JP2020167262A - ベース板及びベース板の製造方法 - Google Patents

ベース板及びベース板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ベース板の銅含有層の錆を低減する。【解決手段】ベース板10は、基板100、銅含有層120及び防錆剤130を含んでいる。基板100は、金属基複合材料(MMC)基材110及び金属層112を含んでいる。金属層112は、MMC基材110を覆っている。銅含有層120は、基板100上に位置している。防錆剤130は、銅含有層120を覆っている。【選択図】図2

Description

本発明は、ベース板及びベース板の製造方法に関する。
電子部品として、ベース板が用いられることがある。ベース板は、金属基複合材料(MMC)基材を含む基板及びこの基板上に位置する銅層を含んでいる。ベース板は、様々な電子装置内に用いることができる。例えば、ベース板の銅層上には、はんだを介してパワーデバイス(例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)又はダイオード)を搭載することができる。この例において、ベース板は、ヒートシンクとして機能することができる。
特許文献1には、ベース板の一例について記載されている。このベース板は、アルミニウム−炭化ケイ素基材、このアルミニウム−炭化ケイ素基材上のアルミニウム層及びこのアルミニウム層上の銅層を含んでいる。この例では、銅層は、コールドスプレーによって形成されている。
特許文献2には、コールドスプレーによって基材に金属粉末を吹き付けることについて記載されている。このコールドスプレーでは、金属粉末を圧縮ガスとともに吹き付けている。特許文献2には、圧縮ガスの圧力が1.0MPa以下であり、圧縮ガスの温度が250℃〜550℃以下であることが記載されている。
特許文献3には、銅粒子及び銅合金粒子のうちの少なくとも一を含む金属紛体を不活性ガスとともに、セラミック基板上の金属層に吹き付けることが記載されている。金属紛体及び不活性ガスは、チャンバからノズルを経由して吹き付けられる。金属紛体は、10〜650℃に加熱され、チャンバ内における不活性ガスの圧力は、1.5〜5.0MPaである。
中国実用新案第206480611号明細書 特開2009−26953号公報 国際公開第2018/135490号
本発明者は、ベース板の銅含有層(例えば、銅層又は銅合金層)に何も処理をしない場合、銅含有層に錆が生じ得ることを新規に見出した。
本発明の目的の一例は、ベース板の銅含有層の錆を低減することにある。本発明の他の目的は、本明細書の記載から明らかになるであろう。
本発明の一態様は、
金属基複合材料基材と、金属基複合材料基材を覆う金属層と、を含む基板と、
前記基板上に位置する銅含有層と、
前記銅含有層を覆う防錆剤と、
を含むベース板である。
本発明の他の態様は、
金属基複合材料基材と、金属基複合材料基材を覆う金属層と、を含む基板上にコールドスプレーによって銅含有層を形成する工程と、
前記銅含有層を防錆剤で覆う工程と、
を含む、ベース板の製造方法である。
本発明の一態様によれば、ベース板の銅含有層の錆を低減することができる。
実施形態に係るベース板の平面図である。 図1のA−A´断面図である。 図2における金属層及び銅含有層の間の領域の詳細の一例を説明するための図である。 ベース板の製造方法の一例を説明するための図である。 図2の変形例を示す図である。 実施例1に係るベース板(MMC基材、金属層及び銅含有層)の断面SEM(走査電子顕微鏡)画像である。 図6に示した領域αの拡大図(上段)及び銅含有層の部位の拡大図(下段)である。 実施例2に係るベース板(MMC基材、金属層及び銅含有層)の断面SEM(走査電子顕微鏡)画像である。 図8に示した領域βの拡大図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は、実施形態に係るベース板10の平面図である。図2は、図1のA−A´断面図である。図3は、図2における金属層112及び銅含有層120の間の領域の詳細の一例を説明するための図である。
図2を用いて、ベース板10の概要を説明する。ベース板10は、基板100、銅含有層120及び防錆剤130を含んでいる。基板100は、金属基複合材料(MMC)基材110及び金属層112を含んでいる。金属層112は、MMC基材110を覆っている。銅含有層120は、基板100上に位置している。防錆剤130は、銅含有層120を覆っている。
上述した構成によれば、ベース板10の銅含有層120の錆を低減することができる。具体的には、上述した構成においては、銅含有層120は、防錆剤130によって覆われている。したがって、銅含有層120の錆を防錆剤130によって低減することができる。
特に、近年、電子部品においては、より過酷な環境で使用されたり、より長期に安定した性能を有することが求められたりする。従来、特に着目されていなかった錆に着目し、この錆を抑えることで、より優れたベース板が得られる。
基板100は、第1面102及び第2面104を有している。銅含有層120は、第1面102上に位置している。銅含有層120は、防錆剤130によって覆われている。防錆剤130で覆われた銅含有層120上には、はんだを介して半導体素子(例えば、IGBT)を搭載してもよい。半導体素子が搭載される場合、ベース板10は、ヒートシンクとして機能することができる。第2面104は、第1面102の反対側にある。銅含有層は、第2面104上にも位置していてもよい。
基板100は、MMC基材110及び金属層112を含んでいる。図2に示す例では、金属層112は、MMC基材110の全面を覆っている。
MMC基材110は、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金のうちの少なくとも一つを含んでいる。詳細には、MMC基材110は、例えば、アルミニウム−炭化ケイ素、アルミニウム−ダイヤモンド、アルミニウム合金−炭化ケイ素及びアルミニウム合金−ダイヤモンドからなる群から選択される少なくとも一つを含んでいてもよい。なお、MMC基材110は、上記の通り、アルミニウム及びアルミニウム合金のうちの少なくとも一つを20質量%以上含んでよく、25質量%以上含んでよく、30質量%以上含んでもよい。その他の成分としては、Si、Mgや不純物が挙げられる。
金属層112は、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金のうちの少なくとも一つを含んでいる。アルミニウム及びアルミニウム合金のうちの少なくとも一つを含む場合のこれらの含有量はとくに限定されないが、80質量%以上であってよく、90質量%以上であってよく、95質量%以上であってよい。その他の成分としてはSi、Mgや不純物が挙げられる。また、上記のように、アルミニウム及びアルミニウム合金のうちの少なくとも一つを主成分とすることで、銅含有層120とMMC基材110との密着性が良好になり、より優れたベース板が得られる。
銅含有層120は、銅及び銅合金のうちの少なくとも一つを含んでいる。銅含有層120は、例えば、銅層又は銅合金層である。銅含有層120は、例えば、銅及び銅合金のうちの少なくとも一つを80質量%以上含んでよく、90質量%以上の銅を含んでよく、95質量%以上含んでよい。銅合金は、例えば、Cu−Mo及びCu−Wのうちの少なくとも一つである。線膨張係数の低い金属元素(例えば、モリブデン又はタングステン)によって銅合金の線膨張係数を低減することができ、これによって、ベース板10のヒートサイクル耐性を向上させることができる。銅合金は、例えば85質量%以上、90質量%以上、95質量%以上の銅を含んでいる。また、合金成分は30質量%以下、20質量%以下、10質量%以下であってよい。また、その他の成分は不純物等であり、5質量%以下、3質量%以下、1質量%以下であってよい。
銅含有層120は、薄くしてもよく、例えば、100μm未満の厚さを有していてもよい。銅含有層120が薄いことで、ヒートサイクル(加熱又は冷却)による銅含有層120の熱応力を低減することができ、これによってベース板10(基板100)の反りを低減することができる。
銅含有層120の上記厚さは、例えば、銅含有層120のうちの最も厚い部分の厚さ(例えば、後述する図6において矢印で示された部分の厚さ)にしてもよい。ここで、「最も厚い部分」とは、図6と同様の断面SEM画像(倍率60倍)を5視野観察して最も厚い部分を指す(図6における「um」は「μm」を意味する)。他の例において、銅含有層120の厚さは、銅含有層120のうちの複数箇所の厚さの平均としてもよい。ここで、「厚さの平均」とは、図6と同様の断面SEM画像において、最も厚い部分と最も薄い部分の厚みを測定しこれらを平均して平均厚みを算出し、さらに、4視野で同様の測定と算出を行い、合計5視野の平均厚みを平均して計算する。最も厚い部分の厚さまたは厚さの平均が100μm未満になることで、上記の改善効果が得られる。
銅含有層120の表面粗さRa(算術平均粗さ)は、例えば、30μm以下にしてもよい。表面粗さRaがこの例の範囲にある場合、はんだ濡れ性を良好にすることができる。
図3を用いて、銅含有層120の詳細を説明する。
ベース板10は、基板100及び銅含有層120を含んでいる。基板100は、MMC基材110及び金属層112を含んでいる。金属層112は、MMC基材110を覆っている。銅含有層120は、基板100上に位置している。銅含有層120は、部位122を含んでいる。部位122は、基板100の金属層112に埋め込まれている。部位122は、第1領域122a及び第2領域122bを含んでいる。第1領域122aは、第1幅W1を有している。第2領域122bは、第1領域122aよりも深い位置にあって第2幅W2を有している。一断面(例えば、図3に示す断面)において、第1領域122aは、部位122のうちの第1幅W1の間隔を置いて互いに対向する一端部及びもう一端部(例えば、この一端部及びもう一端部は、それぞれ、図3において第1幅W1を示す両矢印のうちの左側矢印によって示される端部及び図3において第1幅W1を示す両矢印のうちの右側矢印によって示される端部である。)に亘って延伸している。同様にして、一断面(例えば、図3に示す断面)において、第2領域122bは、部位122のうちの第2幅W2の間隔を置いて互いに対向する一端部及びもう一端部(例えば、この一端部及びもう一端部は、それぞれ、図3において第2幅W2を示す両矢印のうちの左側矢印によって示される端部及び図3において第2幅W2を示す両矢印のうちの右側矢印によって示される端部である。)に亘って延伸している。
上述した構成によれば、ベース板10の銅含有層120の剥離耐性を向上させることができる。具体的には、部位122の第2領域122bは、部位122の埋め込みのアンカーを形成しており、部位122が金属層112から抜けないようにすることができる。したがって、銅含有層120を金属層112に強固に接合することができる。これにより、ベース板10の銅含有層120の剥離耐性を向上させることができる。アンカー効果を得るためにはW2>W1の関係にあることが必要であり、少なくとも任意の一断面でW2>W1の関係にあればよい。
部位122の上端の幅(図3における第1幅W1)は、例えば、10μm以上100μm以下である。部位122の上端から下端までの距離(図3における深さD)は、例えば、5μm以上50μm以下である。なお、図3に示す例において、第1幅W1は、部位122の上端の幅となっているが、第1幅W1は、部位122の上端よりも低い位置における幅であってもよい。
部位122の上端の位置は、例えば、次のようにして決定してもよい。
図3に示すように、銅含有層120のうちの部位122及びその周辺部は、部位122の側壁SWとそれぞれ連続的である上端部TH及び上端部TLを有している。上端部TLは、上端部THより低い(深い)位置にある。この場合、部位122の上端は、上端部TLを通る水平線HL(水平線HLは、例えば、基板100の第1面102(例えば、図2)のうちの実質的に平坦な面と平行な線である。)によって決定される。すなわち、部位122の上端は、水平線HLが通る位置となる。
防錆剤130は、例えば、フッ素化合物、ホウ素化合物、イミダゾール化合物、ジエタノールアミン化合物、トリエタノールアミン化合物、ベンゾイミダゾール化合物、ベンゾトリアゾール化合物及びカルボン酸エステル化合物からなる群から選択される少なくとも一つを含んでいる。これらの防錆剤以外に、不純物等のその他の成分を含んでもよい。その他の成分の含有量は30質量%以下であってよく、20質量%以下であってよく、10質量%以下であってよく、5質量%以下であってよい。
防錆剤130は、銅含有層120へのハンダ付け温度(例えば、450℃)以下の熱分解温度を有する化合物を含んでいてもよい。この場合、銅含有層120へのハンダ付けにおいて、防錆剤130の大部分を銅含有層120から取り除くことができる。防錆剤130は、熱分解温度に加えて、例えば、防錆及び耐変色の観点から選択することができる。上記で例示された化合物の中でも、防錆剤130は、特に、ホウ素化合物又はイミダゾール化合物を含むことができる。
図2に示す通り、本実施形態では、防錆剤130は、金属層112と接する領域以外の、銅含有層120の表面全体を覆うが、一部でも覆えば防錆剤による防錆効果が得られる。ただし、表面全体において防錆効果を付与することが好ましいため、図2に示す通り、金属層112と接する領域以外の、銅含有層120の表面全体を覆うことが好ましい。なお、一部を覆う場合には、スプレー等で防錆剤の塗りむらがある場合や、意図的に一部の領域にのみ防錆剤を形成する場合などが挙げられる。
図1を用いて、ベース板10の平面レイアウトの詳細を説明する。
基板100の第1面102は、実質的に矩形形状を有している。この矩形は、厳密な矩形でなくてもよく、例えば、切片が形成された辺を有していてもよいし、又は丸まった角を有していてもよい。基板100の第1面102は、矩形とは異なる形状を有していてもよい。
基板100の第1面102上には、複数の銅含有層120が並んでいる。複数の銅含有層120は、基板100の第1面102の中心に関して実質的に対称に配置されている。複数の銅含有層120は、図1に示す例とは異なるレイアウトに配置されていてもよい。
各銅含有層120は、実質的に矩形形状を有している。この矩形は、厳密な矩形でなくてもよく、例えば、切片が形成された辺を有していてもよいし、又は丸まった角を有していてもよい。各銅含有層120は、矩形とは異なる形状を有していてもよい。
基板100の第1面102は、第1領域102a及び第2領域102bを含んでいる。第1領域102aは、銅含有層120と重なっている。特に図1に示す例では、複数の第1領域102a(4つの第1領域102a)が互いに離間して並んでいる。第2領域102bは、銅含有層120と重なっていない。第1面102の全体の面積は、第1領域102aの面積及び第2領域102bの面積の和となる。第1面102における銅含有層120の占有率は大きくしてもよい。例えば、第1面102の全面積に対する第1領域102a(図1に示す例では、4つの第1領域102a)の面積の比は、60%以上にしてもよい。
図4は、ベース板10の製造方法の一例を説明するための図である。図4を用いて、ベース板10の製造方法の一例を説明する。
まず、基板100を形成する。具体的には、MMC基材110の表面上に金属層112を形成する。金属層112は、例えば、メッキによって形成することができる。
次いで、図4に示すように、基板100上にコールドスプレーによって銅含有層120を形成する。本実施形態において、コールドスプレーによる銅含有層120の形成は、以下のようになる。
まず、加熱された不活性ガスの吹き付けによって基板100を加熱する。不活性ガスは、ガスシリンダ220から圧力レギュレータ232及びヒータ234を経由してチャンバ212に送り、チャンバ212からノズル210を経由して基板100に吹き付けることができる。チャンバ212内における不活性ガスの温度は、例えば、100℃以上1000℃以下にすることができ、チャンバ212内における不活性ガスの圧力は、例えば、1MPa以上7MPa以下にすることができる。本発明者は、銅含有層120を形成する金属粉(詳細は後述する。)を基板100に吹き付ける前に基板100を不活性ガスによって加熱することで、金属粉が基板100に埋め込まれやすくなる傾向があることを見出した。
次いで、基板100が加熱時の温度を保った状態で、銅含有層120を形成する金属粉を、不活性ガスとともに基板100の第1面102に吹き付ける。金属粉は、金属粉供給源244内に貯蔵されている。金属粉は、ガスシリンダ220から圧力レギュレータ242を経由した金属粉供給源244に送られた不活性ガスとともに、チャンバ212に送られる。不活性ガスは、圧力レギュレータ232及びヒータ234を経由してもチャンバ212に送られる。金属粉及び不活性ガスは、チャンバ212からノズル210を経由して基板100の第1面102に吹き付けられる。
チャンバ212内における不活性ガスの温度は、例えば、800℃以上900℃以下にすることができる。本発明者は、不活性ガスの温度を上述した下限以上に設定することで、金属粉が基板100に埋め込まれやすくなる傾向があることを見出した。不活性ガスの温度の上限は、種々の観点、例えば、金属粉を溶融又は軟化させない観点から決定することができる。
チャンバ212内における不活性ガスの圧力は、例えば、5.0MPa以上7.0MPa以下にすることができる。本発明者は、不活性ガスの圧力を上述した下限以上に設定することで、金属粉が基板100に埋め込まれやすくなる傾向があることを見出した。不活性ガスの圧力の上限は、種々の観点、例えば、生産性の観点から決定することができる。
金属粉は、例えば、銅粉、銅合金粉又はこれらの組み合わせにすることができる。金属粉の平均粒径は、例えば、30μm以上45μm以下にすることができる。
不活性ガスは、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス又はこれらの混合ガスにすることができる。
不活性ガスによる基板100の加熱前、基板100の第1面102を、例えば、サンドブラストによって、粗化してもよい。
次いで、銅含有層120を防錆剤130で覆う。防錆剤130は、例えば、ディッピング(防錆剤130を含む溶液に基板100及び銅含有層120を浸し、基板100及び銅含有層120を溶液から引き上げること)、塗布又はスプレーによって形成することができる。
このようにして、ベース板10が製造される。
図5は、図2の変形例を示す図である。
金属層112は、MMC基材110の全面を覆っていなくてもよい。例えば、図5に示すように、金属層112は、MMC基材110のうちの第2面104側の面を覆わずにMMC基材110のうちの第1面102側の面を覆っていてもよい。さらに、図5に示す例では、金属層112は、MMC基材110のうちの第1面102及び第2面104の間の側面を覆っている。例えば、MMC基材110の全面を金属層112で覆った後、MMC基材110のうちの第2面104側の金属層112を除去することで、MMC基材110のうちの第2面104側の面を金属層112から露出させることができる。他の例において、金属層112は、MMC基材110のうちの第1面102及び第2面104の間の側面を覆っていなくてもよい。
図6は、実施例1に係るベース板10(MMC基材110、金属層112及び銅含有層120)の断面SEM(走査電子顕微鏡)画像である。図7は、図6に示した領域αの拡大図(上段)及び銅含有層120の部位122の拡大図(下段)である。
実施例1に係るベース板10は、以下のようにして製造した。
まず、基板100の第1面102をサンドブラストによって粗化した。
次いで、加熱された窒素ガスの吹き付けによって基板100を加熱した。窒素ガスの吹き付けは、図4を用いて説明した方法と同様にした。実施例1では、チャンバ212内における窒素ガスの温度を800℃とした。
次いで、基板100が加熱時の温度を保った状態で、銅含有層120を形成する金属粉を、窒素ガスとともに基板100の第1面102に吹き付けた。金属粉及び窒素ガスの吹き付けは、図4を用いて説明した方法と同様にした。実施例1では、チャンバ212内における窒素ガスの温度は、800℃とし、チャンバ212内における窒素ガスの圧力は、5.0MPaとした。さらに、防錆剤に浸漬させる方法で、防錆剤としてホウ素化合物を銅含有層120上に塗布した。
このようにして、図6及び図7に示すベース板10を製造した。
気温35℃、湿度85%の環境に40日暴露する方法で、防錆性能を確認した。防錆剤を塗布しない場合と比較して、防錆剤を塗布した実施例1は、銅が錆びにくく、さらに、ヒートシンク等の電子部品に必要な性能を高く維持できることが確認された。なお、この効果を、防錆剤の種類をイミダゾール化合物やトリエタノールアミン化合物に変更しても奏することも確認した。
なお、図7に示すように、銅含有層120は、部位122を含んでいる。部位122は、基板100の金属層112に埋め込まれている。部位122は、第1領域122a及び第2領域122bを含んでいる。第1領域122aは、第1幅W1を有している。第2領域122bは、第1領域122aよりも深い位置にあって第2幅W2を有している。したがって、銅含有層120の部位122は、金属層112に強固に接合されていることが示唆される。
図8は、実施例2に係るベース板10(MMC基材110、金属層112及び銅含有層120)の断面SEM(走査電子顕微鏡)画像である。図9は、図8に示した領域βの拡大図である。
実施例2に係るベース板10は、以下の点を除いて、実施例1に係るベース板10と同様に製造した。
まず、基板100の第1面102をサンドブラストによって粗化した。
次いで、加熱された窒素ガスの吹き付けによる基板100の加熱を実施することなく、銅含有層120を形成する金属粉を、窒素ガスとともに基板100の第1面102に吹き付けた。金属粉及び窒素ガスの吹き付けは、図4を用いて説明した方法と同様にした。実施例2では、チャンバ212内における窒素ガスの温度は、600℃とし、チャンバ212内における窒素ガスの圧力は、3.0MPaとした。
実施例1と同様にして、防錆性能を確認した。防錆性能を高めることによる品質維持効果は実施例1と実施例2において同様であった。
図8及び図9を用いて、実施例2に係るベース板10を説明する。
なお、図9に示すように、金属層112及び銅含有層120の間には、隙間が存在している。したがって、銅含有層120は、金属層112に強固に接合されていないことが示唆される。さらに、銅含有層120は、金属層112に埋め込まれた部位を有するものの、その部位の幅は、金属層112の下方に向けて低下している。したがって、銅含有層120の埋め込まれた部位は、金属層112に強固に接合されていないことが示唆される。
なお、実施例1及び実施例2の比較より、基板100が高温状態において、金属粉を高温及び高圧力で吹き付けることにより、部位122の埋め込みのアンカー(図7)が形成され、ベース板10の銅含有層120の剥離耐性を向上させることができるといえる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
10 ベース板
100 基板
102 第1面
102a 第1領域
102b 第2領域
104 第2面
110 基材
110 MMC基材
112 金属層
120 銅含有層
122 部位
122a 第1領域
122b 第2領域
130 防錆剤
210 ノズル
212 チャンバ
220 ガスシリンダ
232 圧力レギュレータ
234 ヒータ
242 圧力レギュレータ
244 金属粉供給源

Claims (10)

  1. 金属基複合材料基材と、金属基複合材料基材を覆う金属層と、を含む基板と、
    前記基板上に位置する銅含有層と、
    前記銅含有層を覆う防錆剤と、
    を含むベース板。
  2. 請求項1に記載のベース板において、
    前記防錆剤は、フッ素化合物、ホウ素化合物、イミダゾール化合物、ジエタノールアミン化合物、トリエタノールアミン化合物、ベンゾイミダゾール化合物、ベンゾトリアゾール化合物及びカルボン酸エステル化合物からなる群から選択される少なくとも一つを含む、ベース板。
  3. 請求項1又は2に記載のベース板において、
    前記防錆剤は、450℃以下の熱分解温度を有する化合物を含む、ベース板。
  4. 請求項1から3までのいずれか一項に記載のベース板において、
    前記銅含有層は、100μm未満の厚さを有する、ベース板。
  5. 請求項1から4までのいずれか一項に記載のベース板において、
    前記基板は、前記銅含有層と重なる少なくとも一の第1領域と、前記銅含有層と重ならない第2領域と、を含む第1面を有し、
    前記第1面の全体の面積に対する前記少なくとも一の第1領域の面積の比は、60%以上である、ベース板。
  6. 請求項1から5までのいずれか一項に記載のベース板において、
    前記銅含有層の表面粗さRaは、30μm以下である、ベース板。
  7. 請求項1から6までのいずれか一項に記載のベース板において、
    前記金属基複合材料基材は、アルミニウム及びアルミニウム合金のうちの少なくとも一つを含み、
    前記金属層は、アルミニウム及びアルミニウム合金のうちの少なくとも一つを含む、ベース板。
  8. 請求項1から7までのいずれか一項に記載のベース板において、
    前記銅含有層は、銅合金を含む、ベース板。
  9. 請求項8に記載のベース板において、
    前記銅合金は、Cu−Mo及びCu−Wのうちの少なくとも一つである、ベース板。
  10. 金属基複合材料基材と、金属基複合材料基材を覆う金属層と、を含む基板上にコールドスプレーによって銅含有層を形成する工程と、
    前記銅含有層を防錆剤で覆う工程と、
    を含む、ベース板の製造方法。
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