JP2020179830A - 転舵制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者による転舵角の大きさを大きくしようとする力の大きさを小さい側に制限できるようにした転舵制御装置を提供する。【解決手段】操舵操作量算出処理M16により操舵トルクThを目標操舵トルクTh*にフィードバック制御するための操作量としての操舵操作量Ts*が算出される。操舵操作量Ts*と操舵トルクThとの和である軸力Tafを入力として規範モデル演算処理M20において、ピニオン角指令値θp*が算出される。規範モデル演算処理M20では、ピニオン角指令値θp*が最大値付近となる場合、軸力Tafから減算する反力Trvを大きい値とする。これにより、ピニオン角指令値θp*の大きさがピニオン角θpの大きさよりも小さくなり、角度操作量算出処理M50によって、操舵角の大きさを小さくするように電動機が操作される。【選択図】図2

Description

本発明は、電動機が内蔵されて且つ転舵輪を転舵させる転舵アクチュエータを操作対象とする転舵制御装置に関する。
たとえば特許文献1には、目標操舵トルクと実際の操舵トルクとの差に基づくフィードバック制御の操作量と、目標転舵角と転舵角との差に基づくフィードバック制御の操作量とに基づき、転舵輪を転舵させる転舵アクチュエータに内蔵された電動機を操作する装置が記載されている。
ところで、電動パワーステアリング装置(操舵アシスト装置)においては、一般に、タイヤ角が一定以上転舵することが阻止されることが周知である。具体的には、たとえばラックアンドピニオン式のものにあっては、ラック軸の端部がラックハウジングに当たるいわゆるエンド当てが生じることで、タイヤ角のそれ以上の転舵が阻止されることが周知である。これに対し、下記特許文献2には、ラック軸の端部がラックハウジングに近づいたときに電動機の電流指令値を徐々に下げる制限を加える装置が記載されている。
特開2006−175940号公報 特開2007−045394号公報
上記特許文献1に記載の装置において、ラック軸の端部がラックハウジングに近づいたときに電動機の電流指令値を徐々に下げる制御では、運転者がラック軸の端部がラックハウジングに接触するまで操舵角の大きさをそれ以上大きくできない最大値に近いことを感知できないおそれがある。そして感知できない場合、運転者がステアリングホイールに入力するトルクが大きい状態が継続され、ラック軸の端部がラックハウジングに大きな力で接触するおそれがある。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.電動機が内蔵されて且つ転舵輪を転舵させる転舵アクチュエータを操作対象とし、運転者が入力する操舵トルクを目標操舵トルクにフィードバック制御すべく前記転舵輪を転舵させるための前記電動機の操作量であって前記電動機に要求されるトルクに換算可能な操作量である操舵操作量を算出する操舵操作量算出処理と、前記操舵操作量に応じて前記転舵輪の転舵角に換算可能な換算可能角度の指令値である角度指令値を算出する角度指令値算出処理と、前記換算可能角度を前記角度指令値にフィードバック制御する操作量であって前記電動機に要求されるトルクに換算可能な操作量である角度操作量を算出する角度操作量算出処理と、前記角度操作量に応じて前記電動機のトルクを制御すべく前記電動機の駆動回路を操作する操作処理と、前記転舵角の大きさが転舵角閾値以上である場合、前記転舵角の大きさがさらに大きくなる側へのステアリングホイールの操作に抗する抗力を付与すべく、前記角度操作量算出処理よりも上流側のパラメータを補正する補正処理と、を実行する転舵制御装置である。
上記構成では、転舵角の大きさが転舵角閾値以上である場合、転舵角の大きさがさらに大きくなる側へのステアリングホイールの操作に抗する抗力を付与することにより、運転者が転舵角の大きさを大きくする側に大きな力が加わるように操作したとしても、転舵角の大きさを大きくしようとする力の大きさを小さい側に制限することができる。しかも、ステアリングホイールの操作に抗する抗力を付与すべく、角度操作量算出処理よりも上流側のパラメータが補正される。そのため、角度操作量算出処理の出力が補正される場合と比較すると、転舵角を目標転舵角にフィードバック制御する制御の制御性の低下を抑制できる。
2.前記角度指令値算出処理は、前記転舵角の大きさが大きい場合に小さい場合よりも大きくなる弾性力を、前記角度指令値算出処理の入力となる前記操舵操作量から減算する処理と、該減算した値に基づき前記角度指令値を算出する処理と、を含み、前記補正処理は、前記転舵角の大きさの増加に対する前記弾性力の増加量を、前記転舵角の大きさが前記転舵角閾値以上となる場合に大きくする処理を含む上記1記載の転舵制御装置である。
上記構成では、転舵角の大きさが大きい場合に小さい場合よりも大きくなる弾性力を角度指令値算出処理の入力となる操舵操作量から減算し、これに基づき角度指令値を算出することから、転舵角の大きさが大きい場合に小さい場合よりも転舵角を転舵させるうえで必要なトルクが大きくなることを表現できる。しかも、弾性力の増加量を、転舵角の大きさが転舵角閾値以上となる場合に大きくすることによって、転舵角が転舵角閾値以上である場合に、転舵角の大きさがさらに大きくなる側へのステアリングホイールの操作に抗する抗力を付与することができる。
3.前記角度指令値算出処理は、前記転舵角の変化速度である転舵角速度の大きさが大きい場合に小さい場合よりも大きくなる粘性力を、前記角度指令値算出処理の入力となる前記操舵操作量から減算する処理と、該減算した値に基づき前記角度指令値を算出する処理と、を含み、前記転舵角の大きさが前記転舵角閾値以下であるとき、前記転舵角の大きさが前記転舵角閾値に近い場合に遠い場合よりも前記粘性力を大きくする粘性調整処理を実行する上記1または2記載の転舵制御装置である。
転舵角が転舵角閾値以上である場合に転舵角の大きさがさらに大きくなる側へのステアリングホイールの操作に抗する抗力が付与されると、転舵角が転舵角閾値に達する際の転舵角の変化速度が大きい場合には、転舵角の大きさを大きくしようとする力と上記抗力との互いに反対方向の力がぶつかり合うことによる衝撃が大きくなるおそれがある。そこで上記構成では、転舵角の大きさが転舵角閾値に近い場合に遠い場合よりも粘性力を大きくすることにより、転舵角閾値付近では粘性力が大きくなりやすいため転舵角の変化速度が大きくなることを抑制できる。そのため、転舵角が転舵角閾値に達する際の転舵角の大きさの増加速度が過度に大きくなることを抑制でき、ひいては上記衝撃を抑制できる。
4.前記補正処理は、前記転舵角の大きさが前記転舵角閾値以上となる場合に前記角度指令値算出処理に入力される前記操舵操作量の大きさを小さくする処理を含む上記1〜3のいずれか1つに記載の転舵制御装置である。
上記構成では、転舵角の大きさが転舵角閾値以上となる場合に操舵操作量の大きさを小さくすることから、転舵角の大きさが転舵角閾値以上となる場合に、角度指令値算出処理の入力の大きさを小さくすることができる。そのため、角度指令値算出処理では、操舵トルクの大きさの割に角度指令値の大きさを小さい値に算出することから、換算可能角度の大きさが角度指令値の大きさよりも大きくなる傾向となる。そしてその場合、角度操作量算出処理によって算出された角度操作量は、転舵角の大きさを小さくする側の量となることから、転舵角の大きさがさらに大きくなる側へのステアリングホイールの操作に抗する抗力を付与できる。
5.前記ステアリングホイールには、前記転舵輪と前記ステアリングホイールとの動力の伝達が遮断された状態において前記ステアリングホイールの操作に抗する力である抗力を前記ステアリングホイールに付与する抗力アクチュエータが取り付けられており、当該転舵制御装置は、前記転舵アクチュエータに加えて前記抗力アクチュエータを操作対象とし、前記角度指令値に応じて前記抗力アクチュエータを操作する抗力操作処理を実行し、前記補正処理は、前記ステアリングホイールの回転角である操舵角の大きさが操舵角閾値以上であることと、前記転舵角が前記転舵角閾値以上であることとの少なくとも一方が成立する場合、前記抗力アクチュエータによって前記操舵角の大きさがさらに大きくなる側への前記ステアリングホイールの操作に抗する抗力を付与すべく、前記角度操作量算出処理よりも上流側のパラメータを補正する処理である上記1〜4のいずれか1つに記載の転舵制御装置である。
上記構成では、操舵角が操舵角閾値に達することと転舵角が転舵角閾値に達することとの論理和が真となる場合、操舵角の大きさがさらに大きくなる側へのステアリングホイールの操作に抗する抗力が付与される。このため、転舵角の大きさが上限値を超えようとするステアリングの操作と操舵角の大きさが上限値を超えようとするステアリングの操作とがなされる事態を抑制できる。
6.前記操作処理は、前記操舵操作量によらずに前記角度操作量に基づき前記電動機のトルクを制御すべく前記駆動回路を操作する処理である上記1〜5のいずれか1つに記載の転舵制御装置である。
7.前記操舵操作量と前記操舵トルクとを同一の物体に働く力に換算した量同士の和に基づき、前記目標操舵トルクを算出する目標操舵トルク算出処理を実行する上記1〜6のいずれか1つに記載の転舵制御装置である。
操舵操作量は、電動機に要求されるトルクに換算可能であることから、操舵操作量と操舵トルクとによって、転舵輪を転舵させるために車両側から加える力が定まり、この力は、横力に換算できる。一方、運転者による操舵フィーリングを良好とする上で要求される目標操舵トルクは、横力に応じて定まる傾向がある。このため、上記構成では、上記和に基づき目標操舵トルクを定めることにより、目標操舵トルク算出処理の設計が容易となる。
第1の実施形態にかかる電動パワーステアリング装置を示す図。 同実施形態にかかる転舵制御装置が実行する処理を示すブロック図。 同実施形態にかかる反力算出処理の手順を示す流れ図。 第2の実施形態にかかる転舵制御装置が実行する処理を示すブロック図。 同実施形態にかかる反力算出処理の手順を示す流れ図。 第3の実施形態にかかる電動パワーステアリング装置を示す図。 同実施形態にかかる転舵制御装置が実行する処理を示すブロック図。 同実施形態にかかる反力算出処理の手順を示す流れ図。
<第1の実施形態>
以下、転舵制御装置にかかる第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置10は、運転者のステアリングホイール22の操作に基づいて転舵輪12を転舵させる操舵機構20、および転舵輪12を電動で転舵させる転舵アクチュエータ30を備えている。
操舵機構20は、ステアリングホイール22と、ステアリングホイール22に固定されたステアリングシャフト24と、ラックアンドピニオン機構27と、を備えている。ステアリングシャフト24は、ステアリングホイール22と連結されたコラムシャフト24aと、コラムシャフト24aの下端部に連結されたインターミディエイトシャフト24bと、インターミディエイトシャフト24bの下端部に連結されたピニオンシャフト24cとを有している。ピニオンシャフト24cの下端部は、ラックアンドピニオン機構27を介してラック軸26に連結されている。ラック軸26の両端には、タイロッド28を介して、左右の転舵輪12が連結されている。したがって、ステアリングホイール22、すなわちステアリングシャフト24の回転運動は、ピニオンシャフト24cおよびラック軸26からなるラックアンドピニオン機構27を介してラック軸26の軸方向(図1の左右方向)の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動が、ラック軸26の両端にそれぞれ連結されたタイロッド28を介して、転舵輪12にそれぞれ伝達されることにより、転舵輪12の転舵角が変化する。なお、ラック軸26の軸方向への変位量の最大値は、ラックハウジング16によって規定されている。
一方、転舵アクチュエータ30は、ラック軸26を操舵機構20と共有し、また、電動機32や、インバータ33、ボールねじ機構34、ベルト式減速機構36を備えている。電動機32は、転舵輪12を転舵させるための動力の発生源であり、本実施形態では、電動機32として、3相の表面磁石同期電動機(SPMSM)を例示する。ボールねじ機構34は、ラック軸26の周囲に一体的に取り付けられており、ベルト式減速機構36は、電動機32の出力軸32aの回転力をボールねじ機構34に伝達する。電動機32の出力軸32aの回転力は、ベルト式減速機構36およびボールねじ機構34を介して、ラック軸26を軸方向に往復直線運動させる力に変換される。このラック軸26に付与される軸方向の力によって、転舵輪12を転舵させることができる。
転舵制御装置40は、転舵輪12を制御対象とし、その制御量である転舵角を制御すべく、転舵アクチュエータ30を操作する。転舵制御装置40は、制御量の制御に際し、トルクセンサ50によって検出される、運転者がステアリングホイール22を介して入力するトルクである操舵トルクThや、車速センサ52によって検出される車速Vを参照する。また、転舵制御装置40は、回転角度センサ54によって検出される出力軸32aの回転角度θmや、電動機32を流れる電流iu,iv,iwを参照する。なお、電流iu,iv,iwは、インバータ33の各レッグに設けられたシャント抵抗における電圧降下として検出されるものとすればよい。
転舵制御装置40は、CPU42、ROM44および周辺回路46を備え、それらが通信線48を介して接続されているものである。なお、周辺回路46は、内部の動作を規定するクロック信号を生成する回路や、電源回路、リセット回路等を含む。
図2に、転舵制御装置40が実行する処理の一部を示す。図2に示す処理は、ROM44に記憶されたプログラムをCPU42が実行することにより実現される。
ベース目標トルク算出処理M10は、後述する軸力Tafに基づき、ステアリングホイール22を介して運転者がステアリングシャフト24に入力すべき目標操舵トルクTh*のベース値であるベース目標トルクThb*を算出する処理である。ここで、軸力Tafは、ラック軸26に加わる軸方向の力である。軸力Tafは、転舵輪12に作用する横力に応じた量となることから、軸力Tafによって横力を把握することができる。一方、ステアリングホイール22を介して運転者がステアリングシャフト24に入力すべきトルクは、横力に応じて定めることが望ましい。したがって、ベース目標トルク算出処理M10は、軸力Tafから把握される横力に応じてベース目標トルクThb*を算出する処理となっている。
詳しくは、ベース目標トルク算出処理M10は、軸力Tafの大きさ(絶対値)が同一であっても車速Vが小さい場合に大きい場合よりも、ベース目標トルクThb*の大きさ(絶対値)をより小さい値に算出する処理である。これは、たとえば、軸力Tafまたは軸力Tafから把握される横加速度および車速Vを入力変数とし、ベース目標トルクThb*を出力変数とするマップデータが予めROM44に記憶された状態でCPU42によりベース目標トルクThb*をマップ演算することによって実現できる。ここで、マップデータとは、入力変数の離散的な値と、入力変数の値のそれぞれに対応する出力変数の値と、の組データである。またマップ演算は、たとえば、入力変数の値がマップデータの入力変数の値のいずれかに一致する場合、対応するマップデータの出力変数の値を演算結果とするのに対し、一致しない場合、マップデータに含まれる複数の出力変数の値の補間によって得られる値を演算結果とする処理とすればよい。
ヒステリシス処理M14は、転舵輪12の転舵角に換算可能な換算可能角度であるピニオンシャフト24cの回転角度(ピニオン角θp)に基づき、ベース目標トルクThb*を補正するヒステリシス補正量Thysを算出して出力する処理である。詳しくは、ヒステリシス処理M14は、ピニオン角θpの変化等に基づき、ステアリングホイール22の切り込み時および切り戻し時を識別し、切り込み時において切り戻し時と比較して目標操舵トルクTh*の大きさがより大きくなるように、ヒステリシス補正量Thysを算出する処理を含む。詳しくは、ヒステリシス処理M14は、車速Vに応じてヒステリシス補正量Thysを可変設定する処理を含む。
加算処理M12は、ベース目標トルクThb*にヒステリシス補正量Thysを加算することによって、目標操舵トルクTh*を算出する処理である。
操舵操作量算出処理M16は、操舵トルクThを目標操舵トルクTh*にフィードバック制御するための操作量である操舵操作量Ts*を算出する処理である。操舵操作量Ts*は、操舵トルクThを目標操舵トルクTh*にフィードバック制御するための操作量を含んだ量であるが、フィードフォワード項を含んでもよい。フィードバック制御のための操作量は、たとえば操舵トルクThおよび目標操舵トルクTh*の符号がともに正の場合、操舵トルクThが目標操舵トルクTh*よりも大きい場合に、電動機32に対する要求トルクの大きさ(絶対値)を増加させるための量となる。なお、操舵操作量Ts*は、操舵トルクThを目標操舵トルクTh*にフィードバック制御するうえでの電動機32に対する要求トルクTdに応じた量であるが、本実施形態では、操舵操作量Ts*は、ステアリングシャフト24に加わるトルクに換算された量となっている。
軸力算出処理M18は、操舵操作量Ts*に操舵トルクThを加算することによって、軸力Tafを算出する処理である。なお、操舵トルクThは、ステアリングシャフト24に加わるトルクのため、本実施形態において軸力Tafは、ラック軸26の軸方向に加わる力を、ステアリングシャフト24に加わるトルクに換算した値となっている。
規範モデル演算処理M20は、軸力Tafに基づき、ピニオン角θpの指令値であるピニオン角指令値θp*を算出する処理である。詳しくは、規範モデル演算処理M20は、以下の式(c1)にて表現されるモデル式を用いて、ピニオン角指令値θp*を算出する処理である。
Taf=K・θp*+C・θp*’+J・θp*’’ …(c1)
上記の式(c1)にて表現されるモデルは、軸力Tafと等しい量のトルクがステアリングシャフト24に入力された場合にピニオン角θpが示す値をモデル化したものである。上記の式(c1)において、粘性係数Cは、電動パワーステアリング装置10の摩擦等をモデル化したものであり、慣性係数Jは、電動パワーステアリング装置10の慣性をモデル化したものであり、弾性係数Kは、電動パワーステアリング装置10が搭載される車両のサスペンションやホイールアライメント等の仕様をモデル化したものである。このモデルは、実際の電動パワーステアリング装置10や電動パワーステアリング装置10が搭載される車両を正確に表現したモデルではなく、入力に対する転舵角の挙動を理想的な挙動とするために設計された規範モデルである。すなわち、本実施形態では、規範モデルの設計を通じて操舵フィーリングの調整を可能としている。
具体的には、減算処理M21において、軸力Tafから、粘性項「C・θp*’」、バネ項「K・θp*」および反力Trvが減算される。慣性係数除算処理M22によって、減算処理M21の出力が慣性係数Jにより除算され、ピニオン角加速度指令値αp*(=θp*’’)が算出される。そして、ピニオン角加速度指令値αp*を入力とし、積分処理M23によって、ピニオン角速度指令値ωp*(=θp*’)が算出される。また、ピニオン角速度指令値ωp*を入力とし、積分処理M24によって、ピニオン角指令値θp*が算出される。
また、粘性係数乗算処理M25は、ピニオン角速度指令値ωp*に粘性係数Cを乗算して粘性項「C・θp*’」を算出する処理である。また、弾性係数乗算処理M26は、ピニオン角指令値θp*に弾性係数Kを乗算することによって、バネ項「K・θp*」を算出する処理である。
反力算出処理M30は、ピニオン角指令値θp*やピニオン角速度指令値ωp*に基づき反力Trvを算出する処理である。
積算処理M40は、電動機32の回転角度θmの積算値Inθを算出する処理である。なお、本実施形態では、車両が直進するときの転舵輪12の転舵角を「0」としており、転舵角が「0」であるときの積算値Inθを「0」とする。換算処理M42は、積算値Inθを、ステアリングシャフト24から電動機32までの減速比Kmで除算することによって、ピニオン角θpを算出する処理である。ピニオン角θpは、「0」である場合に直進方向であることを示し、正であるか負であるかに応じて、右旋回側の転舵角であるか左旋回側の転舵角であるかを示す。
角度操作量算出処理M50は、ピニオン角θpをピニオン角指令値θp*にフィードバック制御するための操作量である角度操作量Tt*を算出する処理である。角度操作量Tt*は、ピニオン角θpをピニオン角指令値θp*にフィードバック制御するうえでの電動機32に対する要求トルクTdに応じた量であるが、本実施形態では、ステアリングシャフト24に加わるトルクに換算された量となっている。
角度操作量算出処理M50は、角度操作量Tt*と操舵トルクTh以外に、ピニオン角θpに影響するトルクを外乱トルクとして推定し、これを推定外乱トルクTldeとする外乱オブザーバM52を含む。なお、本実施形態では、推定外乱トルクTldeをステアリングシャフト24に加わるトルクに換算している。
外乱オブザーバM52は、慣性係数Jp、ピニオン角θpの推定値θpe、角度操作量Tt0*およびオブザーバゲインl1,l2,l3を規定する3行1列の行列Lを用いて以下の式(c2)にて、推定外乱トルクTldeや推定値θpeを算出する。なお、慣性係数Jpは、電動パワーステアリング装置10の慣性をモデル化したものであり、慣性係数Jと比較して、実際の電動パワーステアリング装置10の慣性を高精度に表現した値となっている。

微分演算処理M54は、ピニオン角指令値θp*の微分演算によってピニオン角速度指令値を算出する処理である。
フィードバック項算出処理M56は、ピニオン角指令値θp*と推定値θpeとの差に応じた比例項と、ピニオン角指令値θp*の微分値と推定値θpeの微分値との差に応じた微分項との和であるフィードバック操作量Ttfbを算出する処理である。
2階微分処理M58は、ピニオン角指令値θp*の2階時間微分値を算出する処理である。フィードフォワード項算出処理M60は、2階微分処理M58の出力値に慣性係数Jpを乗算することによってフィードフォワード操作量Ttffを算出する処理である。2自由度操作量算出処理M62は、フィードバック操作量Ttfbと、フィードフォワード操作量Ttffとの和から、推定外乱トルクTldeを減算して、角度操作量Tt0*を算出する処理である。
操舵トルク補償処理M72は、角度操作量Tt0*から操舵トルクThを減算して角度操作量算出処理M50の出力となる角度操作量Tt*を算出する処理である。
加算処理M74は、操舵操作量Ts*と角度操作量Tt*とを加算して、電動機32に対する要求トルクTdを算出する処理である。
換算処理M76は、要求トルクTdを減速比Kmで除算することによって、要求トルクTdを、電動機32に対するトルクの指令値であるトルク指令値Tm*に換算する処理である。
操作信号生成処理M78は、電動機32のトルクをトルク指令値Tm*に制御するためのインバータ33の操作信号MStを生成して出力する処理である。なお、操作信号MStは、実際には、インバータ33の各レッグの各アームの操作信号となる。
図3に、反力算出処理M30の手順を示す。図3に示す処理は、ROM44に記憶されたプログラムをCPU42がたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。なお、以下では、先頭に「S」が付与された数字によって、各処理のステップ番号を表現する。
図3に示す一連の処理において、CPU42は、まず仮想反力Tiefを算出する(S10)。仮想反力Tiefは、ラック軸26の軸方向の変位量の大きさがラックハウジング16によって定まる最大値となる直前から「0」よりも大きい値とされ、最大値へと変位することを規制するためのものである。
詳しくは、CPU42は、仮想反力Tiefを、ピニオン角指令値θp*の大きさが閾値θpth未満の場合に「0」とし、閾値θpth以上となる場合、ピニオン角指令値θp*の大きさが大きい場合に小さい場合よりも仮想反力Tiefの大きさ(絶対値)を大きい値とする。なお、閾値θpthは、ラック軸26の軸方向の変位量の大きさがラックハウジング16によって定まる最大値となる直前におけるピニオン角θpに設定されている。S10の処理は、詳しくは、ピニオン角θpを入力変数とし仮想反力Tiefを出力変数とするマップデータが予めROM44に記憶された状態で、CPU42がピニオン角指令値θp*に基づき仮想反力Tiefをマップ演算する。
次にCPU42は、オフセット量Δωp*を算出する(S12)。CPU42は、オフセット量Δωp*の大きさ(絶対値)を、ピニオン角指令値θp*の大きさが大きい場合に小さい場合よりも大きい値とし、ピニオン角指令値θp*が閾値θpthに達する前に最大値Δ0とする。オフセット量Δωp*は、ピニオン角指令値θp*と同一の符号を有する。詳しくは、ピニオン角θpを入力変数としオフセット量Δωp*を出力変数とするマップデータがROM44に予め記憶された状態で、CPU42により、オフセット量Δωp*をマップ演算する。
次に、CPU42は、ピニオン角速度指令値ωp*にオフセット量Δωp*を加算した値を、後述のS16の処理における入力パラメータとしてのピニオン角速度指令値ωp*に代入する(S14)。
次に、CPU42は、S14の処理において算出したピニオン角速度指令値ωp*に基づき、粘性反力Tωp*を算出する(S16)。詳しくは、CPU42は、ピニオン角速度指令値ωp*の大きさが速度閾値ωpthよりも小さい場合には粘性反力Tωp*を「0」とし、速度閾値ωpth以上の場合、ピニオン角速度指令値ωp*の大きさが大きい場合に小さい場合よりも、粘性反力Tωp*の大きさを大きい値に算出する。具体的には、角速度を入力変数とし粘性反力Tωp*を出力変数とするマップデータがROM44に予め記憶された状態で、CPU42により粘性反力Tωp*をマップ演算する。
次にCPU42は、粘性反力Tωp*にゲインGを乗算した値を粘性反力Tωp*に代入する(S18)。CPU42は、ピニオン角指令値θp*の大きさが小さい場合にゲインGを「0」とし、ピニオン角指令値θp*が閾値θpthに近づく場合、ピニオン角指令値θp*の大きさが大きい場合に小さい場合よりもゲインGを大きい値とする。ただしCPU42は、ピニオン角指令値θp*が閾値θpthに達する以前に、ゲインGをその最大値とする。具体的には、ピニオン角θpを入力変数とし、ゲインGを出力変数とするマップデータがROM44に予め記憶された状態で、CPU42によりゲインGをマップ演算する。
次にCPU42は、仮想反力Tiefと粘性反力Tωp*との和を、反力Trvに代入する(S20)。なお、CPU42は、S20の処理が完了する場合、図3に示す処理を一旦終了する。
ここで、本実施形態の作用および効果について説明する。
運転者によってステアリングホイール22が操作されると、CPU42は、これに応じて目標操舵トルクTh*を算出し、操舵トルクThを目標操舵トルクTh*にフィードバック制御する。また、CPU42は、フィードバック制御のための操作量としての操舵操作量Ts*と操舵トルクThとの和に基づき、ピニオン角指令値θp*を算出する。そしてCPU42は、ピニオン角θpの推定値θpeをピニオン角指令値θp*にフィードバック制御するための操作量である角度操作量Tt*を算出する。そしてCPU42は、操舵操作量Ts*と角度操作量Tt*との和に応じてトルク指令値Tm*を定め、電動機32のトルクをトルク指令値Tm*に制御する。
ここで、ピニオン角指令値θp*の大きさが閾値θpth以上となる場合、CPU42は、仮想反力Tiefの大きさを「0」よりも大きい値に算出する。これにより、軸力Tafが同じであっても、ピニオン角指令値θp*の大きさが閾値θpth以上となる場合には閾値θpth未満の場合と比較して、ピニオン角指令値θp*の大きさが大きくなりにくくなる。そのため、推定値θpeの大きさがピニオン角指令値θp*の大きさよりも小さくなりやすくなる。そして、推定値θpeの大きさがピニオン角指令値θp*の大きさよりも小さくなると、電動機32のトルクが、ピニオン角θpの大きさを小さくする側のトルクを生成するようになることから、ステアリングホイール22に、運転者によるピニオン角θpの大きさがさらに大きくなる側への操作に抗する抗力が加わることとなる。そのため、ピニオン角θpの大きさが閾値θpthよりも過度に大きくなる側のステアリングホイール22の操作が抑制される。
しかも、ステアリングホイール22に抗力を付与する処理を、本実施形態では、規範モデル演算処理M20における反力Trvを操作する処理によって実現した。規範モデル演算処理M20は、操舵フィーリングを調整するために設計された規範モデルに基づきピニオン角指令値θp*を算出する処理である。そのため、反力Trvを追加することは、ピニオン角θpの大きさが閾値θpth付近となった際の規範モデルの変更に相当する。そして、角度操作量算出処理M50がピニオン角θpをピニオン角指令値θp*に制御することから、規範モデルを変更したとしても、角度操作量算出処理M50の制御性は維持される。
これに対し、たとえば角度操作量Tt*を反力Trvに応じて補正する処理とする場合には、推定外乱トルクTldeの値がその影響を受けることから、反力Trvによる補正がなされなくなった時点において、推定外乱トルクTldeが不適切な値となり、ピニオン角θpの制御性が低下する。
以上説明した本実施形態によれば、さらに以下に記載する作用効果が得られる。
(1)反力Trvに粘性反力Tωp*を含めた。ここで、粘性反力Tωp*は、ピニオン角速度指令値ωp*の大きさが大きい場合に小さい場合よりも大きくなるのみならず、粘性項「C・ωp*」と比較してピニオン角指令値θp*の大きさが大きい場合に大きくなりやすいパラメータである。そのため、ピニオン角指令値θp*が閾値θpthに近づく際にピニオン角速度指令値ωp*が大きい値をとる場合、その大きさを減少させるための大きな値となる。そのため、ピニオン角指令値θp*が閾値θpthに近づく際のピニオン角速度指令値ωp*の大きさが過度に大きくなることを抑制できる。これに対し、ピニオン角指令値θp*が閾値θpthを超えるときのピニオン角指令値θp*の変化速度の大きさが大きい場合には、仮想反力Tiefに応じてステアリングホイール22に付与される抗力とピニオン角指令値θp*の大きさを大きくしようとする力とがぶつかり合うことによる衝撃が大きくなるおそれがある。
(2)規範モデル演算処理M20によって、規範モデルを表現する上記の式(c1)に基づいて、ピニオン角指令値θp*を算出し、ピニオン角θpをピニオン角指令値θp*に制御した。これにより、操舵特性を規範モデルによって調整することができる。
(3)操舵操作量Ts*と操舵トルクThとの和に応じて、目標操舵トルクTh*を設定した。ここで、運転者による操舵フィーリングを良好とする上で要求される目標トルクは、横力に応じて定まる傾向がある。一方、操舵操作量Ts*と操舵トルクThとの和が車両の横力に換算可能であることから、上記和に基づき目標操舵トルクTh*を定めることにより、目標操舵トルクTh*の算出処理の設計が容易となる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図4に、本実施形態にかかる転舵制御装置40が実行する処理の一部を示す。図4に示す処理は、ROM44に記憶されたプログラムをCPU42が実行することにより実現される。なお、図4において、図2に示した処理に対応する処理については、便宜上同一の符号を付している。
本実施形態では、操舵操作量算出処理M16が出力した操舵操作量Ts*が反力付与処理M80に取り込まれる。そして反力付与処理M80によって補正が施された操舵操作量Ts*が、軸力算出処理M18に入力されるとともに、加算処理M74に入力される。なお、本実施形態では、規範モデル演算処理M20には、反力算出処理M30が含まれない。
図5に、反力付与処理M80の手順を示す。図5に示す処理は、ROM44に記憶されたプログラムをCPU42がたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実行される。
図5に示す一連の処理において、CPU42は、まず、ピニオン角θpを取得する(S30)。次にCPU42は、操舵操作量算出処理M16が出力した操舵操作量Ts*にゲインGiefを乗算した値を、操舵操作量Ts*に代入する(S32)。ここで、CPU42は、ゲインGiefを、ピニオン角θpの大きさが小さい場合には「1」に固定し、ピニオン角θpが閾値θpthに近づくと、ピニオン角θpの大きさが大きい場合に小さい場合よりも小さい値に設定する。ゲインGiefは、「0」以上「1」以下の値を有する。
なお、CPU42は、S32の処理が完了する場合には、図5に示す一連の処理を一旦終了する。
ここで、本実施形態にかかる作用および効果について記載する。
CPU42は、ピニオン角θpの大きさが閾値θpthに近づく場合、ゲインGiefを「1」よりも小さい値に設定することにより、軸力Tafの算出処理に用いる操舵操作量Ts*の大きさを減少補正する。これにより、操舵操作量算出処理M16が算出する操舵操作量Ts*が同じであっても、ピニオン角指令値θp*が閾値θpth以上となる場合には閾値θpth未満の場合と比較して、ピニオン角指令値θp*の大きさが大きくなりにくくなる。そのため、ピニオン角指令値θp*の大きさが推定値θpeの大きさよりも小さくなりやすくなる。そして、ピニオン角指令値θp*の大きさが推定値θpeの大きさよりも小さくなると、電動機32のトルクが、ピニオン角θpの大きさを小さくする側のトルクを生成するようになることから、ステアリングホイール22に、運転者による操作とは逆方向の力が加わることとなる。そのため、ピニオン角θpの大きさが閾値θpthよりも過度に大きくなる側へのステアリングホイール22の操作が抑制される。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図6に、本実施形態にかかる電動パワーステアリング装置10の構成を示す。なお、図6に示す部材のうち図1に示した部材に対応するものについては、便宜上同一の符号を付している。
本実施形態では、ピニオンシャフト24cには、ステアリングホイール22との間の動力の伝達を遮断可能なクラッチ60が設けられている。すなわち、クラッチ60の一方には、ピニオンシャフト24cが連結されており、クラッチ60の他方には、ステアリングホイール22と連結されている入力軸24dが連結されている。本実施形態では、入力軸24dおよびピニオンシャフト24cを、ステアリングシャフト24と称する。
入力軸24dには、減速機70を介して電動機72の動力が付与される。電動機72の各端子には、インバータ74の電圧が印加される。なお、入力軸24d、減速機70、電動機72およびインバータ74によって、抗力アクチュエータ80が構成されている。なお、本実施形態では、転舵制御装置40は、舵角センサ82によって検出されるステアリングホイール22の回転角度(操舵角θh)を参照する。
図7に、本実施形態にかかる転舵制御装置40が実行する処理の一部を示す。図7に示す処理は、ROM44に記憶されたプログラムをCPU42が実行することにより実現される。なお、図7において、図2に示した処理に対応する処理については、便宜上同一の符号を付している。
図7に示すように、本実施形態では、規範モデル演算処理M20において、ピニオン角指令値θp*、ピニオン角速度指令値ωp*およびピニオン角加速度指令値αp*に代えて、操舵角の指令値(操舵角指令値θh*)、操舵角速度指令値ωh*および操舵角加速度指令値αh*が算出される。一方、舵角比可変処理M82は、操舵角指令値θh*に対する転舵角の目標値(ピニオン角指令値θp*)の比率である舵角比を可変とするための調整量Δaを、車速Vに応じて可変設定する処理である。詳しくは、車速Vが小さい場合に高い場合よりも、操舵角の変化に対する転舵角の変化を大きくするように、調整量Δaを設定する。加算処理M84は、操舵角指令値θh*に調整量Δaを加算することによって、ピニオン角指令値θp*を設定する。
抗力算出処理M86は、操舵角θhを操舵角指令値θh*にフィードバック制御するための操作量として、電動機72のトルク指令値Tr*を算出する処理である。操作信号生成処理M88では、電動機72のトルクをトルク指令値Tr*に制御すべく、インバータ74に操作信号MSsを出力してインバータ74を操作する処理である。
なお、本実施形態では、操舵トルク補償処理M72を備えず、角度操作量算出処理M50の出力が角度操作量Tt0*となっている。また、本実施形態では、角度操作量算出処理M50が出力する角度操作量Tt0*が要求トルクTdとなっている。すなわち、本実施形態では、角度操作量Tt0*のみからトルク指令値Tm*が算出される。
図8に、本実施形態にかかる反力算出処理M30の手順を示す。図8に示す処理は、ROM44に記憶されているプログラムをCPU42がたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。
図8に示す一連の処理において、CPU42は、まず操舵側仮想反力Tiefsを算出する(S40)。ここで、CPU42は、操舵角θhの大きさが閾値θhth未満の場合には操舵側仮想反力Tiefsを「0」とし、操舵角θhの大きさが閾値θhth以上の場合、操舵角θhの大きさが大きい場合に小さい場合よりも操舵側仮想反力Tiefsの大きさを大きい値に算出する。詳しくは、操舵角θhを入力変数とし操舵側仮想反力Tiefsを出力変数とするマップデータがROM44に予め記憶されている状態で、CPU42により、操舵側仮想反力Tiefsをマップ演算する。
次にCPU42は、角度側仮想反力Tieftを算出する(S42)。詳しくは、CPU42は、角度側仮想反力Tieftを、ピニオン角指令値θp*の大きさが閾値θpth未満の場合に「0」とし、閾値θpth以上である場合、ピニオン角指令値θp*の大きさが大きい場合に小さい場合よりも角度側仮想反力Tieftを大きい値とする。なお、閾値θpthは、ラック軸26の軸方向の変位量の大きさがラックハウジング16によって定まる最大値となる直前におけるピニオン角θpに設定されている。詳しくは、ピニオン角θpを入力変数とし角度側仮想反力Tieftを出力変数とするマップデータが予めROM44に記憶されている状態で、CPU42がピニオン角指令値θp*に基づき角度側仮想反力Tieftをマップ演算する。
次にCPU42は、操舵側仮想反力Tiefsの大きさが角度側仮想反力Tieftの大きさよりも大きいか否かを判定する(S44)。そしてCPU42は、操舵側仮想反力Tiefsの大きさの方が大きいと判定する場合(S44:YES)、反力Trvに操舵側仮想反力Tiefsを代入する(S46)。これに対しCPU42は、操舵側仮想反力Tiefsの大きさが角度側仮想反力Tieftの大きさ以下であると判定する場合(S44:NO)、反力Trvに、角度側仮想反力Tieftを代入する(S48)。
なお、CPU42は、S46,S48の処理が完了する場合、図7に示す一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1の実施形態の効果に準じた効果に加えて、さらに以下の作用効果を奏する。
(4)反力Trvに操舵側仮想反力Tiefsを含めた。これにより、操舵角θhの大きさが閾値θhthよりも大きくなる場合に、操舵角θhの大きさがさらに大きくなるようにステアリングホイール22が操作されることを抑制できる。このため、操舵角θhの最大値が構造等によって規定されている場合に、最大値となる際の操舵トルクThの大きさや操舵角速度の大きさが過度に大きくなることを抑制できる。最大値を規定する要因としては、たとえばステアリングホイール22に電子機器が設けられ、電子機器にスパイラルケーブルを介して電力が供給されるものにおいてスパイラルケーブルによって定まるものがある。すなわち操舵角の大きさを最大値よりも大きくしようとすると、スパイラルケーブルに過度に大きな力が加わるおそれがあることから、スパイラルケーブルの保護の観点から操舵角θhの大きさの最大値が規定される。
<対応関係>
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。以下では、「課題を解決するための手段」の欄に記載した解決手段の番号毎に、対応関係を示している。[1]角度指令値算出処理は、図2や図4の規範モデル演算処理M20や、図7の規範モデル演算処理M20、舵角比可変処理M82および加算処理M84に対応する。換算可能角度は、ピニオン角θpに対応する。操作処理は、加算処理M74、換算処理M76および操作信号生成処理M78に対応する。補正処理は、S10の処理に応じた反力Trvを減算処理M21において軸力Tafから減算する処理や、S32の処理、図7の減算処理M21において反力Trvを軸力Tafから減算する処理に対応する。駆動回路は、インバータ33に対応する。[2]弾性力は、弾性項「K・θp*」と仮想反力Tiefとの和に対応する。[3]粘性力は、粘性項「C・θp*´」と粘性反力Tωp*との和に対応する。粘性調整処理は、S12〜S18の処理に対応する。[4]S32の処理に対応する。[5]図7および図8の処理に対応する。[6]図7の処理に対応する。[7]目標操舵トルク算出処理は、ベース目標トルク算出処理M10、加算処理M12、およびヒステリシス処理M14に対応する。
<その他の実施形態>
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・「補正処理について」
たとえば、S10の処理において、ピニオン角指令値θp*に代えて、ピニオン角θpに基づき仮想反力Tiefを算出したり、推定値θpeに基づき仮想反力Tiefを算出したりしてもよい。またたとえば、S32の処理において、ピニオン角θpに代えて、推定値θpeに基づきゲインGiefを算出したり、ピニオン角指令値θp*に基づきゲインGiefを算出したりしてもよい。
またたとえば、S42の処理において、ピニオン角指令値θp*に代えて、ピニオン角θpに基づき角度側仮想反力Tieftを算出したり、推定値θpeに基づき角度側仮想反力Tieftを算出したりしてもよい。またたとえば、S40の処理において、操舵角指令値θh*に代えて、操舵角θhに基づき操舵側仮想反力Tiefsを算出してもよい。
なお、たとえば、閾値θhthを、S40の処理における閾値θhthと、ピニオン角指令値θp*が閾値θpthに達する際の操舵角指令値θh*とのうちの小さい方の値に代えることにより、S40の処理のみを実行してS42の処理を削除してもよい。その場合、操舵角指令値θh*が閾値θhth以上である場合に仮想反力Tiefの大きさを「0」よりも大きい値とするロジックとなるが、S42の処理と同様、ピニオン角指令値θp*が閾値θpth以上となるときにも仮想反力Tiefの大きさを「0」よりも大きくする処理となる。なお、この処理は、閾値θhthを、舵角比に応じて可変設定することが望ましい。ただし、可変設定することは必須ではない。またたとえば、閾値θpthを、S42の処理における閾値θpthと、操舵角指令値θh*が閾値θhthに達する際のピニオン角指令値θp*とのうちの小さい方の値に代えることにより、S42の処理のみを実行してS40の処理を削除してもよい。その場合、閾値θpthを、舵角比に応じて可変設定することが望ましい。ただし、可変設定することは必須ではない。
図4の処理では、反力付与処理M80が操舵操作量Ts*の大きさを減少補正したが、これに限らない。たとえば、操舵操作量算出処理M16内において、操舵操作量Ts*の大きさが小さくなるような補正処理を施してもよい。これによれば、たとえば操舵操作量算出処理M16が積分要素を用いて操舵操作量Ts*を算出する場合であっても、トルクフィードバック制御の制御性の低下を抑制することも可能となる。もっとも、これに限らず、操舵操作量Ts*の算出に積分要素を用いる場合、たとえば反力付与処理M80において操舵操作量Ts*を減少補正した補正量に応じて積分要素が保持する値を減少補正してもよい。
・「粘性調整処理について」
たとえば、図3の処理においてS18の処理を削除し、S20の処理において、S16の処理によって算出された粘性反力Tωp*を、仮想反力Tiefに加算してもよい。またたとえば、図3の処理においてS12,S14の処理を削除してもよい。
図4の処理においては、ピニオン角指令値θp*の算出処理に粘性反力Tωp*を用いなかったが、用いてもよい。
図8の処理において、ピニオン角指令値θp*の算出処理に粘性反力Tωp*を用いなかったが、用いてもよい。ここで、粘性反力は、たとえばピニオン角指令値θp*の時間微分値のみに応じて算出してもよく、またたとえば操舵角指令値θh*の時間微分値のみに応じて算出してもよい。また、たとえばピニオン角指令値θp*の時間微分値と操舵角指令値θh*の時間微分値との双方に応じて算出してもよい。これは、たとえばピニオン角指令値θp*の時間微分値と操舵角指令値θh*の時間微分値とのうちの大きさが小さくない方に基づき粘性反力を算出することにより実現できる。
なお、粘性反力の算出に用いる角速度である転舵角の角速度を示す物理量としては、指令値に限らず、たとえば、ピニオン角θpの時間微分値や、推定値θpeの時間微分値、操舵角θhの時間微分値であってもよい。
・「要求トルクTdについて」
図2、および図4では、角度操作量Tt*および操舵操作量Ts*の和を要求トルクTdとしたが、これに限らない。たとえば、角度操作量Tt*を要求トルクとしてもよい。
図7の処理では、角度操作量Tt*を要求トルクTdとしたが、これに限らない。たとえば、角度操作量Tt*と操舵操作量Ts*との和を要求トルクTdとしてもよい。
「角度指令値算出処理について」
上記実施形態では、軸力Tafを入力として、ピニオン角指令値θp*や操舵角指令値θh*を算出したが、これに限らず、たとえば、操舵操作量Ts*を入力としてもよい。上記実施形態では、軸力Tafを入力とし、上記の式(c1)等に基づきピニオン角指令値θp*や操舵角指令値θh*を算出したが、ピニオン角指令値θp*や操舵角指令値θh*を算出するためのロジック(モデル)としては、これに限らない。
さらに、たとえば図6の処理において、舵角比可変処理M82および加算処理M84を削除し、規範モデル演算処理M20の出力を、操舵角指令値θh*兼ピニオン角指令値θp*としてもよい。
・「外乱オブザーバについて」
上記実施形態では、転舵輪12に作用するトルクが転舵角の角加速度に比例するトルクと釣り合うという簡易なモデルにて外乱オブザーバを構成したが、これに限らない。たとえば、転舵輪12に作用するトルクが、転舵角の角加速度に比例するトルクと転舵角の角速度に比例するトルクとの和と釣り合うというモデルを用いて外乱オブザーバを構成してもよい。
推定外乱トルクTldeの算出手法としては、上記実施形態において例示したものに限らない。たとえば図2の処理において、ピニオン角指令値θp*の2階時間微分値、またはピニオン角θpの2階時間微分値に慣性係数Jpを乗算した値から角度操作量Tt*、操舵操作量Ts*および操舵トルクThを減算することによって算出してもよい。
・「角度操作量算出処理について」
上記実施形態では、フィードフォワード操作量Ttffを、ピニオン角指令値θp*の2階時間微分値に基づき算出したが、これに限らず、たとえばピニオン角θpの2階時間微分値に基づき算出したり、推定値θpeの2階時間微分値に基づき算出したりしてもよい。
上記実施形態では、電動パワーステアリング装置10を、転舵輪12に作用するトルクが転舵角の角加速度に比例するトルクと釣り合うという簡易なモデルにてモデル化することによって、フィードフォワード項を算出したが、これに限らない。たとえば、転舵輪12に作用するトルクが、転舵角の角加速度に比例するトルクと転舵角の角速度に比例するトルクとの和と釣り合うというモデルを用いてフィードフォワード項を算出してもよい。これは、たとえば、ピニオン角指令値θp*の2階時間微分値に上記慣性係数Jpを乗算した値と、ピニオン角指令値θp*の1階時間微分値に粘性係数Cpを乗算した値との和をフィードフォワード操作量Ttffとすることによって実現できる。ここで、角速度の比例係数である粘性係数Cpは、規範モデル演算処理M20において用いる粘性係数Cとはその狙いとするところが相違し、実際の電動パワーステアリング装置10の挙動を極力高精度にモデル化したものとすることが望ましい。
フィードバック項算出処理M56の入力のうちのフィードバック制御量としては推定値θpeやその1階時間微分値に限らない。たとえば、推定値θpeやその1階時間微分値に代えて、ピニオン角θpやその時間微分値自体としてもよい。
フィードバック項算出処理M56としては、比例要素および微分要素の各出力値の和を出力する処理に限らない。たとえば比例要素の出力値を出力するものとしてもよく、またたとえば微分要素の出力値を出力するものとしてもよい。さらにたとえば、比例要素の出力値および微分要素の出力値の少なくとも一方と、積分要素の出力値との和を出力する処理としてもよい。なお、積分要素の出力値を用いる場合には、外乱オブザーバを削除することが望ましい。もっとも、積分要素の出力値を用いない場合において、外乱オブザーバを用いること自体必須ではない。
・「換算可能角について」
上記実施形態では、換算可能角度として、ピニオン角θpを用いたが、これに限らない。たとえば、転舵輪の転舵角自体としてもよい。
・「操舵操作量について」
上記実施形態では、操舵操作量Ts*を、ステアリングシャフト24のトルクに換算したが、これに限らない。たとえば、電動機32のトルクとしてもよい。ただし、その場合、たとえば操舵トルクThを減速比Kmで除算した値と操舵操作量Ts*との和を軸力Tafとしたり、操舵操作量Ts*に減速比Kmを乗算した値と操舵トルクThとの和を軸力Tafとしたりする。
・「角度操作量について」
上記実施形態では、角度操作量Tt*をステアリングシャフト24のトルクに換算したが、これに限らない。たとえば、電動機32のトルクとしてもよい。ただし、たとえば操舵操作量Ts*がステアリングシャフト24のトルクに換算されている場合、要求トルクTdを、角度操作量Tt*に減速比Kmを乗算した値と操舵操作量Ts*との和等とする。
・「目標トルク算出処理について」
ベース目標トルク算出処理としては、軸力Tafと車速Vとに応じてベース目標トルクThb*を算出する処理に限らない。たとえば軸力Tafのみに基づきベース目標トルクThb*を算出する処理であってもよい。
ベース目標トルクThb*をヒステリシス補正量Thysで補正すること自体必須ではない。
・「転舵制御装置について」
転舵制御装置としては、CPU42とROM44とを備えてソフトウェア処理を実行するものに限らない。たとえば、上記実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部を、ハードウェア処理する専用のハードウェア回路(たとえばASIC等)を備えてもよい。すなわち、転舵制御装置は、以下の(a)〜(c)のいずれかの構成であればよい。(a)上記処理の全てを、プログラムに従って実行する処理装置と、プログラムを記憶するROM等のプログラム格納装置とを備える。(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置およびプログラム格納装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備える。(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備える。ここで、処理装置およびプログラム格納装置を備えたソフトウェア処理回路や、専用のハードウェア回路は複数であってもよい。すなわち、上記処理は、1または複数のソフトウェア処理回路および1または複数の専用のハードウェア回路の少なくとも一方を備えた処理回路によって実行されればよい。
・「電動機、駆動回路について」
電動機としては、SPMSMに限らず、IPMSM等であってもよい。また、同期機に限らず誘導機であってもよい。さらに、たとえばブラシ付きの直流電動機であってもよい。その場合、駆動回路としては、Hブリッジ回路を採用すればよい。
・「転舵アクチュエータについて」
転舵アクチュエータとしては、上記実施形態において例示したものに限らない。たとえば、ピニオンシャフト24cとは別に、電動機32の動力をラック軸26に伝達させるための第2のピニオンシャフトを備えるいわゆるデュアルピニオン型のものであってもよい。またたとえば、ステアリングシャフト24に電動機32の出力軸32aが機械的に連結された構成であってもよい。その場合、転舵アクチュエータは、ステアリングシャフト24やラックアンドピニオン機構27を操舵機構と共有する。
・「そのほか」
たとえば図6において、クラッチ60を削除し、代わりに、ギア比を可変とするギア比可変機構を介して入力軸24dをピニオンシャフト24cに機械的に連結してもよい。その場合であっても、ステアバイワイヤの場合において例示した処理と同様の処理を実現できる。
10…電動パワーステアリング装置、12…転舵輪、16…ラックハウジング、20…操舵機構、22…ステアリングホイール、24…ステアリングシャフト、24a…コラムシャフト、24b…インターミディエイトシャフト、24c…ピニオンシャフト、24d…入力軸、26…ラック軸、27…ラックアンドピニオン機構、28…タイロッド、30…転舵アクチュエータ、32…電動機、32a…出力軸、33…インバータ、34…ボールねじ機構、36…ベルト式減速機構、40…転舵制御装置、42…CPU、44…ROM、46…周辺回路、48…通信線、50…トルクセンサ、52…車速センサ、54…回転角度センサ、60…クラッチ、70…減速機、72…電動機、74…インバータ、80…抗力アクチュエータ、82…舵角センサ。

Claims (7)

  1. 電動機が内蔵されて且つ転舵輪を転舵させる転舵アクチュエータを操作対象とし、
    運転者が入力する操舵トルクを目標操舵トルクにフィードバック制御すべく前記転舵輪を転舵させるための前記電動機の操作量であって前記電動機に要求されるトルクに換算可能な操作量である操舵操作量を算出する操舵操作量算出処理と、
    前記操舵操作量に応じて前記転舵輪の転舵角に換算可能な換算可能角度の指令値である角度指令値を算出する角度指令値算出処理と、
    前記換算可能角度を前記角度指令値にフィードバック制御する操作量であって前記電動機に要求されるトルクに換算可能な操作量である角度操作量を算出する角度操作量算出処理と、
    前記角度操作量に応じて前記電動機のトルクを制御すべく前記電動機の駆動回路を操作する操作処理と、
    前記転舵角の大きさが転舵角閾値以上である場合、前記転舵角の大きさがさらに大きくなる側へのステアリングホイールの操作に抗する抗力を付与すべく、前記角度操作量算出処理よりも上流側のパラメータを補正する補正処理と、を実行する転舵制御装置。
  2. 前記角度指令値算出処理は、前記転舵角の大きさが大きい場合に小さい場合よりも大きくなる弾性力を、前記角度指令値算出処理の入力となる前記操舵操作量から減算する処理と、該減算した値に基づき前記角度指令値を算出する処理と、を含み、
    前記補正処理は、前記転舵角の大きさの増加に対する前記弾性力の増加量を、前記転舵角の大きさが前記転舵角閾値以上となる場合に大きくする処理を含む請求項1記載の転舵制御装置。
  3. 前記角度指令値算出処理は、前記転舵角の変化速度である転舵角速度の大きさが大きい場合に小さい場合よりも大きくなる粘性力を、前記角度指令値算出処理の入力となる前記操舵操作量から減算する処理と、該減算した値に基づき前記角度指令値を算出する処理と、を含み、
    前記転舵角の大きさが前記転舵角閾値以下であるとき、前記転舵角の大きさが前記転舵角閾値に近い場合に遠い場合よりも前記粘性力を大きくする粘性調整処理を実行する請求項1または2記載の転舵制御装置。
  4. 前記補正処理は、前記転舵角の大きさが前記転舵角閾値以上となる場合に前記角度指令値算出処理に入力される前記操舵操作量の大きさを小さくする処理を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の転舵制御装置。
  5. 前記ステアリングホイールには、前記転舵輪と前記ステアリングホイールとの動力の伝達が遮断された状態において前記ステアリングホイールの操作に抗する力である抗力を前記ステアリングホイールに付与する抗力アクチュエータが取り付けられており、
    当該転舵制御装置は、前記転舵アクチュエータに加えて前記抗力アクチュエータを操作対象とし、
    前記角度指令値に応じて前記抗力アクチュエータを操作する抗力操作処理を実行し、
    前記補正処理は、前記ステアリングホイールの回転角である操舵角の大きさが操舵角閾値以上であることと、前記転舵角が前記転舵角閾値以上であることとの少なくとも一方が成立する場合、前記抗力アクチュエータによって前記操舵角の大きさがさらに大きくなる側への前記ステアリングホイールの操作に抗する抗力を付与すべく、前記角度操作量算出処理よりも上流側のパラメータを補正する処理である請求項1〜4のいずれか1項に記載の転舵制御装置。
  6. 前記操作処理は、前記操舵操作量によらずに前記角度操作量に基づき前記電動機のトルクを制御すべく前記駆動回路を操作する処理である請求項1〜5のいずれか1項に記載の転舵制御装置。
  7. 前記操舵操作量と前記操舵トルクとを同一の物体に働く力に換算した量同士の和に基づき、前記目標操舵トルクを算出する目標操舵トルク算出処理を実行する請求項1〜6のいずれか1項に記載の転舵制御装置。
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