JP2020178928A - 折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造 - Google Patents
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Abstract
Description
図3(a)に示すように、隣り合うパイプ支柱51、52には、夫々、テーパの付いた連結金具(管状連結部材)53、54が取り付けられている。連結金具53、54は中空になっていて、内部にゴムひも55が張られた状態で通っている。ゴムひも55の両端は杖の上端及び下端に固定されており、パイプ支柱51、52はゴムひも55を介して常に互いに引き合う状態となっている。
図3(a)に示す状態から、パイプ支柱51とパイプ支柱52を手で引き離すようにゴムひも55を伸ばすと、連結金具53と連結金具54とを分離することができる。
パイプ支柱51の連結金具53とパイプ支柱52の連結金具54とを分離後、図3(b)に示すように、パイプ支柱53とパイプ支柱54とを折り畳む。
特許文献1に記載の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造は、パイプ支柱1、2と、第1の管状連結部材3と、第2の管状連結部材4と、管状係止部材15と、被係止部材14と、第1のワイヤ部材7と、第2のワイヤ部材8と、バネ9と、第1の移動規制部材12、13と、第2の移動規制部材16、17を有している。図4中、10はばね受け、11は緩衝部材である。
第1の管状連結部材3は、パイプ支柱1における一方の側(図4(a)において右側)の端部に設けられ、接着剤により固定されており、第1の筒状部3aと、第2の筒状部3bとを備えている。第1の筒状部3aは、他方の側(図4(a)において左側)に向かって開口径が狭くなるようにテーパのついた内周部3a1を有している。第2の筒状部3bは、パイプ支柱1の内径よりも小さな外径を有している。
第2の管状連結部材4は、パイプ支柱2における他方の側(図4(a)において左側)の端部に設けられ、接着剤により固定されており、外周部4aを備えている。外周部4aは、第1の筒状部3aの内周部3a1に嵌合可能に形成されている。
被係止部材14は、図4(c)に示すように、一端に第1のフック部20、他端に第2のフック部19を有している。第1のフック部20は、管状係止部材15における一方の側(図4(a)において右側)の端部に係止可能な形状且つ管状係止部材15の内部を挿通可能な大きさを有して形成されている。第2のフック部19は、管状係止部材15における他方の側(図4(a)において左側)の端部に当接可能な形状且つ管状係止部材15の内部を挿通不能な大きさに形成されている。また、被係止部材14は、第1のフック部20における管状係止部材15と当接する辺の先端から一方の側の先端に向かって幅が狭くなるように傾斜し、全体が細長板状に形成されている。
第1のワイヤ部材7は、一端が第2のフック部19に形成された、第1の接続部としての連結穴22に接続し、他端が第1の移動規制部材と接続している。
第2のワイヤ部材8は、他端が被係止部材14の一方の側の先端に形成された、第2の接続部としての連結穴21に接続し、一端が第2の移動規制部材と接続している。
バネ9は、パイプ支柱1の内部において、一端が第2の筒状部3bを遊嵌した状態で、第1の筒状部3aと当接し第1のワイヤ部材7を他方の側の方向に付勢している。
第1の移動規制部材は、第1のワイヤ部材7を通す座金12と、座金12の他方の側の面に当接可能なリング状針金部材13とからなる。そして、第1の移動規制部材は、リング状針金部材13が第1のワイヤ部材7の他端と接続するとともに、座金12の一方の側の面がばね受け10を間に挟んでコイルばね9と当接してコイルばね9の他方の側(図4(a)において左側)の方向への移動を規制するように構成されている。
第2の移動規制部材は、第2のワイヤ部材8を通す座金16と、座金16の一方の側の面に当接可能なリング状針金部材17とからなる。そして、リング状針金部材17が第2のワイヤ部材8の一端と接続するとともに、座金16の他方の側の面が緩衝部材11を間に挟んでパイプ支柱2の第2の管状連結部材4における一方の側(図4(a)において右側)の端部に当接して第2のワイヤ部材8の他方の側(図4(a)において左側)の方向への移動を規制するように構成されている。
これにより、特許文献1に記載の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造によれば、図4(b)に示すパイプ支柱1、2同士を折り畳んだ状態のときに、パイプ支柱1、2同士が引き付け合うことがないので、パイプ支柱1、2の外周面に傷がつかない。また、手を離しても折り畳んだ状態を保持することができる。
上述のように、本発明者が導出した特許文献1に記載の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造によれば、パイプ支柱1、2同士を折り畳んだ状態のときに、パイプ支柱1、2同士が引き付け合うことがないので、パイプ支柱1、2の外周面に傷がつかない。また、手を離しても折り畳んだ状態を保持することができる。
しかるに、本発明者が更なる研究考察を行ったところ、特許文献1に記載の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造には、次のような課題があることが判明した。
しかし、本発明者による長年の研究考察の結果、相互のパイプ支柱1、2を引っ張ることによって第2のフック部19を管状係止部材15における他方の側の端部に当接させる構成の場合、管状係止部材15が、第2のフック部19の当接により、第1の管状連結部材3の長手方向に沿う方向に強い力を受けることに起因して、経年的なパイプ支柱1、2の折り畳みの繰り返しにより、第1の管状連結部材3における他方の側の端部から管状係止部材15が離脱する虞があることが判明した。
管状係止部材15は、第1の管状連結部材3の磨耗を防ぐために用いられる部材であり、第1の管状連結部材3の他方の側の端部に圧入した状態で固定されている。第1の管状連結部材3に圧入した状態で固定された管状係止部材15が、第1の管状連結部材3の長手方向に沿う方向に強い力を断続的に受け続けると、第1の管状連結部材3から離脱する可能性が生じうる。
第2のフック部19をそのような形状に形成すれば、第1のフック部20が管状係止部材15における一方の側の端部に係止して、コイルばね9の付勢力による他方の側の方向への移動を阻止するようにするために、第2の管状連結部材4が第1の管状連結部材3から離れるように、相互のパイプ支柱1、2を引っ張り、コイルばね9の付勢力に抗して被係止部材14を一方の側(図5において右側)の方向に移動させたときに、第2のフック部19が管状係止部材15における他方の側の端部には当接せず、管状係止部材15が第1の管状連結部材3の長手方向に沿う方向に強い力を受けずに済む。その結果、経年的なパイプ支柱1、2の折り畳みの繰り返しによる第1の管状連結部材3からの管状係止部材15の離脱を防止できる。
しかし、本発明者による長年の研究調査の結果、第2のワイヤ部材8の他端を被係止部材14の一方の側の先端に接続させる構成の場合、図4(b)、図5(c)に示したような、第1のフック部20が管状係止部材15における一方の側の端部に係止して、コイルばね9の付勢力による他方の側の方向への移動を阻止している状態において、第2のワイヤ部材8に対して、管状係止部材15における一方の側の端部から離れる方向であって、第1のパイプ支柱1の長手方向に対して垂直な方向に引っ張る力が加わると、第1のフック部20が管状係止部材15における一方の側の端部との係止が解除される位置に移動させられて、係止を解除され、被係止部材14がコイルばね9の付勢力により第1のパイプ支柱1の内部を他方の側の方向に移動し、第1の管状連結部材3と第2の管状連結部材4とが嵌合されてしまい、折り畳んだ状態を保持できなくなる虞があることが判明した。
折り畳み式杖においては、保管時にパイプ支柱1、2同士を折り畳んだ状態でカバン等の収納用具に収納することが考えられる。折り畳んだパイプ支柱1、2が収納用具に収納されている他の物品や収納用具の壁面に当接して、上述したような、第2のワイヤ部材8に対して、管状係止部材15における一方の側の端部から離れる方向であって、パイプ支柱の長手方向に対して垂直な方向に引っ張る力が加わる可能性は否定できない。
しかし、パイプ支柱1、2をすぐに折り畳もうとして、第2のワイヤ部材に対して、管状係止部材15における一方の側の端部から離れる方向であって、第1のパイプ支柱1の長手方向に対して垂直な方向に引っ張る力を加えると、第1のフック部20が管状係止部材15における一方の側の端部との係止が解除される位置に移動させられた状態で、コイルばね9の付勢力に抗して被係止部材14を一方の側の方向に移動させられることが起こりうる。この場合、第2のフック部19を管状係止部材15における他方の側の端部に当接させても、被係止部材14の先端には第1のフック部20が管状係止部材15における一方の側の端部との係止が解除される方向の力がかかっているため、第2のフック部19とは反対側の辺において管状係止部材15との接点23を支点とする被係止部材14の回転が生じない。このため、第1のフック部20が管状係止部材15における一方の側の端部に係止せず、コイルばね9の付勢力による他方の側の方向への移動を阻止することができない。その結果、折り畳んだパイプ支柱1、2から手を離すと、コイルばね9の付勢力により第1のパイプ支柱1の内部を他方の側の方向に移動し、第1の管状連結部材3と第2の管状連結部材4とが嵌合されてしまい、折り畳んだ状態を保持することができない。
そして、被係止部材における、第2のワイヤ部材の他端が接続する第2の接続部を設ける位置と、第2の筒状部の他方の側の端部における第2のフック部の当接点との距離が長くなるにしたがって、第n番目のパイプ支柱の長手方向に対して垂直な方向に引っ張る力が加わったときにおける、被係止部材の、第2の筒状部の他方の側の端部における第2のフック部の当接点を支点とした、第1のフック部が管状係止部材における一方の側の端部との係止が解除される側への移動量が増大し、第1のフック部が管状係止部材における一方の側の端部との係止が解除される位置に移動されてしまい易くなる。
このため、本発明の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造によれば、第n番目のパイプ支柱と第n+1番目のパイプ支柱とを折り畳んだ状態を確実に保持でき、また、相互のパイプ支柱を第n番目のパイプ支柱の長手方向に沿って引っ張ることなく、第n番目のパイプ支柱と第n+1番目のパイプ支柱とを折り畳み、第2のフック部を管状係止部材における他方の側の端部に当接させた場合において手を離しても、第n番目のパイプ支柱と第n+1番目のパイプ支柱とを折り畳んだ状態を保持することができる。
そして、被係止部材に対する第1のワイヤ部材の接続位置と、被係止部材に対する第2のワイヤ部材の接続位置とが近くなるにしたがって、被係止部材が管状係止部材に当接していない状態でコイルばねの付勢力により、第1のワイヤ部材、第2のワイヤ部材が引っ張られて、被係止部材における第1のワイヤ部材を接続する第1の接続部と第2のワイヤ部材を接続する第2の接続部とが第n番目のパイプ支柱の長手方向中央位置を通る仮想直線上に位置したときの、被係止部材の傾斜が大きくなる。
被係止部材の傾斜が大きくなり過ぎると、被係止部材がコイルばねの付勢力により第n番目のパイプ支柱の内部を他方の側の方向に移動し、コイルばねの中に入り込んだ状態において、第1のフック部がコイルばねに圧接し、さらにはコイルばねの隙間に入り込んで、コイルばねを大きく変形させてしまう。その結果、コイルばねによる第1の管状連結部材と第2の管状連結部材とが連結した状態を保持する力が弱められて、第n番目のパイプ支柱と第n+1番目のパイプ支柱とが連結した状態での杖の使用に悪影響を与える虞がある。
その結果、被係止部材がコイルばねの付勢力により第n番目のパイプ支柱の内部を他方の側の方向に移動し、コイルばねの中に入り込んだ状態において、第1のフック部によるコイルばねへの圧接や、コイルばねの変形を抑えることができ、コイルばねによる、強い力での第1の管状連結部材と第2の管状連結部材とが連結した状態が保持され、第n番目のパイプ支柱と第n+1番目のパイプ支柱との連結が安定した状態で杖を使用することができる。
このようにすれば、第n番目のパイプ支柱と第n+1番目のパイプ支柱とを折り畳んだ状態において、第2のワイヤ部材に対して、管状係止部材における一方の側の端部から離れる方向であって、第n番目のパイプ支柱の長手方向に対して垂直な方向に引っ張る力が加わったときの、被係止部材の、第2の筒状部の他方の側の端部における第2のフック部の当接点を支点とした、第1のフック部が管状係止部材における一方の側の端部との係止が解除される側への移動量を極力小さくすることができ、第1のフック部が管状係止部材における一方の側の端部との係止が解除される位置に、より一層移動し難くなる。
その結果、第n番目のパイプ支柱と第n+1番目のパイプ支柱とを折り畳んだ状態をより確実に保持でき、また、相互のパイプ支柱を第n番目のパイプ支柱の長手方向に沿って引っ張ることなくパイプ支柱同士を折り畳み、第2のフック部を管状係止部材における他方の側の端部に当接させた場合において手を離しても、パイプ支柱を折り畳んだ状態をより確実に保持することができる。
このようにすれば、被係止部材に対する第1のワイヤ部材の接続位置と、被係止部材に対する第2のワイヤ部材の接続位置とを極力離すことができ、被係止部材が管状係止部材に当接していない状態において、被係止部材の傾斜をより一層抑えることができる。
その結果、被係止部材がコイルばねの付勢力により第n番目のパイプ支柱の内部を他方の側の方向に移動し、コイルばねの中に入り込んだ状態において、第1のフック部によるコイルばねへの圧接や、コイルばねの変形をより一層抑えることができ、コイルばねによる、より一層強い力での第1の管状連結部材と第2の管状連結部材とが連結した状態が保持され、第n番目のパイプ支柱と第n+1番目のパイプ支柱との連結がより一層安定した状態で杖を使用することができる。
第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態にかかる折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造の要部構成を概略的に示す正面図である。なお、図1では、便宜上、第1のフック部が管状係止部材における一方の側の端部に係止した状態で示してある。また、本発明の各実施形態においては、図4及び図5に示した折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造と構成が略同じ部材は、各実施形態の図に示されているといないとにかかわらず、同じ符号を付して説明することとする。
本実施形態の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造では、第2のフック部19が、一方の側の辺に、管状係止部材15における他方の側の端部に当接することなく、第2の筒状部3bにおける他方の側の端部に当接することができるように形成された突起部19aを有している。
また、被係止部材14における、第2のワイヤ部材8(図1において図示省略)の他端が接続する第2の接続部としての連結穴21’が、第2の筒状部3bの他方の側の端部における第2のフック部19の当接点Aと(第1の管状連結部材3の)内周部3a1の一方の側の端縁Bとを結ぶ第1の仮想直線L1と、被係止部材14の長手方向中央位置を通る第2の仮想直線L2との交点Cの位置に設けられている。そして、第2のワイヤ部材8(図1において図示省略)の他端は、連結穴21ではなく、連結穴21’に接続している。
また、被係止部材14は、第1のフック部20が設けられている側とは反対側の辺が、一方の側の先端から、連結穴21’よりも先端側の所定位置(例えば、第1の仮想直線L1と交差する位置近傍)にかけて被係止部材14の長手方向の幅が細くなるように、加工されており、これによって、第1のフック部20が管状係止部材15における一方の側の端部との係止を解除する際に、連結穴21’に接続したワイヤ部材8が管状係止部材15と被係止部材14との間に挟まって係止解除に支障が生じることを未然に防いでいる。
その他の構成は、図4及び図5を用いて説明した折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造と略同じである。
そして、被係止部材14における、第2のワイヤ部材8の他端が接続する第2の接続部としての連結穴を設ける位置と、第2の筒状部3bの他方の側の端部における第2のフック部19の当接点Aとの距離が長くなるにしたがって、第n番目のパイプ支柱1の長手方向に対して垂直な方向に引っ張る力が加わったときに、被係止部材14の、第2の筒状部3bの他方の側の端部における第2のフック部19の当接点Aを支点とした、第1のフック部20が管状係止部材15における一方の側の端部との係止が解除される側への移動量が増大し、第1のフック部20が管状係止部材15における一方の側の端部との係止が解除される位置に移動されてしまい易くなる。
このため、本実施形態の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造によれば、第n番目のパイプ支柱1と第n+1番目のパイプ支柱2とを折り畳んだ状態を確実に保持でき、また、相互のパイプ支柱1、2を第n番目のパイプ支柱1の長手方向に沿って引っ張ることなく、第n番目のパイプ支柱1と第n+1番目のパイプ支柱2とを折り畳み、第2のフック部19を管状係止部材15における他方の側の端部に当接させた場合において手を離しても、第n番目のパイプ支柱1と第n+1番目のパイプ支柱2とを折り畳んだ状態を保持することができる。
その結果、第n番目のパイプ支柱1と第n+1番目のパイプ支柱2とを折り畳んだ状態をより確実に保持でき、また、相互のパイプ支柱1、2を第n番目のパイプ支柱1の長手方向に沿って引っ張ることなくパイプ支柱1、2同士を折り畳み、第2のフック部19を管状係止部材15における他方の側の端部に当接させた場合において手を離しても、パイプ支柱1、2を折り畳んだ状態をより確実に保持することができる。
そして、被係止部材14に対する第1のワイヤ部材7の接続位置と、被係止部材14に対する第2のワイヤ部材8の接続位置とが近くなるにしたがって、被係止部材14が管状係止部材15に当接していない状態でコイルばね9の付勢力により、第1のワイヤ部材7、第2のワイヤ部材8が引っ張られて、被係止部材14における第1のワイヤ部材7を接続する第1の接続部と第2のワイヤ部材8を接続する第2の接続部とが第n番目のパイプ支柱1の長手方向中央位置を通る仮想直線(図示省略)上に位置したときの、被係止部材14の傾斜が大きくなる。
被係止部材14の傾斜が大きくなり過ぎると、被係止部材14がコイルばね9の付勢力により第n番目のパイプ支柱1の内部を他方の側の方向に移動し、コイルばね9の中に入り込んだ状態において、第1のフック部20がコイルばね9に圧接し、さらにはコイルばね9の隙間に入り込んで、コイルばね9を大きく変形させてしまう。その結果、コイルばね9による第1の管状連結部材3と第2の管状連結部材4とが連結した状態を保持する力が弱められて、第n番目のパイプ支柱1と第n+1番目のパイプ支柱2とが連結した状態での杖の使用に悪影響を与える虞がある。
その結果、被係止部材14がコイルばね9の付勢力により第n番目のパイプ支柱1の内部を他方の側の方向に移動し、コイルばね9の中に入り込んだ状態において、第1のフック部20によるコイルばね9への圧接や、コイルばね9の変形を抑えることができ、コイルばね9による、強い力での第1の管状連結部材3と第2の管状連結部材4とが連結した状態が保持され、第n番目のパイプ支柱1と第n+1番目のパイプ支柱2との連結が安定した状態で杖を使用することができる。
図2は本発明の第2実施形態にかかる折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造の要部構成を概略的に示す正面図である。
本実施形態の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造では、被係止部材14における、第2のワイヤ部材8(図2において図示省略)の他端が接続する第2の接続部としての連結穴21”が、第1の仮想直線L1に対し(第1の管状連結部材3の)内周部3a1の中心側の方向に3.8度傾斜した第3の仮想直線L3と、第2の仮想直線L2との交点Dの位置に設けられている。そして、第2のワイヤ部材8の他端は、連結穴21ではなく、連結穴21”に接続している。
その他の構成は、第1実施形態の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造と略同じである。
その結果、被係止部材14がコイルばね9の付勢力により第n番目のパイプ支柱1の内部を他方の側の方向に移動し、コイルばね9の中に入り込んだ状態において、第1のフック部20によるコイルばね9への圧接や、コイルばね9の変形をより一層抑えることができ、コイルばね9による、より一層強い力での第1の管状連結部材3と第2の管状連結部材4とが連結した状態が保持され、第n番目のパイプ支柱1と第n+1番目のパイプ支柱2との連結がより一層安定した状態で杖を使用することができる。
その他の作用効果は、第1実施形態の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造と略同じである。
実施例1の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造として、図1に示した第1実施形態に対応する構造であって、第2のフック部19が、一方の側の辺に、管状係止部材15における他方の側の端部に当接することなく、第2の筒状部3bにおける他方の側の端部に当接することができるように形成された突起部19aを有し、第2の接続部が、図1に示した第2の筒状部3bの他方の側の端部における第2のフック部19の当接点Aと(第1の管状連結部材3の)内周部3a1の一方の側の端縁Bとを結ぶ第1の仮想直線L1と、被係止部材14の長手方向中央位置を通る第2の仮想直線L2との交点Cの位置に設けられた連結穴21’で構成され、第2のワイヤ部材8の他端が、連結穴21’に接続し、また、被係止部材14は、第1のフック部20が設けられている側とは反対側の辺が、一方の側の先端から、第1の仮想直線L1と交差する位置近傍にかけて被係止部材14の長手方向の幅が細くなるように、加工され、その他の構成が図4及び図5に示した折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造と略同じとなっている折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造を準備した。
実施例2の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造として、図2に示した第2実施形態に対応する構造であって、第2の接続部が、第1の仮想直線L1に対し(第1の管状連結部材3の)内周部3a1の中心側の方向に3.8度傾斜した第3の仮想直線L3と、第2の仮想直線L2との交点Dの位置に設けられ連結穴21”で構成され、第2のワイヤ部材8の他端が、連結穴21”に接続し、その他の構成が実施例1の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造と略同じとなっている折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造を準備した。
比較例1の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造として、第2のフック部19が、一方の側の辺に、管状係止部材15における他方の側の端部に当接することなく、第2の筒状部3bにおける他方の側の端部に当接することができるように形成された突起部を有し、第2の接続部が、図4及び図5に示した他端が被係止部材14の一方の側の先端に形成された連結穴21で構成され、その他の構成が図4及び図5に示した折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造と略同じとなっている折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造を準備した。
比較例2の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造として、第2のフック部19が、一方の側の辺に、管状係止部材15における他方の側の端部に当接することなく、第2の筒状部3bにおける他方の側の端部に当接することができるように形成された突起部を有し、第2の接続部が、図1に示した被係止部材14の長手方向中央位置を通る第2の仮想直線L2上であって、第2の筒状部3bの他方の側の端部における第2のフック部19の当接点Aと(第1の管状連結部材3の)内周部3a1の一方の側の端縁Bとを結ぶ第1の仮想直線L1と被係止部材14の長手方向中央位置を通る第2の仮想直線L2との交点Cと、第2のフック部19に設けられた第1の接続部としての連結穴22との中間の位置に設けられた連結穴(図示しない)で構成され、その他の構成が図4及び図5に示した折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造と略同じとなっている折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造を準備した。
(1-1)第1の保持試験
実施例1、2、比較例1、2の夫々の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造を用いて、図4(b)、図5(c)に示したような、第1のフック部20が管状係止部材15における一方の側の端部に係止して、コイルばね9の付勢力による他方の側の方向への移動を阻止している状態において、第2のワイヤ部材8に対して、管状係止部材15における一方の側の端部から離れる方向であって、第1のパイプ支柱1の長手方向に対して垂直な方向に引っ張る力を加えたときに、第n番目のパイプ支柱と第n+1番目のパイプ支柱とを折り畳んだ状態を保持することができるか否かを試験した。
実施例1、2、比較例1、2の夫々の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造を用いて、相互のパイプ支柱1、2を第n番目のパイプ支柱1の長手方向に沿って引っ張ることなく、第n番目のパイプ支柱1と第n+1番目のパイプ支柱2とを折り畳み、第2のフック部19を管状係止部材15における他方の側の端部に当接させた場合において手を離したときに、第n番目のパイプ支柱と第n+1番目のパイプ支柱とを折り畳んだ状態を保持することができるか否かを試験した。
実施例1、2、比較例1、2の夫々の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造を用いて、第1の管状連結部材3の内周部3a1に外周部4aを嵌合させ、被係止部材14がコイルばね9の付勢力により第n番目のパイプ支柱1の内部を他方の側の方向に移動し、コイルばね9の中に入り込んだ状態にしたときの、第1のフック部20のコイルばね9との接触による接触コイルばね9の変形の有無を試験した。試験においては、パイプ支柱1、2を透明の樹脂部材からなるもので構成し、コイルばね9の変形状態を外観観察した。
(3-1)実施例1、2の試験結果
実施例1、2の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造では、上記(1)のパイプ支柱を折り畳んだ状態の保持試験に関する第1、第2のいずれの保持試験においても、第n番目のパイプ支柱1と第n+1番目のパイプ支柱2とを折り畳んだ状態を保持することが確認された。
また、上記(2)のパイプ支柱連結時のコイルばねの変形試験に関しても、コイルばね9に変形が生じず、コイルばね9による、強い力での第1の管状連結部材3と第2の管状連結部材4とが連結した状態が保持されることが確認された。
これに対し、比較例1の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造では、上記(2)のパイプ支柱連結時のコイルばねの変形試験に関しては、コイルばね9に変形が生じず、コイルばね9による、強い力での第1の管状連結部材3と第2の管状連結部材4とが連結した状態が保持されることが確認されたが、上記(1)のパイプ支柱を折り畳んだ状態の保持試験に関しては、第1、第2のいずれの保持試験においても、第n番目のパイプ支柱1と第n+1番目のパイプ支柱2とを折り畳んだ状態を保持することができない場合が生じることが確認された。
また、比較例2の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造では、上記(1)のパイプ支柱を折り畳んだ状態の保持試験に関する第1、第2のいずれの保持試験においても、第n番目のパイプ支柱1と第n+1番目のパイプ支柱2とを折り畳んだ状態を保持することが確認されたが、上記(2)のパイプ支柱連結時のコイルばねの変形試験に関しては、第1のフック部20がコイルばね9に圧接し、さらにはコイルばね9の隙間に入り込んで、コイルばね9に大きな変形が生じ、コイルばね9による第1の管状連結部材3と第2の管状連結部材4とが連結した状態を保持する力が弱められて、第n番目のパイプ支柱1と第n+1番目のパイプ支柱2とが連結した状態での杖の使用に悪影響を与える虞があることが確認された。
2 第n+1番目のパイプ支柱
3 第1の管状連結部材
3a 第1の筒状部
3a1 内周部
3b 第2の筒状部
4 第2の管状連結部材
4a 外周部
7 第1のワイヤ部材
8 第2のワイヤ部材
9 コイルばね
10 ばね受け
11 緩衝部材
12 座金
13 リング状針金部材
14 被係止部材
15 管状係止部材
19 第2のフック部
20 第1のフック部
21、21’、21” 第1の接続部としての連結穴
22 第2の接続部としての連結穴
51、52 パイプ支柱
53、54 連結金具(管状連結部材)
55 ゴムひも
Claims (3)
- 第n番目のパイプ支柱と、第n+1番目のパイプ支柱と、
前記第n番目のパイプ支柱における一方の側の端部に設けられていて、他方の側に向かって開口径が狭くなるようにテーパのついた内周部を有する第1の筒状部と、前記n番目のパイプ支柱の内径よりも小さな外径を有する第2の筒状部とを備えた第1の管状連結部材と、
前記第n+1番目のパイプ支柱における他方の側の端部に設けられていて、前記第1の管状連結部材の前記内周部に嵌合可能な外周部を備えた第2の管状連結部材と、
前記第1の管状連結部材における他方の側の端部に設けられた管状係止部材と、
一端に前記管状係止部材における一方の側の端部に係止可能且つ該管状係止部材の内部を挿通可能な第1のフック部、他端に該管状係止部材の内部を挿通不能な第2のフック部を有し、前記第1のフック部における前記管状係止部材と当接する辺の先端から一方の側の先端に向かって幅が狭くなるように傾斜した、細長板状の被係止部材と、
一端が前記第2のフック部に設けられた第1の接続部に接続する第1のワイヤ部材と、
他端が前記被係止部材における所定位置に設けられた第2の接続部に接続する第2のワイヤ部材と、
前記第n番目のパイプ支柱の内部において、一端が前記第2の筒状部を遊嵌した状態で、前記第1の筒状部と当接し前記第1のワイヤ部材を他方の側の方向に付勢するバネと、
前記第1のワイヤ部材の他端と接続するとともに、前記バネと当接して該バネの他方の側の方向への移動を規制する第1の移動規制部材と、
前記第2のワイヤ部材の一端と接続するとともに、前記第n+1番目のパイプ支柱の前記第2の管状連結部材における一方の側の端部に当接して該第2のワイヤ部材の他方の側の方向への移動を規制する第2の移動規制部材と、
を有し、
前記内周部に前記外周部を嵌合させたときに、前記被係止部材が、前記第1のフック部による前記管状係止部材における一方の側の端部との係止を解除されて、前記バネの付勢力により前記第n番目のパイプ支柱の内部を他方の側の方向に移動し、前記第1の管状連結部材と前記第2の管状連結部材との嵌合状態が保持され、
前記第2の管状連結部材が前記第1の管状連結部材から離れるように、相互の前記パイプ支柱を引っ張り、前記バネの付勢力に抗して前記被係止部材を一方の側の方向に移動させたときに、前記第1のフック部が前記管状係止部材における一方の側の端部に係止して、前記バネの付勢力による他方の側の方向への移動を阻止するように構成された折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造において、
前記第2のフック部が、前記管状係止部材における他方の側の端部に当接することなく、前記第2の筒状部における他方の側の端部に当接することができるように形成され、
前記被係止部材における、前記第2のワイヤ部材の他端が接続する前記第2の接続部が、前記第2の筒状部の他方の側の端部における前記第2のフック部の当接点と前記内周部の一方の側の端縁とを結ぶ第1の仮想直線と、前記被係止部材の長手方向中央位置を通る第2の仮想直線との交点位置近傍から、前記第1の仮想直線に対し前記内周部の中心側の方向に3.8度傾斜した第3の仮想直線と前記第2の仮想直線との交点位置までの、該第2の仮想直線上の所定位置に設けられていることを特徴とする折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造。 - 前記被係止部材における、前記第2のワイヤ部材の他端が接続する前記第2の接続部が、前記第1の仮想直線と前記第2の仮想直線との交点位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造。
- 前記被係止部材における、前記第2のワイヤ部材の他端が接続する前記第2の接続部が、前記第1の仮想直線に対し前記内周部の中心側の方向に3.8度傾斜した第3の仮想直線と、前記第2の仮想直線との交点位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み式杖用パイプ支柱の接続構造。
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