JP2020175450A - 評価体、評価システム、評価体の製造方法、および評価方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このような片面研磨装置に対し、ウェーハの評価体を用いて研磨試験することで装置の評価を行い、平坦度の高い鏡面仕上げを行うための基礎研究が行われている(例えば、特許文献1参照)。
また、センサーをウェーハの非研磨面に配置することによって、センサーが研磨されることがなくなるため、センサーを繰り返し使用することができる。これにより、低コストで片面研磨装置の性能を評価することができる。
まず、評価体50について説明する。
図1および図2に示すように、評価体50は、ダミーウェーハ51と、ダミーウェーハ51の非研磨面51Aに配置された複数のひずみゲージ52および複数の熱電対53と、パッド54とを備えている。ひずみゲージ52は樹脂ベースの上に格子状の抵抗線またはフォトエッチングした抵抗箔を形成し、引きだし線を取り付けた構造のものである。各々のひずみゲージ52および熱電対53は、センサーSを構成し、互いに隣接して配置されている。
ダミーウェーハ51は、製品となるウェーハを用いてもよいし、例えば、熱膨張率などを製品となるウェーハと同じにしたウェーハと同形状の部材を用いてもよい。また、ダミーウェーハ51の形状は、製品となるウェーハと概ね近い形状とすることが好ましい。
本実施形態の評価体50は、ダミーウェーハ51の中心に配置された第1のセンサーS1と、ダミーウェーハ51の外周近傍に配置された第2のセンサーS2と、第1のセンサーS1と第2のセンサーS2との間に配置された第3のセンサーS3と、ダミーウェーハ51の外周近傍に配置され、第2のセンサーS2に対してダミーウェーハ51の中心を基準に90°ずれた位置に配置された第4のセンサーS4と、を有している。
複数のセンサーSをこのように配置することで、ウェーハ中心から外周近傍まで、様々な位置を同時に測定することができる。
センサーSおよび配線55は、防水用のコーティング56により覆われている。コーティング56としては、例えば、エポキシ樹脂やゴムなどを用いたコーティングを採用することができる。
パッド54を形成するための材料としては、ウレタン発砲層に限ることなく、変形可能な多孔質の材料を適宜使用することができる。例えば、パッド54を形成するための材料として発泡シリコーン樹脂などの他の樹脂製層を採用してもよい。
パッド片54Aの厚さは、センサーSの厚さよりも厚く、コーティング56に覆われたセンサーSと略同一かやや薄い。パッド片54Aは、評価体50の研磨中に、バッキングパッド34がコーティング56に僅かに接触するような厚さに形成されている。
パッド片54Aにおける扇形の直線部54Bであって、センサーSの取付箇所の周囲には、逃げ部54Cが形成されている。逃げ部54Cは、直線部54Bからパッド片54Aの内側に凹むように形成されている。
また、パッド片54Aに逃げ部54Cが形成されていることによって、隣り合うパッド片54A間の隙間を小さくしながら、センサーSの取付箇所の周囲のダミーウェーハ51の露出部位を大きくすることができる。これにより、センサーSの取付箇所の位置ずれを許容することができ、評価体50の製造を容易とすることができる。
次に、評価体50の製造方法について、主に図3を参照して説明する。
評価体50の製造方法は、用意工程と、第1マスキング貼付工程と、下地処理工程と、洗浄工程と、接着剤塗布工程と、センサー取付工程と、圧着工程と、第1マスキング除去工程と、第2マスキング貼付工程と、コーティング工程と、第2マスキング除去工程と、パッド貼付工程と、を有する。
評価体50の製造方法では、ダミーウェーハ51にセンサーSを接着した後、接着されたセンサーSをコーティングし、最後にパッド片54Aを貼り付ける。
図3(b)に示すように、第1マスキング貼付工程は、ダミーウェーハ51の非研磨面51A上におけるセンサーSの取付箇所R1以外の箇所の少なくとも一部をマスキングする工程である。具体的には、センサーSの取付箇所R1の周囲にマスキングテープM1を貼り付ける。マスキングを行うことによって、センサーSの取付箇所R1以外の箇所が、後述する下地処理工程で研磨されるのを防止することができる。
図3(g)に示すように、圧着工程は、配置されたセンサーSを接着剤Aに対して圧着する工程である。具体的には、ブロック状の重量物CをセンサーS上に載置し、次いで、重量物CをセンサーSに押し付けた状態でテープTなどを用いて重量物Cを固定し、例えば、約24時間自然乾燥を行う。これにより、センサーSがダミーウェーハ51上に接着される。
図3(i)に示すように、第2マスキング貼付工程は、コーティング56の塗布箇所R2以外の箇所の少なくとも一部を、マスキングテープM2でマスキングする工程である。
図3(l)に示すように、パッド貼付工程は、別途製造されたパッド片54Aをダミーウェーハ51の非研磨面51Aに貼り付ける工程である。なお、パッド貼付工程は、第1マスキング貼付工程よりも前に実施してもよい。
次に、片面研磨装置1の構成について説明する。
図4および図5に示すように、片面研磨装置1は、定盤10と、定盤駆動手段20と、複数の研磨ヘッド30と、複数のヘッド駆動手段40とを備えている。
定盤駆動手段20は、定盤10の下面に接続された定盤回転軸部材21を回転させる駆動源である。
回転フレーム32は、略円板状に形成されている。回転フレーム32の上面の中心は、シャフト31の下端に接続されている。
バッキングパッド34は、片面研磨装置1における評価体50が保持される面に配置されている。バッキングパッド34は、直径が回転フレーム32の下面の直径と略等しい円板状に形成されている。バッキングパッド34は、図示しない多孔質の材料(例えば、ウレタン発砲層)で形成され、水吸着によりウェーハを保持する。
次に、片面研磨装置1によってウェーハが研磨される際の研磨状態を評価する評価システム100について説明する。
評価システム100は、ウェーハの代わりに回転フレーム32に保持されて研磨される評価体50と、送信機60と、受信機61とを有する。
受信機61は、送信機60から送信された電気信号を受信する装置である。受信機61は、片面研磨装置1とは独立して配置されている。受信機61は、例えば、無線電気通信機能を有するコンピューターであり、測定値を表示するディスプレイを有している。なお、受信機61は、片面研磨装置1における非回転部に配置してもよい。
次に、本実施形態の評価システム100を使用して片面研磨装置1により研磨加工中のウェーハの研磨状態を測定する評価方法について説明する。
評価方法は、評価体製造工程と、評価体取付工程と、研磨工程と、送信工程と、受信工程と、分析工程とを有する。
評価体取付工程は、片面研磨装置1に評価体50をダミーウェーハ51の非研磨面51Aとは反対側の研磨面51Bが研磨されるように取り付ける工程である。評価体50は、水吸着により保持される。
具体的には、図示しないスラリー供給手段によって、研磨スラリーPSを定盤10の研磨パッド11上に供給する。そして、評価体50を保持した研磨ヘッド30をヘッド駆動手段40の駆動によって回転させながら下降させ、定盤駆動手段20の駆動によって回転している定盤10の研磨パッド11上に評価体50のダミーウェーハ51を接触させることでダミーウェーハ51の研磨が開始される。
このとき、定盤10および回転フレーム32からの圧力により、ダミーウェーハ51とバッキングパッド34との間に接触圧力が生じ、ひずみゲージ52が押し潰されることでダミーウェーハ51にかかる面圧が測定される。また、熱電対53によりダミーウェーハ51の温度が測定される。
受信工程は、送信機60から送信された面圧および温度に関する電気信号を受信機61により受信する工程である。
図6に示すグラフから、ダミーウェーハ51にかかる面圧、およびダミーウェーハ51の温度の推移がわかる。特に、図1に示すように、複数箇所にセンサーSが配置されていることによって、面圧分布と温度分布を把握することができる。また、ダミーウェーハ51にかかる面圧の変化に対応して、ダミーウェーハ51の温度が変化することなどがわかる。なお、面圧の測定値については、各配置箇所間の相対的な差が把握できれば良い。
評価者は、図6のグラフに示される結果などを元に、例えば、各配置箇所間の面圧差、および温度差が均一となるように、片面研磨装置1の各構成要素の制御方法などを検討することができる。
また、パッド54を形成する材料が多孔質であることによって、より変形性が増し、測定精度をさらに向上させることができる。
例えば、上記実施形態では、センサーSをひずみゲージ52および熱電対53としたがこれに限ることはなく、研磨試験により有用なデータを測定することができれば、他のセンサー、例えば、ピエゾ式圧力センサーやIC温度センサーなどを採用することもできる。
また、上記実施形態では、パッド片54Aは、扇形をなしているがこれに限ることはなく、例えば、複数の円形のパッド片54Aをダミーウェーハ51の非研磨面51Aに貼り付ける構成としてもよい。
また、コーティング56は、接着剤Aによる接着で十分にセンサーSが固定され、また、センサーSの防水が不要である場合などは省略することができる。
Claims (8)
- 片面研磨装置により研磨加工中のウェーハの研磨状態を評価するための評価体であって、
ダミーウェーハと、
前記ダミーウェーハの非研磨面に配置され、前記ダミーウェーハの状態を測定するセンサーと、
前記ダミーウェーハの前記非研磨面上における前記センサー、前記センサーの配線以外の部位に設けられた変形可能なパッドと、を備えることを特徴とする評価体。 - 前記パッドを形成する材料が多孔質である請求項1に記載の評価体。
- 前記パッドは、扇形をなし、外周部が前記ダミーウェーハの外周に沿うように配置された複数の同一形状のパッド片からなり、前記センサーは、周方向に隣り合う前記パッド片の間に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の評価体。
- 前記センサーは、ひずみゲージおよび熱電対である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の評価体。
- 前記ひずみゲージおよび前記熱電対は、防水用のコーティングにより覆われていることを特徴とする請求項4に記載の評価体。
- 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の評価体と、
前記片面研磨装置の研磨ヘッドに配置され、前記センサーによる測定値を無線電気通信により送信する送信機と、
前記送信機から送信された前記測定値を受信する受信機と、を備えることを特徴とする評価システム。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の評価体の製造方法であって、
前記ダミーウェーハを用意する用意工程と、
前記ダミーウェーハの非研磨面上の前記センサーの取付箇所の表面粗さを粗くする下地処理工程と、
前記取付箇所に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
前記取付箇所に前記センサーを取り付けるセンサー取付工程と、を有することを特徴とする評価体の製造方法。 - 片面研磨装置により研磨加工中のウェーハの研磨状態を評価する評価方法であって、
ダミーウェーハを用意する用意工程と、
前記ダミーウェーハの非研磨面上に、前記ダミーウェーハの状態を測定するセンサーを取り付けて評価体とするセンサー取付工程と、
前記片面研磨装置に前記評価体を、前記ダミーウェーハの前記非研磨面とは反対側の研磨面が研磨されるように取り付ける評価体取付工程と、
取り付けられた前記評価体の前記研磨面を研磨する研磨工程と、
研磨加工中に前記センサーによって測定された測定値を前記片面研磨装置の研磨ヘッドに設けられた送信機から無線電気通信により送信する送信工程と、
前記送信機から送信された前記測定値を受信機により受信する受信工程と、を有することを特徴とする評価方法。
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WO2022190771A1 (ja) * | 2021-03-11 | 2022-09-15 | 株式会社荏原製作所 | センサを備えた測定ウェーハ、およびその使用方法 |
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