JP2020166957A - マグネシウム空気電池 - Google Patents

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孝二 星野
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Abstract

【課題】使用によってマグネシウムが消費されても安定して集電することができるとともに、重量出力エネルギー密度を向上させることができ、大容量化を図ることが可能なマグネシウム空気電池を提供する。【解決手段】マグネシウム燃料極30は、マグネシウムよりも貴な金属からなる芯材の周囲にマグネシウム層が配設された複合線材がコイルばね形状に成形された構造とされ、軸線に沿って延在する内周孔を備えた筒形状をなしており、マグネシウム燃料極30の前記内周孔に、棒状の空気極20が挿入されるとともに、マグネシウム燃料極30と空気極20との間の空間に電解質材料18が配設されることにより、電池セル15が構成されており、マグネシウム燃料極30の前記軸線方向の一端側と他端側から、集電部41を備えた固定部材40で挟みこむことにより、マグネシウム燃料極30及び空気極20が固定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、マグネシウム又はマグネシウム合金を負極活物質とするマグネシウム燃料極と、空気中の酸素を取り込んで正極活物質とする空気極と、を備えたマグネシウム空気電池に関するものである。
マグネシウムは、塩基性溶液又は酸溶液中でのイオン化速度が他の金属より高く、そのため,マグネシウムを負極材として用いる電池は、リチウムイオン2次電池より6倍も高い重量出力エネルギー密度の高性能な電池となる可能性があり、大容量の発電が期待される。
また、マグネシウムは、リチウム材に比べて海水、砂漠中での地殻埋蔵量が多く、将来的なエネルギー資源として有望である。また、マグネシウム材においては、電解質材料と接触することによって発電して電池となることから、電解質材料を注入するまでは、自然放電、電極劣化もなく、ほぼ初期状態が保つことができるため、メンテナンスが容易となる。
以上のような利点を有していることから、マグネシウム燃料極を負極とする各種マグネシウム電池が開発されている。
上述のマグネシウム電池としては、例えば特許文献1に示すように、空気中の酸素を取り込んで正極活物質とする空気極と、マグネシウム又はマグネシウム合金を含む金属を負極活物質とした金属極と、電解液を介して対向配置した構造のものが一般的である。
また、特許文献2には、ロール状に形成されたマグネシウムフィルムからなるマグネシウム空気電池用燃料体と、空気を正極活物質とする正極と、セパレータと、を備えたマグネシウム空気電池が提案されている。特許文献2に記載されたマグネシウム空気電池においては、ロール状に巻いたマグネシウムフィルムを供給部から巻取部へと送り出し、供給部と巻取部の間に配置された電池本体(電解液)内を通過させ、マグネシウム空気電池の負極として作用させる構造とされている。
特開2013−191481号公報 特許第5598883号公報
ところで、特許文献1に示すように、空気極と、マグネシウム又はマグネシウム合金を含む金属を負極活物質とした金属極と、を対向配置したマグネシウム空気電池においては、金属極は平板形状をなしており、空気極と対向した面でのみ反応が進行することになるため、重量出力エネルギー密度が低くなり、マグネシウム空気電池全体として効率が低くなる傾向にある。また、マグネシウム燃料極に含まれるマグネシウム量を十分に確保できず、大容量の電池を構成することが困難であった。さらに、金属極のうち空気極と対向しない領域に導電層を設け、さらに外部接続用のリードを配設しているが、使用によってま金属極が損耗すると、これら導電層及びリードが剥離するおそれがあり、安定して使用できないおそれがあった。
また、特許文献2に示す構造のマグネシウム空気電池においては、負極となるマグネシウムフィルムが、逐次、電池本体(電解液)内に供給されることになるが、マグネシウムフィルムの表面でのみ反応が進行することになり、やはり、重量出力エネルギー密度が低く、マグネシウム空気電池全体として効率が低くなる傾向にあり、大容量の電池を構成することが困難であった。また、負極となるマグネシウム燃料体を電池本体(電解液)内に連続的に供給するように構成されているため、構造が複雑であり、製造コストが増大するといった問題があった。
本発明は、以上のような事情を背景としてなされたものであって、使用によってマグネシウムが消費されても安定して集電することができるとともに、重量出力エネルギー密度を向上させることができ、大容量化を図ることが可能なマグネシウム空気電池を提供することを目的とする。
このような課題を解決して、上述の目的を達成するために、本発明のマグネシウム空気電池は、マグネシウム又はマグネシウム合金を負極活物質とするマグネシウム燃料極と、空気中の酸素を取り込んで正極活物質とする空気極と、を備えたマグネシウム空気電池であって、前記マグネシウム燃料極は、マグネシウムよりも貴な金属からなる芯材の周囲にマグネシウム層が配設された複合線材がコイルばね形状に成形された構造とされ、軸線に沿って延在する内周孔を備えた筒形状をなしており、前記マグネシウム燃料極の前記内周孔に、棒状の空気極が挿入されるとともに、前記マグネシウム燃料極と前記空気極との間の空間に電解質材料が配設されることにより、電池セルが構成されており、前記マグネシウム燃料極の前記軸線方向の一端側と他端側から、集電部を備えた固定部材で挟みこむことにより、前記マグネシウム燃料極及び前記空気極が固定されていることを特徴としている。
この構成のマグネシウム空気電池によれば、前記マグネシウム燃料極は、マグネシウムよりも貴な金属からなる芯材の周囲にマグネシウム層が配設された複合線材がコイルばね形状に成形された構造とされており、前記マグネシウム燃料極の前記軸線方向の一端側と他端側から、集電部を備えた固定部材で挟みこむことにより、前記マグネシウム燃料極及び前記空気極が固定されているので、マグネシウムが反応によって消費された場合であっても、貴な金属からなる芯材によってコイルばね形状が維持され、ばねの反発力によって、固定部材に設けられた集電部との接触圧力が確保され、マグネシウム燃料極との通電が担保されることになる。
また、筒形状をなすマグネシウム燃料極の内周孔に、棒状の空気極が挿入され、前記マグネシウム燃料極と前記空気極との間の空間に電解質材料が配設されることで電池セルが構成されているので、マグネシウム燃料極の内周面と空気極の外周面とが電解質材料を介して対向配置されることになり、負極(マグネシウム燃料極)及び正極(空気極)での反応を促進することができ、重量出力エネルギー密度を向上させることが可能となる。また、マグネシウム燃料極がコイルばね形状に成形されているので、反応に寄与するマグネシウム量を十分に確保でき、電池の大容量化を図ることが可能となる。
ここで、本発明のマグネシウム空気電池においては、複数の収容室が形成されたケース本体を有し、前記収容室にそれぞれ前記マグネシウム燃料極及び前記空気極が配設されることにより、複数の前記電池セルが形成されており、前記固定部材によって複数の前記電池セルが並列接続された構造とされていることが好ましい。
この場合、ケース本体に形成された複数の収容室にそれぞれ前記マグネシウム燃料極及び前記空気極が配設されることによって形成された複数の前記電池セルが、前記固定部材によって並列接続された構造とされているので、複数の電池セル間の電圧のばらつきを緩和することができ、マグネシウム空気電池を安定して使用することが可能となる。
さらに、本発明のマグネシウム空気電池においては、前記電池セルが、前記マグネシウム燃料極の前記軸線に沿って複数積層され、前記電池セルが直列に接続された構造とされていることが好ましい。
この場合、前記電池セルが、前記マグネシウム燃料極の前記軸線に沿って複数積層され、前記固定部材を介して、前記電池セルが直列に接続された構造とされているので、電圧を高くすることができ、マグネシウム空気電池の性能を大幅に向上させることが可能となる。
本発明によれば、使用によってマグネシウムが消費されても安定して集電することができるとともに、重量出力エネルギー密度を向上させることができ、大容量化を図ることが可能なマグネシウム空気電池を提供することができる。
本発明の実施形態であるマグネシウム空気電池の説明図である。(a)が平面図、(b)が断面図である。 本発明の実施形態であるマグネシウム空気電池における電池セルの構造を示す説明図である。 本発明の実施形態であるマグネシウム空気電池における電池セルの回路図である。 本発明の実施形態であるマグネシウム空気電池を構成する空気極の概略説明図である。 本発明の実施形態であるマグネシウム空気電池を構成するマグネシウム燃料極の概略説明図である。(a)が斜視図、(b)がマグネシウム燃料極を構成する複合線材の断面図である。
以下に、本発明の実施形態であるマグネシウム空気電池について、添付した図面を参照して説明する。
なお、本実施形態であるマグネシウム空気電池は、例えば、車載用のリチウムイオン電池等への充電用電池として使用可能な大容量電池とされている。
本実施形態であるマグネシウム空気電池10においては、図1に示すように、空気中の酸素を取り込んで正極活物質とする空気極20と、マグネシウム又はマグネシウム合金を負極活物質とするマグネシウム燃料極30と、これらマグネシウム燃料極30と前記空気極20との間の空間に配設された電解質材料18と、から構成された電池セル15を有している。
本実施形態のマグネシウム空気電池10においては、図1(a)に示すように、複数の収容室12が形成されたケース本体11を有しており、これらの収容室12にそれぞれマグネシウム燃料極30及び空気極20が配設されることにより、複数の電池セル15が形成されている。
そして、収容室12に配設されたマグネシウム燃料極30及び空気極20は、図1(b)に示すように、マグネシウム燃料極30の軸線O方向の一端側と他端側から、集電部41を備えた固定部材40で挟みこむことによって固定されている。
ここで、本実施形態では、図1(a)に示すように、ケース本体11は、ハニカム構造とされており、断面が概略正六角形形状をなす収容室12が複数形成されたものとされている。
なお、ケース本体11は、絶縁性に優れた材料で構成されており、例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂で構成されている。
また、ケース本体11の厚さ(収容室12の高さ)は、10mm以上400mm以下の範囲内とすることが好ましい。
さらに、収容室12の断面積(ケース本体11の厚さ方向に直交する断面の面積)は、300mm以上3000mm以下の範囲内とすることが好ましい。
電池セル15は、図2に示すように、コイルばね形状に成形されたマグネシウム燃料極30の内周孔31に、棒状の空気極20が挿入された構造とされている。そして、マグネシウム燃料極30と空気極20との間の空間に電解質材料18が配設されている。
本実施形態では、収容室12の内部には、電解質材料18として電解液が充填されており、収容室12に充填された電解液、マグネシウム燃料極30及び空気極20が浸漬されている。
収容室12に配設されたマグネシウム燃料極30及び空気極20を、マグネシウム燃料極30の軸線O方向の一端側と他端側から挟み込むことで固定する固定部材40は、例えば、ポリプロピレンで構成されている。また、固定部材40の収容室12側を向く面には、回路パターン状に集電部41が形成されており、この集電部41がマグネシウム燃料極30及び空気極20に接触することで、ケース本体11に収容された複数の電池セル15が並列接続されることになる。これにより、複数の電池セル15が並列接続された電池セル集合体16が形成される。
また、本実施形態では、図3に示すように、上述の電池セル集合体16が、マグネシウム燃料極30の軸線Oに沿って複数積層され、これら電池セル集合体16が直列に接続された構造とされている。
ここで、正極となる空気極20は、空気中の酸素を吸着する作用を有する炭素材で構成されている。
本実施形態においては、正極となる空気極20は、図4に示すように、多孔質の炭素材からなる炭素シート材21(本実施形態では、炭素繊維不織布)がロール状に丸められることによって円筒形状(棒状)に形成されている。これにより、空気極20においては、その軸線に沿って延在するように、空気(酸素)を導入するガス流通路22が形成されている。
また、本実施形態においては、図4に示すように、ガス流通路22の内周面には、撥水層23が形成されている。この撥水層23は、ガス流通路22の内周面に、例えばフッ素系樹脂等をコーティングすることによって構成されている。
さらに、本実施形態では、図4に示すように、空気極20の外周面には、絶縁層24が形成されている。具体的には、絶縁性に優れたポリエチレンからなる不織布が巻かれることによって、上述の絶縁層24が形成されている。
負極となるマグネシウム燃料極30は、図5に示すように、マグネシウムよりも貴な金属からなる芯材34の周囲にマグネシウム層35が配設された複合線材33がコイルばね形状に成形された構造とされ、軸線Oに沿って延在する内周孔31を備えた筒形状(本実施形態では、円筒形状)をなしている。
なお、複合線材33の断面形状(延在方向に直交する断面の形状)は、特に制限はなく、円形状、楕円形状、多角形状をなしていてもよい。本実施形態では、図5(b)に示すように、複合線材33が断面矩形状の平角線とされている。
ここで、上述の芯材34を構成するマグネシウムよりも貴な金属としては、例えば、鉄(Fe),アルミニウム(Al),銅(Cu),亜鉛(Zn),ニッケル(Ni)等を用いることができる。
なお、芯材34の断面形状(延在方向に直交する断面の形状)は、特に制限はなく、円形状、楕円形状、多角形状をなしていてもよい。本実施形態では、図5(b)に示すように、芯材34が断面矩形状の平角線とされている。
また、マグネシウム層35は、マグネシウム又はマグネシウム合金で構成されたものとされている。
ここで、本実施形態では、マグネシウム層35は、カルシウムを含むMg−Ca合金、具体的には、Caを1.0mass%以上7.0mass%以下の範囲内で含有するMg−Ca合金で構成されていることが好ましい。
ここで、このマグネシウム燃料極30は、以下のようにして製造することができる。
まず、マグネシウムよりも貴な金属からなる芯材34を準備し、この芯材34をマグネシウム溶湯中に繰り返し通過させることで、芯材34の外周面にマグネシウムを付着させる、いわゆるDIP法により、芯材34の周囲にマグネシウム層35を形成し、複合線材33を形成する。
そして、この複合線材33を曲げ加工してコイルばね形状に成形することにより、本実施形態であるマグネシウム燃料極30が製造される。
なお、本実施形態のマグネシウム燃料極30においては、複合線材33における芯材34の断面積c(延在方向に直交する断面の面積)は、0.03mm以上3mm以下の範囲内とすることが好ましい。
複合線材33における芯材34の断面積cを0.03mm以上とすることで、マグネシウム層35のマグネシウムが使用によって消費されても剛性を確保でき、ばねの反発力によって固定部材40の集電部41に十分な接触圧で接触することになり、通電状態を維持できる。一方、複合線材33における芯材34の断面積cを3mm以下とすることで、燃料となるマグネシウム量を確保するとともに、マグネシウム燃料極30の軽量化を図ることが可能となる。
なお、複合線材33における芯材34の断面積cの下限は0.09mm以上とすることがさらに好ましく、0.2mm以上とすることがより好ましい。一方、複合線材33における芯材34の断面積cの上限は1.2mm以下とすることがさらに好ましく、0.6mm以下とすることがより好ましい。
また、本実施形態のマグネシウム燃料極30においては、芯材34の断面積cとマグネシウム層35の断面積mとの比c/mが1/250000以上1/50以下の範囲内であることが好ましい。
芯材34の断面積cとマグネシウム層35の断面積mとの比c/mを1/250000以上とすることで、芯材34の断面積cが確保され、マグネシウム層35のマグネシウムが使用によって消費されても剛性を確保でき、ばねの反発力によって固定部材40の集電部41に十分な接触圧で接触することになり、通電状態を維持できる。一方、芯材34の断面積cとマグネシウム層35の断面積mとの比c/mを1/50以下とすることで、マグネシウム層35の断面積mが確保され、燃料となるマグネシウム量を十分に確保することが可能となる。
なお、芯材34の断面積cとマグネシウム層35の断面積mとの比c/mの下限は1/100000以上とすることがさらに好ましく、1/30000以上とすることがより好ましい。一方、芯材34の断面積cとマグネシウム層35の断面積mとの比c/mの上限は1/500以下とすることがさらに好ましく、1/3000以下とすることがより好ましい。
収容室12に充填され、空気極20とマグネシウム燃料極30の間に配設される電解質材料18は、塩基性電解質で構成されており、本実施形態では、例えば、10〜20質量%の塩化ナトリウム水溶液(すなわち、塩水)とされている。
このような構成のマグネシウム空気電池10においては、負極(マグネシウム燃料極30)及び正極(空気極20)において、以下のような反応が起こることになる。
負極 : Mg → Mg2++2e
正極 : 1/2O+HO+2e → 2OH
全反応 : Mg+1/2O+HO → Mg(OH)
以上のように、マグネシウム空気電池10においては、負極活物質であるマグネシウム又はマグネシウム合金が電解質材料18(本実施形態では、塩水)と反応して水酸化マグネシウムが形成されることになる。
ここで、重量出力エネルギー密度を向上させるためには、空気極20において空気中の酸素を効率的に取り込んで、電解質材料18側へと供給し、上述の反応を促進させることが必要となる。
また、重量出力エネルギー密度を向上させるとともに大容量の電池を構成するためには、電解質材料18との接触面積を確保してマグネシウムの反応を促進させるとともに、反応に寄与するマグネシウム量を確保することが必要となる。
ここで、本実施形態のマグネシウム空気電池においては、電池セル15における空気極20の断面積A(収容室の高さ方向に直交する断面の面積)とマグネシウム燃料極30の断面積B(収容室の高さ方向に直交する断面の面積)との比A/Bは、1/6以上6/1以下の範囲内とされていることが好ましい。
電池セル15における空気極20の断面積Aとマグネシウム燃料極の断面積Bとの比A/Bを1/6以上とすることで、空気極20の断面積Aが確保され、確実に空気から効率的に酸素を取り込むことが可能となる。一方、電池セル15における空気極20の断面積Aとマグネシウム燃料極の断面積Bとの比A/Bを6/1以下とすることで、マグネシウム燃料極30の断面積Bが確保され、燃料となるマグネシウム量を十分に確保することができ、大容量の電池を構成することが可能となる。
なお、電池セル15における空気極20の断面積Aとマグネシウム燃料極の断面積Bとの比A/Bの下限は1/4以上とすることがさらに好ましく、1/3以上とすることがより好ましい。一方、電池セル15における空気極20の断面積Aとマグネシウム燃料極の断面積Bとの比A/Bの上限は4/1以下とすることがさらに好ましく、2/1以下とすることがより好ましい。
以上のような構成とされた本実施形態であるマグネシウム空気電池10によれば、マグネシウム燃料極30が、マグネシウムよりも貴な金属からなる芯材34の周囲にマグネシウム層35が配設された複合線材33がコイルばね形状に成形されることで筒形状(本実施形態では、円筒形状)をなし、このマグネシウム燃料極30の内周孔31に棒状の空気極20が挿入され、マグネシウム燃料極30の軸線O方向の一端側と他端側から、集電部41を備えた固定部材40で挟みこむことにより、マグネシウム燃料極30及び空気極20が固定されているので、マグネシウムが反応によって消費された場合であっても、貴な金属からなる芯材34によってコイルばね形状が維持され、ばねの反発力によって、固定部材40に設けられた集電部41との接触圧力が確保され、マグネシウム燃料極30との通電が担保されることになる。
また、筒形状(本実施形態では、円筒形状)をなすマグネシウム燃料極30の内周孔31に、棒状の空気極20が挿入され、前記マグネシウム燃料極30と前記空気極20との間の空間に電解質材料18が配設されることで電池セル15が構成されているので、マグネシウム燃料極30の内周面と空気極20の外周面とが電解質材料18を介して対向配置されることになり、負極(マグネシウム燃料極30)及び正極(空気極20)での反応を促進することができ、重量出力エネルギー密度を向上させることが可能となる。また、マグネシウム燃料極30がコイルばね形状に成形されているので、反応に寄与するマグネシウム量を十分に確保でき、電池の大容量化を図ることが可能となる。
また、本実施形態であるマグネシウム空気電池10においては、複数の収容室12が形成されたケース本体11を有し、これらの収容室12にそれぞれマグネシウム燃料極30及び空気極20が配設されることにより、複数の電池セル15が形成されており、上述の固定部材40によって複数の電池セル15が並列接続された構造の電池セル集合体16を備えているので、各電池セル15間の電圧のばらつきを緩和することが可能となる。
さらに、本実施形態であるマグネシウム空気電池10においては、電池セル集合体16が、マグネシウム燃料極30の軸線Oに沿って複数積層され、固定部材40を介して複数の電池セル集合体16が直列に接続された構造とされているので、電圧を高くすることができ、マグネシウム空気電池10の性能を大幅に向上させることが可能となる。
また、本実施形態においては、空気極20が、複数の空孔を有する多孔質の炭素材で構成されており、この空孔とは別に空気(酸素)を導入するガス流通路22を有しているので、空気中の酸素を、ガス流通路22を介して効率良く取り込むことができる。そして、取り込まれた酸素は、空孔を介して電解質材料18側へと供給されることになり、酸素の流通方向が一方向となり、酸素の流れが安定することになる。
また、図4に示すように、空気極20のガス流通路22の内壁面に撥水層23が形成されているので、ガス流通路22の内部に水分が滞留することが抑制され、空気中の酸素を、ガス流通路22を介してさらに効率的に取り込むことが可能となる。
さらに、空気極20の外周面に絶縁層24が形成されているので、マグネシウム燃料極30の内周孔31に挿入されても、マグネシウム燃料極30と空気極20との短絡を防止することができる。
さらに、本実施形態においては、マグネシウム燃料極30のマグネシウム層35が、カルシウムを含むMg−Ca合金で構成されているので、加工性に優れており、芯材34の周囲に配設されるマグネシウム層35を比較的容易に、かつ、安定して成形することが可能となる。また、Mg−Ca合金は、難燃性に優れており、マグネシウム燃料極30の管理が容易となる。
また、本実施形態においては、ケース本体11がハニカム構造とされ、概略正六角形形状をなす収容室12にマグネシウム燃料極30と電池セル15が配設されることで電池セル15が形成されているので、複数の電池セル15を比較的密に形成することができ、重量出力エネルギー密度をさらに向上させるとともに、さらに大容量の電池を構成することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、図4及び図5に示すように、空気極及びマグネシウム燃料極を、断面円形の円柱形状(円筒形状)のものとして説明したが、これに限定されることはなく、断面が楕円形状、多角形状をなしていてもよい。
また、本実施形態では、図1に示すように、ケース本体をハニカム構造とし、概略正六角形形状をなす収容室を有するものとして説明したが、これに限定されることはなく、その他の形状の収容室が形成されたものであってもよい。
さらに、本実施形態では、電解質材料として塩水を用いており、この塩水を収容室に充填したものとして説明したが、これに限定されることはなく、他の電解質材料を用いてもよい。
10 マグネシウム空気電池
11 ケース本体
12 収容室
15 電池セル
18 電解質材料
20 空気極
30 マグネシウム燃料極
31 内周孔
33 複合線材
34 芯材
35 マグネシウム層

Claims (3)

  1. マグネシウム又はマグネシウム合金を負極活物質とするマグネシウム燃料極と、空気中の酸素を取り込んで正極活物質とする空気極と、を備えたマグネシウム空気電池であって、
    前記マグネシウム燃料極は、マグネシウムよりも貴な金属からなる芯材の周囲にマグネシウム層が配設された複合線材がコイルばね形状に成形された構造とされ、軸線に沿って延在する内周孔を備えた筒形状をなしており、
    前記マグネシウム燃料極の前記内周孔に、棒状の空気極が挿入されるとともに、前記マグネシウム燃料極と前記空気極との間の空間に電解質材料が配設されることにより、電池セルが構成されており、
    前記マグネシウム燃料極の前記軸線方向の一端側と他端側から、集電部を備えた固定部材で挟みこむことにより、前記マグネシウム燃料極及び前記空気極が固定されていることを特徴とするマグネシウム空気電池。
  2. 複数の収容室が形成されたケース本体を有し、前記収容室にそれぞれ前記マグネシウム燃料極及び前記空気極が配設されることにより、複数の前記電池セルが形成されており、
    前記固定部材によって複数の前記電池セルが並列接続された構造の電池セル集合体が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム空気電池。
  3. 前記電池セル集合体が、前記マグネシウム燃料極の前記軸線に沿って複数積層され、前記電池セル集合体が直列に接続された構造とされていることを特徴とする請求項2に記載のマグネシウム空気電池。
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