JP2020173958A - マイクロ波加熱装置及びマイクロ波加熱方法 - Google Patents

マイクロ波加熱装置及びマイクロ波加熱方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020173958A
JP2020173958A JP2019074883A JP2019074883A JP2020173958A JP 2020173958 A JP2020173958 A JP 2020173958A JP 2019074883 A JP2019074883 A JP 2019074883A JP 2019074883 A JP2019074883 A JP 2019074883A JP 2020173958 A JP2020173958 A JP 2020173958A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat generation
microwave
generation pattern
heated
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019074883A
Other languages
English (en)
Inventor
賢司 金澤
Kenji Kanazawa
賢司 金澤
聖 植村
Sei Uemura
聖 植村
西岡 将輝
Masateru Nishioka
将輝 西岡
考志 中村
Takashi Nakamura
考志 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2019074883A priority Critical patent/JP2020173958A/ja
Publication of JP2020173958A publication Critical patent/JP2020173958A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Constitution Of High-Frequency Heating (AREA)

Abstract

【課題】はんだ等の被加熱対象物を、優れた選択性で、かつ高効率に、加熱・溶融させることを可能とするマイクロ波加熱を提供する。【解決手段】マイクロ波照射空間と、マイクロ波照射空間内に配され、マイクロ波によって加熱される発熱パターン60を有する支持体50とを備え、支持体50へのマイクロ波照射により発熱パターン60を選択的に加熱するマイクロ波加熱装置。【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロ波加熱装置及びマイクロ波加熱方法に関する。
プリンテッドエレクトロニクスにおける、印刷電極パターンの加熱プロセスなどでは、シート状物質(基材)の表面に配した電子部品の電気的な接続のために、はんだ付けが行われる。このはんだ付けを連続的な加熱、溶融処理により行うことができれば、プリンテッドエレクトロニクス工程の自動化や省力化につながるなど、生産コストや品質向上につながる。
電子部品の実装に電磁波を吸収して発熱する発熱体を利用することが報告されている。また、誘導加熱(IH)を用いた実装プロセスも提案されている。例えば特許文献1には、電極および実装部品を選択的にはんだで接合することが開示されている。具体的には、実装領域をコイルで囲い、そのコイルに対向する位置にフェライト材を配置することによって、コイルの周りに磁束を発生させる。発生した磁束がフェライトを伝わって集束し、実装領域に限定した誘導加熱が行われ、その加熱によって、電極および実装部品を選択的にはんだで接合することができるとされる。
マイクロ波を用いた加熱は、被加熱対象物を直接発熱させるため短時間に加熱でき、また熱伝導に起因する温度ムラが少なくできる利点がある。さらに、非接触で加熱できる、マイクロ波吸収の良いものだけを選択的に加熱できるなどの利点がある。
マイクロ波による効率的な加熱技術に関し、マイクロ波などの電磁波を吸収して発熱するフェライトを用いることが報告されている。例えば特許文献2には、電子レンジ用調理皿であるセラミックス成型体に特定組成のMgCu系フェライト粒子を分散させることにより、マイクロ波で調理器具本体を発熱させ、その熱で食材を加熱して調理することが開示されている。また、特許文献3、4には、フェライト粉末を微量に含有した発熱体を、マイクロ波を用いて加熱し、食品等を加熱、調理することが開示されている。また特許文献5には、特定組成のY型六方晶フェライトを調理用器具に含有させて、電子レンジ用の調理用器具として用いることが開示されている。
特開2017−163015号公報 特開2010−6617号公報 特開2012−218970号公報 特開2013−111107号公報 特開2013−239459号公報
マイクロ波加熱には上記のような種々の利点がある。しかし、プリンテッドエレクトロニクスにおいてマイクロ波加熱を利用して電子部品のはんだ付け等を行う場合、はんだや電子部品のサイズは、はんだ溶融プロセスに大きく影響する。すなわち、一般的に微小な部材はマイクロ波を十分に吸収しないために、はんだの溶融が不十分となる場合がある。そのため、マイクロ波加熱を利用した微小サイズの電子部品等の実装には技術的な制約がある。
本発明は、はんだ等の被加熱対象物を、優れた選択性で、かつ高効率に、加熱・溶融させることを可能とするマイクロ波加熱装置及びマイクロ波加熱方法を提供することを課題とする。
本発明の上記課題は下記の手段により解決される。
[1]
マイクロ波照射空間と、前記マイクロ波照射空間内に配され、該マイクロ波によって加熱される発熱パターンを有する支持体とを備え、前記支持体へのマイクロ波照射により前記発熱パターンを選択的に加熱するマイクロ波加熱装置。
[2]
前記の支持体が有する発熱パターンの加熱により、前記支持体上に配した基材上の被加熱対象物を該発熱パターンに対応して加熱する、[1]に記載のマイクロ波加熱装置。
[3]
前記被加熱対象物が、電子部品を固定するためのはんだである、[2]に記載のマイクロ波加熱装置。
[4]
前記の支持体が有する発熱パターンは、強磁性体及び非磁性体のいずれか1種、又は2種以上を組み合わせた、薄膜、粉末の集合体又は液体によって形成される[1]〜[3]のいずれかに記載のマイクロ波加熱装置。
[5]
前記マイクロ波照射空間は、シングルモードの定在波が形成される空胴共振器内の空間であり、前記マイクロ波照射空間における電界強度が極小で磁界強度が極大となる磁界領域若しくは磁界強度が極小で電界強度が極大となる電界領域に前記支持体を配する、[1]〜[4]のいずれかに記載のマイクロ波加熱装置。
[6]
前記空胴共振器が円筒型のマイクロ波照射空間を有する空胴共振器である[5]記載のマイクロ波加熱装置。
[7]
前記マイクロ波加熱装置は、被加熱対象物を有する基材が通過して該基材を前記マイクロ波照射空間内に搬入するための、前記空胴共振器の胴部壁に配した入口と、前記基材が通過して該基材を前記マイクロ波照射空間内から搬出するための、前記空胴共振器の胴部壁に配した出口と、前記支持体を、前記入口から搬入し、前記磁界領域を通過して前記出口から搬出する搬送機構とを有し、前記マイクロ波照射空間内には、該マイクロ波照射空間の円筒中心軸に沿って磁界強度が一様かつ極大となるTMn10(nは1以上の整数)モード若しくはTE10n(nは1以上の整数)モードの定在波が形成される、[6]に記載のマイクロ波加熱装置。
[8]
前記マイクロ波照射空間に、前記円筒中心軸に沿って磁界強度が一様となるTM110モードの定在波が形成される、[7]に記載のマイクロ波加熱装置。
[9]
前記支持体上に前記発熱パターンを形成する第一群装置と、前記支持体と基材とを重ね合わせた状態にしたときに前記発熱パターン上となる位置の前記基材上に被加熱対象物を配する第二群装置とを備え、前記マイクロ波加熱装置によって、前記支持体と前記基材とを重ね合わせた状態で前記発熱パターンを加熱することによって、前記被加熱対象物を加熱する[1]〜[8]のいずれかに記載のマイクロ波加熱装置。
[10]
前記マイクロ波加熱装置が、1つ若しくは複数の前記マイクロ波照射空間を有する[1]〜[9]のいずれかに記載のマイクロ波加熱装置。
[11]
被加熱対象物が配された基材と、該被加熱対象物に対応していてマイクロ波によって加熱される発熱パターンを有する支持体とを重ね合わせて積層体とする工程と、前記積層体を円筒型の空胴共振器内に搬送する工程と、前記円筒型の空胴共振器内に定在波を形成して、円筒中心軸に沿って磁界強度が一様かつ極大となる磁界領域を形成することにより前記発熱パターンを加熱し、該発熱パターンの発熱によって前記被加熱対象物を加熱する工程とを含むマイクロ波加熱方法。
[12]
前記発熱パターンは、前記磁界領域の磁界の作用により生じる磁気損失による発熱、及び前記磁界領域の磁界により前記発熱パターン内に発生される誘導電流による発熱のいずれか一方又は両方の発熱作用により加熱される[11]に記載のマイクロ波加熱方法。
[13]
前記定在波は、TMn10(nは1以上の整数)モード若しくはTE10n(nは1以上の整数)モードである[11]又は[12]に記載のマイクロ波加熱方法。
[14]
前記空胴共振器内の前記定在波の形成状態を維持するために、該空胴共振器に形成された定在波の共振周波数の変化に対応して、該空胴共振器に供給するマイクロ波の周波数を自動調整することを含む[11]〜[13]のいずれかに記載のマイクロ波加熱方法。
本明細書における「実装」とは、電子部品を基材に配した電極パターンに取り付ける技術を意味する。また、「電子部品」とは、半導体素子、集積回路(IC)等の電子部品の他に、抵抗、コンデンサ、インダクタ等の受動素子、更に、各種測定素子や撮像素子等のセンサ、受光素子や発光素子等の光素子、音響素子等を含めた広義の意味で用いる。
本発明のマイクロ波加熱装置及びマイクロ波加熱方法は、はんだ等の被加熱対象物を、優れた選択性で、かつ高効率に加熱・溶融させることを、可能とする。
本発明のマイクロ波加熱装置の要部の好ましい一例を模式的に示した斜視図である。(A)図はマイクロ波照射前で、支持体に基材を重ね合わせる前の状態を示した斜視図(A部を拡大した部分断面斜視図も含む)であり、(B)図は支持体に基材を重ね合わせた後で、マイクロ波を照射している状態を示した斜視図である。 本発明のマイクロ波加熱装置の好ましい全体構成の一例を模式的に示したブロック図であり、空胴共振器を概略断面図で示した図である。 本発明のマイクロ波加熱装置を用いたはんだ実装装置の好ましい全体構成の一例を模式的に示したブロック図である。 本発明のマイクロ波加熱装置を用いた別のはんだ実装装置の好ましい全体構成の一例を模式的に示したブロック図である。 銀ペーストの発熱パターンのマイクロ波加熱の状態を示した写真及び図面である。(A)図はマイクロ波加熱前の発熱パターンを示した図面代用写真であり、(B)図はマイクロ波加熱前の発熱パターンの温度分布図であり、(C)図はマイクロ波加熱60秒後の発熱パターンの温度分布図である。 ニッケルペーストの発熱パターンのマイクロ波加熱の状態を示した写真及び図面である。(A)図はマイクロ波加熱前の発熱パターンを示した図面代用写真であり、(B)図はマイクロ波加熱前の発熱パターンの温度分布図であり、(C)図はマイクロ波加熱60秒後の発熱パターンの温度分布図である。 電子部品のはんだ実装前とはんだ実装後を示した図である。(A)図はマイクロ波加熱前の基材6を電子部品側からみた図面代用写真であり、(B)図はマイクロ波加熱前の基材6を電子部品側からみた温度分布図である。(C)図はマイクロ波加熱60秒後の基材6を電子部品側からみた図面代用写真であり、(D)図はマイクロ波加熱60秒後の基材6の電子部品側からみた温度分布図である。 電子部品のはんだ実装前とはんだ実装後を示した図である。(A)図はマイクロ波加熱前の基材6を電子部品側からみた図面代用写真であり、(B)図はマイクロ波加熱前の基材6の電子部品側からみた温度分布図である。(C)図はマイクロ波加熱60秒後の基材6を電子部品側からみた図面代用写真であり、(D)図はマイクロ波加熱60秒後の基材6の電子部品側からみた温度分布図である。 比較例1のはんだ加熱前とはんだ加熱後を示した図である。(A)図はマイクロ波加熱前の基材6を電子部品側からみた図面代用写真であり、(B)図はマイクロ波加熱前の電子部品側からみた基材6の温度分布図である。(C)図はマイクロ波加熱60秒後の基材6を電子部品側からみた図面代用写真であり、(D)図はマイクロ波加熱60秒後の電子部品側からみた基材6の温度分布図である。 実施例4におけるマイクロ波加熱50秒後の発熱パターンの温度分布図である。
以下に、本発明のマイクロ波加熱装置の要部の好ましい一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、マイクロ波加熱装置10は、マイクロ波照射空間を有し、マイクロ波照射空間内に、支持体50が配される。支持体50は、該マイクロ波によって加熱される発熱パターン60を有する。支持体50それ自体の材質は該マイクロ波の吸収が抑制されたものであることが好ましい。すなわち、支持体へのマイクロ波照射により発熱パターン60が選択的に加熱されることが好ましい。上記「マイクロ波の吸収が抑制された」とは、マイクロ波損失係数(εr・tanδ)が小さいことを意味する。例えば、損失係数が好ましくは500×10−4(例えばガラスの損失係数)以下、より好ましくは5.2×10−4(例えばポリエチレンの損失係数)以下、さらに好ましくは4×10−4(例えばポリテトラフルオロエチレンの損失係数)以下の誘電体により支持体50を構成することが好ましい。このような誘電体は、マイクロ波エネルギーを殆ど吸収せずに透過する。また誘電体の両面(空気と誘電体の境界面)ではマイクロ波エネルギーの若干の反射が発生する。
支持体50は、マイクロ波を透過し易い樹脂、酸化物、セラミックス(無機化合物の成形体)等の誘電体で形成されることが好ましい。樹脂としては、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のシート状や板状のものが挙げられる。また、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化鉄(Fe)、酸化スズ(SnO)、酸化チタン(TiO)等の酸化物、塩化マンガン(MnCl)等で形成されるシート状(テープ状も含む)や板状のものが挙げられる。これらの支持体50は、はんだの融点以上の耐熱性を有することが好ましい。
発熱パターン60は、後述する基材6上に配した電極パターン7上の被加熱対象物(例えば、はんだ)8の配置に合せて、被加熱対象物8が該発熱パターン60に対応した位置となるように支持体50上に配されることが好ましい。「対応した位置」とは、例えば、発熱パターン60の上方でかつ発熱パターン60の加熱された熱が伝熱可能な距離にある位置である。また、発熱パターン60の下方かつ発熱パターンの加熱された熱が伝熱可能な距離に被加熱対象物8が配されても良い。例えば、発熱パターン60と被加熱対象物8との間に基材6や電極パターン7が挟まれてもよい。また、上記被加熱対象物8には、電極パターン7、電子部品の電極(図示せず)のいずれか一方又は両方を含めてもよい。
発熱パターン60の形状や形成材料には特に制限はなく、目的に応じて所望のマイクロ波加熱特性を有するものを適宜に用いることができる。
例えば、発熱パターン60の形状は被加熱対象物8の形状に対応させた形状とすることが好ましい。図示例では平面視四角形であるが、被加熱対象物8の複雑な形状に合わせた形状とすることもできる。例えば、被加熱対象物8の形状に対して相似形状としてもよい。また発熱パターン60は、支持体50上に1個が配されていても、複数個が配されていてもよい。その配列形態は被加熱対象物の配列形態に対応していることが好ましい。さらに複数の被加熱対象物8が接近して基材6上に配されている場合、発熱パターン60は、複数の被加熱対象物8に対応した形状にされていてもよい。
また、発熱パターン60の材料には以下の材料が挙げられる。
例えば、磁界加熱が好ましい発熱パターンの材料には、磁性体が挙げられる。磁性体とは通常、強磁性体をいう。強磁性体には、鉄、コバルト、ニッケル、若しくはそれらの合金、または強磁性を示すフェライトが挙げられる。フェライトは、酸化鉄を主成分とするセラミックスの総称であり、コバルト、ニッケル、マンガン等を1種以上混合した焼結体である。また磁界加熱によって加熱可能な発熱パターンの材料には、非磁性体である金属導体、誘電体(絶縁体)等があげることもできる。さらに、上記強磁性体、非磁性体のいずれか1種、又は2種以上を組み合わせたものを発熱パターン形成材料として用いることもできる。上記発熱パターンは、例えば、薄膜、粉末の集合体又は液体によって形成することができる。また、発熱パターン60は支持体50の内部に埋め込んでもよい。
マイクロ波照射によって形成した磁界により発生した渦電流損(誘導電流による抵抗)によって発熱される発熱パターンとしては、非磁性体の金属が挙げられ、例えば、銀ペーストパターン、銅ペーストパターン、金ペーストパターン等が挙げられる。
マイクロ波照射によって形成した磁界により生じる磁性損失によって主に発熱される発熱パターンとしては、ニッケルペーストパターンが挙げられる。その他には、鉄合金粉末パターン、四三酸化鉄(Fe)粉末パターン、センダスト(鉄・ケイ素・アルミニウム)合金粉末パターン等が挙げられる。
または、マイクロ波照射によって形成した電界により加熱される発熱パターンとしては、上記強磁性体と誘電体とを混合したペーストを焼成した発熱パターンがある。このような発熱パターンとしては、ニッケルペーストと酸化アルミニウムとを混合(例えば1:1に混合)して焼成したものが挙げられる。
さらに、上記液体によって形成される発熱パターン60としては、磁性流体パターンや磁性イオン液体パターン等の液体が挙げられる。液体を用いたパターン形成は、例えば、ブレードコート法やインクジェット法を用いることができる。なお、加熱形態は磁界加熱とすることが好ましい。
基材6は、その表面上に、電極パターン7を介して被加熱対象物8(例えばはんだ)が配されていて、シート状であり、又は板状であってもよく、被加熱対象物8の融点以上の耐熱性を有することが好ましい。
上記マイクロ波加熱装置10を用いたマイクロ波加熱方法について、以下に説明する。
図1に示すように、支持体50の第1面50S側(例えば表面側)には、マイクロ波によって選択的に加熱される発熱パターン60が形成される。この発熱パターン60は、基材6に配された電極パターン7(図2も併せて参照)上に配された被加熱対象物(以下、はんだとして説明する)8(図2を参照)がこの発熱パターン60に対応した位置になるように配される。通常、発熱パターン60は、電極パターン7と電極パターン7にはんだ付けされる電子部品9(図2も併せて参照)の電極(図示せず)との間のはんだ8に対応するように、支持体50に形成される。
上記支持体50上に基材6を重ね合わせて積層構造のシートとする。なお、本発明において積層とは、各層(基材、支持体等)が互いに密着していてもよく、また、各層間に他の層が介在していてもよい意味である。また、本発明の効果を損なわない範囲で、層間に空隙を有していてもよい意味である。
基材6には、電極パターン7が形成され、該電極パターン7上にはんだ8が配され、はんだ8上に電子部品9の電極(図示せず)を介して該電子部品が搭載される。その際、例えば、支持体50に形成された位置合わせマーク(図示せず)と基材6に形成された位置合わせマーク(図示せず)とを合せることによって、支持体50と基材6との位置合わせを行うことが好ましい。また、基材6が透明性を有するものであれば、発熱パターン60と電子部品9との位置合わせを行ってもよい。位置合わせ方法は、例えば、発熱パターン60の位置と電子部品9の位置とを撮像して画像処理により求める方法等を採用することができる。
上記位置合わせ後、マイクロ波照射空間に上記基材6を重ね合わせた支持体50を重ね合わせた状態を維持して移動し、発熱パターン60をマイクロ波加熱する。支持体50それ自体はマイクロ波の吸収が抑制された材料で形成されていることが好ましい。こうすることにより、支持体自体はほとんど加熱されず、発熱パターン60が選択的に加熱される。なお、支持体50が加熱されたとしても、その加熱温度は支持体50や基材6、電子部品9等に熱損傷等の悪影響を及ぼす温度よりも低い温度とすることができる。上記マイクロ波加熱によって発熱パターン60は、はんだが溶融される温度以上に加熱される。そして、発熱パターン60からの熱伝導によって、はんだ8が加熱され、溶融し、マイクロ波照射空間から外れることによって、はんだが固化し、電子部品9の電極(図示せず)と電極パターン7とをはんだ付けする。
その際、支持体50がほとんど加熱されなければ、基材6は発熱パターン60に対応した位置以外はほとんど加熱されない。このため、基材6に低融点基材を用いることも可能になる。発熱パターン60の直上は、発熱パターン60の発熱によって加熱される。その加熱温度は、マイクロ波の出力等を制御することによって、はんだ8が溶融する温度でかつ基材6の耐熱温度以下にすることができる。そのため、基材6に熱ダメージが加わらないようにすることができる。
加熱の終了は、マイクロ波照射領域から重ね合わせた支持体50と基材6とを取り出すことによって行う。または、支持体50から基材6を引き離すことによっても行うことができる。
上記マイクロ波加熱装置10によれば、マイクロ波加熱された発熱パターン60から被加熱対象物のはんだ8への熱伝導により、はんだ8の部分を選択的かつ高効率に短時間で加熱できる。そのため、はんだを用いて基材6に電子部品9を搭載する場合、基材6や電子部品9への熱ダメージを最小限に抑えることができる。すなわち、微小サイズ(例えば、数ミリ程度)の電子部品であっても電極パターン7を印刷した基材6上に電子部品9を実装することが可能となる。また、発熱パターン60の材質、大きさ、形状等によって温度上昇挙動をコントロールできるため、その発熱パターン60により加熱の状態をコントロールできる。結果、様々な印刷パターンによって形成された電極パターン7上への電子部品9の実装が可能となり、コストの低減にも繋がる。
次に、本発明のマイクロ波加熱装置10の好ましい一実施形態を、図2を参照して詳説する。
[マイクロ波加熱装置]
図2に示すように、マイクロ波加熱装置10は、マイクロ波照射空間51を有する空胴共振器(以下、(円筒型の)空胴共振器ともいう)11を有する。空胴共振器11は、円筒型であっても、筒中心軸を中心として対向する2面が平行な多角筒型であっても、中心軸において磁界強度が極大かつ一様な定在波を形成できる。以下、円筒型の空胴共振器について説明する。
図2に示す円筒型の空胴共振器11は、円筒中心軸(以下、中心軸ともいう)Cに沿って磁界の強度が極大かつ一様となる、例えばTM110モードの定在波が形成される。または電界の強度が極大かつ一様となる、例えばTM010モードの定在波が形成される。以下、磁界の強度が一様となる定在波が形成される場合について説明する。以下、空胴共振器11の中心軸とマイクロ波照射空間51の中心軸とは同じ意味で用いる。
空胴共振器11には、該空胴共振器の円筒中心軸Cを挟んで対向する、空胴共振器11の胴部壁11SAに設けられた入口12と、胴部壁11SAに対向する胴部壁11SBに設けられた出口13とを有する。上記入口12及び出口13はスリット状に形成されることが好ましい。また、空胴共振器11内において、電界が極小となり、磁界強度が極大かつ均一になる磁界領域52に、発熱パターン60が形成された支持体50とともに、電極パターン7上にはんだ8を有し電子部品9を載置した基材6を搬送する搬送機構31を備える。または、予め磁界領域52に支持体50を設置しておいて、その支持体50上に上記の基材6を配してもよい。
上記の搬送機構31によって、入口12から支持体50とともに基材6がマイクロ波照射空間51内に入り、加熱処理(焼成処理)され、出口13から処理された基材6が支持体50とともに搬出される。なお、予め磁界領域52に支持体50が設置される場合には、搬送機構31は支持体50上に基材6を搬送するものでよい。上記「基材」は、通常、誘電体であり、フィルムや紙のような薄いもの(例えば、シートやテープ)でもよく、ある程度の厚みを有する樹脂基板、セラミックス基板、ガラス基板、酸化物基板のような板状体でもよい。また「極大」とは、極大点を含むその周囲の磁界強度が他の領域よりも強い部分も含む意味である。例えば、極大点を含む、極大値の3/4以上の領域である。また電極パターン7は、単独の導電性パターンであってもよく、また複数の導電性パターンが集まった集合パターンであってもよい。さらに導電性パターンに他のパターンを含む複合パターンであってもよい。
例えば、TM110モードの定在波が発生する円筒型の空胴共振器11の場合、磁界領域52は、中心軸Cにおける電界強度が極小となり、磁界強度が極大となり、中心軸Cに沿っては磁界強度が均一となる空間である。支持体50の発熱パターン60側は、磁界領域52を通るように、すなわち中心軸Cを通るように配されることが好ましい。したがって、支持体50と基材6とが通過する入口12と出口13は、中心軸Cを挟んで対向する位置の円筒型の空胴共振器11の胴部壁11SA、11SBに配されることが好ましい。言い換えれば、入口12と中心軸Cと出口13とは同一平面を含む位置に配されることが好ましい。
空胴共振器11には、マイクロ波発生器21が配され、空胴共振器11に対してマイクロ波が供給される。一般にマイクロ波周波数は0.3〜300GHzのSバンドが用いられる。又は900〜930MHzや、5.725〜5.875Hzが用いられることもある。ただし、これ以外の周波数についても用いることができる。
上記のマイクロ波加熱装置10では、空胴共振器11に対して、マイクロ波発生器21で発生させたマイクロ波をマイクロ波供給口14から空胴共振器11内のマイクロ波照射空間51に供給し、マイクロ波照射空間内に定在波を形成する。その定在波の磁界強度が極大となり、電界強度が極小となる部分(空胴共振器11の中心軸C及びその近傍)にて支持体50の発熱パターン60を加熱し、発熱パターン60からの熱伝導によって基材6上のはんだ8を加熱する。
上記マイクロ波加熱装置10では、マイクロ波発生器21から供給されるマイクロ波は、周波数を調整して供給される。周波数の調整により、空胴共振器11内に形成される定在波の磁界強度分布を所望の分布状態へと安定的に制御することができる。またマイクロ波の出力によって定在波の強度を調整することができる。つまり、発熱パターン60の加熱状態を制御することが可能になる。
なお、マイクロ波供給口14から供給されるマイクロ波の周波数は、マイクロ波照射空間51内に特定のシングルモード定在波を形成することができるものである。
本発明のマイクロ波加熱装置10の構成について、順に説明する。
<空胴共振器>
マイクロ波加熱装置10に用いる円筒型の空胴共振器(キャビティー)11は、一つのマイクロ波供給口14を有し、マイクロ波を供給した際にシングルモードの定在波が形成されるものであれば特に制限はない。本発明に用いる空胴共振器のマイクロ波照射空間51は、図面に示されるような円筒型に限られない。すなわち、円筒型でなくても、中心軸を中心として対向する2面が平行な多角筒型の空胴共振器であっても良い。例えば、中心軸に垂直方向の断面が、正方形、正6角形、正8角形、正12角形、正16角形等の正偶数角形の筒型、又は正偶数角形の中心軸に対して対向する2面間で潰した形状の多角形の筒型であってもよい。上記の多角筒型の空胴共振器の場合、空胴共振器内部の角は丸みを有してもよい。また、マイクロ波照射空間としては、上記の筒型の他に、上記の丸みを大きくした柱状態、楕円体、等の空間を有する空胴共振器であってもよい。
このような多角形であっても、円筒型と同様の作用(すなわち、中心軸において磁界強度又は電界強度が極大かつ一様な定在波を形成できる)を実現することができる。
空胴共振器11の大きさも目的に応じて適宜に設計することができる。空胴共振器11は電気抵抗率の小さいものが望ましく、通常は金属製であり、一例として、アルミニウム、銅、鉄、マグネシウム、黄銅、ステンレス、若しくはそれらの合金等を用いることができる。又は、樹脂やセラミック、金属の表面に電気抵抗率の小さい物質をめっき、蒸着などによりコーティングしてもよい。コーティングには銀、銅、金、スズ、ロジウムを含む材を用いることができる。
<搬送機構>
搬送機構31は、供給側搬送部31A、あるいは送り出し側搬送部31B、若しくは両者を有することが好ましい。
若しくは、供給部31や供給口12、排出口13を設置しなくても良い。この場合、基材6及び支持体50はあらかじめ空胴共振器内の磁界が極大となる位置に配置しておき、しかるべき時間処理した後にマイクロ波を停止し、空胴共振器の一部を開放して、基材6を、必要により支持体50とともに取り出すことができる。
若しくは、供給部31として特段の搬送機構を用いず、空胴共振器自体を移動することもできる。この場合は、支持体50を固定しておき、空胴共振器内の磁界が極大となる位置が、発熱パターン60が形成された支持体面50Sから外れないように、空胴共振器自体を支持体面50Sに沿って平行移動させることが適している。
上記搬送機構31は、空胴共振器11内にて、支持体50を磁界の振動方向に対して垂直方向(例えば磁界の振動を基材6表面での振動とした場合、基材表面に対して垂直方向)に上下動可能とするものであることが好ましい。言い換えれば、空胴共振器11の中心軸Cに対して垂直方向(例えば、鉛直方向)に上下動可能とすることが好ましい。このように、支持体50が上下動することによって、厚さのある電子部品9が電界の強度が強くなる電界形成領域に入るのを抑制することができる。上下移動距離は空胴共振器11の中心軸Cから±1cmが好ましく、±3cmがより好ましく、±5cmがさらに好ましい。大きく変動させることができれば、厚さがかなり厚い電子部品に対しても、電界形成領域から電子部品を避けさせることができる。これによって、スパークの発生を抑制することができるようになる。上記構成は、例えば、ニップロールに高さ可変機構を付与することで得られる。この場合、空胴共振器11の入口12、出口13は、支持体50、基材6及び電子部品9の移動距離分の大きさに開口させる必要がある。また、入口12及び出口13には、マイクロ波が漏洩しないよう基材6等の上下動に合わせて入口12及び出口13の開口部を狭める金属板を備えることが好ましい。
<マイクロ波の供給>
マイクロ波の供給には、マイクロ波発生器21、マイクロ波増幅器22、アイソレータ23、インピーダンス整合器24、アンテナ25を備えることが好ましい。
空胴共振器11の中心軸Cに平行な壁面(円筒の内面)又はその近傍には、マイクロ波供給口14が設けられる。一実施形態において、マイクロ波供給口14は、高周波を印加することができるアンテナ25を有する。図2では、同軸導波管変換器を用いたマイクロ波供給口14を示している。この場合アンテナ25は電界励振型のモノポールアンテナとなる。このとき定在波を効果的に形成するためには、マイクロ波供給口14と空胴共振器11の間に適切な開口部としてアイリス(図示せず)を用いても良い。また、導波管14を用いず直接空胴共振器11にアンテナを設置してもよい。この場合は空胴共振器側壁近傍に磁界励振アンテナとなるループアンテナ(図示せず)を設置してもよい。又は、空胴共振器上面若しくは下面に電界励振となるモノポールアンテナを設置することも可能である。
アンテナ25は、マイクロ波発生器21からマイクロ波の供給を受ける。具体的には、マイクロ波発生器21に、各ケーブル26(26A、26B、26C、26D)を順に介して、上記のマイクロ波増幅器22、アイソレータ23、整合器24、アンテナ25の順に接続される。
各ケーブル26には、例えば同軸ケーブルが用いられる。この構成では、マイクロ波発生器21から発せられたマイクロ波を、各ケーブル26を介してアンテナ25によってマイクロ波供給口14から空胴共振器11内のマイクロ波照射空間51に供給する。
[マイクロ波発生器]
本発明のマイクロ波加熱装置10に用いるマイクロ波発生器21は、例えば、マグネトロン等のマイクロ波発生器や、半導体固体素子を用いたマイクロ波発生器を用いることができる。マイクロ波の周波数を微調整できるという観点から、VCO(Voltage Controlled oscillator:電圧制御発振器)やVCXO(Voltage controlled Crystal oscillator)若しくはPLL(Phase locked loop)発振器を用いることが好ましい。
[マイクロ波増幅器]
マイクロ波加熱装置10はマイクロ波増幅器22を備える。マイクロ波増幅器22は、マイクロ波発生器21によって発生されたマイクロ波の出力を増幅する機能を有する。その構成に特に制限はないが、例えば、高周波トランジスタ回路で構成される半導体固体素子を用いることが好ましい。マイクロ波発生器としてマグネトロンなど発振出力が大きいものを用いた場合はマイクロ波増幅回路を用いないこともできる。
[アイソレータ]
マイクロ波加熱装置10はアイソレータ23を備える。アイソレータ23は、空胴共振器11内で発生する反射波の影響を抑制してマイクロ波発生器21を保護するためのものであり、一方向(アンテナ25方向)にマイクロ波が供給されるようにするものである。マイクロ波増幅器22やマイクロ波発生器21が反射波により破損する恐れがない場合は、アイソレータを設置しなくてもよい。この場合は装置が小型化できることや、低コスト化が可能になるメリットがある。
[整合器]
マイクロ波加熱装置10は整合器24を備える。整合器24は、マイクロ波発生器21〜アイソレータ23のインピーダンスとアンテナ25のインピーダンスを整合させる(合わせる)ためのものである。不整合による反射波が生じてもマイクロ波増幅器22やマイクロ波発生器21が損傷を受けうる恐れがない場合は整合器を設置しなくてもよい。若しくは、あらかじめ不整合が発生しないようアンテナ構造やマイクロ波増幅器22の持つ回路定数やケーブル26を調整することで、整合器を設置しないこともできる。この場合は装置が小型化できることや、低コスト化が可能になるメリットがある。
[アンテナ]
アンテナ25には、上記したように、例えば、モノポールアンテナやループアンテナ若しくはパッチアンテナを用いることができる。モノポールアンテナの場合、空胴共振器11の筐体や、マイクロ波供給口の筐体を接地面とし機能するよう、筐体とは絶縁体を介し空間内にアンテナ端部を露出する(図示せず)。ループアンテナの場合ループアンテナの端部は、図示しないが、空胴共振器壁面など接地電位と接続する。このアンテナ25にマイクロ波(高周波)を印加することで、ループ内に磁界が励振され空胴共振器内に定在波を形成する形態とすることができる。
例えば、上記の円筒状の空胴共振器においてTM110のシングルモード定在波を形成させた場合、中心軸Cにおいて、磁界強度が最大になり、中心軸C方向に磁界強度が均一になる。したがって、支持体50において、その上面に存在する発熱パターン60を、均一に、高効率にマイクロ波加熱することが可能になる。
<制御系統>
上記マイクロ波加熱装置1には、被加熱対象物8の温度を測定する熱画像計測装置(サーモビュアー)41若しくは、放射温度計(図示せず)が配される。空胴共振器11には、熱画像計測装置41若しくは放射温度計(図示せず)によって被加熱対象物8等を含む基材6の温度分布を測定するための窓15が配される。熱画像計測装置41によって測定された温度分布の測定画像若しくは放射温度計によって計測された温度情報は、ケーブル42を介して制御部43に送信される。更に、空胴共振器11の胴壁11Sには電磁波センサ44が配される。電磁波センサ44によって検出した共振器11内の電磁界エネルギーに応じた信号は、ケーブル45を介して制御部43に送信される。制御部43は電磁波センサ44の信号をもとに、空胴共振器11のマイクロ波照射空間51内に発生させた定在波の形成状況(共振状況)を検知することができる。定在波が形成される、つまり共振するときは、電磁波センサ44の出力が大きくなる。電磁波センサ44の出力が極大となるよう、マイクロ波発生器の発振周波数を調整することで、空胴共振器11の持つ共振周波数と一致するようマイクロ波周波数を制御することができる。被加熱対象物の状況(挿入状態、温度等)により共振周波数は変動するため、この制御は適切な間隔で行う必要がある。変化が速い場合、被加熱対象物の供給速度が速い場合は、供給速度が変動する場合は、1ミリ秒〜1秒の間隔で行うことが望ましい。被加熱対象物が固定される場合や供給速度が変動しない場合など変化が小さい場合は、10秒〜1分間隔でもよい。又は、加熱前に一度、共振周波数を求めておけば、その後、常時制御する必要がない場合もある。
制御部43では、検出された周波数に基づいて、空胴共振器11内に一定の周波数の定在波が立つマイクロ波の周波数を、ケーブル46を介してマイクロ波発生器21にフィードバックする。このフィードバックに基づいて、制御部43では、マイクロ波発生器21から供給されるマイクロ波の周波数を精密に制御する。このようにして、空胴共振器11内に定在波を安定して発生させることができる。したがって、定在波によって発熱パターン50を効率良く、高い再現性で、均一に加熱することができる。また、制御部43では、マイクロ波増幅器22にマイクロ波の出力を指示することによって、一定の出力のマイクロ波をアンテナ25に供給できるように調整することができる。若しくは、マイクロ波増幅器22の増幅率は変化させず、マイクロ波発生器21とマイクロ波増幅器22の間に設置した減衰器(図示せず)の減衰率を制御部43の指示により調整することもできる。マイクロ波出力は、熱画像計測装置41若しくは放射温度計の指示値をもとに、被加熱対象物を目的温度となるようフィードバック制御してもよい。マイクロ波発振器21としてマグネトロンのような大出力を出せる装置を用いた場合は、マイクロ波発生器21に対し、マイクロ波出力を調整するよう、制御部43の指示を与えても良い。
電磁波センサ44を用いない制御方法として、空胴共振器11の反射波の大きさを測定しその値を利用してもよい。反射波の測定はアイソレータ23から得られるアイソレーション量を用いることができる。若しくは、整合器24(設置しない場合は、マイクロ波供給口に接続したケーブル26D)とアイソレータ23の間に設置する方向性結合器(図示せず)から得られる反射信号を用いることができる。反射波信号が極小となるよう、マイクロ波発生器の周波数を調整することで、空胴共振器11へのマイクロ波のエネルギーを効率的に供給することができる。このとき、空胴共振器11の共振周波数とマイクロ波発生器の周波数が一致する可能性が高い。ただし、この方法ではケーブル26やアンテナ25、導波管14などでマイクロ波が消費さる可能性もあり、必ずしも共振周波数と一致しない場合もある。
<発熱パターンの加熱>
本発明のマイクロ波加熱装置10では、発熱パターン60は、導電性材料、磁性体材料、誘電体材料又はその両方を含む材料(複合材料)で構成される。このような発熱パターン60は、空胴共振器11内部の磁界強度に対応させて、例えば、支持体50上に配される。特に、空胴共振器11内に形成された定在波の磁界強度が極大になる部分に沿って支持体50を配せば、より効率的な加熱が可能になる。例えば、発熱パターン60が形成された支持体面50S(図1参照)が空胴共振器11の中心軸Cを通るように、支持体50は、入口12から供給され出口13から排出される。
図2に示したマイクロ波加熱装置10においては、上記発熱パターン60であれば、特に制限はなく、液体、固体、粉末およびそれらの混合物であっても加熱することができる。
発熱パターン60を液体、固体又は粉末とした場合は、それらを支持体50上に配して搬送することで連続的に発熱パターン60の温度を制御することができる。本発明のマイクロ波加熱装置10は支持体50上の発熱パターン60を選択的に加熱することができる。
図2に示した形態において、定在波の周波数は、空胴共振器11内に定在波を形成できれば特に制限はない。上記マイクロ波供給口14からマイクロ波を供給した場合、空胴共振器11内に上述したTM110モードの定在波が形成される周波数とすることが好ましい。中心軸Cに磁界強度の極大領域を形成するモードとして、TMn10(nは1以上の整数)モード(例えばTM210、TM310のモード)や、TE10n(nは1以上の整数)モードが挙げられる。空胴共振器11の中心軸Cに沿って磁界強度の極大部を効率的に形成できる点で、TM110の定在波であることが好ましい。
又はTE10n(nは1以上の整数)モードであってもよい。この場合もn=1のTE101モードが最も好ましく、TE102、TE103モードであってもよい。
上記空胴共振器11は、通常、共振周波数がISM(Industry Science Medical)バンド内に収まるよう設計される。ただし、空胴共振器11や装置全体から空間に放射される電磁波のレベルを、周囲への安全や通信等に影響を及ぼさないよう抑制できる機構を有してあれば、ISMバンド以外の周波数で設計することもできる。
上記のマイクロ波加熱装置10では、空胴共振器11内にマイクロ波を供給して特定の定在波を形成させると、空胴共振器11の中心軸Cにおいて磁界が発生しかつ当該磁界を極大とすることができ、また中心軸方向に磁界を均一に分布させることができる。このとき、磁界が極大かつ均一に発生する中心軸Cに沿う領域には、事実上、電界が発生しない。このため、電極パターン7を有する基材6を入口12から入れて中心軸Cを通して出口13より送り出させると、電界によるスパーク(アーク放電)を発生することなく、中心軸Cにおいて極大になる磁界を支持体50の幅方向に均一に形成することができる。この磁界の形成によって発熱パターン60に誘導電流が発生し、又は発熱パターンに磁性損失が発生し、発熱パターン60が加熱される。
誘導加熱では、支持体50が樹脂(例えばポリイミド)で形成され、その支持体50上に導電性材料からなる発熱パターン60が配される場合、発熱パターン60は加熱されるが樹脂の支持体50は加熱されない。一般的に樹脂は磁性損失がほぼ無く、磁界を照射しても樹脂には誘導電流が発生しないため、加熱されない。一方、発熱パターン60には誘導電流が発生するため、加熱される。このように、発熱パターン60を選択的に加熱することができる。この発熱パターン60が加熱されることで、熱伝導によって、発熱パターン60に対応した位置に配された基材6、電極パターン7内の熱伝導によって被加熱対象物(例えば、はんだ)8が加熱、溶融される。そして電極パターン7に溶融、固化したはんだ8を介して電子部品9の電極(図示せず)が接合され、電子部品9が実装される。
上記説明したように、マイクロ波加熱装置10は、例えばTM110モードの定在波を形成する円筒型の空胴共振器11を使用することによって、中心軸Cに磁界が集中するため、その領域が磁界の極大域となり、中心軸方向に磁界強度が均一になる。このため、中心軸Cを通る発熱パターン60に対する温度制御性(均一性)が高くなる。また、定在波を形成するマイクロ波の周波数、出力を制御することによって、常に一定の定在波を形成することができるため、より温度制御性が向上し、更に均一な加熱を実現できる。
電磁波センサ44によって空胴共振器11内の電磁界エネルギーに応じた信号を正確に検出することができる。そのため、検出した電磁界エネルギーに応じた信号に基づいて空胴共振器11内に発生させた定在波の形成状況(共振状況)を検知することができる。この検知情報に基づき制御部によって、マイクロ波の周波数を安定して共振するように制御する。このようにして、空胴共振器11内に安定して定在波を発生させることができる。したがって、定在波によって発熱パターン60を効率良く、所望の加熱状態とすることができ、かつ、空胴共振器内の定在波の形成状態を安定的に維持することができる。
上記説明では磁界加熱について説明したが、電界加熱も同様に行うことができる。例えば、TM010モードの定在波を形成した場合、中心軸Cに電界が集中するため、その領域が電界の極大域となり、中心軸方向に電界強度が均一になる。この電界により支持体50が有する発熱パターン60を加熱する形態とすることもできる。
次に、本発明のマイクロ波加熱方法の好ましい一実施形態を、図1及び2を参照して説明する。
基材6を用意し、基材6上に電極パターン7を形成し、電極パターン7上に被加熱対象物としてはんだ8を形成する。さらに電極パターン7上にはんだ8を介して電子部品9の電極(図示せず)を接触させて電子部品9を載置する。また、支持体50を用意し、支持体50上に上記基材6を重ねた場合に上記はんだ8が発熱パターン60に対応する位置になるように、支持体50に発熱パターン60を形成する。基材6に対する電極パターン7、はんだ8の形成、電子部品9の載置と、支持体50に対する発熱パターン60の形成とは、どのような順序で行ってもよい。
基材6、電極パターン7、電子部品9等は上記説明した通りであり、支持体50、発熱パターン60も上記説明した通りである。
その後、発熱パターン60に対応する位置にはんだ8を配するように、支持体50と基材6とを重ねて、空胴共振器11内に搬送機構31によって搬送する。または、先に発熱パターン60を形成した支持体50を空胴共振器11内に搬送しておき、その後、基材6を搬送して、発熱パターン60に対応する位置にはんだ8を配するように、支持体50上に基材6を重ねてもよい。
そして円筒型の空胴共振器11内に、円筒中心軸Cに沿って磁界強度が一様かつ極大となる磁界領域を形成する定在波を形成して、発熱パターン60を加熱し、該発熱パターン60の発熱によってはんだ8を加熱する。この加熱によってはんだ8が溶融され、その後固化することによって、電極パターン7にはんだ8を介して電子部品9の電極(図示せず)が接合される。すなわち、はんだ付けされ、基材6に電子部品9が実装される。
上記定在波は、TMn10(nは1以上の整数)モード若しくはTE10n(nは1以上の整数)モードが好ましく、TM110モード若しくはTE101モードがより好ましい。
上記マイクロ波加熱方法では、空胴共振器11内の定在波の形成状態を維持するために、該空胴共振器11に形成された定在波の共振周波数の変化に対応して、該空胴共振器11に供給するマイクロ波の周波数を自動調整することが好ましい。定在波の制御については前述の制御系統に説明した通りである。
次に、マイクロ波加熱装置10を含むはんだ実装装置1の具体的な装置構成例について、図3及び4を参照して、以下に説明する。
図3に示すように、マイクロ波加熱装置10は、その前段に第1群装置2及び第2群装置3を備える。
第1群装置2は、支持体50上に発熱パターン60(図1参照)の形成に関する装置である。第2群装置3は、基材6上に電極パターン7、はんだ8を形成し、電子部品9を載置する装置である。第3群装置4は、本発明のマイクロ波加熱装置10が用いられる。更に、図示はしないが、後処理を行う後段の装置(図示せず)を備えることが好ましい。
これらの装置は、第1群装置2、第2群装置3、第3群装置4及び後段の装置の順に配されることが好ましい。または搬送装置(図示せず)の周囲に、第1群装置2〜第3装置4及び後段の装置が配されても好ましい。これらの第1群装置2〜第3装置4、及び後段の装置をまとめて、はんだ実装装置1ともいう。
上記はんだ実装装置の装置配置の一例を、図3を参照して以下により詳細に説明する。
図3に示すように、はんだ実装装置1の第1群装置2は、塗布装置と乾燥装置とを含む。塗布装置には、上記したプライマー・接着層の印刷装置及び発熱パターン印刷装置が含まれる。プライマー・接着層の印刷は、支持体50と発熱パターン60との密着性を向上させる効果がある。また、乾燥装置には、プライマー・接着層の印刷後の乾燥工程及び発熱パターン印刷後の乾燥工程を行う乾燥装置が含まれる。上記乾燥装置には、赤外線加熱装置、熱風加熱装置、ホットプレート、等の加熱装置が挙げられる。上記乾燥装置は共用することも可能である。
第2群装置3は、印刷装置と乾燥装置とを含む。印刷装置には、プライマー・接着層の印刷装置、電極パターン印刷装置が含まれる。プライマー・接着層の印刷は、基材6と電極パターン7との密着性を向上させる効果がある。電極パターン印刷装置は、基材6上に電極パターン7を印刷して形成する。乾燥装置には、プライマー・接着層の印刷後の乾燥工程及び電極パターン印刷後の乾燥工程を行う乾燥装置が含まれる。第2群装置3には、さらにはんだペースト塗布装置と電子部品搭載装置を含む。はんだペースト塗布装置は、はんだ8(図2参照)となるはんだペーストを電極パターン7(図2参照)上に塗布し、はんだ8を形成する。はんだペースト塗布装置は、例えばステンシル印刷装置、スクリーン印刷装置、又はディスペンサ装置を備える。電子部品搭載装置は、電極パターン7上に、溶融前のはんだ8を介して電子部品9(図2参照)を搭載するものである。
上記第1群装置2で形成した支持体50と第2群装置3で形成した基材6とは、第3群装置4の手前で、発熱パターン60に対してはんだ8が重なるように、重ね合わせて、第3群装置4の空胴共振器内に搬送しても良い。または、空胴共振器内で上記のように支持体50に基材6を重ね合わせても良い。
第3群装置4は、一つ若しくは複数の空胴共振器を有するマイクロ波加熱装置10である。この第3群装置4は、支持体50上に形成した発熱パターン60を選択的にマイクロ波加熱して、発熱パターン60に対応する位置に配したはんだ8を発熱パターン60からの熱伝導によって加熱、溶融する。以下では、一つの空胴共振器を用いた場合を説明するが、二つ以上(複数)の空胴共振器を直列に配してもよい。例えば、図4に示すように、マイクロ波加熱装置10(10A)を配した第3群装置4の後段に別のマイクロ波加熱装置10(10B)からなる第4群装置5を配しても良い。図4に示した第1群装置2、第2群装置3は上記説明したのと同様である。
後段の装置(図示せず)には、例えば、フラックス除去装置として洗浄装置等が配されることが好ましい。
支持体50、基材6は、搬送機構(図示せず)によって、第1群装置2、第2群装置3、マイクロ波加熱装置(第3群装置4)の順に搬送され、各装置によって支持体50及び基材6に対して連続的に処理が行われる。
本発明のマイクロ波加熱方法を用いたはんだ実装方法は、上記したはんだ実装装置1を用いて行うことが好ましい。
まず、上記第1群装置2によって、支持体50に発熱パターン60を印刷(例えば、スクリーン印刷)し、それを予備乾燥させる。第1群装置2の乾燥装置には、例えばホットプレートを用いる。ホットプレートを用いて、印刷された発熱パターン60を、例えば、10℃〜100℃にて1秒〜60分、乾燥させる。この予備乾燥は、発熱パターン60の焼成温度かつ基板の耐熱温度以下であれば特に制限なく、発熱パターン60に含まれる溶媒成分が蒸発して、乾燥するまで行うことが好ましい。上記予備乾燥では、ホットプレートを用いたが、ホットプレート以外の乾燥を行う加熱装置を用いることもできる。
さらにマイクロ波加熱装置10の前段の装置である第2群装置3によって、基材6に電極パターン7を印刷(例えば、スクリーン印刷)し、それを予備乾燥させる。第2群装置3の乾燥装置には、例えばホットプレートを用いる。ホットプレートを用いて、印刷された電極パターン7を、例えば、10℃〜100℃にて1秒〜60分、乾燥させる。この予備乾燥は、パターン7の焼成温度かつ基板の耐熱温度以下であれば特に制限なく、電極パターン7に含まれる溶媒成分が蒸発して、乾燥するまで行うことが好ましい。該予備乾燥では、ホットプレートを用いたが、ホットプレート以外の乾燥を行う加熱装置を用いることもできる。
次に、第3群装置4の円筒型の空胴共振器11のマイクロ波照射空間51に磁界と電界とが分離されるシングルモードの定在波を形成する。定在波が形成されたマイクロ波照射空間51内において、事実上、電界が存在せず、磁界が存在する、上記説明した磁界領域52に、発熱パターン60を有する支持体50を通して、発熱パターン60を加熱する。発熱パターン60は、支持体50の上面及び下面のいずれか一方の面又は両面に形成されたものであり、例えば、スクリーン印刷によって、印刷されたものである。したがって、発熱パターン60の加熱による発熱によって、その熱が熱伝導によって基材6上の電極パターン7に形成されたはんだ8に到達し、はんだ8が加熱され、溶融される。そして、発熱パターン60の発熱を停止することによって、はんだ8が冷却されて固化し、電極パターン7上に固化したはんだ8を介して、電子部品9の電極(図示せず)が接合され、電子部品9がはんだ実装される。
本発明のマイクロ波加熱方法を用いた上記はんだ実装方法では、マイクロ波照射空間51に供給されたマイクロ波(図示せず)によって、シングルモードの定在波が形成され、そして磁界と電界とが形成される。このマイクロ波照射空間51内の電界が事実上存在せず磁界が存在する磁界領域52に、発熱パターン60を有する支持体50を基材6とともに通すことから、磁界の影響を受けて発熱パターン60内に例えば誘導電流が発生し、発熱パターン60が自己加熱される。一方、磁界領域52は電界が事実上形成されないので、支持体50や基材6は電界の影響を受けることがない。そのため、発熱パターン60や電極パターン7に、電界の影響によるスパーク現象(アーク放電)の発生が抑えられる。このような磁界加熱により、発熱パターン60が加熱されて、発熱された熱の熱伝導によってはんだ8が加熱溶融され、基材6の電極パターン7上に電子部品9がはんだ実装される。
また、電界による加熱を行うことも可能である。マイクロ波照射空間51における、磁界が事実上存在せず電界が存在する電界領域(図示せず)に、発熱パターン60を有する支持体50を基材6とともに通すことによって、電界の影響を受けて発熱パターン60を自己加熱することもできる。
上記の加熱方法における発熱パターン60の加熱は、上記のような磁場領域52の磁場により発熱パターン60内に発生される誘導電流による発熱であってもよく、もしくは磁場領域52の磁場の作用により生じる磁気損失による発熱であってもよい。または両方の作用による発熱であってもよい。
上記の加熱方法における発熱パターン60の加熱時間(マイクロ波照射時間)は、基材6への熱ダメージを抑制するという観点から600秒以内であることが好ましく、30秒以内がより好ましく、5秒以内がさらに好ましい。加熱時間が上記のように短時間であることから、発熱パターン60が高温に加熱されても基材6への熱ダメージを最小限に抑えることができ、はんだ実装プロセスに要する時間を短くできるという効果が得られる。これによって、製造コストの低減も図れる。
以下に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
[実施例1]
<発熱パターンのマイクロ波による磁界加熱特性>
支持体50にポリイミドシートを用いた、スクリーン印刷方法によって、支持体50上に発熱パターン60を形成した(図1参照)。
具体的には、実施例1−1では、導電性銀ペースト(トーヨーケム株式会社、製品名REXALPHA)を用いてスクリーン印刷し、金属パターンの発熱パターン60(60C)(1cm×1cm)を形成した。実施例1−2では、ニッケルペースト(ニホンハンダ株式会社製、製品名 ECA202)を用いてスクリーン印刷し、磁性体パターンの発熱パターン60(60M)(1cm×1cm)を形成した。
いずれも印刷後、60℃で20分プレ焼成を行って、発熱パターン60を完成させた。
上記実施例1−1、1−2の上記発熱パターン60を形成した支持体面50S(図1参照)が、図2に示した円筒型の空胴共振器11の円筒中心軸Cに位置するように配置した。空胴共振器11内にTM110モードの定在波を形成させ、30Wの出力でマイクロ波を照射し、実施例1−1、1−2それぞれの各発熱パターン60C、60Mの温度変化を赤外線撮像装置にて観察した。
実施例1−1では、金属導体である銀ペーストパターンの発熱パターン60C(図5(A)参照)に対して、マイクロ波を30Wの出力にて照射し、60秒後の発熱パターン60Cの温度変化を調べた。その結果、渦電流損失による発熱パターン60Cのエッジ部分の温度が28℃から上昇し、28℃(図5(B)参照)から照射60秒後にエッジ部分が198℃(図5(C)参照)になった。
実施例1−2では、磁性体であるニッケルペーストパターンの発熱パターン60M(図6(A)参照)に対して、マイクロ波を30Wの出力にて照射し、5秒後の発熱パターン60Mの温度変化を調べた。その結果、図6に示すように、磁性体の磁性損失により、発熱パターン60Mの内部の温度が28℃から急激に上昇し、28℃(図6(B)参照)から240℃(図6(C)参照)になった。
上記の結果から、導体の銀ペーストで形成した発熱パターン60Cはそのエッジ部分が選択的に加熱されるのに対して、磁性体ペーストで形成した発熱パターン60Mはパターン中心部から選択的に加熱されることが分かった。これにより、加熱したい箇所と加熱したくない箇所とを選択的に制御することが可能となる。すなわち、発熱パターン60の外周部を高い温度に加熱したい場合には、磁性体ではない金属パターンの発熱パターン60Cを用いることが好ましく、発熱パターン60の中心部を高い温度に加熱したい場合には、磁性体の発熱パターン60Mを用いることが好ましい。
上記結果から、発熱パターン60の種類によって加熱パターンに違いがあることが明らかとなった。
[実施例2]
<発熱パターンを用いた電子部品の実装例>
基材6としてポリエチレンテレフタレート(PET)シートを用い、スクリーン印刷方法によって、PETシート上に導電性銀ペースト(トーヨーケム株式会社製、製品名REXALPHA)を印刷した。その後、60℃で20分のプレ焼成を行い、PETシート上に銀ペーストパターンの電極パターン7を形成した。上記、電極パターン7上にはんだペーストパターン8(千住金属工業株式会社製、製品名 エコソルダーペーストLT142)を塗布により形成し、さらにはんだペーストパターン8上に電子部品9としてコンデンサを搭載した。
実施例2−1として、上記の電子部品を搭載したPETシートを、図2によって説明した円筒型の空胴共振器11内(キャビティ内)の中心軸Cが位置するように配置した支持体50上に配した。この支持体50には、実施例1−1で作製した発熱パターン60Cを形成した支持体を用いた。
また実施例2−2として、上記電子部品を搭載したPETシートを、上記実施例2−1と同様に、図2に示した空胴共振器11内の中心軸Cが位置するように配した支持体50上に配した。この支持体50には、実施例1―2で作製した発熱パターン60Mを形成した支持体を用いた。
実施例2−1、2−2ともに、発熱パターン60に対応した位置に電子部品9が位置するように位置合わせをして、支持体50上に基材6を配した。
実施例2−1では、図2に示したマイクロ波加熱装置10を用い、その空胴共振器11内にTM110モードの定在波を形成させ、40Wの出力でマイクロ波を60秒照射した。そして基材6の温度変化を電子部品9側から赤外線撮像装置(図示せず)にて撮像して温度測定をした。
その結果、はんだペーストがマイクロ波照射前の状態(28℃)(図7(A)、(B)参照)から、はんだ8の溶融温度である140℃以上まで昇温したことを確認した(図7(C)参照)。そして空胴共振器11内から基材6を取り出して、基材6のPET基板の外観を観察した。その結果、はんだ8が溶融(図7(C)のはんだ8の白く輝いている部分)したこと、PET基板に変形がないことを確認した(図7(D)参照)。
実施例2−2では、図2に示したマイクロ波加熱装置10を用い、その空胴共振器11内にTM110モードの定在波を形成させ、20Wの出力でマイクロ波を60秒照射した。そして基材6の温度変化を電子部品9側から赤外線撮像装置(図示せず)にて撮像して温度測定をした。
その結果、はんだペーストがマイクロ波照射前の状態(28℃)(図8(A)、(B)参照)から、はんだ8の溶融温度である140℃以上まで昇温したことを確認した(図8(D)参照)。そして空胴共振器11内から基材6を取り出して、基材6のPET基板の外観を観察した。その結果、はんだ8が溶融(図8(C)のはんだ8の白く輝いている部分)したこと、PET基板に変形がないことを確認した(図8(C)参照)。
[比較例1]
比較例1は、実施例2−1において、支持体50の代わりにポリイミドシートを用い、マイクロ波の出力100Wにした以外、実施例2−1と同様に、マイクロ波照射を60秒行った。その結果、マイクロ波照射前(図9(A)参照)と比較して、マイクロ波照射後であっても、はんだ8の溶融温度である140℃以上に温度が上がらず(100W60秒で28℃から64℃まで上昇)、はんだ8が未溶融であることを確認した(図9(B)参照)。
以上の結果から、発熱パターン60Cおよび発熱パターン60Mがマイクロ波による効率的なはんだ溶融プロセスをサポートし、電子部品実装が可能であることが明らかとなった。
以下に他の材料の発熱パターンを用いてソルダーペーストをマイクロ波磁界加熱で加熱した際の溶融可否の実験を行った(実施例3)。また、実施例4として、マイクロ波電界加熱の発熱パターンのみの熱特性の検討も行った。
[実施例3]
実施例3(3−1〜3−3)として、四三酸化鉄、鉄合金粉末、センダスト合金粉末それぞれの発熱パターンを用い、はんだペーストの溶融可否を確認する実験を行った。
[実施例3−1]
[四三酸化鉄:発熱パターンを形成する下地材インクの調整]
メノウ乳鉢内で四三酸化鉄(Fe、>95%、和光純薬)10gおよびエタノール(特級、和光純薬)2gを混合したのち、混練を行い、下地材インクを調製した。
[四三酸化鉄の発熱パターンの作製方法とマイクロ波磁界加熱]
支持体にカバーガラス(18×18mm、厚さ140μm)を用い、このカバーガラス上に丸穴(直径6mm)の空いたPETシート(厚さ:180μm)を設置し、該丸穴に下地材インクを20mg流し込んだ。該丸穴はカバーガラスの中心に位置するように配した。50℃のホットプレート上で30分乾燥して、発熱パターンを形成した後、PETシートを取り除いて支持体サンプルとした。
基材としてカプトン(商品名)テープ(13×13mm、厚さ60μm)を用い、そのカプトンテープに丸穴(直径6mm)の空いたPETシートの順番で設置した。その丸穴にはんだペースト(Bi58%,Sn42%、L20−BLT5−T7F、千住金属工業)20mgを流し込んだ。室温にて30分乾燥して、はんだを形成した後、該PETシートを取り除いて基材サンプルとした。
上記の手順で作製した支持体サンプルと基材サンプルとを、テフロン(登録商標)シート(厚さ1mm)を間に介して、発熱パターンとはんだとが一致するように重ねて配した。さらに図2に示したTM110シングルモードの定在波が形成されるマイクロ波加熱装置10の空胴共振器11内の中心軸Cに発熱パターンが位置するように、テフロン(登録商標)シートを介して配した支持体サンプルと基材サンプルとを設置した。そしてマイクロ波発振器の出力を30Wに設定して、マイクロ波照射を行った。
はんだの温度はサーモカメラで記録した。30Wの出力で28℃から加熱した際には四三酸化鉄の発熱パターンの到達最高温度は、391.3℃になり、はんだの溶融を確認した。
[実施例3−2]
[合金粉末:発熱パターンを形成する下地材インクの調整]
メノウ乳鉢内でセンダスト合金粉末(エプソンアトミックス)10gおよびエタノール(特級、和光純薬)2gを混合したのち、混練を行い、下地材インクを調製した。
[合金粉末発熱パターンの作製方法とマイクロ波磁界加熱]
下地材インクにセンダスト合金粉末を用いた以外、実施例3−1と同様にして、支持体サンプルとカプトン(商品名)テープを用いた基材サンプルとを作製した。
上記の手順で作製した支持体サンプルと基材サンプルとを、テフロン(登録商標)シート(厚さ1mm)を間に介して、発熱パターンとはんだとが一致するように重ねて配した。さらに図2に示したTM110シングルモードの定在波が形成されるマイクロ波加熱装置10の空胴共振器11内の中心軸Cに発熱パターンが位置するように、テフロン(登録商標)シートを介して配した支持体サンプルと基材サンプルとを設置した。そしてマイクロ波発振器の出力を30Wに設定して、マイクロ波照射を行った。
はんだの温度はサーモカメラで記録した。その結果、センダスト合金粉末の発熱パターンは加熱され、28℃から到達最高温度381.2℃になり、はんだの溶融を確認した。
[実施例3−3]
[鉄合金粉末:発熱パターンを形成する下地材インクの調整]
メノウ乳鉢内で鉄合金粉末(3.5%Si−Fe粉末:エプソンアトミックス社製)10gおよびエタノール(特級、和光純薬)2gを混合したのち、混練を行い、下地材インクを調製した。
[鉄合金粉末を用いた発熱パターンの作製方法とマイクロ波磁界加熱]
下地材インクに3.5%Si−Fe粉末を用いた以外、実施例3−1と同様にして、支持体サンプルとカプトンテープを用いた基材サンプルとを作製した。
上記の手順で作製した支持体サンプルと基材サンプルとを、テフロン(登録商標)シート(厚さ1mm)を間に介して、発熱パターンとはんだとが一致するように重ねて配した。さらに図2に示したTM110のシングルモードの定在波が形成されるマイクロ波加熱装置10の空胴共振器11内の中心軸Cに発熱パターンが位置するように、テフロン(登録商標)シートを介して配した支持体サンプルと基材サンプルとを設置した。そしてマイクロ波発振器の出力は25Wに設定して、マイクロ波照射を行った。
はんだの温度はサーモカメラで記録した。その結果、鉄合金粉末の発熱パターンは加熱され、28℃から到達最高温度496.4℃になり、はんだの溶融を確認した。
[比較例2]
[ソルダーペーストのみ(発熱パターン無し)の加熱特性]
比較例2は、上記実施例3−1と同様にして、カバーガラス上にはんだを形成した。
上記の基材サンプルを、テフロン(登録商標)シート(厚さ1mm)上に配した。さらにTM110のシングルモードの定在波が形成される図2に示したマイクロ波加熱装置10の空胴共振器11のキャビティー内の中心軸Cにはんだが位置するように、基材サンプルを設置した。そしてマイクロ波発振器の出力は30Wに設定して、マイクロ波照射を行った。はんだの温度はサーモカメラで記録した。その結果、はんだを28℃から加熱到達最高温度45℃に加熱した。しかし、加熱温度が低いため、はんだは未溶融であったことを確認した。
[実施例4]
実施例4は、発熱パターンに誘電体のチタン酸バリウムを用いた実施例である。
[チタン酸バリウム:発熱パターンを形成する下地材インクの調整]
メノウ乳鉢内でチタン酸バリウム(BaTiO、BT―03、堺化学工業)10gおよびエタノール(特級、和光純薬)2gを混合したのち、混練を行い、下地材インクを調製した。
[チタン酸バリウムの発熱パターンの作製とマイクロ波磁界加熱]
下地材インクにチタン酸バリウムを用いた以外、実施例3−1と同様にして、支持体のサンプルとカプトンテープを用いた基材サンプルとを作製した。
上記の手順で作製した支持体サンプルと基材サンプルとを、テフロン(登録商標)シート(厚さ1mm)を間に介して、発熱パターンとはんだとが一致するように重ねて配した。さらに図2に示したTM110シングルモードの定在波が形成されるマイクロ波加熱装置10の空胴共振器11内の中心軸Cに発熱パターンが位置するように、テフロン(登録商標)シートを介して配した支持体サンプルと基材サンプルとを設置した。そしてマイクロ波発振器の出力は30Wに設定して、マイクロ波照射を行った。
はんだの温度はサーモカメラで記録し、記録情報から加熱温度の最高速度と最高到達温度を分析した。その結果、チタン酸バリウムの発熱パターンは、28℃から到達最高温度107℃に加熱されたが、融点が140℃のはんだが未溶融であることを確認した。チタン酸バリウムのような比誘電率が高い誘電体の発熱パターンであっても一定レベルまで加熱可能であることがわかった。このような発熱パターンは、例えば、被加熱対象物を100℃程度まで加熱すればよい場合に用いることができる。
[実施例5]
実施例5は、発熱パターンにニッケル・酸化アルミニウム混合発熱パターンを用いた実施例である。
[ニッケルおよび酸化アルミニウム混合発熱パターンの下地材ペーストの作製]
メノウ乳鉢内でニッケルペースト(ニホンハンダ株式会社、製品名ECA202)および酸化アルミニウム粉末を1:1の割合で混合したのち、混練し、下地材ペーストを作製した。
[発熱パターンの作製とマイクロ波電界加熱]
スライドガラス上に、上記下地材ペーストを用いて1cm×1cm、厚さ:52μmのペースト膜を塗布により形成してサンプルを作製した。サンプルを、TM010のシングルモードの定在波が形成される図2に示したマイクロ波加熱装置10の空胴共振器11(キャビティ内)の中心軸Cの発熱パターンが位置するように配置した。そして、マイクロ波による電界加熱を行い、発熱パターンを加熱した。このときのマイクロ波発振器の出力は30Wに設定した。マイクロ波照射による温度変化を赤外モニターにて観察した。
ニッケルペーストのみによる電界加熱では、スパークが起こったが、酸化アルミニウムとニッケルペーストを1:1の割合で混合することで、ニッケルペーストをマイクロ波加熱することができた。特に、マイクロ波発振器の出力が30Wに設定したマイクロ波照射における、照射50秒後のペーストの温度が変化した結果を図10に示す。
図10に示すように、電界加熱による誘導電流の発生によるジュール損失によって加熱され、ペースト内部の温度が28℃から急激に上昇し、239.5℃になった。
電界加熱の場合、導電体であるニッケルペーストのみではスパークが発生するが、誘電体である酸化アルミニウムを混合することで導電率を低下させることができるため、スパークの発生を抑制することができた。
以上より、マイクロ波磁界加熱だけでなくマイクロ波電界加熱であっても、発熱パターンに成りうることが分かった。
上記のように発熱パターンを電界加熱する場合、被加熱対象物は、誘電体のようなスパークを発生させないような材料であることが好ましい。
1 はんだ実装装置
2 第1群装置
3 第2群装置
4 第3群装置(マイクロ波加熱装置10)
5 第4群装置
6 基材
7 電極パターン
8 被加熱対象物(はんだ)
9 電子部品
10 マイクロ波加熱装置
11 空胴共振器
12 入口
13 出口
14 マイクロ波供給口
15 窓
21 マイクロ波発生器
22 マイクロ波増幅器
23 アイソレータ
24 整合器
25 アンテナ
26 ケーブル
31 搬送機構
31A 供給側搬送部
31B 送り出し側搬送部
41 熱画像計測装置
42、45、46、47 ケーブル
43 制御器
44 電磁波センサ
50 支持体
60 発熱パターン
C 空胴中心軸(中心軸)

Claims (14)

  1. マイクロ波照射空間と、前記マイクロ波照射空間内に配され、該マイクロ波によって加熱される発熱パターンを有する支持体とを備え、前記支持体へのマイクロ波照射により前記発熱パターンを選択的に加熱するマイクロ波加熱装置。
  2. 前記の支持体が有する発熱パターンの加熱により、前記支持体上に配した基材上の被加熱対象物を該発熱パターンに対応して加熱する、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  3. 前記被加熱対象物が、電子部品を固定するためのはんだである、請求項2に記載のマイクロ波加熱装置。
  4. 前記の支持体が有する発熱パターンは、強磁性体及び非磁性体のいずれか1種、又は2種以上を組み合わせた、薄膜、粉末の集合体又は液体によって形成される請求項1〜3のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
  5. 前記マイクロ波照射空間は、シングルモードの定在波が形成される空胴共振器内の空間であり、
    前記マイクロ波照射空間における電界強度が極小で磁界強度が極大となる磁界領域若しくは磁界強度が極小で電界強度が極大となる電界領域に前記支持体を配する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
  6. 前記空胴共振器が円筒型のマイクロ波照射空間を有する空胴共振器である請求項5記載のマイクロ波加熱装置。
  7. 前記マイクロ波加熱装置は、被加熱対象物を有する基材が通過して該基材を前記マイクロ波照射空間内に搬入するための、前記空胴共振器の胴部壁に配した入口と、
    前記基材が通過して該基材を前記マイクロ波照射空間内から搬出するための、前記空胴共振器の胴部壁に配した出口と、
    前記支持体を、前記入口から搬入し、前記磁界領域を通過して前記出口から搬出する搬送機構とを有し、
    前記マイクロ波照射空間内には、該マイクロ波照射空間の円筒中心軸に沿って磁界強度が一様かつ極大となるTMn10(nは1以上の整数)モード若しくはTE10n(nは1以上の整数)モードの定在波が形成される、請求項6に記載のマイクロ波加熱装置。
  8. 前記マイクロ波照射空間に、前記円筒中心軸に沿って磁界強度が一様となるTM110モードの定在波が形成される、請求項7に記載のマイクロ波加熱装置。
  9. 前記支持体上に前記発熱パターンを形成する第一群装置と、
    前記支持体と基材とを重ね合わせた状態にしたときに前記発熱パターン上となる位置の前記基材上に被加熱対象物を配する第二群装置とを備え、
    前記マイクロ波加熱装置によって、前記支持体と前記基材とを重ね合わせた状態で前記発熱パターンを加熱することによって、前記被加熱対象物を加熱する請求項1〜8のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
  10. 前記マイクロ波加熱装置が、1つ若しくは複数の前記マイクロ波照射空間を有する請求項1〜9のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
  11. 被加熱対象物が配された基材と、該被加熱対象物に対応していてマイクロ波によって加熱される発熱パターンを有する支持体とを重ね合わせて積層体とする工程と、
    前記積層体を円筒型の空胴共振器内に搬送する工程と、
    前記円筒型の空胴共振器内に定在波を形成して、円筒中心軸に沿って磁界強度が一様かつ極大となる磁界領域を形成することにより前記発熱パターンを加熱し、該発熱パターンの発熱によって前記被加熱対象物を加熱する工程とを含むマイクロ波加熱方法。
  12. 前記発熱パターンは、前記磁界領域の磁界の作用により生じる磁気損失による発熱、及び前記磁界領域の磁界により前記発熱パターン内に発生される誘導電流による発熱のいずれか一方又は両方の発熱作用により加熱される請求項11に記載のマイクロ波加熱方法。
  13. 前記定在波は、TMn10(nは1以上の整数)モード若しくはTE10n(nは1以上の整数)モードである請求項11又は12に記載のマイクロ波加熱方法。
  14. 前記空胴共振器内の前記定在波の形成状態を維持するために、該空胴共振器に形成された定在波の共振周波数の変化に対応して、該空胴共振器に供給するマイクロ波の周波数を自動調整することを含む請求項11〜13のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱方法。
JP2019074883A 2019-04-10 2019-04-10 マイクロ波加熱装置及びマイクロ波加熱方法 Pending JP2020173958A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019074883A JP2020173958A (ja) 2019-04-10 2019-04-10 マイクロ波加熱装置及びマイクロ波加熱方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019074883A JP2020173958A (ja) 2019-04-10 2019-04-10 マイクロ波加熱装置及びマイクロ波加熱方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020173958A true JP2020173958A (ja) 2020-10-22

Family

ID=72831580

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019074883A Pending JP2020173958A (ja) 2019-04-10 2019-04-10 マイクロ波加熱装置及びマイクロ波加熱方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020173958A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113740380A (zh) * 2021-08-17 2021-12-03 华中科技大学 一种基于温差的裂纹磁粉检测方法
WO2023162235A1 (ja) * 2022-02-28 2023-08-31 株式会社安川電機 金属線の接合方法、金属線の接合システム

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001044616A (ja) * 1999-08-02 2001-02-16 Aoi Electronics Co Ltd 電子部品、プリント配線板、及びプリント配線板に電子部品を着脱する方法
JP2005322582A (ja) * 2004-05-11 2005-11-17 Idx Corp マイクロ波加熱装置
JP2006221958A (ja) * 2005-02-10 2006-08-24 Idx Corp 導電性又は磁性薄膜を有するシート状被加熱物のマイクロ波による加熱方法及び装置
JP2010274383A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Nisshin Seisakusho:Kk メタルボンド砥石の製造方法及び製造装置
JP2012075996A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Saida Fds Inc マイクロ波装置
JP2017200671A (ja) * 2016-05-02 2017-11-09 昭和電工株式会社 マイクロ波を使用した化学反応装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001044616A (ja) * 1999-08-02 2001-02-16 Aoi Electronics Co Ltd 電子部品、プリント配線板、及びプリント配線板に電子部品を着脱する方法
JP2005322582A (ja) * 2004-05-11 2005-11-17 Idx Corp マイクロ波加熱装置
JP2006221958A (ja) * 2005-02-10 2006-08-24 Idx Corp 導電性又は磁性薄膜を有するシート状被加熱物のマイクロ波による加熱方法及び装置
JP2010274383A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Nisshin Seisakusho:Kk メタルボンド砥石の製造方法及び製造装置
JP2012075996A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Saida Fds Inc マイクロ波装置
JP2017200671A (ja) * 2016-05-02 2017-11-09 昭和電工株式会社 マイクロ波を使用した化学反応装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113740380A (zh) * 2021-08-17 2021-12-03 华中科技大学 一种基于温差的裂纹磁粉检测方法
WO2023162235A1 (ja) * 2022-02-28 2023-08-31 株式会社安川電機 金属線の接合方法、金属線の接合システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7241379B2 (ja) はんだ実装方法及びマイクロ波加熱装置
US11883789B2 (en) Microwave heating method, microwave heating apparatus, and chemical reaction method
TWI757288B (zh) 具有介電諧振器天線陣列的固態微波加熱設備及其操作和製造方法
TWI757287B (zh) 具有堆疊的介電諧振器天線陣列的固態微波加熱設備及其操作和製造方法
JP2020173958A (ja) マイクロ波加熱装置及びマイクロ波加熱方法
CN103250465B (zh) 感应加热线圈和感应加热装置
JP3677017B2 (ja) スロットアレイアンテナおよびプラズマ処理装置
US20220279629A1 (en) Microwave band induction heating device
WO2021095723A1 (ja) 実装用配線基板、電子部品実装基板、電子部品の実装方法、マイクロ波加熱方法及びマイクロ波加熱装置
WO2019156142A1 (ja) マイクロ波加熱方法、マイクロ波加熱装置及び化学反応方法
US9305821B2 (en) Apparatus and method for manufacturing an integrated circuit
JP6986264B2 (ja) 薄膜パターンの焼成方法及びマイクロ波焼成装置
JP7389444B2 (ja) マイクロ波加熱装置、加熱方法及び化学反応方法
TWI841549B (zh) 微波加熱方法、微波加熱裝置及化學反應方法
EP3481149B1 (en) High-frequency heating device
WO2023286426A1 (ja) 電子部品の実装方法及び電子部品実装用部分シールド基板
JP2024501621A (ja) マイクロ波誘導加熱装置及びこれを用いた積層セラミックキャパシターの高速同時焼結方法
JP6121333B2 (ja) マイクロ波加熱装置及びマイクロ波加熱方法
JP6971812B2 (ja) マイクロ波処理装置、マイクロ波処理方法、加熱処理方法及び化学反応方法
WO2024134938A1 (ja) 電子部品、電子部品の実装構造体及び電子部品の分離方法
JP2005243650A (ja) スロットアレイアンテナおよびプラズマ処理装置
KR20220081892A (ko) 마이크로파 유도가열 장치 및 이를 이용한 적층 세라믹 커패시터의 고속 동시소결 방법
JP2004214361A (ja) 高周波用回路基板
JPH0193902A (ja) 耐熱性の基材を用いた多層マイクロストリップ線路の製造方法とその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230104

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230403

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230718