JP2020173369A - 照明光学系及びこれを用いた画像投射装置 - Google Patents

照明光学系及びこれを用いた画像投射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 波長変換素子からの照明光の光路内に反射透過面を設けつつ、照明光の断面積の変化による照明光および投射画像の色の変化を抑制する。【解決手段】 画像投射装置は、第1の光の一部を波長変換して第1および第2の光を含む照明光を生成する波長変換素子5と、第1の光を反射して第2の光を透過する特性を有する反射透過面3とを含み、光源1からの第1の光を反射透過面で反射させて波長変換素子に導き、照明光の一部を反射透過面に入射させながら照明光を出射させる照明光学系200と、照明光を用いて画像光を生成する画像光生成素子14とを有する。照明光学系は被投射面に投射される画像光の生成に用いられる照明光の断面積を変化させる光制限手段を有する。光制限手段は、2次元レンズアレイと画像光生成素子の間に配置され、光軸方向に沿った位置に応じて照明光の断面積が変化し、画像光生成素子側に向かうに従い断面積が小さいことを特徴とする。【選択図】図9

Description

本発明は、波長変換素子を用いた画像投射装置(以下、プロジェクタという)に関する。
プロジェクタの光源として、特許文献1には、レーザダイオードからの青色光を波長変換素子(蛍光体)に照射して該青色光の一部を黄色光(緑色および赤色光)に波長変換することで、青色光と黄色光とを含む白色光を生成する構成が開示されている。この構成では、波長変換素子からの白色光を照明光として取り出す光路内に、レーザダイオードからの青色光を蛍光体に向けて反射する導光面(偏光ビームスプリッタ)を設けている。この導光面は、特定の偏光方向を有する青色光を反射し、該特定の偏光方向に直交する偏光方向を有する黄色光を透過する特性を有する。生成された白色光は照明光として液晶パネル等の光変調素子に導かれ、ここで画像光に変換された後、投射光学系によりスクリーン等の被投射面に投射される。
特許第5770433号公報
しかしながら、特許文献1にて開示された構成では、照明光の光路内に設けられた導光面が照明光のうち一定光量の青色光をも反射する。このため、コントラスト調整のために光学系の開口絞り径を変化させたり投射光学系の変倍によりそのFナンバーが変化したりして画像光の生成に用いられる照明光の断面積が変化すると、該照明光における導光面で反射される青色光の割合が変化する。この結果、光変調素子に導かれる照明光の色が変化し、投射される画像の色も変化する。
本発明の目的は、波長変換素子からの照明光の光路内に導光面(反射透過面)を設けつつ、照明光の断面積が変化しても照明光および投射画像の色の変化を抑制することができるようにした画像投射装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の一側面としての画像投射装置は、
第1の光の一部を該第1の光とは波長が異なる第2の光に変換して第1の光と第2の光とを含む照明光を生成する波長変換素子と、第1の光を反射して第2の光を透過する特性を有する反射透過面とを含み、光源からの第1の光を反射透過面で反射させて波長変換素子に導き、照明光の一部を反射透過面に入射させながら照明光を出射させる照明光学系と、照明光学系からの照明光を用いて画像を表示するための画像光を生成する画像光生成素子と、画像光を被投射面に投射する投射光学系とを有する。照明光学系は、照明光を空間的に分割する2次元レンズアレイと、分割された照明光を画像光生成素子上で重畳させる重畳レンズを有する。照明光学系は被投射面に投射される画像光の生成に用いられる照明光の断面積を変化させる光制限手段を有する。そして、光制限手段は、重畳レンズと画像光生成素子の間に配置され、光軸方向に沿った位置に応じて照明光の断面積が変化し、画像光生成素子側に向かう際に断面積がより小さくなることを特徴とする。
本発明に係る画像投射装置によれば、波長変換素子からの照明光の光路内に反射透過面が設けられているにもかかわらず、照明光の断面積の変化に伴う照明光および投射画像の色の変化を抑制することができる。
本発明の実施例であるプロジェクタの基本構成を示す図 実施例における非変換光と蛍光光からなる照明光のスペクトルを示す図 実施例におけるフライアイレンズ前の位置における光制限による光断面積の変化を示す図 実施例の絞りが全開の場合の蛍光光の分布を示す図 実施例の絞りが全開の場合の非変換光の分布を示す図 絞りの位置がフライアイレンズ6bの直後にある場合の絞りが最大閉の場合の蛍光光の分布を示す図 絞りの位置がフライアイレンズ6bの直後にある場合の絞りが最大閉の場合の非変換光の分布を示す図 実施例の絞りが最大閉の場合の蛍光光の分布を示す図 実施例の絞りが最大閉の場合の非変換光の分布を示す図
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
まず具体的な実施例の説明に先立って、本発明の実施例である画像投射装置(以下、プロジェクタという)200の基本的な光学系の構成について図1を用いて説明する。
光源系100は、レーザダイオード(LD)光源1、コリメータレンズ2、ダイクロイックミラー3、集光レンズユニット4および蛍光体ユニット5を有する。LD光源1は青色レーザ光(以下、青色光という)を発する。コリメータレンズ2は、LD光源1からの発散光である青色光を平行光に変換する正レンズである。LD光源1から発せられた青色光は、コリメータレンズ2により平行光に変換され、ダイクロイックミラー3の反射透過面に入射する。反射透過面は青色光を反射して黄色光(緑色および赤色光)を透過する特性を有する。ダイクロイックミラー3の反射透過面にて反射されたLD光源1からの青色光は、後述する照明光学系200の一部でもある集光レンズユニット4により集光されて蛍光体ユニット5に向う。
ダイクロイックミラー3は、ガラス基板の表面の全体または一部にダイクロイックコートを塗布することで構成されている。反射透過面は、このダイクロイックミラー3のうちダイクロイックコートが塗布された領域である。本実施例では、ガラス基板の表面全体にダイクロイックコートが塗布されたダイクロイックミラー3を用いており、ダイクロイックミラー3を反射透過面と同義とする。
集光レンズユニット4は、正のパワーを持ったレンズ群により構成され、ダイクロイックミラー3からの青色光を蛍光体5に向けて集光するとともに、蛍光体5から発せられた後述する照明光を集光して平行光に変換する。
波長変換素子としての蛍光体ユニット5は、蛍光体を含む波長変換層と、該波長変換層を保持する基板とを有する。波長変換層は、ここに入射した励起光としての青色光(第1の光)の一部を蛍光体により波長変換して該青色光より長い波長の蛍光光である黄色光(第2の光)を発する。また、黄色光は蛍光体から直接または基板に設けられた反射膜によって反射されて蛍光体ユニット5から集光レンズユニット4の方向に出射する。また、波長変換層において蛍光光に波長変換されなかった非変換光としての青色光は、波長変換層に含まれる拡散体により拡散反射されたり基板の反射膜によって反射されたりして青色光のまま蛍光体ユニット5から集光レンズユニット4の方向に出射する。こうして蛍光体ユニット5から黄色光(赤色および緑色光)と青色光とが含まれる白色光としての照明光が出射する。
集光レンズユニット4の光軸AXLが延びる方向である光軸方向から見たとき、ダイクロイックミラー3を光軸AXLに直交する面に投影したときの面積は、集光レンズユニット4およびそこからの照明光の断面(光軸AXLに直交する断面)の面積よりも小さい。このため、集光レンズユニット4により平行光に変換された照明光は、その一部をダイクロイックミラー3に入射させながら後述する第1のフライアイレンズ6aに向かう。
以下の説明において、ダイクロイックミラー3を集光レンズユニット4の光軸AXLに直交する面に投影した面を、ダイクロイックミラー3の光軸方向射影面といい、その面積をダイクロイックミラー3の光軸方向射影面積という。また、以下の説明において、照明光、蛍光光および非変換光の断面およびその面積とは、光軸AXLに直交するそれらの断面および断面積を意味する。
ダイクロイックミラー3に入射した照明光のうち黄色光は、該ダイクロイックミラー3を透過して照明光学系200の第1のフライアイレンズ6aに入射する。一方、ダイクロイックミラー3に入射した照明光のうち青色光はダイクロイックミラー3で反射されてコリメータレンズ2およびLD光源1の方向に戻る。このため、第1のフライアイレンズ6aに向かう照明光の断面のうちダイクロイックミラー3の光軸方向射影面での青色光の光量は、該ダイクロイックミラー3の光軸方向射影面以外の領域に比べて低く(ほぼ0に)なる。照明光のうちダイクロイックミラー3で反射される青色光を考慮して第1のフライアイレンズ6aに入射する照明光が白色光になるように蛍光体ユニット5から出射する黄色光と青色光の割合が設定される。また、照明光のうちダイクロイックミラーで反射されてLD光源1側に戻される青色光はロスになるため、ダイクロイックミラー3の光軸方向射影面積はできるだけ小さい方が望ましい。
照明光学系200は、上述した集光レンズユニット4、第1のフライアイレンズ6a、第2のフライアイレンズ6b、偏光変換素子7およびコンデンサーレンズ8を有する。集光レンズユニット4の光軸AXLは、照明光学系200の光軸でもある。
第1のフライアイレンズ6aは、複数のレンズセルを有し、入射した照明光を複数の光束に分割し、各分割光束に第2のフライアイレンズ6bの近傍に光源像を形成させる。第2のフライアイレンズ6bも、第1のフライアイレンズ6aの複数のレンズセルに対応する複数のレンズセルを有する。
第2のフライアイレンズ6bの後段に設けられた偏光変換素子7は、それぞれ複数の偏光ビームスプリッタとλ/2板とにより構成され、入射した無偏光光である照明光(分割光束)を特定の偏光方向を有する直線偏光に変換する。本実施例では、照明光をs偏光に変換する。
偏光変換素子7からの照明光は、コンデンサーレンズ8により集光され、画像光生成素子(光変調素子)としての3つの液晶パネル14(14r,14g,14b)上にて重ね合わせられる。これにより各液晶パネル14が均一に照明される。本実施例では、画像光生成素子である液晶パネル14として反射型液晶パネルを用いる。ただし、画像光生成素子として透過型液晶パネルやデジタルマイクロミラーデバイス(DМD)を用いてもよい。
コンデンサーレンズ8で集光された照明光(s偏光)は、色分解合成系300に入射する。色分解合成系300において、照明光はまず偏光板9に入射してその偏光度が高められた後、ダイクロイックミラー10に入射する。ダイクロイックミラー10は、緑色光を反射してマゼンタ光(青色および赤色光)を透過させる特性を有し、偏光板9からの白色光を緑色光とマゼンタ光に分離する。位相差板12は、赤色光の偏光方向を90度回転させてp偏光とし、青色光をそのままs偏光として透過させる。
偏光ビームスプリッタ11(11a,11b)は、s偏光を反射してp偏光光を透過する特性を有し、各色光をその偏光方向に応じて反射または透過することで各色光に対応する液晶パネル14(14r,14g,14b)に導く。具体的には、偏光ビームスプリッタ11aは、ダイクロイックミラー10で反射された緑色光(s偏光)を反射して緑用液晶パネル14gに導く。また、偏光ビームスプリッタ11bは、位相差板12からの青色光(s偏光)を反射して青色用液晶パネル14bに導き、赤色光(p偏光)を透過して赤色用液晶パネル14rに導く。
1/4λ板13r,13g,13bは、各液晶パネルとの間での各色光の往復において各色光に1/2λの位相差を与えることで検光効果を高める。駆動回路17は、プロジェクタの外部から入力された画像信号に応じて各液晶パネル14を駆動する。これにより、各液晶パネル14は、入射した各色光を変調してその偏光方向を変換した画像光を生成して反射する。緑色の画像光(p偏光)は偏光ビームスプリッタ11aにより透過されてダイクロイックプリズム15に導かれる。青色の画像光(p偏光)および赤色の画像光(s偏光)はそれぞれ、偏光ビームスプリッタ11bにより透過および反射されてダイクロイックプリズム15に導かれる。
ダイクロイックプリズム15は、緑色光を反射してマゼンタ色光を透過する特性を有し、緑色の画像光と青色および赤色の画像光を合成して投射レンズ(投射光学系)400に導く。
投射レンズ400は、上記のように色合成された画像光をスクリーン等の被投射面18に拡大投射する。ことによりカラー画像としての投射画像が表示される。
次に、上述した光学系において、投射画像のサイズ変更のための投射レンズ400の変倍やコントラスト調整のための開口絞りの開口径の変更による照明光(つまりは投射画像)の色の変化について説明する。
照明光のうち蛍光光としての黄色光と非変換光としての青色光との割合は、波長変換層における拡散体の量によって励起光としての青色光の拡散量を変更することで調整することができる。図2に照明光のスペクトルを示す。
図2において、蛍光光のスペクトルのピークの高さをP1とし、非変換光(励起光)のスペクトルのピークの高さをP2とする。励起光の拡散量を変更することでP2を調整することができ、P2を大きくすると励起光のうち蛍光光に変換される量が減ってP1が小さくなり、P2を小さくすると励起光のうち蛍光光に変換される量が増えてP1が大きくなる。これらの関係は、色度図上でほぼ線形に変化する。この線形を示す直線の傾きと切片は蛍光体の種類によって決まる。そして、例えばこの直線上の点で黒体軌跡に最も近い点を選ぶことで、適切な色度の白色(ホワイトバランス)を設定することができる。このときの適切な色度の白色を定めた状態を標準状態とすると、標準状態でのP1とP2の比率が決まる。
ここで、蛍光光と非変換光のそれぞれの断面での強度分布がほぼ一様であるとし、標準状態での蛍光光の断面積をA0とし、非変換光の断面積をB0とする。また、後述する光制限手段による照明光の断面積の変化(以下、光制限という)に応じて変化(減少)した蛍光光の断面積をA1とし、非変換光の断面積をB1とする。このとき、光制限に応じて断面積が減少した後の蛍光光および非変換光のスペクトルのピークは、それぞれの標準状態でのスペクトルのピークに変化前後の断面積の比を乗じた、
A1/A0×P1
B1/B0×P2
となる。
図3に、フライアイレンズ6に入射前の位置での光制限有無状態の照明光および非変換光を示す。
標準状態に対する光制限による減少後(以下、光制限状態ともいう)の蛍光光および非変換光の断面積が互いに同じであれば、照明光および投射画像の色は変わらない。蛍光光および非変換光の断面積のそれぞれの減少の割合を断面積減少率というとき、図3から、蛍光光および非変換光の断面積減少率はそれぞれ、
(A0−A1)/A0
(B0−B1)/B0
である。
ダイクロイックミラー3の光軸方向射影面積をCとすると、
A0−C=B0
の関係があるので、
(B0−B1)/B0=(A0−C−B1)/(A0−C)
となる。
光制限状態では、蛍光光と非変換光とで共通する光路のうち外縁側の領域(以下、光制限領域という)が空間的に遮蔽される。このときに遮蔽されない中心側の領域がダイクロイックミラー3の光軸方向射影面を含む場合は、図3から、
C=A1−B1
となるため、
(B0−B1)/B0=(A0−A1)/(A0−C) …(1)
となる。つまり、蛍光光と非変換光の分子が共通であるのに対して、非変換光の分母が小さいため、断面積減少率としては非変換光の方が多くなる。
例えば、A0=100,B0=90,A1=80,C=A0−B0=A1−B1=10である場合において、標準状態での蛍光光と非変換光の断面積(言い換えれば光量)の割合が100:90であるときに照明光が適切な白色を示すとする。このとき、標準状態に対する光制限状態での蛍光光と非変換光の断面積の減少量はともに20(A1=80,B1=70)となる。しかし、蛍光光は標準状態での断面積A0=100からの減少であるので20%の減少となるのに対して、非変換光は標準状態の断面積B0=90からの減少であるので20/90=22.2%の減少となる。すなわち、非変換光である青色光が蛍光光である黄色光より多く減少し、この結果、照明光の色が変化して黄色みを帯びる。
上記の説明では、照明光の光制限をする位置がフライアイレンズで分割する前にあるが、フライアイレンズ6bの直後では、フライアイレンズの各セルに入射された光が点状に集光されるが、この位置で光制限をした場合も遮蔽される光の量は変わらない為、照明光の色が変化してしまう。
本発明では、最大の光制限を行う位置をフライアイレンズ6bの直後ではなくコンデンサーレンズに近い位置にすることで、制限される光束の中に、フライアイレンズ6bの直後では遮蔽されてしまう光の一部を取り込むことで、蛍光光と非変換光の相対差を小さくすることで、色の変化を少なくすることができる。一方で、光制限が全開と最大閉の間を連続的に行われる時の中間の量で光制限を行う場合には、上記の取り込み光束を制限することで照明ムラも多少ひどくなる為、全遮蔽量に応じて、重なり合う光束部分を減らした方が良い。
したがって、光軸方向に沿った位置に応じて、開口面積をより小さくすることで、開口絞りを最大閉に絞った場合の色の変化を小さくすると共に、全開と最大閉の中間状態の照明ムラを小さくすることができる。
以下、具体的な実施例を示す。
[実施形態1]
(開口絞り)
実施形態1の開口絞りが全開時の場合の開口絞り周辺の模式図を、照明光が蛍光体の場合を図4、非変換光の場合を図5に示す。
開口絞りは、フライアイレンズ6bとコンデンサーレンズの間に配置されている。
コンデンサーレンズと画像表示素子との間の上記色分離合成系の各光学素子については図示を省略した。また、図1に示している偏光利用効率を上げる為のPS変換素子はフライアイレンズにより分割された光束が、さらに2分割されるが、同様に考えることができる為、ここでは、PS変換素子は省略した。
フライアイレンズに入射する蛍光光は、縦横9セル分に内接する円形の光束がフライアイレンズにより分割されている。
フライアイレンズに入射する非変換光は、上述のダイクロイックミラーにより光源側へ反射する為、蛍光光の光束断面に比べて上記ダイクロイックミラーの射影部の領域が抜けて、矩形状の穴がある。本例の場合、上記穴の面積はフライアイレンズ縦中心より3セル分である。
図5の横断面図は、穴を含む面の横断面を示しており、穴を含まない任意の断面については、蛍光光と非変換光の分布が同じであるので、開口絞りによる遮蔽される量も同じである。
蛍光光および非変換光それぞれにおいて、入射する光束の光パワー密度は、図で示した灰色の部分で同じであるとする。空間的に重なった光線は重なっている光線の数に応じてより濃い灰色で示している。
画像表示上では、フライアイレンズのセルの面積の4.5×4.5×π=63.6個分の蛍光光が照射され、フライアイレンズのセルの面積の4.5×4.5×π−3=60.6個分の未変換光が照射される。絞り全開の場合の蛍光光+非変換光の色が最適な白色となるように、蛍光体と拡散体の比率を調節されていると、本実施例の場合、面積比で蛍光光:非変換光=63.6:60.3=100%:94.8%が保たれていれば色の変化がない。色の変化がある場合でもこの比率が小さければ色の変化が少ない。
開口絞りの位置がフライアイレンズ6bの直後にある場合を図6に示す。最も外側のセルから1.5セル分の位置で遮蔽する場合、2番目からの光束は1.5セル分の位置に集光している為、最も外側のセルと2番目の光束が遮蔽される。上下対称で4セル分が遮蔽される為、画像表示素子には63.6−4=59.6セル分の蛍光光が照明される。同様に、図7に示すように非変換光は、60.3−4=56.3セル分が画像表示素子に照明される。蛍光光:非変換光=59.6:56.3=100%:94.5%となり、蛍光光に対する非変換光の割合が、開口絞りによる遮蔽前後で0.3%低くなり、相対的に青が少ない為元の白色よりも黄色く色変化する。
本実施例の場合、図8に示すように、開口絞りの位置はフライアイレンズ6bの直後からコンデンサーレンズ側に離れて配置されており、最も外側のセルからの光束と2番目のセルからの光束が空間的に重なる部分を含んでおり、1.5セル分の位置で遮蔽すると、最も外側のセルからの光束が遮蔽と最も外側のセルから2番目のセルからの光束の半分の1.5セル分が遮蔽され、上下対称で3セル分遮蔽される。従って、画像表示素子には63.6−3=60.3セル分の蛍光光が照明される。同様に、図9に示すように、非変換光は、60.3−3=57.3セル分が画像表示素子に照明される。蛍光光:非変換光=60.6:57.3=100%:94.6%となり、蛍光光に対する非変換光の割合が、開口絞りによる遮蔽前後で0.2%低くなりが、開口絞りがフライアイレンズ6bの直後よりも、遮蔽前後での変化は小さい。簡単の為、光軸を含む断面のセルのみを考えたが、実際には垂直方向にも遮蔽される為、遮蔽前後での割合の変化はいずれも大きくなるが、同じ開口絞りの面積では、光束が重なる部分を含んで遮蔽する場合の方が実質的に遮蔽される量が少ない為、色の変化は小さい。
また、開口絞りの面積は遮蔽面の一辺を軸とした回転により、全開から最大閉の間の状態を連続的に変化し制御される。最大閉の場合は遮光面積が広く色の変化が大きい為、上記重なり合う隣り合うセルの光束を遮蔽し、色の変化を小さくすることが有効である。一方で、重なり合う光束のうち光軸側のセルの光束は、一部のみが画像表示素子に入射する為、照明ムラが多少ひどくなるが、本例の場合、光軸に向かって開口面積が小さくなるように遮蔽板が回転する為、遮蔽量が少ない場合の中間状態では、光束の重なり合う部分が少なくなる。
また、回転により制御することで、並進制御よりも駆動系を素早く変化させることができる為、表示する映像、特に動画において、映像に合わせて開口絞りの制御をすることで、コントラストをダイナミックに制御できるメリットもある。
3 ダイクロイックミラー(反射透過面)、5 蛍光体ユニット(波長変換素子)、
14 液晶パネル(画像光生成素子)、300 色分離合成系、
400 投射光学系

Claims (2)

  1. 光源からの光束を前記光源からの光束と波長が異なる変換光束に変換し、前記変換光束と、
    前記光源からの光束と波長が同じ非変換光束と、を射出する波長変換素子と、
    前記光源からの光束を前記波長変換素子に導くとともに、前記波長変換素子からの光束が再び経由する導光素子と、を備える光源装置と、
    光源装置からの光を複数の光束に分割する第1レンズアレイと、前記複数の分割された光束が入射する第2レンズアレイと、画像表示素子と、上記分割された光束を前記画像表示素子上に重畳する重畳レンズ、を有する照明する照明光学系において、
    光束の光軸より外側を遮蔽する開口絞りを有し、前記開口絞りの位置が第2レンズアレイと画像表示素子の間にあり、
    さらに前記開口絞りは、光軸方向に沿った位置に応じて、開口面積が変化する開口絞りであって、前記画像表示素子側に向かう際に開口面積がより小さくなることを特徴とする照明光学系。
  2. 前記開口絞りが、前記第2レンズアレイと前記重畳レンズの間に位置することを特徴とする請求項1に記載の照明光学系。
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