JP2020175889A - 情報提供装置、情報提供方法及び情報提供用制御プログラム - Google Patents
情報提供装置、情報提供方法及び情報提供用制御プログラム Download PDFInfo
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Abstract
Description
図1は、フロントガラス302越しに運転者300から見る自車両301の前方風景に重ねて表示エリア700に表示される虚像Gの一例を示す説明図である。
図2は、本実施形態における自動車用HUD装置を搭載した自動車の構成を模式的に表した模式図である。
図3は、本実施形態における自動車用HUD装置の内部構成を模式的に表した模式図である。
また、液晶ディスプレイ(LCD)や蛍光表示管(VFD)などを利用した方式では、虚像Gが表示される表示領域内の非画像部分にも僅かながら光が照射され、これを完全に遮断することが難しい。そのため、当該非画像部分を通じた自車両301の前方風景の視認性が悪いというデメリットがある。これに対し、本実施形態のようにレーザー走査方式によれば、虚像Gの表示領域内の非画像部分については、レーザー光源201R,201G,201Bを消灯させることにより当該非画像部分に光が照射されるのを完全に遮断することができる。よって、当該非画像部分を通じた自車両301の前方風景の視認性が自動車用HUD装置200から照射される光によって低下する事態を回避でき、前方風景の視認性が高いというメリットがある。
自動車用HUD装置200の制御系は、主に、FPGA251、CPU252、ROM253、RAM254、I/F255、バスライン256、LDドライバ257、MEMSコントローラー258を備えている。FPGA251は、LDドライバ257により、光源ユニット220のレーザー光源201R,201G,201Bを動作制御し、MEMSコントローラー258により、光走査装置208のMEMS208aを動作制御する。CPU252は、自動車用HUD装置200の各機能を制御する。ROM253は、CPU252が自動車用HUD装置200の各機能を制御するために実行する画像処理用プログラム等の各種プログラムを記憶している。RAM254はCPU252のワークエリアとして使用される。I/F255は、外部コントローラー等と通信するためのインターフェイスであり、例えば、自車両301のCAN(Controller Area Network)を介して、後述の物体認識装置100、車両ナビゲーション装置400、各種センサ500等に接続される。
本実施形態においては、虚像Gによって運転者へ提供する運転者提供情報を取得する情報取得手段として、物体認識装置100、車両ナビゲーション装置400、センサ装置500などが設けられている。本実施形態における自動車用HUD装置200は、主に、画像光投射手段としてのHUD本体230と、表示制御手段としての画像制御装置250とから構成される。本実施形態における情報取得手段は自車両301に搭載されているが、自車両301の外部に設置されている情報取得手段を用いて当該情報取得手段が取得した情報を通信手段を介して入力する構成であってもよい。
本実施形態の物体認識装置100は、自車両301の前方領域を撮像領域として撮像する撮像手段としてのステレオカメラ部110と、ステレオカメラ部110によって撮像した撮像画像データに基づいて撮像領域内に存在する所定の認識対象物を認識する画像処理を実行する画像処理手段としての情報処理部120とから構成されている。なお、ステレオカメラ部110に代えて、撮像手段としての単眼カメラと測距手段としてのレーザレーダ(ミリ波レーダ)とを組み合わせた構成を採用してもよい。
画像制御装置250は、CPU251、RAM252、ROM253、入力用データIF254、および出力用データIF255が、データバスラインによって互いに接続されている。入力用データIF254には、物体認識装置100から出力される各種認識結果データ、センサ装置500から出力されるセンシング情報、車両ナビゲーション装置400から出力される各種情報などが入力される。出力用データIF255からは、自動車用HUD装置200の制御信号等が出力される。CPU251は、ROM253等に記憶されている情報提供用制御プログラムなどの各種コンピュータプログラムを実行して、画像制御装置250に後述する各種制御や各種処理を行わせる。
本実施形態における自動車用HUD装置200において、虚像Gによって運転者へ提供する運転者提供情報は、運転者にとって有用な情報であればどのような情報であってもよい。本実施形態では、運転者提供情報を受動情報と能動情報とに大別している。
本実施形態では、虚像Gとして、運動視差により表現される運動視差画像を用いている。運動視差とは、運転者300の目の位置(視点位置)が移動することによって生じる視差を意味する。運動視差による距離感、奥行き感は、運転者300の目の位置が移動するときに、前方風景内における近い物体ほど大きく動き、遠い物体ほど動きが少ないように視認される動きのズレから、運転者300が各物体までの距離感、奥行き感を知覚するものである。
図8に示すように、運転者300の頭部がDdだけ移動した場合、運転者300から近い距離Laに位置する物体Oaの視認位置はDaだけ移動し、運転者300から遠い距離Lbに位置する物体Obの視認位置はDaよりも少ないDbだけ移動し、運転者300から更に遠い距離Lcに位置する物体Ocの視認位置はDbよりも更に少ないDcだけ移動する。これらの物体Oa,Ob,Oc間における視認位置の移動量Da,Db,Dcの違いにより、運転者300は、物体Oaが距離Laだけ離れた位置に存在し、物体Obが距離Lbだけ離れた位置に存在し、物体Ocが距離Lcだけ離れた位置に存在することを知覚することができる。
直近の交差点で進路変更する状況になったら、図1に示す画像例から、図9に示すような画像例に切り替わる。すなわち、中段表示領域Bに表示されていた走行レーン指示画像711に代えて、図1に示す画像例で上段表示領域Aに表示されていた進路指定画像721と同様の進路指定画像717を、中段表示領域Bに表示させる。これは、直近よりも後の操作指示内容が、直近の操作指示内容になったためである。これにより、運転者300は、次の交差点や分岐点で中段表示領域Bに表示された進路指定画像721の操作指示内容に従って操作すればよいことを認識することができる。
本実施形態においては、前記物体認識装置100や前記センサ装置500等の距離検出手段によって先行車両350との車間距離を認識する。そして、画像制御装置250は、その認識結果データ(前方間隔情報)を受け取り、この認識結果データに基づいて、上段表示領域Bに表示される先行車両画像724や中段表示領域Bに表示される車間距離提示画像712について、表示エリア700内の表示位置、輝度、色彩、画像形状等を変更する画像表示制御を実行する。本実施形態では、車間距離提示画像712や先行車両画像724の変化によって、これを視認する運転者300に対し、先行車両350との車間距離がどの程度狭まっているのかを知らせる。
図10(a)〜(e)は、先行車両350との車間距離に応じて前車接近情報を示す画像が変化する画像例(以下、本画像例を「画像例1」という。)を示す説明図である。
なお、本画像例1では、車両ナビゲーション装置400に目的地を設定しておらず、ルートナビゲーション情報に係る操作指示画像が表示されていないが、ルートナビゲーション情報に係る操作指示画像を表示する場合でも、同様である。
先行車両350との車間距離が狭くなったことを運転者300に気付かせる表現方法としては、上述した画像例1に限らず、例えば、図11(a)及び(b)に示すような画像例(以下、本画像例を「画像例2」という。)が挙げられる。
先行車両350との車間距離が狭くなったことを運転者300に気付かせる表現方法としては、例えば、図12(a)〜(b)に示すような画像例(以下、本画像例を「画像例3」という。)が挙げられる。
本画像例3も、上述した画像例1や画像例2と同様に、先行車両350との車間距離に応じて前車接近情報を示す画像が変化する画像例である。詳しくは、本画像例3における前車接近情報を示す画像としては、車両背面を模した先行車両画像724や車間距離提示画像712等に代えて、単純な図形(本画像例3では円形)で構成される単純図形画像713を用いている。そして、本画像例3では、先行車両350との距離が狭まるにつれて、単純図形画像713との知覚距離が狭まるような表示制御を行う。
次に、直近の交差点で進路変更する状況を示す他の画像例(以下、本画像例を「画像例4」という。)について、説明する。
直近の交差点で進路変更する状況になったら、上述した実施形態では図9に示した画像例を用いて運転者300にどの交差点でどの方向へ進路変更するかの情報を提供しているが、本画像例4では、図13(a)〜(c)に示す画像例を用いる。
また、自車両301が走行している道路の交通の禁止、制限、指定に関する情報のうち、特に運転者300に提供することが好まれる情報を、警告画像として、中段表示領域Bに表示するようにしてもよい。例えば、図14に示す画像例(以下、本画像例を「画像例5」という。)のように、自車両301が走行している道路が通学路である場合に、その旨を示す通学路警告画像718を中段表示領域Bに表示させる。具体的には、画像制御装置250は、車両ナビゲーション装置400から出力される各種情報等から、自車両301が走行している道路の固有情報を取得し、取得した道路固有情報が中段表示領域Bに表示させる対象情報である場合には、その道路固有情報に対応する警告画像を中段表示領域Bに表示させる表示制御を行う。
また、自車両301の進行方向における横断歩道を渡ろうとしている人間を検出した場合、その警告画像を中段表示領域Bに表示するようにしてもよい。人間は車両にとって最も注意すべき対象の一つであり、直近対応すべき存在だからである。例えば、図15に示す画像例(以下、本画像例を「画像例6」という。)のように、人型警告画像719を中段表示領域Bに表示させる。具体的には、画像制御装置250は、前記物体認識装置100や前記センサ装置500によって自車両前方の人間を認識する。そして、画像制御装置250は、その認識結果データを受け取り、この認識結果データに基づいて中段表示領域Bに人型警告画像719を表示させる表示制御を行う。なお、本画像例6では、上述した画像例5における通学路警告画像718も併せて表示されている例となっている。なお、車両以外、例えば船舶に本実施形態の情報提供装置が搭載される場合、人間に代えて自船舶の周辺の他船舶等の表示を行い得る。
(態様A)
自車両301等の移動体の運転者300に提供する運転者提供情報を示す運転者提供情報画像を、フロントガラス302等の光透過部材を介して運転者が視認する移動体進行方向前方の所定の表示エリア700に表示させるように、該光透過部材へ画像光を投射するHUD本体230等の画像光投射手段を備えた自動車用HUD装置200等の情報提供装置であって、当該移動体の周囲に存在する先行車両350等の検出対象物の移動体進行方向相対距離を検出する物体認識装置100等の距離検出手段と、前記運転者の視点位置を検知する運転者カメラ150等の視点位置検知手段と、前記視点位置検知手段の検知結果に応じて前記検出対象物を示す先行車両画像724等の対象物画像の表示位置を変化させることにより、該対象物画像についての運動視差による運転者の知覚距離が前記距離検出手段が検出した該検出対象物の移動体進行方向相対距離に応じて変化するように、前記画像光投射手段を制御する画像制御装置250等の表示制御手段とを有することを特徴とする。
画像光投射手段で投射する画像によって、移動体周囲に存在する物体の自車両に対する相対的な動きの情報(周囲物体情報)を運転者に提供することは、有益である。例えば、移動体周囲の視界不良等により移動体周囲の物体を運転者が直接視認しにくい状況である場合、HUD装置を用いて表示される当該物体に対応する物体表示画像により、このような周囲物体情報を運転者に提供できれば、より安全に運転することが可能である。また、運転者が直接視認しにくい状況である場合に限らず、運転者の注意不足等により見落としがちな物体の動きに関する周囲物体情報を運転者に提供できれば、より安全に運転することが可能である。しかも、このようにして周囲物体情報を運転者に提供しようとするとき、移動体に対する物体の相対的な動きに応じて当該物体表示画像の奥行き位置が変化するように運転者に知覚させることが、周囲物体情報を運転者に認知させやすくする上で有効である。そして、このように運転者に知覚させる方法としては、運動視差を利用するのが有効である。
本態様によれば、移動体周囲に存在する検出対象物の移動体進行方向における当該移動体との相対距離(移動体進行方向相対距離)に応じて、移動体進行方向前方の所定の表示エリアに表示される対象物画像の知覚距離を変化させることができる。本態様では、対象物画像の知覚距離を運動視差により運転者に知覚させるので、当該検出対象物が移動体に近づいたり離れたりする動きの情報(周囲物体情報)を、運転者に認知させやすい。
前記態様Aにおいて、前記検出対象物は、当該移動体の前方を進行する先行車両350等の他の移動体であることを特徴とする。
これによれば、先行する他の移動体との距離が狭まっているという情報(前車接近情報等)を運転者300に認知させやすくなる。
自車両301等の移動体の運転者300に提供する運転者提供情報を示す運転者提供情報画像を、フロントガラス302等の光透過部材を介して運転者が視認する移動体進行方向前方の所定の表示エリア700に表示させるように、該光透過部材へ画像光を投射するHUD本体230等の画像光投射手段を備えた自動車用HUD装置200等の情報提供装置であって、前記所定の表示エリアは、運転者によって能動的に認知される道路固有情報や車速情報等の能動情報を示す道路名表示画像701、制限速度表示画像702、追い越し禁止表示画像703、車速表示画像704等の能動情報画像を継続表示させる下段表示領域C等の能動情報画像表示領域と、運転者によって受動的に認知されるルートナビゲーション情報や前車接近情報等の受動情報を示す走行レーン指示画像711、進路変更操作指示画像721,722,723、車間距離提示画像712、先行車両画像724等の受動情報画像を所定の情報提供条件を満たしたタイミングで一時表示させる上段表示領域A及び中段表示領域B等の受動情報画像表示領域とを備えており、前記運転者の視点位置を検知する運転者カメラ150等の視点位置検知手段と、前記視点位置検知手段の検知結果に応じて前記受動情報画像表示領域に表示される受動情報画像の表示位置を変化させることにより、運動視差による該受動情報画像についての運転者の知覚距離Lb,Lcが前記能動情報画像表示領域に表示される能動情報画像についての運転者の知覚距離Laよりも遠くなるように、前記画像光投射手段を制御する画像制御装置250等の表示制御手段とを有することを特徴とする。
運転中の運転者は、通常、光透過部材を介して、移動体前方の無限遠点を注視しているか、数十m先の先行する他の移動体を注視している。このような遠方に焦点を合わせている運転中の運転者に対しては、より遠くに表示される画像ほど、注視点に対する焦点距離の差が小さいので、画像を認知しやすい(気付きやすい)。
ここで、運転者によって受動的に認知される受動情報は、一般に、当該情報提供装置によって決められるタイミングで運転者に提供したい情報であり、通常は、当該受動情報が提供されるタイミングと当該受動情報の内容との間に一定の関係性をもつ情報である。そのため、受動情報を示す受動情報画像は、これを表示したらすぐに運転者300に認知されることが重要である。
一方、運転者によって能動的に認知される能動情報は、一般に、運転者の希望するタイミングで運転者へ提供されれば十分な情報であり、当該能動情報が提供されるタイミングと当該能動情報の内容との間の関係性が低い又は無いようなものである。そして、能動情報は、運転者の希望するタイミングで提供される必要があることから、ある程度の長い期間あるいは常時、表示され続ける。
本態様では、運転者は、運動視差により、能動情報画像よりも受動情報画像の方が遠くに表示されているように知覚する。よって、遠方に焦点を合わせている運転中の運転者にとっては、能動情報画像よりも受動情報画像の方が認知しやすい。よって、運転者は、受動情報画像が表示された時、能動情報画像が表示されていても受動情報画像に気付きやすい。したがって、運転者300は、受動情報画像が表示したらすぐに認知しやすく、受動情報を迅速に運転者に提供することができる。
なお、遠方に焦点を合わせている運転中の運転者にとって、受動情報画像よりも近い距離に表示されていると知覚される能動情報画像については認知しにくい。しかしながら、能動情報画像は、運転者300が当該能動情報を取得しようとする意志をもって視認しにいくものであるため、能動情報画像が受動情報画像よりも認知しにくくても、能動情報の提供にあたっては問題にならない。
むしろ、能動情報画像は、上述したようにある程度の長い期間あるいは常時、表示され続けるものであることから、能動情報画像が認知しやすいものであると、運転中の運転者の意識を逸らす原因となり、かえって不利益をもたらすおそれがある。
前記態様Cにおいて、前記受動情報は、移動体の運転者へそれぞれ異なる操作指示内容を示す複数の操作指示情報を含み、前記表示制御手段は、各操作指示情報にそれぞれ対応する走行レーン指示画像711と進路変更操作指示画像721,722,723等の複数の操作指示画像を、運転者に操作させる操作順序が後になる操作指示内容を示すものほど、前記受動情報画像表示領域内の上側に表示されるように、前記画像光投射手段を制御することを特徴とする。
運転者は、通常、進行する移動体前方に位置する物体は時間の経過により現在位置に向かって近づいてくるという距離の観念と、未来の出来事は時間の経過により現在時刻に向かって近づいてくるという時間の観念とを併せ持っている。そして、進行する移動体の前方に存在する物体は、移動体までの距離が近いほど移動体の位置に到達するまでの時間が早く、移動体までの距離が遠いほど移動体の位置に到達までの時間が遅い。そのため、進行する移動体から遠い位置の物体は遠い未来の出来事との間で認知の親和性が高く、進行する移動体に近い位置の物体はより近い未来の出来事との間で認知の親和性が高い。本態様によれば、この親和性を考慮して、運転者に操作させる操作順序が後になる操作指示内容を示す操作指示画像ほど前記所定の表示エリア内の上側に表示させることから、これらの操作指示画像が示す複数の操作指示内容の操作順序を運転者に直感的に認知させ、その操作順序を運転者が迷ってしまうような事態を回避しやすい。
前記態様Dにおいて、前記画像光投射手段は、前記受動情報画像表示領域が、前記光透過部材を介して運転者が視認する移動体進行方向前方の風景の下部に位置するように、該光透過部材へ画像光を投射することを特徴とする。
光透過部材を介して移動体進行方向の前方風景を視認する運転者300は、通常、その前方風景の鉛直方向中央近辺を注視点として注視しながら運転を行うことが多い。本態様では、複数の操作指示画像が表示される所定の表示エリア700が当該前方風景の下部に位置しているので、運転者の注視点よりも鉛直方向下側に複数の操作指示画像が表示されることになる。この位置に表示される複数の操作指示画像が重なる風景部分は、移動体から遠い地点の物体ほど鉛直方向上側で視認され、移動体に近い地点の物体ほど鉛直方向下側で視認される。そのため、当該風景部分中の物体が視認される位置は、移動体の進行により移動体へ近づくにつれて徐々に下側へ変位する。
このような風景部分に複数の操作指示画像を重ねて表示させる場合、本態様のように、運転者に操作させる操作順序が後になる操作指示内容を示す操作指示画像ほど前記所定の表示エリア内の上側に表示させることが、操作順序に関する運転者の迷いを最小限に抑えることができる。これは、上述した認知の親和性を考慮し、進行する移動体から遠い物体が視認される位置に重なるように遠い未来の操作指示内容(操作順序が後になる操作指示内容)を示す操作指示画像を表示させ、進行する移動体に近い物体が視認される位置に重なるように近い未来の操作指示内容(操作順序が先になる操作指示内容)を示す操作指示画像を表示させることができるからである。このように表示させれば、これらの操作指示画像が示す複数の操作指示内容の操作順序を運転者に直感的に認知させることができる。逆に、所定の表示エリア700が当該前方風景の下部に位置している場合に、例えば、複数の操作指示画像の表示位置を前述の位置とは逆位置にしたり、複数の操作指示画像の表示位置を横並びにしたりすると、運転者は、上述した観念が邪魔して、操作順序を直感的に認知することが困難となる。
前記態様D又はEにおいて、前記複数の操作指示画像は、前記移動体の移動ルート上の異なる地点(直近の交差点と、次に直進方向から進路変更すべき交差点や分岐点など)で運転者が操作すべき操作内容を指示する操作指示内容を示すものであることを特徴とする。
これによれば、ルートナビゲーション情報による操作順序の異なる複数の操作指示内容について、その操作順序を運転者が迷ってしまうような事態を回避できる。
前記態様A〜Fのいずれかの態様において、前記画像光投射手段は、投射する画像光によって前記操作指示画像を虚像Gとして前記所定の表示エリア内に表示させるものであり、運転者から前記虚像までの距離が5m以上であることを特徴とする。
虚像Gまでの距離が一般的な2m程度である場合、このように近い距離の虚像Gに眼球の焦点を合わせようとすると、通常は眼球の輻輳運動が必要になる。上述したとおり、輻輳運動は、視認対象までの距離感や奥行き感に大きな影響を与える要因であり、虚像Gに焦点を合わせるために眼球が輻輳運動してしまうと、運動視差による距離感(知覚距離の変化)や奥行き感(知覚距離の違い)を知覚させる効果が薄まってしまう。
本態様によれば、虚像Gまでの距離が5m以上であるため、眼球をほとんど輻輳運動させることなく虚像Gに焦点を合わせることができる。したがって、運動視差を利用して距離感(知覚距離の変化)や奥行き感(知覚距離の違い)を知覚させる効果が眼球の輻輳運動によって薄まってしまうことが抑制される。
前記態様A〜Gのいずれかの態様において、前記画像光投射手段は、前記操作指示画像の画像情報に応じた画像光を照射する光源ユニット220等の光照射手段から照射した画像光を光走査装置208等の光走査手段により二次元走査して前記光透過部材へ投射することにより、前記所定の表示エリア内に前記運転者提供情報画像を表示させるものであることを特徴とする。
上述したように、液晶ディスプレイ(LCD)や蛍光表示管(VFD)などを利用した方式よりも、大きな虚像Gを高い輝度で表示させるのが容易である。また、本態様によれば、虚像Gの非画像部分については、光照射手段から画像光照射させないことにより、当該非画像部分の光を完全に無くすことが可能である。よって、当該非画像部分を通じた移動体前方風景の視認性が光照射手段から照射される光によって低下する事態を回避でき、前方風景の視認性が高い。
移動体の運転者に提供する運転者提供情報を示す運転者提供情報画像を、光透過部材を介して運転者が視認する移動体進行方向前方の所定の表示エリアに表示させるように、該光透過部材へ画像光を投射することにより、前記運転者提供情報を運転者へ提供する情報提供方法であって、当該移動体の周囲に存在する検出対象物の移動体進行方向相対距離を検出する距離検出工程と、前記運転者の視点位置を検知する視点位置検知工程と、前記視点位置検知工程での検知結果に応じて前記検出対象物を示す対象物画像の表示位置を変化させることにより、該対象物画像についての運動視差による運転者の知覚距離を前記距離検出工程で検出した該検出対象物の移動体進行方向相対距離に応じて変化させる表示工程とを有することを特徴とする。
本態様によれば、対象物画像の知覚距離を運動視差により運転者に知覚させるので、当該検出対象物が移動体に近づいたり離れたりする動きの情報(周囲物体情報)を、運転者に認知させやすい。
移動体の運転者に提供する運転者提供情報を示す運転者提供情報画像を、光透過部材を介して運転者が視認する移動体進行方向前方の所定の表示エリアに表示させるように、該光透過部材へ画像光を投射する画像光投射手段と、当該移動体の周囲に存在する検出対象物の移動体進行方向相対距離を検出する距離検出手段、前記運転者の視点位置を検知する視点位置検知手段とを備えた情報提供装置のコンピュータを機能させるための情報提供用制御プログラムであって、前記視点位置検知手段の検知結果に応じて前記検出対象物を示す対象物画像の表示位置を変化させることにより、該対象物画像についての運動視差による運転者の知覚距離が前記距離検出手段が検出した該検出対象物の移動体進行方向相対距離に応じて変化するように、前記画像光投射手段を制御する表示制御手段として、前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
本態様によれば、対象物画像の知覚距離を運動視差により運転者に知覚させるので、当該検出対象物が移動体に近づいたり離れたりする動きの情報(周囲物体情報)を、運転者に認知させやすい。
移動体の運転者に提供する運転者提供情報を示す運転者提供情報画像を、光透過部材を介して運転者が視認する移動体進行方向前方の所定の表示エリアに表示させるように、該光透過部材へ画像光を投射することにより、前記運転者提供情報を運転者へ提供する情報提供方法であって、前記所定の表示エリアは、運転者によって能動的に認知される能動情報を示す能動情報画像を継続表示させる能動情報画像表示領域と、運転者によって受動的に認知される受動情報を示す受動情報画像を所定の情報提供条件を満たしたタイミングで一時表示させる受動情報画像表示領域とを備えており、前記運転者の視点位置を検知する視点位置検知工程と、前記視点位置検知工程での検知結果に応じて前記受動情報画像表示領域に表示される受動情報画像の表示位置を変化させることにより、運動視差による該受動情報画像についての運転者の知覚距離が前記能動情報画像表示領域に表示される能動情報画像についての運転者の知覚距離よりも遠くなるように、前記画像光投射手段を制御する表示制御工程とを有することを特徴とする。
本態様によれば、遠方に焦点を合わせている運転中の運転者にとって能動情報画像よりも受動情報画像の方が認知しやすくなるので、運転者は、受動情報画像が表示された時、能動情報画像が表示されていても受動情報画像に気付きやすい。したがって、運転者300は、受動情報画像が表示したらすぐに認知しやすく、受動情報を迅速に運転者に提供することができる。
移動体の運転者に提供する運転者提供情報を示す運転者提供情報画像を、光透過部材を介して運転者が視認する移動体進行方向前方の所定の表示エリアに表示させるように、該光透過部材へ画像光を投射する画像光投射手段と、前記運転者の視点位置を検知する視点位置検知手段とを備えた情報提供装置のコンピュータを機能させるための情報提供用制御プログラムであって、前記所定の表示エリアは、運転者によって能動的に認知される能動情報を示す能動情報画像を継続表示させる能動情報画像表示領域と、運転者によって受動的に認知される受動情報を示す受動情報画像を所定の情報提供条件を満たしたタイミングで一時表示させる受動情報画像表示領域とを備えており、前記視点位置検知手段の検知結果に応じて前記受動情報画像表示領域に表示される受動情報画像の表示位置を変化させることにより、運動視差による該受動情報画像についての運転者の知覚距離が前記能動情報画像表示領域に表示される能動情報画像についての運転者の知覚距離よりも遠くなるように、前記画像光投射手段を制御する表示制御手段として、前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
本態様によれば、遠方に焦点を合わせている運転中の運転者にとって能動情報画像よりも受動情報画像の方が認知しやすくなるので、運転者は、受動情報画像が表示された時、能動情報画像が表示されていても受動情報画像に気付きやすい。したがって、運転者300は、受動情報画像が表示したらすぐに認知しやすく、受動情報を迅速に運転者に提供することができる。
110 ステレオカメラ部
120 情報処理部
150 運転者カメラ
200 自動車用HUD装置
201R,201G,201B レーザー光源
207 光量調整部
208 光走査装置
209 自由曲面ミラー
210 マイクロレンズアレイ
211 投射ミラー
220 光源ユニット
230 HUD本体
250 画像制御装置
300 運転者
301 自車両
302 フロントガラス
350 先行車両
400 車両ナビゲーション装置
500 センサ装置
700 表示エリア
701 道路名表示画像
702 制限速度表示画像
703 追い越し禁止表示画像
704 車速表示画像
711 走行レーン指示画像
712,715 車間距離提示画像
713 単純図形画像
712a 自車両バンパー画像
714,716 ブレーキ警告画像
718 通学路警告画像
719 人型警告画像
717,721 進路指定画像
722 残り距離画像
723 交差点等名称画像
724 先行車両画像
725 下向きマーク画像
A 上段表示領域
B 中段表示領域
C 下段表示領域
G 虚像
Claims (12)
- 移動体の運転者に提供する運転者提供情報を示す運転者提供情報画像を、光透過部材を介して運転者が視認する移動体進行方向前方の所定の表示エリアに表示させるように、該光透過部材へ画像光を投射する画像光投射手段を備えた情報提供装置であって、
当該移動体の周囲に存在する検出対象物の移動体進行方向相対距離を検出する距離検出手段と、
前記運転者の視点位置を検知する視点位置検知手段と、
前記視点位置検知手段の検知結果に応じて前記検出対象物を示す対象物画像の表示位置を変化させることにより、該対象物画像についての運動視差による運転者の知覚距離が前記距離検出手段が検出した該検出対象物の移動体進行方向相対距離に応じて変化するように、前記画像光投射手段を制御する表示制御手段とを有することを特徴とする情報提供装置。 - 請求項1に記載の情報提供装置において、
前記検出対象物は、当該移動体の前方を進行する他の移動体であることを特徴とする情報提供装置。 - 移動体の運転者に提供する運転者提供情報を示す運転者提供情報画像を、光透過部材を介して運転者が視認する移動体進行方向前方の所定の表示エリアに表示させるように、該光透過部材へ画像光を投射する画像光投射手段を備えた情報提供装置であって、
前記所定の表示エリアは、運転者によって能動的に認知される能動情報を示す能動情報画像を継続表示させる能動情報画像表示領域と、運転者によって受動的に認知される受動情報を示す受動情報画像を所定の情報提供条件を満たしたタイミングで一時表示させる受動情報画像表示領域とを備えており、
前記運転者の視点位置を検知する視点位置検知手段と、
前記視点位置検知手段の検知結果に応じて前記受動情報画像表示領域に表示される受動情報画像の表示位置を変化させることにより、運動視差による該受動情報画像についての運転者の知覚距離が前記能動情報画像表示領域に表示される能動情報画像についての運転者の知覚距離よりも遠くなるように、前記画像光投射手段を制御する表示制御手段とを有することを特徴とする情報提供装置。 - 請求項3に記載の情報提供装置において、
前記受動情報は、移動体の運転者へそれぞれ異なる操作指示内容を示す複数の操作指示情報を含み、
前記表示制御手段は、各操作指示情報にそれぞれ対応する複数の操作指示画像を、運転者に操作させる操作順序が後になる操作指示内容を示すものほど、前記受動情報画像表示領域内の上側に表示されるように、前記画像光投射手段を制御することを特徴とする情報提供装置。 - 請求項4に記載の情報提供装置において、
前記画像光投射手段は、前記受動情報画像表示領域が、前記光透過部材を介して運転者が視認する移動体進行方向前方の風景の下部に位置するように、該光透過部材へ画像光を投射することを特徴とする情報提供装置。 - 請求項4又は5に記載の情報提供装置において、
前記複数の操作指示画像は、前記移動体の移動ルート上の異なる地点で運転者が操作すべき操作内容を指示する操作指示内容を示すものであることを特徴とする情報提供装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報提供装置において、
前記画像光投射手段は、投射する画像光によって前記操作指示画像を虚像として前記所定の表示エリア内に表示させるものであり、
運転者から前記虚像までの距離が5m以上であることを特徴とする情報提供装置。 - 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報提供装置において、
前記画像光投射手段は、前記操作指示画像の画像情報に応じた画像光を照射する光照射手段から照射した画像光を光走査手段により二次元走査して前記光透過部材へ投射することにより、前記所定の表示エリア内に前記運転者提供情報画像を表示させるものであることを特徴とする情報提供装置。 - 移動体の運転者に提供する運転者提供情報を示す運転者提供情報画像を、光透過部材を介して運転者が視認する移動体進行方向前方の所定の表示エリアに表示させるように、該光透過部材へ画像光を投射することにより、前記運転者提供情報を運転者へ提供する情報提供方法であって、
当該移動体の周囲に存在する検出対象物の移動体進行方向相対距離を検出する距離検出工程と、
前記運転者の視点位置を検知する視点位置検知工程と、
前記視点位置検知工程での検知結果に応じて前記検出対象物を示す対象物画像の表示位置を変化させることにより、該対象物画像についての運動視差による運転者の知覚距離を前記距離検出工程で検出した該検出対象物の移動体進行方向相対距離に応じて変化させる表示工程とを有することを特徴とする情報提供方法。 - 移動体の運転者に提供する運転者提供情報を示す運転者提供情報画像を、光透過部材を介して運転者が視認する移動体進行方向前方の所定の表示エリアに表示させるように、該光透過部材へ画像光を投射する画像光投射手段と、当該移動体の周囲に存在する検出対象物の移動体進行方向相対距離を検出する距離検出手段、前記運転者の視点位置を検知する視点位置検知手段とを備えた情報提供装置のコンピュータを機能させるための情報提供用制御プログラムであって、
前記視点位置検知手段の検知結果に応じて前記検出対象物を示す対象物画像の表示位置を変化させることにより、該対象物画像についての運動視差による運転者の知覚距離が前記距離検出手段が検出した該検出対象物の移動体進行方向相対距離に応じて変化するように、前記画像光投射手段を制御する表示制御手段として、前記コンピュータを機能させることを特徴とする情報提供用制御プログラム。 - 移動体の運転者に提供する運転者提供情報を示す運転者提供情報画像を、光透過部材を介して運転者が視認する移動体進行方向前方の所定の表示エリアに表示させるように、該光透過部材へ画像光を投射することにより、前記運転者提供情報を運転者へ提供する情報提供方法であって、
前記所定の表示エリアは、運転者によって能動的に認知される能動情報を示す能動情報画像を継続表示させる能動情報画像表示領域と、運転者によって受動的に認知される受動情報を示す受動情報画像を所定の情報提供条件を満たしたタイミングで一時表示させる受動情報画像表示領域とを備えており、
前記運転者の視点位置を検知する視点位置検知工程と、
前記視点位置検知工程での検知結果に応じて前記受動情報画像表示領域に表示される受動情報画像の表示位置を変化させることにより、運動視差による該受動情報画像についての運転者の知覚距離が前記能動情報画像表示領域に表示される能動情報画像についての運転者の知覚距離よりも遠くなるように、前記画像光投射手段を制御する表示制御工程とを有することを特徴とする情報提供方法。 - 移動体の運転者に提供する運転者提供情報を示す運転者提供情報画像を、光透過部材を介して運転者が視認する移動体進行方向前方の所定の表示エリアに表示させるように、該光透過部材へ画像光を投射する画像光投射手段と、前記運転者の視点位置を検知する視点位置検知手段とを備えた情報提供装置のコンピュータを機能させるための情報提供用制御プログラムであって、
前記所定の表示エリアは、運転者によって能動的に認知される能動情報を示す能動情報画像を継続表示させる能動情報画像表示領域と、運転者によって受動的に認知される受動情報を示す受動情報画像を所定の情報提供条件を満たしたタイミングで一時表示させる受動情報画像表示領域とを備えており、
前記視点位置検知手段の検知結果に応じて前記受動情報画像表示領域に表示される受動情報画像の表示位置を変化させることにより、運動視差による該受動情報画像についての運転者の知覚距離が前記能動情報画像表示領域に表示される能動情報画像についての運転者の知覚距離よりも遠くなるように、前記画像光投射手段を制御する表示制御手段として、前記コンピュータを機能させることを特徴とする情報提供用制御プログラム。
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