JP2020170381A - 紙葉類送り込み装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送管との密閉性を高めつつ、紙葉類を搬送管内へ安定して送り込める紙葉類送り込み装置を提供する。【解決手段】常時は紙葉類繰り出し機構部10Aの補助ローラ14によって紙幣送り込み口2bを閉塞して密閉し、変位機構部20Aによって紙幣繰り出し機構部10Aを送り込み位置へ変位させれば、紙幣送り込み口2bが開き、主ローラ12と補助ローラ14で紙幣3を繰り出すことで、紙幣送り込み口2bから搬送路2aへ紙幣3を安定して送り込むことができる。【選択図】図2

Description

本発明は、上流から下流に向けて流れる搬送用流体により被搬送物を搬送する搬送管内の搬送路へ、被搬送物としての紙葉類を送り込む紙葉類送り込み装置に関する。
従来、薄いプラスチック製あるいは紙製のカードや紙幣といった紙葉類を搬送するとき、ベルトやローラを用いて紙葉類を挟み込んで送り出す紙葉類搬送装置が知られており、市場にも普及している。例えば、パチンコやスロットマシン等の遊技機が設置された遊技場においては、遊技機に隣接させて遊技媒体貸出装置等が設けられており、この遊技媒体貸出装置内で紙幣をストックせずに、紙幣金庫部等へ搬送して管理する場合、紙葉類搬送装置が用いられる。遊技場の紙葉類搬送装置では、遊技媒体貸出装置等の紙幣識別部により判別された紙幣を取り込み、ベルトやローラから成る搬送機構によって、遊技機を設置した遊技島の島端に取り付けられた紙幣金庫部まで搬送する。
このような紙葉類搬送装置では、ベルトやローラで紙幣を挟み込む機構を使って搬送している為に、ベルトやローラの継ぎ渡し部分にて紙幣詰まりがしばしば発生するという問題があった。紙幣詰まりを解消するためには、遊技機で遊技中の遊技者に遊技を中断してもらい、遊技島内の不具合箇所を特定し、詰まった紙幣を取り除かなければならず、来店客に迷惑をかけると共に、遊技店員にとっての負担も少なくなかった。
近年においては、搬送管内に搬送用の空気流を発生させ、空気流に乗せて紙幣を搬送する紙葉類搬送装置が提案されている。空気流により紙幣を搬送するなら、ベルトやローラといった機構を使わないので、機構部分で紙幣が詰まるというリスクがない。このような紙葉類搬送装置の搬送管内へ紙葉類を送り込む(搬送管側に取り込む)紙葉類取込装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載の紙葉類取込装置では、取込用の紙幣が待機する待機部の受入口側にシャッタを設けて、常時は搬送管内の空気が待機部へ漏れないようにし、紙幣を取り込むときにシャッタを開く構造である。
特許第5942211号公報
しかしながら、特許文献1に記載の紙幣取込装置は、構造が複雑な割に密閉性が高くないという問題がある。特許文献1に記載の紙幣取込装置では、シャッタをばねで閉位置に付勢しておき、排出ローラで繰り出された紙幣によって押されるとシャッタが開放位置に変位する構造のため、紙幣の搬送路の途中にシャッタを設ける必要がある。そもそも、シャッタとは、容易に変形しない硬い物質を回転または移動により開閉する技術であり、気体や液体といった搬送用流体の漏れを防げるほどの密閉性を実現することは難しい。一つ一つの紙幣取込装置からの漏れは微少であっても、遊技島に設けた多くの紙幣取込装置からの漏れが累積すると、搬送管の下流側での内圧が極端に低くなり、紙幣搬送に支障を来す可能性がある。
しかも、特許文献1に記載の紙幣取込装置では、シャッタによる気密性を高くすると、それだけ紙幣待機部との気圧差が大きくなり、搬送管側の高圧力がシャッタを閉位置に保持する力として作用し、紙幣を送り出す力だけでシャッタを開放位置へ移動させることが困難になる。送り出される紙幣の勢いでシャッタが上手く開かなかった場合、紙幣の状態によっては紙幣詰まりになってしまう危険性があるので、詰まり回避のための構造が別途必要になり、総じて非効率である。
そこで、本発明は、搬送管との密閉性を高めつつ、紙葉類を搬送管内へ安定して送り込める紙葉類送り込み装置の提供を目的とする。
前記課題を解決するための紙葉類送り込み装置は、上流から下流に向けて流れる搬送用流体により被搬送物を搬送する搬送管内の搬送路へ、被搬送物としての紙葉類を送り込む紙葉類送り込み装置であって、駆動力を受けて駆動する主ローラと、該主ローラの外周に摺接して従動する補助ローラとを備え、駆動する主ローラと従動する補助ローラとで紙葉類を繰り出す紙葉類繰り出し機構部と、前記搬送管の適所に開設された紙葉類送り込み口へ紙葉類を送り込む送り込み位置と、前記紙葉類繰り出し機構部の補助ローラが前記紙葉類送り込み口を塞ぐ閉塞位置とに、前記紙葉類繰り出し機構部を変位させる変位機構部と、を備えることを特徴とする。
また、前記構成において、前記変位機構部が前記紙葉類繰り出し機構部を変位させる変位駆動力を、前記紙葉類繰り出し機構部の主ローラを駆動させる繰り出し駆動力として伝達する動力伝達機構部を備えても良い。
また、前記構成において、前記変位機構部は、前記補助ローラが前記搬送路から遠ざかるように前記紙葉類送り込み口から離れて、前記搬送路の上流側または下流側へ移動する湾曲移動を行わせることにより、前記紙葉類繰り出し機構部を閉塞位置から送り込み位置へ変位させるようにしても良い。
本発明によれば、常時は紙葉類繰り出し機構部の補助ローラによって紙葉類送り込み口を閉塞するので、高い密閉性を実現できる。また、変位機構部によって紙葉類繰り出し機構部を送り込み位置へ変位させれば、紙葉類送り込み口が開き、主ローラと補助ローラで紙葉類を繰り出すことで、紙葉類送り込み口から紙葉類を安定して搬送路へ送り込むことができる。
本発明の紙葉類送り込み装置を適用可能な紙葉類搬送装置全体の概略構成図である。 (A1)は第1実施形態に係る紙幣送り込み装置が閉塞位置にあるときの概略構成を示す平面図である。(A2)は第1実施形態に係る紙幣送り込み装置が閉塞位置にあるときの概略構成を示す正面図である。(B1)は第1実施形態に係る紙幣送り込み装置が送り込み位置にあるときの概略構成を示す平面図である。(B2)は第1実施形態に係る紙幣送り込み装置が送り込み位置にあるときの概略構成を示す正面図である。 (A)は第2実施形態に係る紙幣送り込み装置が閉塞位置にあるときの概略構成を示す平面図である。(B)は第2実施形態に係る紙幣送り込み装置が閉塞位置から送り込み位置へ変位する過程にあるときの概略構成を示す平面図である。(C)は第2実施形態に係る紙幣送り込み装置が送り込み位置に変位したときの概略構成を示す平面図である。 (A)は第3実施形態に係る紙幣送り込み装置が閉塞位置にあるときの概略構成を示す平面図である。(B)は第3実施形態に係る紙幣送り込み装置が閉塞位置にあるときの概略構成を示す正面図である。 第3実施形態に係る紙幣送り込み装置が閉塞位置(A)から(B)を経て紙幣送り込み位置(C)へ変位する過程の説明図である。 (A)は第4実施形態に係る紙幣送り込み装置が閉塞位置にあるときの概略構成を示す平面図である。(B)は第4実施形態に係る紙幣送り込み装置が送り込み位置に変位したときの概略構成を示す平面図である。
次に、添付図面に基づいて、本発明に係る紙葉類送り込み装置の実施形態につき説明する。なお、被搬送物である紙葉類とは、紙幣や書面といった保形性のある紙類(ティッシュペーパーのように、搬送流に対して保形性を有しないものを除く)、樹脂製のフィルム(プラスティック紙幣を含む)や薄いカード類などが適用できる。本実施形態の紙葉類送り込み装置を適用する紙幣搬送装置においては、紙製の紙幣を被搬送物とした紙幣搬送装置として説明する。また、搬送用流体としては、気体に限らず液体を用いることも可能であるが、本実施形態の紙幣送り込み装置を適用する紙幣搬送装置においては、空気(エア)を搬送用流体として用いる。
図1に示す紙幣送り込み装置1は、例えば遊技店の遊技島毎に設置される紙幣搬送装置に用いるものである。紙幣搬送装置は、遊技媒体貸出装置やカード販売装置等へ投入された紙幣を回収して一箇所へ集めるような使い方が可能である。搬送管2内の搬送路2aを通過させて搬送する紙幣3は、紙幣送り込み装置1から搬送管2内へ導入される。搬送管2の一方端には送風機4を設け、他方端には紙幣回収部5を設ける。すなわち、送風機4を設けた上流から紙幣回収部5を設けた下流に向けて、搬送用流体としての空気が搬送管2内を流れるのである。なお、下流である紙幣回収部5側に吸引器を設けることで、搬送用流体としての空気が搬送管2内を上流から下流へ流れるようにすることもできる。また、搬送管を端部で折り返して略U字状とすれば、送風機4と紙幣回収部5を同じ側に設けておくこともできる。
搬送管2は、所要長さまで連結して、設置場所や状況に応じた流路に調整できる。この搬送管2へ紙幣を送り込む紙幣送り込み装置1は、例えば、各遊技機6に対応して設けられた遊技機用装置7から送り出される紙幣3を紙幣導入路8より受け入れ、搬送管2内の搬送路2aへ送り込むものである。遊技機6は、弾球式遊技機や回胴式遊技機等であり、遊技機用装置7は、接続された遊技機6の種類に応じた遊技媒体を投入金額に応じて貸し出したり、遊技媒体の貸出に使用できる遊技情報記録媒体を発行したりする装置である。
第1実施形態の紙幣送り込み装置1Aは、図2に示すように、紙幣繰り出し機構部10Aと変位機構部20Aを備える。なお、紙幣送り込み装置1Aは、搬送管2の適所に開設された紙幣送り込み口2bに対応させて取り付ける構造でも良いし、紙幣送り込み口2bを備える連結用の搬送管を一体的に備える構造でも良い。
紙幣繰り出し機構部10Aは、主軸11を回転中心とするように取り付けられた上下一対の主ローラ12,12と、補助軸13を回転中心とするように取り付けられた縦長筒状の補助ローラ14を有する。補助ローラ14の周面は主ローラ12,12の周面に摺接しており、繰り出し用駆動源15により直接あるいは間接的に回転する主軸11の回転に伴って主ローラ12,12が回転すると、補助ローラ14が従動する。主軸11が定方向に回転しているとき、主ローラ12,12の周面と補助ローラ14の周面が互いに近づく側を紙幣受け入れ側とし、互いに接した主ローラ12,12の周面と補助ローラ14の周面が離れて行く側を紙幣繰り出し側とする。
回転中の主ローラ12,12と補助ローラ14との摺接部位へ紙幣受け入れ側より紙幣3が供給されると、主ローラ12,12と補助ローラ14にニップされて、紙幣繰り出し側へ繰り出されて行く。すなわち、紙幣繰り出し機構部10Aの紙幣受け入れ側を紙幣導入路8に臨ませ、紙幣繰り出し機構部10Aの紙幣繰り出し側を紙幣送り込み口2bに臨ませておけば、遊技機用装置7からの紙幣を搬送管2の搬送路2aへ送り込むことができる。また、主軸11および補助軸13は、例えば、上下一対の軸支プレート16,16により回動自在に保持され、主ローラ12,12と補助ローラ14との摺接状態が一定に保持される。
変位機構部20Aは、ラック21と、ラック21の歯切り部21aに螺合するウォームホイール22と、ウォームホイール22の回転中心に取り付けられる駆動軸23aを備える変位用駆動源23を有する。ラック21は、ウォームホイール22の回転方向に応じて、下流方向(搬送方向WDの向き)あるいは上流方向(搬送方向WDの逆向き)に紙幣繰り出し機構部10A全体を移動させるように配される。なお、図2に示す変位機構部20Aのラック21は、主軸11に取り付けることで、紙幣繰り出し機構部10A全体を移動させるものとしたが、これに限らず、軸支プレート16,16へ取り付けて紙幣繰り出し機構部10A全体を移動させるようにしても構わない。
紙幣送り込み装置1Aは、通常時、紙幣送り込み口2bを補助ローラ14の周面で塞ぐ位置(図2(A1),(A2)に示す閉塞位置)に紙幣繰り出し機構部10Aを待機させる。すなわち、紙幣繰り出し機構部10Aが閉塞位置にあるとき、紙幣送り込み口2bの四側壁(上流側縦壁部2b1、下流側縦壁部2b2、上壁部2b3、下壁部2b4)全てを補助ローラ14の周面に密着させることで、紙幣送り込み口2bからのエア漏れを効率的に抑制できる。なお、補助ローラ14の素材は、気体用のシーリング材として一般的なクロロプレンゴムを用いても良いが、紙幣の繰り出しに用いることから、より高性能で耐摩耗性の高いフッ素ゴムを用いることが望ましい。
閉塞位置にある紙幣繰り出し機構10Aを、ラック21が上流方向(図2(A1),(A2)中、矢印で示す方向)へ移動させるように、変位用駆動源23を駆動させてウォームホイール22を定方向(例えば、正転方向)へ回転させる。ラック21が移動するに伴って、補助ローラ14の周面が紙幣送り込み口2bから外れ、搬送路2aと紙幣送り込み装置1Aの内部が紙幣送り込み口2bを介して連通する。そして、主ローラ12,12と補助ローラ14との摺接部位が紙幣導入路8の略中央に到達した位置(図2(B1),(B2)に示す送り込み位置)にて変位用駆動源23を停止させる。変位用駆動源23を停止させると、ウォームホイール22がラック21の歯切り部21aに螺合した状態でロックされるので、紙幣繰り出し機構10Aが移動することを阻止し、紙幣繰り出し機構10Aは安定的に送り込み位置に止まる。
紙幣繰り出し機構部10Aが送り込み位置にあるとき、繰り出し用駆動源15を駆動させ、紙幣導入路8に紙幣受け入れ側が臨むように(図2(B1)においては、主ローラ12が時計回り、補助ローラ14が反時計回りとなるように)する。そこへ紙幣導入路8より紙幣3が導入され、主ローラ12,12と補助ローラ14との摺接部位へ至ると、主ローラ12,12と補助ローラ14にニップされて紙幣繰り出し側へ繰り出され、紙幣送り込み口2bから搬送路2a内へ送り込まれて行く。なお、紙幣送り込み口2bは、下流に向かって開口が広くなるように、下流側縦壁部2b2をテーパ状に配置し、搬送路2a内へ送り込まれた紙幣3が下流側へ反り返って、搬送流に乗り易くなる構造とした。
紙幣3を紙幣送り込み口2bから搬送路2a内へ送り込んだタイミング(例えば、紙幣送り込み口2bから搬送路2a内に送り込まれた紙幣3を検出する紙幣センサがオフになったタイミング)で、変位用駆動源23を駆動させてウォームホイール22を逆方向へ回転させる。これにより、ラック21が下流方向へ移動し、紙幣繰り出し機構部10Aが送り込み位置から閉塞位置へ変位して行く。そして、紙幣送り込み口2bを補助ローラ14の周面で塞ぐ閉塞位置に紙幣繰り出し機構部10Aが戻ったタイミングで変位用駆動源23を停止させる。変位用駆動源23を停止させると、ウォームホイール22がラック21の歯切り部21aに螺合した状態でロックされるので、紙幣繰り出し機構10Aが移動することを阻止し、紙幣繰り出し機構10Aは安定的に閉塞位置に止まる。
以上のように、第1実施形態の紙幣送り込み装置1Aでは、駆動する主ローラ12と従動する補助ローラ14とで紙幣3を繰り出す紙葉類繰り出し機構部10Aを、変位機構部20Aによって、送り込み位置と閉塞位置とに変位させることができる。すなわち、常時は紙幣繰り出し機構部10Aの補助ローラ14によって紙幣送り込み口2bを閉塞するので、高い密閉性を実現できる。また、紙幣3の搬送時には、変位機構部20Aによって紙幣繰り出し機構部10Aを送り込み位置へ変位させるので、紙幣送り込み口2bが開き、主ローラ12の駆動と補助ローラ14の従動によって紙幣3を安定して搬送路2aへ送り込むことができる。
なお、繰り出し用駆動源15や変位用駆動源23の動作制御は、図示を省略した制御部によって行う。例えば、紙幣導入路8から紙幣3が供給されたことを検出するセンサ情報、あるいは遊技機用装置7からの紙幣移送開始信号を受けたタイミングで、制御部が変位用駆動源23の正転を開始させれば、閉塞位置から送り込み位置への変位が開始される。紙幣繰り出し機構部10Aを送り込み位置で停止させる制御は、ラック21の移動量から逆算されるウォームホイール22の回転量で行っても良いし、ラック21あるいは紙幣繰り出し機構部10Aの移動位置を検出するセンサ情報で行っても良い。紙幣送り込み機構部10Aが送り込み位置に変位すると、制御部は繰り出し用駆動源15を動作させて、紙幣繰り出し機構部10Aにより紙幣送り込み口2bから搬送路2a内へ紙幣3を送り込む。繰り出し用駆動源15の停止タイミングは、紙幣3を紙幣送り込み口2bから搬送路2a内へ送り込むのに必要十分な時間経過でも良いが、紙幣繰り出し機構部10Aの紙幣繰り出し側に設けた紙幣検出センサのセンサ情報に基づく紙幣通貨タイミングでも良い。紙幣送り込み口2bから搬送路2a内へ紙幣3を送り込むと、制御部は速やかに変位用駆動源23の逆転を開始させ、送り込み位置から閉塞位置への変位を行う。紙幣繰り出し機構部10Aを閉塞位置で停止させる制御は、ラック21の移動量から逆算されるウォームホイール22の回転量で行っても良いし、ラック21あるいは紙幣繰り出し機構部10Aの移動位置を検出するセンサ情報で行っても良い。
上述した第1実施形態の紙幣送り込み装置1Aは、紙幣繰り出し機構部10Aを動作させるための繰り出し用駆動源15と、変位機構部20Aを動作させるための変位用駆動源23を必要とする。しかしながら、繰り出し用駆動源15を動作させるときには変位用駆動源23は使用せず、逆に、変位用駆動源23を動作させるときには繰り出し用駆動源15は使用しないという排他的な使い方である。
そこで、第2実施形態に係る紙幣送り込み装置1Bは、単一の駆動源によって、紙幣繰り出し機構部10Bと変位機構部20Bの両方を駆動させる動力伝達機構部30を備えるものとした。以下、図3に基づき、第2実施形態に係る紙幣送り込み装置1Bを説明する。なお、第1実施形態の紙幣送り込み装置1Aと同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。
紙幣送り込み装置1Bにおける紙幣繰り出し機構部10Bでは、主軸11にベルト巻回型の従動プーリ17を設ける。すなわち、主軸11を回転させる駆動源は設けず、後述する動力伝達機構部30からの動力伝達により回転する従動プーリ17の回転力が主軸11の回転力となり、主ローラ12を回転させる駆動力となる。なお、紙幣繰り出し機構部10Bも軸支プレート等で一体化し、主ローラ12と補助ローラ14の摺接状態を保持したまま移動可能な構造とする。
変位機構部20Bは、紙幣繰り出し機構部10Bに一旦側が取り付けられたラック21を、歯切り部21aに螺合するウォームホイール22の回転によって、上流方向あるいは下流方向へスライド移動させるものである。しかしながら、ウォームホイール22を直接駆動する駆動源はなく、ウォームホイール22の回転中心には連動軸24を取り付ける。後述する動力伝達機構部30からの動力伝達により連動軸24が回動することで、ウォームホイール22を正転あるいは逆転させ、ラック21を搬送管2とほぼ並行に上流方向あるいは下流方向へスライド移動させる。
動力伝達機構部30は、モータ等の連動駆動源(図示省略)により回動する駆動軸31に軸着した駆動ローラ32の回転力を、変位機構部20Bの変位駆動力として伝達する。変位機構部20Bが紙幣繰り出し機構部10Bを閉塞位置から送り込み位置へ変位させた後には、動力伝達機構部30における駆動ローラ32の回転力を、紙幣繰り出し機構部10Bの繰り出し動力として伝達する。
先ず、動力伝達機構部30が、駆動ローラ32の回転力を変位機構部20Bの変位駆動力として伝達する構造を説明する。例えば、搬送管2に直交する方向へスライド移動可能に配置した連動ラック33の下面(あるいは上面)には歯切り部33aを設け、ピニオン34と咬合させる。ピニオン34の回転中心は、変位機構部20Bの連動軸24に取り付けられ、連動ラック33のスライド移動に伴うピニオン34の正逆回転が、ウォームホイール22の正逆回転となり、ラック21を搬送管2とほぼ並行に上流方向あるいは下流方向へスライド移動させる力として作用する。すなわち、連動ラック33の一方端(搬送管2に近い端部)を搬送管2へ近づけたり、遠ざけたりすれば、主ローラ12と補助ローラ14が搬送管2とほぼ並行に上流方向あるいは下流方向へスライド移動する。
連動ラック33の一側面(例えば、上流側の面)にはローラ当接面33bを設けてあり、駆動ローラ32の周面がローラ当接面33bに当接するように、連動ラック33の配設位置を調整する。また、ローラ当接面33bの表面は、適宜な摩擦を生じる粗面としておく。かくすれば、駆動ローラ32が正逆回転したとき、駆動ローラ32の周面は連動ラック33のローラ当接面33bで空滑りせず、連動ラック33をスライド移動させる力として良好に作用する。
例えば、連動ラック33の一方端(搬送管2に近い端部)が搬送管2から遠ざかった状態で、紙幣繰り出し機構部10Bが閉塞位置となるように設定し(図3(A)を参照)、この基準位置を例えば位置検出器41によって検出する。或いは、ラック21の一方端(下流側端部)を位置検出器42によって検出することで、連動ラック33の基準位置を判定するようにしても良い。なお、位置検出器41,42は、光センサ等の非接触式センサを用いても良いし、被検出物が作用片等に接触することで位置検出を行うリミットスイッチ等の接触式センサを用いても良い。
動力伝達機構部30の連動ラック33が基準位置にある状態(紙幣繰り出し機構部10Bが閉塞位置にある状態)で、駆動ローラ32が一方向(図3(B)においては、反時計方向)へ回転すると、連動ラック33の一方端が搬送管2へ近づいてゆく。この連動ラック33の移動に伴い、ラック42は上流側へ移動してゆくので、紙幣繰り出し機構部10Bが閉塞位置から繰り出し位置へ変位してゆくこととなる。また、連動ラック33の一方端が搬送管2へ近づくに従って、連動ラック33の他方端(搬送管2から遠い端部)は駆動ローラ32の当接部位へ近づいてゆく。
そして、連動ラック33の他方端が駆動ローラ32の当接部位を越えると(図3(C)を参照)、駆動ローラ32の駆動力が連動ラック33に作用しなくなり、変位機構部20Bのラック21も移動しなくなる。すなわち、この状態で、紙幣繰り出し機構部10Bが繰り出し位置となるように設定しておけば、動力伝達機構部30における駆動ローラ32の回転力を、変位機構部20Bの変位駆動力として伝達できる。なお、紙幣繰り出し機構部10Bが繰り出し位置に変位したとき、ちょうど駆動ローラ32の一方端が搬送管2の外壁面に当接するようにしておけば、若干の誤差で、ラック33の他方端が駆動ローラ32の周面から脱していない場合でも、適正な繰り出し位置で停止できる。無論、搬送管2の外壁面とは別に繰り出し位置停止用の当接体を設けておき、ちょうど駆動ローラ32の一方端が繰り出し位置停止用の当接体に当たったとき、紙幣繰り出し機構部10Bが繰り出し位置に変位する構造でも良い。
次に、動力伝達機構部30が、駆動ローラ32の回転力を紙幣繰り出し機構部10Bの繰り出し駆動力として伝達する構造を説明する。例えば、連動軸35に連動ローラ36と駆動プーリ37を設け、連動軸35の軸支プレート等を連動ラック33と一体に取り付ける。かくすれば、連動ラック33のスライド移動と連動して、連動ローラ36と駆動プーリ37が取り付けられた連動軸35もスライド移動する。さらに、駆動プーリ37と、紙幣送り込み機構部10Bの従動プーリ17には、連動ベルト38を巻回してあり、駆動プーリ37の回転に伴って、従動プーリ17および主ローラ12が一体的に回転する。
また、連動ローラ36の直径は、連動ラック33のローラ当接面33bとほぼ一致するか、若干突出した程度にしておき、連動ラック33の他方端が駆動ローラ32の周面から外れるタイミングで、連動ローラ36の周面を駆動ローラ32の周面に当接させる。かくすれば、紙幣繰り出し機構部10Bが繰り出し位置に変位したタイミングで、連動ローラ36が駆動ローラ32の回転力を受けて回転するようになる。例えば、図3(C)に示すように、駆動ローラ32が反時計回りに回転すると、連動ローラ36と駆動プーリ37が時計回りに回転する。
駆動プーリ37の回転は、連動ベルト38を介して従動プーリ17に伝達され、図3(C)に示すように、従動プーリ17と主ローラ12が時計回りに回転し、補助ローラ14は反時計回りに回転する。よって、回転中の主ローラ12と補助ローラ14との摺接部位へ紙幣受け入れ側より紙幣3が供給されると、主ローラ12と補助ローラ14にニップされて、紙幣繰り出し側へ繰り出されて行く。
なお、紙幣繰り出し機構部10Bが繰り出し位置に変位したとき、連動ベルト38が適切な張力で駆動プーリ37と従動プーリ17に巻回されていれば、駆動ローラ32の回転力を紙幣繰り出し機構部10Bの繰り出し駆動力として伝達できる。例えば、連動ラック33と共に移動する連動軸35と、ラック21と共に移動する主軸11が、等距離間隔を保持したまま移動するように設計しておけば、駆動プーリ37と従動プーリ17も等距離間隔を保持したままとなるので、連動ベルト38の張力は一定に保たれる。しかしながら、本実施形態の紙幣送り込み装置1Bのように、ラック21と連動ラック33が互いに直交する向きに等速移動する構造では、主軸11と連動軸35とが等距離間隔を保持したまま移動する設計は不可能である。そこで、テンションプーリ等を設けて連動ベルト38の張力を一定に保持しておく構造とすれば、主軸11と連動軸35との離隔距離が変化しても、駆動プーリ37から従動プーリ17へ動力を良好に伝達できる。
また、紙幣繰り出し機構部10Bを繰り出し位置から閉塞位置へ戻す場合、連動駆動源(図示省略)を逆転させ、駆動軸31に取り付けられた駆動ローラ32の回転方向を逆にする。これにより、連動軸35は搬送管2から遠ざかる向きの力を受け、連動ローラ36の周面が駆動ローラ32の周面から外れて紙幣繰り出し機構部10Bの繰り出し動力が消失し、連動ラック33のローラ当接面33bが駆動ローラ32の周面に当接する状態となる。すなわち、駆動ローラ32が逆回転すると、連動ラック33が搬送管2から遠ざかる向きに移動し、この連動ラック33の移動がラック21を下流側へ移動させ、紙幣繰り出し機構部10Bを送り込み位置から閉塞位置へ変位させる。位置検出器41(或いは位置検出器42)の位置検出タイミングで連動駆動源を停止させ、駆動ローラ32を止めれば、紙幣繰り出し機構部10Bが閉塞位置となる基準位置へ動力伝達機構部30を戻すことができる。
以上のように、第2実施形態の紙幣送り込み装置1Bでは、動力伝達機構部30により、変位機構部20Bが紙幣繰り出し機構部10Bを変位させる変位駆動力を、紙幣繰り出し機構部10Bの主ローラ12を駆動させる繰り出し駆動力として伝達できる。よって、単一の駆動源によって、紙幣繰り出し機構部10Bと変位機構部20Bの両方を駆動させることができ、複数の駆動源を必要としないことでコスト抑制と軽量化を図れる。
上述した第1,第2実施形態の紙幣送り込み装置1A,1Bは、紙幣繰り出し機構部10A,10Bを動作させるために、搬送管2の流路とほぼ平行にスイライド移動するラック21を用いた。このため、紙幣繰り出し機構部10A,10Bが閉塞位置から送り込み位置へ変位するとき、紙幣送り込み口2bを閉塞する補助ローラ14の周面が紙幣送り込み口2bの壁部に強く押し当たったまま、弾性変形して紙幣送り込み口2bから外れることとなる。逆に、紙幣繰り出し機構部10A,10Bが送り込み位置から閉塞位置へ変位するときも、補助ローラ14の周面が紙幣送り込み口2bの壁部に強く押し当たったまま、弾性変形して紙幣送り込み口2bへ嵌まり込む位置へ戻ることとなる。このような力が、紙幣繰り出し機構部10A,10Bを変位させる度に加わると、補助ローラ14の損耗が早くなる危険性がある。
そこで、第3実施形態に係る紙幣送り込み装置1Cは、補助ローラ14の損耗を抑制できる紙幣繰り出し機構部10Cと変位機構部20Cを備えるものとした。以下、図4および図5に基づき、第3実施形態に係る紙幣送り込み装置1Cを説明する。なお、第1,第2実施形態の紙幣送り込み装置1A,1Bと同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。
紙幣繰り出し機構部10Cは、主軸11に取り付けられた主ローラ12と、補助軸13に取り付けられた補助ローラ14より成る。なお、主軸11と補助軸13は一体的に動作せず、後述する変位機構部20Cによって、それぞれ湾曲移動させられる。また、紙幣繰り出し機構部10Cが閉塞位置にあるとき、紙幣送り込み口2bを閉塞している補助ローラ14の周面に主ローラ12の周面が当接している必要はない。しかしながら、紙幣繰り出し機構部10Cが送り込み位置に変位したときには、必ず補助ローラ14の周面に主ローラ12の周面が当接し、図示を省略した繰り出し用駆動源の動作により、主ローラ12と補助ローラ14が回転するようにしておく。
変位機構部10Cは、変位用駆動源23が動作することで流路方向にスライド移動するラック21に取り付けられたスライド軸25によって、主軸11と補助軸13の湾曲移動させる連動機構を備える。スライド軸25の上下端部は、上下一対の固定プレート26,26に設けたスライドガイド孔26aに遊嵌され、ラック21の移動と連動して、スライド軸25もスライドガイド孔26aに沿って移動する。なお、スライドガイド孔26aは流路方向と平行な直線状の孔で、スライド軸25の直径よりも若干広い幅で、少なくとも、ラック21の移動範囲内でスライド軸25が移動する範囲を阻害しない長さに設定してある。
スライド軸25のスライド移動と補助軸13とを連動させるために、上下一対の補助軸連動アーム27,27の一端側にスライド軸25を、他端側に補助軸13を嵌挿する。また、スライド軸25のスライド移動と主軸11とを連動させるために、上下一対の主軸連動アーム28,28の一端側にスライド軸25を、他端側に主軸11を嵌挿する。なお、補助軸連動アーム27と主軸連動アーム28は、主軸11、補助軸13およびスライド軸25の自由な回動を阻害せず、尚且つ極端なガタつきも生じないように、各軸径よりも若干大きい径の軸挿通孔を設けておくことが望ましい。
固定プレート26には、主軸用湾曲ガイド孔26bと補助軸用湾曲ガイド孔26cを設けてある。主軸用湾曲ガイド孔26bには、主軸連動アーム28に挿通した主軸11を遊嵌し、補助軸用湾曲ガイド孔26cには、補助軸連動アーム27に挿通した補助軸13を遊嵌する。主軸用湾曲ガイド孔26bと補助軸用湾曲ガイド孔26cは、共に紙幣受け入れ側に凸となる弧状の等幅孔であり、主軸用湾曲ガイド孔26bに遊嵌された主軸11と補助軸用湾曲ガイド孔26cに遊嵌された補助軸13は、滑らかに湾曲移動する。なお、主軸11には、図示を省略した繰り出し用駆動源の駆動力が直接あるいは間接的に伝達され、主ローラ12を定方向に回転させる必要がある。そのため、主軸連動アーム28によって主軸11を無理なく移動させることができるよう、主軸11に過剰な重量負荷がかからないような繰り出し用駆動源の取り付け構造にしておくことが望ましい。
上記のように構成した紙幣送り込み装置1Cは、補助ローラ14の周面で紙幣送り込み口2bを閉塞した閉塞位置で、スライド軸25はスライドガイド孔26aの下流側端部に位置する。同様に、主軸11は主軸用湾曲ガイド孔26bの下流側端部に位置し、補助軸13は補助軸用湾曲ガイド孔26cの下流側端部に位置する(図4(A),(B)および図5(A)を参照)。
紙幣繰り出し機構部10Cが閉塞位置にある状態で、変位用駆動源23が動作すると、ラック21が上流側へスライド移動し、このラック21に押されたスライド軸25がスライドガイド孔26aに沿って上流側へスライド移動する。そして、主軸連動アーム28に挿通された主軸11は主軸用湾曲ガイド孔26bに沿って、補助軸連動アーム27に挿通された補助軸13は補助軸用湾曲ガイド孔26cに沿って、それぞれ上流側へ湾曲移動する。すなわち、主ローラ12と補助ローラ14は、ラック21の直線的な動きではなく、主軸用湾曲ガイド孔26bおよび補助軸用湾曲ガイド孔26cの形状と同じ湾曲した軌跡で移動し(図5(B),(C)を参照)、紙幣送り込み位置へ変位する。したがって、紙幣繰り出し機構部10Cが閉塞位置から紙幣送り込み位置へ変位するとき、補助ローラ14の周面が紙幣送り込み口2bの壁部に強く押し当たったまま擦れて移動することを防げる。
また、紙幣繰り出し部10Cが紙幣送り出し位置にある状態で、変位用駆動源23を逆回転させると、ラック21が下流側へスライド移動し、ラック21に引かれてスライド軸25がスライドガイド孔26aに沿って下流側へスライド移動する。そして、主軸連動アーム28に挿通された主軸11は主軸用湾曲ガイド孔26bに沿って、補助軸連動アーム27に挿通された補助軸13は補助軸用湾曲ガイド孔26cに沿って、それぞれ下流側へ湾曲移動する。すなわち、主ローラ12と補助ローラ14は、ラック21の直線的な動きではなく、主軸用湾曲ガイド孔26bおよび補助軸用湾曲ガイド孔26cの形状と同じ湾曲した軌跡で移動し、閉塞位置へ変位する。したがって、紙幣繰り出し機構部10Cが紙幣送り込み位置から閉塞位置へ変位するときにも、補助ローラ14の周面が紙幣送り込み口2bの壁部に強く押し当たったまま擦れて移動することを防げる。
以上のように、第3実施形態の紙幣送り込み装置1Cでは、変位機構部20Cにより紙幣繰り出し機構部10Cを閉塞位置から紙幣送り込み位置へ変位させると、補助ローラ14が搬送路2aから遠ざかるように紙幣送り込み口2bから離れて、搬送路2aの上流側へ移動する湾曲移動となる。よって、紙幣繰り出し機構部10Cの状態変位を行う度に、補助ローラ14が紙幣送り込み口2bの壁部に押し当たって摩耗するような不具合を効果的に抑制できる。
なお、第3実施形態の紙幣送り込み装置1Cにおける紙幣繰り出し機構部10Cの構造は、補助ローラ14の下流側に主ローラ12を配置したので、閉塞位置から紙幣送り込み位置へ変位させるとき、主ローラ12と補助ローラ14を上流側へ湾曲移動させた。しかしながら、補助ローラ14の上流側に主ローラ12を配置した紙幣繰り出し機構部10Cの場合には、閉塞位置から紙幣送り込み位置へ変位させるとき、主ローラ12と補助ローラ14を下流側へ湾曲移動させれば良い。また、第3実施形態の紙幣送り込み装置1Cにおける変位機構部20Cの構造は、湾曲形状のガイド孔に沿わせて、主ローラ12と補助ローラ14を湾曲移動させるものであるが、これに限定されず、公知既存のリンク機構によって湾曲移動を実現しても構わない。
上述した第1〜第3実施形態の紙幣送り込み装置1A〜1Cでは、紙幣繰り出し機構部10A〜10Cの補助ローラ14のみが紙幣送り込み口2bを塞ぐ漏れ防止バルブの機能を担うものとした。しかしながら、図6に示す第4実施形態に係る紙幣送り込み装置1Dでは、補助ローラ14と同一形状の主ローラ18を用い、主ローラ18と補助ローラ14とで紙幣送り込み口2bを閉塞するものとした。以下、図6に基づき、第4実施形態に係る紙幣送り込み装置1Dを説明する。なお、第1〜第3実施形態の紙幣送り込み装置1A〜1Cと同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。
第4実施形態に係る紙幣送り込み装置1Dの紙幣繰り出し機構部10Dは、軸支プレート16に軸支された主軸11と補助軸13に、それぞれ主ローラ18と補助ローラ14を取り付けたものである。なお、主ローラ18と補助ローラ14は同一材質、同一構造であるが、便宜上、繰り出し用駆動源により直接あるいは間接的に回転する主軸11に取り付けられた方を主ローラ18とする。そして、主ローラ18と補助ローラ14は、共に紙幣送り込み口2bを塞ぐ漏れ防止バルブの機能を担う。上流側に配置した補助ローラ14は、上流側縦壁部2b1の全域と、上壁部2b3および下壁部2b4の上流側部分を塞ぐ。下流側に配置した主ローラ18は、下流側縦壁部2b2の全域と、上壁部2b3および下壁部2b4の下流側部分を塞ぐ。無論、主ローラ18と補助ローラ14との摺接部位も、エア漏れしないような密着状態とする。また、主ローラ18と補助ローラ14との摺接部位は、紙幣導入路8に臨むように配置してあり、紙幣導入路8より供給された紙幣3は、そのまま主ローラ18と補助ローラ14との摺接部位へ到達する。よって、この紙幣繰り出し機構部10Dは、搬送路2aへ送り込むための紙幣を受け入れるとき、上流側或いは下流側へ移動する必要はない。
第4実施形態に係る紙幣送り込み装置1Dの変位機構部20Dは、搬送路2aに直交する向きでスライド移動するようにラック21を設け、ラック21の歯切り部21aと歯合するウォームホイール22を変位用駆動源23によって正逆回転させる。例えば、ウォームホイール22を正転させることで、ラック21は搬送管2から遠ざかる方向(以下、前方という)にスライド移動し、ウォームホイール22を逆転させることで、ラック21は搬送管2へ近づく方向(以下、後方という)にスライド移動する。そして、ラック21は紙幣繰り出し機構部10Dの軸支プレート16等と接続してあるので、ラック21の前後動に応じて、紙幣繰り出し機構部10D全体が前後にスライド移動する。
上記のように構成した紙幣送り込み装置1Dでは、主ローラ18と補助ローラ14が紙幣送り込み口2bを塞ぐ閉塞位置(図6(A)を参照)にて主ローラ18を回転させれば、紙幣導入路8より供給された紙幣3を繰り出すことも可能である。しかしながら、紙幣送り込み口2bを塞いだ状態の主ローラ18と補助ローラ14を回転させると、紙幣送り込み口2bの壁部との間に強い摩擦が生じ、繰り出し用駆動源が過負荷となったり、主ローラ18や補助ローラ14の周面が摩耗したりする不具合が懸念される。
そこで、本実施形態の紙幣送り込み装置1Dにおいては、変位機構部20Dによって紙幣繰り出し機構部10Dを前方に移動させることで、紙幣送り込み位置(図6(B)を参照)へ変位させる。すなわち、紙幣繰り出し機構部10Dを紙幣送り込み位置へ変位させると、主ローラ18と補助ローラ14は紙幣送り込み口2bから離れ、主ローラ18および補助ローラ14は、紙幣送り込み口2bの壁部と接触しなくなる。よって、紙幣繰り出し機構部10Dを紙幣送り込み位置へ変位させれば、主ローラ18と補助ローラ14を回転させても、紙幣送り込み口2bの壁部との間に摩擦は生じない。
しかも、紙幣繰り出し機構部10Dを閉塞位置から紙幣送り込み位置へ変位させるとき、変位機構部20Dによる移動距離は、主ローラ18と補助ローラ14が紙幣送り込み口2bの壁部と接触しなくなる短距離で良い。閉塞位置から紙幣送り込み位置への変位距離を短くできれば、変位に要する時間を短くできると共に、変位機構部20Dの電力消費を抑えられるという利点もある。さらに、閉塞位置から紙幣送り込み位置への変位距離を短くできれば、主ローラ18および補助ローラ14と、紙幣送り込み口2bの壁部との隙間も狭くなるので、紙幣繰り出し機構部10Dが紙幣送り込み位置に変位したときのエア漏れを抑制できるという利点もある。
以上、本発明に係る紙葉類送り込み装置を実施形態に基づき説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りにおいて実現可能な全ての紙葉類搬送装置を権利範囲として包摂するものである。
1A 紙幣送り込み装置(第1実施形態)
2 搬送管
2a 搬送路
2b 紙幣送り込み口
3 紙幣
10A 紙葉類繰り出し機構部
12 主ローラ
14 補助ローラ
20A 変位機構部

Claims (3)

  1. 上流から下流に向けて流れる搬送用流体により被搬送物を搬送する搬送管内の搬送路へ、被搬送物としての紙葉類を送り込む紙葉類送り込み装置であって、
    駆動力を受けて駆動する主ローラと、該主ローラの外周に摺接して従動する補助ローラとを備え、駆動する主ローラと従動する補助ローラとで紙葉類を繰り出す紙葉類繰り出し機構部と、
    前記搬送管の適所に開設された紙葉類送り込み口へ紙葉類を送り込む送り込み位置と、前記紙葉類繰り出し機構部の補助ローラが前記紙葉類送り込み口を塞ぐ閉塞位置とに、前記紙葉類繰り出し機構部を変位させる変位機構部と、
    を備えることを特徴とする紙葉類送り込み装置。
  2. 前記変位機構部が前記紙葉類繰り出し機構部を変位させる変位駆動力を、前記紙葉類繰り出し機構部の主ローラを駆動させる繰り出し駆動力として伝達する動力伝達機構部を備えることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類送り込み装置。
  3. 前記変位機構部は、前記補助ローラが前記搬送路から遠ざかるように前記紙葉類送り込み口から離れて、前記搬送路の上流側または下流側へ移動する湾曲移動を行わせることにより、前記紙葉類繰り出し機構部を閉塞位置から送り込み位置へ変位させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の紙葉類送り込み装置。
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