JP2020174514A - 航空機用アクチュエータ、航空機用アクチュエータの駆動方法、航空機用アクチュエータシステム - Google Patents

航空機用アクチュエータ、航空機用アクチュエータの駆動方法、航空機用アクチュエータシステム Download PDF

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Abstract

【課題】この発明の目的は、高調波ノイズの発散を低減可能な航空機用のアクチュエータを提供することにある。【解決手段】アクチュエータ100は、インバータ30と、固定子20と、可動子10と、制御部36と、注入部50と、電流検知部28と、推定部40とを備える。インバータ30は、エンジンの軸力で発電された又はバッテリー等の電力に基づいて駆動される。固定子20は、インバータ30に駆動される電機子コイル22を有する。可動子10は、航空機1の尾翼の舵面、主翼の可動翼、滑走用の車輪を支持する着陸脚および液体ポンプの少なくとも1つに駆動力を付与する。制御部36は、操縦システム4の信号に応じてインバータ30を制御する。注入部50は、所定波形の高周波信号を、コイル22に注入する。電流検知部28は、コイル電流を検知する。推定部40は、コイル電流に基づいて可動子10の位置を推定する。【選択図】図2

Description

本発明は、航空機用アクチュエータ、航空機用アクチュエータの駆動方法および航空機用アクチュエータシステムに関する。
インバータで駆動されるモータが知られている。例えば、特許文献1には、インバータで駆動される三相可変速モータが記載されている。このモータは、三相電圧を三相モータに印加する電圧形の三相インバータと、インバータを制御するコントローラとを備える。インバータはコントローラに駆動される複数のレグを有する。それぞれのレグは上アームスイッチと下アームスイッチを含む。インバータの複数のレグはPWMスイッチングされる。
特開2011−166924号公報
本発明者らは、航空機用アクチュエータについて以下の認識を得た。
従来の油圧式アクチュエータを、モータなどの電気式アクチュエータに置き換えることによって、航空機の燃費性能を改善することが可能である。モータをセンサレス駆動することにより、回転子の位置検出に関連する部品を減らして信頼性を高めることができる。センサレス駆動では、逆起電力から検知した回転子の位相に基づいて電機子コイルを駆動する。しかし、停止時には逆起電力は発生しないので回転子の位相を検知できず、回転子の位相とは無関係な位相でコイルを駆動して起動させる。回転子の位相と無関係な位相でモータを駆動すると、起動時に逆転することがある。
航空機用アクチュエータでは、停止状態から駆動力を短期間出力して再び停止する制御が用いられている。この制御では、アクチュエータが逆転すると被駆動体が逆方向に動いて制御が乱れる。このため、航空機用アクチュエータは、起動時に逆転することなく正規の方向に駆動力を出力する必要がある。
起動時の逆転を防ぐために、矩形波の高周波信号を注入したときの各相のコイル電流の変化から回転子の位相を検知することが考えられる。しかし、矩形波の高周波信号が注入されると、コイルから高調波ノイズが発散される。大きな高調波ノイズは、高度な電波機器によって制御される航空機に悪影響を与える可能性がある。
これらから、本発明者らは、航空機用のアクチュエータには、高調波ノイズを低減する観点で改善する余地があることを認識した。
本発明は、こうした課題に鑑みてなされたものであり、高調波ノイズの発散を低減可能な航空機用のアクチュエータを提供することを目的の一つとしている。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の航空機用アクチュエータは、航空機の電力に基づいて駆動されるインバータと、インバータに通電駆動される電機子コイルを有する固定子と、固定子との磁気的な相互作用により、航空機の尾翼の舵面、主翼の可動翼、滑走用の車輪を支持する着陸脚および液体ポンプの少なくとも1つに駆動力を付与する可動子と、航空機の操縦システムからの指令信号に応じてインバータの動作を制御する制御部と、正弦波と台形波と三角波と3以上のレベルの間でステップ状に変化する階段波のいずれかの波形を有する高周波信号を、コイルに注入する注入部と、コイルに流れるコイル電流を検知する電流検知部と、電流検知部で検知されたコイル電流の高周波信号に関連する成分に基づいて可動子の位置を推定する推定部とを備える。
なお、以上の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、プログラム、プログラムを記録した一時的なまたは一時的でない記憶媒体、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、高調波ノイズの発散を低減可能な航空機用のアクチュエータを提供できる。
本発明の第1実施形態に係る航空機用アクチュエータを搭載した航空機の説明図である。 図1の航空機用アクチュエータの構成の一例を示すブロック図である。 図1の航空機用アクチュエータの制御部の周辺の構成の一例を示すブロック図である。 図1の航空機用アクチュエータの推定部の一例を示すブロック図である。 本発明の高周波信号の注入形態の第1の例を説明するブロック図である。 本発明の高周波信号の注入形態の第2の例を説明するブロック図である。 本発明の高周波信号の注入形態の第3の例を説明するブロック図である。 高周波信号の高調波低減波形の例を示す波形図である。 本発明の第2実施形態に係る航空機用アクチュエータの駆動方法を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る航空機用アクチュエータのドライバを示すブロック図である。 本発明の第4実施形態に係る航空機用アクチュエータシステムを示すブロック図である。
以下、本発明を好適な実施形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施形態および変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
[第1実施形態]
図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る航空機用アクチュエータ100の構成を説明する。図1は、航空機用アクチュエータ100が航空機1に設置された状態を示す模式図である。図2は、アクチュエータ100の構成の一例を示すブロック図である。航空機用アクチュエータ100は、航空機1に設けられ、当該航空機1の尾翼の舵面、主翼の可動翼、滑走用の車輪を支持する脚および液体ポンプの少なくとも1つを被駆動体として、その被駆動体に駆動力を付与するアクチュエータとして使用される。
主翼の可動翼としては、主翼のエルロン2a、フラップ2bが挙げられる。尾翼の舵面としては、尾翼の方向舵2c、昇降舵2dなどが挙げられる。滑走用の車輪を支持する着陸脚としては、主翼に設けられる主脚2fと、胴体に設けられる胴体脚2gなどが挙げられる。液体ポンプとしては、エンジン5に燃料を供給する燃料ポンプ2j、油圧機構に作動油を供給する油ポンプ2kなどが挙げられる。
アクチュエータ100は、停止と起動の断続的な動作を行うと、動作に僅かなタイムラグが生じる場合がある。このタイムラグにより、被駆動体2の動作がぎこちなくなり、ひいては航空機1の姿勢に影響を与える可能性がある。そこで、本実施形態では、主翼の可動翼または尾翼の舵面を駆動するアクチュエータ100は、航空機1が水平飛行などの飛行中に連続的に動作し、航空機の電源が起動されていない駐機中は動作を停止する。主翼の可動翼または尾翼の舵面を駆動するアクチュエータ100は、航空機の電源が起動されている場合、駐機中に動作してもよい。
本実施形態では、着陸脚を駆動するアクチュエータ100は、離陸直後から上昇飛行中と、下降飛行中から着陸直前までの間に連続的に動作し、駐機中および水平飛行中には動作を停止する。この場合、駐機中および水平飛行中のアクチュエータ100の誤動作を防げる。着陸脚を駆動するアクチュエータ100は、駐機中に動作してもよい。
本実施形態では、液体ポンプを駆動するアクチュエータ100は、エンジン5の運転中に連続的に動作し、駐機中でエンジン5が停止中の場合は動作を停止する。この場合、エンジン停止中のアクチュエータ100の誤動作を防げる。エンジン停止中にアクチュエータ100を動作させるための別電源が不要となる。液体ポンプを駆動するアクチュエータ100は、駐機中に動作してもよい。
アクチュエータ100は、航空機1の電力に基づいて駆動される。航空機1の電力としては様々な電源手段の電力を用いることができる。一例として、航空機1の電力としては、航空機1のエンジン5の軸力に基づいて発電機6で発電された電力、バッテリーの電力、内部補助電源の電力、ラム・エアタービンシステムの電力等が挙げられる。本実施形態では、航空機1の電力は発電機6で発電された電力である。発電機6の電力は、電力線6bにより、航空機1の胴体各部のアクチュエータ100および航空機1の操縦システム4を含む多数の電子機器に供給される。アクチュエータ100で発生した高周波ノイズが電力線6bに漏洩した場合、そのノイズは多数の電子機器に影響を与える可能性がある。
アクチュエータ100は、操縦システム4からの指令信号に応じて動作して駆動力を出力する。操縦システム4は、コックピット7またはコックピット7の近傍に配置され、指令信号を伝送路8を介しアクチュエータ100に送信する。伝送路8は、航空機1の胴体各部のアクチュエータ100まで胴体の壁面に沿って配線される。伝送路8の配線は長く、伝送路8は多数の電子機器の近傍を通過する。アクチュエータ100で発生した高周波ノイズが伝送路8に漏洩した場合、そのノイズは多数の電子機器に影響を与える可能性がある。
アクチュエータ100は、伝達装置3を介して被駆動体2を駆動する。一例として、伝達装置3は、回転を減速する減速機(不図示)と、減速機の出力回転を直線運動に変換する運動変換装置(不図示)を含んで構成される。運動変換装置は、例えばボールスクリュウなどである。伝達装置3を備えることは必須ではない。
アクチュエータ100が作動すると、減速機および運動変換装置を介して被駆動体2が駆動され、被駆動体2の位置や姿勢が変更される。一例として、アクチュエータ100は、被駆動体2の位置または姿勢を変更するために、被駆動体2を駆動する駆動動作と、被駆動体2の位置または姿勢を保持する保持動作とを行うように制御される。したがって、アクチュエータ100は、被駆動体2の位置や姿勢を変更する駆動動作時に一時的に回転し、保持動作の期間は回転しないように、回転角(回転位置)、回転速度、回転加速度が制御される。アクチュエータ100が逆転すると被駆動体2が逆方向に動いて位置や姿勢が乱れるので、アクチュエータ100は、起動時に逆転しないように駆動されることが望ましい。
図2も参照して、アクチュエータ100の主要な構成を説明する。図2を含め、ブロック図に示す各機能ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする電子素子や機械部品などで実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラムなどによって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
アクチュエータ100は、可動子10と、固定子20と、インバータ30と、注入部50と、電流検知部28と、推定部40と、制御部36と、を主に含む。固定子20は、電機子コイル22を有しており、可動子10と磁気的空隙を介してラジアル方向に対向する。可動子10は埋め込まれた磁石10mを有しており、固定子20と可動子10とは埋込磁石型モータ(Interior Permanent Magnet Motor:IPMモータ)を構成する。この例では、可動子10は、固定子20に対して回転する回転子として機能する。この例では、コイル22は、3相スター結線されたコイル22u、22v、22wを含む。アクチュエータ100は、3相ブラシレスモータや、3相同期モータと称されることがある。
可動子10は、固定子20との磁気的な相互作用により、航空機1の尾翼の舵面、主翼の可動翼、滑走用の車輪を支持する着陸脚および液体ポンプの少なくとも1つに駆動力を付与する。
インバータ30は、航空機1の電力に基づいて駆動される。発電機6は、直流発電機であってもよいが、この例では交流発電機である。発電機6で発電された電力は、電力線6bを介して各部のアクチュエータ100に対応する電圧変換部37に供給される。電圧変換部37は、発電機6から供給された電力を整流して所定の直流電圧Vpに変換して電圧供給部38に供給する。この例の電圧変換部37は、スイッチングレギュレータを含む。電圧供給部38は、供給された電圧Vpをもとに供給電圧Vsを生成してインバータ30に供給する。この例の電圧供給部38は、オンオフ部56と、切替部58とを含む。オンオフ部56は、制御部36の制御に応じて、供給電圧VsのONとOFFとを切り替える。切替部58は、制御部36の制御に応じて、供給電圧Vsを低くする。
供給電圧Vsは、インバータ30のプラス側電源ライン30pに供給される。電圧変換部37と電圧供給部38のマイナス側端子37g、38gはインバータ30のマイナス側電源ライン30mに接続される。マイナス側電源ライン30mはアクチュエータ100のフレームグランドに接続される。
インバータ30は、コイル22を駆動して、磁気的空隙に回転磁界を発生させる。インバータ30は、キャリヤ周波数fcによりコイル22をPWM駆動する。
インバータ30は、プラス側電源ライン30pとマイナス側電源ライン30mとの間に接続されるU相レグ、V相レグ、W相レグを含む。各レグは、ハイサイドアームT1〜T3、ローサイドアームT4〜T6を含む。ハイサイドアームT1〜T3はプラス側電源ライン30pに接続され、ローサイドアームT4〜T6はマイナス側電源ライン30mに接続される。
インバータ30では、ハイサイドアームT1〜T3のいずれかがオンすることにより、プラス側電源ライン30pから供給される駆動電流がコイル22に流れ、ローサイドアームT4〜T6のいずれかがオンすることにより、その駆動電流はコイル22からマイナス側電源ライン30mに流れる。
これらのアームT1〜T6は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)あるいはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのパワートランジスタである。これらのトランジスタは、Si(シリコン)、SiC(シリコンカーバイド)、GaN(窒化ガリウム)、Ga2O3(酸化ガリウム)等で製作されてもよい。
注入部50は、可動子10の回転角を検知するために、コイル22に高周波信号Shを注入する。図2では、便宜的に、注入部50を制御部36に接続しているが、高周波信号Shの注入点に限定はない。
高周波信号Shを説明する。高調波ノイズの発散を低減する観点から、高周波信号Shは、矩形波より高調波成分が低減された高調波低減波形を有する。この高調波は、高周波信号Shの基本波より高次の周波数成分をいう。つまり、高調波低減波形は、その高調波含有率が矩形波の高調波含有率より低い波形である。
高周波信号Shの高調波低減波形としては、正弦波と三角波と台形波と3以上のレベルの間でステップ状に変化する階段波を採用できる。換言すると、高周波信号Shは、正弦波と台形波と三角波と3以上のレベルの間でステップ状に変化する階段波のいずれかの波形を有する。なお、この明細書において、正弦波、三角波、台形波は、厳密な三角波、台形波、正弦波に限定されず、目視で三角波、台形波、正弦波であると判断できるものを含む。
図8に高調波低減波形の波形例(a)〜(d)を示す。波形例(a)は正弦波波形を示し、波形例(b)は三角波波形を示し、波形例(c)は台形波波形を示し、波形例(d)は3値の間でステップ状に変化する階段波波形の例を示している。波形例(a)〜(d)に示す高調波低減波形は高周波信号Shの高調波ノイズを低減できる。本実施形態では、注入部50の高周波信号Shは、3値の間でステップ状に変化する階段波波形を有する。参考のため、高調波低減波形ではない矩形波波形を波形例(e)に示す。
本発明者の検討により、電圧または電流の時間微分値(以下、単に「微分値」という)が大きな高周波信号Shをコイル22に加えると、コイル22から発散される高調波ノイズが多くなることが分かっている。換言すると、高周波信号Shの微分値を小さくすることにより高調波ノイズを低減できるといえる。矩形波や階段波のようにエッジがステップ状に変化する波形では、エッジの時間幅が一定であれば、各ステップの振幅が小さくなるにつれて微分値が小さくなるので、高調波ノイズが減少する。したがって、N値(N≧3の整数)の間でステップ状に変化する階段波は、2値の間でステップ状に変化する矩形波より高調波成分が小さいといえる。これらから、本実施形態の注入部50は、N値(N≧3の整数)の間でステップ状に変化する階段波を高周波信号Shとして注入する。この場合、各ステップの振幅が矩形波より小さいので、微分値を小さくして高調波ノイズの発散を低減できる。
図8の波形例(d)に示す階段波波形をさらに説明する。この階段波波形は、第1レベルL1、第2レベルL2および第3レベルL3の3レベルの間でステップ状に変化する。この波形では、第1レベルL1である期間と第3レベルL3である期間とは同じであってもよい。また、第2レベルL2である期間は第1レベルL1である期間と同じであってもよいし、短くてもよいし、長くてもよい。例えば、第2レベルL2である期間は第1レベルL1である期間の1/2倍〜2倍の範囲であってもよい。シミュレーションにより、この範囲で高調波含有率が低くなることが示唆された。
本実施形態では、高周波信号Shは、第1レベルL1と、第1レベルL1より低い第2レベルL2と、第2レベルL2より低い第3レベルL3との3つのレベルの間でステップ状に変化する階段波であって、高周波信号Shの1周期を100%とするとき、第1レベルL1の期間および第3レベルL3の期間は10%以上で40%以下に設定されている。
高周波信号Shの周波数fsを説明する。周波数fsが過度に低いと、可動子10の回転角の推定精度が低下する。このため、本実施形態では、高周波信号Shの周波数fsは、インバータ30のキャリヤ周波数fcより高く設定されている。例えば、インバータ30のキャリヤ周波数fcが6kHz〜8kHzである場合に、高周波信号Shの周波数fsは10kHz以上であってもよい。周波数fsが過度に高いと、後述する推定部40の動作が追いつかず誤動作することが考えられる。本発明者らの検討では、周波数fsが100kHz以下の範囲では、誤動作は殆ど観察されなかった。
高周波信号Shの周波数fsは、好ましくは10kHz以上、より好ましくは30kHz以上、さらに好ましくは50kHz以上に設定される。高周波信号Shの周波数fsは、好ましくは100kHz以下に設定される。シミュレーションでは、この範囲で所望の推定精度が得られ、誤動作の頻度は実用レベルであった。
注入された高周波信号Shによって、可動子10が移動すると、可動子10の回転角の推定精度が低下する。このため、本実施形態では、インバータ30は、高周波信号Shを注入するときに可動子10が移動しないように制御される。例えば、高周波信号Shの振幅を小さくすると、高周波信号Shによる可動子10の移動を抑制できる。また、高周波信号Shの周波数fsを高くすると、高周波信号Shによる可動子10の移動を抑制できる。これらのことから、高周波信号Shの注入で可動子10が移動しない範囲で、高周波信号Shの振幅および周波数fsを設定すればよい。なお、可動子10が移動しない範囲は、可動子10が移動しないと目視で判断できる範囲であればよい。
電流検知部28を説明する。図2に示すように、電流検知部28は、各相のコイル22に流れる各相の相電流を検知する電流検知回路28u、28v、28wを含む。電流検知回路28u、28v、28wは、検知結果として相電流Iu、Iv、Iwを出力する。相電流Iu、Iv、Iwを総称するときは検知電流28sという。つまり、電流検知部28は、検知結果として検知電流28sを出力する。電流検知回路28u、28v、28wとしては、DCCT(直流カレントトランス)や電流センス抵抗など、種々の電流センサを採用できる。本実施形態の電流検知回路28u、28v、28wは、ホール効果を利用して被測定電流の周りに生じる磁界を電圧に変換するホール素子方式電流センサである。この場合、直流から高周波まで電流に比例した出力が得られる点で有利である。
推定部40は、電流検知部28の検知電流28s(相電流Iu、Iv、Iw)から高周波信号Shに関連する情報を抽出してその抽出結果に基づいて可動子10の回転角等を推定して、その推定結果40eを出力する。コイル22の各相のインダクタンスは可動子10の磁石10mから受ける磁束密度に応じて変化するので、各相の電流からインダクタンスを求めてその比較結果に基づいて磁石10mの回転位相を推定できる。可動子10の回転角は、磁石10mの回転位相に基づき推定できる。可動子10の角加速度、角速度は、回転角を微分することで推定できる。この例の推定部40は、推定結果として可動子10の角加速度、角速度、回転角を出力する。角加速度、角速度、回転角を総称するときは推定結果40eという。推定部40については後述する。
制御部36は、相電流Iu、Iv、Iwを監視しながら、推定部40の推定結果40e(可動子10の回転角)に基づいて各相の駆動波形36nを生成する。PWM変調部32は、駆動波形36nに基づいて各相の各時刻において適切なゲート駆動信号32sを生成し、インバータ30のアームT1〜T6(パワートランジスタ)をスイッチングする。制御部36の制御方式は特に限定されず、矩形波駆動、正弦波駆動、ベクトル制御などに適用可能である。このうちベクトル制御は、アクチュエータ100のコイル22の電流を直交するd軸成分およびq軸成分に分解し、それぞれを個別に制御するものであり、正弦波駆動の一種とも言える。ベクトル制御は、制御効率が高いという利点を有するため、大電力用途にしばしば用いられる。
また、制御部36は、航空機1の操縦システム4からの指令信号36sに基づいて、推定結果40eをフィードバックしてアクチュエータ100を制御する。この例の制御部36は、アクチュエータ100に対してセンサレスベクトル制御を実行する。指令信号36sは、角加速度、角速度、回転角のいずれかであってもよい。以下、指令信号36sは、角速度ωsである例を示す。
図3は、制御部36の周辺の構成の一例を示すブロック図である。この図では、制御部36の説明に重要でない要素の記載を省略している。また、この図の接続線は、物理的な接続ではなく、機能ブロックの直接的または間接的な連携を意味する。符号Mは固定子20、可動子10、PWM変調部32、インバータ30および電流検知部28を一体に示しており、電流検知部28の検知電流28s(相電流Iu、Iv、Iw)を出力する。3−2相変換器36gは、3つの相電流Iu、Iv、Iwからd軸電流Id、q軸電流Iqを生成する。
推定部40は、d軸電流Id、q軸電流Iqおよびd軸電圧Vd、q軸電圧Vqから、可動子10の角加速度Ae、角速度ωe、回転角θeを推定する。速度コントローラ36cは、指令信号36sの角速度ωsと推定角速度ωeとの比較結果に基づいて駆動電流を決定する。
電流コントローラ36dは、速度コントローラ36cの決定結果とd軸電流Id、q軸電流Iqとの比較結果に基づいて駆動電圧を決定する。分離器36eは、電流コントローラ36dの決定結果と、d軸電流Id、q軸電流Iqおよび推定回転角θeに基づいてd軸電圧Vd、q軸電圧Vqを決定する。2−3相変換器36fは、d軸電圧Vd、q軸電圧Vqに基づいて3相の駆動波形36nを生成してPWM変調部32に出力する。
図3では、便宜的に、注入部50を電流コントローラ36dの入力側に接続しているが、高周波信号Shの注入点に限定はない。図3の例では、注入部50は、高周波信号Shをd軸高周波電流Idh、q軸高周波電流Iqhとして電流コントローラ36dに入力する。このように、高周波電流を入力することによりコイル22には、高周波信号Shが注入される。
推定部40を説明する。図4は、推定部40の構成の一例を示すブロック図である。この図では、推定部40の説明に重要でない要素の記載を省略している。また、この図の接続線は、物理的な接続ではなく、機能ブロックの直接的または間接的な連携を意味する。ここでは、高周波電流の注入による瞬時無効電力の位相情報を利用して可動子10の回転角を推定する手法を説明する。
図4の例では、推定部40は、検出電流であるd軸電流Id、q軸電流Iqと、電圧指令値であるd軸電圧Vd、q軸電圧Vqとに基づいて角加速度Ae、角速度ωe、回転角θeを推定する。推定部40は、高周波信号Shを中心とする周波数成分を抽出するバンドパスフィルタ40bと、EXOR演算器40fと、サンプルホールド器40hと、積分器40j、40kと、アップダウンカウンタ40mとを含む。バンドパスフィルタ40bは、主に高周波信号Shに関連する成分を通過させて、直流成分(オフセット)およびノイズ成分を除去する。
図4に示すように、推定部40では、バンドパスフィルタ40bにより直流成分とノイズ成分とが除去されたd軸電流Id、q軸電流Iq、d軸電圧Vdおよびq軸電圧Vqを乗算器や加算器を介して合成し、さらにオフセットを除去することにより高周波無効電力40dおよび基準位相信号40cを得る。また、高周波無効電力40dと基準位相信号40cとの排他的論理和40gをサンプルホールドして積分器40jで処理することにより推定角加速度Aeを生成する。また、推定角加速度Aeをさらに積分器40kで処理することにより推定角速度ωeを生成する。また、推定角速度ωeをアップダウンカウンタ40mで処理することにより推定回転角θeを生成する。
次に、高周波信号Shの注入形態を説明する。図5は、高周波信号Shの注入形態の第1の例を説明するブロック図である。第1の例では、高周波信号Shは、インバータ30のプラス側電源ライン30pに注入される。
混合部52は、供給電圧Vsに注入部50の高周波信号Shを混合する。混合部52は、高周波信号Shを混合できる構成であればよく、公知の種々の構成を採用できる。この例の混合部52は、ダイオード(不図示)によって供給電圧Vsに高周波信号Shを混合している。混合部52は、電圧供給部38とプラス側電源ライン30pとの間に設けられ、高周波信号Shが重畳された供給電圧Vsをプラス側電源ライン30pに供給する。
高周波信号Shの電圧が供給電圧Vsより低いと、高周波信号Shの注入が難しい。そこで、本実施形態では、高周波信号Shの電圧は、供給電圧Vsより高く設定される。
供給電圧Vsが高周波信号Shより高いと、高周波信号Shの注入が難しい。そこで、本実施形態の電圧供給部38は、高周波信号Shを注入するとき、インバータ30への供給電圧Vsを低下させる切替部58を有する。例えば、切替部58は、高周波信号Shの非注入時には電圧変換部37の電圧Vpをそのまま供給電圧Vsとして供給し、高周波信号Shの注入時には、供給電圧Vsを電圧Vpより低い電圧に低下させる。例えば、切替部58は、高周波信号Shの注入時に、供給電圧Vsを高周波信号Shより低くしてもよい。
切替部58は、電圧供給部38の供給電圧Vsを低下させうる構成であればよく、公知の種々の構成を採用できる。この例の切替部58は、半導体スイッチと分圧回路(ともに不図示)を組み合わせて供給電圧Vsを低下させる構成を有する。
高周波信号Shの注入を容易にする観点から、高周波信号Shを注入するとき、供給電圧Vsをオフにしてもよい。このため、本実施形態は、高周波信号Shを注入するとき、インバータ30の電圧供給部38の供給電圧Vsをオフにするオンオフ部56を有する。オンオフ部56は、供給電圧Vsのオンとオフとを切り替えできる構成であればよく、公知の種々の構成を採用できる。この例のオンオフ部56は、半導体スイッチ(不図示)によって供給電圧Vsのオンとオフとを切り替えている。
第1の例について、停止状態での可動子10の回転角を推定する動作を説明する。
(1)停止状態でオンオフ部56によって供給電圧Vsをオフにして、注入部50から混合部52を介して高周波信号Shをインバータ30のプラス側電源ライン30pに注入する。
(2)この状態で、インバータ30のハイサイドアームT1〜T3のうち1または2つをオンにするとともに、ローサイドアームT4〜T6のうち1または2つをオンにする。このとき、1相のレグでハイサイドアームとローサイドアームとが同時にオンしないように制御する。ここでは、ハイサイドアームT1、T2およびローサイドアームT6をオンした場合を説明する。
(3)高周波信号Shは、オンにされたハイサイドアームT1、T2からコイル22u、22vに供給され、コイル22wを通ってローサイドアームT6からマイナス側電源ライン30mに流れる。
(4)このとき、電流検知部28は、コイル22の電流を検知してその検知電流28sを推定部40に出力する。
(5)推定部40は、検知電流28sとインバータ30のオン状態とに応じて、可動子10の回転角を推定して推定回転角θeを制御部36に出力する。
(6)制御部36は、推定回転角θeに基づいて、駆動波形36nを決定する。駆動波形36nは、インバータ30のオンにするアームと、オフにするアームの情報を含む。
(7)制御部36は、供給電圧Vsをオンにしてインバータ30を動作させ、コイル22に駆動電流を供給し、可動子10を回転させる。
(8)可動子10が回転したら、コイル22の逆起電力に基づいてインバータ30を制御してもよいが、本実施形態では、所定のタイミングで高周波信号Shを注入して推定部40の推定回転角θeに基づいてインバータ30を制御する。
次に、高周波信号Shの注入形態の第2の例を説明する。図6は、高周波信号Shの注入形態の第2の例を説明するブロック図である。第2の例では、高周波信号Shは、インバータ30とコイル22の間に注入される。第2の例は、第1の例に対して混合部52の構成が異なり、切替部58およびオンオフ部56の構成は同様である。したがって、混合部52および動作の相違点を説明する。
この例の混合部52は、U〜W相に対応する第1〜第3混合部52u、52v、52wを含む。図6の例では、第1〜第3混合部52u、52v、52wは、インバータ30のU相レグ、V相レグおよびW相レグの出力と各相のコイル22u、22v、22wとの間に介在し、高周波信号Shをコイル22に直接注入する。
高周波信号Shをインバータ30とコイル22の間に注入する場合、注入部50の高周波信号Shがインバータ30の動作と相互干渉することが考えられる。このため、本実施形態では、高周波信号Shをインバータ30とコイル22の間に注入するとき、インバータ30の一部または全部をオフにしている。例えば、このとき、インバータ30のハイサイドアームT1〜T3とローサイドアームT4〜T6の一方をオフにしてもよいし、両方をオフにしてもよい。なお、注入された高周波信号Shのマイナス側電源ライン30mへの電流路を確保するために、ローサイドアームの一部を所定のタイミングでオンにしてもよい。
高周波信号Shの注入形態の第3の例を説明する。図7は、高周波信号Shの注入形態の第3の例を説明するブロック図である。第3の例では、高周波信号Shは、インバータ30の出力に注入される。第3の例は、切替部58およびオンオフ部56の構成および動作は第2の例と同様である。
図7に示すように、注入部50は、インバータ30のトランジスタとは別のトランジスタT11、T12、T13、T14、T15、T16と、信号発生部50gとを有する。この例のトランジスタT11〜T16は、パワートランジスタである。この例では、高周波信号Shを注入するとき、インバータ30のハイサイドアームT1〜T3とローサイドアームT4〜T6の一部がオフになり、トランジスタT11〜T16からコイル22に高周波信号Shが注入される。
注入部50は、各相に対応する3つのレグを含む。各レグは、プラス側ライン50pに接続されるハイサイドトランジスタT11〜T13と、マイナス側ライン50mに接続されるローサイドトランジスタT14〜T16を含む。ハイサイドトランジスタT11〜T13のエミッタと、ローサイドトランジスタT14〜T16のコレクタとの接続点にレグ出力部Q1〜Q3が設けられる。各相のレグ出力部Q1〜Q3は、各相のコイル22u、22v、22wに接続される。トランジスタT11〜T16の各ベースは、信号発生部50gに接続される。
信号発生部50gは、レグ出力部Q1〜Q3から所定の波形の高周波信号Shを出力するための原信号を生成する。各レグは、信号発生部50gで生成された原信号を増幅する増幅器として機能する。
プラス側ライン50pは、電圧変換部37に接続されており、電圧Vpが供給される。マイナス側ライン50mは、電圧変換部37のマイナス側端子37gに接続される。トランジスタT11〜T16の各ベースが信号発生部50gに駆動されることによって、レグ出力部Q1〜Q3には、第1レベルL1、第2レベルL2および第3レベルL3の3レベルの間でステップ状に変化する階段波波形の高周波信号Shが出力される。この高周波信号Shは、コイル22u、22v、22wに注入される。
トランジスタT11〜T16は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)あるいはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのパワートランジスタである。これらのトランジスタは、Si(シリコン)、SiC(シリコンカーバイド)、GaN(窒化ガリウム)、Ga2O3(酸化ガリウム)等で製作されてもよい。トランジスタT11〜T16は、アームT1〜T6と同じトランジスタであってもよい。
高周波信号Shをインバータ30の出力に注入する場合、注入部50の高周波信号Shがインバータ30の動作と相互干渉することが考えられる。このため、本実施形態では、高周波信号Shをインバータ30の出力に注入するとき、インバータ30の一部または全部をオフにしている。例えば、このとき、インバータ30のハイサイドアームT1〜T3とローサイドアームT4〜T6の一方をオフにしてもよいし、両方をオフにしてもよい。なお、注入された高周波信号Shのマイナス側電源ライン30mへの電流路を確保するために、ローサイドアームの一部を所定のタイミングでオンにしてもよい。
図2を参照して、変動検知部44と、補正部46とを説明する。電源の僅かな変動やノイズなどに起因して推定部40の推定結果40eに誤差が含まれる可能性がある。この誤差は、被駆動体2の動作を通じて航空機1の姿勢に影響を及ぼす可能性がある。そこで、本実施形態のアクチュエータ100は、推定部40の推定結果40eを監視し、推定結果40eの異常を検知する変動検知部44と、変動検知部44の検知結果44eに基づいて推定結果40eを補正する補正部46とを備える。
変動検知部44は、推定結果40eを監視し、所定範囲を超えた推定結果40eの急激な変動を検知する。例えば、変動検知部44は、正常時の推定結果40eの変動パターンを機械学習することによりモデルを生成し、そのモデルを用いて、推定結果40eの正常時の変動パターンからの乖離率を求め、その乖離率が閾値を超えたら異常と判定する。
補正部46は、変動検知部44が推定結果40eの異常を検知したら、推定結果40eを補正する補正値46eを生成する。補正部46は、推定結果40eの異常な変動を緩和するように、推定結果40eに補正値46eを重畳する。この結果、推定結果40eの異常に起因する航空機1の姿勢への影響を低減できる。
図2を参照して、診断部47を説明する。アクチュエータ100は、自己診断するために診断部47を備える。一例として、診断部47は、電流検知部28で検知されたコイル電流Iu、Iv、Iwをもとにアクチュエータ100の状態を診断した結果を操縦システム4に送信する。診断部47は、コイル電流Iu、Iv、Iwの変化パターンを監視し、この電流の変化パターンが定常範囲内か否かを診断する。例えば、診断部47は、正常時の電流の変化パターンを機械学習することによりモデルを生成し、そのモデルを用いて、電流の変化パターンの正常時の変動パターンからの乖離率を求め、その乖離率が閾値を超えたら異常と判定する。診断部47は、乖離率と判定結果の少なくとも一方を診断結果47eとして操縦システム4に送信する。操縦システム4は、診断結果47eに応じて所定の動作ができる。例えば、操縦システム4は、診断結果47eに応じて切替指令信号48cを切替部48に供給する。
図2を参照して、切替部48を説明する。アクチュエータ100の故障率を下げる観点で、アクチュエータ100の各コンポーネントは二重化されることが望ましい。アクチュエータ100では、各コンポーネントがマスターとスレーブとに二重化され、これらが切り替え可能に構成される。特に、アクチュエータ100では、インバータ30、電機子コイル22、可動子10、制御部36、注入部50、電流検知部28および推定部40の少なくともひとつはマスターとスレーブとに二重化されている。
図2において、マスター48mは、インバータ30、電機子コイル22、可動子10、制御部36、注入部50、電流検知部28および推定部40の少なくともひとつ(以下、「マスターコンポーネント」という)である。スレーブ48sは、マスター48mのマスターコンポーネントに対応する切替用のコンポーネント(以下、「スレーブコンポーネント」という)である。つまり、スレーブコンポーネントは、マスターコンポーネントをバックアップするためのコンポーネントである。
切替部48は、診断部47の診断結果47eまたは操縦システム4からの切替指令信号48cに応じてマスターコンポーネントとスレーブコンポーネントとを切り替える。診断部47の診断結果47eが正常を示すとき、切替部48はマスターコンポーネントを選択し、アクチュエータ100はマスターコンポーネントによって動作する。診断部47の診断結果47eが非正常を示すとき、切替部48はスレーブコンポーネントに切り替え、アクチュエータ100はスレーブコンポーネントによって動作する。つまり、アクチュエータ100は、非正常時に各コンポーネントをバックアップできる。
次に、本発明の第1実施形態に係る航空機用アクチュエータ100の特徴を説明する。アクチュエータ100は、航空機1の電力に基づいて駆動されるインバータ30と、インバータ30に通電駆動される電機子コイル22を有する固定子20と、固定子20との磁気的な相互作用により、航空機1の尾翼の舵面、主翼の可動翼、滑走用の車輪を支持する着陸脚および液体ポンプの少なくとも1つに駆動力を付与する可動子10と、航空機1の操縦システム4からの指令信号36sに応じてインバータ30の動作を制御する制御部36と、正弦波と台形波と三角波と3以上のレベルの間でステップ状に変化する階段波のいずれかの波形を有する高周波信号Shを、コイル22に注入する注入部50と、コイル22に流れるコイル電流Iu、Iv、Iwを検知する電流検知部28と、電流検知部28で検知されたコイル電流Iu、Iv、Iwの高周波信号Shに関連する成分に基づいて可動子10の位置を推定する推定部40とを備える。
この構成によれば、高調波低減波形を有する高周波信号Shを用いるので、航空機1の電子機器に悪影響を与える高調波ノイズの発散を抑制して航空機1への悪影響を抑制できる。
アクチュエータ100は、起動後に連続的に動作するように構成されている。この場合、連続的に動作するので、再起動によるタイムラグが無く、被駆動体2が円滑に動作する。
アクチュエータ100は、航空機1の駐機中は動作を停止するように構成されている。この場合、アクチュエータ100の劣化を抑制し、故障率を低減できる。
アクチュエータ100は、電流検知部28で検知されたコイル電流Iu、Iv、Iwをもとに本アクチュエータの状態を診断した結果を操縦システム4に送信する診断部47を備えている。この場合、アクチュエータ100は、各部の劣化状態を自己診断できる。操縦システム4は、診断結果を報知できる。
アクチュエータ100は、インバータ30、電機子コイル22、可動子10、制御部36、注入部50、電流検知部28および推定部40の少なくともひとつはマスター48mとスレーブ48sとに二重化されており、診断部47の診断結果47eに応じてマスター48mとスレーブ48sとを切り替える切替部48を備えている。この場合、アクチュエータ100の各コンポーネントが二重化されているので故障率を低減できる。アクチュエータ100は、診断結果47eに応じて、マスター48mからスレーブ48sへ自動で切り替えを行うこともできる。また、マスター48mとスレーブ48sが同期して稼働している場合、どちらかに問題が発生した場合に診断部47の診断結果47eに応じてマスター48m又はスレーブ48sを停止することも切替部48で可能となる。なお、マスター48m及びスレーブ48sはアクチュエータの構成として含めず、診断部47の診断結果47eによっては切替部を通さず、アクチュエータ自体のシステムを停止する判断機能を有する判断部を用いてアクチュエータ自体のシステムを停止してもよい。
アクチュエータ100は、推定部40の推定結果40eを監視して当該推定結果40eの異常を検知する変動検知部44と、変動検知部44の検知結果44eに基づいて推定結果40eを補正する補正部46とを備えている。この場合、推定結果40eが異常な場合に、推定結果40eを補正して、航空機1の姿勢への影響を低減できる。
アクチュエータ100では、注入部50は、インバータ30とは別にインバータ30の出力に接続される別のトランジスタT11〜T16を有し、当該別のトランジスタT11〜T16からコイル22に高周波信号Shを注入する。この場合、高周波信号Shをコイル22に直接注入できる。別のトランジスタから注入するため、所望のレベルの高周波信号Shを容易に注入できる。コイル22までの配線距離が短くできるため高調波ノイズの漏洩を低減できる。
アクチュエータ100では、高周波信号Shの振幅および周波数は可動子10が移動しない範囲に設定される。この場合、高周波信号Shの注入によるアクチュエータ100の誤動作を防止できる。
アクチュエータ100では、高周波信号Shの周波数はインバータ30のキャリヤ周波数より高く設定される。この場合、可動子10の位置を推定する精度が高くなるのでアクチュエータの誤動作を防止できる。
アクチュエータ100では、高周波信号Shは、第1レベルL1と、第1レベルL1より低い第2レベルL2と、第2レベルL2より低い第3レベルL3との3つのレベルの間でステップ状に変化する階段波であって、高周波信号Shの1周期を100%とするとき、第1レベルL1の期間および第3レベルL3の期間は20%以上で40%以下に設定されている。この場合、高周波信号Shに含まれる高調波ノイズを低減できる。
以上が第1実施形態の説明である。
[第2実施形態]
次に、図9を参照して、本発明の第2実施形態に係る航空機用アクチュエータ100の駆動方法S100を説明する。図9は、航空機用アクチュエータ100の駆動方法S100を示すフローチャートである。第2実施形態の説明および図面では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
本実施形態の駆動方法S100は、アクチュエータ100の電機子コイル22に、正弦波と台形波と三角波と3以上のレベルの間でステップ状に変化する階段波のいずれかの波形を有する高周波信号Shを注入するステップS102と、コイル22に流れるコイル電流Iu、Iv、Iwを検知する検知ステップS104と、検知ステップS104で検知されたコイル電流Iu、Iv、Iwの高周波信号Shに関連する成分に基づいて可動子10の位置を推定する推定ステップS106とを含む。
駆動方法S100は、さらに、駆動波形36nを生成するステップS108と、ゲート駆動信号32sを生成するステップS110と、インバータ30のアームT1〜T6をスイッチングするステップS112とを含む。ステップS108では、制御部36は、相電流Iu、Iv、Iwを監視しながら、ステップS106で推定された可動子10の回転角θeに基づいて各相の駆動波形36nを生成する。ステップS110では、PWM変調部32は、駆動波形36nに基づいて各相の各時刻において適切なゲート駆動信号32sを生成する。ステップS112では、PWM変調部32は、ゲート駆動信号32sによりインバータ30のアームT1〜T6をスイッチングする。
アームT1〜T6がスイッチングされることにより、コイル22に駆動電流が流れ、航空機用アクチュエータ100が駆動される。このフローはあくまでも一例であり、他のステップを追加したり、一部のステップを変更または削除したり、ステップの順序を入れ替えてもよい。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
[第3実施形態]
次に、図10を参照して、本発明の第3実施形態に係る航空機用アクチュエータのドライバ60を説明する。図10は、ドライバ60を示すブロック図である。第3実施形態の説明および図面では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
ドライバ60は、インバータ30と、注入部50と、電流検知部28と、推定部40と、制御部36とを含む回路ユニットである。ドライバ60は、1チップまたは複数チップのドライバICで構成できる。ドライバ60は、変動検知部44と、補正部46とをさらに含んでもよい。ドライバ60は、診断部47と、切替部48とをさらに含んでもよい。
第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
[第4実施形態]
次に、図11を参照して、本発明の第4実施形態に係る航空機用アクチュエータシステム200を説明する。図11は、航空機用アクチュエータシステム200を示すブロック図である。第4実施形態の説明および図面では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。第4実施形態の説明では、符号の末尾に「−A」、「−B」を付加して、複数の構成要素を区別する。
航空機用アクチュエータシステム200は、共通の被駆動体を駆動する第1実施形態の航空機用アクチュエータ100である第1アクチュエータ100−Aおよび第2アクチュエータ100−Bと、第1アクチュエータ100−Aを駆動する第1電圧供給部38−Aと、第1電圧供給部38−Aとは別であるとともに第2アクチュエータ100−Bを駆動する第2電圧供給部38−Bとを含む。第1電圧供給部38−Aおよび第2電圧供給部38−Bは、互いに異なるエンジンの軸力で発電された電力に基づいて電圧を供給してもよいし、共通のエンジンの軸力で発電された電力に基づいて電圧を供給してもよい。また、第1電圧供給部38−Aおよび第2電圧供給部38−Bは、互いに異なるバッテリー等の電力に基づいて電圧を供給してもよいし、共通のバッテリー等の電力に基づいて電圧を供給してもよい。
第1アクチュエータ100−Aおよび第2アクチュエータ100−Bは、航空機1の操縦システム4からの共通の指令信号36sに基づいて制御されてもよいし、別々の指令信号に基づいて制御されてもよい。第1アクチュエータ100−Aおよび第2アクチュエータ100−Bは、共通の伝達装置を介して共通の被駆動体を駆動するように構成されている。
第4実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。加えて、第4実施形態では、電圧供給部38およびアクチュエータ100が二重化されているので、一方の電圧供給部またはアクチュエータが故障した場合でも、他方の電圧供給部とアクチュエータが動作して所定の機能を果たすため、システムとしての故障率を低くすることができる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明した。上述した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除などの多くの設計変更が可能である。上述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態の」「実施形態では」等との表記を付して説明しているが、そのような表記のない内容に設計変更が許容されないわけではない。
[変形例]
以下、変形例について説明する。変形例の説明および図面では、実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
第1実施形態の説明では、高周波信号Shの周波数が時間軸に対して変化せず一定である例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、高周波信号Shの周波数は、時間軸に対して周期的に変化してもよい。高周波信号Shの周波数を周期的に変化させることにより、高調波ノイズの周波数が分散化され、特定周波数域に発生するノイズのピークを時間軸で抑制できる。
第1実施形態の説明では、可動子10が回転する例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、可動子は直線運動してもよい。
第1実施形態の説明では、電機子コイル22が3相である例を示したが、本発明はこれに限られない。電機子コイルは、2相または4相以上であってもよい。
第1実施形態の説明では、アクチュエータ100が埋め込み磁石型モータである例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、アクチュエータは表面磁石型モータや、その他の種類のモータであってもよい。
第1実施形態の説明では、アクチュエータ100が、航空機1の水平飛行などの飛行中に連続的に動作する例を示したが、本発明はこれに限られない。アクチュエータは、水平飛行などの飛行中に断続的に動作してもよい。この場合、アクチュエータの劣化を抑制できる。
第1実施形態の説明では、アクチュエータ100が、航空機1の駐機中は動作を停止する例を示したが、本発明はこれに限られない。アクチュエータは、駐機中にも動作してもよい。この場合、再起動によるタイムラグの影響がなくなる。
上述の各変形例は、第1実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
上述した実施形態と変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
1・・・航空機、10・・・可動子、20・・・固定子、22・・・コイル、28・・・電流検知部、28s・・・検知電流、30・・・インバータ、36・・・制御部、38・・・電圧供給部、40・・・推定部、50・・・注入部、52・・・混合部、56・・・オンオフ部、58・・・切替部、60・・・ドライバ、100・・・航空機用アクチュエータ、S100・・・駆動方法、200・・・航空機用アクチュエータシステム。

Claims (10)

  1. 航空機の電力に基づいて駆動されるインバータと、
    前記インバータに通電駆動される電機子コイルを有する固定子と、
    前記固定子との磁気的な相互作用により、前記航空機の尾翼の舵面、主翼の可動翼、滑走用の車輪を支持する着陸脚および液体ポンプの少なくとも1つに駆動力を付与する可動子と、
    前記航空機の操縦システムからの指令信号に応じて前記インバータの動作を制御する制御部と、
    正弦波と台形波と三角波と3以上のレベルの間でステップ状に変化する階段波のいずれかの波形を有する高周波信号を、前記コイルに注入する注入部と、
    前記コイルに流れるコイル電流を検知する電流検知部と、
    前記電流検知部で検知された前記コイル電流の前記高周波信号に関連する成分に基づいて前記可動子の位置を推定する推定部と
    を備える航空機用アクチュエータ。
  2. 前記電流検知部で検知された前記コイル電流をもとに本アクチュエータの状態を診断した結果を前記操縦システムに送信する診断部をさらに備える請求項1に記載の航空機用アクチュエータ。
  3. 前記インバータ、前記コイル、前記可動子、前記制御部、前記注入部、前記電流検知部および前記推定部の少なくともひとつはマスターとスレーブとに二重化されており、前記診断部の診断結果に応じて前記マスターと前記スレーブとを切り替える切替部をさらに備える請求項2に記載の航空機用アクチュエータ。
  4. 前記推定部の推定結果を監視して当該推定結果の異常を検知する変動検知部と、
    前記変動検知部の検知結果に基づいて前記推定結果を補正する補正部とをさらに備える
    請求項1から3のいずれか1項に記載の航空機用アクチュエータ。
  5. 前記注入部は、前記インバータとは別に前記インバータの出力に接続される別のトランジスタを有し、前記別のトランジスタから前記コイルに前記高周波信号を注入する
    請求項1から4のいずれか1項に記載の航空機用アクチュエータ。
  6. 前記高周波信号の振幅および周波数は前記可動子が移動しない範囲に設定される
    請求項1から5のいずれかに記載の航空機用アクチュエータ。
  7. 前記高周波信号の周波数は前記インバータのキャリヤ周波数より高く設定される
    請求項6に記載の航空機用アクチュエータ。
  8. 前記高周波信号は、第1レベルと、前記第1レベルより低い第2レベルと、前記第2レベルより低い第3レベルとの3つのレベルの間でステップ状に変化する階段波であって、
    前記高周波信号の1周期を100%とするとき、前記第1レベルの期間および前記第3レベルの期間は10%以上で40%以下に設定されている
    請求項1から7のいずれかに記載の航空機用アクチュエータ。
  9. 航空機の電力に基づいて駆動されるインバータと、前記インバータに通電駆動される電機子コイルを有する固定子と、前記固定子との磁気的な相互作用により、前記航空機の尾翼の舵面、主翼の可動翼、滑走用の車輪を支持する着陸脚および液体ポンプの少なくとも1つに駆動力を付与する可動子と、前記航空機の操縦システムからの指令信号に応じて前記インバータの動作を制御する制御部とを含む航空機用アクチュエータの前記コイルに、
    正弦波と台形波と三角波と3以上のレベルの間でステップ状に変化する階段波のいずれかの波形を有する高周波信号を注入するステップと、
    前記航空機の操縦システムからの指令信号に応じて前記インバータの動作を制御する制御ステップと、
    前記コイルに流れるコイル電流を検知する検知ステップと、
    前記検知ステップで検知された前記コイル電流の前記高周波信号に関連する成分に基づいて前記可動子の位置を推定する推定ステップと
    を含む航空機用アクチュエータの駆動方法。
  10. 共通の被駆動体を駆動する請求項1に記載の航空機用アクチュエータである第1アクチュエータおよび第2アクチュエータと、
    前記第1アクチュエータを駆動する第1電圧供給部と、
    前記第1電圧供給部とは別であるとともに前記第2アクチュエータを駆動する第2電圧供給部と
    を含む航空機用アクチュエータシステム。
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