JP2020170372A - 車載器およびこれを用いた路車間通信システム並びに路側機情報報知方法 - Google Patents
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ITSには、ETC(Electronic Toll Collection System)(登録商標)2.0サービスがあり、路車間通信方式には、5.8GHz帯DSRC(Dedicated Short Range Communication)(登録商標)が用いられる。
一方で、路車間通信において、交通の安全と円滑を目指した新交通管理システム(UTMS(登録商標):Universal Traffic Management Systems)の開発も進んでいる。UTMSには、AMIS(Advanced Mobile Information Systems)サービスがあり、路車間通信方式には、IR(Infrared)が用いられる。
ETC2.0サービスでは、高速道路上にITSスポット(登録商標)路側機が設置され、高速道路を走行する車両を対象に情報が配信される。AMISサービスでは、一般道に光ビーコン路側機が設置され、一般道を走行する車両を対象に情報が配信される。
なお、ETC2.0サービスにおいては、緯度、経度などの位置情報を含み、車両側がVICS情報を報知すべき地点を指定しているVICS情報があり、車両が指定の地点に到達した際に、当該VICS情報をユーザに報知するという提供方法(以後、VICS蓄積提供ともいう)がある。
VICS蓄積提供のための自車位置の認識については、ナビ連携型車載器の場合は、カーナビが行い、発話型車載器は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機能を備え、発話型車載器自身で自車位置を認識する。
この場合、例えば、高速道路から一般道路へ出た後に、高速道路上で報知すべきVICS蓄積提供情報を一般道路上で報知してしまうことが考えられる。
従って、このようなユーザへの誤報知を防ぐためには、現在走行中の道路が高速道路であるか一般道路であるかを適切に判定する手段が必要となる。
しかし、地図データを持たず、カーナビ等に接続しないスタンドアロンタイプの車載器を対象として、自車が走行している道路が高速道路であるか否かを判定するものではないという問題があった。
以下、実施の形態1について、図を用いて説明する。
図1は、実施の形態1による路車間通信システムの構成を示す図である。
図1において、車両100は、屋外を移動するものである。なお、実施の形態1では、車両100を自動車として説明しているが、他の移動体の適用を妨げるものではない。
また、後述するDSRCアンテナ300を介して、ITSスポット路側機500とのデータのやりとりを行なう。また、IRアンテナ400を介して、光ビーコン路側機600とのデータのやりとりを行う。
DSRCアンテナ300は、車載器200と接続され、ITSスポット路側機500とデータの送受を行う。IRアンテナ400は、車載器200と接続され、光ビーコン路側機600とデータの送受を行う。
なお、本実施の形態1では、車載器200とアンテナの接続ポートは、2口あるが、1口であることを妨げるものではない。また、アンテナは、電波・光一体VICSアンテナなど、DSRCアンテナ300およびIRアンテナ400以外のアンテナの適用を妨げるものではない。
光ビーコン路側機600は、IRアンテナ400とデータの送受を行う。光ビーコン路側機600は、車両100外にある専用のインフラ設備を想定しているが、汎用設備の適用を妨げるものではない。また、本実施の形態1でのIRアンテナ400と光ビーコン路側機600との間は、IR通信を行っているとして説明するが、他の無線通信規格の適用を妨げるものではない。
図2において、車載器200は、ECU220によって制御される。車載器200は、GNSS受信部201およびHMI(Human Machine Interface)機器群209を有する。GNSS受信部201は、GNSS情報(位置情報、走行方位など)を受信し、ECU220に入力する。HMI機器群209は、人とのインターフェースであり、ブザー、スピーカー、LED(Light Emitting Diode)などの一つ以上を有する。HMI機器群209は、ECU220に接続されている。
GNSS情報入力部202は、GNSS受信部201からGNSS情報(位置情報、走行方位など)が入力される。DSRCアンテナ接続I/F(interface)203は、DSRCアンテナ300と接続され、ITSスポット路側機500からのデータ受信およびITSスポット路側機500へのデータ送信を制御する。
IRアンテナ接続I/F204は、IRアンテナ400と接続され、光ビーコン路側機600からのデータ受信および光ビーコン路側機600へのデータ送信を制御する。
無線通信制御部206(通信制御部)は、DSRCアンテナ接続I/F203とIRアンテナ接続I/F204を制御する。このため、予め決められたDSRC通信処理とIR通信処理の機能を備える。
走行道路種別判定部207(道路種別判定部)は、走行履歴情報、および無線通信制御部206で得られるDSRC通信処理結果とIR通信処理結果を基に、自車が走行している道路種別を判定する。
HMI機器制御部208は、無線通信制御部206から要求される、VICS蓄積提供情報のユーザへの配信要求に従って、車載器200のHMI機器群209を制御する。HMI機器制御部208は、HMI機器群209とともに報知部を形成する。
実施の形態1は、路側に設置された通信方式の異なる路側機から車両が各種交通情報を取得し、ユーザに報知する路車間通信システムにおいて、車両が現在走行中の道路が高速道路であるか一般道路であるかを判断し、この判断結果を使用して、現在走行中の道路以外から受信した路車間情報の誤報知を抑制するようにしたものである。
まず、車載器200の無線通信制御部206によるVICS蓄積提供情報(路側機情報)の報知開始判定処理について、図3のフローチャートに基づき説明する。
無線通信制御部206は、予め決められた周期(たとえば100msおき)で、VICS蓄積提供情報を保持しているか否かを判定する(ステップS101、第一のステップ)。ステップS101において、VICS蓄積提供情報を保持しているのであれば(ステップS101で、YES)、続いて、走行道路種別判定部207を通じて、現在の道路種別を判定する(ステップS102、第二のステップ)。
ここで、自車の位置情報として、最新のGNSSデータ(緯度・経度)を使用し、VICS蓄積提供情報の報知開始位置と自車の位置までの距離が予め決められた半径以下となった場合、VICS蓄積提供情報の報知可と判定する(ステップS104で、YES)。
報知可と判定されたVICS蓄積提供情報については、無線通信制御部206は、HMI機器制御部208に対して、HMI報知開始を要求する(ステップS105、第四のステップ)。この要求に応じて、HMI機器制御部208が、HMI機器群209を制御して、VICS蓄積提供情報の報知を行なう(第五のステップ)。
なお、ステップS101において、VICS蓄積提供情報を保持していない場合(ステップS101で、NO)、またはステップS104において、VICS蓄積提供情報の報知可と判定されなかった場合(ステップS104で、NO)は、無線通信制御部206は、予め決められた周期で引き続き、VICS蓄積提供情報を保持しているか否かを判定する(ステップS101)。
車載器200が起動すると、無線通信制御部206は、予め決められた周期(たとえば100msおき)で、DSRCアンテナ接続I/F203を介して、ITSスポット路側機500との通信有無を監視する(ステップS201)。
実施の形態1の走行道路種別判定部207は、ITSスポット路側機500と通信した場合、現在の道路種別を「高速道路」に設定し、その後は予め決められたタイミングで無線通信制御部206が実施する光ビーコン路側機600との通信有無に基づいて、現在の道路種別を「一般道路」に更新するか否かを判断するようにしている。
このため、現在、自車が走行している道路種別を適切に判定でき、現在、自車が走行している道路種別に向けたものではない情報をユーザへ誤報知してしまう可能性を抑制することができる。
実施の形態1では、走行道路種別判定部207は、ITSスポット路側機500と通信した場合、現在の道路種別を「高速道路」に設定し、その後は予め決められたタイミングで無線通信制御部206が実施する光ビーコン路側機600との通信有無に基づいて、現在の道路種別を「一般道路」に更新するか否かを判断している。
しかしながら、車両100が一般道を走行していても、車両100の走行ルートによっては、光ビーコン路側機600が設置されている路線を走行せずにIR通信しない場合が考えられる。この場合、現在の道路種別を更新できないという問題がある。
以下、実施の形態2について、図を用いて説明する。
なお、路車間通信システムの構成および車載器の構成は、実施の形態1におけるものと同一であるため、その説明を省略する。
車載器200のVICS蓄積提供情報の報知開始判定処理については、実施の形態1における図3の処理と同じ処理であるため、その説明を省略する。
車載器200が起動すると、無線通信制御部206は、予め決められた周期(たとえば100msおき)で、DSRCアンテナ接続I/F203を介して、ITSスポット路側機500との通信有無を監視する(ステップS301)。
なお、車載器200は、一般道路上で起動されるかもしれないし、サービスエリアなど、高速道路上で起動されるかもしれないので、走行道路種別判定部207が現在の道路種別を「一般道路」、もしくは「高速道路」と判定するまでは、道路種別を「未定」として認識する。
続いて、走行道路種別判定部207は、現在の道路種別を「高速道路」に設定し(ステップS303)、無線通信制御部206は、予め決められた周期で引き続き、ITSスポット路側機500との通信有無を判定する(ステップS301)。
現在の道路種別が「一般道路」でないときは(ステップS304で、YES)、ステップS305へ進む。
光ビーコン路側機600と通信した場合(ステップS305で、YES)、車両100が、高速道路を出て、一般道路を走行していると判断され、走行道路種別判定部207は、現在の道路種別を「一般道路」に設定する(ステップS306)。
そして、無線通信制御部206は、予め決められた周期で引き続き、ITSスポット路側機500との通信有無を判定する(ステップS301)。
このため、ステップS305において、光ビーコン路側機600と通信していない場合は(ステップS305で、NO)、ステップS307へ進む。
続いて、ステップS307における走行距離の算出値に基づき、前回のITSスポット路側機500との通信時から予め決められた距離(たとえば5キロメートル)走行したかどうかを判定する(ステップS308)。
そして、無線通信制御部206は、予め決められた周期で引き続き、ITSスポット路側機500との通信有無を判定する(ステップS301)。
そして、無線通信制御部206は、予め決められた周期で引き続き、ITSスポット路側機500との通信有無を判定する(ステップS301)。
走行履歴情報生成部205によって生成される走行履歴情報には、情報生成時における「時刻、位置(緯度・経度)、高度、車速、進行方向の方位」が含まれるものとする。
走行履歴情報生成部205によって生成された走行履歴情報は、予め決められたタイミングで更新され、更新時における「時刻、位置(緯度・経度)、高度、車速、進行方向の方位」を蓄積していくものとする。よって、更新されるたびに、走行履歴情報は、データ量が増える。
なお、走行履歴情報生成部205が、走行履歴情報を更新するタイミングは、自動車が予め決められた距離を走行した場合(たとえば200メートル走行した場合)、または自動車の走行方位(進行方向)が閾値以上に変化した場合とする。
したがって、現在、自車が走行している道路種別に向けたものではない情報をユーザへ誤報知してしまう可能性を抑制することができる。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
202 GNSS情報入力部、203 DSRCアンテナ接続I/F、
204 IRアンテナ接続I/F、205 走行履歴情報生成部、
206 無線通信制御部、207 走行道路種別判定部、208 HMI機器制御部、
209 HMI機器群、300 DSRCアンテナ、400 IRアンテナ、
500 ITSスポット路側機、600 光ビーコン路側機、1000 プロセッサ、
1001 記憶装置
Claims (10)
- 車両に搭載され、通信方式の異なる複数の路側機との路車間通信を行ない、上記路側機から配信される路側機情報を受信する車載器であって、
上記路側機との路車間通信を制御する通信制御部、
この通信制御部による路車間通信結果に基づいて、上記車両の現在走行中の道路の種別を判定する道路種別判定部、
上記路側機から配信された路側機情報を報知する報知部を備え、
上記通信制御部は、上記道路種別判定部により判定された道路の種別に応じて、上記報知部による上記路側機情報の報知開始を制御することを特徴とする車載器。 - 上記通信制御部は、上記路側機情報の報知を、上記道路の種別が「一般道路」でない場合にのみ行なうように制御することを特徴とする請求項1に記載の車載器。
- 上記路側機は、ITSスポット路側機を含み、
上記道路種別判定部は、上記ITSスポット路側機と路車間通信した場合に、現在の道路の種別を「高速道路」と判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載器。 - 上記車両の走行位置を認識するためのGNSS情報が入力されるGNSS情報入力部、
このGNSS情報入力部に入力された上記GNSS情報に基づき、上記車両の走行履歴情報を生成する走行履歴情報生成部を備え、
上記道路種別判定部は、上記走行履歴情報生成部により生成された走行履歴情報に基づき、前回のITSスポット路側機との路車間通信の後に、予め決められた距離を上記車両が走行した場合に、現在の道路の種別を「一般道路」と判定することを特徴とする請求項3に記載の車載器。 - 上記路側機は、光ビーコン路側機を含み、
上記道路種別判定部は、上記光ビーコン路側機と路車間通信した場合に、現在の道路の種別を「一般道路」と判定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車載器。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の車載器、
この車載器と路車間通信する、それぞれ通信方式の異なる複数の路側機を備えたことを特徴とする路車間通信システム。 - 車両に搭載された車載器の通信制御部が、路側機から配信された路側機情報を保持しているかどうかを判定する第一のステップ、
この第一のステップで、上記路側機情報が保持されている場合に、上記車載器の道路種別判定部が、上記車両の走行する道路の種別を判定する第二のステップ、
この第二のステップでの判定結果、道路の種別が「一般道路」でない場合に、上記通信制御部が、上記路側機情報の報知開始の可否を判定する第三のステップ、
この第三のステップで、上記路側機情報の報知開始が可の場合に、上記通信制御部が、上記路側機情報の報知開始を、上記車載器の報知部に要求する第四のステップ、
この第四のステップでの要求を受けて、上記報知部が上記路側機情報を報知する第五のステップを含むことを特徴とする路側機情報報知方法。 - 上記第二のステップは、上記車載器がITSスポット路側機と路車間通信した場合に、現在の道路の種別を「高速道路」と判定することを特徴とする請求項7に記載の路側機情報報知方法。
- 上記第二のステップは、上記車載器の走行履歴情報生成部が生成した走行履歴情報に基づき、前回のITSスポット路側機との路車間通信の後に、予め決められた距離を上記車両が走行した場合に、現在の道路の種別を「一般道路」と判定することを特徴とする請求項8に記載の路側機情報報知方法。
- 上記第二のステップは、上記車載器が光ビーコン路側機と路車間通信した場合に、現在の道路の種別を「一般道路」と判定することを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の路側機情報報知方法。
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