JP2020167829A - インバータ装置および車両制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両発進等のモータ回転の開始時に、一部の相のスイッチング素子に電流が偏ってそのスイッチング素子が損傷することが防止でき、またその防止の制御によってトルクが不足することが改善できるインバータ装置および車両制御装置を提供する。【解決手段】直流電流をモータ10の形式に応じた交流電流に、各相の半導体スイッチング素子3の開閉によって変換するインバータ1と、制御部9とを備える。制御部9は、モータ10を始動させた直後など、モータ10の回転数が閾値よりも低い場合に、電流制限をかける。また、制御部9は、スイッチング素子3の使用状況を示す定められた事項が設定条件を満たす場合は、前記電流制限を緩和する。前記使用状況を示す定められた事項は、例えば、スイッチング素子3またはその冷却用の冷却水の測定温度であり、この他に経過時間を用いてもよい。【選択図】図2

Description

この発明は、モータを制御するインバータ装置、およびこれを搭載した車両制御装置に関する。
図1は、一般的なインホイールシステムの電気自動車の概念構成を示す。詳細は、発明を実施するための形態の欄で説明する。運転者よる、アクセルの操作角度をVCU(vehicle-control-unit)14が読み取り、それをトルク指令に換算して、インバータ装置1Aに指令する。インバータ装置1Aは、バッテリ2からの電力を、トルク指令に基づいた三相交流に変換してそれぞれのモータ10を制御する。この場合、2つのインバータ装置を使用することも可能であるが、この例のインバータ装置1Aは2軸一体型であり、2つのモータ10を駆動できる。この例は後輪駆動であるが、前輪駆動、4 輪駆動も同様の構成で実現できる。
図7は、1軸分のインバータ装置1Aの基本構成である。図1の例では、この基本構造を2組使用する。
このインバータ装置1Aは、強電回路となるインバータ1と、このインバータ1を制御する制御部9を備え、車体に搭載される。インバータ1はバッテリ2より電力が供給され、内部では、電力を平滑コンデンサ5で安定化し、制御部9内の演算回路部8で計算されたトルクに対応した電流を流すために、ゲート駆動回路7が半導体からなるスイッチング素子(例えばIGBT)3を適切に駆動する。
モータ駆動電流は、電流センサ4で計測され、電流監視回路6で適正な電流になっているか判断し、演算回路部8で制御される。演算回路部8は、計算された電流指令値より、計測された電流が小さければ、さらに指令電流を大きくし、計算された電流指令値より、計測された電流が大きければ、さらに指令電流を小さくすることによってモータ電流を制御する。
一般に3相交流の電流Iu、Iv、Iwは、たとえば、
Iu=Acos(θ)
Iv=Acos(θ+120°)
Iw=Acos(θ−120°)
と示すことができる。Aは電流の実効値、θは位相角である。
特開2010−233383号公報
図8は、実効値A=100(Arms)時の3相交流の電流波形である。たとえば、4極対のモータを駆動する場合、電気角360°つまり、位相角0〜360°でモータは1/4回転する。つまり、電気角360°の時間が、モータ1/4回転する時間に相当する。さらにホイールは、減速機の減速比を掛けた量だけ回転する。
ここでモータ回転中に、図7において、たとえばIuを100(Arms)流す場合、位相角0〜180°では6個のスイッチング素子3のうち、スイッチング素子3-up が受け持ち、位相角180〜360°ではスイッチング素子3-vnが受け持つ。したがって、たとえば、スイッチング素子3のひとつは、実効値の1/2、つまり50(Arms)流れていると考えて損失を計算することができる。他のすべてのスイッチング素子は350(Arms)流れているとしてよい。
ここで、車両の発進時、つまりモータ10の停止中からの始動時のことを考えてみる。たとえば、その時点で位相角が90°の場合、モータ回転数が0であるため、U相には、√2×100(A)つまり141(A)の電流が流れ、スイッチング素子3-up のみ、141(A)の電流が集中する。なお、V,W相は、スイッチング素子3-vn 、スイッチング素子3-wn にそれぞれ半分ずつ、√2×100/2(A)、つまり70.5(A)の電流が流れ、他の3のスイッチング素子3には流れない。これが、スイッチング素子3-up の負荷の最悪条件である。それぞれのスイッチング素子3は、特定の位相角で、前記と同様の最悪条件となる。
スイッチング素子3の損失は、低回転では、主にスイッチング損失と導通損失に分かれるが、スイッチング速度が一定であれば、ほぼ電流に比例する。スイッチング素子3の温度上昇は、損失と冷却性能によって決まるため、損失が大きいほど温度上昇が大きくなる。スイッチング素子3のジャンクション温度は通常150°C前後で限界となるため、常にその温度以下になるようにコントロールする必要がある。ジャンクション温度の最大値をTjmaxとする。通常スイッチング素子3の近くに温度センサを配置して、ジャンクション温度を推定し、Tjmax超えないようにコントロールしているが、スイッチング素子3と温度センサの間の熱抵抗等で温度差があり、それだけで正確にジャンクション温度を推定できないため、温度センサだけでスイッチング素子3を十分には保護できない。
ここで、単純計算で冷却性能が一定と考えると、上記最悪条件では、損失が2.82倍となるため、始動時は、通常走行の1/2.82、つまり35%しか電流を流すことができない。モータ10のトルクは、低回転では、ほぼ電流に比例する。したがって、トルクも35%に制限されてしまう。
このような状況を車両に適用した場合、たとえば、坂道を通過する場合は十分なトルクがあり通過できるが、同じ角度の坂道で発進する場合、上記最悪条件を考慮して、トルクを35%に制限した結果、発進不能となる場合が考えられる。あるいは、上記最悪条件を考慮して、大電流を流すことのできるスイッチング素子3を選択した場合、通常走行ではオーバースペックとなり、コストが上昇してしまうデメリットがある。
したがって、必要以上の出力のスイッチング素子3を選択せずに、登坂性能を確保できる運用方法を確立する必要がある。
特許文献1に記載の技術では、集中した電流の位相をずらして8%の改善を得ている。しかし、もう少し大きな改善を行いたい。
この発明は、上記課題を解消するものであり、その目的は、車両発進等のモータ回転の開始時に、一部の相のスイッチング素子に電流が偏ってそのスイッチング素子が損傷することが防止でき、またその防止の制御によってトルクが不足することが改善できるインバータ装置および車両制御装置を提供することである。
この発明のインバータ装置1Aは、直流電流を駆動対象のモータ10の形式に応じた交流電流に、各相の半導体からなるスイッチング素子3の開閉によって変換するインバータ1と、このインバータ1を制御する制御部9とを備える。
前記制御部9は、前記モータ10を始動させた直後など、前記モータ10の回転数が閾値よりも低い場合に、電流制限をかけ、前記スイッチング素子3の使用状況を示す定められた事項が設定条件を満たす場合は、前記電流制限を緩和する。
この構成によると、モータ10を始動させた直後などに、制御部9は、モータ10の回転数が閾値よりも低い場合に電流制限をかける。このため、始動時に極低速の回転のためにインバータ1の一部のスイッチング素子3に電流が偏っても、そのスイッチング素子3が過電流によって損傷することが防止される。電流制限を強く行うと、スイッチング素子3が損傷し難くはなるが、モータ10のトルク不足が生じる。また、スイッチング素子3は、その始動時までの使用の状況や、周辺温度、始動開始後の使用の状況等によっては、制限された電流に対して余裕が生じることがある。そこで、制御部9には、電流制限を緩和するための、スイッチング素子3の使用状況を示す事項と、設定条件を定めておき、設定条件を満たす場合は、前記電流制限を緩和する。これにより、スイッチング素子3が無駄に電流制限されることを防止し、トルク不足を改善することができる。
このように、始動直後のモータ10の回転数が低い場合に、基本的には電流制限を行い、条件充足時のみ制限を緩和するため、一部の相のスイッチング素子3に電流が偏ってそのスイッチング素子3が損傷することが防止でき、またその防止の制御によってトルクが不足することが改善できる。
この発明において、前記スイッチング素子3の使用状況を示す定められた事項として、前記スイッチング素子3の直接または間接的に測定される温度に係る事項を含んでいてもよい。
過電流によるスイッチング素子3の損傷は、この素子3の発熱によりある程度温度上昇した場合に生じる。このため、電流制限を緩和する判断のための、スイッチング素子3の使用状況を示す事項としてスイッチング素子3の温度を用いることで、電流制限の緩和が適切に行える。また、温度であると、その測定が容易に行える。
前記定められた事項をスイッチング素子3の温度とする場合に、前記インバータ1を冷却する冷却水の温度が設定温度よりも低い場合は前記電流制限を緩和するようにしてもよい。
スイッチング素子3はパッケージ内に組み込まれていて、その温度を直接に測定することは困難であるが、インバータ1の冷却水の温度は容易に測定できる。冷却水の温度はスイッチング素子3の温度を精度良く示すものではないが、スイッチング素子3の温度との相関関係が強く、またスイッチング素子3を冷却する能力を示す指標ともなる。このため、冷却水の温度が低い場合は電流制限を緩和することで、簡単に電流制限の緩和の制御が行える。
前記定められた事項をスイッチング素子3の温度とする場合に、前記スイッチング素子3の温度を測定する温度センサの測定温度が設定温度よりも低い場合は前記電流制限を緩和するようにしてもよい。
インバータ1の構成によっては、スイッチング素子3の温度を測定する温度センサを設けることができる。この温度センサは、例えば個々のスイッチング素子3のカバー等に温度の関知部が設けられていてもよい。個々のスイッチング素子3の温度を温度センサで測定できる場合は、この温度センサの測定温度を用いることで、より一層精度良く、電流制限の緩和の制御が行える。
この発明のインバータ装置において、前記スイッチング素子3の使用状況を示す定められた事項として、通電開始からの、または電流値が設定値を超えてからの経過時間を含むようにしてもよい。
一般的に、スイッチング素子3やその他の電気素子は、瞬間的な電流など、短時間の電流であれば、ある程度大きな電流を流すことができる。また、時間の計測は容易に行える。そのため、経過時間を制限緩和の条件とすることで、電流制限の適切な緩和を簡単に行うことができる。
この発明のインバータ装置において、前記スイッチング素子3の使用状況を示す定められた事項が設定条件を満たす場合として、前記インバータ1を冷却する冷却水の温度が設定温度よりも低い場合、前記スイッチング素子3の温度を測定する温度センサの測定温度が設定温度よりも低い場合、および経過時間に係る設定事項を満たす場合のうちの複数の場合を含むようにしてもよい。
スイッチング素子3の損傷に影響する複数の事項を判断することで、確実な損傷を防止を図りながら、より多くの場合に電流制限が緩和されるようにしてトルク不足の改善効果を高めることができる。また、トルク不足の改善の程度を同じとすれば、より一層確実な損傷防止が図れる。
この発明の車両制御装置は、この発明の前記いずれかの構成のインバータ装置1Aを搭載し、前記モータ10が車両の走行駆動用のモータ10であってもよい。
車両の走行駆動用のモータ10の制御を行うインバータ装置1Aにこの発明を適用することで、この発明における、一部の相のスイッチング素子3に電流が偏ってそのスイッチング素子3が損傷することが防止でき、またその防止の制御によってトルクが不足することが改善できると言う効果が、効果的に発揮される。
この発明のインバータ装置は、直流電流を駆動対象のモータの形式に応じた交流電流に、各相の半導体からなるスイッチング素子の開閉によって変換するインバータと、このインバータを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記モータを始動させた直後など、前記モータの回転数が閾値よりも低い場合に、電流制限をかけ、前記スイッチング素子の使用状況を示す定められた事項が設定条件を満たす場合は、前記電流制限を緩和するため、モータ回転の開始時に、一部の相のスイッチング素子に電流が偏ってそのスイッチング素子が損傷することが防止でき、またその防止の制御によってトルクが不足することが改善できる。
この発明の車両制御装置は、この発明のインバータ装置を搭載し、前記モータが車両の走行駆動用のモータであるため、この発明における、一部の相のスイッチング素子に電流が偏ってそのスイッチング素子が損傷することが防止でき、またその防止の制御によってトルクが不足することが改善できると言う効果が、効果的に発揮され、急な坂道や段差等での発進性が向上する。
インホイールシステムを搭載した電気自動車の一例の概念図である。 この発明の一実施形態に係るインバータ装置の概念構成を示す説明図である。 水冷のスイッチング素子モジュールの原理図である。 回転数による電流制限の一例を示すグラフである。 時間の経過による電流制限の一例を示すグラフである。 スイッチング素子モジュールの一例の斜視図である。 従来のインバータ装置の概念構成を示すブロック図である。 3相交流の電流波形のグラフである。
<車両の基本構成>
この発明の実施形態を図1ないし図6共に説明する。
図1は、インホイールシステムを搭載した電気自動車の一例の概念図である。この電気自動車におけるインバータ装置1Aに、この実施形態に係るインバータ装置が適用されている。この電気自動車は、後輪となる左右の車輪22がそれぞれモータ10により個別に駆動される駆動輪とされ、前輪となる車輪21が操舵装置23によって操舵される従動輪となる後輪二輪駆動車である。モータ10は、インホイールモータ装置を構成するモータである。モータ10は、車体20上に設置されたモータであってもよい。各モータ10は交流モータであり、三相の同期モータが用いられている。操舵装置23は、ステアリングホイール等の操舵操作手段24によって操作される。各車輪21,22にブレーキ25が設けられ、ブレーキペダルからなるブレーキ装置手段16の踏み込み操作等に従って制動を行う。
制御系は、車両の全体の統合制御,協調制御を行うVCU14と、このVCU14の出力する指令に従ってモータ10を制御するインバータ装置1Aとを有する。VCU14は、マイクロコンピュータ、および電子回路等により構成される。VCU14は、運転者よるアクセル操作手段15の操作角度等のアクセル入力およびブレーキ操作手段16の操作角度等のブレーキ入力を読み取り、それをトルク指令に換算して、インバータ装置1Aに指令する。インバータ装置1Aは、バッテリ2からの電力を、トルク指令に基づいた三相交流に変換してそれぞれのモータ10を制御する。この場合、2つのインバータ装置を使用することも可能であるが、同図の例のインバータ装置1Aは2軸一体型であり、2つのモータ10を駆動できる。この例は後輪駆動であるが、全輪駆動車や4輪駆動車にも、この実施形態のインバータ装置および車両制御装置が同様に適用できる。
<インバータ装置の基本構成>
図2は、1軸分のインバータ装置1Aの基本構造である。図1に示したインバータ装置1Aは、この基本構造を2組備えている。
図2において、インバータ装置1Aは、インバータ1と、このインバータ1を制御する制御部9とを有する。
インバータ1は、各相U,V,W毎の上下のスイッチング素子3(Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wn)で構成されるブリッジ回路であり、バッテリ2の直流電流を前記スイッチング素子3の開閉により疑似的な正弦波状の3相の交流電流に変換する。なお、個々のスイッチング素子3を区別する場合は、参照符号として、「3」の後に前記Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wnの符号を付して「3-up 」のように示す。スイッチング素子3には、IGBTやMOS−FET等の半導体スイッチング素子が用いられる。また、バッテリ2と並列に平滑用のコンデンサ5が接続されている。インバータ1の各相の出力端はモータ10の各相の入力端に接続される。
<制御部の基本>
制御部9は、演算回路部8、ゲート駆動回路7、および電流監視回路6を有する。演算回路部8は、その基本制御部31により、上位のVCU14(図1)から与えられたトルク指令に対応する電流を流すように、ゲート駆動回路7に指令を与え、ゲート駆動回路7がスイッチング素子3を開閉させる。インバータ1から出力されてモータ10を流れるモータ駆動電流は、電流センサ4で計測され、電流監視回路6で適正な電流になっているか判断し、演算回路部8で制御される。演算回路部8の基本制御部31は、計算された電流指令値より、計測された電流が小さければ、さらに指令電流を大きくし、計算された電流指令値より、計測された電流が大きければ、さらに指令電流を小さくする電流フィフードドバック制御によってモータ電流を制御する。
<電流制限部>
このような基本構成のインバータ装置1において、その制御部9の演算回路部8に、電流制限部32が設けられている。電流制限部32は、モータ10を始動させた直後など、モータ10の回転数が閾値よりも低い場合に、電流制限をかけ、スイッチング素子3の使用状況を示す定められた事項が設定条件を満たす場合は、前記電流制限を緩和する。電流制限の条件は制限条件設定部33に設定され、緩和の条件は緩和条件設定部34に設定されている。緩和の条件は、前記スイッチング素子3の使用状況を示す定められた事項と、その事項に関する前記設定条件である。
前記スイッチング素子3の使用状況を示す定められた事項として、前記スイッチング素子3の直接または間接的に測定される温度に係る事項を含む。この温度に関する事項は、具体的には、例えばインバータ1を冷却する冷却水の温度であり、設定温度よりも低い場合は電流制限を緩和する。
前記温度に関する事項は、スイッチング素子の温度を測定する温度センサの測定温度であってもよく、この測定温度が素子用の設定温度よりも低い場合は前記電流制限を緩和する。
<冷却水温度による制限緩和>
図3は、水冷したスイッチング素子3の簡単な原理図である。スイッチング素子3は、金属材等からなる放熱器11に設置されている。放熱器11には裏面を覆う冷却水ジャケット13が設けられていて、この冷却水ジャケット13内の冷却水12に放熱器11の放熱フィン11aが浸漬されている。スイッチング素子3で損失となった熱は、放熱器11に熱伝導し、冷却水12で冷却される。冷却水12は、図示しない循環手段で循環経路内を循環させられ、循環経路中にラジエータ(図示せず)で冷却される。
各スイッチング素子3は、個別に、または複数のスイッチング素子3を纏めて、放熱器11と共にパッケージ(図示せず)内に収められ、スイッチング素子モジュール3Aとされる。前記冷却水ジャケット13は、前記パッケージの外皮の一部であってもよい。
スイッチング素子3の損失と温度の関係を説明する。スイッチング素子3の温度をTd(°C)、冷却水12の温度をTw(℃)とすると、その温度差ΔT(℃) は、ΔT=Td−Twである。
ここで、正確には、パッキング付きスイッチング素子3A内のスイッチング素子3からパッケージまでの熱抵抗、パッケージと放熱盤11との間の熱抵抗、放熱器11と冷却水12との間の熱抵抗、冷却水12の温度分布や流速、放熱器11内の熱伝導など考慮すべき点は多くあるが、説明の簡単のためや計算の簡単のために、スイッチング素子3で損失となった熱は全て冷却水12で冷却されるとし、一つのスイッチング素子3から冷却水12の熱抵抗をまとめてθs( ℃/w)とする。
スイッチング素子3の損失は、主にスイッチング損失と導通損失に分かれるが、スイッチング速度が一定であれば、低回転では、ほぼ電流に比例する。なお、実際には、スイッチング素子3には、図示していない逆向きのダイオード(FRD:Fast Recovery Diode) が入っており、その損失も考慮すべきであるが、今回は説明の簡易、および計算の簡易のために、この影響は考慮しないことにする。
U相電流により、スイッチング素子3-up の損失が、実効値で計算した損失を超えるタイミングは、前述の記述と図8より、実効値の1/2を超える、位相角が20°〜160°の120°の間であり、全周期の1/3となる。
モータ10の回転が、ある程度以上の回転数であって、電流が一定で熱的に平行な状態の場合、位相角が20°〜160°の間は、スイッチング素子3-up の温度は上昇し、その他のタイミングでは下降することを繰り返す。
モータ10の回転が、下がってくると、位相角が20°〜160°の間の、スイッチング素子3-up の温度は上昇が、ジャンクション温度の最大値Tjmax を超える可能性が出てくる。そのため、その場合はモータの回転数によって最大電流を下げる必要がある。そのような制限の一案を図4に示す。
図4に示す例では、モータ10の回転数、すなわち、3相交流の周波数がFn(Hz)を超える場合は、Imax の電流を流すことができる。3相交流の周波数がFn(Hz)以下では、周波数によって、Ires まで減少させる。
この仕組みにより、スイッチング素子3のジャンクション温度の最大値T1max を超えない運用ができ、インバータの故障を防ぐことができる。
しかし、回転数での制限率をRres として、Rres =Imax /Ires とすると、前述のように Ires =2.82となり、発進時のトルク不足が懸念される場合がある。
Imax 簡略化すると、一つのスイッチング素子3の損失Paと、Tw,Td,θsで決まる。
Td=Tjmax として、
Paは、ほぼ相電流Iに比例し、比例係数をKpとすると、
Pa=Kp・Iとなる。
Pa=ΔT/θsであるから、
Td−Tw=Kp・I・θs
I=(Td−Tw)/(Kp・(θs)
となる。
一例として、10kHzのサンプリングで駆動する、35kWのモータでは、
Id=150、TW=60、Kp=1、θs=0.3とすると、
Imax =I=300(Arms )
Ires =106(Arms )
となる。
冷却水水温Twは、連続最大出力を出しているときの温度上昇を考え、例えば上記のように60℃としている。
ここで、車両発進時、冷却水水温は上昇していないと仮定して、たとえば30℃であるとすると、
Imax =I=400(Arms )
Ires =142(Arms )
ただし、Imax は、いずれ水温が上昇し、Tw=60としなければならないとして、
Imax =300(Arms )
Ires =142(Arms )
となり、
Rres =2.11となり、2.82/2.11から、この例では、134%まで若干改善する。
あるいは、水温計を用いて、Twを測定して、Ires を決めることができる。
または、水温計がない場合は、停止時にスイッチング素子3に付属の温度センサ(図示せず)の測定値を、Twとして、Ires を決めることができる。この場合、スイッチング素子3の温度上昇に伴い、スイッチング素子3に付属の温度センサの測定値は急上昇するが、短時間であれば、初期の冷却水水温Twの値を使用しても差し支えない。短時間とは、例えば、冷却水12が循環経路を1周回る時間とする。その時間は言い換えれば、全冷却水量を流量で割った時間である。
次に、上記最悪条件の場合のスイッチング素子3-up のみ141(A)、スイッチング素子3-vn 、スイッチング素子3-wn に70.5(A)、その他は0(A)の場合の、熱抵抗をθsとして考えてみる。
図6にスイッチング素子モジュール3Aの例を示す。6個のスイッチング素子3は、それぞれ、放熱器11の1/6のエリアを使用して、放熱を行う。上記最悪条件の場合、スイッチング素子3-un 、スイッチング素子3-vp は電流が流れていないため、スイッチング素子3-up はその2つの放熱器エリアも使用できる。ただし、スイッチング素子3-up の真下にあるわけではないので、熱抵抗が大きく、放熱器11の3/6の全てが有効に使用できるわけではない。ここで仮に熱抵抗が2倍と仮定しても、放熱器11の2/6のエリアが利用できるのと同じ効果があり、θsは1/2になる。
この場合、当初の
Imax =300(Arms )
Ires =106 (Arms )
に対し、
Ires =204(Arms )
Rres =1.47となり、2.82/1.47から、この例では、192%まで改善する。
以上を組み合わせると、上記の例では134×192=257% の改善となる。
Rres =1.10
Ires =273(Arms )
となり、さらにこれに、次の時間による電流制限の緩和を利用して、電流制限をさらに緩和することができる。
時間による電流制限の緩和の例を説明する。
上記最悪条件であるとしても、短時間であれば、Imax まで電流を流すことができる。すなわち、Rres の初期値は1でも構わない。車両の発進時には、徐々にモータ回転数が上昇し短時間で上記3相交流の周波数はFnに達する。
ただし、急な上り坂や、段差等で車両が前進できなかった場合は、モータ10はロック状態になり、電流がImax では短時間でジャンクション温度がTjmax を超え、スイッチング素子3が故障する。
したがって、通電開始またはある程度の電流値を超えてからの時間で電流制限を行うことが有効である。
電流制限の関数としては、図2の時間による電流制限の例の様に、正弦波形あるいは点線で表示した直線で行うことができる。Imax =100(Arms )としたときの例であり、Tlim の間の波形は、周波数Fnでの、図5における、U相の位相角90°〜160°と同じ波形である。この波形であれば、高回転側で使用されている波形のため、少なくとも問題は発生しないはずである。
または点線のような関数で制限をかけてもよい。
電流制限の方法は、たとえば、モータ10の起動時に、最大電流の50%以上となった時点を起点として、時間関数を設定し、回転数による制限と組み合わせて、両方で、大きな方の電流を採用して運用できる。
なお、以上の計算は、この発明の原理を説明するための簡略化した例であり、実際に適応には、厳密な計算あるいはシミュレーションの結果を加えたり、数値を変更したりしてもよい。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…インバータ
1A…インバータ装置
2…バッテリ
3…スイッチング素子
5…コンデンサ
6…電流監視回路
7…ゲート駆動回路
8…演算回路部
9…制御部
10…モータ
14…VCU
20…車体
31…基本制御部
32…電流制限部
33…限条件設定部
34…緩和条件設定部

Claims (7)

  1. 直流電流を駆動対象のモータの形式に応じた交流電流に、各相の半導体からなるスイッチング素子の開閉によって変換するインバータと、このインバータを制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記モータを始動させた直後など、前記モータの回転数が閾値よりも低い場合に、電流制限をかけ、前記スイッチング素子の使用状況を示す定められた事項が設定条件を満たす場合は、前記電流制限を緩和するインバータ装置。
  2. 請求項1に記載のインバータ装置において、前記スイッチング素子の使用状況を示す定められた事項として、前記スイッチング素子の直接または間接的に測定される温度に係る事項を含むインバータ装置。
  3. 請求項2に記載のインバータ装置において、前記インバータを冷却する冷却水の温度が設定温度よりも低い場合は前記電流制限を緩和するインバータ装置。
  4. 請求項2に記載のインバータ装置において、前記スイッチング素子の温度を測定する温度センサの測定温度が設定温度よりも低い場合は前記電流制限を緩和するインバータ装置。
  5. 請求項1に記載のインバータ装置において、前記スイッチング素子の使用状況を示す定められた事項として、通電開始からの、または電流値が設定値を超えてからの経過時間を含むインバータ装置。
  6. 請求項1に記載のインバータ装置において、前記スイッチング素子の使用状況を示す定められた事項が設定条件を満たす場合として、前記インバータを冷却する冷却水の温度が設定温度よりも低い場合、前記スイッチング素子の温度を測定する温度センサの測定温度が設定温度よりも低い場合、および経過時間に係る設定事項を満たす場合のうちの複数の場合を含むインバータ装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のインバータ装置を搭載し、前記モータが車両の走行駆動用のモータである車両制御装置。
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