以下、図面を参照して、X線CT装置、X線CTシステム及び制御プログラムの実施形態について詳細に説明する。なお、一つの実施形態又は変形例に記載した内容は、他の実施形態又は他の変形例にも同様に適用されてもよい。
(第1の実施形態)
図1を参照しながら、第1の実施形態に係るX線CT装置1の構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、X線CT装置1は、架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とを有する。
図1においては、非チルト状態での回転フレーム13の回転軸又は寝台装置30の天板33の長手方向をZ軸方向とする。また、Z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をX軸方向とする。また、Z軸方向及びX軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をY軸方向とする。なお、図1は、説明のために架台装置10を複数方向から描画したものであり、X線CT装置1が架台装置10を1つ有する場合を示す。
架台装置10は、X線管11と、X線検出器12と、回転フレーム13と、X線高電圧装置14と、制御装置15と、ウェッジ16と、コリメータ17と、DAS18とを有する。
X線管11は、熱電子を発生する陰極(フィラメント)と、熱電子の衝突を受けてX線を発生する陽極(ターゲット)とを有する真空管である。X線管11は、X線高電圧装置14からの高電圧の印加により、陰極から陽極に向けて熱電子を照射することで、被検体Pに対し照射するX線を発生する。例えば、X線管11には、回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管がある。なお、X線管11は、X線発生部の一例である。
X線検出器12は、X線管11から照射されて被検体Pを通過したX線を検出し、検出したX線量に対応した信号をDAS18へと出力する。X線検出器12は、例えば、X線管11の焦点を中心とした1つの円弧に沿ってチャネル方向に複数の検出素子が配列された、複数の検出素子列を有する。X線検出器12は、例えば、チャネル方向に複数の検出素子が配列された検出素子列が列方向(スライス方向、row方向)に複数配列された構造を有する。また、X線検出器12は、例えば、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有する。シンチレータは入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収するX線遮蔽板を有する。なお、グリッドはコリメータ(1次元コリメータ又は2次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。光センサアレイは、シンチレータからの光量に応じた電気信号に変換する機能を有し、例えば、フォトダイオード等の光センサを有する。なお、X線検出器12は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であっても構わない。また、X線検出器12は、X線検出部の一例である。
回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを対向支持し、制御装置15によってX線管11とX線検出器12とを回転させる円環状のフレームである。例えば、回転フレーム13は、アルミニウムを材料とした鋳物である。なお、回転フレーム13は、X線管11及びX線検出器12に加えて、X線高電圧装置14やウェッジ16、コリメータ17、DAS18等を更に支持することもできる。更に、回転フレーム13は、図1において図示しない種々の構成を更に支持することもできる。以下では、架台装置10において、回転フレーム13、及び、回転フレーム13と共に回転移動する部分を、回転部とも記載する。
X線高電圧装置14は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧を発生する高電圧発生装置と、X線管11が発生するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であってもよい。なお、X線高電圧装置14は、回転フレーム13に設けられてもよいし、図示しない固定フレームに設けられても構わない。
制御装置15は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。制御装置15は、入力インターフェース43からの入力信号を受けて、架台装置10及び寝台装置30の動作制御を行う。例えば、制御装置15は、回転フレーム13の回転や架台装置10のチルト、寝台装置30及び天板33の動作等について制御を行う。一例を挙げると、制御装置15は、架台装置10をチルトさせる制御として、入力された傾斜角度(チルト角度)情報により、X軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム13を回転させる。なお、制御装置15は架台装置10に設けられてもよいし、コンソール装置40に設けられてもよい。
ウェッジ16は、X線管11から照射されたX線量を調節するためのフィルタである。具体的には、ウェッジ16は、X線管11から被検体Pへ照射されるX線の分布が、予め定められた分布になるように、X線管11から照射されたX線を透過して減衰するフィルタである。例えば、ウェッジ16は、ウェッジフィルタ(wedge filter)やボウタイフィルタ(bow-tie filter)であり、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウム等を加工したフィルタである。
コリメータ17は、ウェッジ16を透過したX線の照射範囲を絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組み合わせによってスリットを形成する。なお、コリメータ17は、X線絞りと呼ばれる場合もある。また、図1においては、X線管11とコリメータ17との間にウェッジ16が配置される場合を示すが、X線管11とウェッジ16との間にコリメータ17が配置される場合であってもよい。この場合、ウェッジ16は、X線管11から照射され、コリメータ17により照射範囲が制限されたX線を透過して減衰させる。
DAS18は、X線検出器12が有する各検出素子によって検出されるX線の信号を収集する。例えば、DAS18は、各検出素子から出力される電気信号に対して増幅処理を行う増幅器と、電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを有し、検出データを生成する。なお、DAS18は、収集部の一例である。
ここで、本実施形態に係るDAS18は、同時収集方式のDASである。本実施形態に係るX線CT装置1では、1つの検出素子毎に1つのDAS18が設けられている。すなわち、X線CT装置1は、複数の検出素子に対応する複数のDAS18を有している。複数のDAS18のそれぞれは、X線検出器12が有する複数の検出素子のそれぞれに対応し、対応する検出素子に電荷が蓄積されると同時に電荷を読み出し、読み出した電荷に基づく検出データを出力する。
DAS18が生成したデータは、回転フレーム13に設けられた発光ダイオード(Light Emitting Diode: LED)を有する送信機から、光通信によって、架台装置10の非回転部分(例えば、固定フレーム等。図1での図示は省略している)に設けられた、フォトダイオードを有する受信機に送信され、コンソール装置40へと転送される。ここで、非回転部分とは、例えば、回転フレーム13を回転可能に支持する固定フレーム等である。なお、回転フレーム13から架台装置10の非回転部分へのデータの送信方法は、光通信に限らず、非接触型の如何なるデータ伝送方式を採用してもよいし、接触型のデータ伝送方式を採用しても構わない。
X線検出器12及びDAS18は、X線管11から照射されたX線を検出し、投影データを収集する。このようなX線検出器12及びDAS18は、X線検出部の一例である。
寝台装置30は、スキャン対象の被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、支持フレーム34とを有する。基台31は、支持フレーム34を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を、天板33の長手方向に移動する駆動機構であり、モータ及びアクチュエータ等を含む。支持フレーム34の上面に設けられた天板33は、被検体Pが載置される板である。なお、寝台駆動装置32は、天板33に加え、支持フレーム34を天板33の長手方向に移動してもよい。
コンソール装置40は、メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、処理回路44とを有する。なお、コンソール装置40は架台装置10とは別体として説明するが、架台装置10にコンソール装置40又はコンソール装置40の各構成要素の一部が含まれてもよい。
メモリ41は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。メモリ41は、例えば、投影データや再構成画像データを記憶する。また、例えば、メモリ41は、X線CT装置1に含まれる回路がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。なお、メモリ41は、X線CT装置1とネットワークを介して接続されたサーバ群(クラウド)により実現されることとしてもよい。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路44によって生成された画像データが示す画像を表示したり、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を表示したりする。例えば、ディスプレイ42は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
入力インターフェース43は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路44に出力する。例えば、入力インターフェース43は、投影データを収集する際の収集条件や、CT画像データを再構成する際の再構成条件、CT画像データから後処理画像を生成する際の画像処理条件等を操作者から受け付ける。例えば、入力インターフェース43は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、音声入力回路等により実現される。なお、入力インターフェース43は、架台装置10に設けられてもよい。また、入力インターフェース43は、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。また、入力インターフェース43は、マウスやキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、コンソール装置40とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路44へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース43の例に含まれる。
処理回路44は、X線CT装置1全体の動作を制御する。なお、処理回路44は、コンソール装置40に含まれる場合に限られない。例えば、処理回路44は、複数のX線CT装置にて取得された検出データに対する処理を一括して行なう統合サーバに含まれてもよい。
例えば、処理回路44は、システム制御機能441、前処理機能442、生成機能443及び出力機能444を実行する。例えば、処理回路44は、メモリ41からシステム制御機能441に相当するプログラム(制御プログラム)を読み出して実行することにより、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、処理回路44の各種機能を制御する。システム制御機能441は、X線制御部の一例である。
システム制御機能441は、X線CT装置1を制御して、位置決め撮影を実行する。例えば、システム制御機能441は、X線管11の位置を所定の回転角度に固定し、天板33をZ方向に移動させながらX線管11からのX線を被検体Pに照射することで、位置決め撮影を実行する。また、処理回路44は、メモリ41から生成機能443に相当するプログラムを読み出して実行することにより、位置決め撮影により収集されたX線の信号に基づいて、位置決め画像データを生成する。なお、位置決め画像データは、スキャノ画像データやスカウト画像データと呼ばれる場合もある。
また、システム制御機能441は、X線CT装置1を制御して、本スキャンを実行する。例えば、システム制御機能441は、位置決め画像データに基づいて、本スキャンのスキャン条件(例えば、スキャン範囲、管電圧及び管電流等)を設定する。システム制御機能441は、スキャン条件として、例えば、X線管11に供給される管電圧を変化させるタイミングを示すタイミングデータを生成し、生成したタイミングデータをメモリ41に格納する。次に、システム制御機能441は、寝台駆動装置32を制御することにより、被検体Pを架台装置10の撮影口内へ移動させる。また、システム制御機能441は、コリメータ17の開口度及び位置を調整する。また、システム制御機能441は、制御装置15を制御することにより回転部を回転させる。
また、システム制御機能441は、X線高電圧装置14を制御することにより、X線管11へ高電圧を供給させる。これにより、X線管11は、被検体Pに対し照射するX線を発生する。ここで、システム制御機能441は、デュアルエナジー収集又はマルチエナジー収集を実行する。即ち、システム制御機能441は、X線管11が発生するX線のエネルギーを、1又は複数のビューごとに変化させる。例えば、システム制御機能441は、X線管11に供給する管電圧及び管電流等を制御することにより、X線管11が発生するX線のエネルギーを変化させる。なお、システム制御機能441によるX線のエネルギーの制御については後述する。
システム制御機能441によって本スキャンが実行される間、複数のDAS18は、複数の検出素子によって検出される複数のX線の信号を収集し、検出データを生成する。また、処理回路44は、メモリ41から前処理機能442に相当するプログラムを読み出して実行することにより、DAS18から出力された検出データに対し前処理を施す。例えば、前処理機能442は、DAS18から出力された検出データに対して、対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施す。なお、前処理を施した後のデータについては生データとも記載する。また、前処理を施す前の検出データ及び前処理を施した後の生データを総称して、投影データとも記載する。
また、処理回路44は、メモリ41から生成機能443に相当するプログラムを読み出して実行することにより、前処理後の生データに基づいてCT画像データを生成する。具体的には、生成機能443は、前処理後の生データに対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行ってCT画像データを生成する。生成機能443は、再構成処理部の一例である。また、生成機能443は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作等に基づいて、生成したCT画像データを、公知の方法により任意断面の断層像データや3次元画像データに変換する。また、生成機能443は、変換した断層像データや3次元画像データをメモリ41に記憶させる。
また、処理回路44は、メモリ41から出力機能444に相当するプログラムを読み出して実行することにより、断層像データや3次元画像データ、CT画像データ等を出力する。例えば、出力機能444は、断層像データが示す断層像やCT画像データが示すCT画像等の各種の画像をディスプレイ42に表示させる。また、例えば、出力機能444は、断層像データや3次元画像データ、CT画像データを、X線CT装置1とネットワークを介して接続された外部装置(例えば、画像データを保管するサーバ装置等)に出力する。
図1に示すX線CT装置1においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ41に記憶されている。処理回路44は、メモリ41から各プログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路44は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。なお、図1においては、システム制御機能441、前処理機能442、生成機能443及び出力機能444の各処理機能が単一の処理回路44によって実現される場合を示したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、処理回路44は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路44が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、又は、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、又は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサはメモリ41に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
なお、図1においては、単一のメモリ41が各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明した。しかしながら、複数のメモリ41を分散して配置し、処理回路44は、個別のメモリ41から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。また、メモリ41にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
また、処理回路44は、ネットワークを介して接続された外部装置のプロセッサを利用して、機能を実現することとしてもよい。例えば、処理回路44は、メモリ41から各機能に対応するプログラムを読み出して実行するとともに、X線CT装置1とネットワークを介して接続された外部のワークステーションや、サーバ群(クラウド)を計算資源として利用することにより、図1に示す各機能を実現する。
以上、X線CT装置1の構成の一例について説明した。かかる構成の下、X線CT装置1は、被検体Pの被曝量を低減させることができるように、以下に説明する各種の処理を実行する。
以下、一例として、システム制御機能441が、デュアルエナジー収集を行なう場合について説明する。また、以下、X線検出器12が有する複数の検出素子のうち、列方向に沿って配列されたn個の検出素子(検出素子12l,・・・検出素子12m,・・・検出素子12n)を例に挙げて説明するが、他の検出素子においても、以下で説明する処理と同様の処理が行われる。また、以下、n個の検出素子に対応するn個のDAS18について説明するが、他のDAS18においても、以下で説明する処理と同様の処理が行われる。
また、以下、生成機能443が、最大ビュー数より少ない数のビューにおいてDAS18により生成された検出データに基づく生データに基づいて、弁別処理や再構成処理を実行する場合について説明する。このような技術は、スパースビューとも称される。
図2は、第1の実施形態に係るシステム制御機能441によるX線のエネルギーの制御の一例を説明するための図である。図2において、横軸は時間を示し、縦軸は列方向における検出素子の配置を示す。CTスキャンにおいて、X線管11は、システム制御機能441による制御の下、X線検出器12と対向した状態で回転しながら、X線を発生する。この際、X線検出器12におけるn個の検出素子は、被検体Pを透過したX線を検出する。また、n個のDAS18は、n個の検出素子によって検出されるX線の信号を収集する。
図2に示すエネルギーL及びエネルギーHは、X線の発生時におけるエネルギーである。なお、エネルギーHは、エネルギーLよりも高いエネルギーである。図2において、符号「19」は、各時間におけるX線管11に供給される管電圧(kV)の時系列データを示す。
n個のDAS18は、図2に示すように、n個の検出素子によって検出されるX線の信号を、同時収集する。また、図2に示すように、システム制御機能441は、X線高電圧装置14を介して、X線管11に供給する管電圧(kV)を制御することにより、X線管11が発生するX線のエネルギーを変化させる。
例えば、システム制御機能441は、時系列データ19が示すように、時間T0から時間T1までの期間に対応するビュー(T0−T1ビュー)及び時間T1から時間T2までの期間に対応するビュー(T1−T2ビュー)では、X線管11に80kVの管電圧が供給されるように制御する。すなわち、システム制御機能441は、T0−T1ビュー及びT1−T2ビューにおいて、80kVの管電圧がX線管11に適用されるように制御する。これにより、T0−T1ビュー及びT1−T2ビューでは、エネルギーLのX線が被検体Pに照射される。すなわち、図2において、「L」が付されたビューでは、エネルギーLのX線が被検体Pに照射される。生成機能443は、T0−T1ビュー及びT1−T2ビューにおいてDAS18により生成された検出データに基づく生データを用いて、弁別処理を実行する。また、生成機能443は、T0−T1ビュー及びT1−T2ビューにおいてDAS18により生成された検出データに基づく生データに基づいて、CT画像データを再構成する。なお、図2において、「L」が付されたビューは、第1のビューの一例である。他の実施形態においても同様である。例えば、T0−T1ビュー及びT1−T2ビューは、第1のビューの一例である。また、80kVの管電圧は、第1の管電圧の一例である。また、CT画像データは、画像データの一例である。
また、「R」が付された時間T2から時間T3までの期間に対応するビュー(T2−T3ビュー)及び時間T3から時間T4までの期間に対応するビュー(T3−T4ビュー)は、DAS18により生成された検出データが、再構成処理や弁別処理に用いられないビューである。具体的には、T2−T3ビュー及びT3−T4ビューでは、DAS18による検出データの生成が行われる。しかしながら、T2−T3ビュー及びT3−T4ビューで生成された検出データに基づく生データは、生成機能443による弁別処理に用いられない。また、T2−T3ビュー及びT3−T4ビューで生成された検出データに基づく生データは、生成機能443によるCT画像データの再構成処理に用いられない。なお、生成機能443は、T2−T3ビュー及びT3−T4ビューでDAS18により生成された検出データに基づく生データを用いて、被検体Pの形態を示す形態画像データを生成してもよい。図2において、「R」が付されたビューは、第3のビューの一例である。他の実施形態においても同様である。例えば、T2−T3ビュー及びT3−T4ビューは、第3のビューの一例である。なお、「R」が付されたビュー(T2−T3ビュー及びT3−T4ビュー)は、2つ以上連続していても、連続せずに1つであってもよい。
ここで、X線のエネルギーを、エネルギーLからエネルギーHに変化させる場合に、システム制御機能441は、X線管11に供給する管電圧を80kVから140kVに変化させる。しかしながら、システム制御機能441は、X線管11に供給される管電圧を、80kVから140kVに瞬時に変化させることが困難である。例えば、図2の時系列データ19が示すように、X線管11に供給される管電圧は、80kVから140kVに向けての変化が開始されてから、所要時間t1経過後に140kVに到達する。このような所要時間は、80kVから140kVに向けての変化が開始されてから140kVに到達するまでの時間である。このような所要時間を、第1の所要時間と称する場合がある。
ここで、図3を参照して、仮に、システム制御機能441が、時間T2において、X線管11に供給される管電圧の変化(80kVから140kVに向けての変化)を開始させた場合について説明する。図3は、仮に、システム制御機能441が、時間T2において、80kVから140kVに向けての変化を開始させた場合の一例について説明するための図である。図3における符号「19a」は、各時間におけるX線管11に供給される管電圧(kV)の時系列データを示す。
図3の時系列データ19aが示すように、システム制御機能441は、時間T2において80kVから140kVに向けての変化を開始させると、時間T2から第1の所要時間t1が経過した時間T16において、X線管11に供給される管電圧が140kVに達する。したがって、T2−T3ビュー及びT3−T4ビューにおいて、時間T16から時間T4までの期間は、被検体Pに照射されるX線のエネルギーがエネルギーHとなる。このため、被検体Pの被曝量を低減することが望まれる。
そこで、本実施形態に係るシステム制御機能441は、図2の時系列データ19が示すように、被検体Pの被曝量を低減するために、時間T2ではなく、時間T4(第1のタイミング)よりも第1の所要時間t1前の時間T15で、80kVから140kVに向けての管電圧の変化を開始させる。具体的には、システム制御機能441は、上述したタイミングデータに基づいて、時間T15で、80kVから140kVに向けての管電圧の変化を開始させる。これにより、時間T4において、被検体Pに照射されるX線のエネルギーがエネルギーHに到達する。このため、図2に示す場合と図3に示す場合とを比較すると、図3の破線で示した平行四辺形の面積に対応する分、図2に示す場合の方が、被検体Pの被曝量が低減される。したがって、本実施形態に係るX線CT装置1によれば、被検体Pの被曝量を低減することができる。
そして、システム制御機能441は、時系列データ19が示すように、時間T4から時間T5までの期間に対応するビュー(T4−T5ビュー)及び時間T5から時間T6までの期間に対応するビュー(T5−T6ビュー)では、X線管11に140kVの管電圧が供給されるように制御する。すなわち、システム制御機能441は、T4−T5ビュー及びT5−T6ビューにおいて、140kVの管電圧がX線管11に適用されるように制御する。これにより、T4−T5ビュー及びT5−T6ビューでは、エネルギーHのX線が被検体Pに照射される。生成機能443は、T4−T5ビュー及びT5−T6ビューにおいてDAS18により生成された検出データに基づく生データを用いて、弁別処理を実行する。また、生成機能443は、T4−T5ビュー及びT5−T6ビューにおいてDAS18により生成された検出データに基づく生データに基づいて、CT画像データを再構成する。以上のことから、生成機能443は、T0−T1ビュー及びT1−T2ビュー並びにT4−T5ビュー及びT5−T6ビューを含み、T2−T3ビュー及びT3−T4ビューを除く複数のビューそれぞれで収集された生データに基づいて、CT画像データを再構成する。図2において、「H」が付されたビューは、第2のビューの一例である。他の実施形態においても同様である。例えば、T4−T5ビュー及びT5−T6ビューは、第2のビューの一例である。また、80kVよりも大きい140kVの管電圧は、第2の管電圧の一例である。
そして、システム制御機能441は、タイミングデータに基づいて、第2のタイミング(時間T6)において、140kVから80kVに向けての管電圧の変化を開始させる。これにより、時間T6から第2の所要時間が経過した時間T8において、X線管11に供給される管電圧が80kVに低下する。
また、「F」が付された時間T6から時間T7までの期間に対応するビュー(T6−T7ビュー)及び時間T7から時間T8までの期間に対応するビュー(T7−T8ビュー)は、DAS18により生成された検出データが、再構成処理や弁別処理に用いられないビューである。T6−T7ビュー及びT7−T8ビューでは、DAS18による検出データの生成が行われる。しかしながら、T6−T7ビュー及びT7−T8ビューで生成された検出データに基づく生データは、生成機能443による弁別処理に用いられない。また、T6−T7ビュー及びT6−T7ビューで生成された検出データに基づく生データは、生成機能443によるCT画像データの再構成処理に用いられない。なお、生成機能443は、T6−T7ビュー及びT7−T8ビューでDAS18により生成された検出データに基づく生データを用いて、被検体Pの形態を示す形態画像データを生成してもよい。図2において、「F」が付されたビューは、第4のビューの一例である。他の実施形態においても同様である。例えば、T6−T7ビュー及びT7−T8ビューは、第4のビューの一例である。なお、「F」が付されたビュー(T6−T7ビュー及びT7−T8ビュー)は、2つ以上連続していても、連続せずに1つであってもよい。
そして、X線CT装置1は、時間T8以降では、上述した時間T0から時間T8までの処理と同様の処理を繰り返し実行する。なお、エネルギーLのX線が被検体Pに照射されるビュー(「L」が付されたビュー)と、エネルギーHのX線が被検体Pに照射されるビュー(「H」が付されたビュー)との間のビュー数は、一定であっても一定でなくてもよい。
次に、X線CT装置1による処理の手順の一例を、図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態に係るX線CT装置1の処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。ステップS101〜S107は、システム制御機能441に対応するステップである。
まず、システム制御機能441は、スキャン開始に先立って、X線管11に供給される管電圧を変化させるタイミングを示すタイミングデータをメモリ41から取得する(ステップS101)。次に、システム制御機能441は、操作者からスキャン開始の指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS102)。ここで、スキャン開始の指示を受け付けない場合(ステップS102;No)、システム制御機能441は、再び、ステップS102の判定処理を行う。
一方、スキャン開始の指示を受け付けた場合(ステップS102;Yes)、システム制御機能441は、回転部を被検体Pの周囲で回転させるとともに、X線高電圧装置14を制御してX線管11へ高電圧を供給させ、X線管11による被検体PへのX線の照射を開始させる(ステップS103)。例えば、システム制御機能441は、被検体PへのエネルギーL又はエネルギーHのX線の照射を開始させる。ステップS103で開始されたX線の照射は、後述するステップS107で停止されるまで、継続して行われる。
そして、システム制御機能441は、スキャンを終了するか否かを判定する(ステップS104)。
スキャンを終了しない場合(ステップS104;No)、システム制御機能441は、タイミングデータに基づいて、現在のタイミングが、管電圧を変化させるタイミングであるか否かを判定する(ステップS105)。なお、管電圧を変化させるタイミングとしては、上述した第1のタイミングよりも第1の所要時間前のタイミング、及び、上述した第2のタイミングが挙げられる。現在のタイミングが、管電圧を変化させるタイミングではない場合(ステップS105;No)、システム制御機能441は、ステップS104に戻る。
一方、現在のタイミングが、管電圧を変化させるタイミングである場合(ステップS105;Yes)、システム制御機能441は、管電圧の変化を開始させ(ステップS106)、ステップS104に戻る。
また、スキャンを終了する場合(ステップS104;Yes)、システム制御機能441は、回転部の回転を停止させるとともに、X線管11による被検体PへのX線の照射を停止させ(ステップS107)、処理を終了する。
以上、第1の実施形態に係るX線CT装置1について説明した。上述したように、システム制御機能441は、T1−T2ビューとT4−T5ビューとの間に位置するT2−T3ビュー及びT3−T4ビューにおいて、80kVの管電圧から140kVの管電圧への変化が開始されるように、X線管11に適用される管電圧を変化させる。また、システム制御機能441は、T3−T4ビューからT4−T5ビューに切り替わる第1のタイミング(時間T4)を基準として、80kVの管電圧から140kVの管電圧への変化を開始させる。すなわち、システム制御機能441は、T4−T5ビューの直前のビュー(T3−T4ビュー)からT4−T5ビューに切り替わる第1のタイミングを基準として、80kVの管電圧から140kVの管電圧への変化を開始させる。例えば、システム制御機能441は、時間T4から、80kVの管電圧から140kVの管電圧に変化するための第1の所要時間t1前に、80kVの管電圧から140kVの管電圧への変化を開始させる。したがって、第1の実施形態に係るX線CT装置1によれば、上述したように、被検体Pの被曝量を低減することができる。
(第1の実施形態の変形例)
なお、第1の実施形態では、T2−T3ビュー及びT3−T4ビューで生成された検出データに基づく生データが、生成機能443によるCT画像データの再構成処理に用いられない場合について説明した。しかしながら、生成機能443は、T2−T3ビューでDAS18により生成された検出データに基づく生データ、及び、T3−T4ビューでDAS18により生成された検出データに基づく生データを用いて、CT画像データを再構成してもよい。そこで、このような変形例を、第1の実施形態の変形例として説明する。
例えば、生成機能443は、T0−T1ビュー、T1−T2ビュー、T2−T3ビュー、T3−T4ビュー、T4−T5ビュー及びT5−T6ビューを含む複数のビューそれぞれで収集された生データに対して、重み付けを行う。例えば、生成機能443は、T2−T3ビュー及びT3−T4ビューで収集された生データに対する重みが、T0−T1ビュー及びT1−T2ビューで収集された生データ並びにT4−T5ビュー及びT5−T6ビューで収集された生データに対する重みよりも小さくなるように、重み付けを行う。そして、生成機能443は、重み付け後の生データに基づいて、CT画像データを再構成する。
(第2の実施形態)
なお、第1の実施形態では、撮影において、管電流の値が変化しない場合について説明した。しかしながら、撮影において、管電流の値が変化してもよい。そこで、このような実施形態を第2の実施形態として説明する。
第2の実施形態に係るX線CT装置1は、図1に示した第1の実施形態に係るX線CT装置1と同様の構成を有する。しかしながら、第2の実施形態に係るシステム制御機能441による処理の一部が、第1の実施形態に係るシステム制御機能441による処理と異なる。以下、第2の実施形態に係るシステム制御機能441による処理の説明において、第1の実施形態に係るシステム制御機能441と異なる点を説明する。また、以下、第1の実施形態において説明した構成と同様の構成を有する点については、図1と同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
第2の実施形態に係るシステム制御機能441は、操作者によってスキャノ画像上に設定されたスキャン範囲を対象として、AEC(Auto Exposure Control)を実行する。例えば、AECを実行するシステム制御機能441は、X線管11の1回転毎にX線の吸収(体厚)に基づいて管電流値を算出し、算出された管電流値となるように各回転において管電流を変調する。なお、AECを実行するシステム制御機能441が実行する処理はこれに限られない。AECを実行するシステム制御機能441は、他の方法で、管電流を変調してもよい。
図5A〜5Cは、第2の実施形態に係るシステム制御機能441が実行する処理の一例を説明するための図である。例えば、図5Aには、AECを実行するシステム制御機能441により、ある回転において50mAの管電流値が算出された場合が示されている。また、図5Bには、AECを実行するシステム制御機能441により、ある回転において250mAの管電流値が算出された場合が示されている。また、図5Cには、AECを実行するシステム制御機能441により、ある回転において500mAの管電流値が算出された場合が示されている。
第1の実施形に係るシステム制御機能441が、図2の時系列データ19が示すように管電圧を変化させた場合と同様に、第2の実施形態に係るシステム制御機能441は、以下の処理を行う。例えば、図5Aに示すように、システム制御機能441は、時間T0a〜T8aにおいて、各時間におけるX線管11に供給される管電圧を示す時系列データ20aが示すように、管電圧を変化させる。また、図5Bに示すように、システム制御機能441は、時間T0b〜T8bにおいて、各時間におけるX線管11に供給される管電圧を示す時系列データ20bが示すように管電圧を変化させる。また、図5Cに示すように、システム制御機能441は、時間T0c〜T8cにおいて、各時間におけるX線管11に供給される管電圧を示す時系列データ20cが示すように管電圧を変化させる。
このように、第2の実施形態に係るシステム制御機能441は、第1の実施形態に係るシステム制御機能441と同様の処理を行う。ただし、図5A〜図5Cに示すように、管電流の大きさによって、80kVから140kVに向けての管電圧の変化が開始されてから、管電圧が140kVに達するまでの第1の所要時間が異なる。
例えば、図5Aに示すように管電流が50mAである場合、第1の所要時間は「t2」である。例えば、システム制御機能441は、タイミングデータに基づいて、時間T4a(第1のタイミング)から第1の所要時間t2前の時間T21で、80kVの管電圧から140kVの管電圧への変化を開始させる。
また、図5Bに示すように管電流が250mAである場合、第1の所要時間は「t2」よりも長い「t3」である。例えば、システム制御機能441は、タイミングデータに基づいて、時間T4b(第1のタイミング)から第1の所要時間t3前の時間T22で、80kVの管電圧から140kVの管電圧への変化を開始させる。
また、図5Cに示すように管電流が500mAである場合、第1の所要時間は「t3」よりも長い「t4」である。例えば、システム制御機能441は、タイミングデータに基づいて、時間T4c(第1のタイミング)から第1の所要時間t4前の時間T2cで、80kVの管電圧から140kVの管電圧への変化を開始させる。以上のことから、管電流が小さくなるほど第1の所要時間が短くなる。
また、図5A〜5Cの時系列データ20a〜20cが示すように、管電流が大きくなるほど、140kVから80kVに向けての管電圧の変化が開始されてから、管電圧が80kVに低下するまでの所要時間が短くなる。以下、このような所要時間を第2の所要時間と称する場合がある。例えば、管電流が50mAである場合、250mAである場合、500mAである場合の各場合における第2の所要時間のうち、管電流が500mAである場合の第2の所要時間t5(図5C参照)が最も短い。例えば、図5Cに示すように、システム制御機能441は、タイミングデータに基づいて、第2のタイミング(時間T6c)で、140kVの管電圧から80kVの管電圧への変化を開始させる。これにより、時間T6cから第2の所要時間t5後の時間T23で、管電圧が80kVに低下する。
第2の実施形態では、上述したように、システム制御機能441は、X線管11に適用された管電流に応じた第1の所要時間(t2,t3,t4)に基づいて、80kVの管電圧から140kVの管電圧への変化を開始させる。管電流は、X線管11の負荷の一例である。
以上、第2の実施形態に係るX線CT装置1について説明した。第2の実施形態に係るX線CT装置1によれば、第1の実施形態と同様に、被検体Pの被曝量を低減することができる。
(第2の実施形態の第1の変形例)
上述した第2の実施形態では、管電流が50mAである場合、250mAである場合、500mAである場合の各場合における第1の所要時間のうち、管電流が50mAである場合の第1の所要時間t2(図5A参照)が最も短い。また、管電流が50mAである場合、250mAである場合、500mAである場合の各場合における第2の所要時間のうち、管電流が500mAである場合の第2の所要時間t5(図5C参照)が最も短い。したがって、これらを組み合わせれば、エネルギーLのX線が被検体Pに照射されるビュー、及び、エネルギーHのX線が被検体Pに照射されるビューを増やすことができる。したがって、このような変形例を、第2の実施形態の変形例として説明する。
第2の実施形態の第1の変形例(以下、単に「第1の変形例」と称する)に係るX線CT装置1は、第2の実施形態に係るX線CT装置1と同様の構成を有する。しかしながら、第1の変形例に係るシステム制御機能441による処理の一部が、第2の実施形態に係るシステム制御機能441による処理と異なる。以下、第1の変形例に係るシステム制御機能441による処理の説明において、第2の実施形態に係るシステム制御機能441と異なる点を説明する。また、以下、第1の実施形態及び第2の実施形態において説明した構成と同様の構成を有する点については、図1と同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
図6は、第2の実施形態の第1の変形例に係るシステム制御機能441が実行する処理の一例を説明するための図である。
上述した第2の実施形に係るシステム制御機能441が、時系列データ20a〜20cが示すように管電圧を変化させた場合と同様に、第1の変形例に係るシステム制御機能441は、以下の処理を行う。例えば、図6に示すように、システム制御機能441は、時間T30〜T38において、各時間におけるX線管11に供給される管電圧を示す時系列データ25が示すように、管電圧を変化させる。
このように、第1の変形例に係るシステム制御機能441は、第1の実施形態及び第2の実施形態に係るシステム制御機能441と同様の処理を行う。ただし、第1の変形例では、システム制御機能441は、時間T30〜T37の間は、X線管11に供給される管電流を50mAとする。また、システム制御機能441は、時間T37〜T38の間は、X線管11に供給される管電流を500mAとする。
例えば、管電流が50mAである場合、第1の所要時間は「t2」である。そこで、図6に示すように、第1の変形例では、システム制御機能441は、時間T34(第1のタイミング)から第1の所要時間t2前の時間T45で、80kVの管電圧から140kVの管電圧への変化を開始させる。この結果、時間T33から時間T34までの期間に対応する1つのビュー(T33−T34ビュー)内で、管電圧が80kVから140kVに到達する。したがって、第1の変形例では、図6に示すように、T33−T34ビューよりも1つ前のT32−T33ビュー(時間T32から時間T33までの期間に対応するビュー)を、エネルギーLのX線が被検体Pに照射されるビューとすることができる。これにより、生成機能443は、T32−T33ビューにおいてDAS18により生成された検出データに基づく生データを用いて、弁別処理を実行することができる。また、生成機能443は、T32−T33ビューにおいてDAS18により生成された検出データに基づく生データに基づいて、CT画像データを再構成することができる。
このように、システム制御機能441は、T33−T34ビューにおいて複数の管電流(50mA,250mA及び500mA)のうち最も小さい50mAの管電流をX線管11に適用する。また、システム制御機能441は、T33−T34ビューにおいて、第1のタイミング(時間T34)から、50mAの管電流に対応する第1の所要時間t2前に、80kVの管電圧から140kVの管電圧への変化を開始させる。50mAの管電流は、第1の管電流の一例である。T33−T34ビューは、第3のビューの一例である。
また、例えば、管電流が500mAである場合、第2の所要時間は「t5」である。そこで、図6に示すように、第1の変形例では、システム制御機能441は、T36−T37ビューから、T37−T38ビューに切り替わる第2のタイミング(時間T37)で、140kVの管電圧から80kVの管電圧への変化を開始させる。T36−T37ビューは、時間T37から時間T38までの期間に対応するビューであり、T37−T38ビューは、時間T38から時間T39までの期間に対応するビューである。このような処理により、時間T37から第2の所要時間t5経過後の時間T46で、管電圧が80kVに低下する。このように、T37−T38ビュー内で、管電圧が140kVから80kVに低下する。したがって、第1の変形例では、図6に示すように、T37−T38ビューよりも1つ前のT36−T37ビューを、エネルギーHのX線が被検体Pに照射されるビューとすることができる。これにより、生成機能443は、T37−T38ビューにおいてDAS18により生成された検出データに基づく生データを用いて、弁別処理を実行することができる。また、生成機能443は、T37−T38ビューにおいてDAS18により生成された検出データに基づく生データに基づいて、CT画像データを再構成することができる。
このように、システム制御機能441は、T36−T37ビューから、T36−T37ビューの次に位置するT37−T38ビューに切り替わる第2のタイミング(時間T37)を基準として、140kVの管電圧から80kVの管電圧への変化を開始させる。システム制御機能441は、第2のタイミングにおいて、複数の管電流(50mA,250mA及び500mA)のうち最も大きい500mAの管電流をX線管11に適用し、140kVの管電圧から80kVの管電圧への変化を開始させる。T36−T37ビューは、第2のビューの一例である。T37−T38ビューは、第4のビューの一例である。
以上のことから、第1の変形例に係るX線CT装置1によれば、スパースビューにおける有効なビュー数を増加させることができる。
以上、第2の実施形態の第1の変形例に係るX線CT装置1について説明した。第2の実施形態に係るX線CT装置1によれば、第1の実施形態と同様に、被検体Pの被曝量を低減することができる。また、第2の実施形態に係るX線CT装置1によれば、スパースビューにおける有効なビュー数を増加させることができる。
(第3の実施形態)
上述した第2の実施形態では、AECを実行するシステム制御機能441が、X線管11の1回転毎にX線の吸収(体厚)に基づいて管電流値を算出し、算出された管電流値に基づいて管電流を変調する場合について説明した。しかしながら、システム制御機能441が、被検体Pの体格等を示す被検体情報に基づいて、管電圧を変化させてもよい。そこで、このような実施形態を第3の実施形態として説明する。
第3の実施形態に係るX線CT装置1は、第1の実施形態又は第2の実施形態に係るX線CT装置1と同様の構成を有する。しかしながら、第3の実施形態に係るシステム制御機能441による処理の一部が、第1の実施形態及び第2の実施形態に係るシステム制御機能441による処理と異なる。以下、第3の実施形態に係るシステム制御機能441による処理の説明において、第1の実施形態及び第2の実施形態に係るシステム制御機能441と異なる点を説明する。また、以下、第1の実施形態及び第2の実施形態において説明した構成と同様の構成を有する点については、同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
第3の実施形態に係るシステム制御機能441は、例えば、デュアルエナジーにおいて、被検体Pに照射される2つのエネルギーのX線のうち、エネルギーが低い方のX線をX線管11から出射させる際の管電圧を、被検体情報に基づいて変化させる。
図7は、第3の実施形態に係るシステム制御機能441が実行する処理の一例を説明するための図である。例えば、図7には、システム制御機能441が、被検体情報に基づいて「80kV」を決定した場合の時系列データ35が示されている。また、図7には、システム制御機能441が、被検体情報に基づいて「60kV」を決定した場合の時系列データ36が示されている。時系列データ35,36は、時間T0d〜T8dにおいて、各時間におけるX線管11に供給される管電圧を示すデータである。
例えば、システム制御機能441は、被検体情報が示す被検体Pの体格に基づくX線の吸収が閾値以上である場合には、エネルギーが低い方のX線をX線管11から出射させる際の管電圧を「80kV」として決定する。また、システム制御機能441は、被検体情報が示す被検体Pの体格に基づくX線の吸収が閾値未満である場合には、エネルギーが低い方のX線をX線管11から出射させる際の管電圧を「60kV」として決定する。
上述した第1の実施形に係るシステム制御機能441が、時系列データ19が示すように管電圧を変化させた場合と同様に、第3の実施形態に係るシステム制御機能441は、以下の処理を行う。例えば、図7に示すように、システム制御機能441は、80kVの管電圧を決定した場合には、時間T0d〜T8dにおいて、時系列データ35が示すように、管電圧を変化させる。また、図7に示すように、システム制御機能441は、60kVの管電圧を決定した場合には、時間T0d〜T8dにおいて、時系列データ36が示すように、管電圧を変化させる。
このように、第3の実施形態に係るシステム制御機能441は、第1の実施形態に係るシステム制御機能441と同様の処理を行う。ただし、図7に示すように、デュアルエナジーにおいて、被検体Pに照射される2つのエネルギーのX線のエネルギーの差に応じて、第1の所要時間及び第2の所要時間が異なる。
例えば、図7に示すように、エネルギーの差が60kV(140kV−80kV)である場合、第1の所要時間は「t6」である。例えば、システム制御機能441は、タイミングデータに基づいて、時間T4d(第1のタイミング)から第1の所要時間t6前の時間T50で、80kVの管電圧から140kVの管電圧への変化を開始させる。
また、図7に示すように、エネルギーの差が80kV(140kV−60kV)である場合、第1の所要時間は、「t6」よりも長い「t7」である。例えば、システム制御機能441は、タイミングデータに基づいて、時間T4d(第1のタイミング)から第1の所要時間t7前の時間T51で、60kVの管電圧から140kVの管電圧への変化を開始させる。このように、エネルギーの差が大きくなるほど、第1の所要時間が長くなる。同様に、エネルギーの差が大きくなるほど、第2の所要時間も長くなる。
第3の実施形態では、上述したように、システム制御機能441は、X線管11に適用された管電圧(80kV,60kV)に応じた第1の所要時間(t6,t7)に基づいて、80kV又は60kVの管電圧から140kVの管電圧への変化を開始させる。80kVの管電圧及び60kVの管電圧は、X線管11の負荷の一例である。
以上、第3の実施形態に係るX線CT装置1について説明した。第3の実施形態に係るX線CT装置1によれば、第1の実施形態と同様に、被検体Pの被曝量を低減することができる。
なお、第3の実施形態では、システム制御機能441が、X線管11の負荷として、X線管11に適用された管電圧に応じて、80kV又は60kVの管電圧から140kVの管電圧への変化を開始させる場合について説明した。しかしながら、第3の実施形態に係るシステム制御機能441と、第2の実施形態に係るシステム制御機能441とを組み合わせて、システム制御機能441が、X線管11の負荷として、X線管11に適用された管電圧及び管電流に応じた第1の所要時間に基づいて、80kV又は60kVの管電圧から140kVの管電圧への変化を開始させてもよい。
(第4の実施形態)
上述した第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態では、DAS18が、同時収集方式のDASである場合について説明した。しかしながら、DAS18が、逐次収集方式のDASであってもよい。そこで、このような実施形態を、第4の実施形態として説明する。
第4の実施形態に係るX線CT装置1は、第1の実施形態、第2の実施形態又は第3の実施形態に係るX線CT装置1と同様の構成を有する。しかしながら、第4の実施形態に係るシステム制御機能441による処理の一部が、第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態に係るシステム制御機能441による処理と異なる。以下、第4の実施形態に係るシステム制御機能441による処理の説明において、第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態に係るシステム制御機能441と異なる点を説明する。また、以下、第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態において説明した構成と同様の構成を有する点については、同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
第4の実施形態に係るDAS18は、逐次収集方式のDASであり、複数の検出素子によって検出されるX線の信号を、ビューごとに逐次収集する。例えば、DAS18は、複数の検出素子の各々とスイッチを介して接続され、スイッチをオンにする検出素子を切り替えながら、各検出素子にて積分された電荷を逐次読み出す。
DAS18における逐次収集の一例について説明する。例えば、DAS18は、まず、複数の検出素子のうち、まず、1つの検出素子(第1の検出素子)との間のスイッチをオンにし、第1の検出素子で積分された電荷を、X線の信号として読み出す。
次に、DAS18は、第1の検出素子との間のスイッチをオフにするとともに、次の検出素子(第2の検出素子)との間のスイッチをオンにし、第2の検出素子で積分された電荷を、X線の信号として読み出す。なお、DAS18との間のスイッチがオフとなることにより、第1の検出素子では、電荷の積分が開始される。
このように、DAS18は、スイッチをオンにする検出素子を切り替えながら、各検出素子からX線の信号を逐次読み出す。すなわち、DAS18は、複数の検出素子から、1つのビューにおいて、複数のX線の信号を逐次収集する。そして、DAS18は、次のビュー以降の各ビューにおいても、同様に、複数の検出素子から、複数のX線の信号を逐次収集する。換言すると、DAS18は、複数の検出素子によって検出される複数のX線の信号を、ビューごとに逐次収集する。
なお、DAS18は、X線検出器12における全検出素子によって検出されるX線の信号を、ビューごとに逐次収集してもよい。この場合、X線CT装置1は、例えば、DAS18を1つ備える。
また、例えば、DAS18は、X線検出器12において、チャネル方向に沿って配列された複数の検出素子(検出素子列)によって検出されるX線の信号を、ビューごとに逐次収集してもよい。また、例えば、DAS18は、X線検出器12において、列方向に沿って配列された複数の検出素子(検出素子列)によって検出されるX線の信号を、ビューごとに逐次収集してもよい。これらの場合、X線CT装置1は、例えば、X線検出器12における検出素子列と同数のDAS18を備える。
以下では、X線検出器12において、1つのDAS18に対応する複数の検出素子を、検出素子群とも記載する。即ち、X線検出器12は、検出素子群を1又は複数有する。また、X線CT装置1は、検出素子群によって検出されるX線の信号をビューごとに逐次収集するDAS18を、1つ又は複数備える。
第4の実施形態に係るX線CT装置1は、逐次収集方式のDAS18を用いて、高速スイッチング方式によるデュアルエナジー収集又はマルチエナジー収集を可能にする。例えば、X線CT装置1におけるDAS18は、X線検出器12における複数の検出素子によって検出されるX線の信号を、ビューごとに逐次収集する。また、システム制御機能441は、複数の検出素子の各々によって検出されるX線の発生時におけるエネルギーが、1又は複数のビューごとに検出素子間で一定となるように、X線のエネルギーを1又は複数のビューごとに変化させる。以下、第4の実施形態に係るX線CT装置1が行う処理について詳細に説明する。
なお、第4の実施形態においても、一例として、X線CT装置1が、デュアルエナジー収集を行なう場合について説明する。また、本実施形態では、一例として、X線CT装置1が複数のDAS18を備え、DAS18の各々が、列方向に沿って配列されたn個の検出素子(検出素子12l,・・・検出素子12m,・・・検出素子12n)によって検出されるX線の信号をビュー毎に逐次収集する場合について説明する。
以下、DAS18による信号の収集、及び、システム制御機能441によるX線のエネルギーの制御について、図8を用いて説明する。図8は、第4の実施形態に係るX線のエネルギーの制御について説明するための図である。例えば、システム制御機能441は、図8に示すように、エネルギーLのX線を用いて信号を収集するビューと、エネルギーHのX線を用いて信号を収集する2つのビューとを繰り返す。
システム制御機能441は、時間T61〜T79において、各時間におけるX線管11に供給される管電圧を示す時系列データ37が示すように、管電圧を変化させる。
また、例えば、DAS18は、時間T61から時間T62までの間、n個の検出素子によって検出されるn個のX線の信号を逐次収集する。
より具体的には、DAS18は、時間T61において、列方向に沿って配列されたn個の検出素子のうち、検出素子12lにて積分された電荷を読み出して増幅し、A/D変換を行なう。即ち、DAS18は、時間T61において、検出素子12lによって検出されたX線の信号を収集する。更に、DAS18は、時間T61以降、検出素子12m等の各検出素子によって検出されたX線の信号を逐次収集する。そして、DAS18は、時間T62において、検出素子12nによって検出されたX線の信号を収集する。
上述したように、DAS18は、時間T61から時間T62までの間、X線の信号の収集を行なう。例えば、DAS18は、時間T61から時間T62までの間、いずれかの検出素子から電荷の読み出しを行なう。又は、DAS18は、時間T61から時間T62までの間、いずれかの検出素子から読み出された電荷(信号)の増幅処理を行なう。又は、DAS18は、時間T61から時間T62までの間、いずれかの検出素子から読み出された信号に対してA/D変換を行なう。
また、DAS18は、時間T63から時間T64までの間、逐次にA/D変換を行なう。また、DAS18は、時間T65から時間T66までの間、逐次にA/D変換を行なう。ここで、システム制御機能441は、少なくともDAS18がいずれかの検出素子から読み出された信号に対してA/D変換を行なっている間、X線のエネルギーを、エネルギーLのまま一定に維持する。
次に、DAS18は、時間T67から時間T68までの間、逐次にA/D変換を行なう。そして、システム制御機能441は、タイミングデータに基づいて、時間T70以前の時間T69(第1のタイミング)から第1の所要時間t8前の時間T90で、60kVの管電圧から140kVの管電圧への変化を開始させる。
そして、システム制御機能441は、時間T69において、X線のエネルギーを、エネルギーHまで到達させる。
次に、DAS18は、時間T70から時間T71までの間、逐次にA/D変換を行なう。また、DAS18は、時間T72から時間T73までの間、逐次にA/D変換を行なう。また、DAS18は、時間T74から時間T75までの間、逐次にA/D変換を行なう。ここで、システム制御機能441は、少なくともDAS18がいずれかの検出素子から読み出された信号に対してA/D変換を行なっている間、X線のエネルギーを、エネルギーHのまま一定に維持する。
図8に示すように、時間T61から時間T64までの期間に対応するビュー(T61−T64ビュー)においては、各検出素子のX線照射時間は一定となっている。即ち、T61−T64ビューにおいて、複数の検出素子の各々によって検出されるX線の発生時におけるエネルギーは、検出素子間で一定となっている。同様に、時間T63から時間T66までの期間に対応するビュー(T63−T66ビュー)においても、複数の検出素子の各々によって検出されるX線の発生時におけるエネルギーは、検出素子間で一定となっている。
また、時間T70から時間T73までの期間に対応するビュー(T70−T73ビュー)においても、複数の検出素子の各々によって検出されるX線の発生時におけるエネルギーは、検出素子間で一定となっている。また、時間T72から時間T75までの期間に対応するビュー(T72−T75ビュー)においても、複数の検出素子の各々によって検出されるX線の発生時におけるエネルギーは、検出素子間で一定となっている。すなわち、図8に示すようにX線のエネルギーを変化させることで、システム制御機能441は、逐次収集方式のDAS18を用いて、高速スイッチング方式によるデュアルエナジー収集を実行することができる。
システム制御機能441は、タイミングデータに基づいて、第2のタイミング(時間T75以後の時間T76)で、140kVの管電圧から60kVの管電圧への変化を開始させる。次に、DAS18は、時間T77から時間T78までの間、逐次にA/D変換を行なう。
そして、システム制御機能441は、時間T79において、X線のエネルギーを、エネルギーLに低下させる。そして、X線CT装置1は、時間T79以降では、上述した時間T61から時間T79までの処理と同様の処理を繰り返し実行する。
以上、第4の実施形態に係るX線CT装置1について説明した。第4の実施形態に係るX線CT装置1によれば、第1の実施形態等と同様に、被検体Pの被曝量を低減することができる。また、第4の実施形態に係るX線CT装置1によれば、逐次収集方式のDAS18を用いて、高速スイッチング方式によるデュアルエナジー収集を実行することができる。
(第5の実施形態)
次に、処理回路44の一部の機能又は全ての機能は、ネットワークを介して接続された外部装置により実現されてもよい。例えば、処理回路44の生成機能443と同様の機能が、外部のサーバにより実現されてもよい。そこで、このような実施形態を、第5の実施形態として説明する。なお、以下の説明において、上述した実施形態と同様の構成を有する点については、同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
図9は、第5の実施形態に係るX線CTシステムの構成の一例を示す図である。図9に示すように、X線CTシステム100は、X線CT装置1と、サーバ200とを備える。X線CT装置1と、サーバ200とは、ネットワーク202により接続されている。
第5の実施形態に係るX線CT装置1では、X線CT装置1が、ネットワーク202を介して、前処理後の生データをサーバ200に送信する。そして、サーバ200が、生データを受信すると、受信した生データに基づいて、CT画像データを再構成する。そして、サーバ200が、ネットワーク202を介して、CT画像データをX線CT装置1に送信する。X線CT装置1の出力機能444は、CT画像データを受信すると、受信したCT画像データが示すCT画像をディスプレイ42に表示させる。
図9に示すように、サーバ200は、処理回路201を有する。処理回路201は、例えば、プロセッサにより実現される。処理回路201は、生成機能201aを実行する。処理回路201は、サーバ200のメモリから生成機能201aに相当するプログラムを読み出して実行することにより、生データに基づいてCT画像データを再構成する。そして、処理回路201は、ネットワーク202を介して、CT画像データをX線CT装置1に送信する。
以上、第5の実施形態に係るX線CTシステム100について説明した。第5の実施形態に係るX線CTシステム100によれば、第1の実施形態等と同様に、被検体Pの被曝量を低減することができる。
なお、上述した実施形態では、X線CT装置1が、デュアルエナジー収集を行なう場合について説明した。しかしながら、X線CT装置1が、同様の方法で、3種類以上の異なるエネルギーのX線を使用して、マルチエナジー収集を行ってもよい。
また、X線CT装置1は、上述した構成を有する装置に限られない。例えば、X線CT装置1には、CT撮影を行うアンギオ装置が含まれてもよい。
上述した実施形態に係る各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。即ち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
また、上述した実施形態で説明した制御方法は、予め用意された制御プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この制御プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この制御プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態又は変形例によれば、被検体Pの被曝量を低減することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。