JP2020175169A - イメージング装置、方法及びプログラム - Google Patents

イメージング装置、方法及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2020175169A
JP2020175169A JP2019172770A JP2019172770A JP2020175169A JP 2020175169 A JP2020175169 A JP 2020175169A JP 2019172770 A JP2019172770 A JP 2019172770A JP 2019172770 A JP2019172770 A JP 2019172770A JP 2020175169 A JP2020175169 A JP 2020175169A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
energy
ray
detection element
spectrum
processing circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019172770A
Other languages
English (en)
Inventor
ジャン シャオホイ
Xiaohui Zhan
ジャン シャオホイ
クリストファー ツィマーマン ケビン
Christopher Zimmerman Kevin
クリストファー ツィマーマン ケビン
リャン カイ
Cai Liang
リャン カイ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Medical Systems Corp
Original Assignee
Canon Medical Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Medical Systems Corp filed Critical Canon Medical Systems Corp
Publication of JP2020175169A publication Critical patent/JP2020175169A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus or devices for radiation diagnosis; Apparatus or devices for radiation diagnosis combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/58Testing, adjusting or calibrating thereof
    • A61B6/582Calibration
    • A61B6/585Calibration of detector units
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01TMEASUREMENT OF NUCLEAR OR X-RADIATION
    • G01T1/00Measuring X-radiation, gamma radiation, corpuscular radiation, or cosmic radiation
    • G01T1/36Measuring spectral distribution of X-rays or of nuclear radiation spectrometry
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus or devices for radiation diagnosis; Apparatus or devices for radiation diagnosis combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/02Arrangements for diagnosis sequentially in different planes; Stereoscopic radiation diagnosis
    • A61B6/03Computed tomography [CT]
    • A61B6/032Transmission computed tomography [CT]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus or devices for radiation diagnosis; Apparatus or devices for radiation diagnosis combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/40Arrangements for generating radiation specially adapted for radiation diagnosis
    • A61B6/4035Arrangements for generating radiation specially adapted for radiation diagnosis the source being combined with a filter or grating
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus or devices for radiation diagnosis; Apparatus or devices for radiation diagnosis combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/42Arrangements for detecting radiation specially adapted for radiation diagnosis
    • A61B6/4208Arrangements for detecting radiation specially adapted for radiation diagnosis characterised by using a particular type of detector
    • A61B6/4241Arrangements for detecting radiation specially adapted for radiation diagnosis characterised by using a particular type of detector using energy resolving detectors, e.g. photon counting
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus or devices for radiation diagnosis; Apparatus or devices for radiation diagnosis combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/48Diagnostic techniques
    • A61B6/482Diagnostic techniques involving multiple energy imaging

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)

Abstract

【課題】エネルギービンの最適化を図ること。【解決手段】実施形態に係るイメージング装置は、処理回路を備える。処理回路は、光子計数検出器の2つ以上の検出素子について、対応する前記検出素子に入射するX線源のX線ビームのそれぞれのエネルギースペクトルをX線エネルギーの関数としてのX線減衰をモデル化することにより推定する。処理回路は、前記2つ以上の検出素子の各検出素子について、前記各検出素子により検出される第1エネルギー範囲の最大値に対応する第1エネルギー閾値を前記エネルギースペクトルに基づいて設定する。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、イメージング装置、方法及びプログラムに関する。
CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)システムおよび方法は、特に医用イメージングおよび医療診断のために広く使用されている。CTシステムは、一般的に被験体の身体の1つまたは複数の断面スライスの投影像を作成する。X線源などの放射線源(単に、線源と称する場合がある)が身体の一方の側から身体に対して放射線を照射する。一般的にX線源に隣接しているコリメータがX線ビームの角度範囲を制限するので、身体に衝突する放射線は身体の断面スライスを画定する平面領域(すなわち、X線投影面)に実質的に制限される。身体の反対側の少なくとも1つの検出器(一般的に多数の検出器)が投影面の身体を通過した放射線を受ける。検出器から出力された電気信号を受け、この電気信号を処理することにより、身体を通過した放射線の減衰が測定される。平面投影ではなく身体のボリューム投影を行うマルチスライス検出器が用いられる場合がある。
一般的にX線源は、身体の長軸の周りを回転するガントリに搭載される。検出器は、ガントリのX線源とは反対側に同様に搭載される。一連のガントリ回転角における投影的な減衰測定を行い、投影データ/サイノグラムをガントリ回転子と固定子の間に設けられたスリップリング経由で処理装置(プロセッサ)に送り、それからCT再構成アルゴリズム(たとえば、逆ラドン変換、フィルタ補正逆投影、Feldkampに基づくコーンビーム再構成、反復再構成又はその他の方法)を使用して投影データを処理することにより、身体の断面像が得られる。例えば、再構成された画像は、素子(ピクセル)の正方行列であるデジタルCT画像とすることができる。この場合、これらの素子のそれぞれが患者(被検体)の身体のボリュームエレメント(ボリュームピクセル又はボクセル)を表す。CTシステムによっては、身体の並進と身体に対するガントリの回転の組み合わせによりX線源が身体に対する渦巻き状またはらせん状の軌跡を通過する。そして、多数のビューが用いられて1つスライスまたは複数のスライスの内部構造を示すCT画像が再構成される。
CT投影データを測定するためにエネルギー積分検出器(Energy-Integrating Detector:EID)が使用されてきた。これに代わる方法として使用される光子計数検出器(Photon-Counting Detector:PCD)は、エネルギー積分検出器に比較して、スペクトラルCTを行う能力及びスキャン領域を検出器の多数のより小さい「ピクセル」に分割して解像度を高める機能を含む多数の長所をもっている。半導体ベースのPCDはスペクトラルCTに独自の利益をもたらすが、固有の課題ももたらす。例えば、PCDは、検出されたX線を複数のエネルギー範囲のそれぞれに対応する複数のエネルギービンのそれぞれに分解することができる。それぞれのビンのエネルギー範囲は、検出器内のすべての素子(検出素子)について同じである。しかし、X線ビームの一部における検出素子の最適エネルギー範囲は、X線ビームの別の部分における検出素子にとって必ずしも最適でない。それは、X線ビームの種々の部分が種々のX線エネルギースペクトルを有し得るからである。例えば、X線ビームの異なる複数の部分は、互いに異なる複数のエネルギースペクトルを有する場合がある。したがって、全ての検出素子において、同じ範囲のエネルギービンを使用することは、性能および画質を劣化させることがある。よってX線ビーム内の位置の関数としてこれらの範囲(たとえば、エネルギー閾値およびエネルギービンの大きさ)を最適化する優れた方法が望まれる。
国際公開第2018−047950号
本発明が解決しようとする課題は、エネルギービンの最適化を図ることである。
実施形態に係るイメージング装置は、処理回路を備える。処理回路は、光子計数検出器の2つ以上の検出素子について、対応する前記検出素子に入射するX線源のX線ビームのそれぞれのエネルギースペクトルをX線エネルギーの関数としてのX線減衰をモデル化することにより推定する。処理回路は、前記2つ以上の検出素子の各検出素子について、前記各検出素子により検出される第1エネルギー範囲の最大値に対応する第1エネルギー閾値を前記エネルギースペクトルに基づいて設定する。
図1Aは、物体(例えば、被検体、被写体、患者、胴、ファントム等)の断面図、及び、線源から発し、その途次において物体を通過して検出器中のそれぞれのピクセル又は素子に向かって扇形に広がるX線軌跡を示す図である。 図1Bは、本開示の1つの側面において線量補償フィルタ(ボウタイフィルタ)を設けた場合における胴の断面図及び扇形に広がるX線軌跡を示す図である。 図1Cは、本開示の1つの側面において、種々のファン角度(ファン角)により線量補償フィルタを通過した後のビームスペクトルの一例を示す図である。 図1Dは、本開示の1つの側面において種々のファン角度により線量補償フィルタを通過した後のビームスペクトルに適用されるエネルギービンの一例を示す図である。 図2は、本開示の1つの側面において、ビームのシミュレーション及び/又は較正を行うことによりエネルギー閾値を設定する方法のフローチャートを示す図である。 図3は、本開示の1つの側面において、ビームのシミュレーション及び/又は予備スキャンを用いてエネルギー閾値を設定する方法のフローチャートを示す図である。 図4は、本実施形態におけるコンピュータ断層撮影スキャナの構成の一例を示す図である。
添付図面に関連して以下に示される記述は、開示される主題の種々の側面の記述を意図しており、かつ、側面のみを示すことを必ずしも意図していない。場合によっては、この記述は、開示される主題の理解を与えることを目的とする具体的な詳細を含む。しかし、これらの具体的な詳細なしに種々の側面を実施し得ることは、当業者にとって明らかである。場合によっては、開示される主題の概念が曖昧となることを回避するために、周知の構造および構成要素がブロック図の形式で示される。
明細書全体を通じて行われる「1つの側面」または「ある側面」に対する言及は、1つの側面に関連して記述された特定の特徴、構造、特性、操作又は機能が開示された主題の少なくとも1つの側面に含まれることを意味する。したがって、明細書における「1つの側面において」又は「ある側面において」等の言い回しは、必ずしも同一の側面を指さない。さらに、特定の特徴、構造、特性、操作又は機能は、1つ又は複数の側面において任意の適切な方法により組み合わされ得る。さらに、開示される主題の側面は、記述された側面の改良及び変形を包含し得ること並びに包含することを意図している。
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、文脈により別段の指示のある場合を除き、単数形は複数の指示対象を含む場合があることに留意しなければならない。すなわち、明確に別段の指定のない限り、本願において使用される場合、「ある1つの」および同様な語句は、「1つまたは複数の」という意味をもつ。また、当然のことながら、「頂部の」、「底部の」、「前部の」、「後部の」、「側面の」、「内部の」、「外部の」などの用語は、本願において使用される場合、基準点を示すのみであり、必ずしも開示された主題の特徴を特定の方位または配置に制限しない。さらに、「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語は、本願において記述されるいくつかの部分、構成要素、基準点、操作及び/又は機能の1つを識別するのみであり、同様に、必ずしも開示された主題の特徴を特定の配置または方位に制限しない。
本願において記述する実施形態は、例えば、光子計数検出器における検出素子(ピクセル)の変更可能なエネルギー閾値の設定に関する。例えば、光子計数検出器の複数の検出素子のそれぞれについて、複数のエネルギー閾値をX線ビーム中の対応点におけるエネルギースペクトルに従って最適に調整するコンピュータ断層撮影(CT)システム、方法及びプログラムに関する。以下の説明では、光子計数検出器を、単に、検出器と称する場合がある。
光子計数CTでは、PCDは、直接変換、例えば、CdTeまたはCZTエネルギー分解光子計数スペクトル検出器により各入射光子のエネルギーを検出することができる。EIDを使用するCTに比べて、PCDを使用するCTは、その測定において追加エネルギー依存情報を提供する。この情報は、物質弁別及びスペクトラルイメージングを可能にする。
特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)などのPCCTシステムのフロントエンド電子機器は、アナログ信号を変換し、かつ、それを所定の閾値(電圧)と比較し、それにより多数のエネルギービンの計数の測定値を得る。光子計数ASIC設計は、たとえば、2〜6個のエネルギービンをもつ2〜6個のエネルギー閾値を含み得る。一部の例では、システムによっては第1閾値として25〜50keVの範囲内の静的値(例えば固定値)を使用する。しかし、閾値はシステム固有の構成設定に依存するために、最適なエネルギー閾値を決定する方法には定説が存在しない。とりわけ、最低のエネルギービンは、減衰した一次X線ビームおよび散乱したX線を含む混合データを含むことがある。一方で、光電相互作用は当該X線の低エネルギー範囲のX線における主要な減衰過程であり、それにより低エネルギーX線は物質の差異に対するより高い感度を示す。他方、X線散乱X線プロセスは、入射X線より低いエネルギーをもつ散乱X線をもたらす。その結果、散乱X線の大部分は低いエネルギー範囲に見出され、それは、X線散乱補正を行わない限り、測定に悪影響を及ぼし、かつ、CT画像中に偏り/アーチファクトをもたらす。最適な低エネルギーカットオフ閾値の選択は、カットオフ閾値を増大することにより散乱X線による不要な雑音を除去することと、カットオフ閾値を低減することにより低X線エネルギーにおいて可能な限り多くの信号を収集することとの間でトレードオフの関係にある。最適なエネルギー閾値の決定及び適切なエネルギービン設定を行わない場合、価値のあるデータ(有用なデータ)が測定から除かれてしまうであろう。したがって、本願において記述する方法は、動的かつ位置依存のエネルギー閾値の決定およびビンの設定をPCCTシステムに導入することによりPCCTシステムの性能を最適化してその臨床効果を高める。
これから複数の図面を参照するが、これらの図面においては同様な参照番号は、いくつかの図を通じて同一または対応する部分を指す。図1Aは、物体(例えば、被検体、被写体、患者、胴、ファントム等)の断面図、及び、線源から発し、その途次において物体を通過して検出器中のそれぞれのピクセルまたは素子に向かって広がるX線の軌跡を示す。簡素化のためにX線の軌跡の半分を示す。残りの半分は示されている軌跡を中心線で折り返すことにより得られる。
一部のX線の軌跡は柔らかい組織のみ通過するのに対し、他のX線の軌跡は柔らかい組織を通過することに加えて骨(例えば、肋骨)を通過する。さらに、患者の真上のような一部の線源位置の場合、X線の軌跡の一部は患者の腕のみを通過するのに対し、他の軌跡は胴を通過する。当然の結果として、患者の左側または右側のような他の線源位置の場合、X線の軌跡の一部は側面方向(横向きの方向)に進んで、最初に第1の腕、次に胴、続いて第2の腕を通過する。このようにX線が進む距離およびX線が通過する物質は、線源の種々の位置により異なる。完全な円形の円筒の場合、一部のX線の軌跡は、たとえば周辺において、ほんの少しの組織を通過するのに対し、他のX線軌跡は物体または患者の中心を通過する。これらの例から分かるように中心のX線と周辺のX線との間において減衰の差が生ずる。
さらに、X線ビームを形作ったり、狭くしたりすることにより放射線量を制限するために、線源と患者との間に線量補償フィルタ(ボウタイフィルタ)を挿入してもよい。図1Bは、本開示の1つの側面において、線量補償フィルタを設けた場合における胴の断面図、及び、扇形に広がるX線の軌跡を示す。1つの側面において、線量補償フィルタの追加は、患者の周辺に向かうX線の量を低減する。したがって、線量補償フィルタの追加は、患者への放射線量を低減することできる。たとえば、頭部のCTスキャンを行う場合、X線線量を合理的に許容できる範囲で可能な限り低く保つために、より小さいファン角度(ファン角)が望ましいであろう。同様に、心臓CTスキャンの場合、腕のような臨床的に関係のない身体の部分への放射線量を低減することにより患者への放射線量を低減することが望ましいであろう。これは、線量補償フィルタのエッジ(端)が中心部より厚い形状をもつ線量補償フィルタにより達成することができる。この場合、線量補償フィルタは、ファン角の周辺に向かうX線が線量補償フィルタのより厚いエッジを通過し、かつ、ファン角の中心に向かうX線(中央X線)が線量補償フィルタのより薄い中心を通過するように、配置される。線量補償フィルタによるビームのフィルタリング(事前的なフィルタリング)によりファン角に沿って異なるスペクトルが生ずる。したがって、スキャン物体または患者が存在しない状態において、光子計数検出器の周辺部分である周辺部の検出素子は、中心に近い検出素子に比し、より高いエネルギーにシフトされたスペクトルを受け取る。
種々の臨床応用および種々の患者の大きさにとって、ビームの種々の形状/幅が有益となり得る。したがって、特定の応用及び患者に基づいて離散集合の線量補償フィルタ群の中から適切な線量補償フィルタを選択することができる。ある実施形態では、離散集合の線量補償フィルタ群の中の適切な各線量補償フィルタについてファン角の関数としてのエネルギースペクトルを較正(補正)し、かつ、保存しておくことができる。
図1Cは、種々のファン角において線量補償フィルタを通過した後のビームスペクトルの実施例を示す。図1Cにおいて、エッジX線105(図1B参照)はエッジスペクトル105aを生成し、また、中心X線115(図1B参照)は中心スペクトル115aを生成する。さらに、中間X線110(図1B参照)は中間スペクトル110aを生成する。線量補償フィルタのエネルギー依存減衰のために、エッジスペクトル105aは中間スペクトル110aより高いエネルギーの方向にシフトされ、また、その中間スペクトル110aは中心スペクトル115aより高いエネルギーの方向にシフトされる。
図1Dは、種々のファン角において線量補償フィルタを通過した後のビームスペクトルに適用されるエネルギービン120の一例を示す。たとえば、エネルギービン120を規定する閾値を所定のエネルギーレベルに設定する。たとえば、閾値を20keV毎に設定して第1エネルギービン120a、第2エネルギービン120b、第3エネルギービン120c、第4エネルギービン120d及び第5エネルギービン120eを得る。種々の閾値レベルおよびエネルギービンの大きさを使用できることは当業者の理解するところであろう。
注目すべきことに、エッジX線105を検出するピクセルが45keVより低いエネルギーのX線を実質的に受けないのに対し、中心X線115を検出するピクセルは20keVという低域までのエネルギーのX線を受ける。したがって、図1Dに示されているように、第1エネルギービン120aは、エッジスペクトル105aが45keVにおいて消滅しているのでエッジX線105に関するスペクトル情報を実質的に与えない。
したがって、エッジX線105に対応する検出器のピクセルに入射する45keVより低いX線は、一次X線ビームからではなく散乱からのものである可能性が高い。その結果として、この検出器のピクセルの場合、第1エネルギービン120aの低エネルギーカットオフ閾値は、たとえば、50keVとすることができる。
ここでいう第1エネルギービンとは、例えば、あるピクセルについて設定された複数のエネルギービンのうち、最もエネルギーが低いエネルギービンを指す。また、低エネルギーカットオフ閾値とは、例えば、第1エネルギービンのエネルギーの範囲のうち、最も低いエネルギーを指す。また、カットオフ閾値は、第1エネルギー閾値とも称される。
一部の実施例では、この低エネルギーカットオフ閾値を、PCDの有限のエネルギー分解能(例えば、このエネルギー分解能は5〜10keVである)を考慮して若干(たとえば、45keVに)繰り下げることができる。また、一部の実施形態では、この低エネルギーカットオフ閾値を、特に大柄及び/又は高密度の患者の場合の患者の体内の伝搬から生ずる減衰(追加減衰)を考慮して若干引き上げてもよい。なお、追加減衰とは、例えば、患者などの物体が存在しない場合と比較して、物体が存在する場合に更に生じる減衰を指す。
中間スペクトル110aに対応する検出器のピクセルに関して、低エネルギーカットオフ閾値を、たとえば、40keVとすることができる。エッジスペクトル105aに対応するピクセルの低エネルギーカットオフ閾値と同様に、この40keVのカットオフ閾値を、PCDの有限エネルギー分解能および患者による追加減衰に応じて上方または下方に調整することができる。
中心スペクトル115aに対応する検出器のピクセルに関して、低エネルギーカットオフ閾値を、例えば、25keVとすることができる。エッジスペクトル105aに対応するピクセルの低エネルギーカットオフ閾値と同様に、25keVのカットオフ閾値を、PCDの有限エネルギー分解能および患者による追加減衰に応じて上方または下方に調整することができる。
上記を考慮すると、PCDのピクセルの配列に沿うそれぞれの位置におけるX線スペクトルのシミュレーション(または実施例によっては測定/較正)を行うことができる。そして、次にこれらのX線スペクトルを使用してPCDのピクセル配列に沿うそれぞれの位置における低エネルギーカットオフ閾値を決定することができる。すなわち、閾値の設定を最適化するために、可変なエネルギー閾値の設定を種々のピクセルに適用することができる。すなわち、可変なエネルギー閾値の設定が可能なように、種々のピクセルを構成することができる。各個別のピクセルまたはピクセルのグループ(たとえば、100個のピクセルからなるPCDモジュール)は、設定可能な第1エネルギー閾値、追加で設定可能なエネルギー閾値、及び、様々な入力に基づいてエネルギー閾値を自動的に設定する方法により、エネルギー閾値が自動的に設定される。
なお、追加で設定可能なエネルギー閾値とは、例えば、第1エネルギー閾値以外のエネルギー閾値であって、エネルギービンの境界を画定するためのエネルギー閾値を指す。例えば、図1Dの例では、追加で設定可能なエネルギー閾値は、複数のエネルギービン120a〜120eそれぞれのエネルギービンの境界を画定するエネルギー閾値である。より具体的には、追加で設定可能な複数のエネルギー閾値は、第1エネルギービン120aと第2エネルギービン120bとの間のエネルギー閾値(第2エネルギー閾値)、第2エネルギービン120bと第3エネルギービン120cとの間のエネルギー閾値(第3エネルギー閾値)、第3エネルギービン120cと第4エネルギービン120dとの間のエネルギー閾値(第4エネルギー閾値)、第4エネルギービン120dと第5エネルギービン120eの間のエネルギー閾値(第5エネルギー閾値)、及び、第5エネルギービン120eのエネルギー範囲の最大値(第6エネルギー閾値)を含む。追加で設定可能な複数のエネルギー閾値は、単に、追加エネルギー閾値とも称される。
例えば、1つの検出素子により検出されたX線の測定されたエネルギーが、第2エネルギー閾値より小さく、かつ、第1エネルギー閾値より大きい場合に、検出されたX線が第1エネルギービン120a内に含まれると弁別する。他のエネルギービンについても同様である。
図2は、本開示の1つの側面における、ビームシミュレーションおよび較正によりエネルギー閾値を設定する方法200を示すフローチャートである。1つの側面において、複数のピクセルに対して設定される第1エネルギー閾値は、線量補償フィルタを通過することにより生ずるエネルギー依存減衰に基づいて推定されるビームスペクトルを使用することにより設定されることができる。ステップS201において、線源から放射されたビームのスペクトル(X線管スペクトル)のシミュレーションを行い、そして、シミュレーションにより得られたX線管スペクトルを所定のフィルタを通過したビームスペクトルの減衰(推定された減衰)と組み合わせる。減衰は、形状および材料などのフィルタ特性に基づいて計算することにより、推定されることができる。たとえば、所定のフィルタは、成人患者向けの大きな線量補償フィルタ、未成年患者向けの小さな線量補償フィルタ、または特定の臨床応用向けのCTシステムに設置されるその他のフィルタとすることができる。
実施形態によっては、線源から放射されるビームのX線管スペクトルは、較正スキャンに基づいてもよい。別の方法として、線源から放射されるビームのX線管スペクトルは、シミュレーションに基づいてもよい。例えば、X線管スペクトルは、線源(例えば、後述するX線管501(図4参照))の設定情報(管電圧や管電流等の情報を含む情報)に基づいて、X線管スペクトルを得るためのシミュレーションを行うことにより得られる。
すなわち、ステップS201では、X線管スペクトルのシミュレーションを行い、シミュレーションにより得られたX線管スペクトルを用いて、ビームスペクトルを推定(計算)する。
このように、ステップS201では、例えば、光子計数検出器の2つ以上の検出素子について、対応する検出素子に入射するX線源のX線ビームのそれぞれのエネルギースペクトルを、X線エネルギーの関数としてのX線減衰をモデル化することにより推定する。具体的には、X線ビームがフィルタを通過する場合のX線の減衰をモデル化することにより、それぞれのエネルギースペクトルを推定する。このように、例えば、X線ビームがフィルタを通過する場合のX線の減衰のモデル(上記モデル化により得られたモデル)を用いて、それぞれのエネルギースペクトルを推定する。
ステップS203において、オプションとして、検出器中のピクセルをビームファン角のユーザにより所望された範囲に従ってグループ化することもできる。たとえば、896行/列の検出器とし、ビームファン角全体を包含する28行/列からなる32グループを構成することができる。別の方法として、ピクセルは、モジュール別にグループ化することもできる。さらに各ピクセルは、それ自身のグループとなり得る。すなわち、1つのグループが1つのピクセルにより構成されてもよい。なお、ピクセルはグループ化されてもよいし、グループ化されなくてもよい。例えば、グループ化された場合には、ピクセルのグループ毎に、以下で説明するステップS205の処理を行う。一方、グループ化されない場合には、個別のピクセル(1つのピクセル)毎に、ステップS205の処理を行う。
ステップS205において、ピクセルのグループのそれぞれ、又は、ピクセルのそれぞれについて、計算されたビームスペクトルに基づいて第1エネルギー閾値(すなわち、低エネルギーカットオフ閾値)を決定することができる。エネルギースペクトルは各グループ又は各ピクセルについて固有であるから、このようにして第1エネルギー閾値は各グループ固有又は各ピクセル固有とすることができる。
例えば、ステップS205では、2つ以上の検出素子の各検出素子について、各検出素子により検出される第1エネルギー範囲の最大値に対応する第1エネルギー閾値をエネルギースペクトルに基づいて設定する。ここでいう第1エネルギー範囲とは、図1D等に示す0keVから第1エネルギー閾値までの計数されない(カウントされない)エネルギーの範囲である。
また、ステップS203,205では、複数のグループであって、当該複数のグループの各グループがX線ビームのそれぞれのエネルギースペクトルを有する複数のグループに検出素子をグループ化する。
実施形態によっては、中心スペクトル115aは20keVの最小エネルギーEminを有する。したがって、中心X線115を検出するピクセル(またはピクセルのグループ)の第1エネルギー閾値は20keVに設定される。別の側面において、PCDはエネルギー分解能aを有する。そして第1エネルギー閾値を、エネルギー分解能aに基づく量により調整することができる。例えば、第1エネルギー閾値を、最小エネルギーからエネルギー分解能を減じる(例えば、Emin−a)ことにより決定することができる。すなわち、エネルギー分解能が5keVであり、かつ、中心スペクトル115aの最小エネルギーが20keVである場合、第1エネルギー閾値は15keVに設定される。
様々な方法を使用して最小エネルギーEminを決定することができる。実施形態によっては、最小エネルギーは、所定の閾値を超える測定されたスペクトルについてのエネルギーとすることができる。例えば、この所定の閾値は、絶対尺度または相対値に基づいた値とすることができる。この所定の閾値は、エネルギースペクトルのピーク又はエネルギースペクトルの積分値と関連することができる。例えば、この所定の閾値は、エネルギースペクトルのピーク又はエネルギースペクトルの積分値とすることができる。この場合、エネルギースペクトルは、計数率、放射照度、強度、放射線束(率)等により表される。別の方法として、最小エネルギーは、エネルギースペクトルの積分に基づき得る。例えば、最小エネルギーは、エネルギースペクトルの所定パーセンテージ(例えば、2%または5%)を除去するように選定されることができるが、これは、たとえばカウントまたはエネルギーにより測定される。実施形態によっては、最小エネルギーは、エネルギースペクトルと散乱されたX線束のような雑音信号の推定値の両方を使用して決定される。
別の側面において、他のエネルギー閾値(たとえば、第1エネルギービン120aと第2エネルギービン120bとの間の閾値(第2エネルギー閾値)又は第2エネルギービン120bと第3エネルギービン120cとの間の閾値(第3エネルギー閾値)等)は、ピクセルの位置に基づいて決定/調整され得る。
エネルギービンのそれぞれの範囲を決定するために、様々な規則を使用することができる。図1Dに示す一例において、複数のエネルギービン120のそれぞれは、同一のエネルギー範囲(例えば、20keV)にわたる。別の方法として、エネルギービンの幅(スペクトル幅)は、雑音平衡(ノイズバランス)を達成するように選択されることができる。さらに、エネルギービンの幅は、複数のエネルギービンのそれぞれにおけるカウント数または信号対雑音比を等しくするように選定されることもできる。また、エネルギービンの幅は、なんらかの予め定められた公式に従い、第1エネルギー閾値又は参照テーブル(ルックアップテーブル(LUT))に基づいて選定されることもできる。さらに、その他の方法を用いて、エネルギービンの幅を選定してもよい。エネルギービンの幅が一様でなくてもよい。
たとえば、中心スペクトル115aの第1エネルギービン120aは、幅40keVとし、20keVから60keVにわたらせてもよい。第2エネルギービン120bは、幅20keVとし、60keVから80keVにわたらせてもよい。第3エネルギービン120cは、幅10keVとし、80keVから90keVにわたらせてもよい。第4エネルギービン120dは、幅10keVとし、90keVから100keVにわたらせてもよい。第5エネルギービン120eは、幅20keVとし、100keVから120keVにわたらせてもよい。これは、第1エネルギービン120aが、40keV以下のX線も含めてすべての低エネルギーX線を測定することを可能にする。同様に、調整された第3エネルギービン120c及び第4エネルギービン120dは、80〜100keVの範囲におけるX線をより正確に分解する。
ピクセルのすべてのグループ又は全てのピクセルについて、様々な第1エネルギー閾値及び追加エネルギー閾値が、線量補償フィルタ(例えば、上述した大きな線量補償フィルタ、上述した小さな線量補償フィルタ等)毎に計算され、その結果(第1エネルギー閾値及び追加エネルギー閾値)が参照テーブルに格納されてもよい。例えば、参照テーブルには、ピクセルのグループ又はピクセルを識別する識別子と、線量補償フィルタを識別する識別子と、第1エネルギー閾値及び追加エネルギー閾値とが対応付けられて登録されてもよい。このように事前に設定されるスキャン設定(スキャン条件)として参照テーブルは保存されて、所与のスキャン(例えば、イメージングスキャン)のために使用されるフィルタに基づいて呼び出される。例えば、参照テーブル(LUT)のような様々なフォーマットの事前に作成されたテーブルとして値が格納されてもよい。スキャン(例えば、イメージングスキャン)を行う前に、使用される所定フィルタに基づいて、対応するエネルギー閾値の設定をピクセルに適用してもよい。特に、この方法は、患者をガントリ上に案内する前に新しいフィルタのための較正段階中に実行されてもよい。これにより、スキャン中の待ち時間(patient time)が短縮される。
図3は、ビームシミュレーションおよび予備スキャンによりエネルギー閾値を設定する方法300の一例のフローチャートを示す。実施形態によっては、患者周りの様々な所定の方位(方向)における線源と患者間の最短経路長(最短経路の長さ)を推定するためにスカウトスキャンを行う。この方法では、ピクセルの第1エネルギー閾値の設定は、所定フィルタの設計(例えば、フィルタ特性)のみに基づくわけではない。第1エネルギー閾値は、イメージングスキャン(本スキャン)に先立って行われるスカウトスキャンの実行中に患者の形状(患者の断面の形状等)を推定することにより、さらに最適化される。次に、各ビュー角度(すなわち、X線源の方位/位置)について決定された最短経路長に基づいて第1エネルギー閾値を調整する。すなわち、それぞれのビュー角度において最短経路長から生ずる減衰とビームフィルタリングに基づいて計算されたスペクトルの組み合わせに基づいてエネルギースペクトルを得るためのシミュレーションを行うことができる。
たとえば、患者の胴の断面は非対称であり、かつ、卵形形状をなすであろう。この場合、横軸径(例えば、地面に対して横方向に延びる軸(水平な軸))は、縦軸径より長い。なお、縦軸は、例えば、横軸と直交する。すなわち、腕から腕までの胴の幅は、脊椎から胸郭の前部までの胴の厚さより長い。したがって、線源から患者の外部表面までの横軸沿いの最短経路長は、線源から患者の外部表面までの縦軸沿いの最短経路長より短い。
実施形態によっては、方法200と同様に、ステップS301においてX線管スペクトルのシミュレーションを行い、次に所定フィルタを通過したビームスペクトルを所定フィルタ特性に基づいて計算する。
ステップS303において、オプションとして、計算されたビームスペクトルに基づいて検出器中のピクセルをグループ化する。なお、上述したステップS203の処理と同様に、ステップS303では、ピクセルはグループ化されてもよいし、グループ化されなくてもよい。例えば、グループ化された場合には、ピクセルのグループ毎に、以下で説明するステップS309,311の処理を行う。一方、グループ化されない場合には、個別のピクセル(1つのピクセル)毎に、ステップS309,311の処理を行う。
ステップS305において、スカウトスキャンにより患者周りの所定の方位において低線量で患者に放射線を照射する。放射線量を最少化するために、スカウトスキャンは、イメージングスキャンより狭いビュー角度で実行される。たとえば、スカウトスキャンにより、縦軸沿いに低線量で患者に放射線を照射するとともに、それとは別に横軸沿いに低線量で患者に放射線を照射する。患者の断面形状を推定するために、スカウトスキャンは、様々な方位において任意の回数の低線量スキャンにより患者に放射線を照射する。
ステップS307において、スカウトスキャンに基づいて最短経路長を推定する。ステップS309において、所定フィルタ通過後のビームスペクトル(計算されたビームスペクトル)とともにスカウトスキャンから決定した最短経路長を使用して、第1エネルギー閾値を決定する。
例えば、スカウトスキャンは、横軸沿いの最短経路長がより短いことを見出す。したがって、ビームがより多くの物質を通過することにより(たとえば、円形の物体の場合と比較して)さらに減衰する。よって、較正は、横軸で行われたスキャンにより決定された最短経路長に基づいて、ピクセルの全てのグループ又は全ての個別のピクセルについて第1エネルギー閾値をより高いエネルギーに調整する。
別の側面において、計算されたフィルタ後スペクトル(すなわち、所定フィルタ通過後のスペクトル)とともに、スカウトスキャンにより測定された最短経路長を使用して、様々なビュー角度(すなわち、患者周りのX線源の様々な方位)における第1エネルギー閾値を決定する。すなわち、第1エネルギー閾値は、各ビュー角度において、対応する方位における最短経路長に基づいて決定される。例えば、横軸に方位付けられた線源(横軸に向きが合わせられた線源)の場合に、スカウトスキャンにより最短経路長がその方位において生ずることが判明する。したがって横軸に方位付けられた線源の場合の中心X線115の第1エネルギー閾は20keVに設定される。続いて、線源を所定角度だけ、たとえば、1度だけ時計回りに回転させる。このスカウトスキャンにより、横軸よりも1度だけ大きいビュー角度(横軸上に線源がある場合のビュー角度を0度とすると、1度のビュー角度)において最短経路長は横軸におけるスカウトスキャンに比べてわずかに長いことが判明する。このような測定に基づいて、横軸方位より1度上に方位付けられた線源からの中心X線115の第1エネルギー閾値は、たとえば、21keVまたは、望ましくは、20keVより高い値に設定される。
実施形態によっては、イメージングスキャンのビュー角度がスカウトスキャンのビュー角度とは異なる場合に、イメージングスキャンの各ビュー角度の最短経路長について、CTシステムは最も近いスカウトスキャンのビュー角度の最短経路長と2番目に近いスカウトスキャンのビュー角度の最短経路長との間の内挿補間(または最も近いスカウトスキャンのビュー角度の最短経路長及び2番目に近いスカウトスキャンのビュー角度の最短経路長を用いた外挿補間)により最短経路長を推定することができる。さらに、両端の測定/シミュレーションされたスペクトルが利用できる場合に内挿補間又は外挿補間によりビュー角度及びファン角に沿う位置(例えば、検出器の検出素子が配列されている方向に沿う位置)に対応するエネルギースペクトルを決定することができる。
別の側面において、イメージングスキャンに先立つスカウトスキャンを実行中に患者の形状を推定し、それぞれのビュー角度における最短経路長、及び、ビームフィルタリングに基づいて計算されたビームスペクトルに基づいて、追加エネルギー閾値を調整することにより追加エネルギー閾値もさらに最適化することができる。すなわち、線源の方位に基づいて、その特定方位におけるピクセルのグループ又は個別のピクセルのエネルギービン120の大きさを調整することができる。このように、例えば、スカウトスキャンにより得られたデータから、ビュー角度毎に、予め追加エネルギー閾値を設定することができる。
別の側面において、ビュー角度に従ってピクセルのグループ又は個別のピクセルのそれぞれの第1エネルギー閾値及び追加エネルギー閾値を調整することができる。例えば、線源が横軸に沿って方位付けられている場合のスキャン中は、中間X線110は患者を通過しない。線源が縦軸沿いに方位付けられている場合のスキャン中は、患者の断面が卵形形状であるため、中間X線110は患者を通過する。このように、患者周りの線源の方位は、中間X線110及びファン角沿いのその位置を検出するピクセルにより検出されるビームの検出されるスペクトルおよび追加される可能性がある減衰に影響を及ぼす。このように、例えば、患者の形状によってパス長が変わるので、ビュー角度とファン角度との組合せ毎に、第1エネルギー閾値及び追加エネルギー閾値を調整(設定)することができる。
いくつかの第1エネルギー閾値の設定および追加エネルギー閾値の設定があらかじめ規定されている。そして、このようにあらかじめ規定した第1エネルギー閾値の設定及び追加エネルギー閾値の設定の較正を生成することができる。例えば、あらかじめ規定した第1エネルギー閾値の設定及び追加エネルギー閾値の設定を較正するための情報(較正情報)を生成することができる。この較正(較正情報)は、例えば、LUTに保存することができる。
このように、ステップS309では、X線ビームがフィルタおよび物体を通過する場合のX線の減衰をモデル化することにより、ピクセルのグループ又はピクセル毎に、エネルギースペクトルを推定する。このように、例えば、X線ビームがフィルタおよび物体を通過する場合のX線の減衰のモデル(上記モデル化により得られたモデル)を用いて、エネルギースペクトルを推定する。そして、ステップS309では、推定されたエネルギースペクトルに基づいて、第1エネルギー閾値を決定する。
また、ステップS309では、フィルタおよび物体を通過するX線ビームのシミュレーションに基づいてエネルギースペクトルをモデル化することにより、それぞれのエネルギースペクトルを推定する。このように、例えば、フィルタおよび物体を通過するX線ビームのシミュレーションに基づくエネルギースペクトルのモデル(上記モデル化により得られたモデル)を用いて、それぞれのエネルギースペクトルを推定する。
また、ステップS309では、フィルタを通過するX線ビームの較正、及び、物体を通過するX線ビームのシミュレーションに基づいてエネルギースペクトルをモデル化することにより、それぞれのエネルギースペクトルを推定する。このように、例えば、フィルタを通過するX線ビームの較正、及び、物体を通過するX線ビームのシミュレーションに基づくエネルギースペクトルのモデル(上記モデル化により得られたモデル)を用いて、それぞれのエネルギースペクトルを推定する。
また、ステップS309では、1つのビュー角度における、物体を通過するX線ビームの線源から物体までの最短の経路の長さである最短経路長を決定することによりX線ビームのエネルギースペクトルを推定する。そして、最短経路長を使用して、1つのビュー角度により物体を通過するX線ビームのシミュレーションを行う。
また、ステップS309では、各ビュー角度における、物体を通過するX線ビームの線源から物体までの最短の経路の長さである最短経路長を決定することによりX線ビームのエネルギースペクトルを推定する。そして、各ビュー角度における最短経路長を使用して対応するビュー角度において物体を通過したX線ビームのシミュレーションを行う。
また、ステップS309では、後続のイメージングスキャンの場合に使用される線量より低い線量を使用してスカウト投影データを取得するスカウトスキャンを使用して、X線が物体通過した後のX線減衰をモデル化することにより、エネルギースペクトルを推定する。このように、例えば、X線が物体通過した後のX線減衰のモデル(上記モデル化により得られたモデル)を用いて、エネルギースペクトルを推定する。
ステップS311において、CTシステムは、検出器中のピクセルの各グループ又は各ピクセルについてLUTから最も近い第1エネルギー閾値を決定し、当該第1エネルギー閾値をイメージングスキャン及びその後のデータ処理に適用する。さらに、CTシステムは、検出器中のピクセルの各グループ又は各ピクセルについてLUTから最も近い追加エネルギー閾値を決定し、当該追加エネルギー閾値をイメージングスキャンおよびその後のデータ処理に適用する。
別の側面において、イメージングスキャンに先立つスカウトスキャン中に患者の形状を推定し、シミュレーションされたスペクトルに基づいて追加エネルギー閾値を調整することにより追加エネルギー閾値を最適化することもできる。このスペクトルは、それぞれのビュー角度及びファン角度における最短経路長/減衰を、ファン角度の関数として計算された線量補償後スペクトルとともに使用して計算されることによりシミュレーションされる。
実施形態によっては、ピクセルの種々のグループ又は各ピクセルが相異なる個数のエネルギービンを有することができる。例えば、中心ピクセルグループが5つのエネルギービンを有し、周辺ピクセルグループが3つのエネルギービンを有し、中間ピクセルグループが4つのエネルギービンを有してもよい。ここで、例えば、中心ピクセルグループは、中心X線115が入射されるピクセルのグループであり、周辺ピクセルグループは、エッジX線105が入射されるピクセルのグループであり、中間ピクセルグループは、中間X線110が入射されるピクセルのグループである。すなわち、ピクセルの各グループについて設定されるエネルギービンの個数は可変である。ピクセルの第1エネルギー閾値が比較的高く設定された場合、エネルギービンの大きさを一様とし、かつ、エネルギービンを単に高エネルギーの方向にシフトさせるならば、より高いエネルギービンをエネルギー軸に沿って押しつけることになる。
例えば、エッジスペクトル105aの第1エネルギー閾値は40keVに設定することができるが、これにより第5エネルギービン120eは移動して120keVから140keVを測定することになる。なお、ここではスペクトルは同程度の情報を含まない。したがって第5エネルギービン120eは完全に除去されて、4つのエネルギービン120が残る。別の側面において、たとえば心臓スキャンの場合のように患者の特定物体をスキャンするようにスキャンが設定されて、患者の端の部分が価値の低い情報を含む場合、エッジの検出器(検出器のエッジ部分のピクセル)のエネルギービン120は除去される。このように、エッジの検出器の1つから2つのエネルギービンが除去されることがある。あるピクセルグループが他のピクセルグループより少ないエネルギービンを有する場合、より少ないエネルギービンのピクセルグループは第1エネルギー閾値としてより高い値を有することが多い。同様に、例えば、あるピクセル(第1検出素子)のエネルギービンの個数を他のピクセル(第2検出素子)のエネルギービンの個数よりも少なくし、第1検出素子のエネルギービンの個数を2以上とする場合もある。この場合、第1検出素子の第1エネルギー閾値を、第2検出素子の第1エネルギー閾値より大きくしてもよい。
要約すると、スキャン設定の複雑さに応じて、操作者は、より迅速なスキャンの実行を望み、使用される所定フィルタのみに基づいて第1エネルギー閾値及び追加エネルギー閾値を選定することができる。同様に、操作者は、よりゆっくりした、より正確なスキャンの実行を望み、線源の方位に関係なくピクセルのすべてのグループの第1エネルギー閾値を決定するためにCTシステムに一連のスカウトスキャンを実行させることができる。操作者は、最もゆっくりした、最も正確なスキャンのために正確なスカウトスキャンの実行を望む場合がある。この場合、線源を患者周りの全方位に回転させつつ第1エネルギー閾値をビュー(ビュー角度)毎に調整することができる。
エネルギービンの個数の低減に関する上述の特徴は、CTシステムのスリップリング経由で伝送されるデータの量の低減に関する特別な利点を提供する。スリップリングの帯域幅は一般的に限定されるので、生成され、伝送されるデータの量のこのような低減は重要な意義がある。
また、上述の特徴は、第1エネルギー閾値及び追加エネルギー閾値が固定されたCTシステムに利益をもたらす。ビームフィルタリングのみ、又は、ビームフィルタリング及びスカウトスキャン情報に基づいて、ピクセルのグループの最適第1エネルギー閾値及び追加エネルギー閾値が決定されるからである。したがって、エネルギービンのそれぞれは、その後に、イメージングスキャンから最も効果的かつ最適の方法により情報を収集する。
図4は、本実施形態によるCTスキャナ(コンピュータ断層撮影スキャナ、X線CT装置)の構成の一例を示す図である。CTスキャナは、イメージング装置の一例である。図4に示すように、CTスキャナは、X線撮影ガントリ500、X線管501、環状フレーム502、及び、マルチロウ(多列)又は二次元配列型X線検出器503を備える。X線管501及びX線検出器503は、環状フレーム502上に物体OBJを挟んで直径方向に搭載されている。環状フレーム502は、回転軸RA(すなわち回転の軸)の周りに回転できるように支持されている。回転装置507は環状フレーム502を0.4秒/回転のような高速で回転させるが、物体OBJは軸RAに沿って図4の奥側または手前側へ移動する。
X線CT装置には、いろいろな種類の装置がある。たとえば、検査される物体の周りでX線管およびX線検出器がともに回転するローテート/ローテート(rotate/rotate)型装置、及び、多くの検出素子がリングまたは平面の形状に配置され、検査される物体の周りでX線管のみ回転するステーショナリ/ローテート(stationary/rotate)型装置等の各種の種類の装置がある。本開示は、いずれの種類の装置にも適用できる。ここでは、簡明を期するために例としてローテート/ローテート型装置を使用する場合について説明する。
マルチスライスX線CT装置は、X線管501がX線を発生するために、X線管501にスリップリング508経由で加えられる管電圧を発生する高電圧発生器509をさらに備える。円により示される断面領域をもつ物体OBJに対してX線が放射される。例えば、X線管501は、第2スキャン中の平均X線エネルギーより小さい第1スキャン中の平均X線エネルギーを有する。したがって、相異なるX線エネルギーに対応して2つ以上のスキャンが得られる。X線検出器503は、放射された後に物体OBJを通過したX線を検出するために物体OBJを中にしてX線管501の反対側に位置している。X線検出器503は、個々の検出素子または装置をさらに含んでいる。
CT装置は、X線検出器503からの検出された信号を処理するその他の装置(処理回路等)をさらに含んでいる。データ収集回路またはデータ収集システム(Data Acquisition System:DAS)504は、X線検出器503からの各チャネルの信号出力を電圧信号に変換し、その信号を増幅し、さらに、その信号をデジタル信号に変換する。X線検出器503及びDAS504は、1回転当たり所定の総数の投影(Total number of Projections Per Rotation:TPPR)を処理するように構成されている。DAS504は、検出されたカウントをエネルギービン別に弁別する設定可能なエネルギー閾値を有するコンパレータを含み得る。これらのエネルギーレベルは、本願の方法200、及び300の種々のステップにより設定可能である。
コンパレータは、X線の検出時に生成される信号と、第1エネルギー閾値を含む複数のエネルギー閾値それぞれのエネルギー閾値に対応する複数の信号閾値とを比較する。コンパレータは、X線の検出時に生成された信号が第1信号閾値より大きく、かつ、第2信号閾値より小さい場合に、当該X線が前記第1エネルギービン範囲内のエネルギーを有すると判別する。
上述のデータは、X線撮影ガントリ500の外のコンソールに収容されている前処理装置(前処理回路)506に非接触型データトランスミッタ505を経由して送られる。前処理装置506は、生データに対する感度補正などの各種の補正を行う。記憶装置512は、再構成処理直前の段階では投影データとも呼ばれる結果のデータを格納する。記憶装置512は、再構成装置(再構成回路)514、入力装置515、及び、表示装置516とともに、データ/制御バス511経由でシステムコントローラ510に接続されている。システムコントローラ510は、CTシステムを駆動するために十分なレベルに電流を制限する電流調整器513を制御する。
検出器は、種々の世代のCTスキャナシステムにおいて、患者との関係で回転され、かつ/または固定される。1つの実施形態において、上述のCTシステムは、一例として、第三世代の配置と第四世代の配置を組み合わせたシステムとすることができる。第三世代システムでは、X線管501およびX線検出器503は、環状フレーム502上に直径方向に搭載され、かつ、環状フレーム502の回転軸RA周りの回転に応じて物体OBJ周りを回転する。第四世代システムでは、検出器は患者の周りに固定設置され、X線管は患者周りを回転する。他の実施形態では、X線撮影ガントリ500は、Cアーム及びスタンドにより支持される環状フレーム502上に配置される多数の検出器を備える。
記憶装置512は、各種のメモリにより実現される。記憶装置512は、X線検出器503に対するX線の照射を表す測定値を記憶することができる。さらに、記憶装置512は、例えば、イメージングのアーチファクトを低減する方法200及び300の種々のステップを実行するための専用プログラムを記憶することができる。
再構成装置514は、方法200及び300の種々のステップを実行することができる。さらに、再構成装置514は、必要なボリュームレンダリング処理および画像差分処理などの画像処理を含む事前再構成処理を実行することができる。
事前再構成処理は、方法200及び300の種々のステップを含むことができる。また、前処理装置506により行われる投影データの事前再構成処理は、例えば、検出器の較正、検出器の非線形性補正(非直線性補正)、及び、極性効果の補正を含むことができる。
再構成装置514により行われる再構成後処理(post-reconstruction processing)は、必要に応じて画像のフィルタリング及び平滑化、ボリュームレンダリング処理、並びに、画像差分処理を含むことができる。画像再構成のプロセスは、種々のCT画像再構成方法を実行することができる。再構成装置514は、たとえば、投影データ、再構成された画像、較正データ、パラメータ、及びコンピュータプログラムを格納する記憶装置(例えば、記憶装置512)を使用することができる。
前処理装置506、システムコントローラ510及び再構成装置514は、ASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)またはその他の結合プログラム可能論理回路(Complex Programmable Logic Device:CPLD)などの個別論理ゲートとして実現可能なCPU(処理回路)を含むことができる。FPGAまたはCPLDの実現はVHDL、Verilog、またはその他のハードウェア記述言語によりコード化可能であり、また、そのコードはFPGAまたはCPLDの直接内部の電子記憶に、または別個の電子記憶として格納することができる。さらに、記憶装置512は、ROM、EPROM、EEPROMまたはFLASHメモリなどの非揮発性メモリとすることができる。記憶装置512は、スタティックまたはダイナミックRAMなどの揮発性メモリとすることもでき、また、マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサなどの処理装置を設けて電子記憶装置およびFPGAまたはCPLDと記憶装置間の相互動作を管理することができる。
別案として、前処理装置506、システムコントローラ510及び再構成装置514中のCPUにより本願において記述される機能を実行する一連のコンピュータ読み取り可能命令を含むコンピュータプログラムを実行する方法がある。このプログラムは、上述の持続性電子記憶装置および/またはハードディスクドライブ、CD、DVD、FLASHドライブまたはその他の既知記憶媒体に格納される。さらに、このコンピュータ読み取り可能命令は、米国Intel社のXenonプロセッサまたは米国AMD社のOpteronプロセッサなどの処理装置およびMicrosoft VISTA、UNIX(登録商標)、Solaris、LINUX(登録商標)、Apple、MAC−OSおよび当業者周知のその他のオペレーティングシステムなどのオペレーティングシステムとともに働くユーティリティアプリケーション、バックグラウンドデーモン、またはオペレーティングシステムの構成要素、またはそれらの組み合わせとして提供され得る。さらに、CPUは、前記命令を実行するために協力して並列動作する多数の処理装置として実現することができる。
1つの実施形態においては、再構成された画像を表示装置516に表示することができる。表示装置516は、LCDディスプレイ、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、OLED、LEDまたはこの技術において既知のその他のディスプレイとすることができる。
記憶装置512は、ハードディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、FLASHドライブ、RAM、ROMまたはこの技術において既知のその他の電子記憶装置とすることができる。
PCDは、テルル化カドミウム(Cadmium Telluride:CdTe)、テルル化カドミウム亜鉛(Cadmium Zinc Telluride:CZT)、シリコン(Silicon:Si)、ヨウ化水銀(mercuric iodide:HgI)、およびガリウムヒ素(Gallium Arsenide:GaAs)などの半導体を応用する直接X線照射検出器を使用することができる。半導体応用直接X線検出器は、一般的にシンチレータ検出器などの間接検出器よりかなり速い時間応答をもつ。直接検出器の迅速な時間応答は、この装置による個々のX線検出事象の分解を可能にする。しかし、臨床X線応用において典型的な高いX線束において、検出現象の若干の滞留が生ずる。検出されたX線のエネルギーは、直接検出器により生成された信号に比例するので、検出事象をエネルギービン別にまとめて、スペクトルCTのX線データを分光的に分解することができる。
一定の実施形態について記述したが、これらの実施形態は例示のためにのみ提示されたものであり、この開示の教示を制限することを意図していない。事実、本願において記述された新しい方法、装置およびシステムは、種々のその他の形態により具体化することができる。さらに、本開示の主旨から逸脱することなく本明細書記載の方法、装置およびシステムの形態について種々の省略、置換および変更を行うことが可能である。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、エネルギービンの最適化を図ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
506 前処理装置
514 再構成装置

Claims (18)

  1. 光子計数検出器の2つ以上の検出素子について、対応する前記検出素子に入射するX線源のX線ビームのそれぞれのエネルギースペクトルをX線エネルギーの関数としてのX線減衰をモデル化することにより推定し、
    前記2つ以上の検出素子の各検出素子について、前記各検出素子により検出される第1エネルギー範囲の最大値に対応する第1エネルギー閾値を前記エネルギースペクトルに基づいて設定する処理回路を備える、イメージング装置。
  2. 前記処理回路は、前記2つ以上の検出素子のうちの1つの検出素子により検出されたX線の測定されたエネルギーが、前記1つの検出素子の第2エネルギー閾値より小さく、かつ、前記1つの検出素子の前記第1エネルギー閾値より大きい場合に、前記1つの検出素子により検出されたX線が第1エネルギービン内に含まれると弁別する、請求項1に記載のイメージング装置。
  3. 前記処理回路は、前記2つ以上の検出素子のうちの第1検出素子のエネルギービンの個数を前記2つ以上の検出素子のうちの第2検出素子のエネルギービンの個数より少なくし、前記第1検出素子のエネルギービンの前記個数を2以上とする、請求項1又は2に記載のイメージング装置。
  4. 前記処理回路は、前記第1検出素子の第1エネルギー閾値を、前記第2検出素子の第1エネルギー閾値より大きくする、請求項3に記載のイメージング装置。
  5. 前記処理回路は、X線ビームがフィルタを通過する場合のX線の減衰をモデル化することにより前記それぞれのエネルギースペクトルを推定する、請求項1〜4のいずれか1つに記載のイメージング装置。
  6. 前記処理回路は、X線ビームがフィルタおよび物体を通過する場合のX線の減衰をモデル化することにより前記それぞれのエネルギースペクトルを推定する、請求項1〜4のいずれか1つに記載のイメージング装置。
  7. 前記処理回路は、前記フィルタおよび前記物体を通過する前記X線ビームのシミュレーションに基づいて前記エネルギースペクトルをモデル化することにより前記それぞれのエネルギースペクトルを推定する、請求項6に記載のイメージング装置。
  8. 前記処理回路は、前記フィルタを通過する前記X線ビームの較正、及び、前記物体を通過する前記X線ビームのシミュレーションに基づいて前記エネルギースペクトルをモデル化することにより前記それぞれのエネルギースペクトルを推定する、請求項6に記載のイメージング装置。
  9. 前記処理回路は、
    1つのビュー角度における、前記物体を通過する前記X線ビームの線源から前記物体までの最短の経路の長さである最短経路長を決定することにより前記X線ビームの前記それぞれのエネルギースペクトルを推定し、
    前記最短経路長を使用して前記1つのビュー角度により前記物体を通過する前記X線ビームのシミュレーションを行う、請求項6に記載のイメージング装置。
  10. 前記1つのビュー角度における前記最短経路長は、複数のビュー角度における最短経路長のうちの1つのビュー角度における最短経路長である請求項9に記載のイメージング装置。
  11. 前記処理回路は、前記2つ以上の検出素子の各検出素子について、それぞれのエネルギービンの境界を画定する複数の追加エネルギー閾値であって、前記第1エネルギービンと第2エネルギービンとの間の第2エネルギー閾値を含む追加エネルギー閾値を設定する、請求項2に記載のイメージング装置。
  12. 前記処理回路は、
    複数のグループであって、前記複数のグループの各グループが前記X線ビームのそれぞれのエネルギースペクトルを有する複数のグループに前記検出素子をグループ化し、
    前記各グループに対応する前記エネルギースペクトルに基づいて、前記各グループの前記第1エネルギー閾値を設定する、請求項1又は2に記載のイメージング装置。
  13. 前記エネルギービンのスペクトル幅が一様でない請求項11に記載のイメージング装置。
  14. 前記処理回路は、
    各ビュー角度における、前記物体を通過する前記X線ビームの線源から前記物体までの最短の経路の長さである最短経路長を決定することにより前記X線ビームのそれぞれのエネルギースペクトルを推定し、
    前記各ビュー角度における前記最短経路長を使用して対応する前記ビュー角度において前記物体を通過した前記X線ビームのシミュレーションを行う、請求項6に記載のイメージング装置。
  15. X線の検出時に生成される信号と、前記第1エネルギー閾値を含む複数のエネルギー閾値それぞれのエネルギー閾値に対応する複数の信号閾値とを比較するコンパレータを更に備え、
    前記コンパレータは、X線の検出時に生成された前記信号が第1信号閾値より大きく、かつ、第2信号閾値より小さい場合に、当該X線が前記第1エネルギービンの範囲内のエネルギーを有すると判別する、請求項2に記載のイメージング装置。
  16. 光子計数検出素子の2つ以上の検出素子について、対応する前記検出素子に入射するX線源のX線ビームのそれぞれのエネルギースペクトルをX線エネルギーの関数としてのX線減衰をモデル化することにより推定するステップと、
    前記2つ以上の検出素子の各検出素子について、前記各検出素子により検出される第1エネルギー範囲の最大値に対応する第1エネルギー閾値を前記エネルギースペクトルに基づいて設定するステップと、
    含む方法。
  17. 前記それぞれのエネルギースペクトルを推定するステップは、後続のイメージングスキャンの場合に使用される線量より低い線量を使用してスカウト投影データを取得するスカウトスキャンを使用して、X線が物体通過した後の前記X線減衰をモデル化することにより、前記それぞれのエネルギースペクトルを推定する処理を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 光子計数検出素子の2つ以上の検出素子について、対応する前記検出素子に入射するX線源のX線ビームのそれぞれのエネルギースペクトルをX線エネルギーの関数としてのX線減衰をモデル化することにより推定する処理と、
    前記2つ以上の検出素子の各検出素子について、前記各検出素子により検出される第1エネルギー範囲の最大値に対応する第1エネルギー閾値を前記エネルギースペクトルに基づいて設定する処理と、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
JP2019172770A 2019-04-18 2019-09-24 イメージング装置、方法及びプログラム Pending JP2020175169A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US16/388,695 2019-04-18
US16/388,695 US10952698B2 (en) 2019-04-18 2019-04-18 Method and apparatus with photon-counting x-ray detectors having for spatially-varying energy bin thresholds

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020175169A true JP2020175169A (ja) 2020-10-29

Family

ID=72833245

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019172770A Pending JP2020175169A (ja) 2019-04-18 2019-09-24 イメージング装置、方法及びプログラム

Country Status (2)

Country Link
US (1) US10952698B2 (ja)
JP (1) JP2020175169A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11701065B2 (en) * 2019-05-22 2023-07-18 Redlen Technologies, Inc. Compton scattering correction methods for pixellated radiation detector arrays
US11986337B2 (en) * 2020-07-14 2024-05-21 The Regents Of The University Of California Dose reduction for cardiac computed tomography
CN117338316A (zh) * 2022-06-28 2024-01-05 上海联影医疗科技股份有限公司 一种计算机断层扫描的扫描参数确定方法、装置和系统

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11505142A (ja) * 1995-05-11 1999-05-18 ユニバーシテイ・オブ・マサチユセツツ・メデイカル・センター 定量的放射線透過写真映像化のための装置
US20020097831A1 (en) * 2001-01-19 2002-07-25 Cheng Chin-An X-ray computer tomography scanning system
US20050259784A1 (en) * 2004-05-20 2005-11-24 Xiaoye Wu Methods for spectrally calibrating CT imaging apparatus detectors
JP2014128456A (ja) * 2012-12-28 2014-07-10 Toshiba Corp X線ct装置及び制御プログラム
US20140334600A1 (en) * 2013-05-07 2014-11-13 Samsung Electronics Co., Ltd. X-ray detector, x-ray imaging apparatus having the same and method of controlling the x-ray imaging apparatus
JP2016019725A (ja) * 2014-06-16 2016-02-04 株式会社東芝 フォトンカウンティング型x線ct装置及びフォトンカウンティング型x線診断装置
JP2016055157A (ja) * 2014-08-22 2016-04-21 株式会社東芝 光子計数型x線ct装置
JP2016127907A (ja) * 2015-01-09 2016-07-14 株式会社東芝 医用情報処理装置、x線ct装置、医用情報処理方法、及び医用情報処理プログラム
JP2017127638A (ja) * 2016-01-18 2017-07-27 東芝メディカルシステムズ株式会社 X線ct装置、情報処理装置、および情報処理方法
JP2018042604A (ja) * 2016-09-12 2018-03-22 株式会社日立製作所 フォトンカウンティングct装置、および、フォトンカウンティングによるct画像撮像方法
JP2018175866A (ja) * 2017-04-13 2018-11-15 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 X線ct装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7209536B2 (en) 2004-11-19 2007-04-24 General Electric Company CT colonography system
US10667767B2 (en) * 2014-05-02 2020-06-02 General Electric Company Systems and methods for selecting bowtie filter configuration
US10117628B2 (en) 2014-10-01 2018-11-06 Toshiba Medical Systems Corporation Photon counting apparatus

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11505142A (ja) * 1995-05-11 1999-05-18 ユニバーシテイ・オブ・マサチユセツツ・メデイカル・センター 定量的放射線透過写真映像化のための装置
US20020097831A1 (en) * 2001-01-19 2002-07-25 Cheng Chin-An X-ray computer tomography scanning system
US20050259784A1 (en) * 2004-05-20 2005-11-24 Xiaoye Wu Methods for spectrally calibrating CT imaging apparatus detectors
JP2014128456A (ja) * 2012-12-28 2014-07-10 Toshiba Corp X線ct装置及び制御プログラム
US20140334600A1 (en) * 2013-05-07 2014-11-13 Samsung Electronics Co., Ltd. X-ray detector, x-ray imaging apparatus having the same and method of controlling the x-ray imaging apparatus
JP2016019725A (ja) * 2014-06-16 2016-02-04 株式会社東芝 フォトンカウンティング型x線ct装置及びフォトンカウンティング型x線診断装置
JP2016055157A (ja) * 2014-08-22 2016-04-21 株式会社東芝 光子計数型x線ct装置
JP2016127907A (ja) * 2015-01-09 2016-07-14 株式会社東芝 医用情報処理装置、x線ct装置、医用情報処理方法、及び医用情報処理プログラム
JP2017127638A (ja) * 2016-01-18 2017-07-27 東芝メディカルシステムズ株式会社 X線ct装置、情報処理装置、および情報処理方法
JP2018042604A (ja) * 2016-09-12 2018-03-22 株式会社日立製作所 フォトンカウンティングct装置、および、フォトンカウンティングによるct画像撮像方法
JP2018175866A (ja) * 2017-04-13 2018-11-15 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 X線ct装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20200330065A1 (en) 2020-10-22
US10952698B2 (en) 2021-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9836859B2 (en) Wide X-ray spectrum photon counting computed tomography
Kappler et al. First results from a hybrid prototype CT scanner for exploring benefits of quantum-counting in clinical CT
US10206638B2 (en) X-ray CT and medical diagnostic apparatus with photon counting detector
JP5582514B2 (ja) X線ct装置
US20160113603A1 (en) Photon-counting detector calibration
US9198632B2 (en) Method for scattering correction for sparsely distributed stationary detectors and rotating X-ray source
JP2016052349A (ja) X線ct装置、画像処理装置及び画像処理プログラム
JP2020175169A (ja) イメージング装置、方法及びプログラム
US20130156163A1 (en) Method and apparatus for reconstructing an image of an object
JP2014000409A (ja) Ct画像化における散乱評価を補助する低密度かつエネルギー弁別型のコリメーションを伴うx線コンピュータ断層撮像装置用検出器、x線コンピュータ断層撮像装置及びその制御方法
US9538975B2 (en) Scatter correction method and apparatus for computed tomography imaging
JP6891030B2 (ja) 放射線画像診断装置及び医用画像処理装置
US20230263499A1 (en) Counting response and beam hardening calibration method for a full size photon-counting ct system
US10219763B2 (en) Photon counting CT device and estimated exposure level computation method
JP6945410B2 (ja) 画像再構成処理装置、x線コンピュータ断層撮像装置及び画像再構成処理方法
US10646186B2 (en) X-ray CT apparatus, information processing device and information processing method
US20160213340A1 (en) Method for scanogram scans in photon-counting computed tomography
US10019795B2 (en) Focal spot de-blurring
US10825210B2 (en) Method and apparatus for projection domain truncation correction in computed-tomography (CT)
US9861331B2 (en) Method for scanogram scans in photon-counting computed tomography
JP3789728B2 (ja) プロジェクションデータ補正方法および装置並びに放射線断層撮像装置
JP2022145494A (ja) 画像処理装置、補正方法及びプログラム
JP2022111990A (ja) 光子計数型x線ct装置及び方法
US10799192B2 (en) Method and apparatus for partial volume identification from photon-counting macro-pixel measurements
US11238585B2 (en) Method and apparatus for spectral computed tomography (CT) with multi-material decomposition into three or more material components

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220715

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230322

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230718

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230919

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20231010

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240110

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20240118

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20240202