JP2020167309A - インプリント装置、インプリント方法、および物品の製造方法 - Google Patents

インプリント装置、インプリント方法、および物品の製造方法 Download PDF

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晋太郎 成岡
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Abstract

【課題】型と基板との位置合わせ精度を向上する点で有利なインプリント装置を提供する。【解決手段】基板上のインプリント材に型のパターン部を接触させて基板上にインプリント材のパターンを形成するインプリント装置であって、基板に向けて電磁波を照射する照射手段と、接触時における型と基板との間に存在するインプリント材の分布量に基づき、照射手段から照射される電磁波の照射量分布を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、接触時における型と基板との間に存在するインプリント材の量が少ない領域程、照射量が多くなるように照射手段を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、インプリント装置、インプリント方法、および物品の製造方法に関する。
インプリントリソグラフィは、ナノスケ−ルの微細パタ−ンの転写を可能にする技術であり、磁気記憶媒体や半導体デバイスの量産向けナノリソグラフィ技術の1つとして実用化されつつある。インプリント技術では、微細パタ−ンが形成された型を用いてシリコンウエハやガラスプレ−ト等のウエハ(基板)上に微細パタ−ンが形成される。この微細パタ−ンは、ウエハ上にディスペンサでインプリント材を塗布し、そのインプリント材を介してウエハに型のパタ−ンを押し付けた状態でそのインプリント材を硬化させることによって形成される。
ここで、インプリント処理が施される基板は、一連のデバイス製造工程において、温度変化により膨張または収縮し、パターンの形状が変化する場合がある。このため、インプリント装置では、型と基板上の型と基板上のインプリント材とを押し付けるに際し、基板上に形成されているパターンと、型に形成されているパターンを合わせる必要がある。
このような場合に基板に設けられた重ね合わせ検査用マーク(オーバーレイマーク)のずれに基づいて、基板と型とのずれを補正する方法が特許文献1、2に開示されている。特許文献1では基板を加熱して熱変形させることで、基板側のパターンの形状と型のパターン部の形状を合わせるインプリント装置を開示している。また、特許文献2では光照射部の強度分布を時間に応じて変化させることで、基板側のパターンの形状と型のパターン部の形状を合わせるインプリント装置を開示している。
特許5932286号 特開2015−173271号公報
ところで、インプリント材を硬化させる工程は、インプリント材の光重合反応であるために、重合熱が発生する。この重合熱により、型と基板が熱変形を起こすと、型と基板の相対的な位置ずれを起こす懸念がある。重合熱の熱量は基板と型との間のインプリント材量によるため、インプリント材量に分布があると、重合熱にも分布ができてしまい、型と基板上のインプリント材とを接触させた際に、型と基板が複雑な変形を引き起こす懸念がある。インプリント材量の分布は、例えば、基板の被処理面上に凹凸がある場合にこの凹凸を埋めるようにインプリント材を供給したときに生じ得る。基板の被処理面上の凹凸の間隔が、オーバーレイマークの間隔より小さいとすると、凹凸に応じたインプリント材量分布に基づく重合熱分布による熱変形は、オーバーレイマークの計測結果に反映されない懸念がある。特許文献1、2のインプリント装置では、このような問題に対し、言及がされておらず、オーバーレイマークで検出できない位置ずれについては補正が困難である。
本発明は、例えば、型と基板との位置合わせ精度を向上する点で有利なインプリント装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、基板上のインプリント材に型のパターン部を接触させて基板上にインプリント材のパターンを形成するインプリント装置であって、基板に向けて電磁波を照射する照射手段と、接触時における型と基板との間に存在するインプリント材の分布量に基づき、照射手段から照射される電磁波の照射量分布を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、接触時における型と基板との間に存在するインプリント材の量が少ない領域程、照射量が多くなるように照射手段を制御することを特徴とする。
本発明によれば、例えば、型と基板との位置合わせ精度を向上する点で有利なインプリント装置を提供することができる。
第1実施形態に係るインプリント装置の構成を示す概略図である。 被処理面に凹凸を有する基板Sの一部分を示す模式図である。 凹凸を考慮してインプリント処理を行う場合を説明する図である。 第1実施形態に係るインプリント処理を行う場合を説明する図である。 基板における重合熱の分布の他例を説明する図である。 第1実施形態に係るインプリント処理の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係るインプリント処理を行う場合を説明する図である。 第2実施形態に係る硬化部の照射量について説明する図である。 物品の製造方法を説明するための図である。
以下に、本発明の好ましい実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るインプリント装置1の構成を示す概略図である。インプリント装置1は、型を用いて基板上のインプリント材を成形する装置である。インプリント装置1は、基板Sの上に供給されたインプリント材IMに型Mのパターン領域PR(パターン部)を接触させ、インプリント材IMに硬化用のエネルギーを与える。これによって、基板Sの上に、型Mの凹凸パターンが転写された硬化物のパターンが形成される。図1のインプリント装置1は、物品としての半導体デバイスなどのデバイスの製造に使用される。ここでは光硬化法を採用したインプリント装置1について説明する。
なお、本明細書および添付図面では、基板Sの表面に平行な方向をXY平面とするXYZ座標系において方向を示す。XYZ座標系におけるX軸、Y軸、Z軸にそれぞれ平行な方向をX方向、Y方向、Z方向とし、X軸周りの回転、Y軸周りの回転、Z軸周りの回転をそれぞれθX、θY、θZとする。X軸、Y軸、Z軸に関する制御または駆動は、それぞれX軸に平行な方向、Y軸に平行な方向、Z軸に平行な方向に関する制御または駆動を意味する。また、θX軸、θY軸、θZ軸に関する制御または駆動は、それぞれX軸に平行な軸の周りの回転、Y軸に平行な軸の周りの回転、Z軸に平行な軸の周りの回転に関する制御または駆動を意味する。また、位置は、X軸、Y軸、Z軸の座標に基づいて特定されうる情報であり、姿勢は、θX軸、θY軸、θZ軸の値で特定されうる情報である。位置決めは、位置および/または姿勢を制御することを意味する。位置合わせは、基板および型の少なくとも一方の位置および/または姿勢の制御を含みうる。
インプリント材IMには、硬化用のエネルギーが与えられることにより硬化する硬化性組成物(未硬化状態の樹脂と呼ぶこともある)が用いられる。硬化用のエネルギーとしては、電磁波、熱等が用いられる。電磁波としては、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される、赤外線、可視光線、紫外線などの光である。
硬化性組成物は、光の照射により、あるいは、加熱により硬化する組成物である。このうち、光により硬化する光硬化性組成物は、重合性化合物と光重合開始剤とを少なくとも含有し、必要に応じて非重合性化合物または溶剤を含有してもよい。非重合性化合物は、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマー成分などの群から選択される少なくとも一種である。
インプリント材は、スピンコーターやスリットコーターにより基板上に膜状に付与される。或いは液体噴射ヘッドにより、液滴状、或いは複数の液滴が繋がってできた島状又は膜状となって基板上に付与されてもよい。インプリント材の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上、100mPa・s以下である。
基板Sは、ガラス、セラミックス、金属、半導体、樹脂等が用いられ、必要に応じて、その表面に基板とは別の材料からなる部材が形成されていてもよい。基板としては、具体的に、シリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、石英ガラスなどである。
型M(モールド)は、外周形状が矩形であり、基板S上のインプリント材IMに転写される回路パターンなどが形成されたパターン領域PRを含む。
インプリント装置1は、基板Sを保持し位置決めする基板位置決め機構SA、型Mを保持し位置決めする型位置決め機構MA、型位置決め機構MAを支持する支持構造体50を備えうる。基板位置決め機構SAおよび型位置決め機構MAは、基板Sと型Mとの相対位置が調整されるように基板Sおよび型Mの少なくとも一方を駆動する駆動機構DMを構成する。駆動機構DMによる相対位置の調整は、基板Sの上のインプリント材IMに対する型Mの接触、および、硬化したインプリント材(硬化物のパターン)からの型Mの剥離(離型)のための駆動を含む。また、駆動機構DMによる相対位置の調整は、基板Sのショット領域と型Mとの位置合わせのための駆動を含む。
基板位置決め機構SAは、基板Sを保持する基板ステージSSと、基板ステージSSを駆動することによって基板Sを駆動する基板駆動機構24とを含む。基板ステージSSは、基板Sを保持する基板チャック21と、基板チャック21を支持するテーブル22とを含みうる。また、基板ステージSSは、基板Sの周囲を取り囲む同面板23を含みうる。同面板23の表面は、基板Sの表面とほぼ同一の高さを有しうる。
型位置決め機構MAは、型Mを保持する型チャック41と、型チャック41を駆動することによって型Mを駆動する型駆動機構42とを含みうる。
インプリント装置1は、ディスペンサ32、硬化部90、および制御部60をさらに備える。ディスペンサ32(供給部)は、基板Sの上にインプリント材IMを供給する。ディスペンサ32は、例えば、基板位置決め機構SAによって基板Sが移動されている状態でインプリント材IMを吐出することによって、基板Sの上の目標位置にインプリント材IMを配置する。ディスペンサ32は、基板Sの複数のショット領域に一括してインプリント材を塗布(供給)してもよいし、ショット領域毎にインプリント材IMを塗布してもよい。なお、装置内に構成されたディスペンサ32を使用せず、外部装置(塗布装置)にて基板Sの表面にインプリント材を供給してもよい。
基板Sの上に配置されたインプリント材IMは型Mの下に基板位置決め機構SAによって移動される。型Mは型位置決め機構MAによって基板上のインプリント材IMに接触させる。型Mとインプリント材IMが接触した状態で、型Mのパターンと基板Sのショット領域との位置合わせが行われる。前記位置合わせは、例えば、基板位置決め機構SA、不図示の型Mの倍率補正機構、加熱機構HCを用いて行われる。
加熱機構HCは、基板ステージSSに保持された基板Sに予め存在する被処理部としてのショット領域の形状を変形させるために、基板Sを加熱する。加熱機構HCで使用する電磁波は、基板Sの加熱時に基板Sに向けて照射されるが、基板上のインプリント材IMを透過しうるため、インプリント材を硬化させる光とは異なる波長帯域である必要がある。例えば、ショット領域に対してインプリント材を硬化させる光(露光光、ここでは紫外線)とは異なる波長帯域の電磁波を照射し、加熱することでショット領域を所望の形状またはサイズに変化させる。加熱機構HCで使用する電磁波の波長は、基板Sが効率良く吸収する波長であることが望ましい。よって、加熱機構HCで使用する電磁波の波長は、インプリント材を硬化させる光とは異なる波長帯域、例えば400nm以上であることが望ましい。したがって、加熱機構HCで使用する波長は、例えば400〜800nmであることが望ましい。こうすることでインプリント材IMを硬化させることなく、基板Sを加熱することができる。
また、加熱機構HCは、ショット領域の表面に所望の照射量分布を形成することでショットに所望の熱量分布を形成する。この照射量分布を形成するために、加熱機構HCは、空間光変調素子(光変調素子)を有する。加熱機構HCの光源から照射された光は、空間的に振幅、位相又は偏光を変調する空間光変調素子へ導かれる。空間光変調素子を用いることで、基板S上に照射される光の照射領域や光強度を自由に設定することができる。空間光変調素子には、例えばDMD(Digital Micro−mirror Device)やLCD(Liquid Crystal Display)デバイス、LCOSデバイス等が使用される。ここでは、光変調素子としてDMDを用いた場合について説明する。DMDは複数のミラー素子を光反射面に配置し、各ミラー素子の面方向を個別に調整することで電磁波の照射量を変化させるものである。DMDにおけるミラー素子の配置数は、必要とされる照射量分布に合わせて適宜決定しうる。
硬化部90は、基板Sのショット領域の上のインプリント材IMと型Mのパターン領域PRとが接触し、パターン領域PRのパターンにインプリント材が充填された状態でインプリント材に硬化用のエネルギーE(硬化光)を照射する。ここでは、硬化用のエネルギーEとして、紫外線を用いる。硬化部90は、紫外線を照射する光源(不図示)と、光源から照射された紫外線を適切な光に調整するための光学部材(不図示)を含みうる。
インプリント材を硬化するために十分なエネルギーEが供給された後、型Mを硬化したインプリント材から引き離す。これにより基板Sの上に硬化したインプリント材IMによる樹脂層が形成される。この樹脂層はパターンに加えて、オーバーレイマーク他のマーク群を形成する。
制御部60は、インプリント装置1の各構成要素の動作(調整)を制御することができる。また、制御部60は、加熱機構HCから照射される電磁波の照射量分布を制御する。制御部60は、例えばコンピュータなどで構成され、インプリント装置1の各構成要素に回線を介して接続され、プログラムなどにしたがって各構成要素の制御を実行し得る。なお、制御部60は、インプリント装置1と一体で(共通の筐体内に)構成してもよいし、インプリント装置1の他の部分とは別体で(別の筐体内に)構成してもよい。
基板Sは、被処理面にパターンを形成するに当たり、被処理面に凹凸を有さない状態であることが望ましい。しかながら、例えば、基板Sの製造上の理由や、基板Sに対する下地膜の形成等の前処理工程により、被処理面に凹凸が発生してしまう場合がある。図2を参照しながら、このような被処理面に凹凸が存在する基板Sに対し、インプリント処理を行う方法について説明する。図2は、被処理面に凹凸が存在する基板Sの一部分を示す模式図である。図2(A)は、被処理面の凹凸の断面図を模式的に示している。なお、ここでは基板Sは、基板Sの上に何らかの下地膜が塗付されたものであっても良い。このような凹凸を有する基板Sにインプリント処理を行う場合のディスペンス方法には、凹凸を考慮せず、インプリント材量の分布を一定にしてディスペンスする場合と、凹凸を考慮して、インプリント材量の分布を与えてディスペンスする場合が考えられる。
図2(B)は、凹凸を考慮せず、インプリント材量の分布を一定にしてディスペンスし、インプリント処理をおこなったときの断面図を示す。図2(C)は、凹凸を考慮したインプリント材量の分布を与えてディスペンスし、インプリント処理を行ったときの断面図を示す。図2(B)のように、凹凸を考慮せずインプリント材量の分布を一定にしてディスペンスし、インプリント処理を行う場合、型Mはインプリント材IMを介して基板Sの被処理面の凹凸に倣うように変形する。このような型Mの変形は、基板Sと型Mの相対的な位置ズレを引き起こし、オーバーレイ誤差が発生する懸念がある。このため、図2(C)のように、凹凸を考慮したインプリント材量の分布を与えてディスペンスし、型Mと基板S上のインプリント材IMとが接触した状態で型Mが平らになるように基板上のインプリント材量を調整することが望ましい。
しかしながら、インプリント材量に分布を与えることに伴う新たな課題が発生する。これについて、図3を参照して説明する。図3は、凹凸を考慮してインプリント処理を行う場合を説明する図である。図3では、基板Sのあるショット領域内に2つの凹部(30A、30B)が存在する場合を模式的に示している。凸部がなく、凹部のみとしたのは説明を簡単にするためであり、凹部には限定されない。図3(A)に、凹部を考慮した量のインプリント材をディスペンスし、インプリント処理を行ったときの断面図を示す。図3(A)に示すとおり、凹部30A、30Bでは、接触時における型Mと基板Sとの間に存在するインプリント材の量が相対的に多く、平らな部分(以降、フラット部31と呼ぶ。)ではインプリント材の量が想定的に少ない。
この状態でインプリント材を硬化させたときの重合熱の分布の平面図を図3(B)に示した。図3(B)は、図3(A)を上面から見た様子を示した図である。硬化時に発生する重合熱は、インプリント材の量が多い程発熱量が大きく、インプリント材の量が少ない程発熱量が小さくなるため、凹部30Aおよび30Bに相当する領域では、フラット部31に相当する領域よりも発熱量が大きくなる。図3(B)では、重合熱をハッチングの間隔で示した。ハッチングの間隔が狭くなる程重合熱が大きくなることを表している。即ち、凹部30Aおよび30Bに相当する領域では、フラット部31に相当する領域よりも重合熱が大きいことを表している。
この重合熱により、型Mと基板Sのそれぞれが熱膨張する。型Mと基板Sでは線膨張係数が異なるため、型Mに比べて、基板Sが大きく膨張する。これにより、型Mと基板Sに相対的な位置ズレが起こるため、これがオーバーレイ誤差の要因になり得る。
図3(C)には、このときの基板Sの熱変形の様子を矢印で模式的に示した。また、オーバーレイマーク(アライメントマーク)を丸印で示し、ショット領域内に9つ配置されているものとした。基板Sの凹部30A、30B、およびフラット部31のインプリント材量分布に伴う重合熱分布により、凹部30A、30Bに対応する領域とフラット部31に対応する領域に温度差が生じ、これに起因する変形が引き起こされる。
よって、この変形量も凹部30A、30Bとフラット部31に対応した分布を持つことになる。即ち、凹部30A、30Bに対応する領域は、フラット部31に対応する領域よりも大きく変形する。このような凹部30A、30Bとフラット部31などの基板S上の領域毎に変形量が異なる変形を、凹部30A、30Bとフラット部31の間隔より広い間隔で配置されたオーバーレイマークで検出することが困難であることは図3(C)からも明らかである。このようなオーバーレイマークでの検出が困難な変形を、オーバーレイマークを用いた補正方法で補正することは同様に困難である。また、オーバーレイマークを多数配置すれば検出できる可能性は高まるが、これはデバイス製造プロセスへの負担が増える懸念がある。
そこで、本実施形態では、図3(B)に示した重合熱の分布を反転させた熱量の分布を基板Sに与える。つまり、硬化時の重合熱が凹部30A、30Bよりも小さいフラット部31に対応する領域に、凹部30A、30Bに対応する領域よりも大きい熱量与える。一方、硬化時の重合熱がフラット部31よりも大きい凹部30A、30Bに対応する領域に、フラット部31に対応する領域よりも小さい熱量与える。
このような処理方法について図4乃至図6を参照して説明する。図4は、第1実施形態に係るインプリント処理を行う場合を説明する図である。図4(A)は、重合熱の分布を示す模式図であり、図3(B)と同じものである。図4(B)は、図4(A)の重合熱の分布を反転させたものであり、加熱機構HCの照射量分布を示す模式図である。図4(B)においても、照射量をハッチングの間隔で示し、ハッチングの間隔が狭くなる程照射量が大きくなることを表している。
本実施形態では、図1に示した加熱機構HCを用いて、図4(B)に示す照射量分布になるように基板Sに対して電磁波を照射し、基板Sを加熱する。即ち、硬化時の重合熱が凹部30A、30Bよりも小さいフラット部31に対応する領域に、凹部30A、30Bに対応する領域よりも大きい量の電磁波を照射する。一方、硬化時の重合熱がフラット部31よりも大きい凹部30A、30Bに対応する領域に、フラット部31に対応する領域よりも小さい量の電磁波を照射する。つまり、加熱機構HCは、制御部60によって、接触時における型Mと基板Sとの間に存在するインプリント材IMの量が少ない領域程、照射量が多くなるように制御される。
こうすることにより、硬化し重合熱が発生した後では、図4(A)と図4(B)の熱量が重ね合わされるため、凹部30A、30Bとフラット部31の温度が同じように上がり、同じように熱膨張する。よって、凹部30A、30Bに対応する領域とフラット部31に対応する領域の膨張差が低減され、ショット領域内で一様に膨張する熱変形が引き起こされる。このような単純な変形であればオーバーレイマークでの検出が可能であり、オーバーレイマークを用いた補正ができるため、オーバーレイ誤差を低減することができる。よって、インプリント材の分布量に起因する重合熱分布によるオーバーレイ誤差を低減することができる。
なお、図4においては、凹部30Aと凹部30Bの深さを同じとし、2種類の照射量により、分布を形成したが、これに限られるものではない。図5は、基板Sにおける重合熱の分布の他の例を説明する図である。図5(A)は、深さの異なる2つの凹部が存在する基板Sをインプリントし硬化させたときの断面図である。図5では、基板Sのあるショット領域内に深さの異なる2つの凹部(30A、30C)が存在する場合を模式的に示している。図5(B)は図5(A)を上面から見た図を示している。図5(B)は、重合熱の分布を示す模式図である。図5(B)では、重合熱をハッチングの間隔で示した。ハッチングの間隔が狭くなる程重合熱が大きくなることを表している。即ち、凹部30Aに相当する領域では、凹部30Cに相当する領域よりも重合熱が大きく、凹部30Cに相当する領域では、フラット部31に相当する領域よりも重合熱が大きいことを表している。
図5(C)は、図5(B)の重合熱の分布を反転させたものであり、図5(A)に示すような基板Sに対する加熱機構HCの照射量分布を示す模式図である。図5(C)においても、照射量をハッチングの間隔で示し、ハッチングの間隔が狭くなる程照射量が大きくなることを表している。加熱機構HCを用いて、図5(C)に示す照射量分布になるように基板Sに対して電磁波を照射し、加熱する。即ち、硬化時の重合熱が凹部30Aよりも小さい凹部30Cに対応する領域に、凹部30Aに対応する領域よりも大きい量の電磁波を照射する。そして、硬化時の重合熱が凹部30Cよりもさらに小さいフラット部31に対応する領域に、凹部30Cに対応する領域よりも大きい量の電磁波を照射する。このように、基板Sの被処理面の凹凸形状に合わせて、加熱機構HCによる照射量分布を形成することが可能である。
図6は、第1実施形態に係るインプリント処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートで示す各動作(ステップ)は、制御部60よって実行されうる。まず、S1では、基板Sが、不図示の基板搬送装置により、基板チャック21に搬入される。基板チャック21は、搬入された基板Sを保持する。
次に、S2では、不図示の計測部によって、インプリント装置1内で、下地膜を含む基板Sの被処理面の凹凸を計測し、基板Sの被処理面の凹凸情報(表面粗さ情報)を取得する。計測部は、例えば、基板Sの被処理面と直交する方向(Z方向)の被処理面の高さを計測することで、被処理面の凹凸を計測する。即ち、被処理面の凹凸情報には、被処理面の高さ情報が含まれうる。計測部としては、例えば、センサを用いても良い。ここで、この計測部としてのセンサにはインプリント装置に備えられているオフアクシススコープやレーザー干渉計、レーザー変位計を含みうる。このように、インプリント装置に備えられているセンサを計測部として用いることで、下地膜を含む被処理面の凹凸情報を得るために別装置を導入する必要がなく、コスト面で有利となる。
S3では、計測部での計測結果、換言すると、計測部によって取得した基板Sの被処理面の凹凸情報に基づき、制御部60が加熱機構HCの照射量分布を決定する。具体的には、加熱機構HCの照射量分布は、接触時における、型Mと基板Sとの間に存在するインプリント材IMの分布量に基づき決定することができる。よって、制御部60は、接触時における、型Mと基板Sとの間に存在するインプリント材IMの分布量を算出する。接触時における型Mと基板Sとの間に存在するインプリント材IMの分布量は、例えば、S2で取得した基板Sの被処理面の凹凸情報に基づき、算出することができる。制御部60は、この算出結果に基づき、加熱機構HCの照射量分布を決定する。
さらに好ましくは、基板Sの被処理面の凹凸情報と、型Mのパターン領域PRの形状と、に基づき算出する。型Mのパターン領域PRの形状は、型Mのパターン領域PRの凹凸情報とも言える。型Mのパターン領域PRの形状は、型Mのデザイン情報に基づき取得するのが望ましい。例えば、型Mのデザイン情報から事前にユーザが制御部60に入力しておく。型Mのデザイン情報から得た型Mのパターン領域PRの凹凸情報に基づいたインプリント材の分布量を加味することでより正確なインプリント材の分布量を得ることができる。また、型Mのインプリント装置内への搬入時にインプリント装置において型Mのパターン領域PRの形状を計測して、パターン領域PRの形状を取得しても良い。このように、基板Sの被処理面の凹凸情報のみでなく、型Mのパターン領域PRの凹凸情報も用いることで基板Sのみを考慮した場合よりも正確に接触時における型Mと基板Sとの間に存在するインプリント材IMの分布量を見積もることができる。よって、インプリント材の分布量に起因する重合熱分布によるオーバーレイ誤差を低減できる可能性が高まる。
S4では、ディスペンサ32が、基板位置決め機構SAによって基板Sが移動されている状態でインプリント材IMを吐出し、基板S上にインプリント材IMを供給する。その後、S5では、基板位置決め機構SAによって基板Sを型Mの直下へと移動させ、型Mと基板S上のインプリント材IMとを接触させる。なお、このとき、型駆動機構42によって、型Mを下降させても良いし、基板駆動機構24によって基板Sを上昇させても良い。また、型Mと基板Sの双方を駆動しても良い。
S6では、型Mに形成されたパターンにインプリント材IMを充填させ、位置合わせを行う。また、これと併行して、S3で決定した照射量分布に基づき、加熱機構HCによって、基板Sに対してインプリント材を硬化させる光とは異なる波長帯域の電磁波を照射する。
S7では、硬化部90は、型Mを介して、インプリント材IMに紫外線を照射して硬化させる。S8では、型位置決め機構MAまたは基板位置決め機構SAを駆動して、硬化したインプリント材IMから型Mを剥離する。S9では、制御部60が、基板S上の全ショット領域に対しインプリント処理が完了したか、即ち、未処理のショット領域があるか否かを判断する。未処理のショット領域がある場合(YES)、S4〜S8を繰り返す。未処理のショット領域がない場合(NO)、S10にて、制御部60が不図示の搬送装置を制御して基板Sをインプリント装置1の外へ搬出する。
これにより、凹部30A、30Bとフラット部31の膨張差が低減され、ショット領域内で一様に膨張する熱変形が引き起こされるため、オーバーレイ誤差を低減することができる。
なお、S3において、ディスペンサ32から供給されるインプリント材のドロップレシピ(供給位置や供給量を示す情報)に基づき、加熱機構HCの照射量分布を決定しても良い。基板Sの被処理面の凹凸情報と、型Mのパターン領域PRの形状と、に基づき算出された接触時における型Mと基板Sとの間に存在するインプリント材IMの分布量は、ドロップレシピ中の一連のドロップの体積とドロップ数に反映される。このドロップレシピの情報(基板上に供給されるインプリント材の情報)には、基板S上に供給されるインプリント材の供給量や配置などが含まれる。ディスペンサ32によるインプリント材の供給は、このドロップレシピの情報に基づいて行われる。そのため、ドロップレシピの情報に基づいて、加熱機構HCの照射量分布を決定することも可能である。
具体的には、ショット領域内を小さい面積をもつ多数の区域に分割し、その各区域のドロップ体積とドロップ数を掛けて足し合わせる。これを各区域のインプリント材量とする。各区域のインプリント材量が小さくなる程、加熱機構HCの照射量が大きくなるように、各区域のインプリント材量が大きくなる程加熱機構HCの照射量が小さくなるように照射量分布を決定すればよい。各区域のサイズは加熱機構HCで照射量分布を形成可能な最小サイズ程度にすれば良い。これにより、加熱機構HCで実現可能な範囲で最適な照射量分布を与えることができる。この場合、基板の計測や型Mのパターン領域PRの形状の入力等を行う必要が無いため、スループットの点で有利である。
上記ではドロップレシピの情報に基づき、接触時における、型Mと基板Sとの間に存在するインプリント材IMの分布量を求めた。このドロップレシピに基づき、実際にインプリント処理を行った後のインプリント材IMの厚みを計測できるならば、この厚みを各区域の面積に掛けて、各区域のインプリント材量としても良い。このように実測値を用いることでより正確に接触時における型Mと基板Sとの間に存在するインプリント材IMの分布量を見積もることができる。これによりインプリント材の分布量に起因する重合熱分布によるオーバーレイ誤差を低減できる可能性が高まる。
なお、制御部60は、基板Sの被処理面の凹凸情報と、型Mのパターン領域PRの形状と、ドロップレシピの情報と、に基づき、接触時における型Mと基板Sとの間に存在するインプリント材IMの分布量を算出し、加熱機構HCの照射量分布を決定しても良い。この場合、基板Sの被処理面の凹凸情報と、型Mのパターン領域PRの形状と、に基づき加熱機構HCの照射量分布を決定するよりも、正確なインプリント材の分布量を得ることができる。
また、上述のフローでは、基板Sの被処理面の凹凸の計測を行い、基板Sの被処理面の凹凸情報を取得したが、基板Sの被処理面の凹凸情報は、事前に何らかの方法で得ておいても良い。例えば、下地膜を含む基板Sの被処理面の凹凸情報を事前にインプリント装置外で別の計測機により計測し、入力しておいても良い。基板Sの典型的な凹凸の量は1〜100nmであるため、別の計測機は、例えば、AFM(Atomic Force Microscope)、またはプロファイラー、つまり、表面粗さ測定器であって良い。あるいは、光学式表面計測装置やレーザー顕微鏡であっても良い。このような計測機の計測結果を用いることで、より正確に接触時における型Mと基板Sとの間に存在するインプリント材IMの分布量を見積もることができ、インプリント材IMの分布量に起因する重合熱分布によるオーバーレイ誤差を低減できる可能性が高まる。
さらに、加熱機構HCの照射量分布は、事前に決定しておいても良い。加熱機構HCの照射量分布は、重合反応熱と接触時における接触時における型Mと基板Sとの間に存在するインプリント材IMの分布量に基づき、事前に算出することが可能である。あるいはこうして求めた照射量分布に基づいて、インプリント装置を用いた予備実験を行い、さらに詳細に照射量分布を修正して、決定しても良い。このようにすることにより、インプリント材の分布量に起因する重合熱分布によるオーバーレイ誤差を低減できる可能性がさらに高まる。
また、本実施形態では、加熱機構HCによる電磁波の照射は、インプリント材IMを硬化させる前の位置合わせ時にあらかじめ実施するものとした。しかしながら、紫外線の照射(UV露光)による硬化時(S7)に同時に加熱機構HCによる電磁波の照射をしても良い。こうすることで硬化前の位置合わせ時に熱補正した場合に懸念される型Mの倍率補正機構による位置合わせとの干渉がなくなる点で有利に働く可能性がある。
以上の説明における基板Sの被処理面における凹凸のXY方向のサイズは典型的には10μmから100μmであり、大きい場合は数mmに及ぶことがある。凹凸のXY方向のサイズが小さくても10μm程度であれば、加熱機構HCに、上述のDMD等のデバイスを使用することにより、基板Sの被処理面の凹凸を反映したインプリント材の分布量に合わせた照射量分布を形成することは十分可能である。また、基板Sの被処理面の凹凸のXY方向のサイズが数mm程度に大きい場合でも、DMD等によれば、同様に基板Sの被処理面の凹凸を反映した照射量分布を形成することは可能である。なお、照射量分布は、照射時間の制御によって形成されても良いし、照射強度の制御によって形成されても良い。
なお、加熱機構HCの照射量分布は、型Mのパターン領域PRの形状のみに基づき決定しても良い。この場合、加熱機構HCに、型Mのパターン領域PRの形状に応じたフィルターを用いることで、型Mのパターン領域PRの形状に応じた照射量分布を形成することができる。このようにすることにより、加熱機構HCの構成が簡易となるため、コストの点で有利となる。
また、本実施形態では、加熱機構HCによる加熱の対象を基板Sとしたが、対象は型Mであっても良く、あるいはインプリント材IMであっても良い。加熱の対象が型Mの場合は、型Mが吸収しやすい電磁波の波長、例えば赤外線を選択するのが望ましい。電磁波が型Mにほぼ吸収されるならば、インプリント材IMを硬化させることなく、型Mを変形させることができるため、好適である。
加熱の対象がインプリント材IMの場合は、インプリント材IMが吸収しやすい電磁波の波長を選択するのが望ましい。重合熱を発生させるのはインプリント材IMであるため、インプリント材IMに熱量を与えることができるならば直接的に補正できるため、好適である。
<第2実施形態>
図7を参照しながら、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、加熱機構HCを用いてオーバーレイ誤差を低減させたが、本実施形態では硬化部90を用いてオーバーレイ誤差を低減させる。
図7は、第2実施形態に係るインプリント処理を行う場合を説明する図である。図7(A)、(B)は、第1実施形態の図3(A)、(B)と同じく、ショット領域内に2つの凹部(30A、30B)が存在する基板Sをインプリントし硬化させたときの断面図と硬化時の重合熱の分布の様子を示す平面図である。本実施形態では、接触時における型Mと基板Sとの間に存在するインプリント材量が相対的に少ない領域(ここでは、フラット部31に対応する領域)に、インプリント材量が相対的に多い領域(ここでは、凹部30A、30Bに対応する領域)に比べて、照射量が多くなるように光を硬化部90から照射する。
ここで硬化部90から照射する光の波長はインプリント材IMを硬化させるのに使用するものと同じである。図7(C)は、図7(A)に示すような基板Sに対する硬化部90の照射量分布を示す模式図である。図7(C)においても、照射量をハッチングの間隔で示し、ハッチングの間隔が狭くなる程照射量が大きくなることを表している。硬化部90を用いて、図7(C)に示す照射量分布になるように基板Sに対して光を照射する。即ち、インプリント材量が凹部30A、30Bよりも少ないフラット部31に対応する領域に、凹部30A、30Bに対応する領域よりも大きい量の光を照射する。一方、インプリント材量がフラット部31よりも多い凹部30A、30Bに対応する領域に、フラット部31に対応する領域よりも小さい量の光を照射する。
このようにすることで、インプリント材量が相対的に多い領域よりもインプリント材量が相対的に少ない領域を早く硬化させることができる。インプリント材IMが硬化した領域では型Mと基板Sの相対的なずれが抑制されうるため、その後、インプリント材量が相対的に大きい領域で重合熱が発生したとしても、先に硬化した領域では重合熱による変形の影響を受け難くすることができる。これによりインプリント材量の分布に伴う重合熱分布によるオーバーレイ誤差を低減することができる。
上記のようにインプリント材量が相対的に領域を先に硬化させるためには、当然ではあるが、インプリント材量が相対的に少ない領域への光の照射を開始する時刻を、インプリント材量が相対的に多い領域への光を照射する時刻よりも早めれば良い。開始時刻が同時である場合であっても、照射する光の強度を時々刻々に変化させて照射すれば同様の効果を得ることができる。
図8は、第2実施形態に係る硬化部90の照射量について説明する図である。図8(A)には、図7(A)と同じく、ショット領域内に2つの凹部(30A、30B)が存在する基板Sをインプリントし硬化させたときの断面図を示す。つまり、図8と図7で基板Sの凸凹の様子は同じであるとする。図8(B)には、硬化部90から照射される光の強度を時系列に変化させる2種類の領域をハッチングの違いで示す。図8(C)は、横軸に時間、縦軸に光の強度を示した図である。破線80は、凹部30A、30Bに対応する領域に対する時間軸波形であり、実線81はフラット部31に対応する領域に対する時間軸波形である。
図8(C)に示す2種類の時間軸波形において、照射開始時刻は同時である。しかしながら、相対的にインプリント材量の少ない領域(ここでは、フラット部31に対応する領域)では、相対的にインプリント材量の多い領域(ここでは、凹部30A、30Bに対応する領域)よりも強度の高い光を短時間に照射している。一方、相対的にインプリント材量の多い領域では、相対的にインプリント材量の少ない領域よりも強度の低い光を長時間に照射している。こうすることで、インプリント材量が相対的に多い領域よりも先にインプリント材量が相対的に少ない領域を硬化させることができる。硬化した箇所では型Mと基板Sの相対的なずれが抑制されうるため、その後、インプリント材量が大きい領域で重合熱が発生したとしても、先に硬化した領域では重合熱による変形の影響を受け難くすることができる。これによりインプリント材量の分布に伴う重合熱分布によるオーバーレイ誤差を低減することができる。本実施形態の場合、加熱機構HCを備える必要がないため、装置の構成を簡易かすることが可能である。
(物品製造方法の実施形態)
インプリント装置を用いて形成した硬化物のパターンは、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、型等である。電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMのような、揮発性或いは不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAのような半導体素子等が挙げられる。型としては、インプリント用のモールド等が挙げられる。
硬化物のパターンは、上記物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、レジストマスクとして一時的に用いられる。ウエハの加工工程においてエッチング又はイオン注入等が行われた後、レジストマスクは除去される。
次に、物品の具体的な製造方法について説明する。図9(A)に示すように、絶縁体等の被加工材2zが表面に形成されたシリコンウエハ等のウエハ1zを用意し、続いて、インクジェット法等により、被加工材2zの表面にインプリント材3zを付与する。ここでは、複数の液滴状になったインプリント材3zがウエハ上に付与された様子を示している。
図9(B)に示すように、インプリント用のモールド4zを、その凹凸パターンが形成された側をウエハ上のインプリント材3zに向け、対向させる。図9(C)に示すように、インプリント材3zが付与されたウエハ1zとモールド4zとを接触させ、圧力を加える。インプリント材3zはモールド4zと被加工材2zとの隙間に充填される。この状態で硬化用のエネルギーとして光をモールド4zを透して照射すると、インプリント材3zは硬化する。
図9(D)に示すように、インプリント材3zを硬化させた後、モールド4zとウエハ1zを引き離すと、ウエハ1z上にインプリント材3zの硬化物のパターンが形成される。この硬化物のパターンは、モールドの凹部が硬化物の凸部に、モールドの凸部が硬化物の凹部に対応した形状になっており、即ち、インプリント材3zにモールド4zの凹凸パターンが転写されたことになる。
図9(E)に示すように、硬化物のパターンを耐エッチングマスクとしてエッチングを行うと、被加工材2zの表面のうち、硬化物が無いか或いは薄く残存した部分が除去され、溝5zとなる。図9(F)に示すように、硬化物のパターンを除去すると、被加工材2zの表面に溝5zが形成された物品を得ることができる。ここでは硬化物のパターンを除去したが、加工後も除去せずに、例えば、半導体素子等に含まれる層間絶縁用の膜、つまり、物品の構成部材として利用してもよい。
なお、モールド4zとして、凹凸パターンを設けた回路パターン転写用の型を用いた例について述べたが、凹凸パターンがない平面部を有する型(平面テンプレート)であってもよい。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
また、本発明における制御の一部または全部を上述した実施形態の機能を実現するコンピュータプログラムをネットワーク又は各種記憶媒体を介して撮像装置や情報処理装置に供給するようにしてもよい。そしてその撮像装置や情報処理装置におけるコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。その場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することとなる。
1 インプリント装置
60 制御部
90 硬化部
HC 加熱機構
M 型
PR パターン領域
S 基板

Claims (12)

  1. 基板上のインプリント材に型のパターン部を接触させて前記基板上に前記インプリント材のパターンを形成するインプリント装置であって、
    前記基板に向けて電磁波を照射する照射手段と、
    前記接触時における前記型と前記基板との間に存在するインプリント材の分布量に基づき、前記照射手段から照射される前記電磁波の照射量分布を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記接触時における前記型と前記基板との間に存在するインプリント材の量が少ない領域程、前記照射量が多くなるように前記照射手段を制御することを特徴とするインプリント装置。
  2. 前記照射手段は、前記電磁波を前記基板に対して照射し、前記基板を加熱することを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  3. 前記照射手段は、前記インプリント材を硬化させる光とは異なる波長帯域の光を前記基板に対して照射することを特徴とする請求項2に記載のインプリント装置。
  4. 前記照射手段は、前記インプリント材を硬化させる光を前記基板上のインプリント材に照射する、ことを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  5. 前記制御手段は、前記基板の表面粗さ情報に基づき、前記照射手段を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  6. 前記基板の表面と直交する方向の前記表面の高さを計測する計測手段をさらに備え、
    前記表面粗さ情報は、前記表面の高さ情報を含むことを特徴とする請求項5に記載のインプリント装置。
  7. 前記制御手段は、前記型のパターン部の形状に基づき、前記照射手段を制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  8. 前記基板上に前記インプリント材を供給する供給手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記供給手段によって、前記基板上に供給されるインプリント材に関する情報に基づき、前記照射手段を制御することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  9. 前記インプリント材に関する情報は、前記供給手段によって前記基板上に供給されるインプリント材の供給量と配置の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項8に記載のインプリント装置。
  10. 前記基板の表面粗さ情報と、前記型のパターン部の形状と、前記基板上に供給されるインプリント材の情報と、に基づき、前記接触時における前記型と前記基板との間に存在するインプリント材の分布量を算出する算出手段を備え、
    前記制御手段は、前記算出手段の算出結果に基づき、前記照射手段を制御することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  11. 基板上のインプリント材に型のパターン部を接触させて前記基板上に前記インプリント材のパターンを形成するインプリント方法であって、
    前記基板に向けて電磁波を照射する照射工程と、
    前記接触時における前記型と前記基板との間に存在するインプリント材の分布量に基づき、前記照射工程における前記電磁波の照射量分布を制御する制御工程と、を有し、
    前記制御工程において、前記接触時における前記型と前記基板との間に存在するインプリント材の量が少ない領域程、前記照射工程における照射量が多くなるように制御することを特徴とするインプリント方法。
  12. 請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載のインプリント装置を用いて基板にパターンを形成する工程と、
    前記工程でパターンを形成された前記基板を加工する工程と、
    を含むことを特徴とする物品の製造方法。
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