JP2020175555A - 樹脂加飾物品および物品表面の凸部加飾加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 物品基材と樹脂フィルムとの間に所定の嵩高構成部品を介在させて一体化することにより、表面にmm単位の範囲の凹凸を呈するようにし、成形金型を用いずに低コストで樹脂加飾物品を製造できることを目的とする。【解決手段】 この樹脂加飾物品10は物品基材1の表面とこの表面を覆う樹脂フィルムとの間に嵩高構成部品2が挟み込まれて一体化され、樹脂フィルムの表面に嵩高構成部品に対応した少なくとも凸部が形成されている。この樹脂加飾物品を製造するには、基材表面に嵩高構成部品を貼着した物品基材1を受け治具23に載置した後、物品基材の上方に樹脂フィルム29を配置し、物品基材および樹脂フィルムの周囲を負圧状態にして樹脂フィルムを加熱、軟化させ、受け治具を樹脂フィルムに向けて上昇させて軟化状態の樹脂フィルムに物品基材と表面の嵩高構成部品を密着させた後、受け治具の周囲を開放し、樹脂加飾物品10を取り出す。【選択図】 図1

Description

本発明は樹脂加飾物品および物品表面の凸部加飾加工方法に関する。
従来、表面部に凸部や凹部を有する樹脂物品を製造しようとした場合、樹脂成型をするための金型の内部に加工を施しておく必要があった。
尚、本件に関連する、技術として、樹脂材に炭素繊維を混練して補強した繊維強化プラスチックのように、繊維材と樹脂材を混練した素材を所望形状に成形した成形品は、その強度や剛性、軽量性,耐腐食性等の特性を利用して従来から各種の構造部品あるいは完成品の外殻体として使用されている。例えば特許文献1に示す樹脂成形品は炭素繊維、ガラス繊維、またはこれらの複合繊維から成る繊維基材の成形体の表面に樹脂フィルムを貼着した構造を有し、繊維質が表面に露呈することによる粗面、微細凹凸の表面を前記樹脂フィルムの貼着で緩和して美麗な外観を確保している。この樹脂成形品は、特に繊維素材を主体とする成形体の表面性状の美麗化、均一化に優れ、また表面処理の容易性、工程数の削減など、多くの利点を有している。また、各種の構造体の平坦ないし曲面の外殻部材に対して加飾処理を施工して意匠性を高めたものとして、特許文献2に記載される加飾施工品およびその製造方法が開示されている。これは、表面に異形凹凸を有する施工基材に対して所定の転写パターンによる印刷処理を施したものであって、その際に、この転写パターンに前記異形凹凸に依存して生じる柄抜け部を前記転写パターンの織り成す図柄と相まって独特の加飾模様としている。
特開2017−65230号公報 特開平7−276898号公報
樹脂成形品などの構造物の表面に加飾処理としてシボ加工、レーザ加工、フィルム処理を施す場合、従来は成形金型による手段で行っており、その凹凸付加も加飾としては数μm〜数100μmの凹凸となるのが普通である。金型による成形手段は一般に大量生産を見込んだものであり、小ロット多品種のものに対しては高コストとなってしまうという問題があった。
特許文献1の樹脂成形品は繊維材による表面の微細な凹凸や粗面を樹脂フィルムの溶着、被覆により滑らかな表面性状を得ようとするものであり、凹凸付加による加飾を意図したものではない。また、特許文献2のものは、異形少なくとも凸部を形成した物品に、加飾手段として液圧転写を施し、転写パターンとの間で異形凹凸物品周辺において生じる転写パターンの柄抜けを新たな加飾表現としたものであり、加飾の形態としては限定されたものである。また、液圧転写手段を用いることによりコスト高となっている。
本発明は、物品基材と樹脂フィルムとの間に所定の嵩高構成部品を介在させて一体化することにより、あたかも樹脂の表面に一体的な凹凸加飾が施されたかのような外観を呈するようにした樹脂加飾物品およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明はまた、成形金型による凹凸加飾処理ではなく、所望形状の嵩高構成部品で斬新な凹凸表現を実現し、かつ、樹脂フィルムの被覆処理により一体化を可能とし、1個からの小ロット多品種の場合にあっても低コストで製造できる樹脂加飾物品およびその製造方法すなわち物品表面の凸部加飾加工方法を提供することを目的とする。
本発明による樹脂加飾物品は、物品基材と、少なくとも前記物品基材の表面を覆う樹脂フィルムと、前記物品基材の表面と前記樹脂フィルムとの間に配置される嵩高構成部品とを有し、前記物品基材の表面に前記嵩高構成部品が配置された状態で前記物品基材の表面は前記樹脂フィルムに一体に覆われてなり、前記樹脂フィルムの表面に前記嵩高構成部品に対応した凸部が形成されていることを特徴とする。
本発明の他の形態によれば、前記物品基材の表面に嵩高構成部品が貼着され、前記嵩高構成部品を含む前記物品基材の前記表面に前記樹脂フィルムが密着した状態に一体化されていることを特徴とする。
また、前記物品基材の表面を覆う前記樹脂フィルムの裏面に前記嵩高構成部品が貼着され、前記嵩高構成部品が前記物品基材に接当するように前記樹脂フィルムが前記物品基材に密着した状態に一体化されていることを特徴とする。
また、前記樹脂フィルムはアクリル材、ポリカーボネート材、ABS材、PET材、塩化ビニル材、ポリウレタン材、ポリプロピレン材の少なくともいずれかであることを特徴とする。
また、前記物品基材の表面に窪み部が形成され前記樹脂フィルムの表面に前記窪み部に対応した凹部が形成されていることを特徴とする。
本発明の物品表面の凸部加飾加工方法は、基材表面に所望の嵩高構成部品を貼着した物品基材を受け治具に載置した後、前記物品基材の上方に樹脂フィルムを配置し、前記物品基材および前記樹脂フィルムの周囲を負圧状態にするとともに前記樹脂フィルムを加熱、軟化させ、前記受け治具を前記樹脂フィルムに向けて上昇させて軟化状態の前記樹脂フィルムに前記物品基材およびその表面の前記嵩高構成部品を密着させた後、前記受け治具の周囲を開放し、樹脂加飾物品を取り出すことを特徴とする。
本発明の他の形態によれば、軟化状態の前記樹脂フィルムに前記物品基材およびその表面の前記嵩高構成部品を密着させ、さらに前記受け治具の上方領域を加圧状態にした後、前記受け治具の周囲を開放し、樹脂加飾物品を取り出すことを特徴とする。
また、前記樹脂フィルムはアクリル材、ポリカーボネート材、ABS材、PET材、塩化ビニル材、ポリウレタン材、ポリプロピレン材の少なくともいずれかであることを特徴とする。
本発明に係る樹脂加飾物品は、物品基材と樹脂フィルムとの間に所定の嵩高構成部品を介在させて一体化することにより凸部を有する加飾外観が得られる。
本発明の実施例に係る樹脂加飾物品の概略的な拡大断面図である。 本発明の他の実施例に係る樹脂加飾物品の概略的な拡大断面図である。 本発明の実施例に係る樹脂加飾物品を模式的に形成順に分解して示した斜視図である。 本発明の実施例に係る樹脂加飾物品の製造装置の縦断面図である。 本発明の実施例に係る樹脂加飾物品の製造工程の前段部分を示す概略図である。 図5に示す樹脂加飾物品の製造工程の後段部分を示す概略図である。 本発明に係る樹脂加飾物品の実施例を示す額縁の正面図である。 本発明に係る樹脂加飾物品の他の実施例を示す看板の構成斜視図である。 本発明に係る樹脂加飾物品の他の実施例を示す看板の構成斜視図である。 本発明に係る樹脂加飾物品の他の実施例を示す看板の斜視図である。 本発明に係る樹脂加飾物品の他の実施例を示す看板の斜視図である。
次に、本発明を実施例について図面を参照して説明する。
図1の実施例に示す樹脂加飾物品10は、物品基材1の平板上面1aに所望の厚みのある嵩高構成部品2が配置され、さらに嵩高構成部品2を含む物品基材1の表面全体に樹脂フィルム5が密着、より詳細には後述するように真空及び熱着手段により密着されぴったりと嵩高構成部品2を覆う。これによってフィルム上面に嵩高構成部品2の配置に対応した凸部8からなる加飾形状が現れてなる樹脂加飾物品10となっている。
ここで物品基材1は、表面に加飾を施そうとする対象物品であり、各種の樹脂材、炭素繊維やガラス繊維等から成る繊維基材を樹脂結合剤で混合成形した複合材、天然木あるいは合板などの加工木材、金属部材、その他各種部材が挙げられる。尚、物品基材を複合繊維の繊維基材を結合剤に混合成形した複合体とした場合には前記結合剤としてはABS、ポリカーボネート、アクリル等が採用可能であるが、これらに限定されず繊維基材の混合成形に可能なものであればよい。
嵩高構成部品2は、加飾したい凸部8に対応する体積と形状をもつ部品で構成され、樹脂成形、金属板のプレス抜き加工、レーザ加工、3Dプリンター等で製作した体積をもつ部材が採用される。形状としては、円盤状の部品のほか、多角形状の部品、キャラクターの形状を模した部品、その他任意の形状の部品が用いられる。その加飾形態も同一形状の嵩高構成部品2を複数個配列したり、異なる形状の嵩高構成部品2を複数個組み合せて配置するなど任意の形態にできる。物品基材1の表面において凸状の嵩高構成部品2のずれを生じないように、嵩高構成部品2は物品基材1表面にあらかじめ接着剤、糊等の接着材3で固定することが望ましい。尚、物品基材を樹脂材とした場合、その表面に密着される嵩高構成部品2の接着材3としては、アクリル系接着材が好適である。
次に、嵩高構成部品2を配置した物品基材1の表面に密着される樹脂フィルム5について説明する。樹脂フィルム5の実施例としては、アクリル材、PC材、ABS材のほか、PET材、塩化ビニル材、ポリウレタン材、ポリプロピレン材等の合成樹脂フィルムが挙げられる。例えば樹脂フィルム5としてアクリル材を用いることにより、耐候性、耐紫外線性がよく、またPC材、ABS材のフィルムとすれば、成形性がよく量産も可能である。これらは対象物品の用途に対して適宜選択される。接着層を含む樹脂フィルムの厚みtは0.1〜0.5mmが適切であるが、これも嵩高構成部品2の大きさや高さ、対象物品の使用用途によって任意に定められる。またフィルムの色も透明、不透明、半透明のもの、色素を混合してなる有色のものなど対象物品に応じて任意に定められ得る。尚、樹脂フィルム5の密着性を高めるために裏面(物品基材1及び嵩高構成部品2との接着面)にあらかじめ接着剤4を塗布しておいてもよい。
これにより、図1に示すように外観はあたかも一体的に形成されたかのような凸部8とこれにより相対的に形成される凹部7からなる加飾表面が形成されてなる樹脂加飾物品10が提供される。この凸部8凹部7の凹凸量は0.5〜3.0mmm程度となり、視認できる加飾が施される。
図2,3には図1に示す実施例の変形例を示す。図2,3に示す樹脂加飾物品10は、物品基材1の表面にあらかじめ窪み部6を形成し、これに樹脂フィルム5を密着されている。尚、図2,3に図示するように、物品基材1の表面には、嵩高構成部品2を配置してもよく、凸部8、凸部8を形成することにより相対的に形成される凹部7、及び更に窪み形成された窪み部による加飾を行うことができる。これによって表面全体として凹凸加飾表面が形成される。
尚、図3はこれらの実施例に係る樹脂加飾物品を模式的に分解して示した図である。まず図3の(a)に示すように、凹凸加飾を施す対象物品である物品基材1に対し所望の厚み、外形形状の嵩高構成部品2を必要個数製作するとともに基材表面にも所望深さの凹形状の加飾窪み部6が形成されている。これらの嵩高構成部品2は、例えば素子材料のプレス抜き加工、レーザ切断加工、3Dプリンター等により製作され、厚みdは高々0.5〜3.0mmm程度の形状に加工されるが、得ようとする加飾模様に応じて任意に選定される。加飾窪み部6の形成も工具による手作業、ミーリング加工、レーザ加工、3Dプリンタによる加工、エッチング等、直接物品基材に施すことで得られる。次に図3(b)に示す如く、上述した種々形状の嵩高構成部品2を所望の配列形態で上述の物品基材1の表面1aに接着材3によって貼着する。この状態から、さらにその上面に樹脂フィルム5を接着材を介して貼着、一体化することでフィルム表面に凹凸状の加飾模様が露呈した樹脂加飾物品10が得られる。
上述の実施例では、物品基材の上面に凸状の嵩高構成部品2を配置してその上面を樹脂フィルムで覆うことにより、フィルム表面に凹凸状の加飾模様を露呈させた例であるが、他の実施例では樹脂フィルムの裏面、つまり物品基材に対面する側のフィルム裏面に嵩高構成部品2を貼着し、この状態で物品基材の上面を前記樹脂フィルムで覆い、一体化することで樹脂加飾物品を得るようにしてもよい。この場合、樹脂フィルム自体に予め所望の模様や図案、キャラクター等を下絵として描いておき、嵩高構成部品をこの下絵に沿うようにフィルム裏面に配置して貼着しておき、この状態で前記フィルム裏面を物品基材に被せて貼着、一体化することにより、前記フィルムの表面にキャラター等の下絵が浮き上がった形態の加飾模様が表現できる。予め樹脂フィルム側に嵩高構成部品を貼着しておくため、物品基材1に対する樹脂フィルム5と嵩高構成部品2の位置合せも正確かつ容易になされ得る。
本発明においては、従来のように物品基材自体を成形金型を用いて加飾成形する形態ではないため、シボ加工、レーザ加工を用いてフィルムによるμm単位の凸の表面処理をする場合に比べて、mm単位の、例えば0.5〜3.0mm程度の凸加飾処理が可能となり、あたかも一体的な樹脂成型を行ったかのような加飾処理が行われる。しかも金型を使用しないので、1個からの少量生産でも安価かつ容易に製作可能である。また、凸部の高さは0.5〜3.0mmに限られず数センチメートルの嵩高構成部品2を配置することも可能である。例えば、文房具、家電、便座の蓋等の物品基材1の表面に数mmの嵩高構成部品2を配置することで、数mmのエンボス加工が施されたかのような加飾を行うことができる。尚、他の応用例としては、を物品基材1としての台所用品、家具等に数cmの摘みや取っての形状の嵩高構成部品2を配置すれば本体と分離されることのない摘みや取っての機能を凸部に持たせることができる。さらに高さのある嵩高構成部品2を物品基材1としてのパーテーションに配置すれば壁面と一体形成される物置棚の機能を凸部に持たせることもできる。
次に、本発明に係る樹脂成形品の製造装置および製造方法を、図4〜図6を参照して説明する。図4を参照すれば、本実施例に係る樹脂成形品の製造装置20は、上下に分離可能な下チャンバーボックス21と上チャンバーボックス22とを有する。下チャンバーボックス21内には、前述した上面に凸状の嵩高構成部品を貼着した物品基材1(仮想線で示す)を載置する受け治具23が上下動可能に配置されている。具体的には下チャンバーボックス21の下側に上下動駆動装置24が設けられ、この駆動装置24の作動ロッド24aが下チャンバーボックス21内に挿入され、受け治具23の支持テーブル25が作動ロッド24aに連結されている。
下チャンバーボックス21には真空吸引する装置、例えば真空タンク26が連結されている。真空タンク26は切換弁27を介して上チャンバーボックス22にも連通するようになっている。また、下チャンバーボックス21の上端にはフィルム保持枠28が設けられ、この保持枠28に図1〜図3で説明した樹脂フィルム(透明フィルム)、接着層、加飾層などから成る樹脂フィルム29が交換可能に取り付けられており、樹脂フィルム29を下チャンバーボックス21の上端開口部に装着された状態では該ボックス内は密閉状態に保持される。
下チャンバーボックス21に対して上昇、下降する上チャンバーボックス22内には、その上部部位にヒータ30が配置されている。上チャンバーボックス22の上方位置に上下動駆動装置31が設けられ、その作動ロッド31aが上チャンバーボックス22の上面に連結されている。また、上チャンバーボックス22には該チャンバーボックス内を加圧状態にするための加圧装置、例えば圧空タンク32が切換弁27を介して連結されている。上チャンバーボックス22を下降させて樹脂フィルム29を装着した下チャンバーボックス21に接合させた状態では、上下チャンバーボックス22,21内は密閉状態に保持される。
上述の構成になる樹脂加飾物品の製造装置によって本発明に係る樹脂加飾物品1を製造する方法を図5、図6を参照して説明する。まず、図5(a)に示すように、駆動装置31によって上チャンバーボックス22を上昇させて下チャンバーボックス21内の受け治具23上に対象製品の物品基材1を載置するとともに、下チャンバーボックス上端の樹脂フィルムの保持枠28に所望の樹脂フィルム29をセットする。この状態で下チャンバーボックス21内は密閉状態となっている。
樹脂フィルム29としては、図1〜図3で説明したような、基材物品1表面に密着される樹脂フィルム5のような樹脂フィルムがが対象製品の種類、用途などに応じて選定される。なお、樹脂フィルム29はその接着層が下向き、つまり受け治具23上の物品基材1に対峙する向きに保持枠28にセットされる。
次に、図5(b)に示すように、上チャンバーボックス22を駆動装置31によって下降させて下チャンバーボックス21に接合させるとともに、図5(c)に示すように切換弁27を操作して真空吸引装置(真空タンク26)により上下チャンバーボックス22,21内を真空吸引して負圧状態にする。また同時にヒータ30を付勢してボックス内の樹脂フィルム29を加熱し、表皮フィルムを軟化させる。図5(c)で樹脂フィルム29が若干受け治具23側へ垂れ下がっているのは、このヒータ30の加熱で表皮フィルムが軟化していることを示したものである。
次に、図5(d)に示すように、受け治具23を駆動装置24によって上昇させて受け治具23上の物品基材1を、軟化した樹脂フィルム29に押し付け、樹脂フィルム29を物品基材1に貼着させる。
この後、上チャンバーボックス22内のヒータ30を働かせた状態で上チャンバーボックス22内を負圧状態から大気開放あるいは空圧状態にして成形体表面への樹脂フィルム29の貼着をさらに促進させる。図5(e)は上チャンバーボックス22内を大気開放させた場合、図5(f)は空圧装置および圧空タンク32によって上チャンバーボックス22内を空圧状態にした場合であり、製造工程としてはそのどちらが採用されてもよいが、対象製品によってより強いフィルム貼着を必要とする場合は図5(f)の空圧付加形態が採用される。
この後は、図6(a)に示すように空圧および真空吸引を解除するとともに上チャンバーボックス22を上昇させて受け治具23から表皮フィルム29が貼着されて凹凸状の嵩高構成部品と一体化された状態の加飾物品を取り出す。この状態では樹脂フィルム29の周縁部が物品基材1から若干はみ出しているので、図6(b)に示すように物品基材1からはみ出した樹脂フィルム29の部分をカッター33で切断するトリミング加工を行って樹脂加飾物品10を完成させる。なお、物品基材からの樹脂フィルムのはみ出しがないような場合は、図6(b)のトリミング加工は省略してもよいことは勿論である。
図7は本発明の他の実施例に係る樹脂加飾物品を小形の額縁(ミニチュアフレーム)として構成した例である。額縁41の前面41aに種々形状の凸部からなる加飾部42が貼着され、さらにその前面が透明樹脂フィルムで被覆されている。
次に、図8乃至図11により本発明の他の実施例に係る看板を例に樹脂フィルム側にも文字や図形を施した例を説明する。図8乃至図9に示す樹脂加飾物品としての看板50は、板状の物品基材51の表面に、表示したい文字の形状(図示ABC)からなる嵩高構成部品52a〜cを配置し、表示したい文字形状54を縁取り印刷した樹脂フィルム53を、この物品基材51の表面に真空・密着させ、図9に示すように表示したい文字の形状(図示ABC)が凸部58として浮き出した看板を形成することができる。また、図10乃至図11に示すように、表示したい文字形状64を所望の色でべた塗り印刷した樹脂フィルム63を、この物品基材51の表面に真空・密着させることで樹脂フィルム5の加飾と組み合わせて浮き出した看板を形成することができる。車両の内装品、例えば運転席前面のダッシュボード、ハンドル部分などにも適用可能である。
このように本実施例による樹脂加飾物品及び物品表面の凸部加飾加工方法によれば金型を用いた量産成形品ではなく、1個あるいは少数個であっても低コストで、樹脂成形品の表面に所望の形状、高さの加飾を施して成る樹脂加飾物品を提供することができる。
1 物品基材
2 嵩高構成部品
3 接着材
4 接着材
5 樹脂フィルム
6 窪み部
7 凹部
8 凸部
10 樹脂加飾物品
20 樹脂加飾物品の製造装置
21 下チャンバーボックス
22 上チャンバーボックス
23 受け治具
24,31 上下動駆動装置
26 真空タンク
27 切換弁
28 保持枠
29 樹脂フィルム
30 ヒータ
32 圧空タンク
33 カッター
41 額縁
42 凸状加飾部
50 樹脂加飾物品
51 物品基材
52 嵩高構成部品
53 樹脂フィルム
54 文字形状(印刷)
58 凸部
61 物品基材
63 樹脂フィルム
64 文字形状(印刷)

Claims (8)

  1. 物品基材と、少なくとも前記物品基材の表面を覆う樹脂フィルムと、前記物品基材の表面と前記樹脂フィルムとの間に配置される嵩高構成部品とを有し、前記物品基材の表面に前記嵩高構成部品が配置された状態で前記物品基材の表面は前記樹脂フィルムに一体に覆われてなり、前記樹脂フィルムの表面に前記嵩高構成部品に対応した凸部が形成されていることを特徴とする樹脂加飾物品。
  2. 前記物品基材の表面に嵩高構成部品が貼着され、前記嵩高構成部品を含む前記物品基材の前記表面に前記樹脂フィルムが密着した状態に一体化されていることを特徴とする請求項1に記載した樹脂加飾物品。
  3. 前記物品基材の表面を覆う前記樹脂フィルムの裏面に前記嵩高構成部品が貼着され、前記嵩高構成部品が前記物品基材に接当するように前記樹脂フィルムが前記物品基材に密着した状態に一体化されていることを特徴とする請求項1に記載した樹脂加飾物品。
  4. 前記樹脂フィルムはアクリル材、ポリカーボネート材、ABS材、PET材、塩化ビニル材、ポリウレタン材、ポリプロピレン材の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載した樹脂加飾物品。
  5. 前記物品基材の表面に窪み部が形成され前記樹脂フィルムの表面に前記窪み部に対応した凹部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂加飾物品。
  6. 基材表面に所望の嵩高構成部品を貼着した物品基材を受け治具に載置した後、前記物品基材の上方に樹脂フィルムを配置し、前記物品基材および前記樹脂フィルムの周囲を負圧状態にするとともに前記樹脂フィルムを加熱、軟化させ、前記受け治具を前記樹脂フィルムに向けて上昇させて軟化状態の前記樹脂フィルムに前記物品基材およびその表面の前記嵩高構成部品を密着させた後、前記受け治具の周囲を開放し、樹脂加飾物品を取り出すことを特徴とする物品表面の凸部加飾加工方法。
  7. 軟化状態の前記樹脂フィルムに前記物品基材およびその表面の前記嵩高構成部品を密着させ、さらに前記受け治具の上方領域を加圧状態にした後、前記受け治具の周囲を開放し、樹脂加飾物品を取り出すことを特徴とする請求項6に記載した物品表面の凸部加飾加工方法。
  8. 前記樹脂フィルムはアクリル材、ポリカーボネート材、ABS材、PET材、塩化ビニル材、ポリウレタン材、ポリプロピレン材の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項6または7に記載した物品表面の凸部加飾加工方法。
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