JP2020175752A - 車体前部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】著しい重量増を回避しながら、微小ラップ衝突時における衝突エネルギーを有効に吸収することが可能な車体前部構造を提供すること。【解決手段】車体前部構造1は、骨格部材100と、バンパリインフォース200と、を備える。バンパリインフォース200は、リインフォース本体210と補強部材250とを有する。リインフォース本体210は、後壁212と、前壁214と、上壁216と、下壁218と、を有する。補強部材250は、骨格部材の少なくとも一部と重なる位置でかつ前壁214及び後壁212の少なくとも一方から離間した位置に配置されているとともに、車体の前後方向の一方側に開口する形状を有する。骨格部材100は、パワーユニットに向かって座屈する座屈部を有する。座屈部は、幅方向におけるパワーユニットの側方に設けられている。【選択図】図2

Description

この発明は、車体前部構造に関する。
近年、自動車衝突性能の評価では、微小ラップ衝突(いわゆるスモールオーバーラップ衝突)時における衝突性能が求められるようになっている。
例えば、特開2009−173200号公報(以下、「特許文献1」という。)には、フロントサイドメンバと、バンパリインフォースメントと、リブと、荷重伝達用係合部と、を備える車体前部構造が開示されている。バンパリインフォースメントは、車体の幅方向に延在しており、閉断面を構成している。リブは、バンパリインフォースメントの前側壁面部の内側面から後側壁面部に向かって突出するとともに、幅方向に連続的に延びる形状を有している。荷重伝達用係合部は、バンパリインフォースメントの後側壁面部の内側面のうちリブと前後方向に対向する部位から前側壁面部に向かって突出するとともに、幅方向に連続的に延びる形状を有している。荷重伝達用係合部は、上下方向に対向する一対の壁部を有している。この車体前部構造では、微小ラップ衝突時、バンパリインフォースメントが変形することによってリブが荷重伝達用係合部の一対の壁部間に受けられ、それ以上バンパリインフォースメントを変形させるのに必要な荷重が高まる。その後、バンパリインフォースメントは、リブ及び荷重伝達用係合部とともに変形しながら衝撃エネルギーを吸収する。特許文献1に記載の車体前部構造では、以上のようにして、車体前部構造に作用する衝撃エネルギーを吸収している。
また、特開2014−234147号公報(以下、「特許文献2」という。)には、フロントサイドメンバと、バンパリインフォースメントと、ガセットと、を備える車体前部構造が開示されている。ガセットは、フロントサイドメンバの前端部から車体の幅方向の外向きに突出する形状を有している。バンパリインフォースメントは、フロントサイドメンバよりも幅方向における外側へ延出されたバンパ延出部を有している。このバンパ延出部は、微小ラップ衝突時にバンパ中間部に対して後方に折れ曲がることにより、ガセットに係合する。そうすると、バンパリインフォースメントに作用した衝撃荷重がガセットを介してフロントサイドメンバに伝達されるため、フロントサイドメンバのうちガセットが設けられた部位が幅方向の内向きに折れ曲がることによってパワーユニットに接触する。特許文献2に記載の車体前部構造では、以上のようにしてバンパリインフォースメントに作用した衝突エネルギーを吸収しながら、衝撃荷重の作用方向を後方に向かう方向から車体の幅方向に変換している。
特開2009−173200号公報 特開2014−234147号公報
特許文献1に記載される車体前部構造では、微小ラップ衝突時に、バンパリインフォースメントの前側壁面部に設けられたリブが後側壁面部に設けられた荷重伝達用係合部に係合しない場合があり、この場合、衝撃エネルギーの有効な吸収ができない。
特許文献2に記載される車体前部構造では、フロントサイドメンバをパワーユニットに向けて折り曲げるのに必要な専用部材であるガセットを備えているため、全体の重量が大きくなる。
本発明の目的は、著しい重量増を回避しながら、微小ラップ衝突時における衝突エネルギーを有効に吸収することが可能な車体前部構造を提供することである。
この発明に従った車体前部構造は、車体の前部でかつ前記車体の幅方向におけるパワーユニットの側方に配置された骨格部材と、前記骨格部材の前方に配置されており、前記車体の幅方向に延びる形状を有するバンパリインフォースと、を備える。前記バンパリインフォースは、リインフォース本体と、前記リインフォース本体とは別部材からなり、前記リインフォース本体内に配置された補強部材と、を有する。前記リインフォース本体は、前記車体の前後方向における前記骨格部材の前方に配置されており、前記幅方向に沿って延びる形状を有する後壁と、前記後壁の前方に配置されており、前記幅方向に沿って延びる形状を有する前壁と、前記後壁の上端部と前記前壁の上端部とを連結するとともに、前記幅方向に沿って延びる形状を有する上壁と、前記後壁の下端部と前記前壁の下端部とを連結するとともに、前記幅方向に沿って延びる形状を有する下壁と、を有する。前記補強部材は、前記車体の前後方向において前記骨格部材の少なくとも一部と重なる位置でかつ前後方向に前記前壁及び前記後壁の少なくとも一方から離間した位置に配置されているとともに、前記車体の前後方向の一方側に開口する形状を有する。前記骨格部材は、前記前壁及び前記後壁が前記補強部材に接触した状態で前記リインフォース本体及び前記補強部材の双方を変形させるのに必要な荷重よりも小さな荷重で前記パワーユニットに向かって座屈する座屈部を有し、前記座屈部は、前記幅方向における前記パワーユニットの側方に設けられている。
本車体前部構造では、微小ラップ衝突時、リインフォース本体の前壁及び後壁が補強部材に接触するまで、すなわち、補強部材が前壁又は後壁とともに閉断面を構成するまでリインフォース本体が変形した後、骨格部材が座屈部で座屈することによってパワーユニットに接触する。これにより、前後方向における後方に向かってリインフォース本体に作用した衝撃荷重の作用方向が、車体の幅方向における内向きに変換される。このため、衝撃エネルギーの車室への伝達が抑制される。そして、骨格部材の座屈後、補強部材の開口が閉塞するように当該補強部材がリインフォース本体とともに変形しながら衝突エネルギーを吸収する。このように、本車体前部構造では、微小ラップ衝突時に前壁及び後壁と接触することによって前壁又は後壁とともに閉断面を構成する補強部材を備えているため、衝撃エネルギーが有効に吸収され、しかも、骨格部材が座屈部を有しているため、骨格部材をパワーユニットに向けて折り曲げるための専用部材を設けることに起因する重量増が回避される。
例えば、前記補強部材は、前記後壁に接続された後板部と、前記後板部の上端部から前方に向かって突出する形状を有する上板部と、前記後板部の下端部から前方に向かって突出する形状を有する下板部と、を有することが好ましい。
この場合において、前記上板部は、前方に向かうにしたがって、前記後板部の上端部を通りかつ前後方向と平行な平面から次第に離間しながら前記下板部に近づくように傾斜する形状を有し、前記下板部は、前方に向かうにしたがって、前記後板部の下端部を通りかつ前後方向と平行な平面から次第に離間しながら前記上板部に近づくように傾斜する形状を有することが好ましい。
このようにすれば、上板部及び下板部が前壁に接触した状態からリインフォース本体が潰れるように変形する際に、上板部と下板部とが互いに近づく方向に倒れることによって補強部材の開口が閉塞されるため、有効に衝撃エネルギーが吸収される。
また、前記前壁は、前記上板部及び前記下板部と前後方向に対向する位置に形成されており前記上板部及び前記下板部を前記後壁に向けて押し込む押し込み部を有し、前記上壁の内面と前記押し込み部とのなす角及び前記下壁の内面と前記押し込み部とのなす角は、それぞれ鈍角であることが好ましい。
このようにすれば、上板部及び下板部が前壁の押し込み部に接触した状態からリインフォース本体が潰れるように変形する際、押し込み部によって上板部と下板部とが互いに近づく方向に倒れるように案内される。
また、前記補強部材は、前記幅方向の外側に向かうにしたがって次第に後方に向かうように傾斜する形状を有する傾斜部を有することが好ましい。
このようにすれば、微小ラップ衝突時における衝撃荷重の作用方向が、傾斜部によって後方に向かう方向から幅方向における内向きに変換されるため、衝撃エネルギーの車室への伝達がより確実に抑制される。
以上に説明したように、この発明によれば、著しい重量増を回避しながら、微小ラップ衝突時における衝突エネルギーを有効に吸収することが可能な車体前部構造を提供することができる。
本発明の一実施形態の車体前部構造を概略的に示す図である。 図1に示されるII−II線での断面図である。 補強部材の斜視図である。 バンパリインフォースの左側の端部の拡大平面図である。 図1に示される車体前部構造が微小ラップ衝突する直前の状態を示す図である。 図5に示されるVI−VI線での断面図である。 図5に示される状態から、低剛性部が塑性変形した状態を示す図である。 図7に示される状態から、前壁が補強部材に接触するようにリインフォース本体が変形した状態を示す図である。 図8に示されるIX−IX線での断面図である。 図8に示される状態から、座屈部がパワーユニットに向かうように骨格部材が座屈した状態を示す図である。 図10に示される状態から、前壁が後壁に近づく変形と上板部及び下板部が互いに近づく方向に倒れる変形とを伴いながら、座屈部がパワーユニットを側方に押圧した状態を示す図である。 図11に示されるXII−XII線での断面図である。 バンパリインフォースの変形例を示す断面図である。 バンパリインフォースの変形例を示す断面図である。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
図1は、本発明の一実施形態の車体前部構造を概略的に示す図である。車体前部構造1は、骨格部材100と、バンパリインフォース200と、を備えている。
骨格部材100は、車体の骨格を形成する部材(フロントサイドメンバやサスペンションメンバ)である。車体の前部には、パワーユニット2が配置されている。パワーユニット2は、エンジンやモータ等を含むユニットである。骨格部材100は、車体の幅方向におけるパワーユニット2の側方に配置されている。骨格部材100は、前後方向に延びる形状を有している。骨格部材100は、高剛性部110と、低剛性部120と、を有している。
高剛性部110は、比較的高い剛性を有する部位である。高剛性部110は、車体の車室(図示略)から前方に向かって延びる形状を有している。高剛性部110は、座屈部112を有している。
座屈部112は、高剛性部110の前端部に形成されている。座屈部112については後述する。
低剛性部120は、高剛性部110の前方に設けられている。低剛性部120は、高剛性部110の剛性よりも低い剛性を有する部位である。低剛性部120は、バンパリインフォース200に作用した衝撃エネルギーが高剛性部110に伝わるのを抑制する。低剛性部120は、筒状に形成されている。低剛性部120は、バンパリインフォース200に衝撃エネルギーが作用した際に圧縮するように塑性変形しながら前記衝撃エネルギーを吸収する。低剛性部120は、高剛性部110と別部材で構成されている。ただし、低剛性部120は、高剛性部110と一体で構成されてもよい。本実施形態では、低剛性部120の剛性は、バンパリインフォース200の剛性よりも低く設定されている。
バンパリインフォース200は、骨格部材100の前方に配置されており、車体の幅方向に延びる形状を有している。本実施形態では、バンパリインフォース200は、全体として前方に向かって凸となるように屈曲されている。具体的に、幅方向におけるバンパリインフォース200の端部は、幅方向におけるバンパリインフォース200の中央部に対し、幅方向における外側に向かうにしたがって次第に後方に向かうように傾斜している。ただし、バンパリインフォース200は、幅方向に沿って直線状に延びる形状であってもよい。図2に示されるように、バンパリインフォース200は、ボルト等の締結部材3によって骨格部材100に取り付けられている。
バンパリインフォース200は、リインフォース本体210と、補強部材250と、を有している。
リインフォース本体210は、内部空間210Sを有している。本実施形態では、リインフォース本体210は、閉断面を構成している。ただし、リインフォース本体210は、開断面を構成していてもよい。リインフォース本体210は、後壁212と、前壁214と、上壁216と、下壁218と、中間壁219と、を有している。リインフォース本体210は、例えば、押し出し成形で形成される。
後壁212は、車体の前後方向における骨格部材100の前方に配置されている。後壁212は、幅方向に沿って延びる形状を有している。後壁212は、締結部材3によって骨格部材100に取り付けられている。
前壁214は、後壁212の前方に配置されている。前壁214は、幅方向に沿って延びる形状を有している。前壁214は、押し込み部214aを有している。押し込み部214aについては後述する。
上壁216は、後壁212の上端部と前壁214の上端部とを連結するとともに、幅方向に沿って延びる形状を有している。
下壁218は、後壁212の下端部と前壁214の下端部とを連結するとともに、幅方向に沿って延びる形状を有している。
中間壁219は、上下方向(図2における上下方向)における後壁212の中央部と同方向における前壁214の中央部とを連結するとともに、幅方向に沿って延びる形状を有している。中間壁219は、上壁216及び下壁218と略平行に形成されている。すなわち、中間壁219は、後壁212、前壁214、上壁216及び下壁218によって囲まれる内部空間210Sを上下方向に二分割している。
補強部材250は、リインフォース本体210を補強する部材である。図3は、補強部材の斜視図である。図4は、バンパリインフォースの左側の端部の拡大平面図である。図2及び図3に示されるように、補強部材250は、リインフォース本体210とは別部材からなる。補強部材250は、リインフォース本体210内、つまり、内部空間210Sに配置されている。本実施形態では、中間壁219によって仕切られた上側及び下側のそれぞれの内部空間210Sに補強部材250が配置されている。補強部材250は、中間壁219に接するとともに上壁216及び下壁218から離間するように配置されている。補強部材250は、車体の前後方向において骨格部材100の少なくとも一部と重なる位置でかつ前後方向に前壁214及び後壁212の少なくとも一方から離間した位置に配置されている。補強部材250は、車体の前後方向の一方側に開口する形状を有している。本実施形態では、補強部材250は、リインフォース本体210のうち前後方向に骨格部材100と重なる部位から幅方向における外側の部位内に配置されている。また、補強部材250は、前壁214から後方に離間した位置に配置されている。補強部材250は、車体の前方に向かって開口する形状を有している。
補強部材250は、後板部252と、上板部256と、下板部258と、を有している。
図2に示されるように、後板部252は、締結部材3によって後壁212に接続されている。後板部252は、平板状に形成されている。
上板部256は、後板部252の上端部から前方に向かって突出する形状を有している。図3に示されるように、上板部256は、前方に向かうにしたがって、後板部252の上端部を通りかつ前後方向と平行な平面から次第に離間しながら下板部258に近づくように傾斜する形状を有している。
下板部258は、後板部252の下端部から前方に向かって突出する形状を有している。図3に示されるように、下板部258は、前方に向かうにしたがって、後板部252の下端部を通りかつ前後方向と平行な平面から次第に離間しながら上板部256に近づくように傾斜する形状を有している。
図3及び4に示されるように、補強部材250は、傾斜部256a,258aを有している。傾斜部256aは、幅方向における上板部256の外側の部位で構成されており、傾斜部258aは、幅方向における下板部258の外側の部位で構成されている。傾斜部256a,258aは、幅方向の外側に向かうにしたがって次第に後方に向かうように傾斜する形状を有している。換言すれば、補強部材250は、車体の幅方向(車両の進行方向と直交する方向)と平行な直線WLと傾斜部256a,258aとの間に鋭角の傾斜角θが形成される姿勢でリインフォース本体210に取り付けられる。なお、傾斜角θは、例えば、5度以上45度以下に設定されることが好ましい。
ここで、座屈部112及び押し込み部214aについて説明する。
座屈部112は、前壁214及び後壁212が補強部材250に接触した状態でリインフォース本体210及び補強部材250の双方を変形させるのに必要な荷重よりも小さな荷重でパワーユニット2に向かって座屈する部位である。座屈部112の剛性は、高剛性部110のうち座屈部112以外の部位の剛性よりも小さく設定されている。座屈部112は、幅方向におけるパワーユニット2の側方に設けられている。
押し込み部214aは、前壁214のうち上板部256及び下板部258と前後方向に対向する位置に形成されている。押し込み部214aは、上板部256及び下板部258を後壁212に向けて押し込む部位である。図2に示されるように、上壁216の内面と押し込み部214aとのなす角θ1及び下壁218の内面と押し込み部214aとのなす角θ1は、それぞれ鈍角である。
次に、図5〜図12を参照しながら、車体前部構造1における微小ラップでの衝突(いわゆるスモールオーバーラップ衝突)について説明する。なお、図5、図7、図8、図10及び図11では、補強部材250の変形状態を示すため、補強部材250が斜線で示されている。
車体前部構造1のリインフォース本体210に衝突物5が衝突すると、図7に示されるように、まず、低剛性部120が塑性変形しながら衝撃エネルギーの一部を吸収する。このとき、リインフォース本体210はほぼ変形していない。
続いて、図8及び図9に示されるように、リインフォース本体210の前壁214が補強部材250に接触するように上壁216、下壁218及び中間壁219が塑性変形する。これにより、補強部材250は、前壁214とともに閉断面を構成するため、リインフォース本体210及び補強部材250をまとめてそれ以上塑性変形させるのに必要な荷重が大きくなる。
このため、補強部材250が前壁214とともに閉断面を構成した後、図10に示されるように、骨格部材100は、座屈部112で座屈することによってパワーユニット2に接触する。これにより、前後方向における後方に向かってリインフォース本体210に作用した衝撃荷重の作用方向が、車体の幅方向の内側に向かうように変換される。
その後、図11及び図12に示されるように、前壁214が後壁212に近づきかつ補強部材250の開口が閉塞するようにリインフォース本体210及び補強部材250の双方が塑性変形しながら衝撃エネルギーを吸収する。このとき、押し込み部214aは、上板部256と下板部258とが互いに近づく方向に向かって倒れるように上板部256及び下板部258を押し込む。また、衝撃荷重の作用方向は、傾斜部256a,258aによって後方に向かう方向から幅方向における内向きに変換される。
以上に説明したように、本実施形態の車体前部構造1では、微小ラップ衝突時、リインフォース本体210の前壁214及び後壁212が補強部材250に接触するまで、すなわち、補強部材250が前壁214とともに閉断面を構成するまでリインフォース本体210が変形した後、骨格部材100が座屈部112で座屈することによってパワーユニット2に接触する。これにより、前後方向における後方に向かってリインフォース本体210に作用した衝撃荷重の作用方向が、車体の幅方向における内向きに変換される。このため、衝撃エネルギーの車室への伝達が抑制される。そして、骨格部材100の座屈後、補強部材250の開口が閉塞するように当該補強部材250がリインフォース本体210とともに変形しながら衝突エネルギーを吸収する。このように、本車体前部構造1では、微小ラップ衝突時に前壁214及び後壁212と接触することによって前壁214とともに閉断面を構成する補強部材250を備えているため、衝撃エネルギーが有効に吸収され、しかも、骨格部材100が座屈部112を有しているため、骨格部材100をパワーユニット2に向けて折り曲げるための専用部材を設けることに起因する重量増が回避される。
また、上板部256は、前方に向かうにしたがって、後板部252の上端部を通りかつ前後方向と平行な平面から次第に離間しながら下板部258に近づくように傾斜する形状を有し、下板部258は、前方に向かうにしたがって、後板部252の下端部を通りかつ前後方向と平行な平面から次第に離間しながら上板部256に近づくように傾斜する形状を有している。このため、上板部256及び下板部258が前壁214に接触した状態からリインフォース本体210が潰れるように変形する際に、上板部256と下板部258とが互いに近づく方向に倒れることによって補強部材250の開口が閉塞される。よって、有効に衝撃エネルギーが吸収される。
また、上壁216の内面と押し込み部214aとのなす角θ1及び下壁218の内面と押し込み部214aとのなす角θ1は、それぞれ鈍角である。このため、上板部256及び下板部258が押し込み部214aに接触した状態からリインフォース本体210が潰れるように変形する際、押し込み部214aによって上板部256と下板部258とが互いに近づく方向に倒れるように案内される。
加えて、補強部材250は、傾斜部256a,258aを有しているため、微小ラップ衝突時における衝撃荷重の作用方向が、後方に向かう方向から幅方向における内向きに変換される。よって、衝撃エネルギーの車室への伝達がより確実に抑制される。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、図13及び図14に示されるように、中間壁219が省略され、リインフォース本体210内に単一の補強部材250が配置されてもよい。
また、図13及び図14に示されるように、リインフォース本体210は、閉断面ではなく開断面で構成されてもよい。図13に示される例では、後壁212は、開口部212hを有している。また、補強部材250は、後方に開口する形状を有している。具体的に、補強部材250は、上板部256及び下板部258に加え、上板部256の前端部と下板部258の前端部とを連結する前板部254を有している。図14に示される例では、前壁214は、開口部214hを有している。これらの態様においても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
1 車体前部構造、2 パワーユニット、3 締結部材、5 衝突物、100 骨格部材、110 高剛性部、112 座屈部、120 低剛性部、200 バンパリインフォース、210 リインフォース本体、212 後壁、214 前壁、214a 押し込み部、216 上壁、218 下壁、219 中間壁、250 補強部材、252 後板部、256 上板部、256a 傾斜部、258 下板部、258a 傾斜部。

Claims (5)

  1. 車体の前部でかつ前記車体の幅方向におけるパワーユニットの側方に配置された骨格部材と、
    前記骨格部材の前方に配置されており、前記車体の幅方向に延びる形状を有するバンパリインフォースと、を備え、
    前記バンパリインフォースは、
    リインフォース本体と、
    前記リインフォース本体とは別部材からなり、前記リインフォース本体内に配置された補強部材と、を有し、
    前記リインフォース本体は、
    前記車体の前後方向における前記骨格部材の前方に配置されており、前記幅方向に沿って延びる形状を有する後壁と、
    前記後壁の前方に配置されており、前記幅方向に沿って延びる形状を有する前壁と、
    前記後壁の上端部と前記前壁の上端部とを連結するとともに、前記幅方向に沿って延びる形状を有する上壁と、
    前記後壁の下端部と前記前壁の下端部とを連結するとともに、前記幅方向に沿って延びる形状を有する下壁と、を有し、
    前記補強部材は、前記車体の前後方向において前記骨格部材の少なくとも一部と重なる位置でかつ前後方向に前記前壁及び前記後壁の少なくとも一方から離間した位置に配置されているとともに、前記車体の前後方向の一方側に開口する形状を有し、
    前記骨格部材は、前記前壁及び前記後壁が前記補強部材に接触した状態で前記リインフォース本体及び前記補強部材の双方を変形させるのに必要な荷重よりも小さな荷重で前記パワーユニットに向かって座屈する座屈部を有し、
    前記座屈部は、前記幅方向における前記パワーユニットの側方に設けられている、車体前部構造。
  2. 前記補強部材は、
    前記後壁に接続された後板部と、
    前記後板部の上端部から前方に向かって突出する形状を有する上板部と、
    前記後板部の下端部から前方に向かって突出する形状を有する下板部と、を有する、請求項1に記載の車体前部構造。
  3. 前記上板部は、前方に向かうにしたがって、前記後板部の上端部を通りかつ前後方向と平行な平面から次第に離間しながら前記下板部に近づくように傾斜する形状を有し、
    前記下板部は、前方に向かうにしたがって、前記後板部の下端部を通りかつ前後方向と平行な平面から次第に離間しながら前記上板部に近づくように傾斜する形状を有する、請求項2に記載の車体前部構造。
  4. 前記前壁は、前記上板部及び前記下板部と前後方向に対向する位置に形成されており前記上板部及び前記下板部を前記後壁に向けて押し込む押し込み部を有し、
    前記上壁の内面と前記押し込み部とのなす角及び前記下壁の内面と前記押し込み部とのなす角は、それぞれ鈍角である、請求項2又は3に記載の車体前部構造。
  5. 前記補強部材は、前記幅方向の外側に向かうにしたがって次第に後方に向かうように傾斜する形状を有する傾斜部を有する、請求項1から4のいずれかに記載の車体前部構造。
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