JP2020171098A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回生動作時にモータのブレーキトルクを確保又は低減する要求に応じつつ、電源電流を低減可能なモータ制御装置を提供する。【解決手段】モータ制御装置401は、モータ80の力行動作及び回生動作に応じて電力変換回路(インバータ)70を動作させて電源11の直流電力とモータ80の交流電力とを相互に変換し、モータ80の通電を制御する。電圧指令値演算部43は、dq軸電流のフィードバック制御によりq軸電圧指令値Vq*及びd軸電圧指令値Vd*を演算する。電圧指令値制限部45は、q軸電圧指令値Vq*又はd軸電圧指令値Vd*の少なくとも一方を制限する。モータ80の回生動作時、電圧指令値制限部45は、q軸電圧指令値Vq*をd軸電圧指令値Vd*よりも優先して制限する「q軸電圧優先制限処理」、又は、d軸電圧指令値Vd*をq軸電圧指令値Vq*よりも優先して制限する「d軸電圧優先制限処理」を実行する。【選択図】図2

Description

本発明は、モータ制御装置に関する。
従来、電動パワーステアリング装置において、操舵アシストモータの力行動作及び回生動作に応じて電力変換回路を操作することで、モータの通電を制御するモータ制御装置が知られている。ここで、回生動作が起きる場合としては、走行中に車輪が障害物に乗り上げることによってモータの出力軸に逆入力が加わった場合や、車輪をジャッキアップした無負荷状態でハンドルを操作した場合等がある。また、走行中の緊急回避等で急操舵した場合や電源装置の電圧が低い場合等にも回生動作が起きる可能性がある。
例えば特許文献1に開示されたモータ制御装置は、モータの回生動作時に、回生エネルギーによるスイッチング素子等の破損を防ぐため、電源電流の絶対値が目標値以下となるように、dq軸電圧指令値を制限している。
特許第6428248号公報
本明細書において、「電源電流を低減する」とは、回生動作時に負の値で定義される電源電流を0に近づけることを意味する。特許文献1のモータ制御装置は、主に電子部品の保護のために電源電流を低減することを目的として、d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を一律に制限しており、制限時におけるモータ電流や発生するトルクについては考慮していない。
回生動作時にd軸電圧指令値を制限すると、d軸電流が指令値より負側に大きくなり、逆起電圧により負側に流れるq軸電流が0に近づく。q軸電流はトルクに比例するため、回転方向と逆側に発生するブレーキトルクが減少する。ブレーキトルクが小さいと、逆入力の衝撃がギヤ等のメカ部品へ伝わりやすくなり、その衝撃に耐える強度が必要となる。一方、無負荷状態での操舵や緊急回避時、低電源電圧時の操舵等、ハンドル操作によっても回生動作となる場合がある。このとき、q軸電圧指令値の制限度合が大きいと、ブレーキトルクが大きく作用するため、過大な操舵力が必要となる。
つまり、逆入力の衝撃を受けるメカ部品等の強度が比較的低い車両にモータ制御装置が適用される場合、ブレーキトルクを確保することが要求される。また、メカ部品等の強度が比較的高い車両にモータ制御装置が適用される場合、ハンドル操作を阻害しないようにブレーキトルクを低減することが要求される。d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を一律に制限する特許文献1の従来技術では、このような要求の違いに対応できない。
本発明は上述の課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、回生動作時にモータのブレーキトルクを確保又は低減する要求に応じつつ、電源電流を低減可能なモータ制御装置を提供する。
本発明は、モータ(80)により操舵アシストトルクを生成する電動パワーステアリング装置(90)において、モータの力行動作及び回生動作に応じて電力変換回路(70)を動作させて電源(11)の直流電力とモータの交流電力とを相互に変換し、モータの通電を制御するモータ制御装置である。
このモータ制御装置は、電圧指令値演算部(43)と、電圧指令値制限部(45)と、を備える。電圧指令値演算部は、dq軸電流のフィードバック制御によりq軸電圧指令値(Vq*)及びd軸電圧指令値(Vd*)を演算する。電圧指令値制限部は、q軸電圧指令値又はd軸電圧指令値の少なくとも一方を制限する。モータの回生動作時、電圧指令値制限部は、q軸電圧指令値をd軸電圧指令値よりも優先して制限する「q軸電圧優先制限処理」、又は、d軸電圧指令値をq軸電圧指令値よりも優先して制限する「d軸電圧優先制限処理」を実行する。
例えば、逆入力の衝撃を受けるメカ部品の強度が比較的低い車両に適用される場合、モータ制御装置がq軸電圧優先制限処理を実行することで、モータのブレーキトルクが確保され、メカ部品への衝撃が緩和される。一方、逆入力の衝撃を受けるメカ部品の強度が比較的高い車両に適用される場合、モータ制御装置がd軸電圧優先制限処理を実行することで、モータのブレーキトルクが低減し、ハンドル操作が阻害されにくくなる。また、q軸電圧優先制限処理及びd軸電圧優先制限処理のいずれにおいても、電源電流が低減されることで、スイッチング素子等の破損が防止される。
本実施形態のモータ制御装置が適用される電動パワーステアリング装置の全体構成図。 第1実施形態によるモータ制御装置の制御ブロック図。 q軸電圧優先制限処理のフローチャート。 d軸電圧優先制限処理のフローチャート。 q軸電圧優先制限処理後の電源電流監視により、d軸電圧指令値の制限要否を判断するフローチャート。 d軸電圧優先制限処理後の電源電流監視により、q軸電圧指令値の制限要否を判断するフローチャート。 比較例の電圧指令値制限処理による作用効果を説明する図。 本実施形態のq軸電圧優先制限処理による作用効果を説明する図。 第2実施形態によるモータ制御装置の制御ブロック図。 回生要因判別処理のフローチャート。
以下、モータ制御装置の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。複数の実施形態において実質的に同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。また、第1、第2実施形態を包括して「本実施形態」という。本実施形態のモータ制御装置は、モータにより操舵アシストトルクを生成する電動パワーステアリング装置に適用される。
図1に、電動パワーステアリング装置90を含むステアリングシステム99の全体構成を示す。なお、図1の電動パワーステアリング装置90はラックアシスト式であるが、本実施形態のモータ制御装置40は、コラムアシスト式の電動パワーステアリング装置にも同様に適用可能である。ステアリングシステム99は、ハンドル91、ステアリングシャフト92、ピニオンギア96、ラック軸97、車輪98、及び、電動パワーステアリング装置90等を含む。ハンドル91にはステアリングシャフト92が接続されている。
ステアリングシャフト92の先端に設けられたピニオンギア96は、ラック軸97に噛み合っている。ラック軸97の両端には、タイロッド等を介して一対の車輪98が設けられる。運転者がハンドル91を回転させると、ハンドル91に接続されたステアリングシャフト92が回転する。ステアリングシャフト92の回転運動は、ピニオンギア96によりラック軸97の直線運動に変換され、ラック軸97の変位量に応じた角度に一対の車輪98が操舵される。
電動パワーステアリング装置90は、モータ80、操舵トルクセンサ94、モータ制御装置40及びインバータ70を含む。モータ80は、多相交流ブラシレスモータであり、本実施形態では三相交流ブラシレスモータである。なお、他の実施形態では相の数が四相以上であってもよい。操舵トルクセンサ94は、ステアリングシャフト92の途中に設けられ、運転者の操舵トルクTsを検出する。
電動パワーステアリング装置90では、運転者の操舵トルクに応じてモータ80にアシストトルクを出力させる動作が力行動作に相当する。また、走行中に車輪98が障害物に乗り上げることによってモータ80の出力軸88に逆入力が加わった場合や、車輪をジャッキアップした無負荷状態でハンドル91を操作した場合等にモータ80が逆起電力を発生する動作が回生動作に相当する。さらに、走行中の緊急回避等で急操舵した場合や電源装置の電圧が低い場合等にも回生動作が起きる可能性がある。ハンドル91からの入力により回生動作に至る場合、入力は[H]から[R]へと伝達される。一方、ラック軸97からの入力により回生動作に至る場合、入力は[R]から[H]へと伝達される。
モータ制御装置40は、電流センサ75が検出した相電流Iu、Iv、Iw、及び、回転角センサ85が検出した電気角θを取得する。そして、モータ制御装置40は、力行動作時、操舵トルクTsに基づいて、モータ80が所望のアシストトルクを発生するようにモータ80の駆動を制御する。また、モータ制御装置40は、回生動作時、逆入力やハンドル操作によりモータ80に発生した逆起電力のエネルギーを、バッテリ等の直流電源である電源11に回生する。
モータ制御装置40の各演算部は、マイコンやプリドライバ等で構成され、図示しないCPU、ROM、I/O、及び、これらの構成を接続するバスライン等を備えている。モータ制御装置40は、予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理や、専用の電子回路によるハードウェア処理による制御を実行する。
「電力変換回路」としてのインバータ70は、ブリッジ接続された上下アームの複数のスイッチング素子から構成され、入力部に平滑コンデンサが設けられる。このようなインバータの構成は周知技術であるため図示を省略する。モータ制御装置40は、モータ80の力行動作及び回生動作に応じてインバータ70を動作させて電源11の直流電力とモータ80の交流電力とを相互に変換し、モータ80の通電を制御する。
電源11とインバータ70との間に流れる電流を「電源電流Ib」という。電源電流Ibは、力行動作時、電源11からインバータ70に向かって流れ、回生動作時、インバータ70から電源11に向かって流れる。以下、電源電流Ibの符号を、力行状態のとき正、回生動作のとき負と定義する。例えば、破線で示す電源電流センサ15によって検出された電源電流の検出値Ib_snsがモータ制御装置40に取得されてもよい。ただし本実施形態では、電源電流センサを設けず、モータ制御装置40が電源電流の推定値を算出する例を主として説明する。
ところで、従来技術である特許文献1(特許第6428248号公報、対応US公報:US9548688B2)には、モータの回生動作時に、回生エネルギーによるスイッチング素子等の破損を防ぐため、電圧指令値を制限し、電源電流の絶対値|Ib|を低減させる技術が開示されている。本明細書において「電圧指令値を制限する」とは、電圧指令値を0に近づける方向に補正することを意味する。また、「電源電流を低減する」とは、回生動作時に負の値で定義される電源電流を0に近づけることを意味する。
特許文献1のモータ制御装置は、主に電子部品の保護のために電源電流を低減することを目的として、d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を一律に制限している。しかし、詳しくは後述するように、回生動作時にd軸電圧指令値を制限すると、回転方向と逆側に発生するブレーキトルクが減少し、逆入力の衝撃がギヤ等のメカ部品へ伝わりやすくなるという問題がある。したがって、メカ部品への衝撃を緩和するためにモータ80のブレーキトルクを確保したいという要求が生じる。
一方、ハンドル操作による回生動作時にブレーキトルクが大きく作用すると、過大な操舵力が必要となるという問題がある。したがって、操舵を阻害しないためにモータ80のブレーキトルクを低減したいという要求が生じる。そこで本実施形態では、回生動作時にモータのブレーキトルクを確保又は低減する要求に応じつつ、電源電流を低減可能とすることを目的とする。
次に、本実施形態のモータ制御装置40の詳細な構成、及び、dq軸電圧指令値の制限による作用効果について実施形態毎に説明する。各実施形態のモータ制御装置の符号は、「40」に続く3桁目に実施形態の番号を付す。
(第1実施形態)
図2〜図8を参照して、第1実施形態のモータ制御装置401について説明する。図2に示すように、モータ制御装置401は、電流指令値演算部41、電流偏差算出部42、電圧指令値演算部43、電源電流監視部44、電圧指令値制限部45、2相3相変換部46、PWM変換部47、3相2相変換部48等を有している。電源電流監視部44及び電圧指令値制限部45以外は、一般的な電流フィードバック制御の構成であるため、簡単に説明する。なお、本明細書では、dq軸の電流及び電圧を併記するとき、基本的にq軸が先、d軸が後の順で記載する。
電流指令値演算部41は、dq軸電流指令値Iq*、Id*を演算する。3相2相変換部48は、電気角θを用いて、電流センサ75が検出した相電流Iu、Iv、Iwをdq軸電流Iq、Idに変換する。電流偏差算出部42は、dq軸電流指令値Iq*、Id*とdq軸電流Iq、Idとの電流偏差ΔIq、ΔIdを算出する。電圧指令値演算部43は、dq軸電流Iq、Idのフィードバック制御により電流偏差ΔIq、ΔIdを0に近づけるように、q軸電圧指令値Vq*及びd軸電圧指令値Vd*を演算する。
電圧指令値制限部45は、q軸電圧指令値Vq*又はd軸電圧指令値Vd*の少なくとも一方を制限する。電圧指令値制限部45の詳細な構成については後述する。電圧指令値制限部45による制限前の電圧指令値の記号に「*」を付し、実質的に制限されない場合を含め、制限後の電圧指令値の記号に「**」を付して区別する。電圧指令値が実質的に制限されない場合、制限後の電圧指令値Vq**、Vd**は制限前の電圧指令値Vq*、Vd*と同じ値となる。
2相3相変換部46は、電気角θを用いて、制限後のq軸電圧指令値Vq**及びd軸電圧指令値Vd**を3相電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換する。PWM変換部47は、3相電圧指令値Vu、Vv、Vwに基づき駆動信号としてスイッチングパルス信号を生成し、インバータ70に出力する。インバータ70が駆動信号に従って動作することで、電源11の直流電力とモータ80の交流電力とが相互に変換され、モータ80の通電が制御される。
また、本実施形態のモータ制御装置401は電源電流監視部44を有している。電源電流監視部44は、電源電流の推定値又は検出値の絶対値と目標電源電流Ib_limとを比較する。図2に示す電源電流監視部44は、dq軸電圧指令値Vq*、Vd*及びdq軸電流Iq、Idに基づき、電源電流の推定値である推定電源電流Ib_estを算出する。以下では、この構成を基本として説明する。ただし、電源電流監視部44は、図1に示す電源電流センサ15が検出した電源電流の検出値Ib_estを取得してもよい。
目標電源電流Ib_limは、電源電流の絶対値|Ib|の上限目標であり、例えば、0又は正の値、すなわち「0以上の値」で規定される。目標電源電流Ib_limは、インバータ入力電圧やインバータ周辺温度等の基準状態における固定値として記憶されてもよい。或いは、特開2018−57166号公報(対応US公報:US2018/0091081A1)に開示されているように、インバータ入力電圧やインバータ周辺温度等をパラメータとして可変に設定されてもよい。
電源電流監視部44は、目標電源電流Ib_limを推定電源電流Ib_estの絶対値で除した値である目標飽和率に基づき、電圧指令値の制限の要否を判断し、電圧指令値制限部45に通知する。この処理の詳細は、図5、図6を参照して後述する。なお、他の実施形態では、電源電流監視部44が設けられなくてもよい。
電圧指令値制限部45は、制限ゲイン演算部451、q軸電圧指令値制限部452及びd軸電圧指令値制限部453を含む。制限ゲイン演算部451は、dq軸電圧指令値Vq*、Vd*、dq軸電流Iq、Id、及び、総目標電力W_limに基づき、dq軸電圧制限ゲインKq、Kdを演算する。総目標電力W_limは、回生動作によるインバータ70への入力が許容される電力であり、目標電源電流Ib_limと基準電圧Vrefとの積として、0又は正の値、すなわち「0以上の値」で規定される。目標電源電流Ib_limが可変に設定される場合、それに応じて総目標電力W_limも変化する。
q軸電圧指令値制限部452は、q軸電圧指令値Vq*にq軸電圧制限ゲインKqを乗じて制限後q軸電圧指令値Vq**を算出する。d軸電圧指令値制限部453は、d軸電圧指令値Vd*にd軸電圧制限ゲインKdを乗じて制限後d軸電圧指令値Vd**を算出する。ここで、特許文献1の従来技術では、抑制ゲインKresは、q軸とd軸とで区別されることなく、同じ値が用いられる。
それに対し本実施形態では、q軸電圧制限ゲインKqとd軸電圧制限ゲインKdとは、異なる値に設定される。「Kq<Kd」の場合、q軸電圧指令値Vq*をd軸電圧指令値Vd*よりも優先して制限する「q軸電圧優先制限処理」が実行される。「Kd<Kq」の場合、d軸電圧指令値Vd*をq軸電圧指令値Vq*よりも優先して制限する「d軸電圧優先制限処理」が実行される。つまり、本実施形態のモータ制御装置40は、「q軸電圧優先制限処理」又は「d軸電圧優先制限処理」の一方又は両方を実行する。
第1実施形態のモータ制御装置401は、少なくとも一度起動してから停止するまでの期間において、q軸電圧優先制限処理又はd軸電圧優先制限処理のいずれか一方を実行するように予め選択される。例えば、逆入力の衝撃を受けるメカ部品の強度が比較的低い車両に適用される場合、ブレーキトルクの確保を優先し、常にq軸電圧優先制限処理を実行するように設定される。一方、逆入力の衝撃を受けるメカ部品の強度が比較的高い車両に適用される場合、ブレーキトルクの低減を優先し、常にd軸電圧優先制限処理を実行するように設定される。或いは、上記設定をデフォルトとしながら、ユーザが設定を変更できるようにしてもよい。いずれにしても、設定を変更しない限り、動作途中でq軸電圧優先制限処理とd軸電圧優先制限処理とが自在に切り替わることは想定しない。
次に図3、図4のフローチャートを参照し、q軸電圧優先制限処理及びd軸電圧優先制限処理の具体例について説明する。フローチャートの説明で、記号「S」はステップを意味する。以下、q軸電圧優先制限処理におけるq軸、及び、d軸電圧優先制限処理におけるd軸を「電圧指令値が優先して制限される軸」として「優先軸」という。また、q軸電圧優先制限処理におけるd軸、及び、q軸電圧優先制限処理におけるq軸を「優先軸の相手側の軸」として「非優先軸」という。図3、図4における優先軸の目標電力について、それぞれ(a)、(b)の2パターンの設定例をまとめて記す。
図3に示すq軸電圧優先制限処理では、q軸電圧指令値制限部452がS15、S17を実行し、d軸電圧指令値制限部453がS26、S27を実行する。それ以外のステップは、制限ゲイン演算部451が実行するものとする。制限ゲイン演算部451は、総目標電力W_limを内部に記憶しているか、他のブロックで演算された値を取得する。
S11で制限ゲイン演算部451は、式(1.1)により、q軸電圧指令値Vq*とq軸電流Iqとの積であるq軸推定電力Wq_estを算出する。また、制限ゲイン演算部451は、式(1.2)により、d軸電圧指令値Vd*とd軸電流Idとの積であるd軸推定電力Wd_estを算出する。
Wq_est=Vq*×Iq ・・・(1.1)
Wd_est=Vd*×Id ・・・(1.2)
後述の図7、図8に参照されるように、回生動作時の電圧指令値制限が実行される回転数域では「Vq*≧0、Vd*≧0、Iq<0」である。また、図7、図8には図示されないが、d軸電流Idについても「Id<0」であるため、原則として、「Wq_est≦0、Wd_est≦0」となる。ただし、例外的に「Wq_est>0、又は、Wd_est>0」となる場合、上限を0にするようにガードしてもよい。
総目標電力W_limを構成するq軸電力及びd軸電力を、それぞれ、q軸目標電力Wq_lim及びd軸目標電力Wd_limと定義する。本実施形態では、q軸目標電力Wq_lim及びd軸目標電力Wd_limは、総目標電力W_limに準じ、いずれも0以上の値で規定される。
S12で制限ゲイン演算部451は、q軸目標電力Wq_lim及びd軸目標電力Wd_limを設定する。優先軸であるq軸の目標電力Wq_limは、パターン(a)では、式(2.1a)により、0に設定される。パターン(b)では、q軸目標電力Wq_limは、式(2.1b)により、総目標電力W_limから、非優先軸であるd軸の推定電力の絶対値|Wd_est|を減じた値に設定される。
Wq_lim=0 ・・・(2.1a)
Wq_lim=W_lim−|Wd_est| ・・・(2.1b)
非優先軸であるd軸の目標電力Wd_limは、式(3.1)により、総目標電力W_limに設定される。
Wd_lim=W_lim ・・・(3.1)
S13で制限ゲイン演算部451は、式(4.1)により、q軸目標電力Wq_limをq軸推定電力の絶対値|Wq_est|で除したq軸電圧制限ゲインKpを算出する。パターン(a)では、Kq=0となる。
Kq=Wq_lim/|Wq_est| ・・・(4.1)
また、制限ゲイン演算部451は、式(4.2)により、d軸目標電力Wd_limをd軸推定電力の絶対値|Wd_est|で除したd軸電圧制限ゲインKdを算出する。
Kd=Wd_lim/|Wd_est| ・・・(4.2)
次のS14及びS24は、順序を問わず、並列に実行されてもよい。図3では、優先軸側を先に、非優先軸側を後に記載する。S14では、q軸推定電力の絶対値|Wq_est|がq軸目標電力Wq_limより大きいか判断される。S24では、d軸推定電力の絶対値|Wd_est|がd軸目標電力Wd_limより大きいか判断される。
S14でYESの場合、S15でq軸電圧指令値制限部452は、式(5.1)により、q軸電圧指令値Vq*にq軸電圧制限ゲインKpを乗じた値を制限後q軸電圧指令値Vq**とする。パターン(a)では、Vq**=0となる。
Vq**=Kq×Vq* ・・・(5.1)
S14でNOの場合、S17でq軸電圧指令値制限部452は、式(5.2)により、q軸電圧指令値Vq*を制限せずに、つまり「Kp=1」として、そのまま制限後q軸電圧指令値Vq**を出力する。
Vq**=Vq* ・・・(5.2)
S24でYESの場合、S26でd軸電圧指令値制限部453は、式(6.1)により、d軸電圧指令値Vd*にd軸電圧制限ゲインKdを乗じた値を制限後d軸電圧指令値Vd**とする。
Vd**=Kd×Vd* ・・・(6.1)
S24でNOの場合、S27でd軸電圧指令値制限部453は、式(6.2)により、d軸電圧指令値Vd*を制限せずに、つまり「Kd=1」として、そのまま制限後d軸電圧指令値Vd**を出力する。
Vd**=Vd* ・・・(6.2)
図4に示すd軸電圧優先制限処理では、d軸電圧指令値制限部453がS25、S27を実行し、q軸電圧指令値制限部452がS16、S17を実行する。それ以外のステップは、制限ゲイン演算部451が実行するものとする。図4は、図3のq軸とd軸とを単純に逆にしたものであり、図3と実質的に同一のステップには同一のステップ番号を付して説明を省略する。S11は、図3と同じである。
S22で制限ゲイン演算部451は、0以上の値であるq軸目標電力Wq_lim、及び、0以上の値であるd軸目標電力Wd_limを設定する。非優先軸であるq軸の目標電力Wq_limは、式(2.2)により、総目標電力W_limに設定される。
Wq_lim=W_lim ・・・(2.2)
優先軸であるd軸の目標電力Wd_limは、パターン(a)では、式(3.2a)により、0に設定される。パターン(b)では、d軸目標電力Wd_limは、式(3.2b)により、総目標電力W_limから、非優先軸であるq軸の推定電力の絶対値|Wq_est|を減じた値に設定される。
Wd_lim=0 ・・・(3.2a)
Wd_lim=W_lim−|Wq_est| ・・・(3.2b)
S23で制限ゲイン演算部451は、図3のS13と同じ式(4.1)、(4.2)により、q軸電圧制限ゲインKp及びd軸電圧制限ゲインKdを算出する。パターン(a)では、Kd=0となる。
Kq=Wq_lim/|Wq_est| ・・・(4.1)
Kd=Wd_lim/|Wd_est| ・・・(4.2)
S24及びS14は、記載順が逆であるが図3と同じである。S24でYESの場合、S25でd軸電圧指令値制限部453は、図3のS26と同じ式(6.1)により、制限後d軸電圧指令値Vd**を算出する。パターン(a)では、Vd**=0となる。S24でNOの場合、S27は図3と同じである。
Vd**=Kd×Vd* ・・・(6.1)
S14でYESの場合、S16でq軸電圧指令値制限部452は、図3のS15と同じ式(5.1)により、制限後q軸電圧指令値Vq**を算出する。S14でNOの場合、S17は図3と同じである。
Vq**=Kq×Vq* ・・・(5.1)
次に図5、図6のフローチャートを参照し、優先軸の電圧指令値を制限した後、非優先軸の電圧指令値をさらに制限するか否かを、電源電流の目標飽和率Rs_limに基づいて判断する処理について説明する。上述した図3、図4の処理では、優先軸及び非優先軸の制限ゲインが最初に設定されており、各軸の推定電力が目標電力を超えている場合、制限の実行順序に関係なく、dq軸両方の電圧指令値が制限される。
それに対し、図5、図6の処理では、優先軸の電圧指令値のみを先に制限した後、電源電流の抑制が不十分な場合に限り、非優先軸の電圧指令値をさらに制限する点が異なる。すなわち、「優先制限」の意味が、制限ゲインの値の差だけでなく、制限の実行順序にまで拡張される。また、図5、図6の処理では、推定電源電流と目標電源電流との比較により、電圧指令値の制限要否が判断される。すなわち、本実施形態の主目的である電源電流の抑制程度が電源電流監視部44によって直接的に監視される。
図5に、q軸電圧優先制限処理の実行後に電源電流を監視する処理を示す。S31で電源電流監視部44は、電源電流の推定値である推定電源電流Ib_estを式(7.1)により算出する。なお、式(7.1)は、特許文献1にも開示されている。ここで、基準電圧Vrefは、実際のインバータ電圧によらない定数であり、例えば12[V]が用いられる。
Ib_est=(Vd*×Id+Vq*×Iq)/Vref ・・・(7.1)
なお、他の実施形態では、S31に代えて、図1に示す電源電流センサ15が検出した電源電流検出値Ib_snsが取得されてもよい。その場合、以下の推定電源電流Ib_estは、電源電流検出値Ib_snsに読み替えて解釈される。また、この処理は回生動作中に行われることを前提とし、「Ib_est<0」が成立するものとする。この前提を設けない場合、S31の次に「Ib_est<0?」を判断し、NO、すなわち力行動作又は停止中の場合、ルーチンを終了するようにしてもよい。
電源電流監視部44は、目標電源電流Ib_limを内部に記憶しているか、他のブロックで演算された値を取得する。S32で電源電流監視部44は、式(8)により、正の値である目標電源電流Ib_limを推定電源電流の絶対値|Ib_est|で除して、目標飽和率Rs_limを算出する。推定電源電流の絶対値|Ib_est|が目標電源電流Ib_limを超えている場合、推定電源電流の絶対値|Ib_est|を目標電源電流Ib_lim以下に制限することが目標となる。目標飽和率Rs_limは、その目標に対する達成度合を表し、回路を保護する立場から大きいほど好ましい。
Rs_lim=Ib_lim/|Ib_est| ・・・(8)
S33で電源電流監視部44は、目標飽和率Rs_limが飽和率閾値Rs_th未満であるか判断する。飽和率閾値Rs_thは、単純に1に設定されてもよい。また、目標電源電流Ib_limに対する安全マージンを考慮する場合、飽和率閾値Rs_thは、例えば1.1〜1.5に設定されてもよい。もっとも、目標電源電流Ib_lim自体に安全マージンが含まれている場合、飽和率閾値Rs_thは1以下の値であってもよい。目標飽和率Rs_limが飽和率閾値Rs_th以上である場合、電源電流を抑制する必要は無いため、S33でNOと判断され、ルーチンを終了する。
一方、目標飽和率Rs_limが飽和率閾値Rs_th未満である場合、S33でYESと判断され、電源電流監視部44は、電圧指令値の制限が必要であることを電圧指令値制限部45に通知する。これに応じて、S34で電圧指令値制限部45は、q軸電圧優先制限処理として、q軸電圧指令値Vq*のみを制限後q軸電圧指令値Vq**に制限する。これにより、モータ80のブレーキトルクが確保され、メカ部品への衝撃が緩和される。
q軸電圧優先制限処理の実行後、dq軸電流Id、Iqは、電流フィードバック制御の応答により変化すると考えられる。S35で電源電流監視部44は、Vq*がVq**に変更された式(7.2)により、推定電源電流Ib_estを再び算出する。
Ib_est=(Vd*×Id+Vq**×Iq)/Vref ・・・(7.2)
電源電流監視部44は、再びS36で目標飽和率Rs_limを算出し、S37で目標飽和率Rs_limが飽和率閾値Rs_th未満であるか判断する。そして、目標飽和率Rs_limが飽和率閾値Rs_th以上である場合、S37でNOと判断され、ルーチンを終了する。
一方、目標飽和率Rs_limが飽和率閾値Rs_th未満である場合、S37でYESと判断され、電源電流監視部44は、電圧指令値の制限がさらに必要であることを電圧指令値制限部45に通知する。これに応じて、S38で電圧指令値制限部45は、さらにd軸電圧指令値Vd*を制限後d軸電圧指令値Vd**に制限する。これにより、電源電流がさらに目標値に近づくように抑制される。
なお、q軸電圧優先制限処理の中で、目標飽和率Rs_limが飽和率閾値Rs_th未満の場合、制限ゲインKpを変更した処理を数回繰り返し、それでも目標飽和率Rs_limが飽和率閾値Rs_thに達しない場合、d軸電圧指令値Vd*の制限に移行するようにしてもよい。
図6に、d軸電圧優先制限処理の実行後に電源電流を監視する処理を示す。図6は、図5のq軸とd軸とを単純に逆にしたものであり、図5と実質的に同一のステップには同一のステップ番号を付して説明を省略する。S31〜S33は、図5と同じである。S34に代えてS44で電圧指令値制限部45は、d軸電圧優先制限処理として、d軸電圧指令値Vd*のみを制限後d軸電圧指令値Vd**に制限する。これにより、モータ80のブレーキトルクが低減し、ハンドル操作が阻害されにくくなる。
S35に代えてS45で電源電流監視部44は、Vd*がVd**に変更された式(7.3)により、推定電源電流Ib_estを再び算出する。
Ib_est=(Vd**×Id+Vq*×Iq)/Vref ・・・(7.3)
S36、S37は、図5と同じである。S38に代えてS48で電圧指令値制限部45は、さらにq軸電圧指令値Vq*を制限後q軸電圧指令値Vq**に制限する。
次に図7、図8を参照し、本実施形態による作用効果を比較例と対比しつつ説明する。図7に示す比較例は、特許文献1の従来技術に相当し、dq軸電圧指令値Vq*、Vd*を一律に制限するものである。図8には、本実施形態のうち、q軸電圧優先制限処理によりq軸電圧指令値Vq*を0に制限する実施例、すなわち図3のパターン(a)の処理を示す。
各図の縦軸には上から順に、dq電圧指令値Vq*、Vd*、q軸電流Iq、電源電流Ibを示す。ブレーキトルクは、負のq軸電流(−Iq)にほぼ比例する。各図の横軸はモータ回転数ωであり、低回転側から高回転側に加速する途中で、電源電流Ibの負側への増加を抑制するため、電圧指令値Vq*、Vd*の制限を開始したことを示す。図中の実線及び一点鎖線は電圧指令値を制限するように制御したときの値を示し、破線及び二点鎖線は、電圧指令値を制御しないときの値を示す。
図7、図8の説明に移る前に、回生動作時にモータ回転数ωが上昇したときの一般的な挙動について、周知の電圧方程式(9.1)、(9.2)に基づき補足する。Rは抵抗、Lqはq軸インダクタンス、Ldはd軸インダクタンス、φmは逆起電圧定数である。なお、過渡状態を示す電流微分項を省略する。
Vd=R×Id−ω×Lq×Iq ・・・(9.1)
Vq=R×Iq+ω×Ld×Id+ω×φm ・・・(9.2)
この部分の説明では、各量の名称の記載を省略し、記号のみを記載する。Iqを流すために必要なVqは、式(9.2)の通りである。ωが大きくなると、右辺の逆起電圧「ω×φm」項が正側に大きくなるため、左辺のVqを同じだけ大きくしないと目標通りのIqが流れない。電流フィードバック制御によりVqは正側に増える。しかし、ωがある値より大きくなると、Vqは正側の上限に張り付き、Iqは目標通りに流れず、負側に流れる。
Iqが負側に大きく流れると、式(9.1)の右辺の「−ω×Lq×Iq」項が正側に大きくなる。すると、左辺のVdを同じだけ大きくしないと目標通りのIdが流れない。電流フィードバック制御によりVdは正側に増える。しかし、ωがある値より大きくなると、Vdは正側の上限に張り付き、Idは目標通りに流れず、負側に流れる。
まとめると、回生動作においてモータ回転数ωが大きいとき、Iq<0、Id<0となり、且つ、Vq及びVdは正側に張り付く。図7、図8において制御しないとき、Vq*(破線)及びVd*(二点鎖線)は正側に張り付いている。また、Iqはωの上昇に伴って正側から負側に移行し、制御開始ポイントでは大きく負側に向かっている。
続いて、比較例と本実施形態のq軸電圧優先制限処理との作用効果の違いを説明する。比較例では、q軸電圧指令値Vq*及びd軸電圧指令値Vd*の両方を制限することで、電源電流Ibが低減する。しかし、回生動作時にd軸電圧指令値Vd*を制限すると、d軸電流Idが指令値Id*より負側に大きくなり、逆起電圧により負側に流れるq軸電流Iqが0に近づくため、モータ80のブレーキトルクが減少する。したがって、逆入力の衝撃がギヤ等のメカ部品へ伝わりやすくなり、その衝撃に耐える強度が必要となる。
それに対し、本実施形態のq軸電圧優先制限処理では、q軸電圧指令値Vq*を優先して制限することで、q軸電流Iqが負側に大きくなり、モータ80のブレーキトルクが増加する。したがって、逆入力によるメカ部品への衝撃を緩和することができる。また、電源電流Ibは比較例と同様に低減する。
以上のように、本実施形態においてq軸電圧優先制限処理を選択した場合、逆入力による回生動作時にメカ部品への衝撃力を緩和するように、モータ80のブレーキトルクを確保することができる。また、電源電流が目標値まで低減することで、回生エネルギーによるスイッチング素子等の破損が防止される。
また、本実施形態においてd軸電圧優先制限処理を選択した場合、ハンドル操作による回生動作時に操舵を阻害しないように、ブレーキトルクを低減することができる。また、電源電流が目標値まで低減することで、回生エネルギーによるスイッチング素子等の破損が防止される。
(第2実施形態)
次に図9、図10を参照し、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、q軸電圧優先制限処理又はd軸電圧優先制限処理のいずれか一方が予め選択されるのに対し、第2実施形態では、回生動作の要因に応じて、q軸電圧優先制限処理とd軸電圧優先制限処理とを切り替え可能とする。図9に示すように、第2実施形態のモータ制御装置402は、第1実施形態のモータ制御装置401の構成に加え、回転数算出部51及び回生要因判別部52を有している。回転数算出部51は、電気角θを時間微分してモータ回転数ωを算出する。
回生要因判別部52は、モータ80の出力軸88に逆入力されるトルクによりモータ80が回生動作する「逆入力モード」であるか、運転者のハンドル操作によりモータ80が回生動作する「ハンドル操作モード」であるかを判別する。特に、図9に示す構成の回生要因判別部52は、モータ回転数ωに基づき、比較的高回転の場合、外部からの衝撃による逆入力モードであり、比較的低回転の場合、運転者によるハンドル操作モードであると判別する。そして回生要因判別部52は、判別結果を電圧指令値制限部45の制限ゲイン演算部451に通知する。
制限ゲイン演算部451は、逆入力モードではq軸電圧優先制限処理用に、ハンドル操作モードではd軸電圧優先制限処理用に制限ゲインKp、Kdを演算し、q軸電圧指令値制限部452及びd軸電圧指令値制限部453に出力する。こうして、電圧指令値制限部45は、逆入力モードのとき、ブレーキトルクを大きくするようにq軸電圧優先制限処理を実行し、ハンドル操作モードのとき、ブレーキトルクを小さくするようにd軸電圧優先制限処理を実行する。
図10に、回生要因判別処理のフローチャートを示す。S51では、例えば推定電源電流Ib_estが負であることにより、現在、回生動作中であるか判断される。S51でYESの場合、S52に移行する。S51でNOの場合、すなわち力行動作又は停止中の場合、ルーチンを終了する。
S52では、モータ回転数ωが回転数閾値ω_thより大きいか判断される。回転数閾値ω_thは、緊急回避時等の運転者の操舵で想定される最大回転数に減速比を乗じた値に設定される。S52でYESの場合、S53で逆入力モードであると判別され、S54で、ブレーキトルクの確保を目的としてq軸電圧優先制限処理が実行される。S52でNOの場合、S55でハンドル操作モードであると判別され、S56で、ブレーキトルクの低減を目的としてd軸電圧優先制限処理が実行される。
これにより第2実施形態では、回生動作の要因に応じて、q軸電圧優先制限処理によるブレーキトルク確保の効果と、d軸電圧優先制限処理によるブレーキトルク低減の効果とを両立することができる。なお、外部からの逆入力が緩やかに作用した場合、ハンドル操作モードと誤判別される可能性はあるが、その場合の衝撃は小さいため、ブレーキトルクが確保されなくても問題無いと考えられる。また、回転数閾値を二段階に設定し、中間の回転数領域では、特許文献1の従来技術と同様に、dq軸電圧指令値Vq*、Vd*を同程度に制限してもよい。
また、図1に示されるラックアシスト式のEPS90では、ハンドル91を操作したとき、操舵トルクセンサ94からモータ80の回転角センサ85の順に回転が検出される。一方、タイヤ98への衝撃によりラック軸97が横移動したとき、先に回転角センサ85で回転が検出される。そこで第2実施形態の変形例として、回生要因判別部52は、回転の検出順序に基づいて、逆入力モードとハンドル操作モードとを判別してもよい。
(その他の実施形態)
(a)図2、図9に示すモータ制御装置401、402は電源電流監視部44を備え、優先軸の電圧指令値のみを制限後に目標飽和率Rs_limが飽和率閾値Rs_th未満の場合、非優先軸の電圧指令値を制限することで、電源電流をさらに低減する。ただし、他の実施形態では電源電流監視部44が設けられず、例えば、優先軸の電圧指令値のみを制限した後に処理を終了してもよい。
(b)電圧指令値制限部45によるdq軸電圧指令値Vq*、Vd*の制限処理は、図3〜図6に示す上記実施形態の方式に限らない。例えば、目標総電力W_limが目標電源電流Ib_limと基準電圧Vrefとの積である関係に基づき、図3、図4における電力の演算を電流に換算して実施してもよい。また、電圧制限ゲインとして0を乗算する代わりに、「制限値=0」として上限又は下限をガードしてもよい。
(c)目標電源電流Ib_lim、目標総電力W_lim等の正負の定義は、上記実施形態の方式に限らない。各量の正負の考え方に応じて、処理の各ステップにおける絶対値の使用や大小関係の判断は、適宜変更してよい。単に正負の定義等を変更したに過ぎない構成は、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲に含まれるものと解釈する。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
11 ・・・電源、
40(401、402)・・・モータ制御装置、
43 ・・・電圧指令値演算部、
45 ・・・電圧指令値制限部、
70 ・・・インバータ(電力変換回路)、
80 ・・・モータ、
90 ・・・電動パワーステアリング装置。

Claims (6)

  1. モータ(80)により操舵アシストトルクを生成する電動パワーステアリング装置(90)において、前記モータの力行動作及び回生動作に応じて電力変換回路(70)を動作させて電源(11)の直流電力と前記モータの交流電力とを相互に変換し、前記モータの通電を制御するモータ制御装置であって、
    dq軸電流のフィードバック制御によりq軸電圧指令値(Vq*)及びd軸電圧指令値(Vd*)を演算する電圧指令値演算部(43)と、
    q軸電圧指令値又はd軸電圧指令値の少なくとも一方を制限する電圧指令値制限部(45)と、
    を備え、
    前記モータの回生動作時、前記電圧指令値制限部は、
    q軸電圧指令値をd軸電圧指令値よりも優先して制限するq軸電圧優先制限処理、又は、d軸電圧指令値をq軸電圧指令値よりも優先して制限するd軸電圧優先制限処理を実行するモータ制御装置。
  2. 前記電源と前記電力変換回路との間に流れる電源電流の推定値(Ib_est)又は検出値(Ib_sns)の絶対値と、前記電源電流の絶対値の上限目標である目標電源電流(Ib_lim)とを比較し、前記目標電源電流を前記電源電流の推定値又は検出値の絶対値で除した値を目標飽和率(Rs_lim)として算出する電源電流監視部(44)をさらに備え、
    前記電圧指令値制限部は、
    前記q軸電圧優先制限処理では、q軸電圧指令値のみを制限した後、前記目標飽和率が所定の飽和率閾値(Rs_th)未満のとき、さらにd軸電圧指令値を制限し、
    前記d軸電圧優先制限処理では、d軸電圧指令値のみを制限した後、前記目標飽和率が前記飽和率閾値未満のとき、さらにq軸電圧指令値を制限する請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 回生動作による前記電力変換回路への入力が許容される電力を総目標電力(W_lim)、前記総目標電力を構成するq軸電力及びd軸電力を、それぞれ、q軸目標電力(Wq_lim)及びd軸目標電力(Wd_lim)と定義し、前記総目標電力、前記q軸目標電力及び前記d軸目標電力がいずれも0以上の値で規定される場合、
    前記電圧指令値制限部は、
    q軸電圧指令値とq軸電流との積であるq軸推定電力(Wq_est)、及び、d軸電圧指令値とd軸電流との積であるd軸推定電力(Wd_est)を算出し、
    さらに、前記q軸目標電力を前記q軸推定電力の絶対値で除したq軸電圧制限ゲイン(Kp)、及び、前記d軸目標電力を前記d軸推定電力の絶対値で除したd軸電圧制限ゲイン(Kd)を算出し、
    前記q軸推定電力の絶対値が前記q軸目標電力より大きいとき、q軸電圧指令値に前記q軸電圧制限ゲインを乗じて制限し、
    前記d軸推定電力の絶対値が前記d軸目標電力より大きいとき、d軸電圧指令値に前記d軸電圧制限ゲインを乗じて制限する請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記電圧指令値制限部は、前記q軸目標電力及び前記d軸目標電力について、
    電圧指令値が優先して制限される軸である優先軸の目標電力を0に設定し、
    前記優先軸の相手側の軸である非優先軸の目標電力を前記総目標電力に設定する請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記電圧指令値制限部は、前記q軸目標電力及び前記d軸目標電力について、
    電圧指令値が優先して制限される軸である優先軸の目標電力を、前記総目標電力から前記優先軸の相手側の軸である非優先軸の推定電力の絶対値を減じた値に設定し、
    前記非優先軸の目標電力を前記総目標電力に設定する請求項3に記載のモータ制御装置。
  6. 前記モータの出力軸(88)に逆入力されるトルクにより前記モータが回生動作する逆入力モードであるか、運転者のハンドル操作により前記モータが回生動作するハンドル操作モードであるかを判別する回生要因判別部(52)をさらに備え、
    前記電圧指令値制限部は、
    前記逆入力モードのとき、前記q軸電圧優先制限処理を実行し、
    前記ハンドル操作モードのとき、前記d軸電圧優先制限処理を実行する請求項1〜5のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
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