により構成されており,前記垂直面と重なる部分の前記板状部材(上部フランジ222,232)の上辺222a,232a及び側辺222b,232b部分に,前記垂直面(側壁30,30’の当り板31,仕切板50の側面51)との段差が形成されており,
前記板状部材(上部フランジ222,232)の前記上辺222a,232aと前記側辺222b,232bとが交叉する角部C,及び該角部Cから所定範囲の前記側辺222b,232bを,前記圧接面71,72に対する前記シール材62a,62bの接触幅内に配置して,前記シール材62a,62bの前記接触幅内に,前記側辺222b,232bと前記上辺222a,232aに沿って,高さ方向を長さ方向とすると共に,少なくとも上端を水平方向に屈曲させた隙間δを形成したことを特徴とする(請求項1)。
前記隙間δは,毛管現象による雨水の上昇高さを超える高さに形成することが好ましい(請求項2)。
前記板状部材(上部フランジ222,232)の前記側辺222b,232bを,略全長に亘って前記シール材62a,62bの接触幅内に配置するものとしても良い(請求項3)。
また,前記角部Cを鋭角として,前記シール材62a,62bの前記接触幅内に配置される前記側辺222b,232bを傾斜させるものとしても良い(請求項4;図8参照)。
更に,前記シール材62a,62bの前記接触幅内に配置される前記側辺222b,232bを,クランク形状とするものとしても良い(請求項5;図9参照)。
以上で説明した本発明の構成により,本発明の防音箱1の防水構造では,以下の顕著な効果を得ることができた。
前記板状部材(上部フランジ222,232)の上辺222a,232aと側辺222b,232bとが交叉する角部C,及び該角部Cから所定範囲の側辺222b,232bを前記圧接面(取付枠71,72)に対する前記シール材62a,62bの接触幅内に配置することで,シール材62a,62bの接触幅内に形成される隙間δは,側辺222b,232bに沿って,高さ方向に形成されると共に,板状部材(上部フランジ222,232)の上辺222a,232aに沿ってその上端が水平方向に屈曲形成されたものとなる。
このようにシール材62a,62bの接触幅内に形成される隙間δは,高さ方向に形成されると共に上端を水平方向に屈曲したものとなることから,雨水は,重力に抗して隙間内を上昇し,かつ,通過し難い屈曲した隙間を通過しなければ防音箱1内に到達することができず,図12を参照して説明したように,水平方向に直線状の隙間δが形成されている場合に比較して,該隙間δを介した雨水の浸入を生じ難くすることができた。上記隙間δの高さを,毛管現象による雨水の上昇高さを超える高さとなるように形成した場合には,隙間δの下端が雨水内に浸かってしまう程の大量の雨水が隙間δの下端位置に導入された場合であっても,この雨水は,この隙間δをその上端位置まで上昇することができず,その結果,防音箱内に対する雨水の浸入をより好適に防止することができた。
特に,板状部材(上部フランジ222,232)の側辺222b,232bを上端部分のみならず,略全長に亘って前記シール材62a,62bの接触幅内に配置した構成では,シール材62a,62bの接触幅内に形成される縦方向の隙間δの長さを更に長く(高く)することができ,雨水の浸入をより確実に防止することができた。
前記角部Cを鋭角として,シール材62a,62bの接触幅内に配置される側辺222b,232bを傾斜させた構成,及び,前記接触幅内に配置される部分の前記側辺222b,232bを,クランク形状とした構成では,この側辺222b,232bに沿って形成される隙間δの形状を,水が通過し難い形状とすることができ,防音箱1内への雨水の浸入がより一層生じ難い構造とすることができた。
本発明の防水構造が適用される防音箱の斜視図。 本発明の防水構造が適用される防音箱の分解斜視図。 上部フロントカバー用の取付枠の部分斜視図(仕切板の側面と上部フランジの重合部分)。 本発明の防水構造(仕切板の側面と上部フランジの重合部分)の説明図。 図4のV−V線拡大断面図。 シール材を接触させた状態の上部フロントカバー用の取付枠の部分斜視図(側壁の当り板と上部フランジの重合部分)。 本発明の防水構造(側壁の当り板と上部フランジの重合部分)の説明図。 本発明の防水構造(仕切板の側面と上部フランジの重合部分)の変形例の説明図。 本発明の防水構造(仕切板の側面と上部フランジの重合部分)の別の変形例の説明図。 従来の防水構造を備えた防音箱の分解斜視図。 仕切板の側面と上部フランジの重合部分の斜視図。 従来の防水構造(仕切板の側面と上部フランジの重合部分)の説明図。 特許文献1に記載の防水構造の説明図(特許文献1の図2に対応)であり,(A)は側面図,(B)は正面図,(C)は(B)のC−C線断面図。
以下に,添付図面を参照しながら本発明の防水構造を備えた防音箱について説明する。
図1中の符号1は,本発明の防水構造が適用される防音箱であり,図1に示す実施形態において,この防音箱1は,内部に収容する機器を載置する基台として機能する平面視矩形状のフレーム10と,このフレーム10の四辺よりそれぞれ立設された4枚の壁体20,20’,30,30’と,これらの壁体20,20’,30,30’によって囲まれた空間の上部を覆う天板40を備えている。
このように,フレーム10上に載置された圧縮機や発電機等の作業機の構成機器(図示せず)を壁体20,20’,30,30’と天板40によって覆うことで,機外への騒音の漏出が図られていると共に,内部に収容された構成機器が直接,風雨に曝されることがないように構成されている。
図示の実施形態では,前述の壁体20,20’,30,30’と天板40とによって囲まれた防音箱1内の空間を,仕切板50によって2室に仕切ると共に(図2参照),壁体20,30のうち,防音箱1の前面を成す壁体である前面壁20に,前面点検扉21(21a〜21c)を設け,この前面点検扉21(21a〜21c)の着脱によって,防音箱1の前面を開閉できるようにしている。
このような前面点検扉21(21a〜21c)による前面壁20の開閉を可能とするために,前面壁20に対し直交方向に配置された側壁30の幅方向の両端には,垂直方向の壁面である当り板31が設けられていると共に,一方の側壁30の当り板31と,前記仕切板50の側面間に第1フロントカバー22を水平方向に架設すると共に,前記仕切板50の側面51と他方の側壁30’の当り板31間に第2フロントカバー23を水平方向に架設している。
この第1フロントカバー22及び第2フロントカバー23は,いずれも,防音箱1の内側に向かって開口する断面コ字状の溝型を成す本体221,231と,この本体221,231の上縁部分より上向きに突出する板状部材である上部フランジ222,232と,下縁部分より下向きに突出する板状部材である下部フランジ223,233を備えており,上部フランジ222,232と下部フランジ223,233の両端部分が,垂直面である前記当り板31及び仕切板50の側面51に重ね合わされると共に固定されている。
これにより,第1フロントカバー22の下部フランジ223と,一方の側壁30の当り板31,及び仕切板50の側面51によって,前面点検扉21a,21bの背面周縁部が突合される戸当りが形成されていると共に,第2フロントカバー23の下部フランジ233と,仕切板50の側面51,及び他方の側壁30’に設けた当り板31によって,点検扉21c背面周縁部が突合される戸当りが形成されている。
従って,前面点検扉21a〜21cの背面周縁部に取り付けたシール材61a〜61cが,前述の戸当りに圧接されるように前面点検扉21a〜21cを防音箱1に取り付けることで,前面点検扉21a〜21cの背面と戸当り間でシール材61a〜61cを挟持することにより,この部分の防水が図られている。
また,前述の第1フロントカバー22の上部フランジ222と,一方の側壁30の当り板31,及び仕切板50の側面51によって,第1上部フロントカバー25の取付枠71が形成されていると共に,第2フロントカバー23の上部フランジ232と,仕切板50の側面51,及び他方の側壁30’に設けた当り板31によって,第2上部フロントカバー26の取付枠72が形成されており,第1上部フロントカバー25及び第2上部フロントカバー26の背面に取り付けたシール材62a,62bが,前述の取付枠71,72に圧接されるように,第1上部フロントカバー25及び第2上部フロントカバー26を防音箱1に取り付け,第1上部フロントカバー25及び第2上部フロントカバー26の背面と,取付枠71,72間でシール材62a,62bを挟持することで,この部分の防水が図られている。
以上のように構成された上部フロントカバー25,26の取付枠71,72は,側壁30に設けた当り板31や,仕切板50の側面51等の垂直面に,フロントカバー22,23より上向きに突出する板状部材である上部フランジ222,232を重ね合わせることにより形成したものであることから,側壁30の当り板31や仕切板50の側面51と,上部フランジ222,232との重なり部分では,上部フランジ222,232の上辺222a,232a及び側辺222b,232b部分に,上部フランジ222,232の肉厚に応じた段差Sが発生している(側壁50の側面51とフロントカバー22,23の上部フランジ222,232の重なり部分につき図3参照)。
そのため,図12を参照して説明したように,上部フランジ222,232の上辺222a,232aが,シール材62a,62bの幅方向を横断するようにシール材62a,62bを取付枠71,72に圧接させると,この段差Sによって,シール材62a,62bを横断する隙間δが形成されるため,この隙間δを介して防音箱1内に雨水が浸入する。
そこで,本発明の防水構造では,上部フランジ222,232の上辺222a,232aと側辺222b,232bとが交叉する角部Cと,この角部Cから所定範囲の側辺222b,232b(実施形態において側辺222b,232bの略全長)を,取付枠71,72に対するシール材62a,62bの接触幅内に配置する構成を採用している。
このように構成することで,図4に示すように,シール材62a,62bの接触幅内に配置された側辺222b,232bと上辺222a,232aに沿って,シール材62a,62bの接触幅内には,高さ方向を長さ方向と成すと共に,上端が水平方向に屈曲された隙間δが形成される。
従って,シール材62a,62bの取り付けによっても,この隙間δを介して防音箱1の内外が連通している点は,図12を参照して説明した従来の防水構造と共通する。
しかし,本発明の防水構造では,隙間δが,高さ方向に形成されていること,及びその上端が水平方向に屈曲されていることで,雨水は,重力に抗して隙間δ内を上端位置まで上昇すると共に,屈曲して通過し難い隙間δを通過しなければ防音箱1内に浸入することができず,図12を参照して説明した水平方向に直線状の隙間δが形成されている場合に比較して,この隙間δを介した雨水の浸入が生じ難い構成となっている。
特に,この隙間δの高さを,毛管現象による雨水の上昇高さを超える高さに形成することで,シール材62a,62bの接触幅内に生じた隙間δを介して雨水が防音箱1内に浸入することをより確実に防止できるものとなっている。
この縦方向の隙間δの高さである,毛管現象による雨水の上昇高さを超える高さは,これを実験的に求めるものとしても良いが,例えば上部フランジ222,232の板厚に基づいて,以下のように計算によって求めるものとしても良い。
毛管現象による水の吸い上げは,表面張力によって毛管内の水を引き上げようとする力と,吸い上げられた水の重さが釣り合う高さとなるまで行われる。
ここで,上部フランジ222,232の側辺222b,232bをシール材62a,62bの接触幅内に配置した際に,この側辺222b,232bに沿って形成される隙間δの断面形状が,上部フランジ222,232の板厚rに対応する長さの二辺を有する直角二等辺三角形であると仮定すると,高さHまで上昇した水柱の重量Wは,
W=Hρgr/2
ρ:水の密度,g:重力加速度
となる。
一方,表面張力によって毛管内の水を引き上げようとする力Pは,
P=(2r+r×√2)×Tcosθ
T:表面張力,θ:接触角
となる。
従って,高さHに上昇した水柱の重量Wと,表面張力によって毛管内の水を引き上げようとする力Pが釣り合うと,
Hρgr2/2=(2r+r×√2)×Tcosθ
となる。
従って,毛管現象による水の吸い上げ高さHは,
H=(4r+2r×√2)×Tcosθ/ρgr2
となる。
ここで,防音箱の塗装膜が,ガラス並みの高い親水性を有し,接触角θが10°という低い値を示したと仮定すると,
水の表面張力T=0.0728N/m(20℃)
水の密度ρ=1000kg/m3
重力加速度g=9.80665m/s2 より,
H=(4r+2r×√2)×Tcosθ/ρgr2≒4.9921×10-5/r(m2)〔式1〕
となる。
一般に,防音箱の表面を覆う塗装膜は,ガラスに比較して親水性が低く,接触角θは上記計算で代入した10°よりも大きくなるため,実際に隙間δ内を上昇する水の高さHは,上記〔式1〕によって求まる高さHよりも低くなる。
また,上記の計算では,隙間δの断面(毛管の断面)を,上部フランジ222,232の板厚rを長さとする二辺を有する直角二等辺三角形であると仮定して計算したが,実際の隙間δの断面は,図5に示すように上部フランジ222の板厚rによって形成される一辺に対し,垂直面である仕切板50の側面51によって形成される一辺の方が長くなるため,隙間δの断面積は,より大きなものとなる。
そして,毛管は,断面積が大きくなる程,液体の吸い上げ高さが低くなることから,この点においても,実際の隙間δ内を上昇する水の高さは,上記の〔式1〕によって求まる高さHよりも低くなる。
従って,上記〔式1〕により求まる高さは,実際の吸い上げ高さに対し十分に余裕を持った値となっており,上部フランジ222,232の側辺222b,232b部分に形成される垂直方向の隙間δを,前掲の〔式1〕によって求まる高さHを超える高さに形成することで,上部フランジ222,232の側辺222b,232bや上辺222a,232a部分に生じた隙間δを介した防音箱1内に対する雨水の浸入を防止することができる。
一例として,上部フランジ222,232の板厚rが1.2mmである場合に上記の〔式1〕によって求められる高さHは41.6mmとなるが,本実施形態では,上部フランジ222,232の板厚を1.2mmとした構成において,上部フランジ222,232の側辺222b,232bの長さを47.8mmとし,図4に示すようにこの側辺222b,232bを略全長に亘ってシール材62a,62bの接触幅内に配置することで,シール材62a,62bの接触幅内に,毛管現象による水の吸い上げ高さに対し十分に余裕のある長さで縦方向の隙間δを形成している。
これにより,本実施形態では,機内より機外に向けて冷却風を吐き出す吹き出し式の冷却ファンを備えた防音箱1,従って,防音箱1内が僅かに負圧となる構造の防音箱1に本発明の防水構造を適用しているが,該部分を介した雨水の浸入は確認できなかった。
図4に示す実施形態の防水構造は,垂直面である仕切板50の側面51と,板状部材である第1フロントカバー22の上部フランジ222の上端角部C及び側辺222bを第1シール材62aの接触幅内に配置すると共に,第2フロントカバー23に設けた上部フランジ232の上端角部Cと側壁232bとを第2シール材62bの接触幅内に配置して,本発明の防水構造を左右対称に設けた構成を示している。
この構成では,第1フロントカバー22の上部フランジ222を,本体221の全長に対し僅かに短く形成すると共に,第2フロントカバー23の上部フランジ232についても本体231の全長に対し僅かに短く形成して,第1フロントカバー22の上部フランジ222の側辺222bと,第2フロントカバー23の上部フランジ232の側辺232b間に,適当な間隔が形成されるように構成している。
これにより,第1シール材62aの幅方向の接触幅内に第1フロントカバー22の上部フランジ222の側壁222bを配置すると共に,第2シール材62bの接触幅内に第2フロントカバー23の上部フランジ232の側壁232bを配置しても,第1シール材62aと第2シール材62bが干渉しないようにしている。
なお,本実施形態では,フロントカバーを,第1フロントカバー22と第2フロントカバー23から成る2ピース構造として説明したが,第1フロントカバー22と第2フロントカバー23を一体的に形成されていても良い。
この場合,第1フロントカバー22と第2フロントカバー23の境界位置において上部フランジ222,223に切欠を設けて,前述した側辺222b,232bを設けるものとしても良い。
また,本発明のシール構造は,図4を参照して説明したように,垂直面である仕切板50の側面51に重ね合わせたフロントカバー22,23の上部フランジ222,232の端縁部分に生じた段差のみならず,図6及び図7に示すように,垂直面である側壁30’の当り板31に重ね合わせたフロントカバー23の上部フランジ232の端縁部分に生じた段差を介した雨水の浸入を防止する防水構造としても適用可能である。
この場合においても,図4を参照して説明したと同様,フロントカバー(図6及び図7の例では第2フロントカバー23)の本体231の全長に対し,上部フランジ232の全長を僅かに短く形成して,上部フランジ232の側辺232bを側壁に設けた枠板32より離して配置し,シール材62bの接触幅の範囲内に上部フランジ232の角部Cと側辺232bを配置した場合であっても,シール材62bが側壁30’の枠板32と干渉しないように構成している。
なお,図4,図6及び図7を参照して説明した防水構造では,フロントカバー22,23の上部フランジ222,232の側辺222a,232aを,垂直に設けた例について示したが,上部フランジ222,232の側辺222b,232bは,この構成に限定されず,図8に示すように上部フランジ222,232の上辺222a,232aと側辺222b,232bとが交わる角部Cを鋭角に形成して,側辺222b,232bを傾斜させて形成し,この角部Cと側辺222b,232bを,シール材62a,62bの接触幅内に配置した際,上部フランジ222,232の側辺222b,232bに沿って傾斜した隙間δが形成されるようにして良い。
また,図9に示すように,フロントカバー22,23の上部フランジ222,232の側辺222b,232bをクランク形状に形成し,上部フランジ222,232の角部C,Cと側辺222b,232bをシール材62a,62bの接触幅内に配置した際に,側辺222b,232bに沿ってクランク状の隙間δが形成されるように構成するものとしても良い。
このように構成することで,上部フランジ222,232の側辺222b,232bに沿って形成された隙間δを介して防音箱1内に浸入しようとする雨水は,斜め又はクランク状に折れ曲がった隙間δ内を上昇しなければ防音箱1内に浸入することができず,図4,図6及び図7を参照して説明した垂直な隙間δを形成する場合に比較して,防音箱1内に,雨水がより浸入し難い構造となっている。
図12を参照して説明したように,シール材162a,162bを水平方向に横断する隙間δが形成されている場合,水平方向に形成された隙間δでは,該隙間δに雨水が到達すると,この雨水は,隙間δを介して容易に防音箱1内に浸入し得る。
しかし,図4〜9を参照して説明した本発明の防水構造のように,このような隙間δに高さ方向を長さ方向とする部分が形成されていることで,雨水は,重力に逆らって隙間δ内を上昇しなければ防音箱1内に浸入することができず,また,この隙間δは,上端を水平方向に屈曲させた形状となっているため,隙間δ内に浸入した雨水は,屈曲して通過し難い隙間δ内を通過しなければ防音箱1内に浸入することができず,この点においても,雨水が浸入し難い構造となっている。
なお,この隙間δが比較的狭い空間として形成されており,かつ,隙間δの下端が雨水内に浸かってしまう程大量の雨水が隙間δの下端に導入される状態では,毛管現象によって雨水は隙間δ内に吸い込まれると共に,表面張力によって雨水を持ち上げる力と,上昇した雨水の重量とが釣り合位置まで上昇する。
しかし,このような場合であっても,前述の隙間δを,毛管現象による雨水の上昇高さを超える高さに形成しておけば,雨水が毛管現象によって隙間δ内に吸い上げられたとしても吸い上げられた雨水は,隙間δの上端位置まで上昇することができず,防音箱1内に浸入することができない。
しかも,このような雨水の浸入を防止し得る防水構造を,上部フランジ222,232の上辺222a,232aと側辺222b,232bとが交わる角部C,Cと,この角部C,Cから所定範囲内における側辺222b,232bを,シール材62a,62bの接触幅内に配置するという比較的簡単な構成の採用によって実現することができた。
1 防音箱
10 フレーム
20,20’ 前面壁(壁体)
21(21a〜21c) 前面点検扉
22 フロントカバー(第1フロントカバー)
221 本体(第1フロントカバーの)
222 上部フランジ(第1フロントカバーの)
222a 上辺(第1フロントカバーの上部フランジの)
222b 側辺(第1フロントカバーの上部フランジの)
223 下部フランジ(第1フロントカバーの)
224 段部(第1フロントカバーの)
23 フロントカバー(第2フロントカバー)
231 本体(第2フロントカバーの)
232 上部フランジ(第2フロントカバーの)
232a 上辺(第2フロントカバーの上部フランジの)
232b 側辺(第2フロントカバーの上部フランジの)
233 下部フランジ(第2フロントカバーの)
234 段部(第2フロントカバーの)
25 上部フロントカバー(第1上部フロントカバー)
26 上部フロントカバー(第2上部フロントカバー)
30,30’ 側壁(壁体)
31 当り板
32 枠板
40 天板
50 仕切板
51 側面(仕切板の)
61(61a,61b) シール材(前面点検扉用)
62(62a,62b) シール材(上部フロントカバー用)
71,72 取付枠
100 防音箱
120 前面壁
121(121a〜121c) 前面点検扉
122 フロントカバー
124 上部フロントカバー
126 上部フランジ
126a 上辺(上部フランジの)
127 下部フランジ
127c 底面(下部フランジの)
130 一方の側壁
131 当り板
150 仕切板
151 側面
161a〜161c シール材(前面点検扉用)
162a,162b シール材(上部フロントカバー用)
190 切欠
192 機内側の側辺(切欠の)
193 止水面
δ 隙間
C 角部
S 段部

Claims (5)

  1. 防音箱に生じた合わせ目を構成する一方の面にシール材を取り付けると共に,他方の面を,前記シール材が圧接される圧接面として,前記一方の面と前記他方の面との間で,シール材を挟持する防音箱の防水構造において,
    前記圧接面が,垂直面と,該垂直面に重ね合わせた板状部材により構成されており,前記垂直面と重なる部分の前記板状部材の上辺及び側辺部分に,前記垂直面との段差が形成されており,
    前記板状部材の前記上辺と前記側辺とが交叉する角部,及び該角部から所定範囲の前記側辺を,前記圧接面に対する前記シール材の接触幅内に配置して,前記シール材の前記接触幅内に,前記側辺と前記上辺に沿って,高さ方向を長さ方向とすると共に,少なくとも上端を水平方向に屈曲させた隙間を形成したことを特徴とする防音箱の防水構造。
  2. 前記隙間を,毛管現象による雨水の上昇高さを超える高さに形成したことを特徴とする請求項1記載の防音箱の防水構造。
  3. 前記板状部材の前記側辺を略全長に亘って前記シール材の接触幅内に配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の防音箱の防水構造。
  4. 前記角部を鋭角として,前記シール材の前記接触幅内に配置される前記側辺を傾斜させたことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の防音箱の防水構造。
  5. 前記シール材の前記接触幅内に配置される前記側辺を,クランク形状としたことを特徴とする請求項1〜4いずれか1記載の防音箱の防水構造。

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