JP2020169300A - シーラントフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、製造適正に優れ、非晶性PET、ポリプロピレン、およびポリスチレンの何れに対しても、ヒートシール性と界面剥離モードとの優れたバランスを有するシーラントフィルムを提供することを課題とする。【解決手段】少なくとも、ヒートシール層を有するシーラントフィルムであって、該ヒートシール層は、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を含有し、非晶性PET、ポリプロピレン、およびポリスチレンの何れに対してもヒートシール性を有することを特徴とする、シーラントフィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、ヒートシール性に優れたシーラントフィルムに関する。
従来、各種の飲食料品、液体洗剤等の化成品ないし化粧品、医薬品、雑貨品、産業部材等の物品を充填包装するために、種々の形態からなる包装袋や容器が開発されている。
包装材料のシーラント層に含有されるヒートシール性樹脂としては、各種ポリオレフィン系樹脂を用いること、ポリエチレンとポリプロピレンとをブレンドしてなる非相溶ポリマーアロイ、ポリオレフィンとポリスチレンとをブレンドしてなる非相溶ポリマーアロイ等を用いること(特許文献1)、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン樹脂との混合物層と高密度ポエチレン樹脂層を用いること(特許文献2)が知られている。
さらに、PET、PP、PSなど様々な基材に対して良好なヒートシール性を発揮するには、被着体毎にシーラントの組成を変更する必要があった。(特許文献3、4、5、6)
上記のようなシーラント層においては、海を形成する樹脂相中に、島を形成する樹脂からなるドメインが分散した、いわゆる「海島構造」を形成している。
しかしながら、PET、PP、PSに対して、上記のようなシーラント層は、ヒートシール性と剥離強度のバランスをとることが困難であり、さらには、剥離時にシーラント層中に凝集破壊が生じて、シール剥離面に樹脂が繊維状に残存する、いわゆる「糸引き現象」を生じ易いという問題がある。また、シール強度(開封強度、剥離強度)のコントロールが難しく、シール強度が強すぎるために剥離しようとすると被着体が破壊される、あるいは、蓋材中の層間剥離が生じて例えば基材層のみが剥がれてしまう現象を生じやすいという問題もある。また、逆にシール強度が弱過ぎれば、密封性が損なわれるという問題もある。さらには、海島構造のドメインを均質に分散させることが困難であり、シール強度や密封性が部分毎に異なり、剥離感にばらつきが生じるという問題がある。
特許第3835039号公報 特公平5−64593号公報 特開2005−28679号公報 特表2017−524766号公報 特許第5188177号号公報 国際公開第2015/005279号
本発明は、上述の問題を解決し、製造適正に優れ、非晶性PET、ポリプロピレン、およびポリスチレンの何れに対しても、ヒートシール性と界面剥離モードとの優れたバランスを有するシーラントフィルムを提供することを課題とする。
本発明者らは、種々検討の結果、少なくとも、ヒートシール層を有するシーラントフィルムであって、該ヒートシール層は、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を含有するシーラントフィルムが、上記の目的を達成することを見出した。
すなわち、本発明は、以下の点を特徴とする。
1.少なくとも、ヒートシール層を有するシーラントフィルムであって、
該ヒートシール層は、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を含有し、
非晶性PET、ポリプロピレン、およびポリスチレンの何れに対してもヒートシール性を有することを特徴とする、シーラントフィルム。
2.前記エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、(メタ)アクリル酸エステル由来部の含有率が10質量%以上、30質量%以下であり、
前記エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の、前記ヒートシール層中の含有率は、65質量%以上、100質量%以下であることを特徴とする、
上記1に記載の、シーラントフィルム。
3.前記ヒートシール層が、さらに、粘着性樹脂を含有し、
前記ヒートシール層中の該粘着性樹脂の含有率は、0.1質量%以上、5質量%以下
であることを特徴とする、
上記1または2に記載の、シーラントフィルム。
4.前記粘着性樹脂が、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環式脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、ポリテルペン系樹脂、ロジン類、スチレン系樹脂、クマロン・インデン樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、
上記3に記載の、シーラントフィルム。
5.前記ヒートシール層が、さらに、充填材を含有することを特徴とする、
上記1〜4の何れかに記載の、シーラントフィルム。
6.前記充填材が、タルク、シリカ、合成ゼオライトからなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、
上記5に記載の、シーラントフィルム。
7.前記ヒートシール層の厚さが、5μm以上、30μm以下であることを特徴とする、上記1〜6の何れかに記載の、シーラントフィルム。
8.被着体と一旦ヒートシールして、その後に剥離する際に、前記被着体の表面とのヒートシール界面が剥離することを特徴とする、
上記1〜7の何れかに記載の、シーラントフィルム。
9.剛性調節層、または剛性調節層および貼り合わせ層を、さらに有するシーラントフィルムであって、
該剛性調節層は、樹脂を含有し、前記ヒートシール層よりも剛性が高い層であり、
該貼り合わせ層は、樹脂を含有し、該剛性調節層よりも剛性が低いことを特徴とする、上記1〜8の何れかに記載の、シーラントフィルム。
10.前記ヒートシール層を被接着物に対向させて一旦ヒートシールし、その後に剥離した際に、前記ヒートシール層と該被接着物との界面が剥離することを特徴とする、
上記1〜9の何れかに記載の、シーラントフィルム。
11.前記シーラントフィルムが、インフレーション法によって、製膜、または、製膜および積層されたものであることを特徴とする、
上記1〜10の何れかに記載の、シーラントフィルム。
12.前記シーラントフィルムが、溶融樹脂を(共)押出したエクストルージョン法によって、製膜、または、製膜および積層されたものであることを特徴とする、
上記1〜11の何れかに記載の、シーラントフィルム。
本発明のシーラントフィルムは、製造適正に優れ、非晶性PET、ポリプロピレン、およびポリスチレンの何れに対しても、ヒートシール性と界面剥離モードとの優れたバランスを示すことができる。
したがって、本発明のシーラントフィルムは、非晶性PET、ポリプロピレン、およびポリスチレンの何れかを含有する被着体にヒートシールされる、様々な包装材料のシーラント層用のシーラントフィルムとして好適である。
本発明のシーラントフィルムの層構成について、その一例を示す概略的断面図である。 本発明のシーラントフィルムの層構成について、その別態様の一例を示す概略的断面図である。 本発明のシーラントフィルムの層構成について、その更に別態様の一例を示す概略的断面図である。
各図においては、解り易くする為に、部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見易さの為に説明上不要な部分や繰り返しとなる符号は省略することがある。
本発明のシーラントフィルムについて、以下に更に詳しく説明する。具体例を示しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<シーラントフィルム>
本発明のシーラントフィルムは、少なくともヒートシール層を有するシーラントフィルムであって、ヒートシール層は、該シーラントフィルム少なくとも片側の表面層であり、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を含有し、非晶性PET、ポリプロピレン、およびポリスチレンの何れに対しても、優れたヒートシール性を示す。
本発明のシーラントフィルムは、比較的低温でヒートシールすることが可能であり、140℃以上、180℃以下でヒートシールできる。
そして、本発明のシーラントフィルムは、必要に応じて、さらに、剛性調節層、または剛性調節層および貼り合わせ層を有することができる。
一般的に、ヒートシールされたシーラントフィルムを被着体表面から剥離した際の剥離モードは、剥離した部分の違いによって、層間剥離、凝集破壊剥離、界面剥離に大別される。
層間剥離は、シーラントフィルムが複数層で構成されている場合に、それらの層の界面で剥離するモードであり、凝集破壊剥離は、シーラントフィルムのシーラン層の内部で凝集破壊が生じて剥離するモードであり、界面剥離は、シーラントフィルムのヒートシール層と、ヒートシール対象物表面との界面で剥離するモードである。
ヒートシール後の剥離の際に、一般的なシーラントフィルムは上記の凝集破壊剥離のモードを示すものであるが、本発明のシーラントフィルムは、非晶性PET、ポリプロピレン、およびポリスチレンの何れを含む被着体に対しても適度な剥離強度(開封強度、ヒートシール強度)を示し、且つ、上記の界面剥離のモードで剥離することができ、被着体の表面にヒートシール層の残渣を残さずに剥離することができる。
そして、本発明のシーラントフィルムは、上記以外の被着体に対しても適度な剥離強度を示し、且つ、上記の界面剥離のモードで剥離することができ、被着体の表面にヒートシール層の残渣を残さずに剥離することができる。
ここで、剥離強度は、2N/15mm以上が好ましい。該範囲よりも小さいとヒートシール不良を発生し易い。また、一旦ヒートシールしたものを剥離する用途の場合には、剥離強度は、10N/15mm以下が好ましい。該範囲よりも大きいと層間剥離や凝集破壊を生じ易い。
[被着体]
本発明において被着体とは、シーラントフィルムがヒートシールされる対象物のことである。
本発明においては、被着体として、通常ではヒートシール困難な非晶性PET、ポリプロピレン、およびポリスチレンの何れかを含有する被着体が含まれる。
[ヒートシール層]
本発明のシーラントフィルムのヒートシール層は、少なくとも、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を含有する。
ヒートシール層中のエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の含有率は、65質量%以上、100質量%以下が好ましい。該含有率が上記範囲よりも少ないと、剥離強度が低くなり過ぎる傾向になり易くなる。
ヒートシール層は、粘着性樹脂を、さらに含有することが好ましい。
ヒートシール層中の粘着性樹脂の含有率は、0.1質量%以上、5質量%以下が好ましい。該含有率が上記範囲よりも少ないと、粘着性樹脂の添加効果が発揮され難くなり易く、剥離(開封)時に糸引きが発生し易くなり、ヒートシール強度が高くなり過ぎる傾向になり、上記範囲よりも多いと、シーラントフィルムの加工性や耐油性が劣り易くなり、剥離(開封)時にヒートシール層中での凝集破壊を生じ易くなる。
ヒートシール層は、必要に応じて、さらに、充填材や、アンチブロッキング剤やスリップ剤を含有することができる。
そして、またさらには、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、補強剤、帯電防止剤、顔料等のプラスチック配合剤や添加剤等を含有することもできる。その添加量としては、他の性能に悪影響を与えない範囲で目的に応じて、任意に添加することができる。
ヒートシール層の厚さは、5μm以上、30μm以下が好ましい。上記範囲よりも薄いと充分なヒートシール強度を得ることが困難になり易くなり、上記範囲よりも厚いと開封剥離時にヒートシール層中での凝集破壊を生じ易くなる。
(エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体)
エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体とは、エチレンモノマーと(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含む原料系から共重合によって生成したポリマーであって、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。さらには、他の原料モノマーを含んだ共重合体であってもよい。
エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、(メタ)アクリル酸エステル由来部の含有率が10質量%以上、30質量%以下であることが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル由来部の含有率が、上記範囲よりも少ないと、エチレンの結晶化が増加して融点が高くなることによってことによって低温シール性と剥離強度が悪化し易く、上記範囲よりも多いと、剥離強度が高過ぎる傾向になり易い。
(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート等が挙げられ、メチルアクリレートが入手し易さの点で、好ましく用いられる。
(粘着性樹脂)
粘着性樹脂は、ヒートシール層のヒートシール性を向上して、剥離強度と剥離モードとのバランスを向上する作用を有する樹脂である。
前記粘着性樹脂には、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環式脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、ポリテルペン系樹脂、ロジン類、スチレン系樹脂、クマロン・インデン樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上であることが好ましく、脂環式脂肪族系炭化水素樹脂またはポリテルペン系樹脂がより好ましい。
脂肪族系炭化水素樹脂の具体例としては、1−ブテン、イソブテン、ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレンなど炭素数4〜5のモノ又はジオレフィンの1種または2種以上を含むモノマーからの(共)重合体等が挙げられる。
脂環式脂肪族系炭化水素樹脂の具体例としては、炭素数4〜5のジエンモノマーを環化二量化後に重合させて得られる樹脂、シクロペンタジエンなどの環状モノマーを重合させて得られる樹脂、芳香族系炭化水素樹脂の水添樹脂等が挙げられる。
芳香族系炭化水素樹脂の具体例としては、ビニルトルエン、インデン、α−メチルスチレンなどの炭素数8〜10の重合性C=C結合官能基を有する芳香族炭化水素の1種または2種以上を含むモノマー、または、さらに炭素数4〜5のモノ又はジオレフィンの1種または2種以上のモノマーを加えたモノマーからの(共)重合体等が挙げられる。
ポリテルペン系樹脂の具体例としては、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体、テルペン・フェノール共重合体、α−ピネン・フェノール共重合体、これらの水素添加物等が挙げられる。
ロジン類の具体例としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油などのロジン、及びそれらを水素添加、不均化、二量化、エステル化などによって変性した樹脂等が挙げられる。
スチレン系炭化水素樹脂としては、純度の高いスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロピルトルエンなどのスチレン系モノマーの1種または2種以上の(共)重合体が挙げられる。
(充填材)
充填材には、無機充填材および/または有機充填材からなる充填材を用いることができる。
充填材をヒートシール層に添加することによって、ヒートシール層の剛性、ヒートシール性、剥離強度と剥離モードとのバランス等を調節することができる。
充填材の具体例としては、タルク、シリカ、合成ゼオライト等が挙げられ、これらからなる群から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
ヒートシール層中の充填材の含有率は、0.1質量%以上、10質量%以下であることが好ましい。上記範囲よりも少ないと、充填材を添加した効果が発揮され難く、上記範囲よりも多いと、ヒートシール性が低下し易い。
(添加剤)
(アンチブロッキング剤)
アンチブロッキング剤やスリップ剤をヒートシール層に添加することによって、フィルム成膜時、ラミネート加工時、包装作業時等における加工性や作業性の向上することができ、作製後の保管時においても、シーラントフィルム同士のブロッキングを防止することができる。
無機化合物のアンチブロッキング剤としてはシリカ、タルク、合成ゼオライトなどがある。有機化合物のアンチブロッキング剤やスリップ剤として、例えばステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、パルミチン酸アミド、ヘベニン酸アミド、オレイルパルミドアミド、ステアリルパルミドアミド、メチレンビスステアリルアミド、ミチレンビスオレイルアミド、エチレンビスオレイルアミド、エチレンビスエルカ酸アミドなどの各種アミド類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール、水添ひまし油などを例示することができる。
(剛性調節層)
剛性調節層は、シーラントフィルム全体の剛性を補強する層である。
剛性調節層は、樹脂からなる層であり、ポリエチレン系樹脂を含有することが好ましい。ポリエチレン系樹脂としては、HDPE、MDPE、LDPE、LLDPEが挙げられるが、これらの中でも、剛性が高いHDPEおよび/またはMDPEを含有することがより好ましい。
剛性調節層は、1層で構成されていてもよく、素材が同一または異なる2層以上で構成されていてもよい。
剛性調節層の厚さは、5μm以上、30μm以下が好ましい。上記範囲よりも薄いと剛性補強効果を発揮し難くなり、上記範囲よりも厚いと、シーラントフィルムの剛性が高くなり過ぎて、巻取り等が困難になり易く、シーラントフィルムのカーリングが発生し易くなる。
(貼り合わせ層)
貼り合わせ層は、剛性調節層によって剛性が補強された際に、必要に応じて、カーリングを緩和してラミネートし易くする為に設けられる層である。
貼り合わせ層は、樹脂からなる層であり、ポリエチレン系樹脂を含有することが好ましい。ポリエチレン系樹脂としては、HDPE、MDPE、LDPE、LLDPEが挙げられるが、これらの中でも、剛性が低いLDPEおよび/またはLLDPEを含有することがより好ましい。
貼り合わせ層は、1層で構成されていてもよく、素材が同一または異なる2層以上で構成されていてもよい。
貼り合わせ層の厚さは、5μm以上、30μm以下が好ましい。上記範囲よりも薄いと剛性補強効果を発揮し難くなり、上記範囲よりも厚いと、易静音剥離性積層体やシーラントフィルムの剛性が高くなり過ぎて、巻取り等が困難になり易い。
<シーラントフィルムの作製方法>
本発明のシーラントフィルムの製造方法は、特に限定されず、従来から公知の、シーラントフィルムの製造方法を適用することができる。
シーラントフィルムを構成するヒートシール層、剛性調節層、貼り合わせ層等の各層を形成する為の樹脂組成物を溶融し、これをインフレーション成形、または溶融(共)押出によるT−ダイ等を用いたエクストルージョン法によって製膜および積層してシーラントフィルムを作製することができる。
あるいは、各層を構成するフィルムをそれぞれ作成しておき、接着層を介して積層してシーラントフィルムを作製することもできる。
また、形成済みの他層の上に、別の層をエクストルージョンコーティングすることにより積層してシーラントフィルムを作製することもできる。
インフレーション法によって作製する場合には、各層を形成する樹脂組成物のMFRは、0.5〜15g/10分であることが好ましい。
(共)押出法によって作製する場合には、各層を形成する樹脂組成物のMFRは、0.5〜30g/10分であることが好ましい。
上記において、形成済みのフィルムを用いる場合には、必要に応じて、該フィルム表面における界面接着強度を強固にするために、該フィルムの接着表面に、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、グロー放電処理、サンドブラスト処理等のなどの物理的な表面処理や、化学薬品を用いた酸化処理などの化学的な表面処理を予め施しておくこともできる。
実施例で用いた主な原材料は下記の通りである。
(ヒートシール層用)
・エチレン−メチルアクリレート共重合体1:アルケマ(株)社製、BESTPEEL2407。メチルアクリレート由来部の含有率約24質量%、粘着性樹脂含有率3質量%、密度0.94kg/m3、MFR2g/10分、曲げ弾性率12MPa。
・エチレン−メチルアクリレート共重合体2:アルケマ(株)社製、BESTPEEL2012。メチルアクリレート由来部の含有率約20質量%、粘着性樹脂含有率3質量%、密度0.94kg/m3、MFR11g/10分、曲げ弾性率8.7MPa。

・エチレン−酢酸ビニル共重合体1:三井・デュポン(株)社製、VN503。密度0.94kg/m3、MFR32g/10分、曲げ弾性率54MPa。
・シーラントフィルム3:タマポリ(株)社製易静音開封性フィルム、TE320。
・シーラントフィルム4:三井化学東セロ(株)社製、ポリオレフィン系易静音開封性フィルム、(剛性調節層および貼り合わせ層用)
・LDPE1:宇部丸善ポリエチレン(株)社製低密度ポリエチレン、F222。MFR2.0。
・HDPE1:(株)プライムポリマー社製HDPE、ハイゼックス3300F。密度950kg/m3、MFR1.1g/10分。曲げ弾性率780MPa。
(試験片積層体用)
・PETフィルム1:二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、E5100。厚さ12μm。片面コロナ処理。
・接着剤1:ロックペイント(株)社製2液硬化型ウレタン接着剤、RU−77T/H−7。
[実施例1]
貼り合わせ層としてLDPE1と剛性調節層用の樹脂としてHDPE1を、ヒートシール層用の樹脂としてエチレン−メチルアクリレート共重合体1を用いて、インフレーション法により、下記層構成のシーラントフィルム1を作製して、各種評価を行った。
貼り合わせ層(15μm)/剛性調節層(20μm)/ヒートシール層(15μm)
[実施例2]
エチレン−メチルアクリレート共重合体2を用いて、エクストルージョン法により、ロール上にTダイを用いてカーテン状に溶融して押出してロールで挟み、15μm厚のシーラントフィルム2を作製して、実施例1と同様に各種評価を行った。
〔比較例1〕
シーラントフィルム3を用いて、実施例1と同様に各種評価を行った。
〔比較例2〕
シーラントフィルム4を用いて、実施例1と同様に各種評価を行った。
〔比較例3〕
エチレン−酢酸ビニル共重合体1を用いて、インフレーション法により、15μm厚のシーラントフィルム5を作製して、実施例1と同様に各種評価を行った。
<結果まとめ>
表2〜4に示したように、実施例1のシーラントフィルムは、非晶性PET、ポリプロピレン、およびポリスチレンの何れに対しても良好なヒートシール性、剥離強度、界面剥離のバランスを示したが、比較例のシーラントフィルムは、ヒートシール性、剥離強度、剥離モードの何れかが劣った結果を示した。
<評価方法>
シーラントフィルムの片面(実施例1は貼り合わせ層側面、他は任意の片側面)表面をコロナ処理し、接着剤1(最終的に3μm厚になるように塗布、乾燥)を介して、PETフィルム1をドライラミネーションにより積層して、試験片積層体を得た。
[剥離強度]
試験片積層体のシーラント層と、下記の各種樹脂シートとを重ね合わせ、幅5mmのシールバーを用いて、1秒間加熱圧着してヒートシールし、放冷し、15mm幅の試験片を切り取った。
そして、300mm/分の速度でヒートシール部分を剥離して、その強度を剥離強度(N/15 mm)とし、2N/15mm以上、10N/15mm以下を合格とした。
樹脂シート:
A−PET(非晶性ポリエチレンテレフタレート)シート、
PP(ポリプロピレン)シート、
PS(ポリスチレン)シート
加熱圧着条件
圧着温度:140℃、150℃、160℃、170℃、180℃
圧着圧力:1kg/cm2
[ヒートシール性]
上記の剥離強度が2N/15mm未満の場合に、ヒートシール性が無いと判断した。
[ジッピング音]
剥離強度測定用の試験片を手で剥離させ、ジッピング音の有無を耳で聞いて判断した。
[剥離モード]
剥離強度とジッピング音の評価後の試験片の剥離界面を観察して、剥離モードを確認した。
表中の表記の意味は下記の通り。
A:シーラント層/各種樹脂シート間の界面剥離
B:シーラント層内の凝集破壊剥離
C:その他剥離
−:ヒートシール性不良のため、評価せず。
Figure 2020169300
Figure 2020169300
Figure 2020169300
Figure 2020169300
1 シーラントフィルム
2 ヒートシール層
3 剛性調節層
4 貼り合わせ層

Claims (12)

  1. 少なくとも、ヒートシール層を有するシーラントフィルムであって、
    該ヒートシール層は、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を含有し、
    非晶性PET、ポリプロピレン、およびポリスチレンの何れに対してもヒートシール性を有することを特徴とする、シーラントフィルム。
  2. 前記エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、(メタ)アクリル酸エステル由来部の含有率が10質量%以上、30質量%以下であり、
    前記エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の、前記ヒートシール層中の含有率は、65質量%以上、100質量%以下であることを特徴とする、
    請求項1に記載の、シーラントフィルム。
  3. 前記ヒートシール層が、さらに、粘着性樹脂を含有し、
    前記ヒートシール層中の該粘着性樹脂の含有率は、0.1質量%以上、5質量%以下
    であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の、シーラントフィルム。
  4. 前記粘着性樹脂が、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環式脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、ポリテルペン系樹脂、ロジン類、スチレン系樹脂、クマロン・インデン樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、
    請求項3に記載の、シーラントフィルム。
  5. 前記ヒートシール層が、さらに、充填材を含有することを特徴とする、
    請求項1〜4の何れか1項に記載の、シーラントフィルム。
  6. 前記充填材が、タルク、シリカ、合成ゼオライトからなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、
    請求項5に記載の、シーラントフィルム。
  7. 前記ヒートシール層の厚さが、5μm以上、30μm以下であることを特徴とする、
    請求項1〜6の何れか1項に記載の、シーラントフィルム。
  8. 被着体と一旦ヒートシールして、その後に剥離する際に、前記被着体の表面とのヒートシール界面が剥離することを特徴とする、
    請求項1〜7の何れか1項に記載の、シーラントフィルム。
  9. 剛性調節層、または剛性調節層および貼り合わせ層を、さらに有するシーラントフィルムであって、
    該剛性調節層は、樹脂を含有し、前記ヒートシール層よりも剛性が高い層であり、
    該貼り合わせ層は、樹脂を含有し、該剛性調節層よりも剛性が低いことを特徴とする、請求項1〜8の何れか1項に記載の、シーラントフィルム。
  10. 前記ヒートシール層を被接着物に対向させて一旦ヒートシールし、その後に剥離した際に、前記ヒートシール層と該被接着物との界面が剥離することを特徴とする、
    請求項1〜9の何れか1項に記載の、シーラントフィルム。
  11. 前記シーラントフィルムが、インフレーション法によって、製膜、または、製膜および積層されたものであることを特徴とする、
    請求項1〜10の何れか1項に記載の、シーラントフィルム。
  12. 前記シーラントフィルムが、溶融樹脂を(共)押出したエクストルージョン法によって、製膜、または、製膜および積層されたものであることを特徴とする、
    請求項1〜11の何れか1項に記載の、シーラントフィルム。
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