JP2020172910A - シリンダヘッド - Google Patents
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Abstract
Description
たとえば内燃機関の機関回転数が高いときのように排気ポートを流れる排気の流速が比較的速いとき、突起部を越えた排気は、排気ポートの内壁から離れて排気ポートが延びる方向に沿って下流側に流れやすい。このため、突起部を越えた排気は、排気ポートの内壁の近くを流れにくく、内壁から突出しているフィンに衝突しにくくなる。これによって、排気からフィンに伝達される熱量を軽減することができる。
以下、シリンダヘッドの第1実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
図1は、シリンダヘッド10を備える内燃機関90を示している。内燃機関90は、内燃機関90の出力軸であるクランクシャフトの回転と連動して往復動可能なピストン94を備えている。内燃機関90は、ピストン94を収容するシリンダブロック91を備えている。ピストン94は、シリンダブロック91に形成されている気筒92に収容されている。内燃機関90では、気筒92とピストン94とシリンダヘッド10とによって燃焼室93が区画されている。なお、内燃機関90は、多気筒の内燃機関である。図1には、一つの気筒92を示している。
シリンダヘッド10は、突起部として第1突起部31を備えている。図2に示すように、第1突起部31は、第1上流部13に位置している。第1突起部31は、第1上流部13における第1先端部21aおよび第3先端部23aよりも上流側に位置している。図1には、第1突起部31を示している。
図4には、排気ポート12を通過する排気の流れを模式的に示す矢印を表示している。実線の矢印は、内燃機関90の機関回転数が高い場合の排気の流れを例示している。破線の矢印は、内燃機関90がアイドル運転である場合の排気の流れを例示している。
(1−1)シリンダヘッド10では、排気の流速が速いとき、第1突起部31または第2突起部36を越えた排気は、排気ポート12の内壁16の近くを流れにくく、内壁16から突出している第1フィン21〜第4フィン24に衝突しにくくなる。これによって、排気から第1フィン21〜第4フィン24に伝達される熱量を軽減することができる。
・上記第1実施形態では、排気ポート12の内壁16から突出しており、排気ポート12の周方向において全周に亘って延びている第1突起部31を例示している。この例示に対して、シリンダヘッド10が備える突起部は、排気ポート12の内壁16から突出する部分のうち排気ポート12の周方向における一部分が切り欠かれた形状でもよい。たとえば、図6に例示する形状の突起部を採用することもできる。
また、上流突起部141または下流突起部146のいずれか一方のみを排気ポート112に配置してもよい。この場合、排気ポート112の上側に位置する上流突起部141を配置すると、排気の流れを剥離させる効果を奏しやすい。これは、図1を用いて説明すると、内燃機関90の燃焼室93から排出される排気が、排気ポート12のバルブガイド29付近に吹き付けられるためである。すなわち、燃焼室から排気ポートに排出される排気は、排気ポートの上側に向かうため、排気ポートの上側から突出させた突起部を可能な限り上流側に配置してバルブガイドに近づけるほど、高温の排気が排気ポートの内壁の近くを流れることを抑制する効果を高くすることができる。
図7には、第2実施形態のシリンダヘッドが有する排気ポート212を示している。
上記第1実施形態では、第1突起部31は、第1上流部13における第1先端部21aおよび第3先端部23aよりも上流側に位置している。第2突起部36は、第2上流部14における第2先端部22aおよび第4先端部24aよりも上流側に位置している。
第2実施形態のシリンダヘッドが備える排気ポート212によれば、上記第1実施形態と同様に、第1突起部231および第2突起部236によって、排気の流れを排気ポート212の内壁から剥離させることができる。
(2−1)排気の流速が速いとき、排気から第1フィン221〜第4フィン224に伝達される熱量を軽減することができる。排気の流速が遅いとき、第1突起部231または第2突起部236よりも下流側では、排気から第1フィン221〜第4フィン224または内壁への熱量の伝達を促進することができる。
・上記第2実施形態では、突起部として、第1上流部213に位置している第1突起部231と、第2上流部214に位置している第2突起部236と、を設けている。突起部は、図8に示すように、排気ポート212の下流部215に配置してもよい。
図10は、シリンダヘッド10と、シリンダヘッド10に接続されている排気マニホールド95とを示している。排気マニホールド95は、シリンダヘッド10に形成されている各排気ポート312から排出された排気が流入する枝部96を備えている。排気マニホールド95は、各枝部96が集合する集合部97を備えている。
図13には、第3実施形態のシリンダヘッドが有する排気ポート512を示している。
図13に示すように、排気ポート512は、排気ポート512の周方向において全周に亘って延びている上流突起部541を有している。さらに、排気ポート512は、排気ポート512の周方向において全周に亘って延びている下流突起部546を、上流突起部541よりも下流側に有している。
図14および図15には、排気ポート512を流れる排気が上流突起部541を越えるときの排気の流れを模式的に示している。実線の矢印は、内燃機関の機関回転数が高い場合の排気の流れを例示している。破線の矢印は、内燃機関がアイドル運転である場合の排気の流れを例示している。
(3−1)第3実施形態のシリンダヘッドが有する排気ポート512によれば、機関回転数が高いときには、上流突起部541のみを備える場合と比較して排気が排気ポート512の内壁516に沿って流れにくくなる区間を長くすることができ、内壁516から突出しているフィンに排気の流れが衝突しにくくなる。これによって、排気からフィンに伝達される熱量が過剰になることを抑制できる。
・上記第3実施形態では、上流突起部541と、上流突起部541よりも下流側に配置する下流突起部546と、を示している。下流突起部546よりも下流側に、さらに突起部を配置することもできる。すなわち、突起部の数は、二つに限られるものではない。
図16には、第4実施形態のシリンダヘッドが有する排気ポート612を示している。
上記第1〜第3実施形態では、シリンダヘッドは、排気ポートの内壁から排気ポート内に突出しており排気ポートにおける排気上流から排気下流に向けて延びている突条であるフィンを備えている。これに対して、第4実施形態では、図16に示すように、排気上流から排気下流に向けて延びている突条である第1フィン621および第2フィン622が、波部621c,622cを有している。
図17に示すように、第4実施形態のシリンダヘッドが有する排気ポート612によれば、蛇行部625aを流れる排気は、ポート延伸線C1に沿って流れるのではなく、第1フィン621および第2フィン622の側壁から剥離する。図17には、第1フィン621および第2フィン622の側壁から剥離した排気の流れを実線で示している。すなわち、波部621c,622cによって、第1フィン621と第2フィン622とに挟まれた間隙625の蛇行部625aを流れる排気の流れを第1フィン621および第2フィン622の側壁から剥離させることができる。すなわち、排気の流速が速いときには、第1フィン621および第2フィン622の側壁の近くを排気が流れにくくなる。このとき、図17に破線で示すように蛇行部625aに渦が形成されれば、第1フィン621および第2フィン622の側壁の近くでは熱伝達率が大きくなる。すなわち、排気の流速が遅いときには、第1フィン621および第2フィン622の側壁の近くでは熱伝達率が大きくなる。
(4−1)排気の流速が速いときには、排気が波部621c,622cを通過する際に第1フィン621および第2フィン622の近くを流れにくく、さらに排気が内壁の近くを流れにくい。これによって、排気の温度が高いときには、第1フィン621および第2フィン622に伝達される熱量が過剰になることを抑制できる。
・上記第4実施形態では、フィン間突起部631が延びる方向を蛇行部625aを通過する排気の流れに直交する方向としている。フィン間突起部631が延びる方向は、これに限定されるものではない。たとえば、蛇行部625aを通過する排気の流れに対して規定の角度で交差する方向としてもよいし、ポート延伸線C1と直交する方向とすることもできる。
・上記各実施形態における突起部は、図5に示した断面形状を有している。突起部としては、図5に示した断面形状と異なる断面形状を有するように排気ポートの内壁から突出していてもよい。
また、排気の流れ方向における突起部の長さを変更してもよい。たとえば、図19に示すような突起部731を設けることもできる。
・上記各実施形態では、たとえば図2に示すように第1上流部13と第2上流部14とは、左右対称ではなく、長さが異なっている。これに対して、燃焼室と接続されている第1上流部および第2上流部は、左右対称となるように形成されていてもよい。
Claims (7)
- 内燃機関の燃焼室から排出された排気が通過する排気ポートと、前記排気ポートの内壁から該排気ポート内に突出しており該排気ポートにおける排気上流から排気下流に向けて延びている突条であるフィンと、を有するシリンダヘッドであり、
前記排気ポートの内壁から該排気ポート内に突出して前記フィンと交差する方向に延びている突起部を備える
シリンダヘッド。 - 前記突起部は、前記内壁から突出する高さが前記排気ポートの上流側よりも前記排気ポートの下流側ほど大きい前段部を備え、
前記前段部は、前記排気ポートの上流側における当該突起部の端を基点として、前記排気ポートの上流側よりも前記排気ポートの下流側ほど前記内壁から離間するように傾斜した案内面を有する
請求項1に記載のシリンダヘッド。 - 前記フィンにおける前記排気ポートの上流側の端部を先端部とすると、
前記突起部は、前記先端部よりも前記排気ポートにおける上流側に位置している
請求項1または2に記載のシリンダヘッド。 - 前記フィンを第1フィンとすると、
前記排気ポートの内壁から該排気ポート内に突出しており該排気ポートにおける排気上流から排気下流に向けて延びている突条であり、前記第1フィンに対して前記排気ポートの周方向に並んで配置されている第2フィンを備え、
前記突起部は、前記第1フィンと前記第2フィンとに挟まれた間隙に配置されている
請求項1または2に記載のシリンダヘッド。 - 前記第1フィンおよび前記第2フィンは、前記第1フィンと前記第2フィンとに挟まれた前記間隙によって形成されている通路が蛇行するように波形状をなす波部を有しており、
前記突起部は、前記波部に挟まれた前記間隙に配置されている
請求項4に記載のシリンダヘッド。 - 前記突起部を上流突起部とすると、
前記排気ポートの内壁から該排気ポート内に突出して前記フィンと交差する方向に延びている下流突起部を前記上流突起部よりも前記排気ポートにおける下流側に備える
請求項1〜5のいずれか一項に記載のシリンダヘッド。 - 前記上流突起部は、前記内壁から突出する部分のうち前記排気ポートの周方向における一部分が切り欠かれた形状であり、
前記下流突起部は、前記上流突起部が切り欠かれている部分に対して前記排気ポートにおける排気下流に配置されている
請求項6に記載のシリンダヘッド。
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