JP2020173291A - ヘッドアップディスプレイガラス用ガラス素板、及びその製造方法、並びにヘッドアップディスプレイガラスの製造方法 - Google Patents

ヘッドアップディスプレイガラス用ガラス素板、及びその製造方法、並びにヘッドアップディスプレイガラスの製造方法 Download PDF

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Yukio Morikawa
幸生 森川
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拓真 藤岡
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Abstract

【課題】透視歪が改善された、凹状の断面形状による楔角プロファイルを備えるガラス素板を提供する。【解決手段】矩形状ガラス板の第一側辺201から矩形状ガラス板内の垂直方向に徐々に厚さが減少する、第一楔角プロファイル領域501と、第一側辺201と対向する第二側辺202から矩形状ガラス板内の垂直方向に徐々に厚さが減少する第二楔角プロファイル領域502とを備える、ヘッドアップディスプレイガラス用ガラス素板100であって、中央領域103は、第一方向301において、最小の厚さとなる最小厚さ部位400を備え、最小厚さ部位400の厚さは1.5mm〜2.1mmであり、第一側辺201と第二側辺202に直交する第三側辺203から、第三側辺203と対向する第四側辺204に、垂直方向に向かう第二方向302では、厚さが一定のプロファイルとなっている。【選択図】図3

Description

本発明は、ヘッドアップディスプレイガラスとして、車両用途に好適に使用される、楔角プロファイルを備えるガラス板に関する。
フロート法、すなわち、溶融金属浴上でガラスリボンを進行させて、前記ガラスリボンを板状に成形する工程を有する製造方法にて得られるガラス板は、通常、厚さのプロファイルが一定のものである。近年、前記ガラスリボンを板状に成形する際に、前記ガラスリボンの進行方向と直交する、ガラスリボンの幅方向の温度条件に傾斜を持たせることで、該方向のガラス板の厚さが徐々に変動する楔角プロファイルを備えるガラス素板の製造が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
特許文献1では、ガラスリボン幅方向の、ガラスリボンの厚さのプロファイルと、凸状や凹状の断面形状による楔角プロファイルを備えるガラス素板が開示されている。また、特許文献2では、凸状の断面形状による楔角プロファイルを備えるガラス素板から切り出されたガラス板を、ヘッドアップディスプレイ(HUD)ガラスとして使用することを提案している。このHUDガラスでは、当該ガラスが楔角プロファイルを備えることで、HUDガラスに投影される投射像の二重像の低減が図られているもので、楔型HUDガラスとして分類されるものである。
楔型HUDガラスの二重像の低減の機構は、図1のように説明されている。プロジェクター8から投射された映像光は、厚さが徐々に異なる楔角プロファイルを備えるヘッドアップディスプレイガラス1の主面中の前記プロジェクター8に対して最近の主面(これを第4面とする)に反射され、第一投影像が形成される。このとき、前記第4面で反射されなかった映像光は、前記ヘッドアップガラスディスプレイガラス1の主面中の前記プロジェクター8に対して最遠の主面(これを第1面とする)で反射され、前記第4面に前記第1面から戻ってきた映像光による第二投影像が形成される。前記ヘッドアップガラスディスプレイガラス1の楔角プロファイルの楔角が適切に設定されることで、両投影像を同じ地点とできる。ユーザー9は、その投影像の虚像を認識し、ユーザー9にとって二重像の発生が抑制された映像を観察するに至る。図1では、プロジェクター8から照射された映像光を、ユーザー9が認識するに至るまでの軌跡が破線矢印で示されている。
国際公開第2003/086996号 国際公開第2016/117650号
楔角プロファイルを備えるガラス素板の製造は、ガラスリボンの幅方向の温度条件を調整することや、トップロールなどによってガラスリボンの端部に印加される張力を調整することによってなされる。これらの調整によって、ガラスリボンの溶融金属浴上の流速が、ガラスリボンの幅方向で違いが生じる。例えば、凹状の断面形状による楔角プロファイルを備えるガラス素板の製造では、ガラスリボンの中央領域の流速が端部側よりも速いものとすることがある。
ガラスリボンの流速はガラス板の透視性に影響し、ガラスリボンの流速が速い条件で製造されたガラス板は、ガラス板の透視像が歪みやすいものとなるリスクが高いものとなる。楔型HUDガラスでは、前記第一投影像と、前記第二投影像との位置が同じとなるように調整される。しかし、楔型HUDガラス内の透視像の歪は、第二投影像の形状に影響を与える。これは、第一投影像と、第二投影像との映像の差を生じせしめる。このことは、楔型HUDガラスで表示される映像の高精細化や、細かな映像情報の表示を阻害化する要因ともなりえる。
また、HUDシステムの軽量化を図っていくためには、HUDガラスの厚みは抑制されていることが好ましい。車両用途では、軽量化の要求は高く、ガラスの厚みの抑制は大きな課題の一つである。
そして、楔角プロファイルを備えるガラス素板の厚みを全体的におさえたものとするためには、溶融金属浴上でのガラスリボンを板状に成形する工程にて、ガラスリボン幅方向の外側に向かって張力が印加される必要がある。図2は、溶融金属浴4上でガラスリボン3を板状に成形するときの態様を模式的に示したものである。前記した張力の印加は、ガラスリボン3の両端部に複数対のトップロール5を印加することでなされる。図2中の破線7c、7sは、ガラスリボン3が流れる方向を示したものである。
ガラスリボン3の側部領域の流れ7sは、側部領域のガラスリボン3が、ガラスリボン3の幅方向(図2中に示された矢印Yの方向と、該矢印Yの反対方向)に引っ張られて、側部領域に滞留しつつ進行するので、ガラスリボン3の中央領域の流れ7cより遅くなる傾向がある。加えて、凹状の断面形状による楔角プロファイルを備えるガラス素板を得る場合は、流れ7cの速度と、流れ7sの速度との差はより大きくなりやすくなる。このことはガラスリボン3の早い流速によるガラス板の透視歪の発生だけでなく、流速の差によって生じるガラス板の透視歪の発生も懸念される。
本発明は、上記の事情に鑑み、透視歪が改善された、凹状の断面形状による楔角プロファイルを備えるガラス素板を提供することを課題とする。
本発明のヘッドアップディスプレイガラス用ガラス素板は、矩形状ガラス板の第一側辺から前記矩形状ガラス板内の垂直方向に徐々に厚さが減少する、第一楔角プロファイル領域と、前記第一側辺と対向する第二側辺から前記矩形状ガラス板内の垂直方向に徐々に厚さが減少する第二楔角プロファイル領域とを備える、ヘッドアップディスプレイガラス用ガラス素板であって、
前記第一側辺から前記第二側辺へ垂直に向かう方向を第一方向とし、前記第一方向の長さを均等に四分割し、中央部の2/4の領域を中央領域、側部の各1/4の領域を第一側部領域、第二側部領域と定義したときに、
前記第一楔角プロファイル領域は、前記中央領域と前記第一側部領域との境界と、該境界と接する、前記中央領域の一部と前記第一側部領域の一部とを備え、
前記第二楔角プロファイル領域は、前記中央領域と前記第二側部領域との境界と、該境界と接する、前記中央領域の一部と前記第二側部領域の一部とを備え、
前記中央領域は、前記第一方向において、最小の厚さとなる最小厚さ部位を備え、前記最小厚さ部位の厚さは1.5mm〜2.1mmであり、
前記第一側部領域の楔角は、0.05mrad〜1mradであり、かつ、前記中央領域の前記第一側部領域側の楔角より大きく、
前記第二側部領域の楔角は、0.05mrad〜1mradであり、かつ、前記中央領域の前記第二側部領域側の楔角より大きく、
前記第一側辺と前記第二側辺に直交する第三側辺から、前記第三側辺と対向する第四側辺に、垂直方向に向かう第二方向では、厚さが一定のプロファイルとなっている、ことを特徴とする。
本発明のヘッドアップディスプレイガラス用ガラス素板は、前記構造を備えることで、透視歪が改善された、凹状の断面形状による楔角プロファイルを備えるガラス素板となる。そして、ヘッドアップディスプレイガラスの製造方法は、前記素板の、前記第一楔角プロファイル領域、又は/及び前記第二楔角プロファイル領域から、ガラス板を切り出す工程を含む、ものである。
前記ヘッドアップディスプレイガラス用ガラス素板の製造方法は、溶融金属浴上でガラスリボンを進行させて、前記ガラスリボンを板状に成形する工程を含み、
前記ガラスリボンの進行方向が前記第二方向に相当し、前記進行方向と直交する前記ガラスリボン幅方向が前記第一方向に相当するものと定義したとき、
該工程は、前記ガラスリボンは、複数対のトップロールを前記ガラスリボンの両側端部に印加することで、前記第一方向と前記第一方向とは反対方向に引き伸ばされる段階(a)と、
前記トップロールによる印加を解除して、前記ガラスリボンの第一方向の幅を収縮させる段階(b)と、を含み、
前記段階(a)において、前記ガラスリボンの前記中央領域に相当する部位を、前記ガラスリボンの前記第一側部領域に相当する部位及び第二側部領域に相当する部位よりも高い温度とする、ことで、前記素板を製造しやすいものとできる。
本発明によれば、透視歪が改善された、凹状の断面形状による楔角プロファイルを備えるガラス素板を提供することができる。
楔型HUDガラスの二重像の低減の機構を概略的に説明する図である。 溶融金属浴上でガラスリボンを板状に成形するときの態様を模式的に説明する図である。 本発明のヘッドアップディスプレイガラス用ガラス素板を概略的に説明する図で、(a)は前記素板の平面図、(b)は、前記平面図のXY断面を表す図である。 本発明の実施例における、試料の透視歪の測定方法を模式的に説明する図である。 各楔角の求め方を説明するためのガラス素板の断面の模式図である。
本発明を、図面を用いて説明する。図3は、本発明のヘッドアップディスプレイガラス用ガラス素板100を概略的に説明する図で、(a)は前記素板100の平面図、(b)は、前記平面図のXY断面を表す図である。前記ガラス素板100は、矩形状ガラス板であり、第一側辺201と、前記第一側辺201と対向する第二側辺202と、前記第一側辺201と前記第二側辺202に直交する第三側辺203と、前記第三側辺203と対向する第四側辺204とを備える。そして、前記第一側辺201から前記第二側辺202へ垂直に向かう方向を第一方向301とし、前記第一側辺201から第一方向301に徐々に厚さが減少する、第一楔角プロファイル領域501と、前記第二側辺202から前記第一方向301とは反対方向に徐々に厚さが減少する、第二楔角プロファイル領域502とを備える。
前記ガラス素板100を前記第一方向301の長さを均等に四分割し、中央部の2/4の領域を中央領域103、前記第一側辺201側の側部1/4の領域を第一側部領域101、前記第二側辺202側の側部1/4の領域を第二側部領域102と定義する。中央領域103と、第一側部領域101との境界104と、中央領域103と、第一側部領域102との境界105とは、図3(a)、(b)中では、破線の仮想線として表されている。
そして、前記第一楔角プロファイル領域501は、前記境界104と、前記中央領域103の一部と前記第一側部領域101の一部とを備え、該各一部は、境界104と接する。また、記第二楔角プロファイル領域502は、前記境界105と、前記中央領域103の一部と前記第二側部領域102の一部とを備え、該各一部は、前記境界105と接する。
また、前記中央領域103は、前記第一方向において、最小の厚さとなる最小厚さ部位400を備え、前記部位400の厚さは1.5mm〜2.1mmである。前記第一側部領域の楔角は、0.05mrad〜1mradであり、かつ、前記中央領域103の前記第一側部領域側の楔角より大きい。また、前記第二側部領域の楔角は、0.05mrad〜1mradであり、かつ、前記中央領域103の前記第二側部領域側の楔角より大きい。そして、前記第三側辺203から、前記第三側辺203と対向する第四側辺204に、垂直方向に向かう第二方向302では、前記ガラス素板100の厚さが一定のプロファイルとなっている。前記ガラス素板100を、このような構造とすることで、透視歪が改善された、凹状の断面形状による楔角プロファイルを備えるガラス素板とすることができる。例えば、前記厚さが1.5mm未満の場合だと、後述する実施例のように、ガラス板の透視歪が大きいものとなりやすい。また、前記厚さ2.1mm超の場合だと、ヘッドアップディスプレイガラスの厚みを抑制することが難しいものとなる。
以上を考慮すると、前記第一側部領域101の楔角と前記第二側部領域102の楔角は、それぞれ0.07mrad〜0.7mradとしてもよい。前記最小厚さ部位400の厚さは1.8mm以上としてもよい。さらには、前記最小厚さ部位の位置は、第一方向301において、中央領域103の中央となるようにしてもよい。
尚、前記第一側部領域の楔角は、前記第一方向301にガラス板を切断した断面図において、第一領域中の最も厚さが大きい点A1(前記第一側辺201上の点)と第一領域中の最も厚さが小さい点A2(前記境界104と接する点)とを結んでなる直線を直線A12とし、前記点A1から厚み方向(図5の方向601)に垂線を引き、前記点A1が存在する主面とは異なる主面(通常は平面)と交わった点A3と前記点A2から厚み方向に垂線を引き、前記点A2が存在する主面とは異なる主面(通常は平面)と交わった点A4とを結んでなる直線を直線A34とした場合、直線A12と直線A34がなす角度である(図5参照)。
前記第二側部領域の楔角は、前記第一方向にガラス板を切断した断面図において、第二領域中の最も厚さが大きい点B1(前記第一側辺202上の点)と第二領域中の最も厚さが小さい点B2(前記境界105と接する点)とを結んでなる直線を直線B12とし、前記点B1から厚み方向に垂線を引き、前記点B1が存在する主面とは異なる主面(通常は平面)と交わった点B3と前記点B2から厚み方向に垂線を引き、前記点B2が存在する主面とは異なる主面(通常は平面)と交わった点B4とを結んでなる直線を直線B34とした場合、直線B12と直線B34がなす角度である。
中央領域103の第一側部領域側の楔角は、前記第一方向にガラス板を切断した断面図において、中央領域中の境界104と接する点C1と中央領域中の最も厚さが小さい点C2(最小厚さ部位400上の点)とを結んでなる直線を直線C12とし、前記点C1から厚み方向に垂線を引き、前記点C1が存在する主面とは異なる主面(通常は平面)と交わった点C3と前記点C2から厚み方向に垂線を引き、前記点C2が存在する主面とは異なる主面(通常は平面)と交わった点C4とを結んでなる直線を直線C34とした場合、直線C12と直線C34がなす角度である。
また、中央領域103の第二側部領域側の楔角は、前記第一方向にガラス板を切断した断面図において、中央領域中の境界105と接する点D1と中央領域中の最も厚さが小さい点C2(最小厚さ部位400上の点)とを結んでなる直線を直線D12とし、前記点D1から厚み方向に垂線を引き、前記点D1が存在する主面とは異なる主面(通常は平面)と交わった点D3と前記点C2から厚み方向に垂線を引き、前記点C2が存在する主面とは異なる主面(通常は平面)と交わった点C4とを結んでなる直線を直線D34とした場合、直線D12と直線D34がなす角度である。。
前記第一側辺201(第二側辺202)の長さは、0.5m〜6mの範囲内で適宜調整されてよい。この長さは、ガラス素板100の製造時において、ガラスリボン3から、板状に成形されたガラスの長尺方向(図2では、X方向に相当する)の切断位置を調整することで調整することができる。
前記第三側辺203(第四側辺204)の長さは、各領域101、102、103の楔角に影響することがある。これを考慮すると、前記第三側辺203(第四側辺204)の長さは、2m〜5m、好適には、2m〜4mの範囲内で調整されてもよい。この長さは、ガラス素板100の製造時において、ガラスリボン3の幅(図2ではY方向)を調整することで調整することができる。
前記ガラス素板100は、一方の主面が、平面となっていることが好ましい。このような構造のガラス素板100は、後述する、ガラスリボン3を溶融金属浴4上で板状に成形する工程を備えるガラス板製造、所謂フロート法により得ることができる。
ガラス素板100において、最小厚さ部位400から第一楔角プロファイル領域501までの領域を領域Z1(図3(b)に示したZ1)とすると、領域Z1における最大厚みは、最小厚み(最小厚さ部位400の厚さ)+0mm〜最小厚み(最小厚さ部位400の厚さ)+0.04mmであることが好ましく、最小厚み(最小厚さ部位400の厚さ)+0mm〜最小厚み(最小厚さ部位400の厚さ)+0.035mmであることがより好ましく、最小厚み(最小厚さ部位400の厚さ)+0.01mm〜最小厚み(最小厚さ部位400の厚さ)+0.025mmであることが更に好ましい。
ガラス素板100において、最小厚さ部位400から第二楔角プロファイル領域502までの領域を領域Z2(図3(b)に示したZ2)とすると、領域Z2における最大厚みは、最小厚み(最小厚さ部位400の厚さ)+0mm〜最小厚み(最小厚さ部位400の厚さ)+0.04mmであることが好ましく、最小厚み(最小厚さ部位400の厚さ)+0mm〜最小厚み(最小厚さ部位400の厚さ)+0.035mmであることがより好ましく、最小厚み(最小厚さ部位400の厚さ)+0.01mm〜最小厚み(最小厚さ部位400の厚さ)+0.025mmであることが更に好ましい。
また、前記ガラス素板100は、車両用のガラス板として汎用されている、ISO16293−1で規定されているようなソーダ石灰ケイ酸塩ガラスからなるものを使用でき、無色のもの、緑や薄緑色等に着色されたものを使用することができる。
次に前記ガラス素板100の製造例を、図2、図3を用いて説明する。溶解窯で溶解されたガラス原料は、溶融錫などからなる溶融金属浴4上にガラスリボン状に連続的に流し出される。そして、ガラスリボン状に流し出されたガラス原料は、図2中の破線矢印の方向に流動させながら徐々に冷却され、板状のガラスリボン3に成形される。このとき、ガラスリボン3の両端部には、浴槽6に設置された複数対のトップロール5が印加され、ガラスリボン3が幅方向に引き伸ばされ、ガラスリボン3が所望の厚さの板状に成形される。この幅方向は、ガラス素板100においては、第一方向301となり、ガラスリボン3が流れる方向が、第二方向302となる。ガラスリボン3においてもガラスリボン3が流れる方向で、図2中のXの方向を第二方向302、ガラスリボン3の幅方向で図2中のYの方向を第一方向301とする。
前記ガラスリボン3は、複数対のトップロール5が前記ガラスリボン3の両側端部に印加されることで、前記第一方向301と前記第一方向301とは反対方向に引き伸ばされる段階(a)と、その段階(a)の下流域、前記トップロール5による印加が解除されて、前記ガラスリボン3の第一方向の幅を収縮させる段階(b)とを経る。そのため、ガラスリボン3の側部領域の流れ7sは、ガラスリボン3の中央領域の流れ7cより遅くなりやすい。ガラスリボン3の幅方向の流速の違いが、ガラス素板100の第一方向の楔角プロファイルに反映されるため、前記段階(a)と、前記段階(b)とを経る、ガラス素板製造方法は、凹状の断面形状による楔角プロファイルを備えるガラス素板を得やすい方法であるとも言える。
前記ガラスリボン3において、前記ガラス素板100の前記中央領域103に相当する部位は、前記ガラス素板100の前記第一側部領域101に相当する部位、及び前記第二側部領域102に相当する部位よりも高い温度とすることで、凹状の断面形状による楔角プロファイルを備えるガラス素板が得られやすくなる。ここで、ガラス板の透視歪を改善するためには、ガラスリボン3を溶融金属4上に流す操業において、流れ7cの速度を速くしすぎないことと、流れ7cの速度と、流れ7sの速度との差を大きくしすぎない、操業とすることが好ましい。例えば、ガラスリボン3の中央領域103に相当する部位を、第一側部領域101に相当する部位及び第二側部領域102に相当する部位よりも10℃〜50℃高くしてもよく、好ましくは20℃〜40℃高いものとしてもよい。
そのため、ガラス素板100において、最小厚さ部位400の厚さが1.5mm〜2.1mm、前記第一側部領域101の楔角が、0.05mrad〜1mradで、かつ前記中央領域103の前記第一側部領域側の楔角より大きいものとなるように、また、前記第二側部領域102の楔角が、0.05mrad〜1mradで、かつ前記中央領域103の前記第二側部領域側の楔角より大きいものとなるように、ガラスリボン3の幅方向の温度条件などが調整される。
ガラスリボン3の前記トップロール5が印加された領域は、ガラスリボン3がガラス板となった後は、その面形状は、平滑性に乏しく、波をうったような形状となる。当該部分は耳とも呼ばれ、フロート法で製造されたガラス板は、耳切が行われる。凹状の断面形状による楔角プロファイルを備えるガラス素板が製造された後、耳切が行われ、第一方向301、第二方向302に切断がなされ、前記ガラス素板100が得られる。
前記ガラス用ガラス素板100の、前記第一楔角プロファイル領域501、及び前記第二楔角プロファイル領域502の少なくとも一方から、ガラス板を切り出すことで、ヘッドアップディスプレイガラス用ガラス板とすることができる。前記ヘッドアップディスプレイガラスは、ポリピニルブチラール樹脂などの中間膜と、他のガラス板とによって、合せガラスとされてもよい。また、車両用にあっては、前記ヘッドアップディスプレイガラスは、曲げ加工されていることが好ましい。
また、前記ヘッドアップディスプレイガラス用ガラス板は、前記第一側部領域、又は前記第二側部領域がプロジェクターからの映像の投影領域とされることが好ましい。さらには、前記ヘッドアップディスプレイガラス用ガラス板は、楔角プロファイルを備える合せガラス用中間膜と併用されてもよい。この場合、前記ヘッドアップディスプレイガラス用ガラス板の厚さのプロファイルが一定の方向と、楔角プロファイルを備える合せガラス用中間膜の厚さのプロファイルが一定の方向は、ヘッドアップディスプレイガラスにおいて、同じでなくてもよい。例えば、前記ヘッドアップディスプレイガラス用ガラス板の厚さのプロファイルが一定の方向を、前記ヘッドアップディスプレイガラスの縦方向とし、楔角プロファイルを備える合せガラス用中間膜の厚さのプロファイルが一定の方向を水平方向〜略水平方向としてもよい。
フロート法で得られた、各種構造を備える凹状の断面形状による楔角プロファイルを備える矩形状のガラス素板を準備した。各実施例、比較例において、第一側部の長さは2m、第三側部の長さは2.8mとされた。第三側辺から第四側辺に垂直方向に向かう第二方向では厚さが一定のプロファイルであった。また、前記ガラス素板において、金属浴に接した面は、平面であった。その他の構造条件は、表1に示すとおりである。
Figure 2020173291
[実施例、比較例の透視歪の評価]
上記実施例、比較例のガラス素板100から、第一楔角プロファイル領域501を切り出し、切り出されたガラス板を透視歪測定用の試料Sとした。試料Sの透視歪の測定は、試料を通して、黒線と白線との繰り返しパターンからなるゼブラパターンが印刷されたボード60を観察することで行った。図4は、試料の透視歪の測定方法を模式的に説明する図で、(a)は、測定者70が試料を通じてボード60を観察するときの態様、(b)は、前記(a)の態様を上方から観察したときの態様を表している。図4(b)において、ボード60と、試料Sと係る破線80とを平行の位置関係とし、試料Sと、該破線となす角度を「θ」とする。
各試料において、「θ」を0度から80度まで、1度単位で増加させながら、観察者70が前記ボード60を、前記試料Sを通して観察し、前記ボード60のゼブラパターンが歪んで観察されたときの角度が記録された。前記ボード60において、前記ゼブラパターンは矩形の2000mm×1900mmの大きさで、前記黒線は25mm幅、前記白線は25mm幅のものが使用された。また、前記ボード60と前記破線80との距離は4.5m、前記破線80と観察者70との距離は4.5mとされた。
結果は表2に示された。
Figure 2020173291
各実施例では、透視歪が観測されず、これら楔角プロファイルを備えるガラスは、楔型HUDガラスとして好適に使用できるものであることが確認された。
1 ヘッドアップディスプレイガラス
3 ガラスリボン
4 溶融金属浴
5 トップロール
7c ガラスリボンの中央領域の流れ
7s ガラスリボンの側部領域の流れ
100 ヘッドアップディスプレイガラス用ガラス素板
101 第一側部領域
102 第二側部領域
103 中央領域
201 第一側辺
202 第二側辺
203 第三側辺
204 第四側辺
301 第一方向
302 第二方向
400 最小厚さ部位
501 第一楔角プロファイル領域
502 第二楔角プロファイル領域

Claims (7)

  1. 矩形状ガラス板の第一側辺から前記矩形状ガラス板内の垂直方向に徐々に厚さが減少する、第一楔角プロファイル領域と、前記第一側辺と対向する第二側辺から前記矩形状ガラス板内の垂直方向に徐々に厚さが減少する第二楔角プロファイル領域とを備える、ヘッドアップディスプレイガラス用ガラス素板であって、
    前記第一側辺から前記第二側辺へ垂直に向かう方向を第一方向とし、前記第一方向の長さを均等に四分割し、中央部の2/4の領域を中央領域、側部の各1/4の領域を第一側部領域、第二側部領域と定義したときに、
    前記第一楔角プロファイル領域は、前記中央領域と前記第一側部領域との境界と、該境界と接する、前記中央領域の一部と前記第一側部領域の一部とを備え、
    前記第二楔角プロファイル領域は、前記中央領域と前記第二側部領域との境界と、該境界と接する、前記中央領域の一部と前記第二側部領域の一部とを備え、
    前記中央領域は、前記第一方向において、最小の厚さとなる最小厚さ部位を備え、前記最小厚さ部位の厚さは1.5mm〜2.1mmであり、
    前記第一側部領域の楔角は、0.05mrad〜1mradであり、かつ、前記中央領域の前記第一側部領域側の楔角より大きく、
    前記第二側部領域の楔角は、0.05mrad〜1mradであり、かつ、前記中央領域の前記第二側部領域側の楔角より大きく、
    前記第一側辺と前記第二側辺に直交する第三側辺から、前記第三側辺と対向する第四側辺に、垂直方向に向かう第二方向では、厚さが一定のプロファイルとなっている、
    ヘッドアップディスプレイガラス用ガラス素板。
  2. 前記最小厚さ部位の厚さは1.8mm以上である、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイガラス用ガラス素板。
  3. 前記第一側部領域の楔角と前記第二側部領域の楔角は、0.07mrad〜0.7mradである、請求項1又は2に記載のヘッドアップディスプレイガラス用ガラス素板。
  4. 一方の主面が、平面となっている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイガラス用ガラス素板。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイガラス用ガラス素板の、前記第一楔角プロファイル領域、及び前記第二楔角プロファイル領域の少なくとも一方から、ガラス板を切り出す工程を含む、ヘッドアップディスプレイガラスの製造方法。
  6. 前記第一側部領域、又は前記第二側部領域をプロジェクターからの映像の投影領域とする、請求項5に記載のヘッドアップディスプレイガラスの製造方法。
  7. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイガラス用ガラス素板の製造方法であって、
    該製造方法は、溶融金属浴上でガラスリボンを進行させて、前記ガラスリボンを板状に成形する工程を含み、
    前記ガラスリボンの進行方向が前記第二方向に相当し、前記進行方向と直交する前記ガラスリボン幅方向が前記第一方向に相当するものと定義したとき、
    該工程は、前記ガラスリボンは、複数対のトップロールを前記ガラスリボンの両側端部に印加することで、前記第一方向と前記第一方向とは反対方向に引き伸ばされる段階(a)と、
    前記トップロールによる印加を解除して、前記ガラスリボンの第一方向の幅を収縮させる段階(b)と、を含み、
    前記段階(a)において、前記ガラスリボンの前記中央領域に相当する部位を、前記ガラスリボンの前記第一側部領域に相当する部位及び前記第二側部領域に相当する部位よりも高い温度とする、
    ヘッドアップディスプレイガラス用ガラス素板の製造方法。

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