JP2020166580A - 自動車部品の製造システムおよび作業機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークを加工して自動車部品を製造するものにおいて、システムをより効率的に運用する。【解決手段】自動車部品の製造システムは、加工機と、バッテリを搭載する作業機と、作業機とは別体として構成される移動体とを備える。作業機は、第1の作業位置において外部電源からの電力により加工機へ加工前ワークを受け渡す第1の作業とバッテリの充電とを行なうと共に、第1の作業位置とは異なる第2の作業位置においてバッテリからの電力により第1の作業とは異なる第2の作業を行なう。移動体は、加工前ワークの補充または加工済ワークの回収を行なうよう加工前ワークまたは加工済ワークを収容する収容台を移動させると共に、第1の作業位置と第2の作業位置との間で作業機を移動させる。【選択図】図7

Description

本明細書は、自動車部品の製造システムおよび作業機について開示する。
従来、この種の製造システムとしては、ワークとしての物品を加工する加工機と、加工機に隣接した位置に移動して加工機に対して未加工の物品の搬入と加工済の物品の搬出とを行なう移動ロボットと、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この製造システムでは、移動ロボットは、自律走行型の移動体(AGV)と、移動体上に固定された多関節ロボットとにより構成される。移動ロボットは、加工機によりワークの加工が完了すると、加工機の前に移動して加工済のワークを加工機から搬出し、ワークストッカの前に移動して加工済のワークをワークストッカに搬入する。そして、移動ロボットは、ワークストッカから未加工のワークを搬出し、加工機の前に移動して加工機へ未加工のワークを搬入する。移動ロボットは、加工機に未加工のワークを搬入すると、待機位置へ移動して待機する。
特開2018−124910号公報
上述した製造システムでは、移動ロボット(作業機)は、加工機へ未加工のワークを搬入すると、待機位置で待機するものであり、作業機の効率的な運用を行なうにあたって尚改善の余地がある。
本開示の自動車部品の製造システムおよび作業機は、ワークを加工して自動車部品を製造するものにおいて、システムをより効率的に運用することを主目的とする。
本開示の自動車部品の製造システムおよび作業機は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本開示の自動車部品の製造システムは、
ワークを加工して自動車部品を製造する自動車部品の製造システムであって、
前記ワークを加工する加工機と、
バッテリを搭載し、第1の作業位置において外部電源からの電力により前記加工機へ加工前ワークを受け渡す第1の作業と前記バッテリの充電とを行なうと共に、前記第1の作業位置とは異なる第2の作業位置において前記バッテリからの電力により前記第1の作業とは異なる第2の作業を行なう作業機と、
前記作業機とは別体として構成され、前記加工前ワークの補充または加工済ワークの回収を行なうよう前記加工前ワークまたは前記加工済ワークを収容する収容台を移動させると共に、前記第1の作業位置と前記第2の作業位置との間で前記作業機を移動させる移動体と、
を備えることを要旨とする。
この本開示の自動車部品の製造システムは、加工機と、バッテリを搭載する作業機と、作業機とは別体として構成される移動体とを備える。作業機は、第1の作業位置において外部電源からの電力により加工機へ加工前ワークを受け渡す第1の作業とバッテリの充電とを行なうと共に、第1の作業位置とは異なる第2の作業位置においてバッテリからの電力により第1の作業とは異なる第2の作業を行なう。移動体は、加工前ワークの補充または加工済ワークの回収を行なうよう加工前ワークまたは加工済ワークを収容する収容台を移動させると共に、第1の作業位置と第2の作業位置との間で作業機を移動させる。これにより、作業機と移動体とは、本来の作業である、加工機への加工前ワークの受け渡し作業(第1の作業),加工前ワークの補充または加工済ワークの回収に加えて、他の作業(第2の作業)も互いに連携して行なうことができるから、従来のシステムに比して、システムをより効率的に運用させることができる。また、第2の作業は、第1の作業位置において第1の作業中に外部電源により充電されたバッテリの電力を用いて行なうから、第2の作業を行なうために第2の作業位置において外部電源を設ける必要がなく、システムを簡素化することができる。
本実施形態の製造システムの上面図である。 本実施形態の製造システムの正面図である。 作業ロボットとAGVの概略構成図である。 作業ロボットとAGVの概略構成図である。 加工機と作業ロボットとAGVと管理装置との電気的な接続関係を示す説明図である。 作業ロボット側処理の一例を示すフローチャートである。 AGV側処理の一例を示すフローチャートである。 AGVが加工前品用収容台を交換する様子を示す上面図である。 AGVが加工前品用収容台を交換する様子を示す正面図である。 AGVが加工済品用収容台を交換する様子を示す上面図である。 AGVが加工済品用収容台を交換する様子を示す正面図である。 作業ロボットが特別作業を行なう様子を示す上面図である。 作業ロボットが特別作業を行なう様子を示す正面図である。
次に、図面を参照しながら、本開示を実施するための形態について説明する。
図1は、本実施形態の製造システムの上面図であり、図2は、本実施形態の製造システムの正面図である。また、図3および図4は、作業ロボットとAGVの概略構成図であり、図5は、加工機と作業ロボットとAGVと管理装置との電気的な接続関係を示す説明図である。本実施形態の製造システム1は、複数の加工機10によりワークを加工して自動車部品を製造(例えば、トランスミッションのバルブボディを切削工具を用いて削り出し加工)するシステムである。各加工機10は、例えば、上流側からワークを受け入れて当該ワークを治具に固定し、ワークに対して工具を押し付けながら治具または工具を複数軸に移動させることにより当該ワークを加工して下流側へ払い出す多軸加工機として構成される。
自動車部品の製造システム1は、図1および図2に示すように、加工機10の他に、複数の加工機10のうち最上流の加工機10に隣接するように設置され当該最上流の加工機10へ加工前品Wbを受け渡す作業ロボット20と、作業ロボット20に対して供給する加工前品Wbを収容する加工前品用収容台41と、複数の加工前品用収容台41を保管する加工前品用保管エリアA1と、複数の加工機10のうち最下流の加工機10から払い出される加工済品Waを収容する加工済品用収容台42と、複数の加工済品用収容台42を保管する加工済品用保管エリアA2と、無人搬送車(以下、AGVという)30と、システム全体を管理する管理装置50(図5参照)と、を備える。
作業ロボット20は、図3および図4に示すように、天板部29aと側板部29bと底板部29cとを含む箱形の架台29と、天板部29a上に固定され先端部に把持部(チャック)やカメラ27が取り付けられた多関節のロボットアーム21と、ロボット用制御装置25と、を有する。また、作業ロボット20は、外部電源2からの電力により充電すると共に作業ロボット20の各部へ供給する電力を放電可能なロボット用バッテリ24や図示しない電源切替回路を有しており、これにより、外部電源2からの電力により駆動する外部電源駆動と、ロボット用バッテリ24からの電力により駆動するバッテリ駆動とのいずれによっても動作することができる。本実施形態では、外部電源2は、図1に示すように、最上流の加工機10の近傍に設けられており、作業ロボット20は、最上流の加工機10に隣接した位置に設置されているときに外部電源2と電気的に接続される。すなわち、作業ロボット20は、最上流の加工機10に隣接した位置(第1の作業位置、通常作業位置)に設置された状態で、隣接した加工前品用収容台41内の加工前品Wbを取り出して最上流の加工機10へ受け渡す受渡作業(第1の作業、通常作業)を行なう場合のみ、外部電源駆動により動作することができる。
また、作業ロボット20の架台29は、底板部29cが床面Fから離間した位置に設けられており、底板部29cと床面Fとの間には、AGV30が出入りする空間Sが画成される。作業ロボット20は、AGV30によって移動させられる。
ロボット用制御装置25は、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM等を備える。ロボット用制御装置25には、作業ロボット20の現在位置を検出する現在位置センサ26からの検出信号や、ロボットアーム21の各関節の角度を検出する角度センサからの検出信号などが入力されている。なお、現在位置センサ26は、例えば、床面Fの複数の位置に設けられた複数の磁気テープを磁気センサで検出することにより現在位置を取得するものとして構成される。また、ロボット用制御装置25からは、ロボットアーム21の各関節を駆動するアームモータ22への駆動信号などが出力されている。なお、ロボット用制御装置25は、管理装置50と無線通信可能に接続されており、互いに指令信号や情報のやり取りを行なう。
AGV30は、移動ユニット31により車輪を駆動して床面F上を走行する床面走行式の無人搬送車として構成される。このAGV30は、移動ユニット31の他に、筐体39の上面に設けられて昇降する例えば電動ボールねじ式のリフター32と、AGV用制御装置35と、各部に駆動用の電力を供給するAGV用バッテリ34と、備える。
AGV用制御装置35は、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムや複数の走行ルートを含むナビゲーション情報を記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM等を備える。AGV用制御装置35には、現在位置を検知するための現在位置センサ36からの検出信号や、進行方向の障害物を監視する監視センサ37からの検出信号などが入力されている。なお、現在位置センサ36は、床面Fの複数の位置に設けられた複数の磁気テープを磁気センサで検出することにより現在位置を取得するものとして構成される。また、AGV用制御装置35からは、移動ユニット31(モータ)への駆動信号などが出力されている。なお、AGV用制御装置35は、管理装置50と無線通信可能に接続されており、互いに指令信号や情報のやり取りを行なう。
AGV30は、ホームポジションHPに位置しているときにホームポジションHPの近傍に設けられた外部電源3と電気的に接続され、外部電源3からの電力によりAGV用バッテリ34を充電する。そして、管理装置50からの制御指令に基づいてナビゲーション情報に含まれる複数の走行ルートのうちのいずれかを選択すると共に選択した走行ルートに従って走行するよう移動ユニット31を駆動することにより、目的の位置まで移動する。
上述したように、作業ロボット20の下方(架台29の底板部22cの下方)には空間Sが画成されており、AGV30は、作業ロボット20の下方の空間Sに入り込んだ状態でリフター32を上昇させることにより、図4に示すように、底板部22cを押し上げて作業ロボット20(架台29)を床面Fから離間させることができる。AGV30は、作業ロボット20を床面Fから離間させた状態で走行することにより、作業ロボット20を移動させることができる。
また、本実施形態では、加工前品用収容台41や加工済品用収容台42の下方にも、同様の空間が画成されており、AGV30は、加工前品用収容台41や加工済品用収容台42の下方の空間に入り込んだ状態でリフター32を上昇させることにより、加工前品用収容台41や加工済品用収容台42を押し上げて床面Fから離間させることができる。AGV30は、加工前品用収容台41や加工済品用収容台42を床面Fから離間させた状態で走行することにより、加工前品用収容台41や加工済品用収容台42を移動させることができる。
加工前品用保管エリアA1は、作業ロボット20(通常作業位置)に加工前品Wbを供給する供給位置P1の近傍に設けられ、加工前品用保管エリアA1には、加工前品Wbを収容した加工前品用収容台41と、加工前品Wbを供給して空となった加工前品用収容台41とが保管される。なお、加工前品用保管エリアA1では、例えば作業員等により、空となった加工前品用収容台41が適宜回収されると共に加工前品Wbが収容された加工前品用収容台41が適宜補充される。
加工済品用保管エリアA2は、最下流の加工機10から加工済品Waが払い出される払出位置P2の近傍に設けられ、加工済品用保管エリアA2には、加工済品Waが収容されていない空の加工済品用収容台42と、払い出された加工済品Waで満杯となった加工済品用収容台42とが保管される。なお、加工済品用保管エリアA2では、例えば作業員等により、加工済品Waで満杯となった加工済品用収容台42が適宜回収されると共に、空の加工済品用収容台42が適宜補充される。なお、加工前品用保管エリアA1において保管される空となった加工前品用収容台41を、加工済品Waを収容するための加工済品用収容台42として加工済品用保管エリアA2に移動させてもよい。
管理装置50は、CPUやROM,RAM,HDD(SSD)等を含む汎用のコンピュータとして構成され、キーボードやマウス等の入力デバイス51と、LCD等のディスプレイ52と、を備える。この管理装置50には、複数の加工機10と有線により通信可能に接続されると共に、作業ロボット20およびAGV30と無線により通信可能に接続されている。
また、管理装置50のHHD(SSD)には、どの機種用の自動車部品を何個製造するかの製造計画や製造スケジュールの他、各加工機10,作業ロボット20およびAGV30を含むシステムの運用を管理するための管理情報が記憶される。管理情報には、例えば、加工機10ごとの工具の使用回数や、供給位置P1に配置される加工前品用収容台41内の加工前品Wbの残数、払出位置P2に配置される加工済品用収容台42内の加工済品Waの払出数などが含まれる。管理装置50は、製造計画や製造スケジュール、管理情報に基づいて、各加工機10において順次加工が実施されると共に加工前品Wbの補充と加工済品Waの回収とが行なわれるように各加工機10,作業ロボット20およびAGV30に対して制御指令を送信する。例えば、管理装置50は、各加工機10の加工状況や、作業ロボット20の作業状況、AGV30の走行状況に関する情報を各加工機10,作業ロボット20およびAGV30から受信し、受信した情報に基づいて管理情報を更新する。そして、管理情報に含まれる加工前品用収容台41の残数がゼロ、すなわち品切れが生じているときには、供給位置P1に配置される加工前品用収容台41の交換を指示する指令信号をAGV30に送信する。また、管理情報に含まれる加工済品用収容台42内の加工済品Waの数が予め定められた上限数(満杯)に達しているときには、払出位置P2に配置される加工済品用収容台42の交換を指示する制御指令をAGV30に送信する。加えて、管理装置50は、管理情報に含まれる工具の使用回数が予め定められた使用限度に達したときには、加工の停止を指示する制御指令を全ての加工機10に送信すると共に該当する加工機10の工具を交換する工具交換作業を指示する制御指令を作業ロボット20とAGV30とに送信する。また、加工機10からエラーを受信したときには、加工の停止を指示する制御指令を全ての加工機10に送信すると共に該当する加工機10を点検整備する点検整備作業を指示する制御指令を作業ロボット20とAGV30とに送信する。さらに、機種の切り替えが発生したときには、加工機10内の治具や工具を切り替え後の機種の製造に対応したものに交換する段取り替え作業を指示する制御指令を作業ロボット20とAGV30とに送信する。本実施形態では、加工前品用収容台41の交換や加工済品用収容台42の交換をAGV30を用いて行ない、工具交換作業や点検整備作業、段取り替え作業を作業ロボット20とAGV30とを用いて行なう。これらの処理の詳細については後述する。
次に、こうして構成された自動車部品の製造システム1の動作について説明する。特に、作業ロボット20の動作とAGV30の動作とについて説明する。図6は、ロボット用制御装置25により実行される作業ロボット側処理の一例を示すフローチャートであり、図7は、AGV用制御装置35により実行されるAGV側処理の一例を示すフローチャートである。まず、作業ロボット側処理について説明し、その後、AGV側処理について説明する。
作業ロボット側処理では、ロボット用制御装置25は、まず、管理装置50から通常作業が要求されているか否かを判定する(ステップS100)。ここで、通常作業は、上述したように、加工前品用収容台41から加工前品Wbを取り出して最上流の加工機10へ受け渡す作業である。通常作業が要求されていると判定すると、現在位置センサ26により検出される現在位置が通常作業の実行位置(通常作業位置)であるか否かを判定する(ステップS110)。現在位置が通常作業位置であると判定すると、通常作業を実行する(ステップS120)。通常作業は、具体的には、供給位置P1に配置される加工前品用収容台41に収容されている加工前品Wbをカメラ27で撮像し、得られた画像に基づいて加工前品Wbの位置を認識し、加工前品Wbがロボットアーム21の把持部に把持されるようアームモータ22を制御すると共に、把持された加工前品Wbが最上流の加工機10の治具上に載置されるようアームモータ22を駆動制御することにより行なわれる。こうした通常作業は、外部電源駆動により実行される。ステップS100において通常作業が要求されていないと判定したり、ステップS110において現在位置が通常作業位置でないと判定すると、通常作業を実行する必要がないか、実行することができないと判断して、ステップS130に進む。
次に、管理装置50から特別作業が要求されているか否かを判定する(ステップS130)。ここで、特別作業とは、上述した工具交換作業,点検作業,整備作業および段取り替え作業が含まれる。特別作業が要求されていると判定すると、現在位置センサ26により検出される現在位置が特別作業が必要な加工機10の前方である特別作業位置であるか否かを判定する(ステップS140)。現在位置が特別作業位置であると判定すると、特別作業を実行して(ステップS150)、本処理を終了する。特別作業は、具体的には、工具交換作業や段取り替え作業を実行する場合には、対象の加工機10内の工具または治具をロボットアーム21により当該加工機10から取り外し、代わりの工具または治具をロボットアーム21により当該加工機10内に装着することにより行なわれる。また、点検作業や整備作業を実行する場合には、対象の加工機10の内部をカメラ27で撮像して異物がないかどうかを判定し、必要に応じて異物をロボットアーム21で把持して除去することにより行なわれる。こうした特別作業は、特別作業位置において、外部電源2からの電力に代えて、作業ロボット20に搭載するロボット用バッテリ24からの電力を用いてバッテリ駆動により行なわれる。このように、常時実行を要する通常作業を外部電源駆動で行なうと共に、一時的な実行で足りる特別作業をバッテリ駆動で行なうことにより、外部電源2を多数設けることなく、異なる複数の作業位置(通常作業位置,特別作業位置)での作業を円滑に行なうことができる。
次に、図7のAGV側処理について図8〜図13を参照しながら説明する。AGV側処理では、AGV用制御装置35は、まず、供給位置P1に配置される加工前品用収容台41の交換作業が管理装置50から要求されているか否か(ステップS200)、払出位置P2に配置される加工済品用収容台42の交換作業が管理装置50から要求されているか否か(ステップS210)、作業ロボット20による特別作業が管理装置50から要求されているか否か(ステップS220)、をそれぞれ判定する。いずれの要求もなされていないと判定すると、ホームポジションHPへ移動して(ステップS430)、本処理を終了する。上述したように、AGV30は、ホームポジションHPへ移動すると、外部電源3に電気的に接続され、外部電源3からの電力によりAGV用バッテリ34を充電する。
ステップS200において、供給位置P1での加工前品用収容台41の交換作業が要求されていると判定すると、供給位置P1へ移動するよう移動ユニット31を制御する(ステップS230)。これにより、AGV30は、加工前品用収容台41の下方の空間に入り込む。続いて、リフター32を上昇させて供給位置P1に配置される加工前品用収容台41をAGV30に積み上げる(ステップS240)。そして、加工前品用保管エリアA1へ移動するよう移動ユニット31を制御し(ステップS250)、加工前品用保管エリアA1内でリフター32を下降させて加工前品用収容台41をAGV30から積み下ろす(ステップS260)。次に、加工前品Wbが収容された代わりの加工前品用収容台41の下方へ移動し、リフター32を上昇させて当該加工前品用収容台41をAGV30に積み上げる(ステップS270)。そして、供給位置P1へ移動するよう移動ユニット31を制御し(ステップS280)、供給位置P1でリフター32を下降させて代わりの加工前品用収容台41をAGV30から積み下ろして(ステップS290)、本処理を終了する。図8および図9に示すように、AGV30に加工前品用収容台41を積み上げて走行すると共に目的の位置でAGV30から加工前品用収容台41を積み下ろすことで、供給位置P1に配置される加工前品用収容台41を、代わりの加工前品用収容台41に交換することができる。すなわち、供給位置P1へ加工前品Wbを補充することができる。
ステップS210において、払出位置P2での加工済品用収容台42の交換作業が要求されていると判定すると、払出位置P2へ移動するよう移動ユニット31を制御する(ステップS300)。これにより、AGV30は、加工済品用収容台42の下方の空間に入り込む。続いて、リフター32を上昇させて払出位置P2に配置される加工済品用収容台42をAGV30に積み上げる(ステップS310)。そして、加工済品用保管エリアA2へ移動するよう移動ユニット31を制御し(ステップS320)、加工済品用保管エリアA2内でリフター32を下降させて加工前品用収容台41をAGV30から積み下ろす(ステップS330)。次に、加工済品Waが収容されていない(空の)代わりの加工済品用収容台42の下方へ移動し、リフター32を上昇させて当該加工済品用収容台42をAGV30に積み上げる(ステップS340)。そして、払出位置P2へ移動するよう移動ユニット31を制御し(ステップS350)、払出位置P2でリフター32を下降させて代わりの加工済品用収容台42をAGV30から積み下ろして(ステップS360)、本処理を終了する。図10および図11に示すように、AGV30に加工済品用収容台42を積み上げて走行すると共に目的の位置でAGV30から加工済品用収容台42を積み下ろすことで、払出位置P2に配置される加工済品用収容台42を、代わりの加工済品用収容台42に交換することができる。すなわち、払出位置P2から加工済品Waを回収することができる。
ステップS220において、作業ロボット20の特別作業が要求されていると判定すると、通常作業位置へ移動するよう移動ユニット31を制御する(ステップS370)。これにより、AGV30は、作業ロボット20の下方の空間Sに入り込む。続いて、リフター32を上昇させて通常作業位置にある作業ロボット20をAGV30に積み上げる(ステップS380)。そして、特別作業位置へ移動するよう移動ユニット31を制御する(ステップS390)。これにより、作業ロボット側処理において作業ロボット20に対して特別作業の要求が管理装置50からなされていることに加えて、ステップS140において、現在位置が特別作業位置であると判定されるため、特別作業が開始される。そして、作業ロボット20が特別作業を完了するまで待機し(ステップS400)、特別作業が完了すると、通常作業位置へ移動するよう移動ユニット31を制御し(ステップS410)、通常作業位置でリフター32を下降させて作業ロボット20をAGV30から積み下ろして(ステップS420)、本処理を終了する。図12および図13に示すように、AGV30に作業ロボット20を積み上げて走行することで、作業ロボット20を加工機10の特別作業位置へ移動させて、当該作業ロボット20に特別作業を実行させることができる。
本実施形態では、加工前品用収容台41の交換や加工済品用収容台42の交換、加工機10における工具交換,点検整備および段取り替えを1台のAGV30で行なうものとしたが、複数台のAGVで分担するものとしてもよい。
また、本実施形態では、払出位置P2に加工済品用収容台42を配置し、最下流の加工機10で加工された加工済品Waを当該加工済品用収容台42に直接に払い出すものとしたが、作業ロボット20と同様に構成される第2の作業ロボットを払出位置P2に配置し、最下流の加工機10が加工を終了すると、当該第2の作業ロボットが最下流の加工機10の治具から加工済品Waを取り出して、加工済品用収容台42に移載するようにしてもよい。この場合、AGV30は、管理装置50から特別作業が要求されたときに、第2の作業ロボットを特別作業位置へ移動させることで、当該第2の作業ロボットに特別作業を実行させてもよい。
以上説明したように、本開示の自動車部品の製造システムは、ワークを加工して自動車部品を製造する自動車部品の製造システム(1)であって、前記ワークを加工する加工機(10)と、バッテリ(24)を搭載し、第1の作業位置において外部電源(2)からの電力により前記加工機(10)へ加工前ワーク(Wb)を受け渡す第1の作業と前記バッテリ(24)の充電とを行なうと共に、前記第1の作業位置とは異なる第2の作業位置において前記バッテリ(24)からの電力により前記第1の作業とは異なる第2の作業を行なう作業機(20)と、前記作業機(20)とは別体として構成され、前記加工前ワーク(Wb)の補充または加工済ワーク(Wa)の回収を行なうよう前記加工前ワーク(Wb)または前記加工済ワーク(Wa)を収容する収容台(41,42)を移動させると共に、前記第1の作業位置と前記第2の作業位置との間で前記作業機(20)を移動させる移動体(30)と、を備えることを要旨とする。
この本開示の自動車部品の製造システムは、加工機と、バッテリを搭載する作業機と、作業機とは別体として構成される移動体とを備える。作業機は、第1の作業位置において外部電源からの電力により加工機へ加工前ワークを受け渡す第1の作業とバッテリの充電とを行なうと共に、第1の作業位置とは異なる第2の作業位置においてバッテリからの電力により第1の作業とは異なる第2の作業を行なう。移動体は、加工前ワークの補充または加工済ワークの回収を行なうよう加工前ワークまたは加工済ワークを収容する収容台を移動させると共に、第1の作業位置と第2の作業位置との間で作業機を移動させる。これにより、作業機と移動体とは、本来の作業である、加工機への加工前ワークの受け渡し作業(第1の作業),加工前ワークの補充または加工済ワークの回収に加えて、他の作業(第2の作業)も互いに連携して行なうことができるから、従来のシステムに比して、システムをより効率的に運用させることができる。また、第2の作業は、第1の作業位置において第1の作業中に外部電源により充電されたバッテリの電力を用いて行なうから、第2の作業を行なうために第2の作業位置において外部電源を設ける必要がなく、システムを簡素化することができる。
こうした本開示の自動車部品の製造システムにおいて、前記作業機(20)は、前記第2の作業として、前記加工機(10)の工具交換,点検,整備または段取り替えに係る作業を行なうものとしてもよい。
また、本開示の自動車部品の製造システムにおいて、前記移動体(30)は、前記加工機(10)による加工の停止を伴って前記第2の作業が要求されたときに、前記作業機(20)を前記第1作業位置から前記第2作業位置へ移動させ、前記第2の作業が完了したときに、前記作業機(20)を前記第2作業位置から前記第1作業位置へ移動させるものとしてもよい。こうすれば、システムの効率を落とすことなく、作業機に第2の作業を実行させることができる。
なお、本開示では、自動車部品の製造システムに代えて作業機の形態とすることもできる。
すなわち、本開示の作業機は、ワークを加工する加工機を備える自動車部品の製造システム(1)に用いられる作業機(20)であって、バッテリ(24)を搭載し、第1の作業位置において外部電源(2)からの電力により前記加工機(10)へ加工前ワーク(Wb)を受け渡す第1の作業と前記バッテリ(24)の充電とを行なうと共に、前記第1の作業位置とは異なる第2の作業位置において前記バッテリ(24)からの電力により前記第1の作業とは異なる第2の作業を行なうことを要旨とする。
以上、本開示の実施の形態について説明したが、本開示はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本開示は、自動車部品の製造システムに係る産業に利用可能である。
1 製造システム、2,3 外部電源、10 加工機、20 作業ロボット、21 ロボットアーム、24 ロボット用バッテリ、25 ロボット用制御装置、26 現在位置センサ、27 カメラ、29 架台、29a 天板部、29b 側板部、29c 底板部、30 無人搬送車(AGV)、31 移動ユニット、32 リフター、34 AGV用バッテリ、35 AGV用制御装置、36 現在位置センサ、37 監視センサ、39 筐体、41 加工前品用収容台、42 加工済品用収容台、50 管理装置、51 入力デバイス、52 ディスプレイ、Wb 加工前品、Wa 加工済品、A1 加工前品用保管エリア、A2 加工済品用保管エリア、HP ホームポジション、P1 供給位置、P2 払出位置。

Claims (4)

  1. ワークを加工して自動車部品を製造する自動車部品の製造システムであって、
    前記ワークを加工する加工機と、
    バッテリを搭載し、第1の作業位置において外部電源からの電力により前記加工機へ加工前ワークを受け渡す第1の作業と前記バッテリの充電とを行なうと共に、前記第1の作業位置とは異なる第2の作業位置において前記バッテリからの電力により前記第1の作業とは異なる第2の作業を行なう作業機と、
    前記作業機とは別体として構成され、前記加工前ワークの補充または加工済ワークの回収を行なうよう前記加工前ワークまたは前記加工済ワークを収容する収容台を移動させると共に、前記第1の作業位置と前記第2の作業位置との間で前記作業機を移動させる移動体と、
    を備える自動車部品の製造システム。
  2. 請求項1に記載の自動車部品の製造システムであって、
    前記作業機は、前記第2の作業として、前記加工機の工具交換,点検,整備または段取り替えに係る作業を行なう、
    自動車部品の製造システム。
  3. 請求項1または2に記載の製造システムであって、
    前記移動体は、前記加工機による加工の停止を伴って前記第2の作業が要求されたときに、前記作業機を前記第1作業位置から前記第2作業位置へ移動させ、前記第2の作業が完了したときに、前記作業機を前記第2作業位置から前記第1作業位置へ移動させる、
    自動車部品の製造システム。
  4. ワークを加工する加工機を備える自動車部品の製造システムに用いられる作業機であって、
    バッテリを搭載し、第1の作業位置において外部電源からの電力により前記加工機へ加工前ワークを受け渡す第1の作業と前記バッテリの充電とを行なうと共に、前記第1の作業位置とは異なる第2の作業位置において前記バッテリからの電力により前記第1の作業とは異なる第2の作業を行なう、
    作業機。
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