JP2020177012A - 光学装置、車載システム、および移動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】偏向部の偏向を良好に制御可能な光学装置、車載システム、および移動装置を提供すること。【解決手段】光学装置1は、光源11からの照明光を偏向して物体を走査すると共に、物体からの反射光を偏向する偏向部30と、光源11からの照明光を偏向部30に導光すると共に、偏向部30からの反射光を受光素子52に導光する導光部20と、偏向部30からの照明光の一部である第1光を反射して偏向部30に再入射させる反射領域aを含む光学部材40と、反射領域aからの第1光に関する情報に基づいて偏向部30に関する情報を取得する制御部60とを有し、反射領域aから導光部20までの光路を含む断面において、反射領域aの幅は、反射領域aに入射するときの照明光の幅よりも小さい。【選択図】図1
Description
本発明は、照明した対象物からの反射光を受光することで、対象物を検出する光学装置、車載システム、および移動装置に関する。
対象物までの距離を計測する方法として、照明した対象物からの反射光を受光するまでの時間や検出された反射光の位相から、対象物までの距離を算出するLiDAR(Light Detection and Ranging)が知られている。特許第4476599号公報には、対象物からの反射光を受光素子で受光した際の偏向部(駆動ミラー)の位置に基づいて対象物の位置と距離を計測する構成が開示されている。
しかしながら、駆動ミラーの製造時の加工精度のばらつきにより、駆動ミラーからの光束の光学振れ角(偏向角)や駆動ミラーの共振周波数に個体差が生じ得る。また、温度や気圧などの環境変化により、偏向角や共振周波数が変化する。偏向角や共振周波数が設計値と異なる場合、対象物までの距離を正確に計測することが困難になる。
本発明は、偏向部の情報を容易に取得可能な光学装置、車載システム、および移動装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての光学装置は、光源からの照明光を偏向して物体を走査すると共に、物体からの反射光を偏向する偏向部と、光源からの照明光を偏向部に導光すると共に、偏向部からの反射光を受光素子に導光する導光部と、偏向部からの照明光の一部である第1光を反射して偏向部に再入射させる反射領域を含む光学部材と、反射領域からの第1光に関する情報に基づいて偏向部に関する情報を取得する制御部とを有し、反射領域から導光部までの光路を含む断面において、反射領域の幅は、反射領域に入射するときの照明光の幅よりも小さいことを特徴とする。
本発明によれば、偏向部の偏向を良好に制御可能な光学装置、車載システム、および移動装置を提供することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
LiDARを用いた光学装置は、対象物を照明する照明系と対象物からの反射光や散乱光を受光する受光系とから構成される。LiDARでは、照明系と受光系の光軸の一部が互いに一致する同軸系と、各光軸が互いに一致しない非同軸系がある。本実施形態に係る光学装置は、同軸系のLiDARに好適なものである。
図1は、本実施例の光学装置1の概要図である。光学装置1は、光源部10、光路分岐部(導光部)20、駆動ミラー(偏向部)30、カバーガラス40、検出部50、および制御部60を有する。光源部10は、光源11、および光源11からの発散光を略平行光にするコリメータ12を備える。光源11としては、エネルギー集中度が高く指向性のよいレーザである半導体レーザなどを用いることができる。後述するように光学装置1を車載システムに適用する場合などは、対象物に人間が含まれる可能性がある。そのため、光源11としては人間の目に対する影響が少ない赤外光を射出するものを採用することが望ましい。本実施例に係る光源11が射出する照明光の波長は、近赤外域に含まれる905nmである。なお、照明光の波長は、945nmや1550nm等の波長であってもよい。
光路分岐部20は、例えば有孔ミラーやビームスプリッターで構成され、照明光路と受光光路を分離させ、光源部10からの照明光を駆動ミラー30に導光すると共に、駆動ミラー30からの反射光(散乱光を含む)を検出部50に導光する。
駆動ミラー30は、MEMSミラーであり、Y軸、またはY軸に垂直な一点鎖線で示されるMx軸を中心に回転する。なお、本実施形態では、駆動ミラー30として、MEMSミラーを採用しているが、ガルバノミラーなどの揺動ミラーやポリゴンミラー等の回転ミラーといった各種の駆動ミラーを採用してもよい。駆動ミラー30は、光路分岐部20からの照明光を偏向して対象物を走査すると共に、対象物からの反射光を偏向して光路分岐部20に導光する。カバーガラス40は、駆動ミラー30からの照明光を通しつつ、対象物からの反射光を受光するための開口であり、外界からのほこり等を遮断する役割を持つ。
検出部50は、結像レンズ51、受光素子52、および不図示のバンドパスフィルターを備える。対象物からの反射光は、駆動ミラー30や光路分岐部20を通って受光素子52で受光される。制御部60は、光源11や駆動ミラー30をそれぞれ所定の駆動電圧や駆動周波数(偏向周波数、共振周波数)で駆動する。また、制御部60は、受光素子52からの出力(駆動ミラー30からの照明光の一部である基準光(第1光)に関する情報)に基づいて駆動ミラー30の偏向を制御する。本実施形態では、制御部60は、駆動ミラー30からの照明光の振れ角(光学振れ角、偏向角)、および駆動ミラー30の共振周波数の少なくとも一方を制御する。なお、振れ角は、駆動ミラー30の揺動角または回転角に対応している(揺動角または回転角の2倍である)。
図2A and 2Bは、照明光路と受光光路の説明図である。図2Aは、光源部10からの照明光が、駆動ミラー30で反射し、カバーガラス40を通り抜けて、光学装置1から距離Tだけ離れている対象物(物体)OBJを照明する様子を表している。図2Bは、対象物OBJからの反射光が、カバーガラス40を通り抜けて、駆動ミラー30で反射し、光路分岐部20で反射し、検出部50に集光される様子を表している。
駆動ミラー30は、例えばMx軸を中心に周波数ωMx[Hz]で±α°、Y軸を中心に周波数ωy[Hz]で±β°駆動する。本実施例では、図1に示されるように、駆動ミラー30が駆動できる範囲(走査範囲)の中心画角と光軸Azが一致する場合、カバーガラス40の点aで示される迷光の発生源(基準部)から正反射光または後方散乱光が受光素子52に返ってくる。正反射光または後方散乱光をまとめて固定された迷光と考える。迷光の発生源は、塗料などのマーク、キズなどの凹部、突起などの凸部といった物体を照明する有効光以外の、駆動ミラー30の偏向を制御する際に使用される基準光を反射するものであればよい。
駆動ミラー30がY軸を回転軸とし、光軸Azを中心として1周期往復する場合、tを時間とするとき、駆動ミラー30の光学振れ角θは以下の式(1)で表される。
θ=α×sin(2π×ωy×t) (1)
ここで、迷光Sは、光学振れ角θが最大振れ角βに対して割合kより小さい場合に発生する場合、以下の式(2)で表される。
ここで、迷光Sは、光学振れ角θが最大振れ角βに対して割合kより小さい場合に発生する場合、以下の式(2)で表される。
図3は、光学振れ角θと迷光Sとの関係を示す図である。横軸は光学振れ角θ、縦軸は迷光Sを規格化した値である。ここで、Y軸を中心とする共振周波数がωyからωy’に変化したとき、発光タイミングを一定とすると、所定時間に光学振れ角θが0で中心画角の光路と光軸Azが一致して迷光が最大となっていたのに対し、光学振れ角θがずれ角θ’だけずれる。ずれ角θ’は、以下の式(3)で表される。
θ’=β×sin(2π×ωy’/ωy) (3)
この場合、受光素子52で得られる迷光Sの強度は、強度pだけ低下する。強度pは、以下の式(4)で表される。
この場合、受光素子52で得られる迷光Sの強度は、強度pだけ低下する。強度pは、以下の式(4)で表される。
p=1−cos(π/2×θ’/kβ)) (4)
図4は、受光素子52で得られる、対象物OBJからの反射光の信号とカバーガラス40からの固定された迷光Sの信号との関係を示す図である。横軸は光源11の発光時を基準とする経過時間t、縦軸は受光素子52で得られる受光信号である。
図4は、受光素子52で得られる、対象物OBJからの反射光の信号とカバーガラス40からの固定された迷光Sの信号との関係を示す図である。横軸は光源11の発光時を基準とする経過時間t、縦軸は受光素子52で得られる受光信号である。
受光信号61は、光学振れ角θに応じた固定された迷光Sの信号であり、光源11が発光してからすぐに検出される。受光信号62は、対象物OBJまでの距離と対象物OBJの反射光量に依存する対象物OBJからの反射光の信号であり、光源11が発光してから時間2T/c(c:光速)だけ経過した後に検出される。受光信号61は、受光信号62とは時間的に分離されている。また、受光信号61は、光学振れ角θに応じて検出されるが、対象物OBJの有無にかかわらず、光源11が発光してから所定時間内に検出される。
上述した構成について、具体的な数値を用いて説明する。駆動ミラー30がY軸を中心に1.2kHzで±20°、Mx軸を中心に60Hzで±7.5°振れるとする。光源11は144kHzで発光するものとすると、駆動ミラー30が光軸Azを中心とする方向へ1周期する間に、光源11は120pls発光する。
図5は、駆動ミラー30の駆動の1周期での光源11の発光タイミングと光学振れ角θとの関係を示す図である。図5では、光学振れ角θの範囲(±40°)のうち領域Saで示される2%の範囲で迷光が発生する。Y軸の周波数が1.2kHzから1.201kHzに変化すると、式(3),(4)よりずれ角θ’および共振周波数の変化はそれぞれ、0.21°および8.3%の低下と算出される。すなわち、制御部60は、式(3),(4)を用いて、光学振れ角θや共進周波数の変化を見積もり、見積もられた結果を用いて振れ角θや共進周波数を制御することができる。
以上説明したように、駆動ミラー30より射出側で駆動ミラー30からの照明光の一部の光に基づく迷光を発生させることで、駆動ミラー30の光学振れ角θや共振周波数を逆算することができる。その結果、環境が変化した場合であっても、駆動ミラー30の向きを計算または補正できるため、対象物OBJの位置を正確かつ安定して計測できる。また、特別な機構を設けることなく、LiDARの機能から駆動ミラー30の光学振れ角θや共振周波数を検出するため、光学装置1の簡素化と低コスト化を実現できる。
なお、本実施例では、共振周波数が速いY軸を中心とした回転方向を例としたが、共振周波数が遅いMx軸を中心とした回転方向で、かつその方向の駆動が式(1)の関数とは異なる関数に従う場合でも本発明を適用することができる。
また、本実施例では、屈折力を持たないカバーガラス40に迷光の発生源を設けたが、本発明はこれに限定されない。例えば、駆動ミラー30より射出側に光学系を配置し、光学系に含まれる光学素子(光学部材)自体に発生源を設けてもよい。具体的には、光学素子内で駆動ミラー30からの照明光が透過する領域内に、透過率(または反射率)の異なる領域を少なくとも1つ以上設ければよい。また、駆動ミラー30のすぐ後の光学素子の端に、迷光が発生するようにコーティングの境界面を設けてもよい。また、迷光の発生源の位置に応じて、メカ的な遮光部材を配置してもよい。
図6は、本実施例の光学装置2の概要図である。光学装置2の基本的な構成は、光学装置1と同様である。本実施例では、実施例1の構成と異なる点について説明し、実施例1と同様の構成については説明を省略する。本実施例では、受光素子52は、カバーガラス40の点bで発生した迷光を受光する。
図7は、駆動ミラー30の駆動の1周期での光源11の発光タイミングと光学振れ角θとの関係を示す図である。本実施例では、領域Sbで示される範囲で迷光が発生する。
図8は、領域Sbの拡大図である。また、図8には、駆動ミラー30の光学振れ角θや共振周波数、および光源11の発光周波数を実施例1と同様としたときの光学振れ角と発光タイミングの関係が示されている。
図8では、光学振れ角θの最大値から2.5%内側の光学振れ角θを中心に、±0.5°の範囲で迷光が発生する。すなわち、−39.5°より大きく−38.5°小さい光学振れ角θ、または38.5°より大きく39.5°より小さい光学振れ角θで迷光が発生する。
駆動ミラー30に変化がない場合、検出部50は領域Sb内の曲線400上の6plsの迷光を検出する。最初の3plsの迷光が観察されるタイミングと後の3plsの迷光が観察されるタイミングの間には、迷光が観察されない5pls分のタイミングがある。光学振れ角θは、40°から0.5%変化した場合、40.2°または39.8°となる。光学振れ角θが40.2°となった場合、検出部50は領域Sb内の曲線402上の4plsの迷光を検出する。最初の2plsの迷光が観察されるタイミングと後の2plsの迷光が観察されるタイミングと間には、迷光が観察されない7pls分のタイミングがある。一方、光学振れ角θが39.8°となった場合、検出部50は領域Sb内の曲線398上の4plsの迷光を検出する。最初の2plsの迷光が観察されるタイミングと後の2plsの迷光が観察されるタイミングと間には、迷光が観察されない5pls分のタイミングがある。本実施例では、観察される迷光の数と、迷光が観察されるタイミングの間の迷光が観察されないタイミングの数で、光学振れ角θを見積もることができる。
実際には、迷光が観察される範囲では、光学振れ角θに応じて迷光の強さが変化することが多い。なぜなら、光源光にも分布勾配があり、出射光の照度の大きい部分が迷光の発生する領域に当たると迷光は大きくなるからである。曲線500は、検出部50で検出される迷光の強さを表している。迷光は、光学振れ角θが39°のときに最も強く、39°から離れるにしたがって弱くなり、38.5°または39.5°になると検出されなくなる。検出部50により検出される、光学振れ角θに応じた迷光の強弱を考慮した受光タイミングごとに検出される迷光が398s,400s,402sとして示されている。例えば400sに示されるように、迷光が検出されるタイミングと迷光の強さ、および曲線500で想定される迷光の強さを元に、迷光が最も強くなる光学振れ角(図8では39°)となるタイミングをより高い精度で検出できる。
迷光が最も強くなる光学振れ角θを検出できるタイミングは、図8で示す範囲内には2回存在する。398s,400s,402sのそれぞれに、迷光が最も強くなると想定されるタイミングが星印で示されているが、2回あるタイミングの間隔から、駆動ミラー30の振れ角θを想定することができる。
以上説明したように、駆動ミラー30より射出側に、駆動ミラー30からの照明光の一部の光に基づく迷光を発生させ、迷光をLiDARの機能を用いて検出することで、光学振れ角θを検出することができる。その結果、環境が変化した場合であっても、光学振れ角θを計算することができるため、対象物OBJの位置を正確に計測することができる。
なお、本実施例では、共振周波数が速いY軸を中心とした回転方向を例としたが、共振周波数が遅いMx軸を中心とした回転方向であっても本発明を適用することができる。
図9は、本実施例の光学装置3の概要図である。光学装置3の基本的な構成は、光学装置1と同様である。本実施例では、実施例1の構成と異なる点について説明し、実施例1と同様の構成については説明を省略する。本実施例では、受光素子52は、カバーガラス40の光軸Azに対して対称な点b,cで発生した迷光を受光する。
図10は、駆動ミラー30の駆動の1周期での光源11の発光タイミングと光学振れ角θとの関係を示す図である。本実施例では、領域Sb,Scで示される範囲で迷光が発生する。
図11A and 11Bはそれぞれ、図10の領域Sb,Scの拡大図である。検出部50は、曲線400bに示されるように、25〜35回目の発光の間で迷光を検出する。400PBは、光学振れ角θが最大となるタイミングを表している。また、検出部50は、曲線400cに示されるように、85〜95回目の発光の間で迷光を検出する。400PCは、光学振れ角θが最大となるタイミングを表している。図11Aおよび図11Bのそれぞれにおいて、光学振れ角θが最大となるタイミングは、実施例2で説明したように、迷光の計測値から検出できる。
仮に、光源11の発光タイミングが2pls分ずれた場合、迷光が出るタイミングも2pls分変化する。その場合、検出部50は、曲線400b’に示されるように、27〜37回目の発光の間で迷光を検出する。400PB’は、光学振れ角θが最大となるタイミングを表している。また、検出部50は、曲線400c’に示されるように、87〜97回目の発光の間で迷光を検出する。400PC’は、光学振れ角θが最大となるタイミングとなるタイミングを表している。すなわち、2つの迷光のタイミングから、光学振れ角θに対する光源11の発光、または受光のタイミングが全体的にずれていることがわかる。
なお、光源11の発光タイミングが1plsより小さな値だけずれた場合でも、受光タイミングと受光する迷光量から、光学振れ角θが最大となるタイミングを近似し、2つの迷光が発生する領域でのタイミングのずれ分を計算することもできる。これにより、駆動ミラー30と、光源11の発光または受光タイミングの位相ずれがわかる。
以上説明したように、駆動ミラー30より射出側で駆動ミラー30からの照明光の一部の光に基づく迷光を複数発生させることで、光源11の発光または受光タイミングに対する駆動ミラー30の位相ずれを検出できる。その結果、位相ずれをもとに、駆動ミラー30の駆動や、受光タイミングまたは光源11の発光タイミングを補正することができる。また、ソフトウェア上で駆動ミラー30の向きを修正することで、駆動ミラー30の向きを正確に認識しながら対象物OBJの位置を精度よく計測することができる。
図12は、本実施例の光学装置4の概要図である。光学装置4は、駆動ミラー30の後ろに光学振れ角θを変更する変倍光学系70を有する。変倍光学系70は、駆動ミラー30からの照明光の径を拡大すると共に、対象物OBJからの反射光の径を縮小する。本実施例では、駆動ミラー30によって反射される射出光と光学素子の一部が正対した向きとなる場合があり、光学素子からの反射光が検出部50で検出されるようにしてもよい。
ただし、一般的には画角内に迷光がないことが望ましいので、画角内では迷光が発生せず、画角外で迷光が発生するようにすることが望ましい。例えば、図13に示されるように、変倍光学系70では、光軸が駆動ミラー30の中心から偏心していてもよい。図13は、駆動ミラー30を反射した後の光路図をYZ平面で示した図である。Fa,Fb,Fcはそれぞれ、駆動ミラー30がMx軸に対して振れたときの、最軸外画角の照明光路、光学振れ角が0(走査画角範囲の中心画角)の照明光路、および反対側の最軸外画角の照明光路を表している。なお、照明光路Fcは、対象物OBJまでの距離の計測で用いる最軸外画角の照明光路であり、駆動ミラー30が最大に振れるときの照明光路ではない。駆動ミラー30が傾いて反射する範囲において、照明光路Fa,Fb,Fcでは、変倍光学系70の光軸に対して片側だけ使用しており、迷光が発生しない。
また、Fgは、駆動ミラー30がMx軸に対して最も振れたときの照明光路を表している。照明光路Fgが変倍光学系70の光学素子に対して垂直に入射する場合、光学素子からのわずかな反射光が、照明光路Fgと同じ光路を通って、光路分岐部20を反射し、検出部50で迷光として検出される。照明光路Fcと照明光路Fgの間の画角は、迷光が発生しない画角分の余裕分である。例えば、製造誤差分でずれる分をその余裕分として持たせている。
図13では、変倍光学系70の光軸と駆動ミラー30の交点AXPが駆動ミラー30の中心32に対してずれている様子を表しており、変倍光学系70が駆動ミラー30に対して偏心していることを示している。変倍光学系70が駆動ミラー30に対して偏心する(駆動ミラー30を、駆動ミラー30の走査画角範囲の中心画角での照明光の主光線の光路と変倍光学系70の光軸とが一致しないように配置する)ことで、照明光路Fgからの迷光も偏心させることができる。これにより、照明光路Fgよりさらに外側の画角まで迷光が発生しない領域を増やすことができるので、照明光路Fcよりさらに照明光路Fg側の方向まで対象物OBJまでの距離の計測に使用できる。また、照明光路Fbを照明光路Fg側に振り分けると、照明光路Faを変倍光学系70の光軸中心側に振ることができるので、変倍光学系70の有効径を小さくし、光学装置4全体を小型化することもできる。したがって、駆動ミラー30上において、駆動ミラー30の中心32と変倍光学系70の光軸は一致させないほうが望ましい。
このように、使用画角の少し外側に迷光が発生する領域を設けるように光学系を設計することもできる。使用画角外なので、広範囲に迷光が出るように設計してもよい。例えば、実施例1では、光学振れ角θが0の位置を中心に光学振れ角θの2%の範囲で迷光が発生するようにしたが、25%の範囲で迷光が発生するようにしてもよい。これにより、複数のタイミングで迷光を検出できる。
図14は、駆動ミラー30の1周期での光源11の発光タイミングと光学振れ角θとの関係を示す図である。図15は、図14の領域Sa’近辺における発光タイミング(受光タイミング)と受光する迷光信号との関係を示す図である。線200で表される近似から、迷光の最大値を逆算することができる。迷光の最大値を一定時間ごとに計測し、変化が見られたら光源出力(発光強度)が変化したと考えられる。その分だけ制御部60にて光源出力を元の状態に戻すように補正すれば、光学装置4からの照明出力も補正できる。これにより、照明出力が不用意に強くなって人眼に悪影響をもたらす危険をなくすことができるし、照明出力が弱くなって遠方の対象物OBJまでの距離の計測の性能が劣化するのを抑制できる。
このように、駆動ミラー30より射出側に、使用画角内で正反射させないようにしつつ、使用外画角で迷光を発生させるように変倍光学系70を配置することで、使用画角外の迷光から露光量を検出し、制御することができる。また、光源11の発光タイミングや出力についても検出することができるため、それらを検出するための機構も排除でき、対象物OBJの位置を正確かつ安定して安全に計測することができる。
なお、本実施例では光学振れ角θが0となる位置を中心に示したが、複数のタイミングで迷光を計測し、計測値から特定の迷光量を計算できるのであれば、迷光が検出される条件は他でもよい。
またこれまでの実施例は、光源の発光の時間的間隔が同じ前提で示したが、走査ミラーの振れ角を鑑みて、走査ミラーから照明されるときの走査間隔が等角となるようなどにしても、考え方は同様である。
つまり、迷光が検出されるタイミングでの迷光量を上述の観点で解析すれば、発光タイミングもしくは走査ミラーの振れ角変化を検出することができる。
以上、本実施形態の構成によれば、偏向部である駆動ミラー30の偏向を良好に制御可能である。また、光源部10の発光も良好に制御可能である。
なお、本実施形態に係る光学装置は、以下に示すように、特に遠方の対象物までの距離を計測可能であることから、自動機や自動運転用のセンサに応用可能である。
実施例1乃至4の同軸光学系は、対象物からの反射光をなるべく取り込みつつ、不要な外光を抑制しやすいので、遠方測距に関して優れている面が多い。遠方測距の場合、対象物からの反射光を多く取り込みたいので、例えば人眼の安全性に配慮しつつなるべく照明光量を大きくしたい。しかし、遠方からの光を多く取り込もうとして感度の高い受光素子を使った場合、上記反射板からの光が強すぎて受光素子が飽和し、測距性能や対象物の方向検出の精度が悪くなったり、故障する可能性が高くなったりする。例えば、100m先の対象物を検出する際、対象物からの反射光は照明光量に対して8桁ほど低い。つまり照明が1Wならば、対象物からの反射光は10nW程度となる。一方、対象物の方向を測るための反射板からの基準反射光を0.01%検出できる構成の場合、照明が1Wならば基準反射光は100μWとなり、対象物からの反射光量よりはるかに大きい。本実施例では、実施例1乃至4で適切な反射光を発生させるための実施例について説明する。
以下、本実施例の光学装置の実施例について説明する。
測距装置(光学装置)7の概要を図16にて示す。
10は光源部であり、光源11からの発散光をコリメータレンズ102で略平行にする。20は、光源部10からの光を使って対象物を照明するための照明光路と、対象物からの反射光を受光するための受光光路を分岐する光路分岐部である。
光路分岐部20は、有孔ミラー、光軸中心から特定範囲を透過しつつそれ以外を反射領域としたミラー、偏光ビームスプリッターなどである。光路分岐部20は、例えば図17で示されるように平板で構成され、出射側の面Aにおいて、光源部10の光束の大半を透過しつつ一部を反射する領域81と、駆動ミラー側から光を反射する領域82を有する。
光源部10側から見たときの領域81の面積は、同じく光源部10側から見たときの駆動ミラーの有効径より小さく、領域81を通った光束は駆動ミラーの有効径内に収まるよう構成される。
30は、ミラー中心に対してY方向を軸として、またY軸に垂直な一点鎖線Mxの方向を軸として回転駆動する二次元走査駆動ミラーであり、光源部からの光束を偏向する。駆動ミラーは、Y方向を軸とした走査のほうがMxを軸とした走査より早く、かつ走査角度も広い。また駆動ミラー30は、光源部10からの照明光を二次元に偏向しつつ対象物を照明し、対象物からの反射光を光路分岐部20側に偏向する役割も有する。
50は、検出部であり、バンドパスフィルター91や結像レンズ51や受光素子52で構成される。測距対象物から反射・散乱された光は、駆動ミラーや光路分岐部を通って検出部50の受光素子52で受光される。
制御部600は、光源部10の発光パラメータや、駆動ミラー30の走査、検出部50の受光パラメータを制御する。
40は装置内部からの照明を透過するウインドウ(カバーガラス)であり、41は特定の画角αのときに照明を減光しつつ反射・散乱させる基準光発生領域である。
また、ウインドウ40は、本例では簡易的にXY平面に平行となるよう描写しているが、走査ミラー85から反射された照明光の一部がウインドウ40で反射されても駆動ミラー30に戻らないよう傾いて配置されることが望ましい。
上記は、図18のように照明光路と受光光路に分けることができる。図18(a)では、光源部10からの光束が、光路分岐部20の領域81を透過し、駆動ミラー30で走査されながら反射し、対象物OBJを照明する様子を表している。図18(b)では、光源部10からの光束が、光路分岐部20の領域81で分割されて反射され、検出部50に集光される様子を表す。
図19で、対象物OBJが画角αにある場合の受信信号として信号a、画角α以外にある場合(画角βとする)の受信信号として信号bを示す。t1は光源から光が発光した時間であり、基準t3では対象物OBJからの反射光を受光した時間である。また、画角αでは、時間t1〜t2のごく短い時間の間で基準光による信号SGが検出される。
基準光発生領域41と照明光束の関係について図20に示す。図20では、照明光束をIL、照明もしくは受光の際の光軸をIL_Center、受光光束をRC、として示している。基準光発生領域41はウインドウの装置内部側に形成されており、照明光束ILの有効径よりも小さい。照明光束ILの有効径とは、例えば光軸IL_Centerを垂直断面で見たとき、照度が最も高い領域に対して1/e2の強度もしくは1%となる径である。
照明光束に対して基準光発生領域41を小さくすることで、基準光発生領域の反射率とは別に照明光束に対する基準光発生領域の面積比分だけ反射光を下げることができる。
また、この基準光発生領域41はウインドウ40上で形成される反射部であるが、他の部分と異なる反射防止膜とし、例えばウインドウ40上の反射防止膜より反射率を大きくしてもよい。
さらに、基準光発生領域41は、ウインドウ40に対して線状もしくは点状に形成された疵のようなエッジ面でもよい。その場合、反射光は拡散するので、駆動ミラーで偏光されて受光素子に向かう反射光は、反射光全体に対して減少する。
また、検出部50の結像レンズ51の光軸に対して斜めに透過する光の一部は受光素子93に到達しないため、最終的に受光素子52で検出される光量をさらに小さくすることができる。ただし、駆動ミラーの走査方向断面で基準光発生領域41の大きさが照明光束の径より小さいことが望ましい。
駆動ミラーの走査方向断面において、照明光束ILの幅をILH、基準光発生領域の幅をtwとしたとき、たとえば0.01<tw/ILH<0.9もしくは0.1<tw/ILH<0.5となる範囲になるような基準反射領域を設定すればよい。
また、基準光発生領域41は、走査方向の幅のほうが走査方向に垂直な方向の幅より同等もしくはそれより小さいことが望ましい。このように、照明光束より小さい基準光発生領域を配置することで、遠距測距で照明光量を大きくしても、適切な光量の基準反射光を形成できる。
上記の基準反射光を用いることで、偏向部や出射光の向きを精度よく計測できる。またその計測結果を基にして偏向部を制御して偏向角を補正することもできるため、より精度の高い測距が可能となる。
実施例6として、本発明における測距装置(光学装置)8の構成例について図21に示す。実施例6は、実施例5に対して、基準光発生領域41がウインドウとは別体の基準光発生体420の側面に配置されており、かつウインドウに遮蔽部410を有する。
図22に画角αでの基準光発生領域41近辺の拡大図を示す。実施例5と同様、照明光束をIL、照明もしくは受光の際の光軸をIL_Center、受光光束をRCで示す。基準光発生領域41は、照明光束ILが当たると反射して、受光素子52で基準光を検出させる。基準光発生領域41は、光軸IL_Centerに対して垂直な断面で見たとき、照明光束ILの有効径よりも小さくなるよう配置されており、領域41以外では透過するように構成されている。
また、基準光発生体420自体は光源11の波長の光を吸収するNDフィルタであり、照明光の大部分はNDフィルタにより吸収される。
さらに、遮蔽部410は、光源11の波長の光を吸収もしくは大きく散乱させる。
照明光束ILは、基準光発生領域41近辺を通過する際に3種類に分類される。一つ目は、基準光発生体420の大部分で吸収されつつ透過光は遮蔽部410で吸収もしくは散乱される。遮光もしくは吸収される。二つ目は、基準光発生領域41に当たり大部分が透過屈折もしくは前方散乱するが、一部は後方散乱して受光素子52で基準光として検出される。三つ目は、基準光発生体420の吸収部もしくは基準光発生領域41に当たらず、遮蔽部410にて吸収もしくは散乱される。そして、遮蔽部410は、画角αにて受光光束RCを遮蔽するように配置される。この構成では、照明光ILによる一定の基準光が形成されつつ、受光光束RCを遮蔽するので、外光によって基準光の大きさが変化することがないため、対象物の方向をより安定して検出することができる。
ところで、本実施例では、遮蔽部410が装置外部に配置されるが、装置内部に配置されていてもよい。
また、基準光発生領域41は、光軸に垂直な断面上で見たときに照明光束ILよりも小さくなるよう配置されるのであれば、向きなども図22と異なっていてもよい。特定の画角において、照明光束の断面積よりも小さい反射面を配置しつつ、他の光を吸収もしくは散乱して受光素子から離しつつ、外光が入らないように遮蔽されるように、基準光発生領域、遮蔽部が配置されることが本発明の主旨である。その結果、遠距測距のために照明光量を大きくしても、外光による変動を受けることなく適切な光量の基準反射光を形成でき、遠方測距における対象物の方向と距離をより精度よく計測することができる。
本実施例によれば、照明の向きと受光の向きが同じ方向を向いている同軸LIDAR光学系で、遠距離測距のために照明光量を大きくしても、対象物の方向検出のための基準光を適切に発生させることで遠距離にいる対象物の方向や距離を精度よく計測可能である。
また、外気温度の変化の影響を受けて、駆動ミラーの振れ角や光源出力が変化したり、信号処理での各種信号タイミングが変化したりしても、遠距離にいる対象物の方向や距離を精度よく計測できる。
[車載システム]
図23は、本実施形態に係る光学装置1及びそれを備える車載システム(運転支援装置)1000の構成図である。車載システム1000は、自動車(車両)等の移動可能な移動体(移動装置)により保持され、光学装置1により取得した車両の周囲の障害物や歩行者などの対象物の距離情報に基づいて、車両の運転(操縦)を支援するための装置である。図24は、車載システム1000を含む車両500の模式図である。図24においては、光学装置1の測距範囲(検出範囲)を車両500の前方に設定した場合を示しているが、測距範囲を車両500の後方や側方などに設定してもよい。
[車載システム]
図23は、本実施形態に係る光学装置1及びそれを備える車載システム(運転支援装置)1000の構成図である。車載システム1000は、自動車(車両)等の移動可能な移動体(移動装置)により保持され、光学装置1により取得した車両の周囲の障害物や歩行者などの対象物の距離情報に基づいて、車両の運転(操縦)を支援するための装置である。図24は、車載システム1000を含む車両500の模式図である。図24においては、光学装置1の測距範囲(検出範囲)を車両500の前方に設定した場合を示しているが、測距範囲を車両500の後方や側方などに設定してもよい。
図23に示すように、車載システム1000は、光学装置1と、車両情報取得装置200と、制御装置(ECU:エレクトロニックコントロールユニット)300と、警告装置(警告部)400とを備える。車載システム1000において、光学装置1が備える制御部60は、距離取得部(取得部)及び衝突判定部(判定部)としての機能を有する。ただし、必要に応じて、車載システム1000において制御部60とは別体の距離取得部や衝突判定部を設けてもよく、夫々を光学装置1の外部(例えば車両500の内部)に設けてもよい。あるいは、制御装置300を制御部60として用いてもよい。
図25は、本実施形態に係る車載システム1000の動作例を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って車載システム1000の動作を説明する。
まず、ステップS1では、光学装置1の光源部10により車両の周囲の対象物を照明し、対象物からの反射光を受光することで受光素子52が出力する信号に基づいて、制御部60により対象物の距離情報を取得する。また、ステップS2では、車両情報取得装置200により車両の車速、ヨーレート、舵角などを含む車両情報の取得を行う。そして、ステップS3では、制御部60によって、ステップS1で取得された距離情報やステップS2で取得された車両情報を用いて、対象物までの距離が予め設定された設定距離の範囲内に含まれるか否かの判定を行う。
これにより、車両の周囲の設定距離内に対象物が存在するか否かを判定し、車両と対象物との衝突可能性を判定することができる。なお、ステップS1及びS2は、上記の順番とは逆の順番で行われてもよいし、互いに並列して処理を行われてもよい。制御部60は、設定距離内に対象物が存在する場合は「衝突可能性あり」と判定し(ステップS4)、設定距離内に対象物が存在しない場合は「衝突可能性なし」と判定する(ステップS5)。
次に、制御部60は、「衝突可能性あり」と判定した場合、その判定結果を制御装置300や警告装置400に対して通知(送信)する。このとき、制御装置300は制御部60での判定結果に基づいて車両を制御し(ステップS6)、警告装置400は制御部60での判定結果に基づいて車両のユーザ(運転者)への警告を行う(ステップS7)。なお、判定結果の通知は、制御装置300及び警告装置400の少なくとも一方に対して行えばよい。
制御装置300は、車両の駆動部(エンジンやモータなど)に対して制御信号を出力することで、車両の移動を制御することができる。例えば、車両においてブレーキをかける、アクセルを戻す、ハンドルを切る、各輪に制動力を発生させる制御信号を生成してエンジンやモータの出力を抑制するなどの制御を行う。また、警告装置400は、運転者に対して、例えば警告音を発する、カーナビゲーションシステムなどの画面に警告情報を表示する、シートベルトやステアリングに振動を与えるなどの警告を行う。
以上、本実施形態に係る車載システム1000によれば、上記の処理により対象物の検出及び測距を行うことができ、車両と対象物との衝突を回避することが可能になる。特に、上述した各実施例に係る光学装置1を車載システム1000に適用することで、高い測距精度を実現することができるため、対象物の検出及び衝突判定を高精度に行うことが可能になる。
なお、本実施形態では、車載システム1000を運転支援(衝突被害軽減)に適用したが、これに限らず、車載システム1000をクルーズコントロール(全車速追従機能付を含む)や自動運転などに適用してもよい。また、車載システム1000は、自動車等の車両に限らず、例えば船舶や航空機、産業用ロボットなどの移動体に適用することができる。また、移動体に限らず、高度道路交通システム(ITS)や監視システム等の物体認識を利用する種々の機器に適用することができる。
また、車載システム1000や移動装置500は、万が一移動装置500が障害物に衝突した場合に、その旨を車載システムの製造元(メーカ)や移動装置の販売元(ディーラ)などに通知するための通知装置(通知部)を備えていてもよい。例えば、通知装置としては、移動装置500と障害物との衝突に関する情報(衝突情報)を予め設定された外部の通知先に対して電子メールなどによって送信するもの採用することができる。
このように、通知装置によって衝突情報を自動通知する構成を採ることにより、衝突が生じた後に点検や修理などの対応を速やかに行うことができる。なお、衝突情報の通知先は、保険会社、医療機関、警察などや、ユーザが設定した任意のものであってもよい。また、衝突情報に限らず、各部の故障情報や消耗品の消耗情報を通知先に通知するように通知装置を構成してもよい。衝突の有無の検知については、上述した受光部2からの出力に基づいて取得された距離情報を用いて行ってもよいし、他の検知部(センサ)によって行ってもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
1 光学装置
11 光源
20 光路分岐部(導光部)
30 駆動ミラー(偏向部)
52 受光素子
60 制御部
OBJ 対象物(物体)
11 光源
20 光路分岐部(導光部)
30 駆動ミラー(偏向部)
52 受光素子
60 制御部
OBJ 対象物(物体)
Claims (25)
- 光源からの照明光を偏向して物体を走査すると共に、前記物体からの反射光を偏向する偏向部と、
前記光源からの前記照明光を前記偏向部に導光すると共に、前記偏向部からの前記反射光を受光素子に導光する導光部と、
前記偏向部からの前記照明光の一部である第1光を反射して前記偏向部に再入射させる反射領域を含む光学部材と、
前記反射領域からの前記第1光に関する情報に基づいて前記偏向部に関する情報を取得する制御部とを有し、
前記反射領域から前記導光部までの光路を含む断面において、前記反射領域の幅は、前記反射領域に入射するときの前記照明光の幅よりも小さいことを特徴とする光学装置。 - 前記光学部材は、前記照明光を透過させる透過領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
- 前記光学部材は、前記照明光を吸収する吸収領域を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学装置。
- 前記光学部材は、前記光学装置の外部に面したウインドウであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の光学装置。
- 前記光学装置の外部に面したウインドウを更に有し、該ウインドウは前記光学部材からの光を遮光する遮光領域を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の光学装置。
- 前記制御部は、前記偏向部による前記照明光の偏向角を制御することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学装置。
- 前記制御部は、前記偏向部の偏向周波数を制御することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の光学装置。
- 前記制御部は、前記情報に基づいて前記光源の発光を制御することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の光学装置。
- 前記受光素子は、前記偏向部からの前記照明光に対応する前記偏向部からの前記反射光を受光する前に前記第1光を受光することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の光学装置。
- 前記第1光を反射する光学部材を更に有することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の光学装置。
- 前記光学部材は、前記物体を照明する前記偏向部からの前記照明光を透過させることを特徴とする請求項10に記載の光学装置。
- 前記光学部材は、屈折力を持たないことを特徴とする請求項10又は11に記載の光学装置。
- 前記偏向部からの前記照明光の径を拡大すると共に、前記物体からの前記反射光の径を縮小する光学系を更に有し、
前記光学部材は該光学系に含まれることを特徴とする請求項10乃至12の何れか一項に記載の光学装置。 - 前記偏向部は、該偏向部の走査範囲における中心画角での前記照明光の主光線の光路と前記光学系の光軸とが一致しないように配置されていることを特徴とする請求項13に記載の光学装置。
- 前記第1光は、前記光学部材に設けられた基準部により反射されることを特徴とする請求項10乃至14の何れか一項に記載の光学装置。
- 前記光学部材は、前記偏向部からの前記照明光を透過する領域において、第1の透過率を備える第1領域、および前記第1の透過率とは異なる第2の透過率を備える第2領域を含むことを特徴とする請求項10乃至15の何れか一項に記載の光学装置。
- 前記第1光を遮光する遮光部材を更に有することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の光学装置。
- 前記制御部は、前記受光素子の出力に基づいて前記物体の距離情報を取得することを特徴とする請求項1乃至17の何れか一項に記載の光学装置。
- 請求項1乃至18の何れか一項に記載の光学装置を備え、該光学装置によって得られた前記物体の距離情報に基づいて車両と前記物体との衝突可能性を判定することを特徴とする車載システム。
- 前記車両と前記物体との衝突可能性が有ると判定された場合に、前記車両に制動力を発生させる制御信号を出力する制御装置を備えることを特徴とする請求項19に記載の車載システム。
- 前記車両と前記物体との衝突可能性が有ると判定された場合に、前記車両の運転者に対して警告を行う警告装置を備えることを特徴とする請求項19又は20に記載の車載システム。
- 請求項1乃至18の何れか一項に記載の光学装置を備え、該光学装置を保持して移動可能であることを特徴とする移動装置。
- 前記光学装置によって得られた前記物体の距離情報に基づいて前記物体との衝突可能性を判定する判定部を有することを特徴とする請求項22に記載の移動装置。
- 前記物体との衝突可能性が有ると判定された場合に、移動を制御する制御信号を出力する制御部を備えることを特徴とする請求項23に記載の移動装置。
- 前記物体との衝突可能性が有ると判定された場合に、前記移動装置の運転者に対して警告を行う警告部を備えることを特徴とする請求項23に記載の移動装置。
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JP7097647B1 (ja) | 2021-12-16 | 2022-07-08 | Dolphin株式会社 | 光走査装置、物体検出装置、光走査装置の調整方法及びプログラム |
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2020
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